【実施例】
【0044】
ここで
図6を参照すると、
図6は、本発明の実施形態によって生成された、被験者74の骨格モデル72及びスクリーン表示装置76の合成概略図である。ディスプレイ76は、ACLサブシステムに接続される。しかしながら、ロケーションパッドは明瞭に示すために省略してある。手持ち式プローブ56は、多くの解剖学的目印、すなわち、右肋骨縁78、左肋骨縁80、右前腸骨棘82、左前腸骨棘84、右膝蓋骨86、及び左膝蓋骨88がレジスタされている。これらの目印はそれぞれ、ディスプレイ76上のグラフィック表示90、92、94、96、98、100に相当する。示された目印は代表的なものであり、特定の医療処置の必要に応じて、他の目印が加えられてもよい。心電図トレース102は、ディスプレイ104の下方部分に現われる。
【0045】
ここで
図7を参照すると、
図7は、本発明の実施形態による骨格モデルのスクリーン表示104を含む合成図である。基準骨格モデル106から得た内部解剖学的構造が、被験者74の患者固有のモデル108の上にマッピングされる(
図6)。特に画像モデル108に示されるのは、大動脈110、下大静脈112、及び心臓114である。胸骨上のくぼみ116及び鎖骨118、120の、追加の解剖学的目印が提供されている。
【0046】
ここで
図8を参照すると、
図8は、本発明の実施形態による骨格モデルのスクリーン表示122である。患者固有のモデル124は、左下に示される。カテーテル128のシース126は、左大腿静脈を経由するアプローチを用いて挿入された。モデル124の腹部領域の拡大表示は、スクリーン表示122の最も大きな部分を占め、下大静脈132に位置するカテーテル128の遠位端を表わすアイコン130を含む。アイコン130に示されるように、カテーテル128の遠位端は、マッピング電極134を含んでもよい。
【0047】
ここで
図9を参照すると、
図9は、
図8に描写されるカテーテル挿入手技の進行を示す、本発明の実施形態によるモデル124(
図8)の胸郭部位のスクリーン表示136である。カテーテル128(
図8)は胸郭に進み、心臓114の右心房に入るところである。カテーテル128の遠位端のマッピング電極134は、電気活動を検知した。このイベントは、ディスプレイ136上に第2の心電図トレース138が出現することによって映し出される。CARTOシステムは、イベントを認識し、下静脈−右心房接合部として、マッピング電極134の位置を特定する。モデル124は、患者の解剖学的構造をより正確に表わすために、この目印の識別に反応して自動的に調節されてもよい。
【0048】
同様に、カテーテルが上大静脈を通して導入される手技において、トレース138の出現は、マッピング電極134が上大静脈−右心房接合部に達したことを示す。
【0049】
図8及び
図9に示されるカテーテル128の動きは、本明細書で説明するロケーションパッドの追加によって強化されたACLサブシステムによって提供された情報を用いて追跡される。ACLサブシステムによって提供された情報は更に、システム10(
図1)の他のモジュールで、例えば、CARTOシステムの素子によって、処理される。情報は1〜3mm内で十分に正確であり、他の撮像モダリティ、例えば、透視検査、磁気共鳴撮像法(MRI)、又は超音波検査に頼ることなく、ACLサブシステムを用いてカテーテルを心臓の中に通す際に操作者をガイドするのに十分である。例えば、本明細書による強化されたACLサブシステムは、カテーテルが分岐血管に逸脱するのを、操作者によって検出される、又は自動的に検出されることを可能にする。後者の場合、システム10は操作者に警告を出す。
【0050】
当業者であれば、本発明は、上記に具体的に示し、説明したものに限定されない点は認識されるところであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記に述べた異なる特性の組み合わせ及び一部の組み合わせ、並びに上記の説明文を読むことで当業者には想到されるであろう、先行技術ではない変形及び改変をも含むものである。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) カテーテル挿入の方法であって、
被験者の身体の被験者固有の骨格モデルを作成する工程と、
プローブの挿入点から目標まで通じる前記身体内の前記プローブの目的の経路を前記モデルの中に画定する工程と、
前記プローブを前記身体に挿入する工程であって、前記プローブは、少なくとも1つの電極を含む、工程と、
前記少なくとも1つの電極と前記身体の表面の複数の位置に配置されたそれぞれの導電性ロケーションパッドとの間で電流を前記身体に通過させる工程であって、前記複数の位置は、前記プローブの前記目的の経路に沿って分布される、工程と、
前記複数の位置を通過する前記電流のそれぞれの特性を測定する工程と、
前記プローブが挿入されている間に、前記測定された特性に反応して前記プローブの位置座標を反復して決定する工程と、
前記反復して決定された位置座標を用いて、前記プローブの実際の経路を前記モデルの中で追跡する工程と、
前記実際の経路が前記目的の経路と一致するかどうかを決定する工程と、を含む、方法。
(2) 前記ロケーションパッドが、20〜40mmの間隔で離間して配置される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ロケーションパッドが動作体積を有し、直接隣接するロケーションパッドの前記動作体積が重なり合う、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記少なくとも1つの電極が複数の電極を含み、電流を通過させる工程が、前記複数の電極のうちの1つと前記身体の前記表面の前記複数の位置のうちの1つとの間で前記電流のそれぞれを通過させることを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 電流を通過させる工程が、導電性パッドを前記複数の位置で前記身体とガルバニック接触させて固着させることと、電流を前記導電性パッドに通過させることと、を含む、実施態様1に記載の方法。
【0052】
(6) 前記導電性パッドの少なくとも1つが、複数のロケーションパッドユニットを有するマルチロケーションパッドである、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記プローブの実際の経路を追跡する工程が、前記反復して決定された位置座標を用いて排他的に行なわれる、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記プローブの実際の経路を追跡する工程が、別の撮像モダリティを用いて前記身体を撮像することを避けながら行なわれる、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記複数の位置が、前記目標の近くで比較的密集して配置され、前記プローブの前記目的の経路に沿った他のところでは、より散在して配置される、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記プローブが磁気センサを含み、
前記磁気センサによって生成された信号から追加の位置座標を算出する工程と、
前記位置座標間の相関を前記追加の位置座標で決定する工程と、
前記相関に反応して前記位置座標を精密化する工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0053】
(11) 被験者固有の骨格モデルを作成する工程が、
手持ち式プローブを前記身体のそれぞれの目印に当てることであって、前記手持ち式プローブは磁気センサを有する、当てることと、
前記磁気センサに磁場を印加することと、
前記磁場に反応して前記磁気センサから信号を受け取ることと、
前記信号に反応して前記目印のそれぞれの位置を計算することと、
前記目印の前記位置を基準位置として前記モデルの中に含めることと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 位置検知の装置であって、
被験者の身体に挿入されるように適合された、少なくとも1つの探査電極を含むプローブと、
前記身体の表面にそれぞれの位置で固着されるように適合された、複数の体表面電極と、
前記少なくとも1つの探査電極と前記複数の体表面電極との間で、電流を前記身体に通過させるために、前記プローブ及び前記体表面電極に連結されるように適合され、前記複数の体表面電極を通過する前記電流のそれぞれの特性を測定することによって、前記プローブの位置座標を反復して決定するように適合された、制御装置と、
プロセッサであって、
前記身体の被験者固有の骨格モデルを作成する工程と、
前記プローブの挿入点から目標まで通じる前記身体内の前記プローブの目的の経路を前記モデルの中に画定する工程と、
前記反復して決定された位置座標を用いて、前記プローブ挿入中に前記プローブの実際の経路を前記モデルの中で追跡する工程と、
前記実際の経路が前記目的の経路と一致するかどうかを決定する工程と、を行うように動作する、プロセッサと、を備える、位置検知の装置。
(13) 前記少なくとも1つの探査電極が複数の電極を含み、電流を通過させることが、前記複数の電極のうちの1つと前記複数の体表面電極のうちの選択されたものとの間に前記電流のそれぞれを通すことを含む、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記体表面電極のうちの少なくとも1つが、複数のロケーションパッドユニットを有するマルチロケーションパッドを含む、実施態様12に記載の装置。
(15) 前記プローブに配置された磁気センサを更に含み、前記プロセッサが、
前記磁気センサによって生成された信号から追加の位置座標を算出する工程と、
前記位置座標間の相関を前記追加の位置座標で決定する工程と、
前記相関に反応して前記位置座標を精密化する工程と、を行なうように動作する、実施態様12に記載の装置。
【0054】
(16) 磁気センサを有する手持ち式プローブを更に備え、前記プロセッサが、前記プローブが前記身体のそれぞれの目印に当てられたとき、
前記磁気センサに磁場を印加する工程と、
前記磁場に反応して前記磁気センサから信号を受け取る工程と、
前記信号に反応して前記目印のそれぞれの位置を計算する工程と、
前記目印の前記位置を基準位置として前記モデルの中に含める工程と、を行うように動作する、実施態様12に記載の装置。
(17) 前記体表面電極が、前記被験者の前記身体とガルバニック接触するように適合された複数のロケーションパッドユニットを有するマルチロケーションパッドを含む、実施態様12に記載の装置。
(18) 前記ロケーションパッドユニットが、20〜40mmの間隔で離間して配置される、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記ロケーションパッドユニットが動作体積を有し、直接隣接するロケーションパッドユニットの前記動作体積が重なり合う、実施態様17に記載の装置。
(20) 前記ロケーションパッドユニットが、前記目標の近くで比較的密集して配置され、前記プローブの前記目的の経路に沿った他のところでは、より散在して配置される、実施態様17に記載の装置。