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特開2015-101265航空機の内装品用のシート材及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-101265(P2015-101265A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】航空機の内装品用のシート材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20150508BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20150508BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20150508BHJP
【FI】
   B64D11/06
   B32B27/40
   B32B27/12
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-244812(P2013-244812)
(22)【出願日】2013年11月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000132013
【氏名又は名称】株式会社ジャムコ
(71)【出願人】
【識別番号】591191181
【氏名又は名称】横浜フォームラバー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道人
(72)【発明者】
【氏名】相澤 昭二
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AK01C
4F100AK51A
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100DG11B
4F100EC03
4F100EJ42
4F100GB31
4F100JJ07A
4F100JL00
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】航空機の内装品を覆う新たなシート材とその製造方法を提供する。
【解決手段】シート材30は、難燃性ウレタン材36の一方の表面36aを溶融して溶着されるFBLと、難燃性ウレタン材36の他方の面36bを溶融して溶着されるドレスカバー34により構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性ウレタン材と、難燃性ウレタン材の一方の面に溶融層を介して融着されるFBL(Fire Blocking Layer:耐火布)と、難燃性ウレタン材の他方の面に溶融層を介して融着されるドレスカバー(表皮材)を備える航空機の内装品用シート材。
【請求項2】
難燃性ウレタン材のFBLに融着される溶融層の厚さ寸法は約1.5mmであり、難燃性ウレタン材のドレスカバーに融着される溶融層の厚さ寸法は約1.5mmであり、残りの難燃性ウレタン材の厚さ寸法は約1.5mmである請求項1記載の航空機の内装品用シート材。
【請求項3】
難燃性ウレタン材のロールとFBLのロールを用意する工程と、
難燃性ウレタン材のFBLロールに対向する面を加熱して表面を溶融する工程と、
難燃性ウレタン材の溶融面とFBLロール面の表面を圧着溶着して難燃性ウレタンFBLロールを製造する工程と、
溶着された難燃性ウレタンFBLロールとドレスカバーロールを用意する工程と、
難燃性ウレタンFBLロールのドレスカバーロールに対向する難燃性ウレタン材を加熱して表面を溶融する工程と、
難燃性ウレタン材の溶融面とドレスカバーの裏面を圧着する工程と、
を備える航空機の内装品用シート材の製造方法。
【請求項4】
難燃性ウレタン材の表面を加熱する温度は800℃〜900℃であり、加熱時間は0.5秒〜1.5秒である請求項3記載の航空機の内装品用シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の客席などの内装品の表面に使用される耐火性を備えたシート材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の内装材に対しては、火災の発生による事故を防ぐために、従来から難燃性が強く求められ、多くの規制がある。例えば、航空機事故発生時において、機内火災が発生した際に、乗客の非難の時間及び非難経路を確保すべく、火災が広がらない様に自己消化性や、煙を抑ええる要求事項がある。
【0003】
この中で乗客や乗員が着座するクッション材は、FAA(米国連邦航空局)EASA(欧州航空安全機関)が規定する耐火性能を満足することが要求される。
この種のクッション材は、ドレスカバー(表皮材)とクッションで構成されている。
クッションは、ウレタンなどの弾力性を有する材料にFBL(Fire Blocking Layer)と称する耐火布を接着剤でとりつける。
ドレスカバーは、基本的に生地をクッションの形状に合わせ縫製し、ベルクロ等の簡易ファスナーでクッションに固定している。但し、ドレスカバーの交換を必要としない、パッド等に関しては、接着にて固着する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−331277
【特許文献2】特開2005−186499
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種のドレスカバーは、乗客・乗員による使用頻度も高いために汚れも多く、ドライクリーニングなどの洗濯が必要となる。
また、クッションとドレスカバー間には追従性が無いための表面にしわ等が発生しやすくなる。
この汚れやしわ等は座席全体の美観を損ねる事につながるため、各エアラインが品質管理に気を使う箇所となっている。
本発明の目的は、表皮材にしわ等が発生しにくい航空機内装品用のドレスカバーを加工したシート材(ドレスカバーとFBLを組み合わせた材料)及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のシート材は、難燃性ウレタン材の一方の面に溶融層を介して融着されるFBL(Fire Blocking Layer:耐火布)と、難燃性ウレタン材の他方の面に溶融層を介して融着されるドレスカバー(表皮材)を備える。
【0007】
そして、難燃性ウレタン材のFBLに融着される溶融層の厚さ寸法は約1.5mmであり、難燃性ウレタン材のドレスカバーに融着される溶融層の厚さ寸法は約1.5mmであり、残りの難燃性ウレタン材の厚さ寸法は約1.5mmである。
【0008】
また、本発明のシート材の製造方法は、難燃性ウレタン材のロールとFBLのロールを用意する工程と、
難燃性ウレタン材のFBLロールに対向する面を加熱して表面を溶融する工程と、難燃性ウレタン材の溶融面とFBLロール面の表面を圧着融着して難燃性ウレタンFBLロールを製造する工程と、融着された難燃性ウレタンFBLロールとドレスカバーロールを用意する工程と、難燃性ウレタンFBLロールのドレスカバーロールに対向する難燃性ウレタン材を加熱して表面を融着する工程と、難燃性ウレタン材の溶融面とドレスカバーの裏面を圧着融着する工程を備える。
【0009】
そして、難燃性ウレタン材の表面を加熱する温度は800℃〜900℃であり、加熱時間は0.5秒〜1.5秒である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の航空機内装品用のシート材は以上の構造を備えることにより、耐火性を満足しつつ美観の高いシート材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は航空機の客席の斜視図である。
図2図2は上部インナーパッドの斜視図である。
図3図3は下部インナーパッドの斜視図である。
図4図4はシート材の断面構造図である。
図5図5はシート材の製造工程を示す説明図である。
図6図6はシート材の製造工程を示す説明図である。
図7図7は加熱工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、航空機の乗客用の座席の外観を示し、座席1の内側には、上部インナーパッド10、下部インナーパッド20等が取り付けられる。
【0013】
図2は、上部インナーパッド10の外観を示し、上部インナーパッド10は、FRPの成形材の形状に合わせたクッションの表面にシート材30を張り付けた曲面形状の製品である。
【0014】
図3は下部インナーパッド20の外観を示し、下部インナーパッド20は、FRPの成形材の形状に合わせたクッションの表面にシート材30を張り付けた曲面形状の製品である。
【0015】
図4は、本発明の製造方法によりつくられたシート材30の断面構造を示す。
本発明のシート材30は、難燃性のウレタン材36の両面にFBL(耐火布)32とドレスカバー(表皮材)34を積層した断面構造を備える。
【0016】
図5図6は、シート材の製造工程を示す。
図5において、難燃性ウレタンロール100と、FBLロール110を用意し、両ロールから引き出した材料のうちの難燃性ウレタンロール100のFBL側の加熱面100aをバーナー200で加熱して難燃性ウレタンの表面を溶融し、FBLとともに押圧ロール210と基台220の間を通過させて両者を溶着させて難燃性ウレタンFBLロール120を作製する。
【0017】
加熱面100aには、バーナー200で約800℃〜900℃の炎を0.5〜1.0秒程度当てて表面を溶融する。
【0018】
難燃性ウレタンFBLロール120は、難燃性ウレタンロール100を表側に、FBLロール110を裏側にした状態でロール状に巻き取られる。
【0019】
次に、図6に示すように難燃性ウレタンFBLロール120とドレスカバーロール130を用意する。ドレスカバーロールは、ドレスの裏面130bが難燃性ウレタンロール100に対向するように配置される。
【0020】
難燃性ウレタンFBLロール120から引き出された材料は、難燃性ウレタンロール100の加熱面100bにバーナー200により約800℃〜900℃の炎を0.5〜1.0秒当てて溶かし、ドレスがカバー130とともに押圧ロール210と基台220の間を通して、溶融圧着する。
【0021】
完成したシート材150は、ドレスカバー130の表面130aとFBLロール110を両面として長尺の帯状に製造される。
これを適宜の寸法に切り出して図4に示すシート材30として使用する。
【0022】
難燃性ウレタン36は初期状態で厚さ寸法Tを有するが、溶融層36aが厚さ寸法TをもつFBLに溶け込み、溶着される。溶け込み寸法Taは1.5mm程度である。
【0023】
また、ドレスカバー34は厚さ寸法Tを有するが、難燃性ウレタン材36の溶融層36bがドレスカバー34に溶け込む。
溶け込み寸法Tbは1.5mm程度である。
【0024】
この結果、残りの難燃性ウレタンの厚さ寸法Tcは1.5mm程度となる。
図7は、加熱工程に使用されるバーナーの概要を示す説明図である。
【0025】
本発明は以上のように、ドレスカバー表面の美観を維持できる耐久性の高い航空機の内装品用のシート材を得ることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 航空機の客席
10 上部インナーパッド
20 下部インナーパッド
30 シート材
32 FBL
34 ドレスカバー
36 難燃性ウレタン材
100 難燃性ウレタンロール
110 FBLロール
120 難燃性ウレタンFBLロール
130 ドレスカバーロール
200 バーナー
210 プレスローラー
220 基台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2015年3月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性ウレタン材と、難燃性ウレタン材の一方の面を加熱溶融させた溶融層を介して融着されるFBL(Fire Blocking Layer:耐火布)と、難燃性ウレタン材の他方の面を加熱溶融させた溶融層を介して融着されるドレスカバー(表皮材)を備える航空機の内装品用シート材。
【請求項2】
難燃性ウレタン材のFBLに融着される側の前記溶融層の厚さ寸法は1.5mmであり、難燃性ウレタン材のドレスカバーに融着される側の前記溶融層の厚さ寸法は1.5mmであり、残りの難燃性ウレタン材の厚さ寸法は1.5mmである請求項1記載の航空機の内装品用シート材。
【請求項3】
難燃性ウレタン材のロールとFBLのロールを用意する工程と、
難燃性ウレタン材のFBLロールに対向する面を加熱して表面を溶融する工程と、
難燃性ウレタン材の溶融面とFBLロール面の表面を圧着融着して難燃性ウレタンFBLロールを製造する工程と、
融着された難燃性ウレタンFBLロールとドレスカバーロールを用意する工程と、
難燃性ウレタンFBLロールのドレスカバーロールに対向する難燃性ウレタン材を加熱して表面を溶融する工程と、
難燃性ウレタン材の溶融面とドレスカバーの裏面を圧着融着する工程と、
を備える航空機の内装品用シート材の製造方法。
【請求項4】
難燃性ウレタン材の表面を加熱する温度は800℃〜900℃であり、加熱時間は0.5秒〜1.5秒である請求項3記載の航空機の内装品用シートの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
図5図6は、シート材の製造工程を示す。
図5において、難燃性ウレタンロール100と、FBLロール110を用意し、両ロールから引き出した材料のうちの難燃性ウレタンロール100のFBL側の加熱面100aをバーナー200で加熱して難燃性ウレタンの表面を溶融し、FBLとともに押圧ロール210と基台220の間を通過させて両者を融着させて難燃性ウレタンFBLロール120を作製する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
難燃性ウレタン36は初期状態で厚さ寸法Tを有するが、溶融層36aが厚さ寸法TをもつFBLに溶け込み、融着される。溶け込み寸法Taは1.5mm程度である。