特開2015-100705(P2015-100705A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開2015100705-可撓性複数アーム診断用カテーテル 図000003
  • 特開2015100705-可撓性複数アーム診断用カテーテル 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-100705(P2015-100705A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】可撓性複数アーム診断用カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0408 20060101AFI20150508BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20150508BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20150508BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20150508BHJP
   A61B 5/0402 20060101ALI20150508BHJP
【FI】
   A61B5/04 300J
   A61B17/39 320
   A61B5/04 300E
   A61B5/04 310M
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-235297(P2014-235297)
(22)【出願日】2014年11月20日
(31)【優先権主張番号】14/086,294
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ガル・ハヤム
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート・ジー・ウィリアムズ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の器官への挿入に向けて遠位端と細長い本体とを含む医療用プローブを提供する。
【解決手段】医療用プローブ22は、患者28の器官26への挿入に向けて遠位端40と細長い本体とを含む。遠位端は、細長い本体に接続され、かつ、器官に挿入されたとき、複数のそれぞれの螺旋を形成するために伸長する複数のアーム部を含み、前記螺旋それぞれはその上に配設された電極を有する。前記器官は、心臓を含み、前記電極は、電気生理学的(EP)マッピング電極を含み、前記複数のアーム部のそれぞれは、任意の他の前記アーム部から独立して前記器官の表面に適合するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の器官への挿入のための細長い本体と、
前記細長い本体に接続された遠位端であって、前記器官に挿入されたとき、複数の対応する螺旋を形成するように伸長する複数のアーム部を含み、前記螺旋それぞれはその上に配設された電極を有する、遠位端と、を備える、医療用プローブ。
【請求項2】
前記器官は、心臓を含み、前記電極は、電気生理学的(EP)マッピング電極を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記複数のアーム部のそれぞれは、任意の他の前記アーム部から独立して前記器官の表面に適合するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
伸長されたとき、前記螺旋は、前記細長い本体に垂直である平面内に位置決めされる、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
伸長されたとき、前記螺旋は、前記細長い本体に対して斜めに配向される平面内に位置決めされる、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記複数のアーム部は、互いに対して90°の配向にて伸長する4つのアーム部を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記複数のアーム部は、互いに対して120°の配向にて伸長する3つのアーム部を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記複数のアーム部は、互いに対して180°の配向にて伸長する2つのアーム部を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記電極は、均一なピッチで前記アーム部上に配設される、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記電極は、不均一なピッチで前記アーム部上に配設される、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記電極は、第1のピッチで第1のアーム部上に、かつ、前記第1のピッチと異なる第2のピッチで第2のアーム部上に配設される、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記遠位端は、前記器官内の前記遠位端の位置を測定する少なくとも1つの位置センサを含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記遠位端は、前記器官内の前記遠位端の位置を測定する少なくとも1つの電流電極を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療機器に関し、特に医療用診断プローブの方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
侵襲性プローブは、心臓電気生理学的(EP)マッピング及びアブレーションなどの様々な医療処置で用いられている。例えば、本開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,740,629号では、細長い担体を含むアブレーションカテーテルが説明されている。第1のループ部は、担体の遠位端に又はその近傍に配置される。患者の体において不規則な電気的活性を検知するための少なくとも1つの検出電極が、第1のループ部上に担持される。少なくとも1つの更なるループ部は、担体上の第1のループ部に対して近位に、第1のループ部に対する一定の配向で配置される。少なくとも1つのアブレーション用電極が、不規則な電気的活性を発生する患者の体の部位をアブレーションするための第2のループ部上に担持される。
【0003】
本開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0245665号は、カテーテルへの挿通に向けてサイズ決定された遠位端を有する本体と、それぞれ、近位端及び遠位端を有し、かつ、心臓組織の領域に伸長するために配置された先端部において終端する、本体を通って延在する第1及び第2の電極とを含む心臓装置用導線が説明されている。先端部は、先端部の長さの5%〜40%の範囲で測定する近位端及び遠位端の上の完全絶縁部分を含み、かつ、非絶縁中間区分を更に含む。第2の電極の先端部は、第1の電極を取り囲む螺旋状の区分を含み、かつ、内方に向く部分表面上の絶縁部分を有し、これは第1の電極の方に向く。第2の電極の先端部は、同じ又は類似の%範囲にある近位端及び遠位端上の完全絶縁部分も含む。
【0004】
参照により本書に組み込まれる、「Complete Isolation of Left Atrium Surrounding the Pulmonary Veins:New Insights fromthe Double−Lasso Technique in Paroxysmal Atrial Fibrillation」、Circulation、Vol.110、No.15、Oct.12、2004、pages 2090〜2096」という題名の出版物では、発作性心房細動(PAF)を肺静脈(PV)周りの連続円形病変(CCL)と共に排除することができる方法が説明されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、患者の器官への挿入に向けて遠位端と細長い本体とを含む医療用プローブを提供する。遠位端は、細長い本体に接続され、かつ、器官に挿入されたとき、複数のそれぞれの螺旋を形成するために伸長する複数のアーム部を含み、前記螺旋それぞれはその上に配設された電極を有する。
【0006】
一部の実施形態では、器官は、心臓を含み、電極は、電気生理的(EP)マッピング電極を含む。他の実施形態では、複数のアーム部のそれぞれは、アーム部の任意の他のアーム部から独立して器官の表面に適合するように構成される。
【0007】
一部の実施形態では、伸長されたとき、螺旋は、細長い本体に垂直である平面内に位置決めされる。他の実施形態では、伸長されたとき、螺旋は、細長い本体に対して斜めに配向される平面内に位置決めされる。
【0008】
一部の実施形態では、複数のアーム部は、互いに対して90°の配向にて伸長する4つのアーム部を含む。他の実施形態では、複数のアーム部は、互いに対して120°の配向にて伸長する3つのアーム部を含む。更に他の実施形態では、複数のアーム部は、互いに対して180°の配向にて伸長する2つのアーム部を含む。
【0009】
一部の実施形態では、電極は、均一なピッチでアーム部上に配設される。他の実施形態では、電極は、不均一なピッチでアーム部上に配設される。
【0010】
一部の実施形態では、電極は、第1のピッチで第1のアーム部上に、及び、前記第1のピッチと異なる第2のピッチで第2のアーム部上に配設される。他の実施形態では、電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む。
【0011】
一部の実施形態では、遠位端は、器官内の遠位端の位置を測定する少なくとも1つの位置センサを含む。他の実施形態では、遠位端は、器官内の遠位端の位置を測定する少なくとも1つの電流電極を含む。
【0012】
本発明の実施形態により、細長い本体を有する医療用プローブを患者の器官に挿入することを含む方法も提供する。器官への挿入後、それぞれ電極が上に配置される複数の螺旋アーム部を形成するために医療用プローブの遠位端を伸長する。電極と表面との間の接触を形成するように螺旋アーム部を器官の表面に当てて配置される。電極を使用して医療処置を表面に適用する。
【0013】
本発明は、図面と併せてとらえることで、以下の本発明の実施形態の詳細な説明から、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による、心臓マッピングのシステムを概略的に示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による心臓マッピング用の複数アームカテーテルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概論
心臓電気生理的(EP)マッピングなどの医療処置では、1つ又は2つ以上の電極が、カテーテルなど医療用プローブの遠位端に配置され、かつ、器官、典型的には心腔又は心腔内のターゲット領域の表面と接触して設置される。一部の形式のカテーテルは、仕様が参照により本明細書に組み込まれる、Biosense Webster Inc.(Calif、Diamond Bar)製造のLasso−NAVエコカテーテルなど、心腔に入るときに遠位端が所望の形態を達成するように予成形される。予成形された遠位端上の複数の電極が、マッピング処置中のEP信号測定が成功するように器官の表面上の複数のそれぞれの点に同時に触れる。
【0016】
しかしながら、投げ縄螺旋の領域が大きい場合、組織面上の電極の達成可能な密度はかなり低く、その結果、電極適用範囲が低下する。更に、単一の大きい螺旋を使用するとき、表面との複数の電極の接触レベルが低下する場合があり、投げ縄螺旋は、例えば、広い領域にわたるカテーテル螺旋部の剛性の為にターゲット器官の表面の輪郭部に完全には適合することができないからである。
【0017】
本明細書で説明する本発明の実施形態は、大きい表面積にわたる、電極による組織の緻密な適用範囲、並びに、組織とのレベルの高い接触を提供する改良形カテーテルデザインを提供する。本記載の実施形態では、カテーテル遠位端は、それぞれ螺旋形状を有する2つ又は3つ以上のアーム部を含む。それぞれのアーム部は、螺旋に沿って分散される1つ又は2つ以上のEPマッピング電極を含む。遠位端がその伸長された形状を取ったとき、アーム部は、組織の大きい表面積を覆うために扇形に広がる。
【0018】
しかしながら、それぞれのアーム部は、カテーテル本体に別々に装着される。したがって、それぞれのアーム部は、組織表面に適応し、かつ、柔軟に組織表面に別々に適合することができる。更に、2つ又は3つ以上のアーム部上の電極数は、同じ表面積を覆う単一の螺旋又は投げ縄よりも多い。したがって、開示するカテーテルデザインを使用するとき、より高密度のEPマッピング点と、広いターゲット領域における実行が同時に可能であり、その結果、組織との接触レベルを損なうことなく、治療処置の全体的な継続時間がスピードアップされる。
【0019】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、心臓マッピングのシステム20を概略的に示すブロック図である。システム20は、本実施例では心臓カテーテルであるプローブ22と、制御コンソール24とを含む。本記載の実施形態では、一例として、プローブ22は、心臓不整脈など、心臓機能障害の診断のために、患者28の心臓26の腔の心臓マッピングに使用することができることが想定されている。あるいは又はこれに加えて、プローブ22は、心臓26の組織のアブレーションなど、その他の好適な治療用及び/又は診断用目的で使用され得る。
【0020】
コンソール24は、プローブ22からの信号を受信するため及び本明細書で説明されるシステム20の他の構成要素を制御するための好適なフロントエンド及びインターフェース回路を有した、典型的には汎用コンピュータであるプロセッサ42を備える。プロセッサ42は、システムによって使用される機能を実行するためにソフトウェアにプログラムされてもよく、プロセッサはソフトウェアのためのデータをメモリ50に記憶する。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でコンソール24にダウンロードされてもよく、又は光学的、磁気的若しくは電子的記憶媒体といった非一過性の実体のある媒体上に提供されてもよい。代替的に、プロセッサ42の機能の一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0021】
典型的には医師である操作者30は、患者28の脈管系にプローブ22を挿通する。操作者30は、プローブ22の遠位端40を心臓26内のターゲット領域の付近において移動させる。プローブは、ターゲット領域内の複数の点(マップ点)にて複数の電極を心腔の表面に接触させて複数の点でEP信号を記録する。一部の実施形態では、複数の点で記録されたEP信号は、心腔の表面に沿ってEP信号のマッピングを構築するために使用される。
【0022】
心腔内のプローブの遠位端の位置は、典型的には磁気位置検知システムで測定される。この場合、コンソール24は駆動回路34を備えており、この駆動回路34は、患者28に対して外側の既知の位置、例えば、患者の胴体の下に配置された磁場発生器36を駆動する。磁場センサ、典型的には、磁気プローブコイル(図示せず)が、遠位端40近傍でプローブ22に装着される。プローブセンサは、コイルからの磁場に応答して電気位置信号を生成し、それによってプロセッサ42が腔の遠位端部40の位置、すなわち場所及び典型的には配向もまた決定することを可能にする。
【0023】
他の実施形態では、システム20は、心腔内の遠位端40の位置を判定するために、インピーダンスを基本とする位置検知技法(例えば、高度カテーテル位置(ACL)技術)を使用することができる。これらの実施形態におけるシステム20は、遠位端40の少なくとも1つの電流電極と、典型的には患者の心臓より上方の胸に装着された患者28(図1には図示せず)上の複数の体表面電極との間で電流を駆動するように構成される。その後、システム20は、複数の体表面電極と遠位端40の少なくとも1つの電流電極との間で測定された電流に基づいて遠位端の位置を判定する。
【0024】
プロセッサ42は、当該の心腔又は心室の模擬表面を構成するマップ点の座標を使用する。続いて、プロセッサ42は、マップ点の電位測定値を模擬表面と組み合わせて、模擬表面上に重ね合わされた電位マップを作製する。プロセッサ42は、局所的心臓機能障害を評価する際に操作者30により使用されるディスプレイ46上でマップの画像44を操作者30に表示する。
【0025】
この位置検知法は、例えば、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)が製造するCARTO(商標)システムにおいて実行されており、その詳細は米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、PCT出願公開第WO 96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455 A1号、同第2003/0120150 A1号及び同第2004/0068178 A1号に開示されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
可撓性複数アーム診断用カテーテル
図2は、本発明の実施形態による心臓マッピング用の複数アームカテーテルを示す図である。図2の点で描いた挿入物90で示す複数アームカテーテルを、図1のカテーテル22の実装に使用することができる。本実施例では、カテーテルは、シース遠位縁部97を有するシース95を含み、シース95は、血管系を通って心臓100の心室に挿入される。図2において、シース遠位縁部97が、心臓100の表面105近傍に位置決めされているのが図示されている。
【0027】
カテーテルは、シース95に挿通される細長いカテーテル本体又は管を更に含む。操作者30は、カテーテルをシースの内腔を通して挿通する。カテーテルの遠位端は、遠位端がシース遠位縁部97を出たとき、カテーテル遠位端が複数の螺旋アーム部を含む予め規定された形状を取るように予成形される。伸長位置では、アーム部は、典型的には、カテーテルの軸線に垂直方向にある平面内に配向される。しかしながら、一部の実施形態では、アーム部は、カテーテル(例えば、細長い本体)の軸線に対して斜めに配向される平面内に位置決めされる。
【0028】
図2に示す例示的な実施形態は、それぞれ遠位端112及び117を有する2つの螺旋アーム部110及び115を含む。この実施例では、2つのアーム部は、180°反対の方向に螺旋状にせり出す。複数の電極120が、アーム部110及び115上に配設される。本実施例では、必ずしも必要ではないが、2つのアーム部は、同じ電極間間隔又はピッチ(隣接電極間の距離)を有する。
【0029】
2つの螺旋アーム部は、カテーテル本体に接続される(図中の接点は、カテーテルがシース95を出る点の周りにある)。それぞれのアーム部は、少なくともこの時点では典型的には可撓性であり、及び通常は遠位端に沿った別の場所にある。特に、螺旋アーム部は、互いから独立して表面105に自由に適合することができる。
【0030】
上述したように、複数の独立して適合する螺旋アーム部の使用により、遠位端の可撓性が増大し、したがって表面105の心臓組織との複数の電極の接触レベルが増大する。1つのカテーテル配置で、心臓組織の広い領域を同時にEPマッピング処理することができる。したがって、開示するカテーテルデザインは、接触レベルを低下させることなくEPマッピング処置の持続時間を短縮する。
【0031】
一部の実施形態では、螺旋アーム部上に配設された複数の電極の位置は、アーム部上に又はその近傍に任意の適切な構成で設置された1つ又は2つ以上の磁気位置センサ(図示せず)の位置を測定することにより判定することができる。
【0032】
図2の実施形態は、単に概念的な明確化のために描かれており、本発明の実施形態を限定する趣旨ではない。代替実施形態では、カテーテルは、任意の好適な予め規定された配向で任意の好適な数の予成形アーム部を含むことができる。例えば、カテーテルは、可撓性「四つ葉のクローバ状の」設置面積を形成するために4つのそれぞれの象限にわたって90°の予め規定された配向で扇形に広がる4つの螺旋アーム部を含むことができる。別の実施例として、カテーテルは、互いにそれぞれ120°の予め規定された配向で扇形に広がる3つの螺旋アーム部を含むことができる。アーム部は、同じサイズ(例えば、覆われた組織表面領域)又は異なるサイズを有することができる。
【0033】
本実施例では、カテーテルは、シース95に挿入される。代替実施形態では、カテーテルは、別の手段を使用して、例えば、好適なガイドワイヤーを使用して挿入することができる。
【0034】
一部の実施形態では、電極120は、均一に離間された予め規定されたピッチ(図2の場合と同様に)を有する電極、又は、アーム部に沿って可変のピッチで離間された電極など、螺旋アーム部に沿って任意の好適な構成で配置することができる。電極は、概ね、均一に又は不均一に配設することができる。
【0035】
他の実施形態では、電極120は、表面105上で複数の電極接点の密度を構成するように異なるピッチを異なるアーム部において有することができる。より多くの電極が接触するターゲット領域は、緻密なEPマッピングを有し、一方、より少数の電極が接触する接触領域は、まばらなEPマッピングを有する。例えば、まばらなEPマッピングは、左心房に入る肺静脈の心門の周りで使用することができ、一方、緻密なEPマッピングは、心門近傍の左心房室壁部の領域に沿って使用することができる。
【0036】
更に他の実施形態では、アーム部110及び115の遠位端112及び117近傍の電極120の一部は、それぞれ、EPマッピング電極に加えて任意の好適な数のアブレーション電極を含むこともできる。この実施形態では、第1の組の1つ又は2つ以上のEPマッピング電極、及び、第1の組とは異なる第2の組の1つ又は2つ以上のアブレーション電極が、カテーテルアーム部の1つ又は2つ以上の上に配設される。
【0037】
本記載の実施形態は主として、心臓療法における使用に向けて可撓性複数アームカテーテルに対処するが、本記載の方法及びシステムは、例えば、腎臓又は尿路などにおける、医療用プローブを使用する他の好適な診断、治療、又は撮像用途において使用することもできる。
【0038】
したがって、上述の実施形態は一例として引用したものであり、また本発明は上記に具体的に図示及び記載したものに限定されないことは認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲には、上述された種々の特徴の組み合わせ及び下位の組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者には想到されるであろう、先行技術に開示されていないそれらの変形及び修正が含まれる。参照により本特許出願に組み込まれた文書は、これらの組み込まれた文書内のどんな用語でも、本明細書で明示的又は暗黙的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【0039】
〔実施の態様〕
(1) 患者の器官への挿入のための細長い本体と、
前記細長い本体に接続された遠位端であって、前記器官に挿入されたとき、複数の対応する螺旋を形成するように伸長する複数のアーム部を含み、前記螺旋それぞれはその上に配設された電極を有する、遠位端と、を備える、医療用プローブ。
(2) 前記器官は、心臓を含み、前記電極は、電気生理学的(EP)マッピング電極を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記複数のアーム部のそれぞれは、任意の他の前記アーム部から独立して前記器官の表面に適合するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(4) 伸長されたとき、前記螺旋は、前記細長い本体に垂直である平面内に位置決めされる、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(5) 伸長されたとき、前記螺旋は、前記細長い本体に対して斜めに配向される平面内に位置決めされる、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0040】
(6) 前記複数のアーム部は、互いに対して90°の配向にて伸長する4つのアーム部を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(7) 前記複数のアーム部は、互いに対して120°の配向にて伸長する3つのアーム部を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(8) 前記複数のアーム部は、互いに対して180°の配向にて伸長する2つのアーム部を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(9) 前記電極は、均一なピッチで前記アーム部上に配設される、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(10) 前記電極は、不均一なピッチで前記アーム部上に配設される、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0041】
(11) 前記電極は、第1のピッチで第1のアーム部上に、かつ、前記第1のピッチと異なる第2のピッチで第2のアーム部上に配設される、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(12) 前記電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(13) 前記遠位端は、前記器官内の前記遠位端の位置を測定する少なくとも1つの位置センサを含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(14) 前記遠位端は、前記器官内の前記遠位端の位置を測定する少なくとも1つの電流電極を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(15) 細長い本体を有する医療用プローブを患者の器官に挿入することと、
前記器官への挿入後、それぞれがその上に配設された電極を有する複数の螺旋アーム部を形成するように前記医療用プローブの遠位端を伸長することと、
前記電極と前記器官の表面との間の接触を形成するように前記螺旋アーム部を前記表面に当てて配置することと、
前記電極を使用して医療処置を前記表面に適用することと、を含む、方法。
【0042】
(16) 前記器官は、心臓を含み、前記電極は、電気生理学的(EP)マッピング電極を含み、前記医療処置を適用することは、前記EPマッピング電極を使用してEP電位を測定することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記螺旋アーム部を配置することは、前記アーム部のそれぞれを、任意の他の前記アーム部とは独立して前記器官の表面に適合させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記遠位端を伸長することは、前記螺旋アーム部を前記細長い本体に垂直である平面内に位置決めすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記遠位端を伸長することは、前記螺旋アーム部を前記細長い本体に対して斜めに配向される平面内に位置決めすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(20) 前記螺旋アーム部は、
互いに対して90°の配向で伸長する4つのアーム部、
互いに対して120°の配向で伸長する3つのアーム部、
互いに対して180°の配向で伸長する2つのアーム部、のうちの1つを含む、実施態様15に記載の方法。
【0043】
(21) 前記電極は、均一なピッチで前記アーム部上に配設される、実施態様15に記載の方法。
(22) 前記電極は、不均一なピッチで前記アーム部上に配設される、実施態様15に記載の方法。
(23) 前記電極は、第1のピッチで第1のアーム部上に、かつ、前記第1のピッチと異なる第2のピッチで第2のアーム部上に配設される、実施態様15に記載の方法。
(24) 前記電極は、少なくとも1つのアブレーション電極を含み、前記医療処置を適用することは、前記少なくとも1つのアブレーション電極を使用して前記表面をアブレーションすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(25) 前記遠位端は、少なくとも1つの位置センサを含み、かつ、前記位置センサを使用して前記器官内の前記遠位端の位置を測定することを含む、実施態様15に記載の方法。
【0044】
(26) 前記遠位端は、少なくとも1つの電流電極を含み、かつ、前記電流電極を使用して前記器官内の前記遠位端の位置を測定することを含む、実施態様15に記載の方法。
図1
図2
【外国語明細書】
2015100705000001.pdf