【解決手段】本発明は、哺乳動物におけるがん等の異常な細胞成長の治療に有用な、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性溶媒和物に関する。本発明は、そのような結晶性溶媒和物を含む医薬組成物、ならびに哺乳動物、とりわけヒトにおける異常な細胞成長の治療においてそのような溶媒和物および組成物を使用する方法にも関する。
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物。
10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターンを有する、請求項1に記載の結晶性溶媒和物。
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物。
請求項1から11のいずれか一項に記載の結晶性酢酸溶媒和物または請求項12から31のいずれか一項に記載の結晶性水和物と、薬学的に許容できる添加剤とを含む、医薬組成物。
哺乳動物における異常な細胞成長を治療する方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の結晶性酢酸溶媒和物または請求項13から31のいずれか一項に記載の結晶性水和物を投与するステップを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態の下記の詳細な説明および本明細書に包含される実施例を参照することにより、本発明をより容易に理解することができる。本明細書において使用されている術語は、具体的な実施形態について記述することのみを目的としており、限定を意図したものではないことを理解されたい。さらに、本明細書において具体的に定義されているのでない限り、本明細書において使用されている術語には、関連技術分野において公知の通りのその慣習的な意味が与えられていることを理解されたい。
【0031】
本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、別段の指示がない限り、複数の参照物を包含する。例えば、「1つの(a)」置換基は、1つまたは複数の置換基を包含する。
【0032】
本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、用語「異常な細胞成長」は、正常な調節機構(例えば、接触阻害の喪失)とは無関係な細胞成長を指す。
【0033】
本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、用語「治療する」または「治療すること」は、そのような用語が当てはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、逆転させる、緩和する、その進行を阻害する、または予防することを意味する。用語「治療」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、「治療すること」がすぐ上で定義されているように、治療する行為を指す。
【0034】
用語「約」は、当業者によって考慮される場合、許容される標準誤差の範囲内にある値を有することを意味する。
【0035】
本明細書において使用される場合、用語「本質的に同じ」は、特定の方法に典型的な変動性が考慮に入れられることを意味する。例えば、X線回折ピーク位置に関連して、用語「本質的に同じ」は、ピーク位置および強度における典型的な変動性が考慮に入れられることを意味する。当業者であれば、ピーク位置(2θ)は典型的に±0.2°程度のいくらかの変動性を示すことが分かるであろう。さらに、当業者であれば、相対ピーク強度は、装置間変動性、ならびに、結晶化度、選択配向、調製試料表面、および当業者に公知である他の要因による変動性を示し、単なる定性的測定値として解釈されるべきであることが分かるであろう。同様に、ラマンスペクトル波数(cm
−1)値は、典型的には±2cm
−1程度の変動性を示すのに対し、
13Cおよび
19F固体状態NMRスペクトル(ppm)は、典型的には±0.2ppm程度の変動性を示す。
【0036】
用語「結晶性」は、本明細書において使用される場合、分子または外部面平面の規則的に繰り返す配置を有することを意味する。結晶性形態は、熱力学的安定性、物理的パラメーター、x線構造および調製プロセスに関して異なっていてよい。
【0037】
用語「溶媒和物」は、本明細書において使用される場合、表面上、格子中、または表面上および格子中に、水、酢酸、メタノール等またはそれらの混合物等の溶媒を有することを意味する。
【0038】
用語「非晶質」は、不規則な固体状態を指す。
【0039】
本明細書において記述されている発明は、好適には、本明細書において具体的に開示されていない任意の要素(複数可)の非存在下で実施することができる。故に、例えば、本明細書における各場合において、用語「を含む」、「から本質的になる」および「からなる」のいずれかを、他の2つの用語のいずれかで置きかえてよい。
【0040】
一態様において、本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態を提供する。いくつかの実施形態において、結晶性形態は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性溶媒和物、特に結晶性酢酸溶媒和物または結晶性水和物である。
【0041】
別の態様において、本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性溶媒和物を提供する。いくつかの実施形態において、結晶性溶媒和物は結晶性酢酸溶媒和物である。いくつかのそのような実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの分子当たり約1分子の酢酸を含む。具体的な実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物は、本明細書において開示されている結晶性溶媒和物形態3である。他の実施形態において、結晶性溶媒和物は結晶性水和物である。特定の実施形態において、結晶性水和物は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの分子当たり約0.5分子の水(すなわち、半水和物)、約1分子の水(すなわち、一水和物)または分子当たり約0.75分子の水を含む。いくつかのそのような実施形態において、結晶性水和物はさらに、メタノールまたは別の溶媒を含む。具体的な実施形態において、結晶性水和物は、本明細書において開示されている水和物形態1または水和物形態2である。
【0042】
本発明の態様のそれぞれのいくつかの実施形態において、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)−ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態は、その粉末X線回折(PXRD)パターンによって特徴付けられる。本発明の態様のそれぞれの他の実施形態において、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態は、そのラマンスペクトルによって特徴付けられる。本発明の態様のそれぞれの他の実施形態において、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態は、その
13C固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる。本発明の態様のそれぞれのさらに他の実施形態において、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態は、その
19F固体状態NMRスペクトルによって特徴付けられる。
【0043】
さらなる実施形態において、結晶性形態は、これらの方法の2つ、3つまたは4つの組合せによって特徴付けられる。下記の2つ以上を包含する例示的な組合せが本明細書において提供されている:粉末X線回折(PXRD)パターン(2θ);ラマンスペクトル波数値(cm
−1);
13C固体状態NMRスペクトル(ppm);または
19F固体状態NMRスペクトル(ppm)。2つ、3つまたは4つの技術の他の組合せを使用して、本明細書において開示されている結晶性水和物形態1、水和物形態2および酢酸溶媒和物形態3を包含する本発明の結晶性形態を一意的に特徴付けることができると理解されるであろう。
【0044】
本明細書において記述されている結晶性形態への言及は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性溶媒和物、特に、結晶性酢酸溶媒和物形態3ならびに結晶性水和物形態1および形態2を包含する、結晶性酢酸溶媒和物またはその結晶性水和物を網羅すると理解されるであろう。
【0045】
結晶性水和物形態1
第一の好ましい態様において、本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物(形態1)を提供する。
【0046】
一実施形態において、水和物形態1は、8.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、8.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、10.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、8.9および10.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、8.4および8.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。また別の実施形態において、水和物形態1は、8.4、8.9および10.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。いくつかのそのような実施形態において、PXRDパターンはさらに、表1に収載されているピークからなる群から選択される2θ値で1つまたは複数の追加のピークを含む。
【0047】
具体的な実施形態において、水和物形態1は、(a)表1中のピーク(単位:°2θ±0.2°2θ)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク;(b)表2中のピーク(単位:°2θ±0.2°2θ)からなる群から選択される1つ、2つもしくは3つのピーク;または(c)
図1に示されているものと本質的に同じ2θ値でのピークを含むPXRDパターンを有する。
【0048】
一実施形態において、水和物形態1は、2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、1554cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。他の実施形態において、水和物形態1は、1554および2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、805、1554および2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、1554、2228および3063cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、805、1554、2228および3063cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0049】
具体的な実施形態において、水和物形態1は、(a)表3中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm
−1)値;(b)表4中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm
−1)値;または(c)
図4に示されているものと本質的に同じ波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0050】
いくつかの実施形態において、水和物形態1は、113.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、133.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、47.3、113.6および133.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0051】
具体的な実施形態において、水和物形態1は、(a)表5中の値(単位:ppm±0.2ppm)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値;(b)表6中の値(単位:ppm±0.2ppm)からなる群から選択される1つ、2つもしくは3つの共鳴(ppm)値;または(c)
図7に示されているものと本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0052】
他の実施形態において、水和物形態1は、−109.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、−116.4ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。別の実施形態において、水和物形態1は、−109.2および−116.4ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態1は、(a)表7中の1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つの共鳴(ppm)値(単位:ppm±0.2ppm);(b)表8中の1つもしくは2つの共鳴(ppm)値(単位:ppm±0.2ppm);または(c)
図10に示されているものと本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0053】
さらなる実施形態において、水和物形態1は、互いに矛盾しない形態1に関して上述した実施形態の2つ、3つまたは4つの組合せによって特徴付けられる。水和物形態1を一意的に特徴付けるために使用され得る例示的な実施形態を以下で提供する。
【0054】
一実施形態において、水和物形態1は、8.4、8.9および10.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0055】
一実施形態において、水和物形態1は、(a)8.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;ならびに(b)1554および2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0056】
別の実施形態において、水和物形態1は、(a)8.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)113.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;および(c)−109.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0057】
別の実施形態において、水和物形態1は、(a)1554および2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;(b)113.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;ならびに(c)−109.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0058】
別の実施形態において、水和物形態1は、(a)1554および2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに(b)113.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0059】
別の実施形態において、水和物形態1は、(a)8.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)1554および2228cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに(c)113.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0060】
別の実施形態において、水和物形態1は、805、1554、2228および3063cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0061】
別の実施形態において、水和物形態1は、−116.4および−109.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0062】
別の実施形態において、水和物形態1は、47.3、113.6および133.6ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0063】
結晶性水和物形態2
第二の好ましい態様において、本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)−ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物(形態2)を提供する。
【0064】
1つのそのような実施形態において、水和物形態2は、7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。1つのそのような実施形態において、水和物形態2は、10.2°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、7.6および10.2°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、7.6、9.5および10.2°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、5.6、7.6、9.5および10.2°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。また別の実施形態において、水和物形態2は、5.6、7.6、9.5、10.2および13.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。
【0065】
具体的な実施形態において、水和物形態2は、(a)表9中のピーク(単位:°2θ±0.2°2θ)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク;(b)表10中のピーク(単位:°2θ±0.2°2θ)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのピーク;または(c)
図2に示されているものと本質的に同じ2θ値でのピークを含むPXRDパターンを有する。
【0066】
いくつかの実施形態において、水和物形態2は、1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。他の実施形態において、水和物形態2は、2229cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。他の実施形態において、水和物形態2は、1611および2229cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、804、2229および3061cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、804、1611、2229および3061cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0067】
具体的な実施形態において、水和物形態2は、(a)表11中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm
−1)値;(b)表12中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm
−1)値;または(c)
図5に示されているものと本質的に同じ波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0068】
いくつかの実施形態において、水和物形態2は、118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、168.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、48.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、118.9および168.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。さらなる実施形態において、水和物形態2は、48.3、118.9および168.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0069】
具体的な実施形態において、水和物形態2は、(a)表13中の値(単位:ppm±0.2ppm)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値;(b)表14中の値(単位:ppm±0.2ppm)からなる群から選択される1つ、2つもしくは3つの共鳴(ppm)値;または(c)
図8に示されているものと本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0070】
他の実施形態において、水和物形態2は、−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、水和物形態2は、(a)表15中の1つ、2つもしくは3つの共鳴(ppm)値(単位:ppm±0.2ppm);(b)表16中の共鳴(ppm)値(単位:ppm±0.2ppm);または(c)
図11に示されているものと本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0071】
さらなる実施形態において、水和物形態2は、互いに矛盾しない形態2に関して上述した実施形態の2つ、3つまたは4つの組合せによって特徴付けられる。水和物形態2を一意的に特徴付けるために使用され得る例示的な実施形態を以下で提供する。
【0072】
一実施形態において、水和物形態2は、5.6、7.6、9.5および10.2°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0073】
一実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;ならびに(b)1611および2229cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0074】
一実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;および(b)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0075】
一実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;および(b)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0076】
一実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;および(c)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0077】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;および(b)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0078】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;および(b)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0079】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;(b)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;および(c)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0080】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)1611および2229cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに(b)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0081】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)1611および2229cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに(b)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0082】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)1611および2229cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;(b)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;ならびに(c)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0083】
別の実施形態において、水和物形態2は、804、2229および3061cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0084】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;および(c)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0085】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;および(c)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0086】
別の実施形態において、水和物形態2は、(a)7.6°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)1611cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;(c)118.9ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;および(d)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0087】
別の実施形態において、水和物形態2は、−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0088】
別の実施形態において、水和物形態2は、48.3、118.9および168.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0089】
また別の実施形態において、水和物形態2は、(a)−108.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル;ならびに(b)48.3、118.9および168.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0090】
結晶性酢酸溶媒和物形態3
第三の好ましい態様において、本発明は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)−ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物(形態3)を提供する。
【0091】
1つのそのような実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、11.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、14.5°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、12.9および14.5°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5および12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、11.4および12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5および11.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。また別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。さらに別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。また別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含むPXRDパターンを有する。
【0092】
いくつかのそのような実施形態において、PXRDパターンは、さらに、17.9、21.1、22.5、23.1および25.9°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値で1つまたは複数のピークを含む。具体的な実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5、11.4、12.9、14.5、15.3、17.9、21.1、22.5、23.1および25.9°2θ±0.2°2θからなる群から選択される2θ値で3つ以上のピークを含むPXRDパターンを有する。
【0093】
具体的な実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)表17中のピーク(単位:°2θ±0.2°2θ)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超えるピーク;(b)表18中のピーク(単位:°2θ±0.2°2θ)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのピーク;または(c)
図3に示されているものと本質的に同じ2θ値でのピークを含むPXRDパターンを有する。
【0094】
いくつかの実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。他の実施形態において、結晶性形態は、1613および2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、1552、1613および2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、1552、1613、1643および2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。他の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、809および2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。さらなる実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、809、2234および3055cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0095】
具体的な実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)表19中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm
−1)値;(b)表20中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える波数(cm
−1)値;(c)表21中の値(単位:cm
−1±2cm
−1)からなる群から選択される1つ、2つ、3つもしくは4つの波数(cm
−1)値;または(d)
図6に示されているものと本質的に同じ波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0096】
いくつかの実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、22.8ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、22.8および140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。さらなる実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0097】
具体的な実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)表22中の値(単位:ppm±0.2ppm)からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つのもしくは5つを超える共鳴(ppm)値;(b)表23中の値(単位:ppm±0.2ppm)からなる群から選択される1つ、2つもしくは3つの共鳴(ppm)値;または(c)
図9に示されているものと本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0098】
形態3の他の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)表24中の共鳴(ppm)値(単位:ppm±0.2ppm);または(b)
図12に示されているものと本質的に同じ共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル(ppm)を有する。
【0099】
さらなる実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、互いに矛盾しない形態3に関して上述した実施形態の2つ、3つまたは4つの組合せによって特徴付けられる。結晶性酢酸溶媒和物形態3を一意的に特徴付けるために使用され得る例示的な実施形態を以下で提供する。
【0100】
一実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【0101】
一実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;ならびに(b)809および2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトルを有する。
【0102】
別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;および(c)−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0103】
別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;(b)140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;および(c)−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0104】
別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、(a)12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;(b)809および2234cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;(c)140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;ならびに(d)−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトルを有する。
【0105】
別の実施形態において、酢酸溶媒和物形態3は、22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトルを有する。
【0106】
追加の組合せを以下に記述する。1つのそのような実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)10.5°2θ±0.2°2θ;(b)11.4°2θ±0.2°2θ;(c)10.5および11.4°2θ±0.2°2θ;(d)10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θ;(e)10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θ;または(f)10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;ならびに
(a)22.8ppm±0.2ppm;(b)140.7ppm±0.2ppm;(c)22.8および140.7ppm±0.2ppm;または(d)22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル
を有する。
【0107】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)10.5°2θ±0.2°2θ;(b)11.4°2θ±0.2°2θ;(c)10.5および11.4°2θ±0.2°2θ;(d)10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θ;(e)10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θ;または(f)10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;ならびに
−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル
を有する。
【0108】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)10.5°2θ±0.2°2θ;(b)11.4°2θ±0.2°2θ;(c)10.5および11.4°2θ±0.2°2θ;(d)10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θ;(e)10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θ;または(f)10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;ならびに
(a)2234cm
−1±2cm
−1;(b)2234および1613cm
−1±2cm
−1;(c)2234、1613および1552cm
−1±2cm
−1;または(d)2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル
を有する。
【0109】
一実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)2234cm
−1±2cm
−1;(b)2234および1613cm
−1±2cm
−1;(c)2234、1613および1552cm
−1±2cm
−1;または(d)2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに
(a)10.5°2θ±0.2°2θ;(b)11.4°2θ±0.2°2θ;(c)10.5および11.4°2θ±0.2°2θ;(d)10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θ;(e)10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θ;または(f)10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン
を有する。
【0110】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)2234cm
−1±2cm
−1;(b)2234および1613cm
−1±2cm
−1;(c)2234、1613および1552cm
−1±2cm
−1;または(d)2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに
(a)22.8ppm±0.2ppm;(b)140.7ppm±0.2ppm;(c)22.8および140.7ppm±0.2ppm;または(d)22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル
を有する。
【0111】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)2234cm
−1±2cm
−1;(b)2234および1613cm
−1±2cm
−1;(c)2234、1613および1552cm
−1±2cm
−1;または(d)2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;ならびに
−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル
を有する。
【0112】
また別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)22.8ppm±0.2ppm;(b)140.7ppm±0.2ppm;(c)22.8および140.7ppm±0.2ppm;または(d)22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;ならびに
(a)10.5°2θ±0.2°2θ;(b)11.4°2θ±0.2°2θ;(c)10.5および11.4°2θ±0.2°2θ;(d)10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θ;(e)10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θ;または(f)10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン
を有する。
【0113】
さらなる実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)22.8ppm±0.2ppm;(b)140.7ppm±0.2ppm;(c)22.8および140.7ppm±0.2ppm;または(d)22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;ならびに
−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル
を有する。
【0114】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、(a)22.8ppm±0.2ppm;(b)140.7ppm±0.2ppm;(c)22.8および140.7ppm±0.2ppm;または(d)22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;ならびに
(a)2234cm
−1±2cm
−1;(b)2234および1613cm
−1±2cm
−1;(c)2234、1613および1552cm
−1±2cm
−1;または(d)2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル
を有する。
【0115】
一実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル;ならびに
(a)10.5°2θ±0.2°2θ;(b)11.4°2θ±0.2°2θ;(c)10.5および11.4°2θ±0.2°2θ;(d)10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θ;(e)10.5、11.4、12.9および14.5°2θ±0.2°2θ;または(f)10.5、11.4、12.9、14.5および15.3°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン
を有する。
【0116】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル;ならびに
(a)22.8ppm±0.2ppm;(b)140.7ppm±0.2ppm;(c)22.8および140.7ppm±0.2ppm;または(d)22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル
を有する。
【0117】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル;ならびに
(a)2234cm
−1±2cm
−1;(b)2234および1613cm
−1±2cm
−1;(c)2234、1613および1552cm
−1±2cm
−1;または(d)2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル
を有する。
【0118】
さらなる実施形態において、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物形態3は、下記の1つ、2つ、3つまたは4つによって特徴付けられる:10.5および11.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;2234および1613cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;22.8および140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;または−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル。
【0119】
別の実施形態において、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物形態3は、下記の1つ、2つ、3つまたは4つによって特徴付けられる:約10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;約2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;または−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル。
【0120】
さらなる実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物形態3は、下記の1つ、2つ、3つまたは4つによって特徴付けられる:約10.5および11.4°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;約2234および1613cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;22.8および140.7ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;または−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル。
【0121】
別の実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物は、下記の1つ、2つ、3つまたは4つによって特徴付けられる:約10.5、11.4および12.9°2θ±0.2°2θの2θ値でピークを含む粉末X線回折パターン;約2234、1613、1643および1552cm
−1±2cm
−1の波数(cm
−1)値を含むラマンスペクトル;22.8、140.7および170.3ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
13C固体状態NMRスペクトル;または−107.2ppm±0.2ppmの共鳴(ppm)値を含む
19F固体状態NMRスペクトル。
【0122】
別の態様において、本発明は、本明細書において記述されている態様または実施形態のいずれかに従う(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態と、薬学的に許容できる添加剤とを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物または結晶性水和物と、薬学的に許容できる添加剤とを含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物と、薬学的に許容できる添加剤とを含む。具体的な実施形態において、結晶性酢酸溶媒和物は、本明細書において開示されている溶媒和物形態3である。別の実施形態において、医薬組成物は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物と、薬学的に許容できる添加剤とを含む。具体的な実施形態において、結晶性水和物は、本明細書において開示されている水和物形態1または形態2である。
【0123】
別の態様において、本発明は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける異常な細胞成長を治療する方法であって、該哺乳動物に、治療有効量の本発明の医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、異常な細胞成長は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)によって媒介される。いくつかのそのような実施形態において、ALKは、遺伝子改変されたALKである。他の実施形態において、異常な細胞成長は、ROS1キナーゼによって媒介される。いくつかのそのような実施形態において、ROS1キナーゼは、遺伝子改変されたROS1キナーゼである。いくつもの実施形態において、異常な細胞成長は、がん、特にNSCLCである。いくつかのそのような実施形態において、NSCLCは、遺伝子改変されたALKまたは遺伝子改変されたROS1によって媒介される。
【0124】
本発明の医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、液剤、懸濁剤として経口投与に、滅菌溶液、懸濁剤もしくは乳剤として非経口注射に、軟膏剤もしくはクリーム剤として局所投与に、または坐剤として直腸内投与に好適な形態であってよい。医薬組成物は、正確な投薬量の単回投与に好適な単位剤形であってよい。医薬組成物は、従来の医薬担体または添加剤、および活性成分として本発明による化合物を包含することになる。加えて、医薬組成物は、他の薬用または医薬品、担体、アジュバント等を包含し得る。
【0125】
例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液、例えばプロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液を包含する。そのような剤形は、所望ならば好適に緩衝化されていてよい。
【0126】
好適な医薬担体は、不活性賦形剤または充填剤、水および種々の有機溶媒を包含する。医薬組成物は、所望ならば、香味剤、結合剤、添加剤等の追加の成分を含有していてよい。故に、経口投与では、クエン酸等の種々の添加剤を、デンプン、アルギン酸およびある特定の複合ケイ酸塩等の種々の崩壊剤、ならびにスクロース、ゼラチンおよびアカシア等の結合剤と一緒に含有する錠剤が用いられ得る。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク等の平滑剤が、多くの場合、錠剤化目的のために有用である。同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤においても用いられ得る。好ましい材料は、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールを包含する。水性懸濁液またはエリキシル剤が経口投与用に所望される場合、その中の活性化合物は、種々の甘味もしくは香味剤、着色物質または染料、所望ならば、乳化剤または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せ等の賦形剤と一緒に組み合わせてよい。
【0127】
錠剤は、典型的には、W/Wベースで1〜30%の(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルを含有する。微結晶性セルロースおよびリン酸水素カルシウムを錠剤充填剤として使用してよく、デンプングリコール酸ナトリウムを崩壊剤として使用してよい。ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として使用してよく、錠剤中に組み込むか、または圧縮中に外部から添加してよい。
【0128】
一定量の活性化合物を用いて種々の医薬組成物を調製する方法は、当業者に公知であるか、または明らかになるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easter、Pa.、第15版(1975)を参照されたい。
【0129】
実施例
以下で提供する実施例および調製は、本発明の特定の態様および実施形態をさらに例証および例示するものである。本発明の範囲は、下記の例の範囲によって限定されないことを理解されたい。
【0130】
一般的方法1.粉末X線回折(PXRD)
図1、2、3および13中のPXRDデータは、下記の一般的なプロトコールに従って収集した。
【0131】
機器方法:粉末X線回折(PXRD)パターンは、自動試料交換装置、シータ−シータゴニオメーター、自動ビーム広がりスリットおよびリンクスアイ(LynxEye)検出器が装着されたBruker−AXS Ltd.D4粉末X線回折計を使用して取得した。低バックグラウンドキャビティシリコンウェハ検体載置台上に載置することにより、分析用に試料を調製した。検体を回転させ、その間に、40kV/40mAで動作するX線管を用いて銅K−アルファ
1X線(波長=1.5406オングストローム)を照射した。分析は、3°から40°の2シータ(2θ)範囲にわたって0.040°の刻み幅当たり12秒カウントに設定された連続モードで実行するゴニオメーターにより実施した。データを周囲条件で収集した。
【0132】
ピークピッキング法:データは、Bruker DIFFRACプラスソフトウェア(2003年発売)を使用して分析した。形態1および2についてのPXRDデータファイル(.raw)を、ピーク探索前にバックグラウンド補正した。概して、1の閾値および0.3の幅値を使用して、予備的ピーク割り当てをした。自動割り当ての出力を視覚的に確認して、妥当性および必要に応じて手動で為された調整を確実にした。
【0133】
本明細書において報告されている測定に使用されるBrukerシステムのようなブラッグ−ブレンターノ型機器で粉末X線測定を実施するために、試料を、典型的には、キャビティを有するホルダーまたはゼロバックグラウンドホルダー内に入れる。次いで、試料ホルダーを機器内に入れる。入射X線ビームを、最初はホルダーの平面に対して小角度で試料に向け、次いで、入射ビームとホルダーの平面との間の角度を連続的に増大させる円弧を介して移動させる。そのようなX線粉末分析に関連する測定差異は、(a)試料調製における誤差(例えば、試料高さ)、(b)機器誤差(例えば、フラット試料誤差)、(c)較正誤差、(d)オペレータ誤差(ピーク位置を決定する際に存在する誤差を包含する)、および(e)材料の性質(例えば、選択配向および透明度誤差)を包含する様々な要因に起因する。較正誤差および試料高さ誤差は、多くの場合、同じ方向へのすべてのピークのシフトをもたらす。フラットホルダーを使用する際の試料高さにおけるわずかな差異は、PXRDピーク位置における大きな変位につながることになる。系統的な研究は、株式会社島津製作所XRD−6000を典型的なブラッグ−ブレンターノ型配置で使用して、1mmの試料高さ差異が1°2θの高さのピークシフトにつながることを示した(Chenら;J Pharmaceutical and Biomedical Analysis、2001;26、63)。これらのシフトは、X線回折図形から同定することができ、シフトを補償すること(すべてのピーク位置値に系統的な補正因子を適用すること)または機器を再較正することによって解消することができる。上記で言及した通り、系統的な補正因子を適用してピーク位置を一致させることにより、種々の機械からの測定値を矯正することが可能である。概して、この補正因子は、Brukerからの測定されたピーク位置を予測されるピーク位置と一致させ、0から0.2°2θの範囲内であってよい。
【0134】
異なる波長を使用する測定は、ブラッグの式−nλ=2d sinθに従って、異なるシフトをもたらすであろう。代替的波長の使用によって発生したそのようなさらなるPXRDパターンは、本発明の結晶性材料のPXRDパターンの代替表示とみなされるため、本発明の範囲内である。
【0135】
一般的方法2.ラマン分光法:ニコレーNXR FT−ラマン
図4、5、6および14中のラマンスペクトルデータは、下記の一般的なプロトコールに従って収集した。
【0136】
機器方法:ラマンスペクトルは、FT−IRベンチに接続されているニコレーNXR FT−ラマンアクセサリーを使用して収集した。分光計は、1064nm Nd:YVO4レーザーおよび液体窒素冷却ゲルマニウム検出器または室温InGaAs検出器を備えている。データ獲得前に、ポリスチレンを使用して機器性能および較正検証を行った。スペクトル収集中にスピンするガラスNMR管内で試料を分析した。スペクトルは、0.5Wのレーザー出力および512共添加走査(co−added scans)を使用して収集した。収集範囲は、3700〜50cm
−1であった。すべてのスペクトルは、2cm
−1分解能およびハップ−ゲンゼル(Happ−Genzel)アポダイゼーションを使用して記録した。
【0137】
ピークピッキング法:ピークピッキング前に、強度を1に正規化した。ピークは、Thermo Nicoletオムニック(Omnic)7.3ソフトウェアを使用して手動で同定した。ピーク位置をピーク最大で選定し、両側にスロープがあればピークのみをそのまま同定し、ピークのショルダーは包含しなかった。標準的習慣を使用して、ピーク位置を小数点第一位で丸めて整数にした(0.5以上切り上げ、0.4以下切り捨て)。(1〜0.75)、(0.74〜0.3)、(0.29〜0)の間の正規化ピーク強度を持つピークを、それぞれ強、中および弱として分類した。
【0138】
一般的方法3.固体状態NMR(ssNMR)分光法:
図7、8、9、10、11、12、15および16中の炭素CPMASおよびフッ素MAS ssNMRデータは、下記の一般的なプロトコールに従って収集した。
【0139】
機器方法:ssNMRスペクトルは、0°の温度設定点(形態1および2)にて、または周囲条件(形態3)にて、大孔径Bruker−Biospinアバンセ(Avance)III 500MHz(1H周波数)NMR分光計内に位置付けられたBruker−Biospin 2.5mm CPMASプローブで収集した。充填ローターをマジック角に配向させ、15.0kHzでスピンさせた。炭素固体状態スペクトルは、プロトンデカップリング交差分極マジック角スピニング(CPMAS)実験を使用して収集した。交差分極接触時間は2.0msに設定した。およそ100kHzにおける位相変調プロトンデカップリングを、獲得中に適用した。炭素スペクトルは、結晶性アダマンタンの外部標準を使用し、その高磁場共鳴を29.5ppmに設定して参照した。フッ素固体状態スペクトルは、プロトンデカップリングマジック角スピニング(MAS)実験を使用して収集した。およそ100kHzにおける位相変調プロトンデカップリングを、獲得中に適用した。フッ素スペクトルは、トリフルオロ酢酸(H2O中50%V/V)の外部標準を使用し、その共鳴を−76.54ppmに設定して参照した。
【0140】
ピークピッキング法:
自動ピークピッキングは、Bruker−BioSpinトップスピン(TopSpin)バージョン3.1ソフトウェアを使用して実施した。概して、5%相対強度の閾値を使用して、ピークを予備的選択した。自動ピークピッキングの出力を視覚的に確認して、妥当性および必要に応じて手動で為された調整を確実にした。具体的な
13Cおよび
19F固体状態NMRピーク値が本明細書において報告されているが、機器、試料および試料調製における差異により、これらのピーク値のための範囲が存在する。これは、ピーク値に固有の変動により、固体状態NMRの技術分野において一般的な慣行である。
13Cまたは
19F化学シフト(ppm)x軸値に典型的な変動性は、結晶性固体については約プラスまたはマイナス0.2ppmである。
【0141】
合成中間体の調製
(R)−メチル2−(1−((2−アミノ−5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)エチル)−4−フルオロベンゾエート(7)の調製
【0142】
【化2】
ステップ1:
THF(テトラヒドロフラン)(100ml)中の(−)−DIPCl((−)−B−クロロジイソピノカンフェイルボラン)(57.1g、178mmol)の溶液を、−20から−30℃に冷却した。次いで、THF(100ml)中の化合物1(31.3g、119mmol)の溶液を、添加漏斗を介して滴下添加した(30分間添加)。反応物を室温(RT)まで加温させておいた。2時間後、反応物を−30℃に冷却し、もう1回分の(−)−DIPCl(38.0g、119mmol)を添加した。30分後、反応物を室温に加温させ、1時間後、溶媒を真空で除去し、残留物をMTBE(メチルターシャリー−ブチルエーテル)(200ml)に再溶解した。エタノール/THF(15ml/30ml)中のジエタノールアミン(31g、296mmol)の溶液を、添加漏斗を介して反応混合物に、氷浴下で添加した。白色沈殿物の形成が観察された。懸濁液を2時間加熱還流し、次いで室温に冷却し、濾過し、母液を真空で濃縮した。残留物をヘプタン/EtOAc(7:3、200ml)に懸濁し、再度濾過した。液体を濃縮した後、それ以上固体が観察されなくなるまで、この手順を繰り返した。最終的な黄色油をカラムクロマトグラフィー(溶離液:シクロヘキサン/EtOAc 99:1から96:4)によって精製した。得られた無色油を、ヘプタンからの再結晶によってさらに精製して、アルコール化合物2(25g、80%収率、99%純度および96%ee)を白色結晶として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.73 (dd, 1 H), 7.32 (dd, 1 H), 6.74 (ddd, 1 H), 4.99 - 5.04 (m, 1
H), 2.01 (d, 1 H), 1.44 (d, 3 H). LCMS-ES: イオン化せず、純度99%.キラルGC (カラムCP-キラシル-DexnCB): 96% ee; 保持時間(副) 17.7分および保持時間(主) 19.4分。
【0143】
ステップ2:
MTBE(350mL)中の化合物2(22g、83mmol)の溶液を氷浴下で冷却し、トリエチルアミン(23mL、166mmol)、続いて塩化メシル(9.6mL、124mmol)を滴下添加した。次いで、反応物を室温に加温し、3時間撹拌した。反応混合物を濾過し、固体をEtOAcで洗浄した。母液を真空で濃縮して、化合物3(35g、80%収率)を淡黄色油として得た。この材料を、さらに精製することなく後続ステップに持ち込んだ。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.78 (dd, 1 H), 7.24 (dd, 1 H), 6.82 (ddd, 1 H), 2.92 (s, 3 H),
1.64 (d, 3 H). LCMS-ES イオン化せず。
【0144】
ステップ3:
2−CH
3−THF(2−メチルテトラヒドロフラン)(600mL)およびアセトン(300mL)中のCs
2CO
3(65g、201mmol)および化合物4(13.3g、121mmol)の懸濁液を、室温で30分間撹拌し、次いで40℃で加熱した後、2−CH
3−THF(300mL)中の化合物3(34.4g、80mmol)の溶液を、添加漏斗を介して滴下添加した。得られた混合物を、75〜80℃で24時間撹拌させておいた。次いで、反応物をMTBEとともにCELITE(登録商標)に通して濾過し、溶媒を真空で除去し、残留物を、シクロヘキサン/EtOAc(9:1から1:1)で溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物5(14.3g、39%収率、90%ee)を白色固体として得た。次いで、固体をヘプタン/EtOAcから再結晶させて、化合物5(10.8g、37%収率、95%ee)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.38 (dd, 1 H), 7.62 (dd, 1 H), 7.10 (dd, 1 H), 6.75 (ddd, 1 H),
6.44 - 6.51 (m, 2 H), 5.34 - 5.39 (m, 1 H), 4.73 (br s, 2 H), 1.61 (d, 3
H). LCMS-ES m/z 359 [M+H]
+.HPLC (キラルパックIC 4.6 x 250 mm): 95% ee; 保持時間(副) 10.4分; 保持時間(主) 14.7分; 溶離液: ヘプタン 80%/IPA 20%に0.2% DEAを加えたもの, 0.7 mL/分。
【0145】
ステップ4:
化合物5(20g、57mmol)をメタノール(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(TEA)(15.4mL、113mmol)およびPdCl
2(dppf)(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))(4.1g、5.7mmol)で順次処理した。この混合物を100℃で16時間、100psiの一酸化炭素雰囲気下で加熱した。LCMSは出発材料の消費を指示した。反応混合物をCELITE(登録商標)のパッドに通して濾過し、濾液を蒸発させて褐色油とした。粗生成物を、シクロヘキサン中50%から75%酢酸エチルで溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物6を赤れんが色固体(13.0g、79%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.65 (d, 3 H), 3.94 (s, 3 H), 4.75 (br s, 2 H), 6.32 (q, 1 H), 6.42
(dd, 1 H), 6.61 (dd, 1 H), 7.00 (ddd, 1 H), 7.28 (dd, 1 H), 7.60 (dd, 1 H),
8.03 (dd, 1 H). LCMS ES m/z 291 [M+H]
+.
【0146】
ステップ5:
化合物6(13.0g、45mmol)をアセトニトリル(195mL)に溶解し、氷水浴中で10℃未満に冷却した。NBS(N−ブロモスクシンイミド)(7.9g、45mmol)を、冷却した反応混合物に、アセトニトリル(195mL)中の溶液として、内部温度が10℃を超えて上昇しないことを確実にするためにモニターしながら滴下添加した。添加が完了した後、混合物を15分間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)(1:1 シクロヘキサン/酢酸エチル)は、出発材料の消費を示した。反応混合物を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(400mL)に再溶解し、2M NaOH水溶液(2×300mL)および10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄した。有機抽出物をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させて赤色油(17.6g)とした。粗生成物を、シクロヘキサン中10%から50%酢酸エチルで溶離するシリカゲル上で精製し、これにより、化合物7(12.0g、73%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 1.65 (d, 3 H), 3.96 (s, 3 H), 4.74 - 4.81 (br s, 2 H), 6.33 (q, 1
H), 6.75 (d, 1 H), 7.03 (ddd, 1 H), 7.25 (dd, 1 H), 7.66 (d, 1 H), 8.06 (dd, 1
H). LCMS ES m/z 369/371 [M+H]
+.キラルパックAD−H(4.6×100mm、5ミクロン)カラムを、CO
2中、120バールにて、10%MeOH(0.1%DEA)で溶離した。5.0mL/分の流速により、副異性体保持時間0.6分および主異性体保持時間0.8分(99%ee)を得た。旋光度: [α]
d20 = -92.4度(c=1.5, MeOH).
【0147】
(R)−メチル2−(1−((N,N−ジ−Boc−2−アミノ−5−ブロモピリジン−3−イル)オキシ)エチル)−4−フルオロ安息香酸(9)の調製
【0148】
【化3】
ステップ1:
乾燥DCM(ジクロロメタン)(32000mL)中の化合物7(2000g、5.4mol)の溶液に、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)(2100g、16.28mol)およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)(132g、1.08mol)を添加した。次いで、混合物にBoc
2O(ジ−tert−ブチル−ジカーボネート)(3552g、16.28mol)を小分けにして添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=5:1)は反応が完了したことを示し、混合物を飽和NH
4Cl(15L)で2回洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、これをカラム(シリカゲル、石油エーテル/EtOAc 20:1から10:1まで)によって精製して、化合物8(2300g、75%)を白色固体として得た。
【0149】
ステップ2:
化合物8(50g、87.81mmol、100質量%)を、水(5mL/g、3060mmol、12.25mol/L)中のテトラヒドロフラン(12.25mol/L)および水(1.5当量、131.7mmol、1mol/L)中の水酸化ナトリウム(1mol/L)を含有する丸底フラスコ(RBF)に投入した。二相混合物を室温で14時間撹拌した。1N HClを添加して、pHを2未満に調整した。次いで、THFを真空蒸留によって除去した。凝結した生成物を、濾過によって収集した。濾過ケーキを水ですすぎ、吸引乾燥させ(pulled dried)、次いで真空オーブン内で乾燥させて一定重量(48時間、55℃、25ミリバール)とした。48.3gが単離され、99%収率。
1H NMR (CDCl
3, 400MHz) δ 8.24 (1H, dd, 1H, J = 5.76および3.0 Hz), 8.16
(1H, d, J = 2.0 Hz), 7.37 (1H, dd, J = 2.5および9.8 Hz),
7.19 (1H, d, J = 2 Hz), 7.14 - 7.06 (1H, m), 6.50 (1H, q, J = 6.3 Hz), 1.67
(3H, d, J = 8.4 Hz), 1.48 (18H, s).
13C NMR (CDCl
3,
100 MHz), δ 170.1, 169.2, 167.6, 165.1, 150.6, 149.2,
148.6, 141.4, 140.7, 135.2, 135.1, 124.2, 122.2,122.1, 119.9, 115.4, 115.1,
113.4, 113.2, 100.0, 83.4, 73.3, 27.9, 23.9. LCMS (M
+
+1) 557.2, 555.3, 457.1, 455.1, 401, 0, 399.0.
【0150】
tert−ブチル((4−ブロモ−5−シアノ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチル)(N−メチル)カルバメート(15)の調製
【0151】
【化4】
ステップ1:
エチル1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボキシレート(5.0g、30mmol)を1,2−ジクロロエタン(200mL)に溶解し、続いてNBS(5.3g、30mmol)および過酸化ジベンゾイル(727mg、3.0mmol)を少量ずつ添加し、85℃で2時間撹拌した。混合物を冷却させ、ジクロロメタンで400mLに希釈し、水(2×200mL)で洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、蒸発させて、化合物10(4.1g、42%収率)を得た。TLC (EtOAc/シクロヘキサン; 1:10; KMnO
4):
Rf約0.3.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.47 (s, 2 H), 4.41 (q, 2 H), 4.15 (s, 3 H), 1.42 (t, 3 H).
LCMS ES m/z 324/326/328 [M+H]
+.
【0152】
ステップ2:
化合物10(3.0g、9.2mmol)をメチルアミン溶液(エタノール中33%溶液、70mL)に溶解し、室温で16時間撹拌した。混合物を蒸発させて、化合物11(1.8g、71%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.39 (q, 2 H), 4.14 (s, 3 H), 4.05 (s, 2 H), 2.62 (d, 3 H), 1.41
(t, 3 H). LCMS ES m/z 276/278 [M+H]
+.
【0153】
ステップ3:
化合物11(1.8g、6.5mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、混合物を0℃に冷却した。ジクロロメタン(17.5mL)中のジ(tert−ブチル)ジカーボネート(1.75g、8mmol)の溶液を滴下添加した。氷浴を除去し、混合物を室温で18時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで100mLに希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、化合物12(1.8g、72%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.48 - 4.44 (m, 2 H), 4.41 (q, 2 H), 4.12 (s, 3 H), 2.82 - 2.79 (m,
3 H), 1.47 (s, 9 H), 1.41 (t, 3 H). LCMS ES m/z 376/378 [M+H]
+および276/278 [M-BOC]
+.
【0154】
ステップ4:
化合物12(4g、11mmol)をジオキサン(43mL)に溶解した。ナトリウムアミド(1g、27mmol)を一度に添加した。反応混合物を100℃で24時間撹拌した。この時間の後、溶媒を減圧下で除去して、白色固体を得た。材料をEtOAc(100mL)に懸濁し、5%クエン酸溶液(100mL)で洗浄した。有機相を分離し、水(100mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して、化合物13を黄色ガム状物(3.1g、84%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ
4.27 (s, 2 H), 3.92 (s, 3 H), 2.70 (s, 3 H), 1.40 (s, 9
H). LCMS ES m/z 348/350 [M+H]
+および248/250
[M-BOC]+.
【0155】
ステップ5:
化合物13(3g、8.6mmol)をDMF(43mL、0.2M)に溶解した。HOBt(1.2g、8.6mmol)、続いて塩化アンモニウム(0.9g、17.2mmol)を添加した。次いで、EDCI(2.5g、13mmol)、続いてTEA(2.4mL、17mmol)を添加した。反応混合物を室温で撹拌した。18時間後、溶媒を減圧下で除去して、黄色油(8.0g)を得た。残留物をEtOAc(75mL)に溶解した。有機相を、NaHCO
3(飽和溶液、70mL)、次いでブライン(100mL)で洗浄した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、溶媒を真空で除去して、化合物14を暗黄色油(2.7g、91%収率)として得た。この材料をさらに精製することなく次のステップにおいて直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.74 (br s, 1 H), 5.95 (br s, 1 H), 4.49 (br s, 2 H), 4.16 (s, 3
H), 2.81 (br s, 3 H), 1.47 (s, 9 H). LCMS ES m/z 347/349 [M+H]
+および247/249 [M-BOC]
+.
【0156】
ステップ6:
化合物14(2.7g、7.9mmol)をDCM(80mL、0.1M)に溶解した。次いで、TEA(3.3mL、23.8mmol)を添加し、反応混合物を−5℃まで冷却した。DCM(15mL)中のトリフルオロ酢酸無水物(2.2mL、15.8mmol)を30分間かけて滴下添加した。添加後、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。この時間の後、溶媒を減圧下で除去して、暗黄色油を得た。この残留物をDCM(100mL)中で希釈し、5%クエン酸、飽和NaHCO
3およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空で除去して、暗黄色油(2.6g)を得た。粗生成物を逆相クロマトグラフィーによって精製して、化合物15を黄色油(2.3g、87%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.46 (br s, 2 H), 4.01 (s, 3 H), 2.83 (br s, 3 H), 1.47 (s, 9
H). LCMS ES m/z 331/329 [M+H]
+および229/231
[M-BOC]
+ (ベースイオン)
【0157】
1−メチル−3−((メチルアミノ)メチル)−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(21)の調製
【0158】
【化5】
ステップ1:
16℃のアセトニトリル(6L)中のN−ベンジルメチルアミン(2.40kg、19.8mol)およびエチルジイソプロピルアミン(2.61kg、20.2mol)に、クロロアセトン(1.96kg、21.2mol)を60分間かけて添加した[発熱性、温度を30℃未満に保った]。混合物を22℃で18時間撹拌し、次いで濃縮して油状固体とした。残留物をMTBE(5L)で細砕し、次いで、MTBE(8L)で洗浄しながら、CELITE(登録商標)のパッド(600g、上部)およびシリカ(1.5kg、下部)に通して濾過した。濾液を蒸発させて、化合物16(3.35kg、18.9mol、95%)を褐色油として得た。
【0159】
ステップ2:
エタノール(5L)中の、化合物16(1.68kg、9.45mol)、Boc無水物(2.1kg、9.6mol)および20wt%Pd/C(50%H
2O、56g)を、11Lのオートクレーブ内、50psiで水素化した[20℃のジャケットで40℃に発熱]。反応中に雰囲気が二酸化炭素で飽和したため、充分な水素の取り込みおよび反応の完了を確実にするために、通気および脱気を2回することが必要であった。総反応時間は約1.5時間であった。2回の実行量(計18.9mol分)を合わせ、メタノールで洗浄しながら、SOLKA−FLOC(登録商標)のパッドに通して濾過した。濾液をDMAP(45g、0.37mol)で処理し、室温で終夜撹拌して、過剰なBoc無水物を破壊した。次いで、混合物を濃縮乾固し、MTBE(6L)に溶解し、MTBE(4L)で洗浄しながらマグネゾールのパッド(1kg)に通して濾過した。濾液を蒸発させて、化合物17(3.68kg、約95wt%、18.7mol、99%)を橙褐色油として得た。
【0160】
ステップ3:
15℃のメタノール(12L)中の化合物17(3.25kg、約95wt%、16.5mol)およびシュウ酸ジエチル(4.71kg、32.2mol)に、メタノール中25wt%のナトリウムメトキシド(6.94kg、32.1mol)を25分間かけて添加した[温度を25℃未満に保った]。混合物を20℃で16時間撹拌し、次いで−37℃に冷却し、37%塩酸(3.1kg、31mol)を5分間かけて添加した[温度を−10℃未満に保った]。混合物を−40℃に冷却し、メチルヒドラジン(1.42kg、30.8mol)を7分間かけて添加した[温度を−17℃未満に保った]。混合物を5℃に90分間かけて加温し、次いで0℃に再冷却し、2.4M KHSO
4(6.75L、16.2mol)を一度に添加することによってクエンチした[27℃に発熱]。混合物を水(25L)およびMTBE(15L)で希釈し、層を分離した。有機層をブライン(7L)で洗浄し、次いで、水層をMTBE(8L)で順次再抽出した。合わせた有機物を蒸発させ、トルエン(2L)と共沸させて、粗製の化合物18を得た。クロマトグラフィー(20kgのシリカ、ヘキサン中10〜40%EtOAc)により、化合物18(3.4kg、約95wt%、11.4mol、69%)を橙色油として得た。
【0161】
ステップ4:
アンモニア(3kg、167mol)を冷メタノール(24L)に吹き込んで発泡させた[温度を18℃未満に保った]。メタノール(1.5L)中の化合物18(4.8kg、約95wt%、16.1mol)の溶液を30分間かけて添加し、混合物を、25℃で68時間、次いで30℃で24時間撹拌した。2回の実行量(計9.68kgの約95wt%ステップ3から)を合わせ、濃縮して約13Lの体積とした。温度を30から40℃に保ちながら、水(30L)を80分間かけてゆっくり添加した。得られたスラリーを20℃に冷却し、濾過し、水(12L)で洗浄し、フィルター上で終夜吸引乾燥させた。固体を45℃のMTBE(8L)およびヘキサン(8L)中で細砕し、次いで15℃に再冷却し、濾過し、ヘキサン(4L)で洗浄し、真空下で乾燥させて、化合物19(7.95kg、29.6mol、90%)をオフホワイトの固体として得た。
【0162】
ステップ5:
0℃のDCM(30L)中の化合物19(7.0kg、26.1mol)に、トリエチルアミン(5.85kg、57.8mol)を添加した。混合物を−6℃にさらに冷却し、次いでトリフルオロ酢酸無水物(5.85kg、27.8mol)を90分間かけて添加した[温度を0から5℃に保った]。TLCアッセイは、反応が不完全であることを示した。追加のトリエチルアミン(4.1kg、40.5mol)およびトリフルオロ酢酸(4.1kg、19.5mol)を、TLCが完全な反応を示すまで2時間かけて添加した。反応混合物を水(40L)中にクエンチした[温度は23℃になった]。層を分離し、水性物をDCM(8L)で再抽出した。有機層をブライン(7L)で順次洗浄し、シリカのパッド(3kg)に通して濾過し、DCM(10L)で溶離した。濾液を蒸発させ、クロマトグラフィーにかけた(9kgのシリカ、溶離液ヘキサン中10〜30%EtOAc)。生成物画分を蒸発させ、IPAと共沸させて、化合物20(6.86kg、約94wt%、25.8mol、99%)を橙色油として得た。
【0163】
ステップ6:
17℃のIPA(35L)中の化合物20(6.86kg、約94wt%、25.8mol)に、37%塩酸(6.4L、77.4mol)を添加した。混合物を35℃に終夜加熱し、次いで濃縮して湿潤固体とし、残留水を追加のIPA(8L)と共沸させた。得られた湿潤固体を45℃で30分間、MTBE(12L)で細砕し、次いで20℃に冷却し、MTBE(5L)で洗浄しながら濾過した。固体を真空下45℃で乾燥させて、化合物21(4.52kg、24.2mol、94%)を白色固体として得た。
1H−NMRは所望生成物に合致するものであった;融点203〜205℃;HPLC99.3%。
1H NMR (CD
3OD, 400 MHz) δ 7.12 (1H, s), 4.28 (2H, s), 4.09 (3H, s), 2.77 (3H, s).
13C
NMR (CD
3OD, 100 MHz) δ 144.5, 177.8, 114.9,
110.9, 45.9, 39.0, 33.2. LCMS (M
++1) 151.1, 138.0, 120.0.
【0164】
比較例1A
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリル(非晶質)の調製
【0165】
【化6】
ステップ1:
酢酸パラジウム(II)(53mg、0.24mmol)およびcataCXium(登録商標)A(180mg、0.5mmol)をトルエン(1.5mL、脱気したもの)中で一緒に混合し、得られた溶液を、60℃のMeOH/H
2O(9:1、12mL、脱気したもの)中の、化合物7(0.9g、2.4mmol)、化合物15(1.0g、3.0mmol)ビス−ピナコラトジボロン(0.9g、3.6mmol)およびCsF(1.9g、12.6mmol)の撹拌溶液にピペットを介して添加した。次いで、得られた混合物を3時間撹拌還流した。さらに一部のトルエン(1.5mL、脱気したもの)中の酢酸パラジウム(II)(26mg、0.12mmol)およびcataCXium(登録商標)A(90mg、0.25mmol)を添加し、黄色の反応混合物を60℃で終夜撹拌した。室温に冷却した後、混合物をEtOAc(150mL)で希釈し、CELITE(登録商標)に通して濾過した。濾液を、水(100mL)、次いでブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発させた。残留物を、1:1 EtOAc/シクロヘキサンで溶離するシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、化合物22を黄色油(570mg、43%収率)として得た。TLC (Rf = 0.40, 1:1 EtOAc/シクロヘキサン).
1H
NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.03 (m, 1 H), 7.65
(s, 1 H), 7.27 (dd,1 H, J = 9.9, 2.7 Hz), 7.01 (m, 1 H), 6.68 (m, 1 H), 6.40
(m, 1 H), 4.90 (br s, 2 H), 4.20 - 4.30 (m, 2 H), 3.96 (s, 3 H), 3.94 (s, 3 H),
2.55 - 2.85 (m, 3 H), 1.68 (d, 3 H, J = 6.6 Hz), 1.24 (s, 9 H). LCMS ES
m/z 539 [M+H]
+.
【0166】
ステップ2:
MeOH(20mL)中の化合物22(69%純度、0.95g、推定1.05mmol)の溶液に、水(2mL)中のNaOH(1.0g、25mmol)の溶液を添加した。混合物を40℃で3.5時間撹拌した。反応物を水(80mL)で希釈し、ロータリーエバポレーター上で20mL濃縮してMeOHを除去し、MTBE(100mL)で洗浄した。次いで水層を1M HCl水溶液で慎重に酸性化して、およそpH2(pH紙)とした。塩化ナトリウム(15g)を混合物に添加し、混合物をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発させて、化合物23を淡黄色固体(480mg、87%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.05 (m, 1 H), 7.45 (s, 1 H), 7.37 (dd,1 H, J = 10.4, 2.8 Hz), 7.10
(dt, 1 H, J = 8.5, 2.4 Hz), 6.50 - 6.60 (m, 2 H), 4.05 - 4.30 (m, 2 H), 3.99
(s, 3 H), 2.60 - 2.80 (m, 3 H), 1.72 (d, 3 H, J = 6.5 Hz). LCMS ES m/z
525 [M+H]
+.
【0167】
ステップ3:
ジオキサン(4M、6.0mL)中のHClの溶液を、MeOH(メタノール)(6mL)中の化合物23(480mg、0.91mmol)の溶液に添加し、反応物を40℃で2.5時間撹拌した。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮乾固した。残留物をMeOH(50mL)に溶かし、アセトニトリル(100mL)を添加し、次いで、混合物を再度蒸発乾固して、化合物24をオフホワイトの固体(400mg、87%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.07 (dd, 1 H, J = 8.9. 5.9 Hz), 7.51 (d, 1 H, J = 1.7 Hz), 7.42
(dd, 1 H, J = 9.8, 2.6 Hz), 7.23 (d, 1 H, J = 1.6 Hz), 7.16 (dt, 1 H, J = 8.5,
2.7 Hz), 6.73 (dd, 1 H, J = 11.9, 6.9 Hz), 4.22 (d, 1 H, J = 14.7 Hz), 4.14 (d,
1 H, J = 14.7 Hz), 4.07 (s, 3 H), 2.75 (s, 3 H), 1.75 (d, 3 H, J = 5.5
Hz). LCMS ES m/z 425 [M+H]
+.
【0168】
ステップ4:
DMF(ジメチルホルムアミド)(5.0mL)およびTHF(0.5mL)中の、HCl塩としての化合物24(400mg、推定0.91mmol)およびDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)(1.17g、9.1mmol)の溶液を、0℃のDMF(10.0mL)中のHATU(2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム)(482mg、1.27mmol)の溶液に、30分間かけて滴下添加した。完全な添加後、混合物を0℃でさらに30分間撹拌した。水(70mL)を添加し、混合物をEtOAc(2×60mL)中に抽出した。合わせた有機物を、飽和NaHCO
3水溶液(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発させた。残留物を、70%EtOAc/シクロヘキサンで溶離するシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、205mgの淡黄色残留物(半固体)を得た。固体をMTBE(7mL)に溶解し、よく撹拌しながらシクロヘキサン(20mL)をゆっくり添加して、生成物を沈殿させた。30分間撹拌した後、混合物を濾過し、実施例1Aを非晶質白色固体(110mg、29%収率)として収集した。TLC (Rf = 0.40, シクロヘキサン中70% EtOAc).
1H
NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.83 (d, 1 H, J = 2.0
Hz), 7.30 (dd, 1 H, J = 9.6, 2.4 Hz), 7.21 (dd, 1 H, J = 8.4, 5.6 Hz), 6.99
(dt, 1 H, J = 8.0, 2.8 Hz), 6.86 (d, 1 H, J = 1.2 Hz), 5.75 - 5.71 (m, 1 H),
4.84 (s, 2 H), 4.45 (d, 1 H, J = 14.4 Hz), 4.35 (d, 1 H, J = 14.4 Hz), 4.07 (s,
3 H), 3.13 (s, 3 H), 1.79 (d, 3 H, J = 6.4Hz). LCMS ES m/z 407 [M+H]
+.
【実施例1】
【0169】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサ−ジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物(形態1)の調製
【0170】
【化7】
実施例1A(および米国特許公開第2013/0252961号の実施例2)において記述されている通りに調製した非晶質(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサ−ジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリル遊離塩基を、1.0:1.1(v:v)のH
2O:MeOHに、22mg/mLの濃度、50℃で溶解し、次いで室温に冷却させた。このスラリーをおよそ72時間顆粒化した。固体を濾過によって単離し、60℃で終夜真空乾燥させて、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物形態1を生成した。
【0171】
結晶性水和物形態1の特徴付け
PXRDデータ
図1は、一般的方法1に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリル遊離塩基の結晶性水和物形態1についてのPXRDデータを示す。
【0172】
回折角2−シータ°(°2θ)±0.2°2θにおけるPXRDピークおよびそれらの相対強度のリストを、表1において提供する。結晶性水和物形態1を標準的な添加剤から識別する特徴的なPXRDピークを、表2において提供する(単位:°2θ±0.2°2θ)。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
【0175】
FT−ラマンデータ
図4は、一般的方法2に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態1のFT−ラマンパターンを示す。
【0176】
FT−ラマンピーク(cm
−1)および定性的強度のリストを、表3において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。結晶性形態1を標準的な添加剤から識別する特徴的なFT−ラマンピーク(cm
−1)を、表4において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。正規化ピーク強度は、次の通りに指示される:W=弱;M=中;S=強。
【0177】
【表3-1】
【0178】
【表3-2】
【0179】
【表4】
【0180】
ssNMRデータ
図7は、一般的方法3に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態1の炭素CPMASスペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で表現されており、29.5ppmにおける固相アダマンタンの外部試料を参照している。
【0181】
結晶性形態1についてのssNMR
13C化学シフト(ppm)のリストを、表5において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。結晶性形態1を標準的な添加剤から識別する特徴的なssNMR
13C化学シフト(ppm)を、表6において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。
【0182】
【表5】
【0183】
【表6】
【0184】
図10は、一般的方法3に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態1のフッ素MAS(ssNMR)スペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で表現されており、−76.54ppmにおけるトリフルオロ酢酸(H
2O中50%V/V)の外部試料を参照している。
【0185】
結晶性形態1についてのssNMR
19F化学シフト(ppm)を、表7において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。結晶性形態1を標準的な添加剤から識別する特徴的なssNMR
19F化学シフト(ppm)を、表8において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。
【0186】
【表7】
【0187】
【表8】
【実施例2】
【0188】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサ−ジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物(形態2)の調製
【0189】
【化8】
実施例1Aにおいて記述されている通りに調製した非晶質(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサ−ジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリル遊離塩基を、1:1(v:v)のH
2O:MeOHに、25mg/mLの濃度で溶解し、65℃に1時間加熱し、次いで室温に冷却させて、2時間穏やかに撹拌した後、スラリーをもたらした。このスラリーをおよそ72時間顆粒化した。固体を濾過によって単離し、室温で4時間真空乾燥させて、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性水和物形態2を生成した。結晶性材料は、非化学量論量のメタノールを含有する水和物として単離された。
【0190】
結晶性水和物形態2の特徴付け
PXRDデータ
図2は、一般的方法1に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサ−ジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリル遊離塩基の結晶性水和物形態2についてのPXRDデータを示す。
【0191】
回折角2−シータ°(°2θ)±0.2°2θにおけるPXRDピークおよびそれらの相対強度のリストを、表9において提供する。結晶性水和物形態2を標準的な添加剤から識別する特徴的なPXRDピークを、表10において提供する(単位:°2θ±0.2°2θ)。
【0192】
【表9】
【0193】
【表10】
【0194】
FT−ラマンデータ
図5は、一般的方法2に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態2のFT−ラマンパターンを示す。
【0195】
FT−ラマンピーク(cm
−1)および定性的強度のリストを、表11において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。結晶性形態2を標準的な添加剤から識別する特徴的なFT−ラマンピーク(cm
−1)を、表12において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。正規化ピーク強度は、次の通りに指示される:W=弱;M=中;S=強。
【0196】
【表11-1】
【0197】
【表11-2】
【0198】
【表12】
【0199】
ss−NMRデータ
図8は、一般的方法3に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態2の炭素CPMASスペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で表現されており、29.5ppmにおける固相アダマンタンの外部試料を参照している。
【0200】
結晶性形態2についてのssNMR
13C化学シフト(ppm)のリストを、表13において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。結晶性形態2を標準的な添加剤から識別する特徴的なssNMR
13C化学シフト(ppm)を、表14において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。
【0201】
【表13】
【0202】
【表14】
【0203】
図11は、一般的方法3に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態2のフッ素MAS(ssNMR)スペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で表現されており、−76.54ppmにおけるトリフルオロ酢酸(H
2O中50%V/V)の外部試料を参照している。
【0204】
結晶性形態2についてのssNMR
19F化学シフト(ppm)を、表15において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。結晶性形態2を標準的な添加剤から識別する特徴的なssNMR
19F化学シフト(ppm)を、表16において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。
【0205】
【表15】
【0206】
【表16】
【実施例3】
【0207】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサ−ジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物(形態3)の調製
【0208】
【化9】
ジメチルホルムアミド(50mL)中の、実施例1Aのステップ3において記述されている通りに調製した(R)−2−(1−((2−アミノ−5−(5−シアノ−1−メチル−3−((メチルアミノ)−メチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン−3−イル)オキシ)エチル)−4−フルオロ安息香酸塩酸塩(化合物24)(10g、21.6mmol)の溶液を、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)中3M HCl溶液(8.65mL、25.95mmol)で処理した。5分間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(11.31mL、64.8mmol)を添加した。次いで、得られた混合物をゆっくり(12〜16時間にわたって)、40℃のDMF(50mL)およびEtOAc(50mL)の溶媒混合物中のHATU(12.33g、32.4mmol)を含有する別のフラスコに移した。水(200mL)を添加し、続いて1M Na
2CO
3水溶液(50mL)を添加した。層を分離した後、水相をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機相を、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)および飽和NaCl水溶液(50mL)で連続的に洗浄した。次いで、有機溶液を減圧下で濃縮して、体積およそ100mLとし、標準的な技術を使用して、含水量が0.1%以下であることを確認した。得られた混合物を濾過して、粒子のない溶液にした。濾液を減圧下でさらに濃縮して、体積およそ30mLとした。
【0209】
酢酸(1.95g、32.4mmol)を添加し、得られた混合物を3時間撹拌した。生成物を濾過によって収集し、濾過ケーキをn−ヘプタンですすいだ。一定重量に乾燥(40℃、50mmHg)させると、実施例3の生成物はオフホワイトの結晶性固体(4.35g、43%収率)として単離された。結晶性材料は、溶液NMR分光法によって決定した際に、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの1分子当たり約1分子の酢酸を含有する酢酸溶媒和物として単離された。
【0210】
結晶性酢酸溶媒和物形態3の特徴付け
PXRDデータ
図3は、一般的方法1に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリル(遊離塩基)の結晶性形態3についてのPXRDデータを示す。
【0211】
回折角2−シータ°(°2θ)±0.2°2θにおけるPXRDピークおよびそれらの相対強度のリストを、表17において提供する。結晶性形態3を標準的な添加剤から識別する特徴的なPXRDピークを、表18において提供する(単位:°2θ±0.2°2θ)。
【0212】
【表17】
【0213】
【表18】
【0214】
FT−ラマンデータ
図6は、一般的方法2に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態3のFT−ラマンパターンを示す。
【0215】
FT−ラマンピーク(cm
−1)および定性的強度のリストを、表19において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。結晶性形態3を標準的な添加剤から識別する特徴的なFT−ラマンピーク(cm
−1)を、表20において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。結晶性形態3を識別する一意的かつ高度に特徴的なFT−ラマンピーク(cm
−1)のリストを、表21において提供する(単位:cm
−1±2cm
−1)。正規化ピーク強度は、次の通りに指示される:W=弱;M=中;S=強。
【0216】
【表19-1】
【0217】
【表19-2】
【0218】
【表20】
【0219】
【表21】
【0220】
ss−NMRデータ
図9は、一般的方法3に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態3の炭素CPMASスペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で表現されており、29.5ppmにおける固相アダマンタンの外部試料を参照している。
【0221】
結晶性形態3についてのssNMR
13C化学シフト(ppm)のリストを、表22において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。結晶性形態3を標準的な添加剤から識別する特徴的なssNMR
13C化学シフト(ppm)を、表23において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。
【0222】
【表22】
【0223】
【表23】
【0224】
図12は、一般的方法3に従って収集した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ−[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態3のフッ素MAS(ssNMR)スペクトルを示す。化学シフトは、百万分率(ppm)で表現されており、−76.54ppmにおけるトリフルオロ酢酸(H
2O中50%V/V)の外部試料を参照している。
【0225】
結晶性形態3についてのssNMR
19F化学シフト(ppm)を、表24において提供する(単位:ppm±0.2ppm)。このピークは、結晶性形態3を標準的な添加剤から識別するものである。
【0226】
【表24】
【実施例4】
【0227】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物(形態3)の代替的調製
【0228】
【化10】
ステップ1:
N
2下の反応ベッセルに、化合物9(9.97kg、17.95mol)、化合物21(3.52kg、18.85mol)および2−メチルテトラヒドロフラン(97L)を投入した。内部温度を35℃未満に保ちながら、トリエチルアミン(7.45kg、73.6mol)を添加した。反応混合物を30分間保持し、内部温度を25℃未満に維持しながら、n−プロピルホスホン酸無水物(T3P)、酢酸エチル中50%溶液(22.85kg、35.9mol)をゆっくり投入した。反応混合物を、反応が完了したと判断されるまで少なくとも2時間、20℃で保持した。酢酸エチル(35L)および水(66L)、続いて0.5N塩酸溶液(80L)を添加した。水層を除去し、有機層をブライン溶液(80L)で洗浄した。有機層を濃縮し、2−メチル−2−ブタノール(80L)と溶媒交換して、2−メチル−2−ブタノール中の化合物25(23wt/wt%)溶液を得た。この溶液を、このステップからは12.00kg(100%収率)と仮定して、3つのバッチで次のステップに直接持ち越した。
【0229】
ステップ2:
2−メチル−2−ブタノール(100L)を、酢酸カリウム(1.8kg、18.34mol)、酢酸パラジウム(II)(0.10kg、0.46mol)および水(0.10kg、5.73mol)と合わせた。得られた混合物を窒素でパージした。ジ(1−アダマンチル)n−ブチルホスフィン(0.23kg、0.43mol)を添加した。化合物25の20%の量(3.97kgの活性物質または17.3Lの2−メチル−2−ブタノール中ステップ1溶液)を添加し、得られた反応混合物を2時間加熱還流した。その後、2−メチル−2−ブタノール中の化合物25の残った溶液を、5時間にわたって反応物に添加した。得られた混合物を、反応が完了したと判断されるまで(典型的には16〜20時間)加熱した。この反応ステップは3つのバッチで処理し、単離は単一のバッチで行った。故に、合わせた3つのバッチをCELITE(登録商標)に通して濾過して、不溶性材料を除去した。濾液を濃縮して低体積(およそ20L)とした。アセトニトリル(60L)を添加した。得られた混合物を2〜4時間加熱還流し、次いで顆粒化のために室温に冷却した。得られたスラリーを濾過して、化合物26を粗生成物として得た。粗生成物を、酢酸エチル(80L)およびSilicycleのチオール(5kg)と合わせた。得られた混合物を2時間加熱し、室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮しておよそ20Lとし、得られたスラリーを顆粒化し、濾過した。濾過ケーキを酢酸エチル(4L)ですすぎ、真空オーブン内で乾燥させて、化合物26を純粋な生成物(最後の2ステップ全体で4.74kg、43.5%)として得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 8.25 - 8.23 (m, 1H), 7.28 (1H, dd, 2.76および9.79
Hz), 7.22 (1H, dd, 5.52および8.53 Hz), 7.18 (1H, d, J =
1.76 Hz), 7.01 (1H, dt, J = 2.50および8.03 Hz), 5.78 -
5.70 (m, 1H), 4.76 (1H, d, J = 14.3 Hz), 4.13 (s, 3H), 3.16 (s, 3H), 1.78 (d,
3H, J = 6.02 Hz), 1.45 (s, 18H); 13C NMR (CDCl
3) δ 167.0, 162.9, 160.4, 148.7, 146.3, 143.0, 140.7, 139.9, 135.5, 129.9,
129.8, 126.1, 123.8, 123.5, 119.7, 113.8, 113.5, 111.6, 108.1, 81.1, 70.1,
45.5, 37.0, 29.7, 26.0, 20.7; LCMS (M+1)
+ 607.3, 507.1,
451.2.
【0230】
ステップ3:
N
2下の反応器に、化合物26(4.74kg、7.82mol)および酢酸エチル(54L)を添加した。内部温度を25℃未満に保ちながら、塩酸37%(5.19L、63.2mol)をゆっくり投入した。反応混合物を、反応が完了するまで24〜48時間撹拌した。酢酸エチル(54L)および水(54L)を添加した。次いで、反応混合物を、pH8〜9に到達するまでトリエチルアミンで処理した。水層を除去し、次いで有機層を水(2×54L)で洗浄した。有機層を減圧下でおよそ54Lに濃縮して、化合物27(単離されていない)を得た。
【0231】
ステップ4:
酢酸(1.0kg、16.6mol)を、化合物27を含有する有機層に添加した。反応混合物を濃縮し、次いで、室温で撹拌しながら少なくとも3時間保持した。得られたスラリーを濾過した。濾過ケーキを酢酸エチル(2L)で洗浄し、真空下で乾燥させて、3.20kg(87.8%収率)の実施例4酢酸溶媒和物(形態3)を得た。この材料の分光分析データは、実施例3に従って調製した、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]−ベンズオキサジアザシクロ−テトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸形態3の基準試料のものと同一であった。
【実施例5】
【0232】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]−ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物(形態3)を含む代表的な薬物製品製剤
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]−ベンズオキサジアザ−シクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性溶媒和物を含む即時放出(IR)錠剤は、錠剤化製剤において一般的に使用される従来の添加剤を使用して調製することができる。
【0233】
錠剤は、典型的には、W/Wベースで1〜30%の(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルを含有する。微結晶性セルロースおよびリン酸水素カルシウムを錠剤充填剤として使用してよく、デンプングリコール酸ナトリウムを崩壊剤として使用してよい。ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として使用してよく、錠剤中に組み込むか、または圧縮中に外部から添加してよい。
【0234】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]−ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物(形態3)の典型的な即時放出製剤を、表26において提供する。式Iの化合物は、ラクトースを錠剤充填剤として、およびクロスカルメロースナトリウムを崩壊剤として使用して製剤化することもできる。匹敵する組成物は、水和物形態1および水和物形態2を使用して調製することができる。
【0235】
【表25】
【0236】
(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]−ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物(形態3)の即時放出(IR)錠剤は、圧縮前に乾式顆粒化プロセスを使用して製造することができる。このプロセスにおいて、結晶性材料を、上記で概説した(outline)範囲内にあるいくらかの割合の添加剤とブレンドし、ローラー圧縮機を使用してブレンドを乾式顆粒化した。このプロセスの一部として顆粒を粉砕した。顆粒を、圧縮の前に、添加剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)のいずれかの残りとブレンドした。
【0237】
図13は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]−ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物形態3を含むプロトタイプ薬物製品のPXRDパターンを示す。
【0238】
図14は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物形態3を含むプロトタイプ薬物製品のFT−ラマンパターンを示す。
【0239】
図15は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物形態3を含むプロトタイプ薬物製品の炭素CPMAS(ssNMR)スペクトルを示す。
【0240】
図16は、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性酢酸溶媒和物形態3を含むプロトタイプ薬物製品のフッ素MAS(ssNMR)スペクトルを示す。
【0241】
代表的な薬物製品製剤中に存在する場合に、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態1を標準的な製剤添加剤から識別する特徴的なPXRD(2θ±0.2°)、FT−ラマン(±2cm
−1)、ならびに
13Cおよび
19F ppm ssNMR(±0.2ppm)ピークを、本明細書における表2、4、6および8において提供する。
【0242】
代表的な薬物製品製剤中に存在する場合に、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態2を標準的な製剤添加剤から識別する特徴的なPXRD(2θ±0.2°)、FT−ラマン(±2cm
−1)、ならびに
13Cおよび
19F ppm ssNMR(±0.2ppm)ピークを、本明細書における表10、12、14および16において提供する。
【0243】
代表的な薬物製品製剤中に存在する場合に、(10R)−7−アミノ−12−フルオロ−2,10,16−トリメチル−15−オキソ−10,15,16,17−テトラヒドロ−2H−8,4−(メテノ)ピラゾロ[4,3−h][2,5,11]ベンズオキサジアザシクロテトラデシン−3−カルボニトリルの結晶性形態3を標準的な製剤添加剤から識別する特徴的なPXRD(2θ±0.2°)、FT−ラマン(±2cm
−1)、ならびに
13Cおよび
19F ppm ssNMR(±0.2ppm)ピークを、本明細書における表18、20、21、23および24において提供する。
【0244】
本発明の基本的な態様から逸脱することなく、上述のものに修正が為され得る。本発明について、1つまたは複数の具体的な実施形態を参照してかなり詳細に記述してきたが、当業者であれば、本願において具体的に開示されている実施形態に変更が為される場合があるが、これらの修正および改良は本発明の範囲および趣旨内であることを認識するであろう。