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特開2015-101787複合粉末、これを用いた着色ペーストおよびタッチセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-101787(P2015-101787A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】複合粉末、これを用いた着色ペーストおよびタッチセンサ
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/02 20060101AFI20150508BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20150508BHJP
   C08K 9/00 20060101ALI20150508BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20150508BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20150508BHJP
【FI】
   B22F1/02 D
   G06F3/041 495
   C08K9/00
   C08L101/00
   B82Y30/00
   G06F3/041 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】35
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-204322(P2014-204322)
(22)【出願日】2014年10月2日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0144652
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】リ,テ ギョン
(72)【発明者】
【氏名】オ,ボム ソク
(72)【発明者】
【氏名】オ,ドク ソク
【テーマコード(参考)】
4J002
4K018
【Fターム(参考)】
4J002AA001
4J002BB021
4J002BB111
4J002BC021
4J002BD021
4J002BD121
4J002BN151
4J002CC031
4J002CC181
4J002CD001
4J002CF001
4J002CG001
4J002CH071
4J002CK011
4J002CK021
4J002CN031
4J002CP031
4J002DA076
4J002DA089
4J002DA096
4J002DA116
4J002FB076
4J002FD096
4J002GQ00
4J002HA07
4K018BA01
4K018BA02
4K018BA03
4K018BA04
4K018BA08
4K018BA09
4K018BA20
4K018BB03
4K018BB05
4K018BC28
4K018BD04
4K018KA32
(57)【要約】
【課題】可視光の散乱を増加させ、白色度が向上した明るい色を実現することができる複合粉末、これを用いた着色ペーストおよびタッチセンサを提供する。
【解決手段】本発明の複合粉末1は、中心に形成されたコア層105と、コア層105の表面上に形成された第1コーティング層110と、第1コーティング層110の表面上に形成され、第1コーティング層110より高い屈折率を有する第2コーティング層120と、を含むものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に形成されたコア層と、
前記コア層の表面上に形成された第1コーティング層と、
前記第1コーティング層の表面上に形成され、前記第1コーティング層より高い屈折率を有する第2コーティング層と、を含む、複合粉末。
【請求項2】
前記コア層、前記第1コーティング層および前記第2コーティング層の直径が300〜500nmである、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項3】
前記第1コーティング層の厚さが、前記第2コーティング層の厚さに対して10〜40%の厚さを有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項4】
前記コア層の直径が50〜100nmである、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項5】
前記コア層の反射率が60〜99%の範囲を有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項6】
前記コア層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項7】
前記第1コーティング層が、前記コア層の表面上に20〜100nmの範囲の厚さに形成される、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項8】
前記第1コーティング層の可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項9】
前記第1コーティング層の屈折率が1.2〜2の範囲を有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項10】
前記第1コーティング層が、SiO、SiNx、シラン(silan)系化合物およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項11】
前記第1コーティング層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの酸化物からなる、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項12】
前記第2コーティング層が、前記第1コーティング層の表面上に150〜300nmの範囲の厚さに形成される、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項13】
前記第2コーティング層の可視光領域における反射率が50〜95%の範囲を有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項14】
前記第2コーティング層の可視光領域における反射率が75〜90%の範囲を有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項15】
前記第2コーティング層の屈折率が2〜3の範囲を有する、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項16】
前記第2コーティング層が、二酸化チタン(TiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(セリア;Ce)、酸化インジウム(In)、酸化インジウムスズ(ITO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸カリウム(KTaO)、(Ba、Sr)TiOおよびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項1に記載の複合粉末。
【請求項17】
樹脂組成物と、
前記樹脂組成物に分散される請求項1に記載の複合粉末と、を含む、着色ペースト。
【請求項18】
前記樹脂組成物は、バインダー(binder)と、溶媒(solvent)と、添加剤と、を含む、請求項17に記載の着色ペースト。
【請求項19】
ウィンドウ基板と、
前記ウィンドウ基板の周縁部に形成され、請求項1に記載の複合粉末を含有するベゼル層と、を含む、タッチセンサ。
【請求項20】
前記ベゼル層上に形成される反射層と、
前記ベゼル層と反射層との間に介在される介在層と、をさらに含み、
前記介在層が、前記ベゼル層の屈折率より低い屈折率を有する材質からなる、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項21】
前記ベゼル層、前記反射層および前記介在層の積層厚さが2〜50μmである、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項22】
前記ベゼル層の厚さが1〜20μmである、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項23】
前記ベゼル層の可視光領域における反射率が50〜95%の範囲を有する、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項24】
前記ベゼル層の可視光領域における反射率が75〜90%の範囲を有する、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項25】
前記ベゼル層の屈折率が2〜3の範囲を有する、請求項19に記載のタッチセンサ。
【請求項26】
前記介在層が、前記ベゼル層の厚さに対して10〜40%の範囲の厚さを有する、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項27】
前記介在層が1〜8μmの範囲の厚さを有する、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項28】
前記介在層が、透明アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項29】
前記シリコーン系樹脂、SiO、SiNx、シラン(silan)系化合物およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項28に記載のタッチセンサ。
【請求項30】
前記介在層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの酸化物からなる、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項31】
前記介在層の可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有する、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項32】
前記介在層の屈折率が1.2〜2の範囲を有する、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項33】
前記反射層の厚さが1〜20μmである、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項34】
前記反射層の反射率が60〜99%の範囲を有する、請求項20に記載のタッチセンサ。
【請求項35】
前記反射層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる、請求項20に記載のタッチセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合粉末、これを用いた着色ペーストおよびタッチセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を用いて、テキストおよびグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボードおよびマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置として、タッチセンサ(touch sensor)が開発された。
【0005】
このようなタッチセンサは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するために利用される機器である。
【0006】
また、タッチセンサの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁方式(Electro−Magnetic Type)、表面弾性波方式(SAW Type;Surface Acoustic Wave Type)および赤外線方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような様々な方式のタッチセンサは、信号増幅の問題、解像度の差、設計および加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性および経済性を考慮して電子製品に採用されるが、現在、最も幅広い分野で用いられている方式は、抵抗膜方式タッチセンサおよび静電容量方式タッチセンサである。
【0008】
このようなタッチセンサは、例えば、透明基板と検知部が接着剤を介して接合された構造からなってもよく、特許文献1のように透明基板の周縁に沿って形成されたベゼル部が検知部のバスライン(Bus Line)を隠すように形成されてもよい。
【0009】
最近、IT機器において、外観デザインの重要性が益々高まっており、ディスプレイ画面も大型化している。機器の外観の大きさが増加することなくディスプレイ画面を拡大し、実物に近い色であるフルカラー(Full color)を実現するために、ベゼル部の面積または厚さをより減少させるための努力がなされている。
【0010】
しかし、このようなベゼル部の面積や厚さは、実現しようとするベゼル部の色に応じて異なることがあり、特に、白色(white)のように光の透過性の高い明るいトーンの色の場合には、光の透過を最小化するためにベゼル部の厚さが必然的に厚くなるという問題点があるため、小型化および薄型化しつつあるIT機器の傾向に逆らう問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第2013−0017898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の一つの目的は、反射材料からなるコア層と、第2コーティング層と、前記コア層と第2コーティング層との間に形成され、第2コーティング層と異なる屈折率を有する第1コーティング層と、を含むことにより、白色度を効果的に向上させることができる複合粉末を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、前記複合粉末を用いてウィンドウ基板上にベゼル層を形成し、ベゼル層上に反射層を形成し、ベゼル層と反射層との間に介在層を形成して、薄型でもベゼル層の明るい色を効果的に実現することができ、白色度を向上させることができるタッチセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一つの目的を達成するための複合粉末(以下、「第1発明」とする)は、中心に形成されたコア層と、前記コア層の表面上に形成された第1コーティング層と、前記第1コーティング層の表面上に形成され、前記第1コーティング層より高い屈折率を有する第2コーティング層と、を含む。
【0015】
第1発明において、前記コア層、前記第1コーティング層および前記第2コーティング層の直径が300〜500nmである。
【0016】
第1発明において、前記第1コーティング層の厚さが、前記第2コーティング層の厚さに対して10〜40%の厚さを有する。
【0017】
第1発明において、前記コア層の直径が50〜100nmである。
【0018】
第1発明において、前記コア層の反射率が60〜99%の範囲を有する。
【0019】
第1発明において、前記コア層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0020】
第1発明において、前記第1コーティング層が、前記コア層の表面上に20〜100nmの範囲の厚さに形成される。
【0021】
第1発明において、前記第1コーティング層の可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有する。
【0022】
第1発明において、前記第1コーティング層の屈折率が1.2〜2の範囲を有する。
【0023】
第1発明において、前記第1コーティング層が、SiO、SiNx、シラン(silan)系化合物およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0024】
第1発明において、前記第1コーティング層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの酸化物からなる。
【0025】
第1発明において、前記第2コーティング層が、前記第1コーティング層の表面上に150〜300nmの範囲の厚さに形成される。
【0026】
第1発明において、前記第2コーティング層の可視光領域における反射率が50〜95%の範囲を有する。
【0027】
第1発明において、前記第2コーティング層の可視光領域における反射率が75〜90%の範囲を有する。
【0028】
第1発明において、前記第2コーティング層の屈折率が2〜3の範囲を有する。
【0029】
第1発明において、前記第2コーティング層が、二酸化チタン(TiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(セリア;Ce)、酸化インジウム(In)、酸化インジウムスズ(ITO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸カリウム(KTaO)、(Ba、Sr)TiOおよびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0030】
本発明の他の目的を達成するための着色ペースト(以下、「第2発明」とする)は、樹脂組成物と、前記樹脂組成物に分散される第1発明に記載の複合粉末と、を含む。
【0031】
第2発明において、前記複合粉末は、全体重量部に対して0.1〜90.0重量部の範囲で前記樹脂組成物に分散される。
【0032】
第2発明において、前記樹脂組成物は、バインダー(binder)と、溶媒(solvent)と、添加剤と、を含む。
【0033】
第2発明において、前記バインダーは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、テフロン(teflon)樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ABS樹脂およびポリアクリル樹脂から選択されるいずれか一つである。
【0034】
第2発明において、前記溶媒は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(Diethylene Glycol Monobutyl Ether:DGME)、ポリビニルブチラール(Polyvinylbutyral:PVB)、テルピネオール(terpineol)から選択されるいずれか一つである。
【0035】
本発明のまた他の目的を達成するためのタッチセンサ(以下、「第3発明」とする)は、ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の周縁部に形成され、第1発明に記載の複合粉末を含有するベゼル層と、を含む。
【0036】
第3発明において、前記ベゼル層上に形成される反射層と、前記ベゼル層と反射層との間に介在される介在層と、をさらに含み、前記介在層が、前記ベゼル層の屈折率より低い屈折率を有する材質からなる。
【0037】
第3発明において、前記ベゼル層、前記反射層および前記介在層の積層厚さが2〜50μmである。
【0038】
第3発明において、前記ベゼル層の厚さが1〜20μmである。
【0039】
第3発明において、前記ベゼル層の可視光領域における反射率が50〜95%の範囲を有する。
【0040】
第3発明において、前記ベゼル層の可視光領域における反射率が75〜90%の範囲を有する。
【0041】
第3発明において、前記ベゼル層の屈折率が2〜3の範囲を有する。
【0042】
第3発明において、前記介在層が、前記ベゼル層の厚さに対して10〜40%の範囲の厚さを有する。
【0043】
第3発明において、前記介在層が1〜8μmの範囲の厚さを有する。
【0044】
第3発明において、前記介在層が、透明アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0045】
第3発明において、前記介在層が、SiO、SiNx、シラン(silan)系化合物およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【0046】
第3発明において、前記介在層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの酸化物からなる。
【0047】
第3発明において、前記介在層の可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有する。
【0048】
第3発明において、前記介在層の屈折率が1.2〜2の範囲を有する。
【0049】
第3発明において、前記反射層の厚さが1〜20μmである。
【0050】
第3発明において、前記反射層の反射率が60〜99%の範囲を有する。
【0051】
第3発明において、前記反射層が、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、複合粉末の中心に形成された反射材料からなるコア層と、高屈折率層である第2コーティング層との間に、低屈折率層である第1コーティング層を介在することで、前記複合粉末は、可視光の散乱を増加させ、前記コア層の反射効果により、白色度が向上した明るい色を実現することができる。
【0053】
また、前記複合粉末を用いて、薄膜では実現が困難な白色度をより効果的に向上させることができる。
【0054】
また、前記複合粉末を用いて、タッチセンサにおけるベゼル層と反射層をともに積層して形成することで、より薄膜状のベゼル層でも色を効果的に実現することができる。
【0055】
また、ベゼル層に適用される介在層とこれに結合される反射層との結合構造とともに、それぞれ結合される介在層と反射層との結合厚さを調節することで、ベゼル層の色をより多様且つ鮮やかに実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明の例示的な具体例による複合粉末の断面図である。
図2】本発明の例示的な具体例による複合粉末の一部を拡大した図である。
図3】本発明の例示的な具体例による複合粉末の製造方法を示す図である。
図4】本発明の例示的な具体例による複合粉末を含む着色ペーストを示す図である。
図5】本発明の例示的な具体例による複合粉末を含む着色ペーストを用いたタッチセンサを示す図である。
図6】本発明の例示的なサンプルによる白色度を測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0058】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0059】
図1は、本発明の例示的な具体例による複合粉末の断面図であり、図2は、本発明の例示的な具体例による複合粉末の一部を拡大した図である。
【0060】
図1および図2を参照すると、本発明の例示的な具体例による複合粉末1は、中心に配置されたコア層105と、前記コア層105の表面に形成された第1コーティング層110と、前記第1コーティング層110の表面上に形成された第2コーティング層120と、を含む。
【0061】
ここで、前記コア層105は反射材料からなり、前記第2コーティング層120の屈折率が前記第1コーティング層110の屈折率より高い。
【0062】
前記複合粉末1は、直径eが300〜500nmの範囲の球形状の粒子に形成されることができる。以下、前記複合粉末1は、例として理想的な球形に説明するが、必ずしも球形に限定されない。
【0063】
前記コア層105は、反射材料を用いることができる。前記コア層105は、反射率が60〜99%の範囲である反射材料を用いることができる。例えば、前記コア層105は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなることができる。
【0064】
また、コア層105の直径cは、50〜100nmの範囲を有することができる。すなわち、コア層の半径(c/2)は、25〜50nmの範囲を有することができる。ここで、コア層105の直径が50nm以下の場合には、コア層105の粉末形成が困難となる可能性があり、直径が100nm以上の場合には、コア層105を含む複合粉末1が固有の色で所望の白色粉末を形成することが困難となる可能性がある。
【0065】
前記第1コーティング層110は、前記コア層105の表面上に20〜100nmの範囲の厚さで形成することができる。第1コーティング層110は、前記第2コーティング層120より屈折率が低い低屈折率(Low refractive index)の材料からなってもよい。
【0066】
ここで、第1コーティング層110の屈折率は、1.2〜2の範囲を有することができ、第1コーティング層110の可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有することができる。例えば、第1コーティング層110は、SiO、SiNx、シラン(silan)系化合物およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなることができ、前記シラン系化合物などは、屈折率が1.2〜1.6の範囲を有し、可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有する透明な材料である。
【0067】
また、第1コーティング層110は、前記コア層105の表面に表面処理を施して、酸化皮膜を形成することができる。ここで、第1コーティング層110である酸化皮膜の屈折率は、1.5〜1.9の範囲であってもよい。第1コーティング層110は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの酸化物からなってもよい。この際、酸化時間および酸化条件を調節して前記酸化皮膜の厚さを調節することができる。
【0068】
例えば、第1コーティング層110は、前記コア層105のアルミニウム(Al)粉末を水に入れて沸点近くに加熱してアルミニウム粉末の表面を酸化させる方法で形成することができる。この際、反応式は、2Al+3HO=Al+3Hである。
【0069】
あるいは、他の方法として、第1コーティング層110は、前記コア層105のアルミニウム(Al)粉末を酸素雰囲気下で温度を上げてアルミニウム粉末の表面を酸化させる方法で形成することができる。この際、反応式は、2Al+3O=Alである。
【0070】
この際、酸化皮膜に形成される第1コーティング層110の屈折率は、1.6〜1.8であってもよい。
【0071】
前記第2コーティング層120は、前記第1コーティング層110の表面上に形成することができる。第2コーティング層120は、第1コーティング層110に比べて高屈折率層に形成することができる。
【0072】
第2コーティング層120は、屈折率が2〜3の範囲である材料を用いることができ、可視光領域における反射率が50〜95%の範囲、具体的に、反射率は75〜90%の範囲に形成された材料を用いることができる。例えば、前記第2コーティング層120は、二酸化チタン(TiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(セリア;Ce)、酸化インジウム(In)、酸化インジウムスズ(ITO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、タンタル酸カリウム(KTaO)、(Ba、Sr)TiOおよびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなることができる。
【0073】
また、第2コーティング層120の厚さaは、150〜300nmの範囲を有することができる。第2コーティング層120の厚さが150nm以下の場合、白色度(whiteness)が低下する恐れがあり、300nm以上の場合、最終的に3層構造の粉末の形成が容易でなく、可視光線領域(visible light)において固有の白色度(whiteness)が低下することがある。
【0074】
したがって、第1コーティング層110の厚さは、第2コーティング層120の厚さに対して10〜40%の範囲を有することができる。すなわち、前記厚さの割合は、換算すれば、低屈折率層である第1コーティング層110が20〜100nmの範囲を有することができる。
【0075】
ここで、前記第1コーティング層110の厚さbが20nm以下の場合には、高屈折率(high refractive index)層aの第2コーティング層120との散乱(scattering)効果が低下する恐れがあり、100nm以上の場合には、低屈折率(refractive index)層bが拡大されて白色度(whiteness)が低下し、明るい色の実現が困難になりうる。
【0076】
このように形成された第1、2コーティング層110、120およびコア層105からなる複合粉末1は、下記式による屈折率差により鮮やかな白色度を実現することができる。
【0077】
n=c/υ
【0078】
ここで、nは屈折率(Refractive Index)を示し、cは空気中の光の速度を示し、υは媒質中の光の速度を示す。
【0079】
例えば、第2コーティング層120に用いられた酸化チタン(TiO)は酸化物であり、且つ屈折率が2.5〜2.9程度であり、第1コーティング層110に用いられる酸化シリコーン(SiO)はその屈折率が1.4程度である。すなわち、低屈折率層である第1コーティング層110と、高屈折率層である第2コーティング層120は、屈折率差が生じて光の散乱を発生させることがある。
【0080】
ここで、屈折率の物理的な意味は、入射された光の相対速度を示し、屈折率が高いということはその媒質における光の速度が低下することを意味することができる。したがって、屈折率が高いほどその媒質に光が滞留する時間が長くなり、反射(reflection)や散乱(scattering)が増加する。
【0081】
詳細に説明すると、高屈折率層である第2コーティング層120に滞留しながら散乱した光は、低屈折率層である第1コーティング層110に接すると、一部の光が第1コーティング層110と第2コーティング層120との界面で反射されて第2コーティング層120に入射させることができる。
【0082】
他の一部の光は、高屈折率から低屈折率に媒質が変更されて光の速度が急激に増加し、第1コーティング層110の内部に屈折させることができる。前記屈折させた光は、第1コーティング層110の低屈折率によって散乱または反射されず、コア層105に接する。ここで、コア層105は、反射材料からなるため、コア層105に達した光は、また反射されて第1コーティング層110を経て高屈折率層である第2コーティング層120に入射させることができる。
【0083】
これにより、第2コーティング層120から出た光が低屈折率層である第1コーティング層110を経てコア層105に達することができる。前記コア層105に達した光を反射させて、また第2コーティング層120に入射されることで、第2コーティング層120で散乱させる光をさらに増加させることができる。これにより、第2コーティング層120から出た光がコア層105でまた反射されて第2コーティング層120の内部に入射させることで散乱される光が増加し、これにより、本発明に係る複合粉末1は、白色度が向上した明るい色を実現することができる。
【0084】
このように、複合粉末1の中心に形成された反射材料からなるコア層105と、高屈折率層である第2コーティング層120との間に低屈折率層である第1コーティング層110を介在することで、前記複合粉末1は、可視光の散乱を増加させ、前記コア層105の反射効果により、白色度が向上した明るい色を実現することができる。
【0085】
図3は、本発明の例示的な具体例による複合粉末の製造方法を示す図である。ここで、複合粉末に関する重複説明を避けるために、図1および図2を引用して説明する。
【0086】
図3を参照すると、本発明の例示的な具体例による複合粉末1の製造方法において、コア層105として用いることができるコア粉末を形成する(S305)。
【0087】
前記コア粉末は、反射性を有する物質であって、反射率が60〜99%未満の材料を選択することができる。例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つでコア粉末を形成することができる。ここで、前記コア粉末は、例えば、アルミニウムを用いるものを実施例として説明する。前記アルミニウム粉末からなる前記コア粉末のサイズは50〜100nmであり、球形の粉末に形成することができる。
【0088】
前記コア層105の表面に第1コーティング層110を形成するため、第1コーティング液を形成する(S310)。まず、コア粉末を分散するための水溶液を用意し、コア粉末であるアルミニウム粉末を水溶液に分散してスラリー(slurry)を形成する。この際、前記スラリーに、コア粉末を1〜5重量部、分散することができる。
【0089】
また、前記アルミニウム粉末が分散した前記スラリーに、15〜25重量部のテトラエトキシシラン−エタノール溶液(TEOS(TetraEthOxySilane)etanol solution)を添加して第1コーティング液を形成する。この際、前記第1コーティング液のpHは10〜12であり、第1コーティング液は50〜75℃の温度で攪拌することができる。
【0090】
ここで、前記第1コーティング液は、加水分解により酸化ケイ素(SiO)の第1コーティング層110を形成することができる。この際、酸化ケイ素からなる第1コーティング層110は、1.2〜1.6の屈折率を有することができる。
【0091】
一方、前記第1コーティング層110は、前記コア層105の表面に酸化皮膜として形成されてもよい。実施例のように、コア層105を形成しているアルミニウム粉末の表面を酸化させて酸化皮膜に形成された第1コーティング層110を形成することができる。この際、前記酸化皮膜は、例えば、酸化アルミニウム(Al)の屈折率が1.5〜1.9の範囲を有することができる。
【0092】
前記コア層105の表面上に第1コーティング層110が形成された粉末の表面に第2コーティング層120を形成するために第2コーティング液を形成する(S320)。詳細に説明すると、前記第2コーティング液は、無機酸塩の水溶液を形成することができる。
【0093】
前記第2コーティング層120は、例えば、チタンの無機酸塩(例えば、硫酸チタニル)の水溶液を用意し、前記チタンの無機酸塩水溶液中で第1コーティング層110の核粒子の表面に含水二酸化チタンを析出させることができる。次に、前記含水二酸化チタンを大気中で加熱する方法で第2コーティング層120を形成することができる。
【0094】
あるいは、第2コーティング層120は、チタンの無機酸塩溶媒中でチタンアルコキシドと第1コーティング層110の核粒子を接触させてチタンアルコキシドを加水分解して焼成する方法で形成してもよい。
【0095】
一方、第2コーティング層120を形成する際、低価の酸化チタンを被覆成分として選択する場合には、例えば、前記のように製造した二酸化チタンで被覆された粉末を500〜1000℃、または700〜900℃で還元力を有する気体を用いて還元炎で加熱還元させる方法で形成することができる。
【0096】
この際、還元力を有する気体は、水素気体とアンモニア気体などを用いることができ、前記還元力を有する気体に加えてヘリウム気体、アルゴン気体、窒素気体などの不活性気体との混合気体を用いることができる。
【0097】
このように、中心に形成された反射材料からなるコア層105と、高屈折率層である第2コーティング層120との間に低屈折率層である第1コーティング層110が介在されるように製造された複合粉末1を介して前記複合粉末1に光が透過される場合、複合粉末1は、コア層105の反射効果と屈折率(refractive index)差により散乱(scattering)される光の発生を増加させて白色度(whiteness)が向上した明るい色を実現することができる。
【0098】
図4は、本発明の例示的な具体例による複合粉末を含む着色ペーストを示す図である。ここで、複合粉末1に関する重複説明を避けるために、図1から図3を引用して説明する。
【0099】
図4を参照すると、本発明の例示的な具体例による着色ペースト4は、樹脂組成物400と、前記樹脂組成物400に分散した複合粉末1と、を含む。前記複合粉末1の成形性などを容易にするために樹脂組成物400に複合粉末1を混合してペースト(paste)状の着色ペースト4を形成することができる。
【0100】
複合粉末1は、図1から図3に示されたように、コア層105と、第1コーティング層110と、第2コーティング層120と、からなる。前記複合粉末は、複数の層からなり、屈折率差によって光の散乱を増加させることができ、前記コア層105が反射効果を増加させて白色度を向上させることができる。
【0101】
前記複合粉末1は、樹脂組成物400に分散することができ、樹脂組成物400上における複合粉末1の配合量は特に限定されないが、着色ペースト4の100重量部に対して複合粉末1は0.1〜90.0重量部の範囲に配合することができる。
【0102】
前記樹脂組成物400は、バインダー(binder)、溶媒(solvent)、添加剤などを組み合わせて用いることができる。この際、前記バインダー、前記溶媒、添加剤の含量は、場合に応じて、複合粉末1の含量を調節して粘度などを調節することができ、特に含量は限定されない。
【0103】
前記バインダーは、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、テフロン(teflon)樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ABS樹脂およびポリアクリル樹脂から選択されるいずれか一つを用いることができる。
【0104】
前記溶媒は、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(Diethylene Glycol Monobutyl Ether:DGME)、ポリビニルブチラール(Polyvinylbutyral:PVB)、テルピネオール(terpineol)から選択されるいずれか一つを用いることができる。
【0105】
前記添加剤は、界面活性剤(surfactant)、分散剤、紫外線吸収剤、耐候剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤およびその他の製剤などを含むことができる。ここで、前記界面活性剤は、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(Diethylene Glycol Monobutyl Ether Acetate:DGMEA)などを用いることができる。この際、前記複合粉末は、ナノサイズの粉末状であるため、その表面エネルギーが高い状態であり、凝集現象が発生することがある。かかる凝集問題を解決するために、分散剤を用いて複合高分子を均一に分布させることできる。
【0106】
このように、前記複合粉末1を含む着色ペースト4により形成される製品、例えば、化粧品、塗料、光沢剤、印刷インク組成物などは、前記複合粉末1のコア層105が反射効果を増加させて可視光の散乱を増加させることで白色度が向上した明るい色を実現することができる。
【0107】
図5は、本発明の例示的な具体例による複合粉末を含む着色ペーストを用いたタッチセンサを示す図である。ここで、複合粉末1および着色ペースト4に関する重複説明を避けるために、図1から図4を引用して説明する。
【0108】
前記複合粉末1を含む着色ペースト4は、化粧品、塗料、印刷インク組成物など、多様な分野に使用可能であり、このうち例示的な具体例として、タッチセンサを例に挙げて説明する。
【0109】
図5を参照すると、本発明の例示的な具体例としてタッチセンサ5は、ウィンドウ基板550と、前記ウィンドウ基板550の周縁部に形成され、図1および図2に示された複合粉末1を含むベゼル層520と、前記ベゼル層520上に形成される反射層505と、前記ベゼル層520と反射層505との間に介在される介在層510と、を含む。
【0110】
ここで、前記介在層510は、その屈折率が前記ベゼル層520の屈折率より低い材質からなることができる。
【0111】
ウィンドウ基板550は、タッチセンサ5の最外側に形成されてタッチセンサ5を外部環境から保護する機能を同時に行うことができる。ユーザの視認性のために透明な材質からなることができ、例えば、ガラスや強化ガラスのように、所定強度以上を有する材質としてタッチセンサ5を保護できる強度を有する材質であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルムなどからなってもよい。
【0112】
タッチセンサ5は、画面を表示し、タッチを認識する表示領域(Active area:A)と、前記表示領域(A)の周縁部に形成された非表示領域(以下、ベゼル領域(Bezel area);B)と、を含み、前記ベゼル領域(B)は電極配線などを隠すために形成させることができる。
【0113】
本発明の例示的な応用例は、ウィンドウ基板550に形成されるベゼル層520とともに、電極パターン(図示せず)がウィンドウ基板550に直接形成されることで、タッチセンサ5の薄型化および小型化を図ることだけでなく、タッチ感度を向上させることができる。ただし、ウィンドウ基板550上に直接電極パターンが形成される構造以外にも、別のベース基板上に電極パターンが形成され、ウィンドウ基板550と結合される多様なタッチセンサの構造が選択および適用されることができることは当業者にとって自明である。
【0114】
前記ベゼル領域(B)には、タッチセンサ5が含まれた多様なデバイスで鮮やかな色を実現することで、タッチセンサ5の視認性およびその外観上の特性を向上させるためにベゼル層520を形成することができる。前記ベゼル層520は、複数の層からなることができる。
【0115】
前記ベゼル層520は、図1から図4について説明したように、複合粉末1を含む着色ペースト4を用いて形成することができる。前記着色ペースト4は、ペースト状であるためウィンドウ基板550上に塗布した後、スキージーなどで押圧してベゼル領域(B)にスクリーンプリンティングを施し、ベゼル層520を形成することができる。
【0116】
あるいは、前記複合粉末1を焼結し、複合粉末1からなる焼結体をターゲットに形成することができる。前記ターゲットをスパッタに提供してスパッタリング法でベゼル層520を形成することができる。
【0117】
ベゼル層520は、1〜20μmの範囲の厚さに形成することができる。また、前記ベゼル層520は、反射率が50〜95%の範囲の材料からなってもよく、また、75〜85%の範囲の材料からなってもよい。
【0118】
また、前記複合粉末1を用いた前記ベゼル層520は、単一層でも80〜85の白色度を示すことができる。ここで、図1から図4と同様に、複合粉末1を用いたベゼル層520は、2〜3の範囲の屈折率を有することができる。また、前記複合粉末1を用いた前記ベゼル層520は、単一層でも前記複合粉末1が反射材料からなるコア層105、低屈折率を有する第1コーティング層110、高屈折率を有する第2コーティング層120からなり、反射率が増加し、屈折率差によって光の散乱を増加させてベゼル層520の白色度を向上させることができる。
【0119】
このように、本発明の例示的な応用例によるタッチセンサ5に用いられるベゼル層520を形成する複合粉末1は、通常使用される酸化チタンの単一粉末より白色度が向上し、単一層だけでも明るい色を実現することができる。したがって、本発明の例示的な応用例によるタッチセンサ5は、単一層だけでも明るい色を実現することができ、これによりベゼル層520の厚さを低減することができる。
【0120】
本発明の例示的な応用例によるタッチセンサ5は、白色度を向上させるために反射層505を具備することができる。
【0121】
前記反射層505は、1〜20μmの範囲の厚さに形成することができる。また、反射層505の反射率は、60〜99%の範囲に形成することができる。このように、反射効率を増加させるために、反射層505は、例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つからなってもよい。
【0122】
一方、ベゼル層520と反射層505との間に介在層510を介在することができる。ここで、介在層510は、ベゼル層520より低屈折率層に形成することができ、介在層510は、1〜8μmの範囲の厚さを有することができる。ここで、介在層510は、ベゼル層520の厚さに対して10〜40%の範囲の厚さに形成することができる。
【0123】
ベゼル領域(B)のベゼル層520は、可視光領域における屈折率、透過率、厚さの変数を用いて明るい色を実現することができる。かかるベゼル層520と反射層505との間に介在層510を介在することで、光がベゼル層520を透過しても屈折率差によって透過された光は、反射層505で反射されて、またベゼル層520に入射させることができる。これにより、ベゼル層520で散乱される光が増加し、散乱される光の増加によりベゼル領域(B)の白色度が増加して明るい色を実現することができる。
【0124】
このために、前記介在層510は、透明な材質からなることができる。介在層510は、可視光領域における透過率が30〜99%の範囲を有する透明な材料からなることができる。介在層510は、ベゼル層520との屈折率差を有し、その屈折率が1.2〜2になるようにアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの透明な樹脂で形成することができる。
【0125】
前記アクリル系樹脂は、前記アクリル系共重合体樹脂として、アクロニトリル、アルキルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートから選択される少なくとも一つを用いることができる。
【0126】
前記エポキシ樹脂としては、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、リン系エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂から選択される一つ以上のものを用いることができる。
【0127】
前記シリコーン系樹脂は、SiO、SiNx、シラン系化合物およびこれらの組み合わせを用いることができる。シリコーン系樹脂からなる介在層510は、その屈折率が1.2〜1.6の範囲に形成され、可視光領域における透過率が30〜99%未満であり、低屈折率層に容易に製造することができ、白色度を向上させることができる。
【0128】
一方、本発明に係る例示的な応用例は、介在層510を酸化皮膜で形成することができる。反射層505とベゼル層520との間に酸化皮膜で形成される介在層510を形成することができる。換言すれば、透明な材質の樹脂の代りに、酸化皮膜で介在層510を形成することができる。前記酸化皮膜は、その屈折率が前記ベゼル層520の屈折率より低い物質で形成されることができる。
【0129】
前記酸化皮膜は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)およびこれらの組み合わせから選択されるいずれか一つの酸化物からなることができる。
【0130】
このような酸化皮膜は、可視光領域における屈折率が1.2〜2であり、透過率が50%以上99%未満であり、前記ベゼル層520より屈折率が低い材料で形成することができる。
【0131】
このように、ベゼル領域(B)に高屈折率層であるベゼル層520、低屈折率層である介在層510、反射材料からなる反射層505が順次積層されたタッチセンサ5は、屈折率差によりベゼル領域(B)の白色度を向上させることができる。
【0132】
これについてより具体的に説明すると、明るい色のベゼルを実現するために、ベゼル領域の白色度を高める必要がある。このような白色度を高めるための方法として、反射度を高める方法を使用することができる。肉眼で白色(white)と認知されることは、色座標(CIE)L*a*b*の値のうち明度(L*)の値が高く、a*、b*の値が0に近いときである。ここで、明度(L*)の値は反射の程度を示す。
【0133】
また、白色度を高めるための他の方法として媒質に入射した光がより多く散乱(scattering)されるときに、より高い白色度を実現することができる。散乱(scattering)をさらに高めるための方法には、屈折率(refractive index)の差が大きい媒質を要する。また、この際の屈折率(refractive index)が低い物質は、透明な物質を使用することが好ましい。
【0134】
したがって、反射層505とベゼル層520との間に低屈折率を有する介在層510を介在することで散乱する光を増加させて、ベゼル領域(B)の白色度をさらに向上させることができる。
【0135】
また、ベゼル層520の多様な色を実現するためには、その材質応じて異なるが、白色(white)のように明るい色を実現するためには、より厚いベゼル層520が必要となるのが一般的である。前記ベゼル層520に光がすべて透過する場合には、ベゼル層520の色がユーザによって視認され難いためである。
【0136】
そのため、白色のような色のベゼル層520を実現するためには、光が容易に通過しない他の色の実現とは異なり、ベゼル層520がより厚く形成されなければならないという問題点があった。
【0137】
しかし、本発明の例示的な応用例によるタッチセンサ5のベゼル層520は、薄膜に形成することができ、屈折率と透過率を調節して、ベゼル層520の一面に反射層505を設けることで、薄い薄膜状のベゼル層520を形成する場合においても、より鮮やかで効果的にベゼル層520の色を実現することができる。
【実施例】
【0138】
以下、実施例および比較例を参照して本発明についてより具体的に説明するが、下記例に本発明の範疇が限定されない。
【0139】
(実施例1)
[複合粉末の製造]
[コア層の製造]
コア層105は、アルミニウム(Al)金属を使用し、反射率が60〜99%の球形の粉末を製造した。この際、前記球形粉末は、メッシュ(mesh)を用いて平均サイズが50〜100nmの範囲である粉末を分類した。
【0140】
[第1コーティング層の形成]
第1コーティング層110を形成するためにコア粉末を分散するための水溶液を用意し、コア粉末であるアルミニウム粉末を水溶液に分散してスラリー(slurry)を形成する。この際、前記スラリーにコア粉末を1〜5重量部分散することができる。
【0141】
また、前記アルミニウム粉末が分散した前記スラリーに15〜25重量部のテトラエトキシシラン−エタノール溶液(TEOS(TetraEthOxySilane)etanol solution)を添加して第1コーティング液を形成する。この際、前記第1コーティング液のpHは10〜12であり、第1コーティング液は50〜75℃の温度で攪拌させることができる。前記第1コーティング液は、加水分解により酸化ケイ素(SiO)の第1コーティング層110を形成した。この際、酸化ケイ素の第1コーティング層110は、屈折率を1.3〜1.5に形成することができる。
【0142】
[第2コーティング層の形成]
チタンの無機酸塩(例えば、硫酸チタニル)の水溶液を用意し、コア層の表面上に第1コーティング層が形成された粉末をこれに添加して、前記チタンの無機酸塩水溶液中で第1コーティング層110の核粒子の表面に含水二酸化チタンを析出させた。第2コーティング層は、前記のように製造した二酸化チタンで被覆された粉末を500〜1000℃で還元力を有する気体を用いて還元炎で加熱還元させる方法で形成することができる。この際、還元力を有する気体は水素気体とアンモニア気体などを用いることができ、前記還元力を有する気体に加えて、ヘリウム気体、アルゴン気体、窒素気体などの不活性気体との混合気体を用いた。
【0143】
[着色ペーストの製造]
複合粉末80g、熱硬化樹脂(エステル系ポリオール+イソシアネート硬化剤)19g、溶媒イソホロン30g、分散剤(PB821)0.8g、その他、消泡剤(BYK057)0.3g、レベリング剤(leveling agent(BYK361n))0.3gを混合して製造した。ここで、複合粉末は、3層構造の球形粉末に形成されており、この際、粒子は300〜500nmの粒径を有するものを用いた。
【0144】
[タッチセンサの製造]
[ベゼル層の形成]
ウィンドウ基板550としてガラス基板を使用し、前記ガラス基板上に前記製造された着色ペースト4を用いた。前記着色ペースト4をスクリーン印刷で1回塗布して6〜9μmの厚さを有するベゼル層520を形成し、これを乾燥させた。ここで、ウィンドウ基板550の周縁領域に単一層のベゼル層520を形成した。
【0145】
(実施例2)
[タッチセンサの製造]
[介在層の形成]
実施例1での複合粉末1を含む着色ペースト4を用いたベゼル層520が形成されたウィンドウ基板550の周縁部に酸化シリコーン(SiO)を塗布(coating)して、その厚さが1〜8μmになるように形成した。
【0146】
[反射層の形成]
前記介在層510を形成した後、介在層510上にアルミニウム(Al)粉末を含むペーストをスクリーンプリンティング法で印刷して反射層505を形成した。
【0147】
(比較例1)
[酸化チタン粉末の製造]
実施例1の複合粉末とは異なり、比較例1では、酸化チタンの単一粉末からなる粉末を形成した。酸化チタンは、チタン酸ナトリウムを用意し、酸から出た酸化チタンの粒子浮遊物を精製し、前記酸は遠心分離機で回収した。このように得られた酸化チタンの塊り状で得た浮遊物のpH値を増加させて中性化した。また、中性化された塊りに水熱(Hydrothermal)処理を施して酸化チタン粒子を形成した。
【0148】
[酸化チタンペーストの製造]
比較例1は、実施例1の着色ペースト4の製造において複合粉末1の代りに酸化チタン粉末を用いて酸化チタンペーストを製造した。それ以外のものは実施例1と同様に形成した。
【0149】
[タッチセンサの製造]
[ベゼル層の形成]
実施例1と同様に、酸化チタンペーストをウィンドウ基板の周縁領域にスクリーンプリンティング法で単一層のベゼル層を形成した。この際、ベゼル層は、6〜9μmの厚さに形成した。
【0150】
(比較例2)
[介在層の形成]
比較例2は、比較例1で形成した酸化チタンのベゼル層上に介在層を形成した。この際、介在層は実施例2と同じ方法で形成した。
【0151】
[反射層の形成]
反射層は、介在層上に形成した。この際、反射層は、実施例2と同じ方法で形成した。
【0152】
(ベゼル層の厚さおよび白色度の測定)
実施例1、2および比較例1、2で得られたタッチセンサをベゼル層の断面が見えるように切断してサンプルを用意した。また、ベゼル層の厚さ測定は、SEMを用いて切断された断面の厚さを測定することで行った。また、UV/VISスペクトルを用いてベゼル領域の白色度を測定した。
【0153】
【表1】
【0154】
図6は、本発明の例示的なサンプルによる白色度を測定したグラフである。
【0155】
図6および表1を参照すると、まず、比較例1、2は、従来の二酸化チタン(TiO)の単一粉末に形成されるベゼル層を形成し、前記ベゼル層の層数が増加するほど白色度が増加した。
【0156】
比較例1では、従来の酸化チタンの粉末を用いて形成したベゼル層を1層に構成して、その厚さが7.08μmと測定され、白色度は71.8と測定された。すなわち、ベゼル層が1層に形成されて薄型化を図ることができるが、白色度が低くて白色のベゼルとして用いるには適しないと判断される。
【0157】
比較例2は、ベゼル領域を3層に構成し、その厚さが23.33μmと測定され、白色度が77.6と測定された。したがって、ベゼル層が3層に形成されて、比較例1と比較して厚さが増加するにつれて白色度が増加すると測定された。比較例2は、白色度が増加して明るい色のベゼルとして用いるに適するものと判断される。しかし、比較例2は、厚さが厚くて、白色度が向上した反面、薄型化が困難な問題点がある。
【0158】
したがって、白色度を向上させるためにベゼル層は複数の層に形成し、所定の厚さを要することが分かる。例えば、従来、白色度を向上させるために複数のベゼル層を使用しており、その厚さもまた30〜50μmの厚さを要した。このように、ベゼル層の厚さは、白色度を向上させることができるが、厚い厚さによって薄型化が困難な問題点がある。
【0159】
一方、図6および表1を参照して比較例1と実施例1を比較すると、比較例1は、従来の二酸化チタン(TiO)からなる粉末を用いてベゼル層を1層に形成しており、実施例1は、本発明に係る複合粉末1を用いて1層に形成されたベゼル層520を形成した。
【0160】
表1のように、比較例1の厚さは7.08μmと、白色度は71.8と測定され、実施例1の厚さは6.21μmと、白色度は82.00と測定された。これは、本発明に係る複合粉末1が第2コーティング層120、すなわち、TiO層が第1コーティング層110とコア層105を被覆しており、第2コーティング層の内部に形成されたコア層105が可視光を反射させ、第1コーティング層110と第2コーティング層120の屈折率差を発生させて第2コーティング層120の内部に光を流入させて散乱効果を増加させることで白色度が向上すると判断される。
【0161】
したがって、複合粉末1を含むベゼル層520は、単一層に形成しても白色度が向上するため、白色度を向上させるために複数層に形成しなくても単一層で白色度を向上させてベゼルの厚さを低減することができる。さらに、複合粉末1を用いたベゼル層520は、その厚さが従来の二酸化チタンを用いたものより薄型に形成することができる。
【0162】
一方、実施例2と比較例2を比較すると、実施例2は、ウィンドウ基板550上にベゼル層520、介在層510、反射層505が順次形成された3層からなるベゼルを形成した。
【0163】
また、比較例2は、通常の二酸化チタンの粉末でベゼル層を形成し、ベゼル層上に介在層と反射層でベゼルを形成した。
【0164】
実施例2と比較例2は、それぞれ厚さと白色度においてその特性が向上して、白色ベゼルとして用いるのに好適な特性を示すと測定された。
【0165】
実施例2および比較例2は、介在層510とベゼル層520の屈折率差によって白色度が増加したと判断される。さらに、介在層510上に反射層505がさらに形成されてベゼル層520の外部に出る光をまたベゼル層520に反射させることで、ベゼル層520の内部に滞留する光をさらに散乱させて、白色度が向上すると判断される。
【0166】
より具体的に説明すると、実施例2は、ベゼル層520を、複合粉末1を含む着色ペースト4を用いて形成しており、介在層510は、ベゼル層520に対して40%に該当する厚さに形成した。また、反射層505は、前記介在層510の厚さと同様に形成した。これにより、実施例2のベゼル厚さは11.2μmと測定された。
【0167】
反面、比較例2は、従来の酸化チタン粉末で酸化チタンペーストを製造し、ベゼル領域に前記酸化チタンペーストでベゼル層を形成した。また、前記ベゼル層上に介在層と反射層を形成しており、その厚さは23.33μmと測定された。
【0168】
このように、実施例2は、ベゼルが3層に形成されるにもかかわらず、比較例2に比べて薄型に形成されたことが分かる。実施例2と比較例2は、出発物質(starting material)から相違するため、厚さが互いに異なるように形成されると判断される。
【0169】
また、実施例2のベゼルの白色度が85.2と測定され、比較例2のベゼルの白色度は77.6と測定された。すなわち、実施例2は、厚さがさらに薄型であるにもかかわらず比較例2に比べて白色度がさらに向上したものと測定された。
【0170】
換言すれば、実施例2と同様に、ベゼル層520、反射層505および介在層510の3層に構成してベゼル層520と介在層510との屈折率差、反射層505の反射効果により白色度が向上したと判断される。これは、ベゼル層520と介在層510との屈折率差によって外部から入射される光をベゼル層520の内部に長く滞留させることで白色度が向上したと判断される。
【0171】
したがって、実施例2のベゼルが薄型で白色度が増加したものと測定されたことからみて、複合粉末1が白色度を向上させ、複合粉末1のように、屈折率差と反射効果を用いた構造にベゼルを形成することで、ベゼルの白色度がさらに向上したと判断される。
【0172】
このように、実施例2と比較例2を比較すると、複合粉末1を用いて形成されたベゼルは、薄型で白色度が向上することによって、明るい色のベゼルを形成するために、その効率性がさらに優れていることが分かる。
【0173】
また、ベゼル層の薄膜化を図ることにより、ベゼル層を含むウィンドウ基板に電極パターンを形成するタッチセンサ構造において電極パターンと電極配線との段差による電気ショート問題を解決して、より安定したタッチセンサの作動を可能にすることができる。
【0174】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0175】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0176】
本発明は、複合粉末、これを用いた着色ペーストおよびタッチセンサに適用可能である。
【符号の説明】
【0177】
1 複合粉末
4 着色ペースト
5 タッチセンサ
105 コア層
110 第1コーティング層
120 第2コーティング層
400 樹脂組成物
505 反射層
510 介在層
520 ベゼル層
550 ウィンドウ基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6