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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-101010(P2015-101010A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】シーリング保護テープ
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/00 20060101AFI20150508BHJP
   B32B 25/04 20060101ALI20150508BHJP
   B32B 5/18 20060101ALI20150508BHJP
【FI】
   B32B3/00
   B32B25/04
   B32B5/18
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-243685(P2013-243685)
(22)【出願日】2013年11月26日
(11)【特許番号】特許第5688599号(P5688599)
(45)【特許公報発行日】2015年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】505394862
【氏名又は名称】株式会社ファインテック
(74)【代理人】
【識別番号】100115440
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 光子
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸充
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK02C
4F100AK04C
4F100AK07C
4F100AK12C
4F100AK15C
4F100AK16C
4F100AK17C
4F100AK17D
4F100AK18D
4F100AK19D
4F100AK21C
4F100AK25C
4F100AK41C
4F100AK45C
4F100AK49C
4F100AK51A
4F100AK52A
4F100AL06A
4F100AL09B
4F100AN00B
4F100AT00C
4F100DC22B
4F100DG10C
4F100DG11C
4F100DJ01B
4F100GB08
4F100JC00B
4F100JC00C
4F100JD01A
4F100JL10B
4F100JL10C
4F100JL13
4F100JN01B
4F100JN01C
(57)【要約】
【課題】シーリングを打ち替えることなく、シーリング表面のかびや細菌の繁殖を抑制することが可能で、作業が簡便かつ容易で、液状の処理剤のように乾燥や硬化といった後工程が不要で、狭小なシーリングに対してもはみ出すことがなく、抗菌・防かび処理を繰り返す場合でも面倒な処理を必要としない、シーリング保護テープを提供する。
【解決手段】食品工場、医薬品工場、クリーンルーム等において、接合した構造体のシーリングに適用されるシーリング保護テープであって、シーリング目地に密着させる抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されるシーリング保護テープである。帯状突起部がシーリングの目地(凹部)に密着するので、シーリング表面のかびや細菌の繁殖が抑制されると共に、保護テープ表面のかびや細菌の繁殖も抑制される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、
シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、
前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する、抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されることを特徴とするシーリング保護テープ。
【請求項2】
シーリングが、シリコーン系、変性シリコーン系又はウレタン系のシーリングである、請求項1に記載のシーリング保護テープ。
【請求項3】
帯状の突起部が、ゴム、エラストマー又は発泡体で形成されている、請求項1又は2に記載のシーリング保護テープ。
【請求項4】
基材テープが、紙、布、プラスチックフィルム又はこれらの複合材で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項5】
プラスチックフィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイミド、アクリル系樹脂、フッ素樹脂及びノルボルネン系樹脂、ならびにこれらの樹脂の変性樹脂から選ばれるプラスチックフィルム、又はこれらのプラスチックフィルムから選ばれる任意の2種以上を積層した積層フィルムである、請求項4に記載のシーリング保護テープ。
【請求項6】
プラスチックフィルムが、プラスチックフィルム(フッ素樹脂以外)に、フッ素樹脂を積層した積層フィルムである、請求項4に記載のシーリング保護テープ。
【請求項7】
フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシ共重合体(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(EFEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、及びエチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体から選ばれるフッ素樹脂である、請求項5又は6に記載のシーリング保護テープ。
【請求項8】
抗菌・防かび剤が、イソチアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ピリチオン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項9】
帯状の突起部の幅が1〜20mm、基材テープの幅が10〜100mmである、請求項1〜8のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項10】
帯状の突起部が、透明、白色、灰色又は黒色である、請求項1〜9のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項11】
基材テープが、透明又はパネル表面と同色である、請求項1〜10のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のシーリング保護テープを用いた、シーリング表面の抗菌防かび方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合した構造体(パネルなど)のシーリング表面に適用する、シーリング保護テープに関する。
【背景技術】
【0002】
食品工場、医薬品工場などに設置されているクリーンルーム或いは冷凍冷蔵庫では、工場内や倉庫内の空間を仕切るために、天井板や壁材として、硬質ポリウレタンフォームの両面にカラー鋼板やステンレス板を積層した鋼板パネル(断熱パネルとも言う。)が用いられている。これらの鋼板パネルの接合部には、主にシリコーン系のシーリングが施されている。住宅においても、ユニットバス、トイレ、キッチンなどの水廻りでは、接合部にシーリングが施されている。
【0003】
シリコーン系のシーリングには、抗菌・防かび剤が配合されているが、その効果は経年で低下するため、水廻りや結露を生じる場所で用いられるシーリングにはかびが繁殖し、衛生面での問題だけでなく、美観を損なうことにもなる。シーリング表面を漂白してかびを取り除いても、シーリングの内部に入り込んだ菌糸は除去できないため、またすぐにかびが繁殖し始めるので、かびの発生を効果的に抑えることはできない。そのため、一旦かびが発生したシーリングに対して効果的に防かび処理を施すには、シーリングの打ち替えをしなければならず、その工事期間中は工場の操業を停止することになる。
【0004】
シーリングを打ち替えずに、かびによる黒ずみを隠蔽すると共に、シーリングに防かび性を付与する方法として、特許文献1には、水やアルコール等の揮発性溶剤に合成樹脂エマルジョン、顔料、抗菌・防かび剤、抗菌剤を配合したペースト状の防かび補修剤を、容器から押出し、目地や壁等のかび発生箇所に塗布する方法が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたペースト状の防かび補修剤では、ペーストの粘度が高すぎると目地やシーリング表面に濡れ拡がらないため、ハケ等を用いて塗り拡げる必要があり、作業が煩雑となる。一方、ペーストの粘度が低いと、塗布後のペーストが垂れ落ちるため十分な防かび効果を発揮することができない。また、シリコーン系のシーリングに塗布した場合には、シリコーンが低極性の素材であるため、十分な接着性が発現せずに、塗布後のペーストが乾燥とともに剥がれ落ちる場合もある。
【0006】
さらに、防かび処理を繰り返すと抗菌・防かび剤が蓄積し、極端な場合にはシーリングの空隙からはみ出して美観を損なうこととなるので、蓄積された抗菌・防かび剤の層を削り取ってから再処理をしなければならず、作業が面倒で煩雑なものとなる。
【0007】
特許文献2には、加水分解性シリル基含有樹脂、酸化チタン粉末、アミノシラン化合物、硬化触媒および抗菌・防かび剤からなる組成物であって、シリコーン系シーリングの目地に塗布し、湿気で硬化させる組成物が開示されている。当該組成物は、かびによる汚れを隠蔽すると共に、組成物中の抗菌・防かび剤により塗布後のかびの繁殖を防止することを狙いとし、加水分解性シリル基含有樹脂を用いることでシリコーン系シーリングとの密着性を確保しようとするものである。
【0008】
しかしながら、特許文献2に開示された組成物は、常温で液状であり、ハケ等を用いてシリコーン系シーリングの目地に塗布するため、煩雑で面倒な作業を必要とするのみならず、シーリングの目地の幅が狭い(1mm程度)場合には、目地の外側部分にはみ出させずに目地部分にのみ塗布することが困難な場合がある。また、湿気硬化型の組成物であるため、広範囲のシーリングの防かび処理で塗布作業に時間を要する場合や、高湿度の環境下で作業をする場合など、使用前の組成物が湿気で硬化しないよう保管に注意を払う必要がある。
【0009】
さらに、食品工場のパネルでは、操業中は熱湯が掛かることで熱膨張し、操業後は冷えて収縮する現象が、繰り返し起こる。この場合、シーリングはパネルの膨張と収縮に追随して伸縮する。しかし、塗膜は収縮性が劣るため、塗膜に亀裂が生じ易い。また、塗膜が経年で硬くなって剥がれ落ち、剥がれ落ちた塗膜は異物混入の原因物質になる、と言った問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−113349号公報
【特許文献2】特開2012−007078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シーリングを打ち替えることなく、シーリング表面のかびや細菌の繁殖を抑制することが可能で、作業が簡便かつ容易で、液状の処理剤のように乾燥や硬化といった後工程が不要で、狭小なシーリングに対してもはみ出すことがなく、抗菌・防かび処理を繰り返す場合でも面倒な処理を必要としない、シーリング保護テープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、シーリングの目地(凹部)に、抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部を密着させることで、シーリング表面のかび発生を抑制すると共に、該帯状突起部を抗菌・防かび剤を含有する基材テープで覆うことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明は、接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する、抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されることを特徴とするシーリング保護テープを提供する。
また、本発明は、シーリング保護テープを用いた、シーリング表面の抗菌防かび方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るシーリング保護テープは、抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部がシーリングに密着し、さらに抗菌・防かび剤を含有する基材テープがシーリングを密封するので、抗菌・防かび剤が垂れ落ちることがなくシーリング表面にむらなく作用し、シーリングを効果的に抗菌防かび処理できる。
【0015】
また、抗菌・防かび剤を含有する基材テープは、線膨張率が高くシーリングの熱膨張に追随するので亀裂が生じることがない。施工後は、耐熱性や耐薬品性が劣るシーリングの保護と、かび発生を防止する機能もある。
【0016】
シーリング保護テープの帯状突起部の幅や高さは、任意に設定できるので、適用するシーリングの幅や深さに対応したシーリング保護テープを用いることにより、各種シーリングに対して抗菌・防かび処理を施すことができる。施工及び除去が簡単なため、必要に応じて何回も繰り返すことができる。
【0017】
帯状突起部及び基材テープは、色の調製が容易であり、シーリングやパネルに融合する色を選択したり、模様を施したりすることにより、室内の美観を向上させる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明のシーリング保護テープの一例を示す(a)斜視図、(b)断面図。
図2】本発明のシーリング保護テープの施工例を示す説明図。
図3】本発明のシーリング保護テープの別の施工例を示す説明図。
図4】シーリング保護テープをパネルに貼付した状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のシーリング保護テープの一例を示す概略図である。図1に示すシーリング保護テープ1は、基材テープ2の片面に粘着剤層3が形成され、該粘着剤層3の表面の長手方向の中心線上に、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部4が形成されている。
【0020】
本発明のシーリング保護テープを適用するシーリングは、特に限定されないが、好ましいのは、シリコーン系、変性シリコーン系、ウレタン系のシーリングである。既設、新設のいずれのシーリングにも適用可能である。
【0021】
本発明のシーリング保護テープにおける、帯状突起部の材料は、シーリングに密着させることが可能な材料であれば、特に限定はない。中でも、ゴム、エラストマー、発泡体は、厚みや柔軟性があり、応力で変形する性質(弾性)があるため、幅が狭いシーリングや凹凸があるシーリングにも密着し易い点で、好適な材料である。
【0022】
帯状突起部を形成する材料としては、ポリイソプレン(天然ゴム)、SBR、EPM、EPDM、NBR、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の各種のゴム;スチレン系、ブタジエン系、イソプレン系、エチレン−プロピレン系、ニトリル系、クロロプレン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、オレフィン系のエラストマー;ゴムを発泡させた発泡体;ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、アクリル系樹脂(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂)などの熱可塑性樹脂を発泡させた発泡体;ポリウレタンやシリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂を発泡させた発泡体;を挙げることができる。これらの材料の中でも、加工性、耐水性、耐溶剤性に優れる材料が好ましい。
【0023】
抗菌・防かび剤としては、公知の抗菌・防かび剤を用いることができる。なお、本発明において「防かび」とは、かびの発生・育成・増殖を抑制することをいい、特にシーリング表面のかびの増殖を抑制することをいう。また、「抗菌」とは、微生物の発生・生育・増殖を抑制することをいい、特にシーリング表面の細菌の増殖を抑制することをいう。
【0024】
抗菌・防かび剤としては、例えば、銀系化合物、亜鉛系化合物、アルコール系化合物、フェノール系化合物、4級アンモニウム塩、安息香酸類、クロルヘキシジン、ソルビン酸類、有機窒素系化合物、硫黄系化合物、有機酸エステル、有機ヨウ素系化合物、イソチアゾリン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ピリチオン系化合物などを挙げることができる。これらの抗菌・防かび剤は単独で用いても2種以上を併用しても良い。これらの抗菌・防かび剤の中でも、高温の室内でも揮発する虞のない、高沸点の化合物が好ましい。
【0025】
中でも、イソチアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ピリチオン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの抗菌・防かび剤は、多種類のかびに対して優れた防かび性を有し、安価である。
【0026】
イソチアゾリン系化合物としては、下記の式(1)又は式(2)で表わされる化合物が挙げられる。式中、R11は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、R12〜R17はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【0027】
【化1】
【化2】
【0028】
11における炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。R12〜R17における炭素数1〜6のアルキ基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
【0029】
イソチアゾリン系化合物としては、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン(MTI)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(Bu−BIT)などが挙げられる。
【0030】
ベンズイミダゾール系化合物としては、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(TBZ)、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルなどが挙げられる。ピリチオン系化合物としては、ジンクピリチオン(ZPT)などが挙げられる。
【0031】
抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部は、種々の方法で作製することができる。例えば、(1)抗菌・防かび剤を添加したゴム、エラストマー或いは発泡体を、所望の形状に成形する方法、(2)所望の形状に成形したゴム、エラストマー或いは発泡体に、抗菌・防かび剤を水、エタノール、プロパノール、グリコール酸などの溶剤に溶解もしくは分散した溶液を、塗布、噴霧、含浸する方法、(3)抗菌・防かび剤を上記溶剤に溶解もしくは分散した溶液を、塗布、噴霧、含浸したゴム、エラストマー或いは発泡体を、所望の形状に成形する方法などがあり、いずれの方法で作製しても良い。抗菌・防かび剤を添加した成形体では、抗菌・防かび剤が表面に移行し難い場合に、抗菌防かび性が発揮され易いように、移行促進用の添加剤を配合しても良い。
【0032】
また、抗菌・防かび剤を添加する場合、抗菌・防かび剤が材料から脱落し難くするため、バインダーを用いても良い。バインダーとしては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系エラストマーなどが挙げられるが、抗菌・防かび剤の液安定性に優れる点より、アクリル樹脂が好ましい。
【0033】
アクリル樹脂としては、例えば、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ブチルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体、ラウリルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体等の(メタ)アクリレートの重合体或いは共重合体が挙げられる。これらのアクリル樹脂は単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0034】
抗菌・防かび剤の添加量は、帯状突起部を形成する材料に対して、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。添加量が0.1重量%以上あれば、シーリング表面の細菌やかびの繁殖を抑制することができ、添加量が10重量%以下であれば、シーリング保護テープから抗菌・防かび剤がはみ出してパネルやシーリングを汚すこともない。より長期間に亘る抗菌・防かび性を発揮させるためには、1〜5重量%が好ましい。
【0035】
帯状突起部の幅及び厚みは、シーリングの幅や目地(凹部)の深さに合わせて調製するため、通常は、幅が1〜20mm、厚みが1〜5mm、が好ましい。帯状突起部の断面形状は、シーリングの目地(凹部)に密着可能な任意の形状、例えば、長方形、四角形、台形、レンズ状等にすることができる。これらの密着性を高めることによって、シーリング表面の細菌やかびの繁殖を効果的に抑制することができる。帯状突起部に粘着剤層は必須ではなく、必要に応じて設ければ良く、粘着剤層を介さず押し込みなどの方法で密着させても良い。
【0036】
本発明のシーリング保護テープにおける、基材テープの材料としては、紙、布、プラスチックフィルム、これらの複合材が挙げられ、目的に合わせて選択することができる。複合材としては、紙や布とプラスチックフィルムの張り合わせ材料、紙や布に樹脂を含浸させた材料などが挙げられる。
【0037】
シーリングへの適用後は、シーリング保護テープを構成する基材テープが、室内側(即ち、構造体の反対側)に露出する。シーリング保護テープが適用される食品、医薬品、化学品の工場などでは、飛散した熱湯、酸・アルカリ等の薬品や食品片などが、パネル同様、基材テープにも付着するので、基材テープには、特に耐熱性、耐薬品性、耐洗浄性が要求される。さらに、伸縮性も要求される。このような観点より、最も好適な材料は、プラスチックフィルムである。プラスチックフィルムは、低ガス透過性(水蒸気バリア性)にも優れている上、透明性が良好で、色調製も容易であるため、カラー鋼板やステンレス鋼板に適用した際に、色の調和を図り易い。
【0038】
プラスチックフィルムの種類は、特に限定されない。具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂;ナイロン6やナイロン66、ナイロン11等のポリアミド;ポリカーボネート;ポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリイミド;ポリウレタン;アクリル系樹脂;ノルボルネン系樹脂;フッ素樹脂;これらの樹脂の変性樹脂;から選ばれるプラスチックフィルム、又は、これらのプラスチックフィルムから選ばれる任意の2種以上を積層した積層フィルムが挙げられる。
【0039】
これらの中でも、プラスチックフィルム(フッ素樹脂以外)に、フッ素樹脂を積層した積層フィルムが、好ましい。フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、油や汚れの洗浄性(耐洗浄性)に優れているだけでなく、他の樹脂よりも線膨張率が高く、シーリングの熱膨張に対する追随性が良いため、破れ難い。フッ素樹脂以外のプラスチックフィルムとしては、透明性、耐熱性、耐薬品性、粘着剤との接着性などに優れているプラスチックフィルムが好ましい。
【0040】
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシ共重合体(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(EFEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体などが挙げられる。
【0041】
基材テープとして積層フィルムを用いる場合、フッ素樹脂など、耐熱性、耐薬品性、耐洗浄性に優れる材料が、室内側になるように調製することが好ましい。カラー鋼板パネルの表面にはフッ素樹脂コーティングが施されているため、室内側となる基材テープ面を、該パネルと同じ或いは同系統の材料にすることにより、シーリング保護テープに付着した汚れを、パネル洗浄と同時に洗浄できるので、洗浄効率が向上する。
【0042】
フッ素樹脂を積層した積層フィルムは、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの汎用プラスチックフィルムに、フッ素樹脂塗料をコーティングすることにより、作製することができる。この際、着色塗料を用いると、着色基材テープを調製することができる。
【0043】
また、基材テープの片面に粘着剤層が形成されていると、そのまま現場施工できるが、粘着層を形成していない基材テープに、現場で両面テープを貼り合わせ、施工することもできる。この場合も、フッ素樹脂を、粘着剤層を形成していない面、即ちシーリング保護テープ貼付時に最外層となる面にすることが好ましい。
【0044】
なお、基材テープの粘着剤層は、アクリル樹脂系、ロジン系、ゴム系、ビニル系、シリコーン系、ウレタン系などの公知の粘着剤を、公知の方法で塗工することにより形成される。中でも、耐候性、耐光性、耐油性等に優れることから、アクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚さは、貼付する構造体の材質に応じて適宜、決定するのが良い。
【0045】
抗菌・防かび剤を含有する基材テープの作製方法は、特に限定されない。例えば、抗菌・防かび剤を、水、エタノール、プロパノール、グリコール類などに溶解もしくは分散した溶液を、プラスチックフィルムに塗布する方法や、基材テープの元となるプラスチックフィルム製造段階で抗菌・防かび剤を添加する方法、コーティングするフッ素樹脂に予め抗菌・防かび剤を添加する方法などが挙げられる。また、基材テープに抗菌・防かび剤を塗布・含浸する場合にも、抗菌・防かび剤が脱落しないようにバインダーを用いても良い。抗菌・防かび剤及びバインダーとしては、上記の帯状突起部の場合と同様の抗菌・防かび剤、及びバインダーが挙げられる。
【0046】
抗菌・防かび剤の添加量は、基材テープ形成材料に対して、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。添加量が0.1重量%以上あれば、基材テープ表面の細菌やかびの繁殖を抑制することができ、添加量が10重量%以下であれば、基材テープの表面から抗菌・防かび剤がブリードアウトすることもない。より長期間に亘る抗菌・防かび性を発揮させるためには、1〜5重量%が好ましい。
【0047】
基材テープとしては、クラフトテープ、ガムテープ、アルミテープ、ビニールテープ、ポリエステルテープ、ポリエチレンテープ、ポリイミドテープ、ガラスクロステープ、複合粘着テープ(複数の素材を貼り合わせるか、布に樹脂を含浸したテープ)などの名称で販売されている市販品を用いても良い。また、基材テープとして、抗菌又は防かび処理を行った市販のプラスチックフィルムを用いても良い。
【0048】
基材テープの厚みは、基材テープの材質によって異なるため、特に限定されない。通常は50〜200μm程度のものが用いられる。
【0049】
基材テープの幅は、帯状突起部の幅よりも広幅で、かつシーリングを施工した両側の構造体に接着できる幅であれば、特に限定されない。好ましくは10〜100mm、より好ましくは30〜70mmである。この程度の幅があれば、基材テープを構造体の表面にしっかりと貼り付けることができ、基材テープを貼り付ける際に捩れる等して接着性を確保できなくなったり、美観を損ねたりすることもない。
【0050】
本発明のシーリング保護テープにおいては、粘着剤層の表面の基材テープの長手方向に形成する帯状突起部は、基材テープのほぼ中心線上に、帯状突起部の中心線を大略合わせるようにして形成することが望ましい。本発明のシーリング保護テープは、基材テープに粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層の表面の基材テープの長手方向で、基材テープのほぼ中心線上に帯状突起部を配置することにより製造することができるが、製造方法はこれに限定されない。或いは、帯状突起部と基材テープを別個に作製しておき、施工現場において、帯状突起部をシーリングの目地(凹部)に密着させた後、その上から基材テープを、粘着剤層を介して構造体に貼付することもできる。
【0051】
基材テープ表面の粘着剤層には、予め剥離紙を積層しておくことにより、本発明のシーリング保護テープを使用するまでの間、粘着剤層にゴミ等が付着するのを防止することができ、施工も簡単になる。
【0052】
図2は、本発明のシーリング保護テープの鋼板パネルへの施工例を示す説明図であり、最初に、抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部4を、鋼板パネル10のシーリング11の目地(凹部)に押し込み、密着させる。その後、抗菌・防かび剤を含有する基材テープ2を、帯状突起部4が真中になるよう、両側のパネル10に貼付する。
【0053】
図3は、本発明のシーリング保護テープの鋼板パネルへの別の施工例を示す説明図であり、基材テープ2の片面に粘着剤層(図面では省略する。)が形成されている。該粘着剤層を介して、帯状突起部4を積層したシーリング保護テープを、帯状突起部4がパネル10のシーリング11の目地(凹部)に密着するように押し込みながら、抗菌・防かび剤を含有する基材テープ2を、両側のパネル10に貼付する
【0054】
図2及び図3に示す施工例から判るように、基材テープの色をパネルの色と同色に調製することで、室内の美観を向上させることができる。或いは、ステンレスパネルの場合などは色の調製が難しいが、基材テープを透明にすることで、室内の美観を向上させることができる。
【0055】
また、基材テープが透明の場合は、帯状突起部の色を、多用されているシーリングの色(白、灰色、黒)と同色又は透明に調製すると、室内の美観が向上する。
【0056】
本発明のシーリング保護テープは、使用時に必要な長さに裁断できるようにロール状に巻いた形態としても良いし、或いは、適用するシーリングの長さに対応して裁断した長尺状の形態としても良いし、或いは、適用現場で基材テープと帯状突起部を施工しても良い。
【0057】
本発明のシーリング保護テープを、既設又は新設のシーリングに適用する場合は、予めシーリングの表面を、アルコール分70%以上の薬剤を含ませたペーパータオルや布などで拭き取り、脱脂、洗浄して油や汚れを取り除いておくことが望ましい。
【0058】
次いで、図4に示すように、パネル10のシーリング11の凹部に、シーリング保護テープの帯状突起部4を押し込みながら、基材テープ2の粘着剤層3の片側を、パネル10の表面に押し付けてパネルに貼り付けた後、残りの粘着剤層3をパネル10の表面に貼り付ける。
【0059】
その結果、シーリングの目地(凹部)にはシーリング保護テープの突起部が押入され、シーリングを覆うようにシーリング保護テープが貼付されるため、シーリング保護テープが密着したシーリングにおいては、湿気の進入、細菌やかびの進入ならびに繁殖が抑制される。また、殺菌剤で拭き取ることができなかった細菌やかびは、帯状突起部に含有されている抗菌・防かび剤により増殖が抑制されることになる。
【実施例】
【0060】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0061】
(実施例1)
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)を3重量%(対フッ素樹脂)添加した、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(EFEP)の溶液を、ナイロン6フィルムに塗布し、乾燥して積層フィルム(厚さ75μm)を作製した。この積層フィルムのナイロン6側の面に、アクリル系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成したものを、幅50mm×長さ30cmに裁断して基材テープを得た。
発泡アクリルテープ(住友スリーエム社のVHBアクリルフォーム構造用接合テープ、テープ色:白、厚さ:2mm)を、幅10mm×長さ30cmに裁断したものに、発泡アクリルテープ重量に対し、3重量%のOITを含浸させることで、抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部を得た。
フッ素樹脂コーティングカラー鋼板を積層した鋼板パネルの、シリコーン系シーリング(白色)の凹部を、エタノールで拭き取った後、上記の帯状突起部をシーリングの凹部に密着させた。次いで上記の基材テープを、帯状突起部を覆いながら、シーリングの両側のパネルに貼付した。
【0062】
(実施例2)
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)を3重量%(対フッ素樹脂)添加した、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(EFEP)の溶液を、ナイロン6フィルムに塗布し、乾燥して積層フィルム(厚さ75μm)を作製した。この積層フィルムのナイロン6側の面に、アクリル系粘着剤を塗布して粘着剤層を形成したものを、幅50mm×長さ30cmに裁断して基材テープを得た。
3重量のBITを練り込んだ、厚さ2mmの非加硫ブチルゴムのシートを、幅10mm×長さ30cmに裁断して、抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部を得た。
フッ素樹脂コーティングカラー鋼板を積層した鋼板パネルの、変性シリコーン系シーリングの凹部を、エタノールで拭き取った後、上記の帯状突起部をシーリングの凹部に密着させた。次いで上記の基材テープを、帯状突起部を覆いながら、シーリングの両側のパネルに貼付した。
【0063】
(実施例3)
片面に粘着剤層を形成したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの、粘着剤層の反対面に、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾール(TBZ)を、塗布量が3重量%(対フィルム)となるように塗布したものを、幅50mm×長さ30cmに裁断して基材テープを得た。
発泡アクリルテープ(住友スリーエム社のVHBアクリルフォーム構造用接合テープ、テープ色:透明、厚さ:1mm)を、幅10mm×長さ30cmに裁断したものに、発泡アクリルテープ重量に対し、3重量%のTBZを含浸させることで、抗菌・防かび剤を含有する帯状突起部を得た。
ステンレス板を積層した断熱パネルの、シリコーン系シーリングの凹部を、エタノールで拭き取った後、上記の帯状突起部をシーリングの凹部に密着させた。次いで上記の基材テープを、帯状突起部を覆いながら、シーリングの両側のパネルに貼付した。
【0064】
(実施例4〜10)
基材テープの材料、帯状突起部の材料、抗菌・防かび剤の種類及び添加量を、表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にしてシーリング保護テープを作製し、実施例1と同様の方法でパネルに貼付した。
【0065】
(比較例1)
カラー鋼板を積層した鋼板パネルのシリコーン系シーリングの凹部を、エタノールで拭き取った後、3ヶ月経過後のかび発生状況を目視で評価した
【0066】
(比較例2)
フッ素樹脂コーティングカラー鋼板を積層した鋼板パネルの、シリコーン系シーリング(白色)の凹部を、エタノールで拭き取った。次いで、実施例1で作製した基材テープを、鋼板パネルのシリコーン系シーリングの凹部を覆いながら、シーリングの両側の断熱パネルに貼付した。
【0067】
(比較例3)
EFEPに抗菌・防かび剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、基材テープ及び帯状突起部を得、実施例と同様の方法で、フッ素樹脂コーティングカラー鋼板を積層した鋼板パネルのシリコーン系シーリング(白色)の両側の断熱パネルに貼付した。
【0068】
[耐防かび性]
シーリング保護テープを、貼付から3ヶ月及び1年経過後に剥がしたときの、シーリング表面のかび発生状況を目視で評価した。
○:かびが発生していない。
△:一部にかびが発生している。
×:全面にかびが発生している。
【0069】
[耐洗浄性]
シーリング保護テープを貼付した後、基材テープの表面にカーボンを付着させ、ウエスで拭き取ったときの拭き取り性(簡単に拭き取れるか否か)を評価した。
【0070】
【表1】
【0071】
表1の結果より、本発明のシーリング保護テープを適用したシーリングの表面は、かびが確認されなかった。また、実施例1〜9で作製した基材テープの室内側の表面は、耐洗浄性、耐酸・耐アルカリ性にも優れていた。実施例10で作製した基材テープの室内側の表面は、耐酸性がやや劣っていたが、ユニットバスやトイレ、キッチン等のシーリングに適用するには十分な耐薬品性を有していた。
【0072】
これに対し、本発明のシーリング保護テープを適用しなかった場合(比較例1)は、3ヶ月後にはシーリング表面にかびが発生した。また、抗菌・防かび剤を添加した基材テープのみ適用した場合(比較例2)も、同様の結果であった。基材テープに抗菌・防かび剤を添加しなかった場合(比較例3)は、シーリング表面のかび発生はある程度抑制できたが、基材テープの表面にかびが発生した。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のシーリング保護テープは、既設或いは新設のパネルの接合部に設けられたシーリングに適用することで、抗菌・防かび剤を含有する樹脂がシーリングの目地(凹部)に密着し、かつ基材テープがシーリングを密閉するので、細菌、かびの胞子、湿気等の浸入を防止し、細菌やかびの繁殖を抑えることができる。本発明のシーリング保護テープは、食品工場、医薬品製造工場、精密部品工場、病院等のパネルの他、住宅のユニットバスやトイレやキッチンなど、かびが発生し易い水廻り目地のシーリングにも適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 シーリング保護テープ
2 基材テープ
3 粘着剤層
4 帯状突起部
10 鋼板パネル
11 シーリング
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2014年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、
シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部から構成されることを特徴とするシーリング保護テープ。
【請求項2】
接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、
シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、
前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する、抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されることを特徴とするシーリング保護テープ。
【請求項3】
シーリングが、シリコーン系、変性シリコーン系又はウレタン系のシーリングである、請求項1又は2に記載のシーリング保護テープ。
【請求項4】
帯状の突起部が、ゴム、エラストマー又は発泡体で形成されている、請求項1又は2に記載のシーリング保護テープ。
【請求項5】
基材テープが、紙、布、プラスチックフィルム又はこれらの複合材で形成されている、請求項2〜4のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項6】
プラスチックフィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイミド、アクリル系樹脂、フッ素樹脂及びノルボルネン系樹脂、ならびにこれらの樹脂の変性樹脂から選ばれるプラスチックフィルム、又はこれらのプラスチックフィルムから選ばれる任意の2種以上を積層した積層フィルムである、請求項に記載のシーリング保護テープ。
【請求項7】
プラスチックフィルムが、プラスチックフィルム(フッ素樹脂以外)に、フッ素樹脂を積層した積層フィルムである、請求項に記載のシーリング保護テープ。
【請求項8】
フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシ共重合体(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(EFEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、及びエチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体から選ばれるフッ素樹脂である、請求項又はに記載のシーリング保護テープ。
【請求項9】
抗菌・防かび剤が、イソチアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ピリチオン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項10】
帯状の突起部の幅が1〜20mm、基材テープを有する場合はその幅が10〜100mmである、請求項1〜のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項11】
帯状の突起部が、透明、白色、灰色又は黒色である、請求項1〜10のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項12】
基材テープが、透明又はパネル表面と同色である、請求項2〜11のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のシーリング保護テープを用いた、シーリング表面の抗菌防かび方法であって、前記抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部をシーリング目地に密着させ、前記帯状の突起部の上から、粘着剤層を介して、抗菌・防かび剤を含有する基材テープをシーリングの両側の構造体に貼付することを特徴とするシーリング表面の抗菌防かび方法
【請求項14】
接合部に施されたシーリングの目地に、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部が密着され、当該帯状の突起部を覆うように抗菌・防かび剤を含有する基材テープが貼付されていることを特徴とする接合した構造体。
【請求項15】
請求項13に記載のシーリング表面の抗菌防かび方法に用いられる、抗菌・防かび剤を含有する紙、布、プラスチック又はこれらの複合材で形成されている基材テープ。
【請求項16】
プラスチックフィルムが、プラスチックフィルム(フッ素樹脂以外)とフッ素樹脂との積層フィルムである、請求項15に記載の基材テープ。
【請求項17】
透明又はパネル表面と同色である、請求項15又は16に記載の基材テープ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
すなわち、本発明は、接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部から構成されることを特徴とするシーリング保護テープを提供する。
また、本発明は、接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する、抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されることを特徴とするシーリング保護テープを提供する。
また、本発明は、シーリング保護テープを用いた、シーリング表面の抗菌防かび方法を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2014年11月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、
シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、
前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する、抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されることを特徴とするシーリング保護テープ。
【請求項2】
シーリングが、シリコーン系、変性シリコーン系又はウレタン系のシーリングである、請求項1に記載のシーリング保護テープ。
【請求項3】
帯状の突起部が、ゴム、エラストマー又は発泡体で形成されている、請求項1又は2に記載のシーリング保護テープ。
【請求項4】
基材テープが、紙、布、プラスチックフィルム又はこれらの複合材で形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項5】
プラスチックフィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイミド、アクリル系樹脂、フッ素樹脂及びノルボルネン系樹脂、ならびにこれらの樹脂の変性樹脂から選ばれるプラスチックフィルム、又はこれらのプラスチックフィルムから選ばれる任意の2種以上を積層した積層フィルムである、請求項4に記載のシーリング保護テープ。
【請求項6】
プラスチックフィルムが、プラスチックフィルム(フッ素樹脂以外)に、フッ素樹脂を積層した積層フィルムである、請求項4に記載のシーリング保護テープ。
【請求項7】
フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシ共重合体(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(EFEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、及びエチレン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体から選ばれるフッ素樹脂である、請求項5又は6に記載のシーリング保護テープ。
【請求項8】
抗菌・防かび剤が、イソチアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、ピリチオン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項9】
帯状の突起部の幅が1〜20mm、基材テープの幅が10〜100mmである、請求項1〜8のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項10】
帯状の突起部が、透明、白色、灰色又は黒色である、請求項1〜9のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項11】
基材テープが、透明又はパネル表面と同色である、請求項1〜10のいずれかに記載のシーリング保護テープ。
【請求項12】
接合部に施されたシーリングの目地に、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部が密着され、当該帯状の突起部を覆うように抗菌・防かび剤を含有する基材テープが貼付されていることを特徴とする接合した構造体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
すなわち、本発明は、接合した構造体のシーリングに適用するためのシーリング保護テープであって、シーリング目地に密着させる、抗菌・防かび剤を含有する帯状の突起部と、前記帯状の突起部を覆いながら構造体に貼付する、抗菌・防かび剤を含有する基材テープと、から構成されることを特徴とするシーリング保護テープを提供する。
また、本発明は、シーリング保護テープを用いた、シーリング表面の抗菌防かび方法を提供する。