特開2015-101433(P2015-101433A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-101433(P2015-101433A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】乗客コンベア装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/00 20060101AFI20150508BHJP
【FI】
   B66B23/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-242524(P2013-242524)
(22)【出願日】2013年11月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000232944
【氏名又は名称】日立水戸エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】内田 太
(72)【発明者】
【氏名】宇津宮 博文
(72)【発明者】
【氏名】山口 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】三村 一美
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA03
3F321AA04
3F321CD20
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、スライド床と建屋床との段差を小さくして、スライド床の床面と建屋床の床面とをほぼ同じ高さにすることのできる乗客コンベア装置を提供することにある。
【解決手段】
建築構造体9に対して非固定状態で載置される載置側終端部1Bを有する本体枠と、載置側終端部9と共に相対変位するスライド床11とを備えた乗客コンベア装置において、本体枠7が圧縮される方向に生じる載置側終端部1Bと建築構造体9との相対変位に応じて、スライド床11の反本体枠側端部を上方に変位させ、スライド床11の反本体枠側端部を乗降口2の建屋側床上に乗り上げ可能にするスライド機構12を設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造体に対して固定される固定側終端部と建築構造体に対して非固定状態で載置される載置側終端部とを有する本体枠と、前記載置側終端部に固定され、前記載置側終端部を前記建築構造体に対して前記本体枠の長手方向に相対変位可能に支持する支持部と、乗降口の床の一部を成すように前記載置側終端部から反本体枠側に向かって延設され、前記建築構造体に対して前記載置側終端部と共に相対変位するスライド床とを備えた乗客コンベア装置において、
前記スライド床は、上下方向における可撓性と、前記スライド床が前記建築構造体に対して相対変位するためのスライド機構とを有し、
前記スライド機構は、反本体枠側に向かって高くなる勾配を有するテーパ部と、前記テーパ部と当接する当接部とを備え、
前記本体枠が圧縮される方向に生じる前記載置側終端部と前記建築構造体との相対変位に応じて、前記テーパ部と前記当接部との間の前記長手方向における相対位置が変化することにより、前記スライド床の反本体枠側端部を上方に変位させ、前記スライド床の反本体枠側端部が前記乗降口の建屋側床上に乗り上げ可能に構成したことを特徴とする乗客コンベア装置。
【請求項2】
前記テーパ部は前記スライド床の下面側に設けられた第1のテーパ部材に形成され、前記当接部は前記支持部と前記乗降口の建屋側床との間に設けられたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア装置。
【請求項3】
前記スライド床の下面側に前記当接部を設け、前記支持部と前記乗降口の建屋側床との間に前記テーパ部を設けた第2のテーパ部材を配置したことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア装置。
【請求項4】
前記当接部を前記スライド床の下面側に設けられた第1のテーパ部材に形成したテーパ部で構成したことを特徴とする請求項3記載の乗客コンベア装置。
【請求項5】
前記テーパ部を前記スライド床の反本体枠側端部に形成される先端テーパ部で構成し、前記当接部を前記先端テーパ部と対向させて前記スライド床の上面よりも低い位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア装置。
【請求項6】
前記当接部を、前記支持部と前記乗降口の建屋側床との間に配置され、前記スライド床を受ける受台に設けたことを特徴とする請求項5記載の乗客コンベア装置。
【請求項7】
前記スライド床の反本体枠側端部に前記当接部を設け、前記テーパ部を前記当接部と対向させて前記スライド床の上面よりも低い位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア装置。
【請求項8】
前記当接部を反本体枠側に向かって本体枠から離れるほど高くなる勾配を有するテーパ部で構成したことを特徴とする請求項7記載の乗客コンベア装置。
【請求項9】
前記当接部と対向する前記テーパ部を、前記支持部と前記乗降口の建屋側床との間に配置され、前記スライド床を受ける受台に設けたことを特徴とする請求項7又は8記載の乗客コンベア装置。
【請求項10】
前記テーパ部は、前記スライド床の下面側に設けた第1のテーパ部材に形成した第1のテーパ部と、前記スライド床の反本体枠側端部に設けた先端テーパ部とで構成され、
前記当接部は、前記支持部と前記乗降口の建屋側床との間に設けられ、前記第1のテーパ部と当接する第1の当接部と、前記支持部と前記乗降口の建屋側床との間に設けられ、前記先端テーパ部と当接する第2の当接部とで構成され、
前記第1の当接部と前記第2の当接部とが反本体枠側に向かって本体枠から離れるほど高くなる勾配を有するテーパ部で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる階床間に設置されるエスカレータや、水平或いは緩やかな傾斜角度を有して設置される動く歩道を含む乗客コンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2001−158585号公報(特許文献1)がある。この公報には、エスカレータを含む乗客コンベア装置にあって、本体枠の上部側の終端部の縁部を建築構造体に対して移動不能に固定する固定側部と、本体枠の下部側の終端部の縁部を建築構造体に載置する載置側部とを備え、建築構造体に対して本体枠の載置側部を位置ずれ可能に支持し、地震動や各種振動により建築構造体内において発生する層間変位に対応可能とした構造が記載されている。具体的には、載置側部に、本体枠の長手方向の移動にのみ追従可能な滑動部が設けられ、滑動部には、終端部より反本体枠側に固定され、乗降口の一部を成す乗降床を備えている。この乗降床、すなわちスライド床は、建屋床の上面に沿って延設された構造となっており、地震動や各種振動により層間変位が発生した場合、本体枠の長手方向の移動に追従し、建屋床上面をスライドするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−158585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された乗客コンベア装置にあっては、スライド床は、建屋床の上面に沿って延設されており、スライド床の下面が建屋床の上面に載置されてスライドする構造であるため、スライド床と建屋床と間には常にスライド床の厚み分だけ段差が生じ、工業製品としての外観的な工夫、すなわち意匠性の観点で課題となっていた。
【0005】
本発明の目的は、スライド床と建屋床との段差を小さくして、スライド床の床面と建屋床の床面とをほぼ同じ高さにすることのできる乗客コンベア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の乗客コンベア装置は、建築構造体に対して非固定状態で載置される載置側終端部を有する本体枠と、載置側終端部と共に相対変位するスライド床とを備えた乗客コンベア装置において、本体枠が圧縮される方向に生じる載置側終端部と建築構造体との相対変位に応じて、スライド床の反本体枠側端部を上方に変位させ、スライド床の反本体枠側端部を乗降口の建屋側床上に乗り上げ可能にするスライド機構を設ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通常時は、スライド床と建屋側床とをほぼ同じ高さにすることができ、これによって、乗客が歩き易く、また意匠性の向上を図ることができる。
【0008】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明が適用される乗客コンベア装置の概略構成図である。
図2】本発明に係る乗客コンベア装置の一実施例を示す側面図である。
図3】本実施例における本体枠の載置側部の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る乗客コンベア装置の実施例を図に基づき説明する。
【0011】
乗客コンベア装置1は、例えばエスカレータであり、図1に示すように、下階床F1(建屋の一部を構成する建屋側床)に連なる一方の乗降口である下部乗降口2から上階床F2(建屋の一部を構成する建屋側床)に連なる他方の乗降口である上部乗降口3にかけて、無端状に連結されて循環移動する踏段4、この踏段4と同期して移動するハンドレール5、及び踏段4の幅方向の両側に立設され、ハンドレール5の走行路を形成する欄干6などの構造部品を備えている。なお、本明細書においては、踏段4の幅方向は、踏段4の移動方向に対して垂直、かつ踏段4の踏み面に平行な方向であり、踏段4の移動方向に沿い、かつ踏段4の踏み面に平行な方向を奥行き方向と定義する。
【0012】
また、欄干6などの構造部品の長手方向、すなわち下部乗降口2から下部曲線路4A、傾斜路4B、上部曲線路4Cを経由して上部乗降口3に至る全長Lの本体枠7を、下部水平部7A、傾斜部7B、及び上部水平部7Cを連結した形で、建築構造体の免震階Yを跨ぐように、下階床F1と上階床F2との間に配置してある。この本体枠7は、例えば鋼材から成るものであり、本体枠7に固定された梁体10aが、上部側の建築構造体8に移動不能に、かつ、離脱不能に強固に一体化されて固定され、これにより固定側部1Aを形成する。尚、建築構造体の免震階Y、上部側の建築構造体8も、建屋の一部を構成する。
【0013】
さらに、本体枠7の下部側の縁部7bは、図2に示すように、耐震策が施された載置側部1Bを形成し、下階床F1からの離脱、あるいは落下が防止されるように構成されている。そして、地震などで大きな層間変位が発生して本体枠7と下階床F1側の建築構造体である受梁9(これも建屋の一部を構成する)との間隔が過大になったり、逆に過小になった場合の対策が図られている。すなわち本体枠7の載置側部1Bである下部側の縁部7bと、下階床F1側の受梁9との間に、滑動部10を備えている。この滑動部10は、L字鋼を有しており、本体枠7の載置側部1Bを受梁9に対して相対変位可能に支持している。滑動部10のL字鋼は、本体枠7の終端部の縁部7bに固定された垂直辺10a1と、垂直辺10a1の上端から水平に延設されて受梁9に重畳される水平辺10a2とを有した梁体10aである。また、滑動部10は、高さ調整のために、梁体10aの水平辺10a2に所定の間隔をおいて幅方向に複数設けられ、その先端が受梁9の上面に固定された平滑板9aに当接する支持体10bを有している。この支持体10bにより、水平辺10a2の下面と平滑板9aの上面との間には、所定の間隙が形成されている。
【0014】
滑動部10の上面側には、本体枠7の端部側から下部乗降口2に向かってスライド床11が延設されている。スライド床11は下部乗降口2の一部を構成し、下部乗降口2は建屋側床(下階床F1)とスライド床11とで構成されている。下部乗降口2の建屋側床とスライド床11とは上面が同じ高さに形成された下部乗降床を構成している。
【0015】
上述したように、本実施例の乗客コンベア装置1では、受梁(建築構造体)9に対して固定される固定側部(固定側終端部)1Aと受梁9に対して非固定状態で載置される載置側部(載置側終端部)1Bとを有する本体枠7と、載置側部1Bに固定され、載置側部1Bを受梁9に対して本体枠7の長手方向に相対変位可能に支持する滑動部(支持部)10と、下部乗降口2の床の一部を成すように載置側部1Bから反本体枠側に向かって延設され、受梁9に対する相対変位に伴って、載置側部1Bと共に相対変位するスライド床11とを備えている。
【0016】
そして、本実施例では、スライド床11と下部乗降口2の建屋側床(下階床F1)とをほぼ同じ高さ(理想的には面一)にするために工夫が施されている。具体的には、スライド床11は、上下方向に可撓性を有する金属製の薄板から成っており、梁体10aの上部に取付けられた枠13に、ボルト11aにより固定されている。
【0017】
また、反本体枠側に向かって本体枠7から離れるに従って高くなる勾配を有するテーパ部が複数設けられ、スライド床11が本体枠7の長手方向にスライドする動作をサポートするためのスライド機構(スライドサポート機構)12が構成されている。スライド機構12に構成されるテーパ部は、スライド床11の下面側に設けられた第1のテーパ部材12a1に形成されたテーパ部12aと、受梁9に取付けられた枠14に設けられ、第1のテーパ部材12a1が摺動可能に載置される第2のテーパ部材12b1に形成されたテーパ部12bと、スライド床11の反本体枠側端部に形成された先端テーパ部12cと、枠14に設けられた受台14aの上面に形成され、先端テーパ部12cが摺動可能に載置される乗り上げテーパ部12dとによって構成されている。
【0018】
本実施例では、第1のテーパ部であるテーパ部12aと、第2のテーパ部であるテーパ部12bと、第3のテーパ部である先端テーパ部12cと、第4のテーパ部である乗り上げテーパ部12dとが構成され、それぞれのテーパ部が、反本体枠側に向かって本体枠7から離れるに従って高くなる勾配を有するテーパ部として形成されている。このとき、第2のテーパ部であるテーパ部12bは、第1のテーパ部であるテーパ部12aと当接する第1の当接部であり、第4のテーパ部である乗り上げテーパ部12dは、第3のテーパ部である先端テーパ部12cと当接する第2の当接部であるとみなすこともできる。また、第1のテーパ部であるテーパ部12aを第2のテーパ部であるテーパ部12bと当接する第3の当接部とみなし、第3のテーパ部である先端テーパ部12cを第4のテーパ部である乗り上げテーパ部12dと当接する第4の当接部とみなすこともできる。
【0019】
枠14及び受台14aは受台14aの上面に乗降床であるスライド床11を載置して、スライド床11を支持している。このために、枠14及び受台14aは本体枠7の載置側部1Bを支持する滑動部(支持部)10と下部乗降口2の建屋側床との間に配置されている。テーパ部12bを形成した第2のテーパ部材12b1を受台14aに設けることにより、滑動部(支持部)10と下部乗降口2の建屋側床との間に配置される部品をまとめることができ、乗客コンベア装置の設置作業を効率良く行うことができる。
【0020】
テーパ部12aは下方を向くテーパ面として構成され、テーパ部12bは上方を向くテーパ面として構成され、テーパ部12aとテーパ部12bとが対向するように配置されている。また、先端テーパ部12cは下方を向くテーパ面として構成され、テーパ部12dは上方を向くテーパ面として構成され、先端テーパ部12cとテーパ部12dとが対向するように配置されている。なお、上述した各テーパ部12a,12b,12c,12dにおけるテーパとは、水平方向或いは水平面に対して傾斜した傾斜面を意味する。
【0021】
本実施例にあっては、地震動や各種振動により層間変位が発生し、本体枠7が圧縮方向に移動した場合、第1のテーパ部材12a1は第2のテーパ部材12b1の勾配を登るようにして摺動すると共に、可撓性のスライド床11は撓りつつ図2中左方向に移動し、先端テーパ部12cは乗り上げテーパ部12dを乗り越え、下部乗降口2の建屋側床に乗り上げる。この後、さらなる層間変位により本体枠7が反圧縮方向に移動した場合、第1のテーパ部材12a1は第2のテーパ部材12b1の勾配を下るようにして摺動すると共に、スライド床11は撓りを戻しつつ図中右方向に移動し、先端テーパ部12cは再び乗り上げテーパ部12dの右側に形成された凹部14b内に載置された状態に復帰する。
【0022】
本実施例によれば、スライド床11を可撓性とすると共に、反本体枠側に向かって高くなる勾配を有するテーパ部を有するスライド機構12を設け、通常時、建屋側床と面一に配置されるスライド床11が、本体枠7の圧縮方向の移動に応じて、建屋側床上に乗り上げ可能とした。これにより、通常時は、スライド床11と建屋側床とを面一にすることができ、乗降床面上から段差をなくして歩き易い歩行路面にすることができる共に、意匠性の向上を図ることができる。
【0023】
本体枠7が圧縮方向に移動する場合、スライド床11は乗り上げテーパ部12dを乗り越え、撓りつつ図2中左方向に移動するため、下部乗降口2の建屋側床と摺動することなく移動する。すなわち、スライド床11は、その下面が下部乗降口2の建屋側床の上面との間に間隙を有する状態で、スライドする。このため、スライド床11がスライドしても、下部乗降口2の建屋側床の床面に摺動痕が生じることがない。
【0024】
なお、本実施例では、スライド機構12のテーパ部を、第1のテーパ部材12a1のテーパ部12a、第2のテーパ部材12b1のテーパ部12b、先端テーパ部12cおよび乗り上げテーパ部12dから構成したが、本発明はこれに限らず、本体枠7の圧縮方向の移動に応じて、スライド床11を建屋側床上に乗り上げ可能とするものであれば良い。
【0025】
例えば、第2のテーパ部材12b1のテーパ部12bと第1のテーパ部材12a1のテーパ部12aとは、いずれか一方をテーパ部とし、他方を曲面、例えば円筒面の一部で構成してもよい。また、先端テーパ部12cと乗り上げテーパ部12dとは、いずれか一方をテーパ部とし、他方を曲面、例えば円筒面の一部で構成してもよい。
【0026】
スライド機構12を、反本体枠側に向かって本体枠7から離れるに従って高くなる勾配を有するテーパ部と、このテーパ部と当接する当接部とで構成すれば良い。そして、本体枠7が圧縮される方向に生じる載置側部(載置側終端部)1Bと受梁(建築構造体)9との相対変位に応じて、前記テーパ部と前記当接部との間の本体枠7の長手方向における相対位置が変化することにより、スライド床11の反本体枠側端部を上方に変位させ、スライド床11の反本体枠側端部を下部乗降口2の建屋側床上に乗り上げ可能とすることができる。
【0027】
このとき、第1のテーパ部材12a1のテーパ部12aは第2のテーパ部材12b1のテーパ部12bによって受梁9に対する相対変位を案内される被案内部であり、第2のテーパ部材12b1のテーパ部12bは第1のテーパ部材12a1のテーパ部12aを案内する案内部である。また、先端テーパ部12cは乗り上げテーパ部12dよって受梁9に対する相対変位を案内される被案内部となり、乗り上げテーパ部12dは先端テーパ部12cを案内する案内部となる。
【0028】
また、本実施例では、乗り上げテーパ部12dの上端部に、下部乗降口2の建屋側床の床面及びスライド床11の床面と同じ高さに構成された平面部が、下部乗降口2の建屋側床の床面及びスライド床11の床面とに挟まれた状態で露出する。この平面部に滑り止め用の凹凸を形成してもよい。
【0029】
また、図3に示すように、テーパ部12a、テーパ部12bは、複数個所に設置してもよい。
【0030】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、上記した実施例の構成に他の成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1…乗客コンベア装置、1A…固定側部、1B…載置側部、7…本体枠、9…受梁(建築構造体)、9a…平滑板、10…滑動部、10a…梁体、10b…支持体、11…スライド床、11a…ボルト、12…スライド機構、12a…テーパ部、12a1…第1のテーパ部材、12b…テーパ部、12b1…第2のテーパ部材、12c…先端テーパ部12c、12d…乗り上げテーパ部、13…枠、14…枠、14a…受台、14b…受台に形成された凹部。
図1
図2
図3