【解決手段】 (A)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩、(B)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、(C)液状油、および(D)水が配合されており、(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩の配合量と(B)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量との合計が6質量%以上であり、(C)液状油の配合量が6質量%以上であることを特徴とする整髪剤により、上記課題を解決する。本発明の整髪剤には、(E)グリセリンが更に配合されていることが好ましい。
(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩として、トリポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩が配合されている請求項1〜3のいずれかに記載の整髪剤。
(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩として、トリポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウムが配合されている請求項1〜4のいずれかに記載の整髪剤。
(B)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとして、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが配合されている請求項1〜5のいずれかに記載の整髪剤。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の整髪剤は、(A)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩、(B)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、(C)液状油、および(D)水が配合されている。
【0009】
(A)成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の具体例としては、ジPOE(10)ラウリルエーテルリン酸、ジPOE(8)オレイルエーテルリン酸、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(4)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(6)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(6)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(8)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(10)アルキルエーテルリン酸などのジPOEアルキルエーテルリン酸;トリPOE(4)ラウリルエーテルリン酸、トリPOE(5)セチルエーテルリン酸、トリオレイルリン酸、トリPOE(2)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(6)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(8)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸などのトリPOEアルキルエーテルリン酸;などが挙げられる。なお、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の上記具体例における「POE」は「ポリオキシエチレン」の略であり、その後の括弧内の数値は、オキシエチレンの平均付加モル数である(後記のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの具体例においても、同じである)。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の上記具体例のうち、「アルキル」との記載のあるものについて、そのアルキル部分の炭素数は12〜15であることが好ましい。
【0010】
更に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩の具体例としては、上記例示の各ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸のナトリウム塩などのアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0011】
本発明の整髪剤には、(A)成分として、上記例示のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸のうちの1種または2種以上が配合されていてもよく、上記例示のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩のうちの1種または2種以上が配合されていてもよく、上記例示のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸のうちの1種以上と上記例示のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩のうちの1種以上とが配合されていてもよい。
【0012】
このようなポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩の中でも、トリPOEアルキルエーテルリン酸またはその塩が好ましく、トリPOEセチルエーテルリン酸ナトリウムがより好ましく、トリPOE(5)セチルエーテルリン酸ナトリウムが更に好ましい。
【0013】
(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸POE(6)ソルビットなどのモノ脂肪酸ポリオキシエチレンソルビット;テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトラオレイン酸POEソルビット〔テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットなど〕などのテトラ脂肪酸ポリオキシエチレンソルビット;、ヘキサステアリン酸POE(6)ソルビットなどのヘキサ脂肪酸ポリオキシエチレンソルビット;などが挙げられる。本発明の整髪剤には、上記例示のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルのうちの1種のみを配合してもよく、2種以上を配合してもよい。このようなポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの中でも、テトラオレイン酸POEソルビットが好ましく、テトラオレイン酸POE(30)ソルビットがより好ましい。
【0014】
本発明の整髪剤においては、(A)成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩の配合量と(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量との合計が、6質量%以上であり、9質量%以上であることが好ましい。(A)成分の配合量と(B)成分の配合量との合計を上記の値にすることで、毛髪に濡れたような艶を良好に付与し得る整髪剤とすることができる。また、整髪剤には、後述するように高い粘性を有する形態のものが要求されることがあるが、(A)成分の配合量と(B)成分の配合量との合計を上記の値にすることで、整髪剤の粘性も高めることができる。ただし、整髪剤における(A)成分および(B)成分の配合量が多すぎると、毛髪に塗布する前に、例えば整髪剤を手のひらで伸ばすときの伸び(以下、これを「操作性」という)が悪くなる傾向がある。よって、本発明の整髪剤においては、(A)成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩の配合量と(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量との合計が、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0015】
また、(A)成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩の、整髪剤における配合量は、毛髪に濡れたような艶を付与する機能と高い粘性とをより良好に確保すると共に、整髪剤の安定性を高めて50℃程度の高温下においても配合成分の分離を良好に抑え、更には塗布後の毛髪のべたつきを抑制する観点から、5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、他方、整髪剤の操作性を良好にする観点から、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0016】
更に、(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの、整髪剤における配合量は、毛髪に濡れたような艶を付与する機能をより良好に高める観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、(B)成分は独特の原料臭がすることから、(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの整髪剤における配合量は、ある程度までに抑えることが好ましく、具体的には、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0017】
(C)成分である液状油の具体例としては、動植物油、炭化水素、エーテル、シリコーン、エステル油などが挙げられる。
【0018】
動植物油の具体例としては、オレンジラフィー油などの動物油;ホホバ油、シア脂、ローズヒップ油、ヒマワリ油、綿実油、アルガン油、ツバキ油、サザンカ油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーム油、ヒマシ油、グレープシード油、ヤシ油、杏仁油、硬化油などの植物油;が挙げられる。炭化水素の具体例としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィンなどが挙げられる。
【0019】
エーテルの具体例としては、イソステアリルグリセリルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル、モノオレイルグリセリルエーテルなどが挙げられる。シリコーンの具体例としては、ジメチルシリコーン、ジメチコノール、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、メチルフェニルシリコーンなどが挙げられる。
【0020】
エステル油の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−ジエチルヘキシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリット、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸2−オクチルドデシル、炭酸ジカプリリル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、クエン酸トリ2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジステアリル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル、テトラオレイン酸ペンタエリスリチルなどが挙げられる。
【0021】
本発明の整髪剤において、(C)成分である液状油の配合量は、毛髪に濡れたような艶を付与する機能を確保すると共に、整髪剤中での各成分の分離を抑えて全体の組成を均一に保つ観点から、6質量%以上であり、9質量%以上であることが好ましい。また、整髪剤で整髪した後の毛髪のべたつきを良好に抑制すると共に、グリセリンを配合した場合に確保し得る整髪剤の透明性(後述する)をより高く維持する観点から、整髪剤における(C)成分である液状油の配合量は、60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
【0022】
本発明の整髪剤は、溶媒として(D)水を使用する。(D)成分である水の整髪剤における配合量は、10〜75質量%であることが好ましい。
【0023】
本発明の整髪剤は、商品形態上の要求(商品としての整髪剤を収容する容器の形状などからの要求)などから、必要に応じて高い粘性を有するものとすることができる。具体的には、本発明の整髪剤は、25℃における粘度を、40Pa・s以上、好ましくは400Pa・s以上と、高い粘性のものとすることができる。なお、整髪剤の25℃における粘度は、20000Pa・s以下であることが好ましい。整髪剤の粘度は、上記(A)成分から(D)成分の配合量を調整したり、後述する他の添加成分の種類や配合量を調整することで、調節できる。
【0024】
本明細書でいう整髪剤の粘度は、応力制御型レオメーター〔HAAKE社製「Rheo Stress 6000」(商品名)〕を使用し、測定温度:25℃、コーンプレートセンサーの直径:35mm、コーンプレートセンサーの傾斜角:2°とし、応力依存モードで、応力:0.1Paから1000PaまでのG’を測定し(データ間隔:30ポイント)、応力が2.4000PaのときのG’として求められる値である。
【0025】
本発明の整髪剤には、(E)グリセリンを配合することができる。グリセリンを配合することで、整髪剤の透明性を高めることが可能であり、より透明性が高いことが要求される商品形態に適した整髪剤とすることができる。また、整髪剤に(E)グリセリンを配合することで、整髪剤の固さや粘性(粘度)の調節が容易となる。
【0026】
整髪剤における(E)成分であるグリセリンの配合量は、その使用による効果を良好に確保する観点から、3質量%以上であることが好ましく、整髪剤の粘性をより高める観点からは、5質量%以上であることがより好ましい。また、整髪剤を塗布した毛髪のべたつきを良好に抑制する観点からは、整髪剤における(E)成分であるグリセリンの配合量は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
本発明の整髪剤には、上記の各成分以外にも、通常の整髪剤などの毛髪化粧料に配合されている各種成分を、必要に応じて添加することができる。このような添加成分としては、例えば、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、香料などが挙げられる。
【0028】
防腐剤の具体例としては、ヒノキチオール、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。整髪剤における防腐剤の配合量は、例えば、0.001〜2質量%である。
【0029】
pH調整剤の具体例としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの酸;有機アルカリ(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アルギニンなど)、無機アルカリ〔アルカリ金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、アンモニア、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど〕といったアルカリ;が挙げられる。
【0030】
なお、本発明の整髪剤は、そのpHが3〜8であることが好ましい。よって、上記のpH調整剤は、整髪剤のpHを上記の値にするのに要する量で使用すればよい。
【0031】
キレート剤の具体例としては、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、ジエチレントリアミン五酢酸またはその塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸またはその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはその塩などが挙げられる。整髪剤におけるキレート剤の配合量は、例えば、0.01〜1質量%である。
【0032】
また、本発明の整髪剤には、上記の添加成分以外にも、低級アルコール(エタノール、イソプロパノールなど)、セット樹脂、増粘剤(高重合ポリエチレングリコールなど)、カチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸およびその塩以外のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル以外のノニオン性界面活性剤、常温で固形の油性成分(エステル、植物油、ロウ、シリコーンなど)、紫外線吸収剤、着色剤、粉体などを配合することもできる。
【0033】
本発明の整髪剤の剤型は、ゲル状やクリーム状、乳液状とすることができるが、ゲル状やクリーム状であることが好ましく、半透明のゲル状であることがより好ましい。
【0034】
本発明の整髪剤は、適量を手に取るなどして乾燥した状態の毛髪に塗布した上で髪型を整えるなどの方法で使用することができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下の表1および表2では整髪剤全体で、それぞれ100%となるように各成分の配合量を%で示すが、その%はいずれも質量%であり、また、その%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。また、本実施例において、「%」は、特に断らない限り、質量基準(質量%)である。
【0036】
実施例1〜8および比較例1〜8
表1および表2に示す組成で実施例1〜8および比較例1〜8の整髪剤を調製し、以下の評価を行った。
【0037】
<整髪剤での整髪後の毛髪の濡れたような艶の評価>
1人の被験者の頭髪(乾燥した状態の頭髪)に、整髪剤:1gを手に取って塗布し、整髪した後の毛髪の濡れたような艶について、専門の評価者5名のそれぞれが、比較例1の整髪剤を用いたときと比較し、下記評価基準に従って点数付けした。
【0038】
〔整髪後の毛髪の濡れたような艶の評価基準〕
比較例1の整髪剤を用いたときよりも良い : 2点、
比較例1の整髪剤を用いたときと同等 : 1点、
比較例1の整髪剤を用いたときよりも悪い : 0点。
【0039】
そして、整髪剤ごとに全評価者の点数を合計し、8〜10点のものを「◎」、6〜7点ものを「○」、5点のものを「△」、4点以下のものを「×」に分類した。
【0040】
これらの評価結果、目視観察による整髪剤の外観、および上記の方法で測定した各整髪剤の25℃における粘度を表1および表2に併記する。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1および表2において、水の欄の「計100とする」とは、整髪剤を構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。また、表1および表2における「トリステアリン酸POE(20)ソルビタン」、「POE(10)ベヘニルエーテル」、「POE(20)硬化ヒマシ油」における「POE」およびその後の括弧内の数値は、上記のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の具体例における場合と同じである。更に、表1および表2における「25℃における粘度」の欄での「―」は、粘度測定が不可能であったことを意味している。
【0044】
表1および表2に示す通り、(A)成分から(D)成分までを配合し、かつ(A)成分の配合量と(B)成分の配合量との合計量、および(C)成分の配合量が適正な実施例1〜8の整髪剤によって整髪した毛髪は、(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを配合していない比較例1の整髪剤を用いたときに比べて、濡れたような艶が良好であった。更に、(E)成分であるグリセリンを配合し、かつ(C)成分である液状油の配合量をある程度制限した実施例2、4〜7の整髪剤は、(E)成分を配合していない実施例1、8の整髪剤や、(C)成分の配合量が多い実施例3の整髪剤に比べて、透明性が高かった。なお、実施例8の整髪剤は、1,3−ブチレングリコールの作用によって25℃の粘度が低く、また、50℃程度の高温下では更に粘度が低下した。
【0045】
これに対し、(C)成分の配合量が少なすぎる比較例2の整髪剤、(A)成分であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩の配合量と(B)成分であるポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルの配合量との合計量が少なすぎる比較例3の整髪剤、(C)成分を配合していない比較例4の整髪剤、および(A)成分を配合していない比較例5の整髪剤は、いずれも配合成分の分離が生じたり、液状で粘度測定が不可能な程度に粘性が低かったりした。そして、比較例2〜5の整髪剤は、整髪後の毛髪の濡れたような艶が劣っていた。なお、比較例5の整髪剤を塗布した毛髪には、べたつきが生じ、この比較例5の整髪剤を50℃程度の高温下に放置すると、配合成分の分離が生じた。
【0046】
また、比較例6〜8の整髪剤は、実施例の整髪剤で(B)成分として使用したテトラオレイン酸POE(30)ソルビットと同程度のHLB値を有するノニオン性界面活性剤〔(B)成分以外のノニオン性界面活性剤〕を、(B)成分に代えて配合した例であるが、これらで整髪した毛髪は、濡れたような艶が劣っていた。