(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-101906(P2015-101906A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】石積みの補強方法
(51)【国際特許分類】
E02D 29/02 20060101AFI20150508BHJP
【FI】
E02D29/02 301
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-244645(P2013-244645)
(22)【出願日】2013年11月27日
(11)【特許番号】特許第5522614号(P5522614)
(45)【特許公報発行日】2014年6月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1)パンフレットによる公開 〔発行者名〕株式会社ESP 〔刊行物名〕「トースイCON充填工法」パンフレット 〔発行年月日〕平成25年7月18日 2)ウェブサイトによる公開 〔掲載年月日〕平成25年7月30日 〔掲載アドレス〕http://www.to−suicon.jp/ http://www.to−suicon.jp/?cn=100003
(71)【出願人】
【識別番号】513299281
【氏名又は名称】株式会社ESP
(74)【代理人】
【識別番号】100146020
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 善光
(74)【代理人】
【識別番号】100062328
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 剛啓
(72)【発明者】
【氏名】増井 泰治
【テーマコード(参考)】
2D048
【Fターム(参考)】
2D048AA01
2D048AA32
(57)【要約】
【課題】石積みの裂け目等に充填材を注入することによりパイピング現象が発生しにくい石積み補強方法を提供することを課題とする。
【解決手段】石積みの亀裂等に充填材を注入する石積み補強方法であって、砕石、セメント、透水剤及び急結剤を含有する投入材を攪拌機に投入する投入工程と、投入材を撹拌し混練物を造る撹拌工程と、混練物をスクリューフィーダーで略等量ずつ小分けする小分け工程と、小分けされた混練物に圧縮空気を吹きかけてホース内をノズル噴出孔まで圧送する圧送工程と、混練物の落下地点近傍で圧送方向側に真空状態をつくり混練物を引き込み圧送を加勢する圧送加勢工程と、ノズル噴出孔の手前で水を添加する水添加工程と、混練物と水とからなる充填材を圧縮空気によりノズル噴出孔から噴出させる噴出工程とを含む方法で課題解決できた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石積みの目地や亀裂に充填材を注入する石積み補強方法であって、
砕石、セメント、透水剤及び急結剤を含有する投入材を攪拌機に投入する投入工程と、
前記投入材を前記攪拌機で撹拌し混練物を造る撹拌工程と、
前記混練物をスクリューフィーダーで略等量ずつ小分けしながら送る小分け工程と、
前記スクリューフィーダーで送られ落下してきた混練物に圧縮空気を吹きかけて、前記混練物を配管内やホース内をノズル噴出孔まで圧送する圧送工程と、
前記混練物の落下地点近傍で圧送方向側に真空状態をつくり出して前記混練物を引き込み圧送を加勢する圧送加勢工程と、
前記ノズル噴出孔の手前で前記混練物に水を添加する水添加工程と、
前記混練物と前記水とからなる充填材を前記圧縮空気により、前記ノズル噴出孔から噴出させる噴出工程と、
を含む工程からなることを特徴とする石積み補強方法。
【請求項2】
前記投入材に砂を含まないことを特徴とする請求項1に記載の石積み補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、護岸、水路、宅地等の石積み老朽化に対する石積みの補強方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石積み補強に関しては、例えば特許文献1に、充填材を注入ノズルにより石積みの隙間に注入することによって石積みを補強する石積みの補強方法であって、前記充填材とは別に圧縮空気を注入ノズルに供給し、前記充填材を、該注入ノズルから前記圧縮空気の圧力を用いて、前記石積みの隙間に吹き込んでいく技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−87579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の石積み補強方法は、老朽化した石積みの裂け目や亀裂に充填材としてモルタルを使用しているため、石積みの背面側の土中に流れてきた雨や地下水を水抜きパイプで排出する形態となる。すると、水抜きパイプで水とともに土も流出するため、石積みの背面側にパイピング現象により空洞が生じて石積みが崩壊してしまうという問題があった。
【0005】
一方、老朽化した石積みに設置された水抜きパイプがすでに破損したり、土が水抜きパイプ内部に詰まっている状態の場合には、老朽化した石積みの裂け目や亀裂に充填材としてモルタルを注入しただけでは、石積みの背面側に水が溜まって水圧が高まって圧力によって石積みが崩壊してしまうという問題があった。
【0006】
また、水抜きパイプがすでに破損したり、土が水抜きパイプ内部に詰まっている状態の場合に、水を正常に排出できない水抜きパイプを取り除いて新たな水抜きパイプの設置工事する場合は、大掛かりな大工事になりコスト高になるという問題があった。
【0007】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、万一水抜きパイプが石積みの背面側の水を正常に排出できない状態であっても、老朽化した石積みの裂け目や亀裂に充填材を注入することにより、パイピング現象が発生せず、石積みが長期間にわたり安定する石積み補強方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の石積み補強方法1は、石積み10の目地20や亀裂21に充填材11を注入する石積み補強方法1であって、砕石、セメント、透水剤及び急結剤を含有する投入材を攪拌機12に投入する投入工程2と、前記投入材を前記攪拌機12で撹拌し混練物を造る撹拌工程3と、前記混練物をスクリューフィーダー14で略等量ずつ小分けしながら送る小分け工程4と、前記スクリューフィーダー14で送られ落下してきた混練物に圧縮空気aを吹きかけて、前記混練物を配管内やホース16内をノズル18噴出孔まで圧送する圧送工程と、前記混練物の落下地点A近傍で圧送方向側に真空状態をつくり出して前記混練物を引き込み圧送を加勢する圧送加勢工程6と、前記ノズル18噴出孔の手前で前記混練物に水を添加する水添加工程7と、前記混練物と前記水とからなる充填材11を前記圧縮空気により、前記ノズル18噴出孔から噴出させる噴出工程8と、を含む工程からなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の石積み補強方法1は、請求項1において、前記投入材に砂を含まないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の石積み補強方法1は、石積み10の目地20や亀裂21に充填材11を注入した後に、透水剤によって砕石同士を固結しているセメント領域内に空隙が形成されることから、充填材11自体が水を通すことができるという顕著な効果を奏する。これにより、万一老朽化した石積み10に設置された水抜きパイプがすでに破損したり、土が水抜きパイプ内部に詰まっている状態の場合であっても、水抜きパイプに係る追加工事を施工しなくても、石積み10の背面22側にパイピング現象が生じることがなく、老朽化した石積み10を簡易な補強工事によって長期間にわたって安定にさせることができるという効果を奏する。
【0011】
また、撹拌時に砕石とセメントとを攪拌機12で混練する際に、急結剤によって、それぞれの砕石の周囲にセメントを強固に付着させることから、圧縮空気a、bを吹きかけても砕石の周囲にセメントが強固に周着した状態を維持させることができる。これにより、混練させた砕石とセメントを分離させずに圧縮空気a、bで圧送することができるという顕著な効果を奏する。
【0012】
また、砕石やセメントを含む混練物をホース16内に圧縮空気で圧送させる前段階で、スクリューフィーダー14で混練物を小分けにしながら順次に圧縮空気aの流路に落下させるため、混練物を圧縮空気aでホース16内に圧送しやすいという効果を奏する。
【0013】
さらに、落下地点Aからノズル18側の近傍に圧送加勢器具19を設けたことによって、流路内の地点Aに落下した混練物を横方向から圧縮空気aを噴射して移動させようとするときに最も大きなエネルギーを必要とするため、その必要とするエネルギーを、圧縮空気bを噴射させて前記落下地点Aのノズル18側の地点dの周囲の範囲の空間に真空状態をつくり出して混練物を引き込むことによって、砕石の混入した混練物を円滑に横方向に移動を開始させることができるという効果を奏する。
【0014】
したがって、混練させた砕石とセメントを圧縮空気で噴出させて、石積み10の目地20内、亀裂21内及び石積み10の背面22側の空洞に充填材11を充填でき、充填後の石積み10の強度を確保できるという効果を奏する。
【0015】
水添加工程6をノズル18噴出孔の手前に設け、撹拌工程3において水を添加しないので、スクリューフィーダー14で砕石とセメントとの混練物を略等量ずつに容易に小分けすることができ、該スクリューフィーダー14から受けた混練物を圧縮空気a、bによって容易に圧送できるという効果を奏する。撹拌工程3において水を添加して撹拌すると、混練物が水を含んで大きな塊状態となってスクリューフィーダー14で略等量ずつ小分けすることができにくくなり、混練物の重量が重くなって圧縮空気によって混練物を長いホース16内を圧送しにくくなる。
【0016】
請求項2に記載の石積み補強方法1は、請求項1と同じ効果を奏するとともに、投入材に砂を含有させないので、撹拌直後の砕石とセメントとの混練状態を、圧縮空気で長いホース16内を搬送しノズル18噴出孔から噴出するまで維持できるという効果を奏する。投入材に砂を含めると、砂にセメントが付着せず、砂と砕石との比重の差から、軽い砂と重い砕石とが圧縮空気で搬送中に分離し、砂が先にノズル18噴出孔から噴出してしまうという問題が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の石積み補強方法の施工フロー図である。
【
図2】本発明の石積み補強方法を実施する装置の概要説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る石積み補強方法1は、
図1に示すように、石積み10の目地20や亀裂21に充填材11を注入する石積み補強方法1であって、砕石、セメント、透水剤及び急結剤を含有する投入材を攪拌機12に投入する投入工程2と、前記投入材を前記攪拌機12で撹拌し混練物を造る撹拌工程3と、前記混練物をスクリューフィーダー14で略等量ずつ小分けしながら送る小分け工程4と、前記スクリューフィーダー14で送られ落下してきた混練物に圧縮空気aを吹きかけて、前記混練物を配管内やホース16内をノズル18噴出孔まで圧送する圧送工程と、前記混練物の落下地点A近傍で圧送方向側に真空状態をつくり出して前記混練物を引き込み圧送を加勢する圧送加勢工程6と、前記ノズル18噴出孔の手前で前記混練物に水を添加する水添加工程7と、前記混練物と前記水とからなる充填材11を前記圧縮空気により、前記ノズル18噴出孔から噴出させる噴出工程8と、を含む工程からなる。
【0019】
そして、石積み補強方法1を実施する装置の例を
図2に示している。
【0020】
前記投入工程2は、攪拌機12に投入材を投入する工程であり、投入材としては、砕石、セメント、透水剤及び急結剤を投入する。砕石は、石積み10の目地20や亀裂21の開口部の大きさからサイズが2.5mm〜5mmの7号砕石が好ましい。そして、砕石の代わりに、例えば瓦を砕いた物や硬質プラスチックを砕いた物などでもよく、サイズが2.5mm〜5mmの硬質の固形物であれば何でもよい。
【0021】
セメントは、セメントであれば何でもよく、例えば普通ポルトランドセメント、高炉セメント又はフライアッシュセメント等のうちのいずれでもよい。
【0022】
急結剤は、セメントの凝結や硬化を促進させる添加剤で、湧水や漏水に対して瞬時に止水させる目的で使用されているものであり、鉄材を腐食させることがなく、セメントの凝結や硬化を促進する急結剤であればよい。急結剤を投入することによって、撹拌工程で砕石一つずつの周囲にセメントを強固に付着させる効果がある。
【0023】
透水剤は、外観がおこし状の透水コンクリート又はポーラスコンクリートをつくるときに添加する添加剤で、砕石間の接着性を高めてコンクリートとしての強度を高め、砕石間のセメントに空隙を形成する透水剤であればよい。透水剤を投入することによって、砕石同士を固結しているセメント領域内に空隙が形成されることから、充填材11自体が水を通すことができるという効果がある。
【0024】
したがって、水抜きパイプに係る追加工事を施工しなくても、石積み10の背面22側にパイピング現象が生じることがなく、老朽化した石積み10を簡易な補強工事によって長期間にわたって安定にさせることができる。
【0025】
次に、一般的にはコンクリートやモルタルでは砂を必ず配合するが、本発明である石積み補強方法1では砂を配合しない。砂はセメントとは分離されやすく、圧縮空気を吹きかけると軽い砂と重い砕石とが分離し、軽い砂がノズル18先端から先に噴出され、後から砕石がノズル18先端から噴出される。圧縮空気で搬送するホース16の長さが数mでは砂と砕石とが分離する量は少ないが、ホース16長さが数十mになるとほとんどの砂と砕石とが分離してしまい充填材11として均一な品質のものを噴出できない。したがって、本発明の石積み補強方法1では砂を配合しない。
【0026】
次は、撹拌工程3である。
図2に示すように、攪拌機12はコンクリートミキサーを使用し、該コンクリートミキサーの上部の開口部から投入材が投入された後に、該コンクリートミキサーのドラムを左右方向に回転させながら内部に設置された撹拌板で投入材を撹拌し、砂や砕石等を混練し混練物をつくる。そして、混練物ができたらドラムの開口部が下方に向くように上下方向の回転をさせて、ドラムの開口部から混練物をホッパーの上部の開口部に向けて落下させる。
【0027】
また、一般的にコンクリートやモルタルを撹拌するときには水を添加しているが、本発明の石積み補強方法1の撹拌工程3では水を投入しない。水を添加すると、混練物が大きな塊となりやすく、圧縮空気でホース16内を圧送させることが困難であるからである。
【0028】
次に、小分け工程4である。前記攪拌機12内の混練物を、ホッパー13上部の開口部からホッパー13内に落下させながら移し、該混練物をホッパー13の底面に設けた孔からスクリューフィーダー14に落とし込む。そして、混練物をスクリューフィーダー14の羽根で分離しながら略等量に小分けしながら搬送する。略等量に小分けすることによって圧縮空気a、bで配管内やホース16内を圧送させやすくなる。ここで、混練物の等量の大きさはスクリューフィーダー14の羽根の間隔の設定により決めることができる。
【0029】
次に、圧送工程5である。
図2に示すように、前記スクリューフィーダー14から略等量ずつに小分けされて搬送されてきた混練物を一塊ごとに、スクリューフィーダー14の下方に設けられた孔から、
図3に示す地点Aに落下させる。そして配管内の地点Aに落下した混練物に対してコンプレッサー15からの圧縮空気aを吹きかけて混練物を配管内やホース16内を圧送させる。
【0030】
次は、圧送加勢工程6である。圧送加勢器具19は、配管内の混練物の落下地点Aの近傍で圧送方向側であるノズル18側に設置する。これは、落下した混練物を横方向から圧縮空気aを噴射して移動させようとするときに最も大きなエネルギーを必要とするため、砕石の混入した混練物を円滑に圧送方向である横方向に移動を開始させるためのエネルギーを加えて前記混載物を落下した状態からスムースに移動させるためである。
【0031】
前記圧送加勢機器19は、
図3に示すように、圧縮空気bの流入口、流入した圧縮空気の流路イ、該流路イと連通した噴射孔ロ、及び混練物の送入側の地点dと送出側の地点eとを貫通させた貫通孔を備える構成をなっている。混練物の送入側はスクリューフィーダー13の配管Bに接続され、混練物の送出側はホース16に接続されている。そして、前記流路イはドーナツ状の空間を形成しており、前記噴射孔ロはホース16側の内壁に沿って圧縮空気bを噴射するように設けられている。前記噴射孔ロは、複数からなるそれぞれの噴射孔ロを線でむすぶと円状になるように複数個所に設けられている。
【0032】
コンプレッサー15からの圧縮空気bを前記噴射孔ロから圧送方向に向けて噴射すると、配管内の混練物の落下地点Aの近傍で圧送方向側であるノズル18側の地点dの周辺範囲に真空状態をつくり出して前記混練物を引き込み、混練物の圧送を加勢することができる。これにより、砕石を含む混練物が配管内又はホース16内をスムースに圧送されることができる。
【0033】
したがって、スクリューフィーダー13から配管内の地点Aに落下してきた混練物に対して、コンプレッサー15から圧縮空気aが噴射され、それに加えて圧送加勢機器19に送入された圧縮空気bが複数の噴射孔ロから噴射される。前記噴射孔ロからの圧縮空気bの噴射によって、配管内の地点d周辺範囲が真空状態となり、地点Aに存する混練物を引き込むことになり、前記の圧縮空気aの横圧と前記真空状態との相乗効果で地点Aに存する砕石を含有した混練物を動かし圧縮空気により横方向の圧送を開始させることができる。いったん混練物の移動が開始すればホース16の先端に取り付けたノズル18まで一気に混練物を圧送させることができる。
【0034】
次に、水添加工程6である。
図2に示すように、水槽17に貯留している水をポンプで送出し、ホース16先端に取り付けたノズル18内に注入する。水の注入の位置がノズル18内であるので、ホース16内を圧送されてきた混練物と水とはあまり混合されずに、ノズル18先端から噴出される。なお、水の投入量を調整するために水槽17からノズル18噴出孔に至る間に手動による流量調整弁を配設しておく。これにより、添加する水量を制御することができる。
【0035】
次に、噴出工程7である。混練物と水とが混在状態の充填材11が圧縮空気により噴出されるが、石積み10の目地20や亀裂21などに前記充填材11が衝突することによって、該衝突により充填材11を構成している混練物と水とが略均一に混ざり合う。これにより、前記目地20、亀裂21又は石積み10の背面22の空間に混練物と水とが混合された充填材11が充填されて、強度を有しかつ透水性を有するように石積み10の補強を行うことができる。
【0036】
次に、本発明の石積み補強方法1の水上域の場合における実施例を説明するが、本発明はこれに限られるものではない。石積み10部分としては水上域又は水中域があるが、本発明の石積み補強方法1は水上域及び水中域の石積みにも効果がある。
【0037】
まず、補強工事をすべき石積み10の近くに、発電機30、コンプレッサー15、攪拌機12、スクリューフィーダー14を具備したホッパー13、ポンプ付水槽17、圧送加勢器具19等を設置し、発電機30と、攪拌機12、コンプレッサー15、スクリューフィーダー14を具備したホッパー13及び水槽17内のポンプとを配線する。そして、コンプレッサー15の圧縮空気出口と、ホッパー13下方の配管の端部の圧縮空気入口と、圧送加勢器具19の圧縮空気入口とに配管又はホースを接続する。そして、石積み10の補強範囲を清掃し、除草、伐採、高圧洗浄を実施する。前記圧送加勢器具19は、ホッパー13の下部であってスクリューフィーダー14の下方の配管Bとホース16との間に介設する。
【0038】
次に、投入工程2で、普通ポルトランドセメント260kg、7号砕石1.11立方メートル、透水剤26リットル、急結剤26リットルを準備し、コンクリートミキサーなる攪拌機12内に投入する。そして、撹拌工程3では、ドラムを回転させて内部の撹拌板で投入材を撹拌し各投入材が均一に混じった混練物をつくる。
【0039】
小分け工程4では、攪拌機12を斜めに傾けて内部の混練物をホッパー13内に移す。そして、ホッパー13の底面に設置しているスクリューフィーダー14の前側に混練物を落下させる。該スクリューフィーダー14には羽根が等間隔で設けられているので、落下してきた混練物を小さい一塊になるように小分けして、スクリューフィーダー14の後側まで搬送し、該スクリューフィーダー14の下方に設けた孔から配管内の地点Aに混練物を落下させる。
【0040】
次の圧送工程5では、コンプレッサー15からの圧縮空気aが配管の端部から流入してきているので、略等量ずつに小分けされスクリューフィーダー14の下方にある孔から落下してきた混練物に圧縮空気aが衝突し、前記混練物を圧送方向側であるノズル18側に向けて圧送する。
【0041】
次の圧送加勢工程では、前記圧送工程における圧縮空気aの地点Aに落下した混練物に対する圧送力に加えて、圧縮空気bにより地点Aの近傍の圧送方向側に真空状態をつくって、前記地点Aに落下した混練物を圧送方向側であるノズル18側に引き込むようにすることによって、地点Aに落下し存する混練物をスムースに圧送方向側である横方向に移動させやすくして、ホース16内を通過してノズル18まで圧送させる。
【0042】
次の水添加工程6では、前記投入材に対して総量で49.4リットルの水をホース16先端に取り付けられたノズル18内に送り込む。水は水槽17の貯留されており、該水をポンプで送り込む。この直後にノズル18先端から噴射されるので、混練物と水は混合されずに噴出される。
【0043】
噴出工程7では、混練物と水とからなる充填材11がノズル18先端孔から、補強すべき石積み10の目地20、亀裂21等に向けて噴出され、混練物と水とが石積み10に衝突して混練物と水とが混合される。これにより、前記目地20、亀裂21又は石積み10の背面22の空間に充填材11をしっかりと充満させることができる。そして、透水性を有するので、水はけがよく強度も有する石積み10の補強を実施することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 石積み補強方法
2 投入工程
3 撹拌工程
4 小分け工程
5 圧送工程
6 圧送加勢工程
7 水添加工程
8 噴出工程
10 石積み
11 充填材
12 攪拌機
13 ホッパー
14 スクリューフィーダー
15 コンプレッサー
16 ホース
17 水槽
18 ノズル
19 圧送加勢器具
20 目地
21 亀裂
22 背面
30 発電機