【解決手段】ローラコンベア1は、貨物100が載置される載置面9を有する荷台2に設けられる。ローラコンベア1は、載置面9と平行であり、且つ、回転自在な複数のローラ16と、複数のローラ16を、貨物搬送可能な状態、及び、貨物搬送不能な状態に切り替える電磁弁19と、載置面9の傾斜を検知する傾斜検知センサ23と、を備える。
前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段が、前記複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を実行することを特徴とする請求項2に記載のローラコンベア。
前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段に、前記複数のローラを貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行することを特徴とする請求項2に記載のローラコンベア。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のローラコンベアでは、荷台(載置面)が傾斜している場合に、載置面と平行な複数のローラ上を移動する貨物を貨物搬入側で制動部材により停止しようとしている。このため、荷台が傾斜している場合に、複数のローラから貨物が貨物搬入側へ落下することは防止できるが、荷台内で複数のローラ上を貨物が意図せずに動いてしまうことは防止できない。従って、貨物が複数のローラから落下して、破損する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、貨物が載置される載置面が傾斜している場合に、載置面と平行な複数のローラ上を貨物が意図せずに移動することを防止するための処理を行うことを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明のローラコンベアは、貨物が載置される載置面を有する荷台に設けられるローラコンベアであって、前記載置面と平行であり、且つ、回転自在な複数のローラと、前記複数のローラを、貨物搬送可能な状態、及び、貨物搬送不能な状態に切り替える切替手段と、前記載置面の傾斜を検知する検知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、検知手段は、貨物が載置される載置面の傾斜を検知する。従って、検知手段により検知された検知結果に基づいて、載置面と平行な複数のローラ上を貨物が意図せずに移動することを防止するための処理を行うことができる。例えば、検知手段により検知された検知結果に基づいて、切替手段により、複数のローラを、貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えず、また、貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えることで、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。また、例えば、検知手段により検知された検知結果を作業者に報知することで、作業者は、報知された検知結果に基づいて貨物の搬送作業を行うことができるため、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。
【0008】
第2の発明のローラコンベアは、第1の発明のローラコンベアにおいて、前記検知手段により検知された検知結果に基づいて、前記切替手段を制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
本発明では、制御手段は、検知手段により検知された検知結果に基づいて、切替手段を制御する。従って、例えば、切替手段を、複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えないように制御し、また、貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えるように制御することで、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。
【0010】
第3の発明のローラコンベアは、第2の発明のローラコンベアにおいて、前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段が、前記複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を実行することを特徴とする。
【0011】
本発明では、制御手段は、検知手段により載置面の傾斜が検知された場合に、切替手段が、複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を実行する。従って、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。
【0012】
第4の発明のローラコンベアは、第3の発明のローラコンベアにおいて、前記切替禁止処理を無効とする指示を受け付ける受付手段と、前記制御手段は、前記受付手段により前記指示が受け付けられた場合に、一定時間、前記切替禁止処理を実行しないことを特徴とする。
【0013】
本発明では、制御手段は、受付手段により、切替禁止処理を無効とする指示が受け付けられた場合に、一定時間、切替禁止処理を実行しない。従って、検知手段が故障等により誤って載置面の傾斜を検知した場合であっても、作業者は、切替禁止処理を無効とする指示をすることができるため、複数のローラを貨物搬送可能な状態に切り替えて、貨物の搬送作業を行うことができる。また、制御手段は、一定時間に限って、切替禁止処理を実行しないため、長時間にわたって、作業者が危険な状態で貨物の搬送作業を行うことが防止される。
【0014】
第5の発明のローラコンベアは、第2の発明のローラコンベアにおいて、前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段に、前記複数のローラを貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行することを特徴とする。
【0015】
本発明では、制御手段は、検知手段により載置面の傾斜が検知された場合に、切替手段に、複数のローラを貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行する。従って、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。
【0016】
第6の発明のローラコンベアは、第1〜第5の発明のいずれかのローラコンベアにおいて、前記検知手段は、前記載置面の傾斜角度を検知することを特徴とする。
【0017】
本発明では、検知手段は、載置面の傾斜角度を検知する。従って、検知手段により検知された載置面の傾斜角度(検知結果)に基づいて、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することを防止するための処理を行うことができる。
【0018】
第7の発明のローラコンベアは、第1〜第6の発明のいずれかのローラコンベアにおいて、前記検知手段により検知された検知結果を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
本発明では、報知手段は、検知手段により検知された検知結果を報知する。従って、作業者は、報知された検知結果に基づいて貨物の搬送作業を行うことができるため、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。また、作業者は、報知された検知結果に基づいて、安全に貨物の搬送作業を行うことができる。
【0020】
第8の発明のローラコンベアは、第1〜第5の発明のいずれかのローラコンベアにおいて、前記検知手段は、前記載置面が一定以上傾斜した場合に、前記載置面の傾斜を検知することを特徴とする。
【0021】
本発明では、載置面が一定以上傾斜した場合に、載置面の傾斜を検知する。従って、検知手段を簡単な構成とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、検知手段は、貨物が載置される載置面の傾斜を検知する。従って、検知手段により検知された検知結果に基づいて、載置面と平行な複数のローラ上を貨物が意図せずに移動することを防止するための処理を行うことができる。例えば、検知手段により検知された検知結果に基づいて、切替手段により、複数のローラを、貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えず、また、貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に切り替えることで、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。また、例えば、検知手段により検知された検知結果を作業者に報知することで、作業者は、報知された検知結果に基づいて貨物の搬送作業を行うことができるため、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、バン型トラックの荷台にリフトアップ式のローラコンベアを用いた実施形態である。
図1は、本実施形態に係るローラコンベアを用いたトラックの上面図である。
図2は、トラックの側面図である。以下、図示の方向を、前後方向、左右方向等として説明する。本実施形態では、ローラコンベア1の複数のローラ16が前後方向に並んで配置されており、作業者は、貨物100を複数のローラ16に載せて搬送することにより、貨物100を前後方向(搬送方向)に搬送することが可能である。
【0025】
まず、荷台2の構造について簡単に説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態のローラコンベア1が設けられるトラック3の荷台2は、後方に観音開き状の扉4を有する車輪付きの箱型の構造である。なお、
図1においては、荷台2の内部が示されている。荷台2は、トラック3のフレーム5上に載置されている。
図3は、
図1のIII-III線断面図である。
図3に示すように、トラック3のフレーム5(
図3においては図示外)の上には、横根太6が配置されている。横根太6は、左右方向に延在し、且つ、前後方向に並んで複数配置されている。複数の横根太6の上には、縦根太7及び床板8が配置されている。縦根太7及び床板8は、前後方向に延在し、且つ、左右方向に並んで複数配置されている。後述するローラコンベア本体10は、横根太6の上であって、且つ、隣接する縦根太7及び床板8との間に前後方向に沿って配置される。床板8の上面は、貨物100が載置される載置面9である。
【0026】
次に、ローラコンベア1について説明する。
図1及び
図3に示すように、ローラコンベア1は、貨物100が載置される載置面9を有する荷台2に設けられており、ローラコンベア本体10、配管11、コントロールボックス12、スイッチボックス13等を備えている。ローラコンベア本体10は、貨物100を搬送するものであり、チャンネル14、ローラトレイ15、複数のローラ16、気密性筒状体17から構成されている。ローラコンベア本体10は、荷台2の前後方向(貨物100の搬送方向)に直列に3本接続されている。また、直列に接続された3本のローラコンベア本体10が左右方向(搬送方向に直交する方向)に並んで、平行に4本配列されている。従って、上述のように、作業者は、貨物100を前後方向に搬送できるようになっている。なお、ローラコンベア本体10の数は、上記に限定されるものではない。
【0027】
チャンネル14及びローラトレイ15は、前後方向(貨物100の搬送方向)に延びる断面略凹型の部材である。チャンネル14は、横根太6の上であって、且つ、隣接する2本の縦根太7及び床板8の間に設置されている。ローラトレイ15は、チャンネル14内に収納されており、載置面9に対して昇降自在に設置されている。チャンネル14の底板の上には、全長にわたって気密性筒状体17が配置されており、ローラトレイ15は、気密性筒状体17の上に載置されている。また、チャンネル14の両側板の内面には、ストッパー14a、14bが突設され、ローラトレイ15の両側板15a、15bの外面には、係止部15d、15eが突設されている。係止部15d、15eとストッパー14a、14bとは、気密性筒状体17の膨張時にそれぞれ係合して、ローラトレイ15の上昇を規制する。
【0028】
複数のローラ16は、載置面9と平行であり、且つ、ローラトレイ15に回転自在に軸支されている。具体的には、複数のローラ16は、ローラトレイ15の側板15a、15bの間に、前後方向(貨物100の搬送方向)に等間隔に並んで配置されている。また、各ローラ16は、ローラトレイ15の側板15a、15bを貫通するシャフト18に回転自在に軸支されている。
【0029】
左右に隣接する2列のローラコンベア本体10の気密性筒状体17は、1本の配管11を共有するように、配管11に接続されている。気密性筒状体17は、配管11を介して内部に空気が送入されて膨張するようになっている。配管11は、電磁弁19を内蔵したコントロールボックス12に接続されている。
【0030】
コントロールボックス12は、圧縮空気源20に接続されるとともに、ケーブル21によりスイッチボックス13に接続されている。スイッチボックス13には、複数のローラ16を昇降させるための昇降スイッチ22が設けられている。コントロールボックス12は、昇降スイッチ22の操作によって、コントロールボックス12内の電磁弁19(切替手段)を開閉することにより、配管11に圧縮空気を供給する機能を有している。
【0031】
圧縮空気源20から配管11を介して圧縮空気が気密性筒状体17に供給されると、気密性筒状体17が膨張し、
図3に示す位置から、ローラトレイ15及びローラ16が上昇する。そして、
図4に示すように、チャンネル14に突設されたストッパー14aと、ローラトレイ15に突設された係止部15dと、が係合し、また、チャンネル14に突設されたストッパー14bと、ローラトレイ15に突設された係止部15eと、が係合し、ローラトレイ15及びローラ16の上昇が停止する。このとき、ローラ16は、載置面9よりも上方に位置する。
図4に示すように、載置面9よりも上方のローラ16の位置は、ローラ16により貨物100を搬送可能な搬送位置である。すなわち、搬送位置にあるローラ16は、貨物搬送可能な状態である。また、
図3に示すように、載置面9よりも下方のローラ16の位置は、ローラ16により貨物100を搬送不能な沈降位置である。すなわち、沈降位置にあるローラ16は、貨物搬送不能な状態である。そして、電磁弁19は、開弁することで、圧縮空気源20からの圧縮空気を、配管11を介して気密性筒状体17に送ることにより、気密性筒状体17を膨張させ、複数のローラ16を搬送位置に上昇させる。また、電磁弁19は、閉弁することで、圧縮空気源10からの圧縮空気を遮断することにより、複数のローラ16を沈降位置に下降させる。このように、電磁弁19は、複数のローラ16を、搬送位置(貨物搬送可能な状態)、及び、沈降位置(貨物搬送不能な状態)に切り替えている。そして、コントロールボックス12は、この電磁弁19を制御している。
【0032】
なお、本実施形態では、昇降スイッチ22の操作により、隣接する2列のローラトレイ15ごとに昇降されるようになっている。これに限らず、すべてのローラトレイ15が一斉に昇降するようになっていてもよい。また、スイッチボックス13は、荷台2後方の、内部又は/及び外部の操作可能な位置に設置されている。
【0033】
以上説明したローラコンベア1において、貨物100を荷台2内で搬送(搬入・搬出)する場合、作業者は、昇降スイッチ22を操作し、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させることを指示する。コントロールボックス12は、昇降スイッチ22の操作により指示を受け付けた複数のローラ16を搬送位置とするため、電磁弁19を開弁し、複数のローラ16を沈降位置(
図3参照)から搬送位置(
図4参照)に上昇させる。作業者は、搬送位置の複数のローラ16上で貨物100を移動させることで、貨物100の搬送作業を行うことができる。搬送作業が終了すると、作業者は、昇降スイッチ22を操作し、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させることを指示する。コントロールボックス12は、昇降スイッチ22の操作により指示を受け付けた複数のローラ16を沈降位置とするため、電磁弁19を閉弁し、複数のローラ16を搬送位置(
図4参照)から沈降位置(
図3参照)に下降させる。
【0034】
図5は、傾斜地に停車しているトラック3の側面図である。
図5では、トラック3が後方から前方に向かって傾斜している状態を示している。
図5に示すように、トラック3が傾斜している場合、荷台2の載置面9も傾斜している。このように荷台2の載置面9が傾斜している場合に、載置面9と平行な複数のローラ16が搬送位置にあり、作業者が貨物100の搬送作業をすると、意図せずに、貨物100が複数のローラ16上を後方に移動して貨物100が複数のローラ16上から落下し、貨物が破損する可能性がある。本実施形態では、ローラコンベア1は、荷台2の載置面9が傾斜している場合に、載置面9と平行な複数のローラ16上を貨物100が意図せずに移動することを防止するための処理を行う。
【0035】
複数のローラ16上を貨物100が意図せずに移動することを防止するための処理を行うため、ローラコンベア1は、傾斜検知センサ23(検知手段)、警報装置24、表示装置25(報知手段)、キャンセルスイッチ26(受付手段)をさらに備えている。これらは、ケーブル21により、コントロールボックス12(制御手段)に接続されており、コントロールボックス12は、警報装置24、及び、表示装置25を制御している。
【0036】
傾斜検知センサ23は、荷台2の載置面9の傾斜を検知する。従って、傾斜検知センサ16により検知された検知結果に基づいて、載置面9と平行な複数のローラ16上を貨物100が意図せずに移動することを防止するための処理を行うことができる。
図2に示すように、傾斜検知センサ23は、荷台2外の、トラック3のフレーム5上に設けられている。荷台2は、フレーム5上に設けられているため、トラック3(フレーム5)が傾斜していれば、荷台2も傾斜している。従って、フレーム5に設けられた傾斜検知センサ23は、フレーム5上で傾斜することによって、フレーム5上の荷台2の載置面9の傾斜を検知している。
【0037】
傾斜検知センサ23は、貨物100の搬送方向(前後方向)の載置面9の水平面に対する傾斜角度を検知している。傾斜検知センサ23は、例えば、検知した傾斜角度に応じた信号(電圧)を出力するリニア傾斜センサである。傾斜検知センサ23は、コントロールボックス12とケーブル21で接続されており、傾斜検知センサ23は、ケーブル21を介して、検知結果をコントロールボックス12に出力する。
【0038】
コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により検知された検知結果(傾斜角度)に基づいて、電磁弁19を制御している。具体的には、コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により載置面9の傾斜が検知された場合に、電磁弁19が、複数のローラ16を貨物搬送不能な状態(沈降位置)から貨物搬送可能な状態(搬送位置)に切り替える(上昇させる)ことを禁止する切替禁止処理を実行する。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23から出力された載置面9の搬送方向における水平面に対する傾斜角度が設定値(例えば、5°)以上であった場合に、傾斜検知センサ23により載置面9の傾斜が検知されたと判断し、切替禁止処理を実行する。なお、作業者は、スイッチボックス13を操作することにより、コントロールボックス12が傾斜を検知したと判断する設定値を設定することが可能である。
【0039】
トラック3が傾斜地から傾斜のない平坦な場所に移動する等し、載置面9の搬送方向における水平面に対する傾斜角度が、設定値未満となった場合に、コントロールボックス12は、切替禁止処理を解除する処理を実行する。
【0040】
また、コントロールボックス12は、例えば、重い貨物100の搬送中などに、貨物100により荷台2が傾くことによって、傾斜検知センサ23により載置面9の傾斜が検知された場合に、電磁弁19に、複数のローラ16を貨物搬送可能な状態(搬送位置)から貨物搬送不能な状態(沈降位置)に強制的に切り替えさせる(下降させる)強制切替処理を実行する。すなわち、コントロールボックス12は、電磁弁19を閉弁することにより、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23から出力された載置面9の搬送方向における水平面に対する傾斜角度が設定値以上であった場合に、傾斜検知センサ23により載置面9の傾斜が検知されたと判断し、強制切替処理を実行する。
【0041】
上述のように、傾斜検知センサ23は、検知結果として、傾斜角度に応じた信号を出力する。このため、コントロールボックス12は、載置面9の傾斜角度に基づいて、貨物100が複数のローラ16上を意図せずに移動することを防止するための処理を行うことができる。また、例えば、傾斜検知センサ23がフレーム5に傾斜して取り付けられている場合であっても、コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23の出力値からその傾斜分を差し引いて、傾斜角度を算出することができる。また、コントロールボックス12は、載置面9の傾斜角度が設定値(例えば、5°)以上であった場合に、傾斜検知センサ23により載置面9の傾斜が検知されたと判断することが可能である。このように、傾斜検知センサ23は、傾斜角度を検知するため、汎用性が高い。
【0042】
なお、
図5では、トラック3が後方から前方に向かって傾斜している状態を示し、傾斜検知センサ23は、載置面9の後方から前方への水平面に対する傾斜を検知することを説明したが、載置面9の前方から後方への水平面に対する傾斜を検知することも可能である。そして、コントロールボックス12は、載置面9の前方から後方への水平面に対する傾斜角度が設定値以上である場合は、切替禁止処理、強制切替処理を実行する。
【0043】
警報装置24は、複数のローラ16を貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行することを音により報知する、例えば、ブザーである。コントロールボックス12は、強制切替処理を実行する前に、警報装置24を鳴らして、作業者に強制切替処理を実行することを報知する。
【0044】
表示装置25は、傾斜検知センサ23により検知された検知結果を報知するものである。具体的には、
図6に示すように、表示装置25は、傾斜検知センサ23により検知された搬送面9の水平面に対する傾斜角度(例えば、
図6(a)に示す「0°」、
図6(b)に示す「5°」)を表示することにより、傾斜検知センサ23により検知された検知結果を作業者に報知する。また、表示装置25は、複数のローラ16を貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切替可能かどうか(例えば、
図6(a)に示す「切替OK」、
図6(b)に示す「切替禁止」)を表示することにより、作業者にこの情報を報知する。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23から出力された信号を基に、表示装置25に傾斜角度を表示する制御を行う。
図3及び
図5に示すように、表示装置25は、例えば、トラック3の荷台2内に設けられ、作業者は、これを視認することが可能となっている。作業者は、報知された検知結果に基づいて貨物100の搬送作業を行うことができるため、貨物100が複数のローラ16上を意図せずに移動することが防止される。また、作業者は、報知された検知結果に基づいて、安全に貨物100の搬送作業を行うことができる。
【0045】
キャンセルスイッチ26は、複数のローラ16を貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を無効とする指示を受け付けるためのものである。キャンセルスイッチ26は、スイッチボックス13に設けられている。作業者は、切替禁止処理をコントロールボックス12に実行させたくない場合、キャンセルスイッチ26を操作することにより、設定時間(一定時間、例えば10分間)、切替禁止処理を無効にすることができる。
【0046】
コントロールボックス12は、キャンセルスイッチ26により、切替禁止処理を無効とする指示が受け付けられた場合に、設定時間、切替禁止処理を実行しない。コントロールボックス12は、設定時間内に、昇降スイッチ22の操作により、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる指示を受け付けた場合、電磁弁19により、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる。なお、作業者は、スイッチボックス13を操作することにより、切替禁止処理を無効とする設定時間を設定することが可能である。
【0047】
次に、ローラコンベア1の動作について、
図7及び
図8に示すフローチャートに基づいて説明する。コントロールボックス12は、キャンセルスイッチ26が操作され、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させることを禁止する切替禁止処理を無効とする指示を受け付けたか否かを判断する(S1)。コントロールボックスボックス12は、切替禁止処理を無効とする指示を受け付けていないと判断した場合(S1:No)、昇降スイッチ22が操作され、複数のローラ16を沈降位置(貨物搬送不能な状態)から搬送位置(貨物搬送可能な状態)に上昇させる(切り替える)指示を受け付けたか否かを判断する(S2)。コントロールボックス12は、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる指示を受け付けたと判断するか(S1:Yes)、又は、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる指示を受け付けたと判断するまで(S2:Yes)、S1、S2の処理を繰り返し実行する。コントロールボックス12は、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる指示を受け付けたと判断した場合(S2:Yes)、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が設定値(例えば5°)未満であるか否かを判断する(S3)。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が所定値未満でない、すなわち、所定値以上であると判断した場合(S3:No)、昇降スイッチ22の操作を無視し、電磁弁19が、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させることを禁止する切替禁止処理を実行する(S4)。これにより、載置面9が搬送方向へ水平面に対して傾斜しており、作業者が誤って昇降スイッチ22を操作して、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させることを指示した場合であっても、複数のローラ16は、貨物搬送不能な状態(沈降位置)から貨物搬送可能な状態(搬送位置)に切り替わらない(上昇しない)。このため、貨物100が複数のローラ16上を意図せずに搬送方向へ移動することが防止される。
【0048】
コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が所定値未満であると判断した場合(S3:Yes)、電磁弁19により、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる(S5)。この後、貨物100の搬送中に搬送面9が傾いた場合に強制切替処理を行うため、コントロールボックス12は、再度、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が所定値未満であるか否かを判断する(S6)。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が所定値未満でない、すなわち、所定値以上であると判断した場合(S6:No)、設定時間(例えば1分)を超えて複数のローラ16の傾斜が検知されているか否かを判断する(S7)。コントロールボックス12は、設定時間を超えて傾斜が検知されていないと判断した場合(S7:No)、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が設定値未満であるか否かを判断する(S6)。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により検知された傾斜角度が設定値未満であると判断した場合(S6:Yes)、昇降スイッチ22が操作され、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる指示を受け付けたか否かを判断する(S8)。スイッチボックス12は、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる指示を受け付けたと判断するまで(S8:Yes)、S6の処理と、場合によっては(S6:Noの場合)、S7の処理を繰り返す。
【0049】
コントロールボックス12は、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる指示を受け付けたと判断した場合(S8:Yes)、電磁弁19により、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる(S9)。また、コントロールボックス12は、設定時間を超えて複数のローラ16の傾斜が検知されていると判断した場合(S7:Yes)、強制切替処理を行う前に、警報装置24により警報を鳴らす(S10)。このため、作業者は、警報音により、強制切替処理が実行されることを確認することができる。そして、コントロールボックス12は、電磁弁19により、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に強制的に下降させる強制切替処理を実行する(S9)。これにより、貨物100が複数のローラ16上を意図せずに移動することが防止される。
【0050】
コントロールボックス12は、キャンセルスイッチ26が操作され、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させることを禁止する切替禁止処理を無効とする指示を受け付けたと判断した場合(S1:Yes)、切替禁止処理を無効とする指示を受け付けた時間などの情報を含むキャンセル履歴を作成する(S21)。次に、コントロールボックス12は、昇降スイッチ22が操作され、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる指示を受け付けたか否かを判断する(S22)。コントロールボックス12は、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる指示を受け付けたと判断した場合(S22:Yes)、切替禁止処理を無効とする指示を受け付けてから、設定時間経過しているか否かを判断する(S23)。コントロールボックス12は、切替禁止処理を無効とする指示を受け付けてから、設定時間経過していると判断した場合(S23:Yes)、処理を終了する。
【0051】
コントロールボックス12は、切替禁止処理を無効とする指示を受け付けてから、設定時間経過していないと判断した場合(S23:No)、電磁弁19により、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる(S24)。次に、コントロールボックス12は、昇降スイッチ22が操作され、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる指示を受け付けたか否かを判断する(S25)。コントロールボックス12は、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる指示を受け付けたと判断した場合(S25:Yes)、電磁弁19により、複数のローラ16を搬送位置から沈降位置に下降させる(S26)。このように、コントロールボックス12は、切替禁止処理を無効とする指示を受け付けた場合、設定時間、切替禁止処理を無効とし、設定時間内に、複数のローラ16を沈降位置から沈降位置に上昇させる指示を受け付けると、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させる。従って、作業者は、切替禁止処理が実行されない設定時間内に、昇降スイッチ22の操作により、複数のローラ16を沈降位置から搬送位置に上昇させ、搬送作業を行うことが可能である。これにより、傾斜検知センサ23が故障等により誤って搬送面9の傾斜を検知した場合であっても、作業者は、切替禁止処理を無効とすることを指示し、複数のローラ16を貨物搬送可能な状態(搬送位置)に切り替えて、貨物100の搬送作業を行うことができる。また、コントロールボックス12は、設定時間に限って、切替禁止処理を実行しないため、長時間にわたって、作業者が危険な状態で貨物100の搬送作業を行うことが防止される。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0053】
上述の実施形態においては、傾斜検知センサ23は、載置面9の水平面に対する傾斜角度を検知している。これに限らず、傾斜検知センサは、載置面9が水平面から一定以上傾斜した場合に、載置面9の傾斜を検知するようになっていてもよい。
図9は、変形例に係る傾斜検知センサを用いた構成の断面図である。傾斜検知センサ31は、機械式のいわゆる近接センサである。傾斜検知センサ31は、その一部(先端側)が筐体32に覆われている。筐体32には、傾斜検知センサ31の先端側に、内部空間33が形成されており、内部空間33内にボール34が配置されている。ボール34は、例えば、ステンレスなどの金属により形成されている。また、内部空間33を構成する底面35は、傾斜検知センサ31側に向かって傾斜している。このため、ボール34は、傾斜検知センサ31から離れた位置にある。例えば、載置面9が、後方から前方に向けて傾斜していることを傾斜検出センサ31により検知したい場合は、傾斜検知センサ31の先端が前方へ向くように、傾斜検知センサ31をトラック3のフレーム5等に取り付ける(
図10参照)。また、載置面9が、前方から後方に向けて傾斜していることを傾斜検知センサ31により検知したい場合は、傾斜検知センサ31の先端が後方へ向くように、傾斜検知センサ31をトラック3のフレーム5等に取り付ける(
図11参照)。
【0054】
図10は、後方から前方に傾斜している、載置面9の傾斜が傾斜検知センサ31により検知されることを説明するための図である。
図10(a)は、トラック3が傾斜のない場所に停車している状態を示している。傾斜検知センサ31は、先端が前方へ向くように取り付けられている。この状態では、ボール34は、傾斜検知センサ31から離れた位置にある。
図10(b)は、トラック3が底面35の傾斜と同じ角度の傾斜地に傾斜している状態を示している。この状態では、底面35が水平となり、ボール34が安定していない状態となる。
図10(c)は、トラック3が底面35の傾斜よりも大きい角度の傾斜地に傾斜している状態を示している。この状態では、ボール34が底面35を転がって、傾斜検知センサ31の方へ(前方から後方へ)転がる。このとき、傾斜検知センサ31は、ボール34が近接(接触)すると、一定の信号(電圧)をコントロールボックス12に出力する。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ31が信号を出力した場合に、傾斜検知センサ31により載置面9の傾斜が検知されたと判断する。
【0055】
図11は、前方から後方に傾斜している、載置面9の傾斜が傾斜検知センサ31により検知されることを説明するための図である。
図11(a)は、トラック3が傾斜のない場所に停車している状態を示している。傾斜検知センサ31は、先端が後方へ向くように取り付けられている。この状態では、ボール34は、傾斜検知センサ31から離れた位置にある。
図11(b)は、トラック3が底面35の傾斜と同じ角度の傾斜地に傾斜している状態を示している。この状態では、底面35が水平となり、ボール34が安定していない状態となる。
図11(c)は、トラック3が底面35の傾斜よりも大きい角度の傾斜地に傾斜している状態を示している。この状態では、ボール34が底面35を転がって、傾斜検知センサ31の方へ(後方から前方へ)転がる。このとき、傾斜検知センサ31は、ボール34が近接(接触)すると、一定の信号(電圧)をコントロールボックス12に出力する。コントロールボックス12は、傾斜検知センサ31が信号を出力した場合に、傾斜検知センサ31により載置面9の傾斜が検知されたと判断する。
【0056】
このように、変形例に係る傾斜検知センサ31は、載置面9が水平面に対して一定以上傾斜している(底面35の傾斜角度よりも大きい)場合に、載置面9の傾斜を検知し、検知結果を信号としてコントロールボックス16に出力する。従って、傾斜検知センサ31は、簡単な構成となっている。なお、傾斜を検知する傾斜角度は、底面35の傾斜により、設定可能である。また、変形例に係る傾斜検知センサ31を用いた場合、表示装置25には、載置面9が傾斜しているか否かの情報、及び、複数のローラ16を貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切替可能かどうかの情報が表示される。
【0057】
なお、傾斜検知センサは、近接センサに限らず、傾斜を検知し、一定の信号(電圧)を出力するものであれば、振り子により傾斜を検知する振り子式センサ等、他の機械式センサを用いることもできる。
【0058】
上述の実施形態においては、傾斜検知センサ23は、トラック3のフレーム5上(上側)に取り付けられている。これに限らず、傾斜検知センサ23は、フレーム5の下側への取り付け、載置面9への埋め込み、ローラトレイ15の側板15a、15b、底板15cへの取り付け、荷台2の側壁への取り付けなど、荷台2の載置面9の傾斜が検知可能な箇所に設けることができる。
【0059】
上述の実施形態においては、ローラコンベア1は、リフトアップ式ローラコンベアである。これに限らず、貨物を搬送可能な搬送位置にある複数のローラを回転可能、及び、回転不能に切り替えるブレーキが設けられたブレーキ付のローラコンベアであってもよい。
図12は、変形例に係るローラコンベア本体の断面図である。
図12に示すように、ローラ16は、載置面9よりも上方の搬送位置にあり、上述の実施形態とは異なり、上下方向には動かない。ローラコンベア本体51において、ローラトレイ15とローラ16との間には、気密性筒状体17が設けられている。
図12(a)は、気密性筒状体17が膨張しており、ローラ16に接触している気密性筒状体17により、ローラ16が回転不能な状態となっている。すなわち、ローラ16は、回転不能であり、貨物搬送不能な状態である。
図11(b)は、気密性筒状体17が膨張しておらず、ローラ16に接触していないため、ローラ16が回転可能な状態となっている。すなわち、ローラ16は、回転可能であり、貨物搬送可能な状態である。コントロールボックス12は、電磁弁19を開閉することで、気密性筒状体17の膨張をコントロールして、複数のローラ16を、貨物搬送可能(ローラ回転可能)な状態、及び、貨物搬送不能(ローラ回転不能)な状態に切り替える。
【0060】
また、複数のローラ16が搬送位置で上下方向には固定されており、複数のローラ16をモータ等で回転駆動させるモータを用いたローラコンベアであってもよい。この場合、複数のローラ16がモータにより回転されていない状態が、複数のローラ16の貨物搬送不能な状態である。また、複数のローラ16がモータにより回転されている状態が、複数のローラ16の貨物搬送可能な状態である。
【0061】
上述の実施形態においては、空圧により制御されるエアー式のリフトアップ式ローラコンベアである。これに限らず、油圧式、機械式等のリフトアップ式ローラコンベアであってもよい。
【0062】
上述の実施形態においては、複数のローラ16を貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を無効とする指示を受け付けるためのキャンセルスイッチ26が設けられている。これに限らず、キャンセルスイッチ26は、設けられていなくてもよい。この場合、コントロールボックス12は、設定時間、複数のローラ16を貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を実行しないという動作を行わない。従って、
図7及び
図8に基づいて説明したS1、S21〜26の処理は行われない。
【0063】
上述の実施形態においては、コントロールボックス12は、キャンセルスイッチ26により、切替禁止処理を無効とする指示が受け付けられた場合に、設定時間、切替禁止処理を実行せず、この間、載置面9の傾斜角度が設定値未満であるかの判断を行わない。これに限らず、コントロールボックス12は、載置面9の傾斜角度が設定値未満であるかの判断を行うようになっていてもよい。
【0064】
上述の実施形態においては、コントロールボックス12は、傾斜検知センサ23により載置面9の傾斜が検知された場合に、電磁弁19に、複数のローラ16を貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行するようになっている。これに限らず、強制切替処理を実行しなくてもよい。この場合、
図7に基づいて説明したS6、S7、S10の処理は行われない。例えば、リフトアップ式のローラコンベアの場合、強制切替処理が実行されると、複数のローラ16が搬送位置から沈降位置に下降し、貨物100が複数のローラ16から落下する可能性がある場合は、強制切替処理は実行されなくてもよい。
【0065】
上述の実施形態においては、傾斜検知センサ23により検知された検知結果を表示装置25に表示することにより、作業者に、検知結果を報知するようになっている。これに限らず、音声によって、作業者に、検知結果を報知するようになっていてもよい。また、表示装置25は、トラック3の荷台2内に設けられているが、これに限らず、荷台2外や運転席内に設けられていてもよい。
【0066】
上述の実施形態では、傾斜検知センサ23は、載置面9の貨物100の搬送方向(前後方向)の水平面に対する傾斜を検知しているが、これに限らず、載置面9の貨物100の搬送方向以外の水平面に対する傾斜を検知するようにしてもよい。
【0067】
上述の実施形態は、ローラコンベア1を輸送体であるトラック3の荷台2に用いた実施形態である。これに限らず、ローラコンベア1は、貨物を載置する載置面を有するものに用いる(設ける)ことが可能である。例えば、貨物が内部で搬送される物流センター、工事現場などにも設置することが可能である。
前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段が、前記複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のローラコンベア。
前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段に、前記複数のローラを貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のローラコンベア。
第1の発明のローラコンベアは、貨物が載置される載置面を有する荷台に設けられるローラコンベアであって、前記載置面と平行であり、且つ、回転自在な複数のローラと、前記複数のローラを、貨物搬送可能な状態、及び、貨物搬送不能な状態に切り替える切替手段と、
本発明では、制御手段は、検知手段により検知された検知結果に基づいて、切替手段を制御する。従って、例えば、切替手段を、複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えないように制御し、また、貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えるように制御することで、貨物が複数のローラ上を意図せずに移動することが防止される。
の発明のローラコンベアにおいて、前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段が、前記複数のローラを貨物搬送不能な状態から貨物搬送可能な状態に切り替えることを禁止する切替禁止処理を実行することを特徴とする。
の発明のローラコンベアにおいて、前記切替禁止処理を無効とする指示を受け付ける受付手段と、前記制御手段は、前記受付手段により前記指示が受け付けられた場合に、一定時間、前記切替禁止処理を実行しないことを特徴とする。
の発明のローラコンベアにおいて、前記制御手段は、前記検知手段により前記載置面の傾斜が検知された場合に、前記切替手段に、前記複数のローラを貨物搬送可能な状態から貨物搬送不能な状態に強制的に切り替えさせる強制切替処理を実行することを特徴とする。
の発明のいずれかのローラコンベアにおいて、前記検知手段は、前記載置面が一定以上傾斜した場合に、前記載置面の傾斜を検知することを特徴とする。