【解決手段】工具11と、押しのけ容積を連続的に変更可能な油圧モータ81と、油圧モータへの供給流体の圧力検出器86を備えた地盤施工機における変速制御方法であって、使用する駆動トルクの上限値と下限値を設定する手順と、下限値と上限値の範囲内で複数の駆動トルクを設定する手順と、設定した複数の駆動トルクに対応する押しのけ容積を求める手順と、現在の押しのけ容積から1段階小または大の容積への移行に対して圧力の下方基準値または上方基準値をそれぞれ設定する手順と、現在の押しのけ容積から隣接する容積への移行に対して基準時間をそれぞれ設定する手順と、圧力と下方基準値および上方基準値との関係とその継続時間を考慮して1段階小または大の容積に移行する手順を有する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の地盤施工機1の全体構成を示す概略図である。地盤施工機1は、無端状の軌道帯輪3を有し、自走可能な構成になっている。リーダー4は工具11を支持し案内するための支柱である。リーダー4は、地盤に対して垂直な状態から水平な状態まで起伏動作が可能であるとともに、運転台5と一緒に旋回できる構成になっている。地盤施工機1を移動・運搬するときは、リーダー4を水平状態に倒し、本体の上部に水平状態で保持して移動する。リーダー4は支点9を中心に揺動可能に支持されており、運転台5での操作により油圧シリンダ6を動作させてリーダー4の起伏動作が行われる。
【0028】
このリーダー4を起立させた状態で、リーダー4上を上下方向に移動可能に駆動ヘッド7が設けられており、駆動ヘッド7には油圧モータ81(
図2参照)および回転駆動部8が固定配置されている。油圧モータ81および回転駆動部8は先端側に工具11を固定したチューブ体10を回転駆動するためのものである。チューブ体10は中空の管状の部材であり、内部の中空部を通して地盤改良剤などを地盤中に注入することができる。チューブ体10の先端側(下方側)には掘削具や撹拌工具等の工具11が固定されている。
【0029】
駆動ヘッド7は、図示しない駆動機構によりリーダー4上を上下方向に移動することができる。駆動ヘッド7が移動されれば、回転駆動部8とともにチューブ体10および工具11も同じ量だけ移動される。例えば、工具11として下端側の掘削工具と撹拌工具を備えたものを使用し、チューブ体10を回転駆動しながら下降させて、掘削作業と撹拌による地盤改良作業とを同時に行う。このとき攪拌工具からは地盤改良剤を噴出させて地盤構成物に注入し、この地盤構成物を撹拌して地盤改良を行う。地盤改良剤は、セメントミルク等であり、チューブ体10の中空部を通して供給される。
【0030】
また、地盤施工機1には、オーガースクリュー等の掘削専用工具を取り付けて、掘削作業のみを行う場合もある。このように、地盤施工機1によって地盤改良作業や、掘削作業を行う場合、工具11の駆動トルクおよび回転速度を地盤の状態(柔らかい、固いなど)に応じて適切な値に設定する必要がある。例えば、固い地盤では工具11の駆動トルクを大きく(回転速度を小さく)しなければならず、一方、柔らかい地盤では回転速度を大きく(駆動トルクを小さく)して高能率の掘削作業を行うことができる。
【0031】
図2は、油圧モータ81および回転駆動部8の構成を示す模式図である。ここで、回転駆動部8(
図1参照)は、減速機構82、スピンドル83、チャック84からなり、油圧モータ81の回転出力をチューブ体10および工具11(
図1参照)に伝達するためのものである。減速機構82は油圧モータ81の回転出力を減速してスピンドル83に伝達する。スピンドル83は、駆動ヘッド7に対して回転可能に支持されている。
【0032】
スピンドル83には、チャック84が固定されており、チャック84によってチューブ体10を把持したり、チューブ体10を解放したりできる。チャック84によってチューブ体10を把持すれば、チューブ体10はスピンドル83に固定され、スピンドル83の回転によってチューブ体10および工具11を回転駆動することができる。
【0033】
油圧モータ81は押しのけ容積を連続的に変更可能なものである。この油圧モータ81は低回転速度および高トルクの回転出力特性を有するものが好ましい。油圧モータ81としては、例えば、偏心形ラジアルピストンモータが利用できる。この偏心形ラジアルピストンモータは、出力軸に対して放射状に配置されたピストンにより中央の偏心円筒カムおよび出力軸を回転駆動するものである。偏心円筒カムの偏心量が連続的に調整可能であれば、その偏心量を変更することにより油圧モータの押しのけ容積を連続的に変更することができる。
【0034】
駆動制御部85は、油圧源からの圧力油を油圧モータ81に供給して、油圧モータ81の回転駆動制御を行う。油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pは圧力検出器86によって検出され、その検出値が駆動制御部85に送られる。駆動制御部85は、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pに応じて自動変速制御すなわち工具11の駆動トルク制御を行う。
【0035】
また、駆動制御部85は、エンコーダ87からの信号を受信して、油圧モータ81の出力軸の回転速度を求めることができる。エンコーダ87は油圧モータ81の出力軸の回転角度に応じたパルス信号を出力する。すなわち、エンコーダ87は油圧モータ81の回転速度検出器として利用できる。
【0036】
駆動制御部85は、その内部にCPU851と記憶手段852を有しており、CPU851によって各種の情報処理を行う。また、記憶手段852には、駆動制御や情報処理に必要な各種のデータやプログラムが記憶されている。また、情報処理の結果のデータ等も記憶手段852に記憶される。
【0037】
駆動制御部85は、油圧モータ81に電気的な制御信号を送り、油圧モータ81の押しのけ容積を所定範囲の任意の値に変更制御することができる。駆動制御部85は、油圧モータ81の押しのけ容積を変更して出力軸の駆動トルクおよび回転速度の変更制御を行う。これにより、地盤施工機1の自動変速制御すなわち工具11の駆動トルクを適切な値に変更制御する自動制御を行う。
【0038】
次に、駆動制御部85が行う自動変速制御について説明する。本発明の地盤施工機1の変速制御方法においては、油圧モータ81は押しのけ容積を連続的に変更可能なものである。このため、変速制御方法についても、チューブ体10に負荷される負荷トルクなどに応じて油圧モータ81の押しのけ容積を連続的に変化させるようなフィードバック制御も考えられる。しかしながら、このような単純なフィードバック制御では地盤状態の変化等による急激なトルク変動により、油圧モータの押しのけ容積も大きく変更制御され、変速制御が振動して安定しないことがある。また、それにより工具自体にも振動が発生して工具や地盤施工機が損傷してしまうおそれがある。
【0039】
そこで、本発明の地盤施工機1の変速制御方法においては、油圧モータ81の駆動トルクの上限値と下限値を設定し、その上限値と下限値を含む範囲内で複数の駆動トルク値を設定して、それらの複数の段階的な駆動トルク値を使用して自動変速制御を行うようにしたものである。すなわち、本発明の変速制御方法においては、駆動トルクの連続的な変更制御を行うのではなく、駆動トルクの連続的な数値範囲に対してあえて複数の段階的な駆動トルク値を設定し、その段階的な駆動トルク値を使用して自動変速制御を行うようにしたものである。
【0040】
まず、駆動制御部85の内部の記憶手段852には油圧モータ81の駆動トルクの最大値T
maxと最小値T
minが記憶されている。これは、油圧モータ81の出力特性から求められる駆動トルクの範囲である。実用的に使用可能な油圧モータ81の駆動トルクの範囲がこの最大値と最小値の間の区間となる。すなわち、通常使用可能な駆動トルクの値はこの最小値T
min以上でありかつ最大値T
max以下となる。この駆動トルクの最小値T
minと最大値T
maxは、地盤施工機1の製造メーカーが予め設定しておくことができる。また、ユーザーがそれらの最小値T
minと最大値T
maxを設定あるいは変更できるようにしてもよい。
【0041】
また、油圧モータ81の駆動トルクには、駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合の制限値が設定される。ここでリーダー4の上部とは、リーダー4上方の予め定められた所定位置以上の位置をいう。駆動ヘッド7がリーダー4上方の予め定められた所定位置以上の位置にある場合、油圧モータ81の駆動トルクが制限値以下に制限される。
【0042】
この制限値も駆動制御部85の内部の記憶手段852に記憶される。駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合、油圧モータ81の駆動トルクが大きくなるとリーダー4に大きな負担がかかり、リーダー4が傾斜してしまったり、最悪の場合、地盤施工機1が転倒してしまうおそれもある。このため、駆動ヘッド7がリーダー4上部の所定位置以上の位置にある場合、油圧モータ81の駆動トルクを所定の制限値以下に制限することが望ましい。
【0043】
この制限値は、駆動ヘッド7がリーダー4上部にある場合でも、安全に施工作業を行うことができる値とする。制限値は製造メーカーによる既定値が設定されているが、ユーザーがこの制限値を変更することができる。なお、この制限値は特許請求の範囲における第2上限値に対応する。すなわち、制限値と第2上限値とは同じものである。
【0044】
駆動制御部85は駆動ヘッド7の位置を常に監視しており、駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合、油圧モータ81の駆動トルクはこの制限値(第2上限値)以下に制限される。手動操作や自動変速制御によって油圧モータ81の駆動トルクを変更しても、駆動トルクはこの制限値までしか増大しない。駆動ヘッド7がリーダー4の上部位置にない場合は、油圧モータ81の駆動トルクをこの制限値を超える値にまで変更することが可能である。
【0045】
また、自動変速制御や手動で駆動トルクの設定を行う場合の、駆動トルクの上限値と下限値が、駆動制御部85の内部の記憶手段852に記憶される。自動変速制御や手動で設定される駆動トルク値はこの下限値と上限値の間の範囲(両端のトルク値も含む)となる。この駆動トルクの下限値および上限値は、ユーザーが施行位置の地盤の状態や経験から設定するものである。当然、この下限値および上限値は、駆動トルクの最小値T
min以上かつ最大値T
max以下に設定する。
【0046】
駆動トルクの下限値および上限値を設定すると、駆動制御部85は、この下限値以上かつ上限値以下の範囲を10等分して11段階の駆動トルク値を自動的に求める。実際には、駆動トルクの下限値を0%表示とし上限値を100%表示として、0%,10%,20%,30%,40%,…,100%の11段階の百分率表示が用いられる。この百分率表示をトルク指標と呼ぶことにする。このとき、トルク指標がx%表示のトルク値をT(x)とすると、トルク値T(x)は、下限値をT
L、上限値をT
Uとして、次の式1によって求められる。
【0047】
T(x)=T
L+(T
U−T
L)・x/100 … 式1
自動変速制御においては、この0%〜100%の11段階の駆動トルク値のいずれかの適切な値が地盤の状態に応じて自動的に割り当てられる。油圧モータ81の駆動トルク値は、地盤の状態に応じて11段階の駆動トルク値のいずれかに自動的に遷移するように制御される。具体的な自動変速制御の手順については後に詳しく説明する。
【0048】
なお、上記の上限値T
Uとしては、通常時の上限値である第1上限値T
U1と、駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合の油圧モータ81の駆動トルクの制限値である第2上限値T
U2が記憶されている。第2上限値T
U2は、通常は第1上限値T
U1より小さい値に設定される。
【0049】
駆動ヘッド7が通常位置すなわちリーダー4上部の所定位置より下方の位置にある場合、上限値T
Uとして第1上限値T
U1の値が設定され、前述の11段階の駆動トルク値が求められる。駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合、上限値T
Uとして第2上限値T
U2の値が設定され、前述の11段階の駆動トルク値が求められる。
【0050】
図3は、油圧モータ81の出力軸における駆動トルクとトルク指標との関係を示すグラフである。グラフの横軸がトルク指標を示し、縦軸が駆動トルクを示している。グラフに表されているように、駆動トルクの最小値T
minと最大値T
maxの間に、駆動トルクの下限値T
Lおよび上限値T
Uが設定されている。
【0051】
そして、下限値T
Lに対応するトルク指標を0%とし、上限値T
Uに対応するトルク指標を100%とする。そして、下限値以上かつ上限値以下の範囲を10等分して、0%,10%,20%,30%,40%,…,100%の11段階のトルク指標が設定される。地盤施工機1の操作者はこのトルク指標に基づいて、手動での駆動トルク調整および自動トルク制御(自動変速制御)を行うのである。なお、駆動トルクの最小値T
minおよび最大値T
max、下限値T
Lおよび上限値T
U、トルク指標などは、駆動制御部85内部の記憶手段852に記憶される。
【0052】
図4は、油圧モータ81の押しのけ容積と出力軸における駆動トルクとの関係を示すグラフである。油圧モータ81は押しのけ容積を連続的に変更可能なものであり、駆動制御部85からの制御信号により押しのけ容積が変更される。油圧モータ81に供給される圧力油の圧力と流量がほぼ一定である場合、油圧モータ81の押しのけ容積と駆動トルクは、図示のようにほぼ直線的な関係にある。油圧モータ81の漏れや損失がなければ、押しのけ容積と駆動トルクは比例する。
【0053】
油圧モータ81の駆動特性における駆動トルクの最小値T
minおよび最大値T
maxは、押しのけ容積の最小値Q
minおよび最大値Q
maxによって定まるものである。押しのけ容積の最小値Q
minには駆動トルクの最小値T
minが対応し、押しのけ容積の最大値Q
maxには駆動トルクの最大値T
maxが対応する。押しのけ容積を最小値Q
minから最大値Q
maxまで連続的に変更することにより、駆動トルクも最小値T
minから最大値T
maxまで連続的に変化する。
【0054】
油圧モータ81の駆動トルクを所望の値に変更するには、
図4の関係から駆動トルクに対応する押しのけ容積を求め、油圧モータ81の押しのけ容積を求めた値に変更すればよい。
図4のような駆動トルクと押しのけ容積の関係は、計算式や数表の形式で駆動制御部85内の記憶手段852に記憶されている。
【0055】
油圧モータ81に供給される圧力油の圧力と流量をほぼ一定に維持する場合、油圧モータ81の出力軸の駆動トルクは押しのけ容積に比例する。また、出力軸の回転速度は駆動トルクに反比例する。すなわち、圧力油の圧力と流量をほぼ一定に維持した状態でも、油圧モータの押しのけ容積を変更することによって駆動トルクを適切な値に変更制御することができる。
【0056】
油圧モータ81に供給される圧力油の供給源としては、内燃機関等の原動機によって駆動されるポンプが利用される。一般的に原動機は最も効率の良い定格出力の近傍で使用することが望ましく、このときに圧力油の供給効率も最大となる。本発明の自動トルク制御(自動変速制御)を行うことにより、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力と流量をほぼ一定に保つことができ、圧力油供給源の原動機を最大効率で運転できるため、工具駆動の効率を向上させることができる。
【0057】
次に、本発明における工具回転の自動復帰制御について説明する。地盤施工機1において、地盤による負荷が大きすぎて工具11の回転が拘束され停止してしまうことがある。この場合には油圧モータ81の出力軸の回転も拘束されて停止してしまう。このときに油圧モータ81の駆動トルクを増大させて工具11の駆動を再開しようとしても、油圧モータ81の押しのけ容積が変化しないことがある。本発明の地盤施工機1は、このような場合に油圧モータ81の拘束状態を円滑に解除して回転駆動状態に復帰させる機能を有している。
【0058】
すなわち、油圧モータ81の出力軸の回転が拘束された場合は、それを検出して自動的に油圧モータ81に対する圧力油の供給を一定時間停止する。そして、油圧モータ81の押しのけ容積を変更して駆動トルクを1段階増大させる制御を行う。その後、油圧モータ81に対する圧力油の供給を再開して、油圧モータ81を回転状態に復帰させる。このように圧力油の供給を停止している間に押しのけ容積を変更することにより、確実に押しのけ容積を変更することができる。
【0059】
これは、圧力油の供給を停止することにより、拘束時に油圧モータ81の各部に作用する過大な力が除去され、押しのけ容積の変更機構が円滑に動作するようになるためであると考えられる。このように油圧モータ81の回転拘束状態から回転状態への自動復帰制御を行うことにより、地盤施工機1の操作者が複雑な操作を行うことなく、自動的に回転拘束状態から正常な回転駆動状態へと復帰させることができる。
【0060】
次に、本発明における上記のような自動変速制御と自動復帰制御についてより具体的に説明する。駆動制御部85は、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pに応じて自動変速制御を行う。駆動制御部85は、圧力Pと比較して自動変速制御を行うための複数の圧力基準値を記憶している。すなわち、トルク値を増大させるか否かの判断に使用する圧力基準値(上方基準値)と、トルク値を減少させるか否かの判断に使用する圧力基準値(下方基準値)とをそれぞれのトルク状態に対応させて記憶している。さらに、トルク値の移行条件が継続する時間の基準となる基準時間をそれぞれのトルク状態に対応させて記憶している。
【0061】
駆動制御部85は、圧力Pと圧力基準値(上方基準値)とを比較して、圧力Pが上方基準値以上である状態が基準時間以上連続した場合に、駆動トルクを1段階増大させる。また、駆動制御部85は、圧力Pと圧力基準値(下方基準値)とを比較して、圧力Pが下方基準値以下である状態が基準時間以上連続した場合に、駆動トルクを1段階減少させる。圧力Pが下方基準値より大きく上方基準値より小さい場合は、駆動トルクは現在の状態のまま維持される。
【0062】
図5は、自動変速制御のための圧力基準値P
sと基準時間t
sの設定値の一例を示す図である。この圧力基準値P
sと基準時間t
sの設定値は駆動制御部85内部の記憶手段852に記憶される。自動変速制御は、油圧モータ81の駆動トルクを、11段階のトルク指標に対応するトルク値の中から自動的に選択して、適切なトルク値となるように設定するものである。また、施工中に地盤の状態が変化しても、地盤の状態に応じた適切な駆動トルクに自動的に変更される。
【0063】
ここで、駆動トルクの11段階のトルク指標0%〜100%のそれぞれに対して、指標数nを定義する。すなわち、トルク指標0%に対しては指標数:0を対応させ、トルク指標10%に対しては指標数:1を対応させ、トルク指標20%に対しては指標数:2を対応させる。同様に、トルク指標30%〜100%に対しても指標数:3〜10をそれぞれ対応させる。トルク指標100%は指標数:10に対応する。
【0064】
ここで、駆動トルクを1段階増加させる操作は、指標数nに対応する駆動トルクから指標数n+1に対応する駆動トルクに移行することと同じである。また、駆動トルクを1段階減少させる操作は、指標数nに対応する駆動トルクから指標数n−1に対応する駆動トルクに移行することと同じである。
【0065】
圧力基準値P
sと基準時間t
sは、駆動トルクの移行操作のそれぞれに対して設定されている。現在の駆動トルクの状態が指標数nに対応するトルク値である場合、トルク値を増大させるか否かの判断に使用する圧力基準値(上方基準値)をP
s(n,n+1)と表す。また、その圧力基準値に対する基準時間をt
s(n,n+1)と表す。そして、トルク値を減少させるか否かの判断に使用する圧力基準値(下方基準値)をP
s(n,n−1)と表す。また、その圧力基準値に対する基準時間をt
s(n,n−1)と表す。
【0066】
ここで、圧力基準値P
s(n,n+1)と基準時間t
s(n,n+1)はn=0〜9に対して設定され、圧力基準値P
s(n,n−1)と基準時間t
s(n,n−1)はn=1〜10に対して設定されている。
【0067】
なお、これらの圧力基準値P
sおよび基準時間t
sは、通常時の上限値である第1上限値T
U1に対する11段階の駆動トルク値のそれぞれに対して設定されており、それと同時に、駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合の上限値である第2上限値T
U2に対する11段階の駆動トルクのそれぞれに対しても設定されている。すなわち、
図5のようなテーブルが2種類記憶されており、駆動ヘッド7の位置に応じて使い分けられる。なお、
図5のような圧力基準値および基準時間のテーブルは駆動制御部85内の記憶手段852に記憶されている。
【0068】
なお、ここでは駆動ヘッド7がリーダー4の上部に位置する場合の制御を、駆動トルクの上限値を第2上限値として11段階の駆動トルクを設定して行っているが、本発明はこのような制御には限定されない。駆動ヘッドがリーダー上部に位置する場合に、単純に駆動トルクを制限値を超える値には設定できないようにするだけでもよい。
【0069】
次に、
図6から
図9のフローチャートに基づいて、自動変速制御および自動復帰制御について具体的な制御手順を説明する。
図6から
図9のフローチャートは駆動制御部85によって実行されるプログラムの内容を示すものである。
図6は、自動変速制御の処理手順を示すフローチャートである。地盤施工機1の変速制御モードが自動変速モードに設定された状態で、工具11の回転駆動を開始する操作がなされると、
図6のフローチャートの手順が開始される。
【0070】
手順101では油圧モータ81の回転駆動が開始される。これにより地盤の施工が開始されると、手順102から手順106の処理を繰り返すことにより、自動変速制御を実行する。すなわち、地盤の状態や工具11に対する負荷に応じて、油圧モータ81の駆動トルクを適切な値に変更制御する。
【0071】
さらに手順101では自動変速制御の初期トルクが設定される。初期トルクは自動変速制御の開始時における駆動トルクの初期値である。操作者はトルク指標0%〜100%から任意の初期値を設定しておくことができる。操作者が初期値を設定していなければ、既定値としてトルク指標50%に相当するトルク値が設定される。そして現在の駆動トルクの指標数を表す変数nに初期値に対応する指標数の値が代入される。例えば、初期値がトルク指標50%の場合、現在の駆動トルクの指標数を表す変数nに5が代入される。
【0072】
手順102では駆動ヘッド7のリーダー4上の位置が検出される。次に、手順103では駆動トルクおよびトルク指標の設定と、圧力基準値および基準時間の設定が行われる。これらの設定は、駆動ヘッド7のリーダー4上の位置に応じて第1上限値T
U1と第2上限値T
U2のいずれかが上限値T
Uとして設定され、それによって各トルク指標に対応する11段階の駆動トルク値が求められる。また、駆動ヘッド7の位置に対応した圧力基準値および基準時間が使用されるように設定される。
【0073】
また、手順103では、駆動ヘッド7の位置が通常位置から上部位置に変化した場合、または上部位置から通常位置に変化した場合に、指標数の修正が行われる。駆動ヘッド7の位置が通常位置の場合と上部位置の場合では指標数に対応する駆動トルクの値が異なるためである。駆動ヘッド7の位置が通常位置と上部位置の間で変更されると、まず、位置変更前の指標数に対応する駆動トルクが求められ、その駆動トルクに最も近い駆動トルクを位置変更後の11段階の駆動トルクの中から選択する。そして、選択した駆動トルクに対応する指標数を変数nに代入する。変数nは現在の駆動トルクの指標数を表すものである。
【0074】
次の手順104はトルク増大サブルーチンを呼び出す処理を行う。トルク増大サブルーチンは、
図7に示す処理手順を実行するものであり、自動変速制御において各条件により駆動トルクを増大する処理を行うものである。このトルク増大サブルーチンについては、後に詳しく説明する。
【0075】
トルク増大サブルーチンから呼び出しもとに戻ると次は手順105に進む。手順105はトルク減少サブルーチンを呼び出す処理を行う。トルク減少サブルーチンは、
図8に示す処理手順を実行するものであり、自動変速制御において各条件により駆動トルクを減少させる処理を行うものである。このトルク減少サブルーチンについては、後に詳しく説明する。トルク減少サブルーチンから呼び出しもとに戻ると次は手順106に進む。
【0076】
手順106では、自動変速制御を継続するかどうかを判断する。地盤施工機1の変速制御モードが手動変速モードに変更されたり、地盤の施工が終了して工具11の回転駆動が停止されると、手順106から「No」側に進み自動変速制御を終了する。このような自動変速制御の終了操作がない場合は、手順106から「Yes」側に進み、手順102に戻って手順102〜106の処理を繰り返す。
【0077】
図7は、トルク増大サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。トルク増大サブルーチンは、自動変速制御において各条件により油圧モータ81の駆動トルクを増大する処理を行うものである。トルク増大サブルーチンが呼び出されると、まず手順201において、現在設定されている駆動トルクの指標数nの値が10であるか否かが判断される。指標数nの値が10である場合は、指標数n=10は駆動トルクの上限値に対応し、それ以上駆動トルクを増大できないので、トルク増大サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0078】
指標数nの値が10でない場合(0〜9の場合)は、手順201から手順202に進む。手順202では、駆動制御部85に内蔵されたタイマーをリセットして時間測定を開始する。このタイマーにより油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pが圧力基準値P
s(n,n+1)以上である状態が継続する時間を測定する。
【0079】
次に、手順203において、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pの検出値を圧力基準値P
s(n,n+1)と比較する。この圧力基準値P
s(n,n+1)は、
図5に示すようなテーブルの中から現在の駆動トルクの指標数nに対応するものが選択される。圧力Pが圧力基準値P
s(n,n+1)以上である場合には次の手順204に進み、そうでない場合はトルク増大サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0080】
次の手順204では、タイマーで測定中の時間tを基準時間t
s(n,n+1)と比較する。この基準時間t
s(n,n+1)は、
図5に示すようなテーブルの中から現在の駆動トルクの指標数nに対応するものが選択される。時間tが基準時間t
s(n,n+1)以上となれば手順205に進み、そうでなければ手順203に戻り、手順203から手順204を繰り返す。
【0081】
結局、この手順203および手順204で、圧力Pが圧力基準値P
s(n,n+1)以上である状態が基準時間t
s(n,n+1)以上継続したか否かが判断される。基準時間t
s(n,n+1)以上継続すれば手順205に進み、継続しなければトルク増大サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。すなわち、圧力Pが圧力基準値P
s(n,n+1)以上である状態が基準時間t
s(n,n+1)以上継続しなければ、駆動トルクを増大することはない。
【0082】
手順205では、指標数を表す変数mに値(n+1)を代入する。この変数mの値により油圧モータ81の駆動トルクが設定されるので、この代入は駆動トルクを1段階増大することを表している。次の手順206はトルク設定サブルーチンを呼び出す処理を行う。トルク設定サブルーチンは、
図9に示す処理手順を実行するものであり、変数mの値により油圧モータ81の駆動トルクを設定する処理を行うものである。このトルク設定サブルーチンについては、後に詳しく説明する。トルク設定サブルーチンから呼び出しもとに戻ってくると、このトルク増大サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0083】
図8は、トルク減少サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。トルク減少サブルーチンは、自動変速制御において各条件により油圧モータ81の駆動トルクを減少させる処理を行うものである。トルク減少サブルーチンが呼び出されると、まず手順301において、現在設定されている駆動トルクの指標数nの値が0であるか否かが判断される。指標数nの値が0である場合、指標数n=0は駆動トルクの下限値に対応し、それ以上駆動トルクを減少できないので、トルク減少サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0084】
指標数nの値が0でない場合(1〜10の場合)は、手順301から手順302に進む。手順302では、駆動制御部85に内蔵されたタイマーをリセットして時間測定を開始する。このタイマーにより油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pが圧力基準値P
s(n,n−1)以下である状態が継続する時間を測定する。
【0085】
次に、手順303において、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pの検出値を圧力基準値P
s(n,n−1)と比較する。この圧力基準値P
s(n,n−1)は、
図5に示すようなテーブルの中から現在の駆動トルクの指標数nに対応するものが選択される。圧力Pが圧力基準値P
s(n,n−1)以下である場合には次の手順304に進み、そうでない場合はトルク減少サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0086】
次の手順304では、タイマーで測定中の時間tを基準時間t
s(n,n−1)と比較する。この基準時間t
s(n,n−1)は、
図5に示すようなテーブルの中から現在の駆動トルクの指標数nに対応するものが選択される。時間tが基準時間t
s(n,n−1)以上となれば手順305に進み、そうでなければ手順303に戻り、手順303から手順304を繰り返す。
【0087】
結局、この手順303および手順304で、圧力Pが圧力基準値P
s(n,n−1)以下である状態が基準時間t
s(n,n−1)以上継続したか否かが判断される。基準時間t
s(n,n−1)以上継続すれば手順305に進み、継続しなければトルク減少サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。すなわち、圧力Pが圧力基準値P
s(n,n−1)以下である状態が基準時間t
s(n,n−1)以上継続しなければ、駆動トルクを減少させることはない。
【0088】
手順305では、指標数を表す変数mに値(n−1)を代入する。この変数mの値により油圧モータ81の駆動トルクが設定されるので、この代入は駆動トルクを1段階減少させることを表している。次の手順306はトルク設定サブルーチンを呼び出す処理を行う。トルク設定サブルーチンは、
図9に示す処理手順を実行するものであり、変数mの値により油圧モータ81の駆動トルクを設定する処理を行うものである。トルク設定サブルーチンから呼び出しもとに戻ってくると、このトルク減少サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0089】
図9は、トルク設定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。このトルク設定サブルーチンは、指標数を表す変数mの値により油圧モータ81の駆動トルクを設定する処理を行うものである。また、このトルク設定サブルーチンには、回転拘束状態から回転状態への自動復帰制御の手順も組み込まれている。なお、このトルク設定サブルーチンは、自動変速モードの自動変速制御に利用されるだけでなく、手動変速モードでの駆動トルク値の手動設定でも利用される。
【0090】
トルク設定サブルーチンが呼び出されると、まず手順401において、回転拘束状態から回転状態への自動復帰制御がオンとされているか否かが判断される。自動復帰制御がオンであれば手順402に進み、自動復帰制御がオフであれば手順410に進む。すなわち、操作パネルにおいて自動復帰制御がオフとされている場合、自動復帰制御は行われず、単純に油圧モータ81の駆動トルクを変数mの値に従って設定するだけである。
【0091】
手順410では、指標数を表す変数mの値に対応する駆動トルクに設定するために、まず、その駆動トルクに対応する押しのけ容積を
図4の関係から求める。そして油圧モータ81の押しのけ容積を求めた容積に設定する。また、油圧モータ81の押しのけ容積を設定すると同時に、現在の駆動トルクの指標数を表す変数nに変数mの値が代入される。これにより変更後の駆動トルクの指標数が変数nにセットされる。手順410の後は、トルク設定サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。
【0092】
手順401において、自動復帰制御がオンであれば手順402に進み、変数mの値が変数nの値よりも大きいか否かが判断される。変数mの値の方が大きければ駆動トルクを増大するということであり、手順403に進み、自動復帰制御を伴う駆動トルクの設定が行われる。そうでない場合は駆動トルクが増大されないので、手順410に進み、自動復帰制御は行わず単純に油圧モータ81の駆動トルクを変数mの値に従って設定する。すなわち、駆動トルクを増大するという指示がなされている場合のみ自動復帰制御を行う。
【0093】
手順403では、駆動制御部85に内蔵されたタイマーをリセットして時間測定を開始する。このタイマーによって、油圧モータ81の出力軸の回転速度Rが所定の拘束基準速度R
r以下であり、かつ、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pが拘束圧力基準値P
r以上である状態が継続する時間を測定する。
【0094】
ここで、拘束基準速度R
rとは、工具11が回転拘束状態であることを判断するための油圧モータ81の出力軸の回転速度の基準値である。また、拘束圧力基準値P
rとは、工具11が回転拘束状態であることを判断するための、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力の基準値である。すなわち、油圧モータ81の出力軸の回転速度Rが拘束基準速度R
r以下であり、かつ、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pが拘束圧力基準値P
r以上である状態が所定の拘束基準時間t
r以上連続した場合、工具11が回転拘束状態であるものと判断する。
【0095】
まず、手順404では、油圧モータ81の出力軸の回転速度Rが拘束基準速度R
r以下であるか否かが判断される。拘束基準速度R
r以下であれば手順405に進み、そうでなければ手順410に進み自動復帰制御は行わず単純に油圧モータ81の駆動トルクを変数mの値に従って設定する。なお、油圧モータ81の出力軸の回転速度Rの情報は、エンコーダ87からの検出信号によって求められる。拘束基準速度R
rの実際の値は1[回転/分]程度である。この拘束基準速度R
rの値もユーザーが設定可能である。
【0096】
次に、手順405では、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pが拘束圧力基準値P
r以上であるか否かが判断される。拘束圧力基準値P
r以上であれば手順406に進み、そうでなければ手順410に進み自動復帰制御は行わず単純に油圧モータ81の駆動トルクを変数mの値に従って設定する。拘束圧力基準値P
rの値は油圧モータ81に供給される圧力油の最大値に近い値が設定される。回転が拘束されている場合、圧力油の供給圧力のほぼ最大値が検出される。
【0097】
次に、手順406では、タイマーで測定中の時間tを拘束基準時間t
rと比較する。この拘束基準時間t
rの実際の値は1秒程度である。この拘束基準時間t
rの値もユーザーが設定可能である。時間tが拘束基準時間t
r以上となれば手順407に進み、そうでなければ手順404に戻り、手順404から手順406を繰り返す。
【0098】
結局、この手順404から手順406で、油圧モータ81の出力軸の回転速度Rが拘束基準速度R
r以下であり、かつ、油圧モータ81に供給される圧力油の圧力Pが拘束圧力基準値P
r以上である状態が拘束基準時間t
r以上継続したか否かが判断される。拘束基準時間t
r以上継続すれば手順407に進み、継続しなければ手順410に進み自動復帰制御は行わず単純に油圧モータ81の駆動トルクを変数mの値に従って設定する。すなわち、上記の回転拘束状態が所定の拘束基準時間t
r以上継続しなければ、自動復帰制御は行わない。
【0099】
手順407では、油圧モータ81への圧力油の供給を停止して、油圧モータ81の回転駆動をオフとする。この回転駆動の停止時間は予め設定された所定の時間であり、具体的には0.1秒程度である。この停止時間の値もユーザーが設定可能である。手順407で油圧モータ81の回転駆動をオフとした後、即座に手順408に進んで駆動トルクの設定を行い、所定の停止時間が経過したら手順409で再び油圧モータ81の回転駆動をオンとする。
【0100】
手順408では、指標数を表す変数mの値に対応する駆動トルクに設定するために、その駆動トルクに対応する押しのけ容積を求め、油圧モータ81の押しのけ容積を求めた値に設定する。また、油圧モータ81の押しのけ容積を設定すると同時に、現在の駆動トルクの指標数を表す変数nに変数mの値が代入される。これにより変更後の駆動トルクの指標数が変数nにセットされる。
【0101】
次の手順409では、所定の停止時間が経過した後に、再び油圧モータ81の回転駆動をオンとする。手順409の後は、トルク設定サブルーチンの処理を終了して呼び出しもとに戻る。以上のトルク設定サブルーチンでは、指標数を表す変数mの値により油圧モータ81の駆動トルクを設定するとともに、自動復帰制御がオンであれば回転拘束状態から回転状態への自動復帰制御が行われる。自動復帰制御により、操作者が特に複雑な操作を行わなくとも、回転拘束状態から回転状態に自動的に復帰させることができる。
【0102】
以上の
図6から
図9に示すような処理手順によって自動変速制御を行うことにより、自動変速制御の安定性を大幅に向上させることができる。すなわち、油圧モータに供給される圧力油の圧力と圧力基準値との上下関係だけでなく、そのような上下関係が継続する時間も考慮することにより安定的で円滑な自動変速制御が可能となっている。それに加えて、一つの油圧モータのみを使用しながら、必要に応じて変速段数を任意に増加させることができ、これによっても安定的で円滑な自動変速制御が可能となっている。
【0103】
また、工具の駆動トルクの上限値と下限値を任意に設定することが可能であり、地盤の状態や施工内容に応じて、安全かつ適切に工事を実施することができる。また、上述のような自動変速制御を行うことにより、油圧モータに供給される圧力油の圧力と流量をほぼ一定に保つことができ、圧力油供給源の原動機を最大効率で運転できるため、工具駆動の効率を向上させることができる。
【0104】
そして、工具の回転が拘束され回転拘束状態となってしまった場合でも、回転拘束状態から自動的に回転状態に復帰させることが可能となった。さらに、一つの油圧モータのみで安定的で円滑な自動変速制御が可能となるため、地盤施工機の製造コストを大幅に低減させることができる。
【0105】
以上のように、本発明によれば、安定的で円滑な自動変速制御が可能であり、また、工具の駆動トルクの上限値と下限値を任意に設定することにより、地盤の状態や施工内容に応じて、安全かつ適切に工事を実施することができる。また、工具の回転が拘束され回転拘束状態となってしまった場合でも、回転拘束状態から自動的に回転状態に復帰させることが可能である。
【0106】
なお、以上の実施の形態の説明では、自動変速制御における駆動トルクの下限値と上限値との間の範囲を10等分して11段階の駆動トルク値を設定するようにしているが、11段階に限らず任意の段階数の駆動トルク値を設定するようにしてもよい。例えば、21段階や41段階等の駆動トルクを設定することもできる。また、11段階よりも少ない駆動トルクの段階数とすることもできる。