【解決手段】建物躯体50側に固定される受部材10と、前記受部材10に嵌合する共鳴器本体材20と、前記共鳴器本体材20の両端に固定される小口フタ30と、を備え、前記共鳴器本体材20は断面略コ字状であり、前記共鳴器本体材20の両端開口部を前記小口フタ30で覆うとともに、前記共鳴器本体材20の長手開口部に前記受部材10を嵌合させ、前記共鳴器本体材20と前記受部材10との隙間を利用してヘルムホルツ共鳴器の空気口Hを形成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記したような吸音構造体では、吸音用の空気孔を穴加工しなければならないため、製造のための加工数が多くなり、手間がかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、穴加工なしでヘルムホルツ共鳴器を構成可能な吸音構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0007】
(請求項1)
請求項1に記載の吸音構造体は、ヘルムホルツ共鳴器を利用した吸音構造体であって、建物躯体側に固定される受部材と、前記受部材に嵌合する共鳴器本体材と、前記共鳴器本体材の両端に固定される小口フタと、を備え、前記共鳴器本体材は断面略コ字状であり、前記共鳴器本体材の両端開口部を前記小口フタで覆うとともに、前記共鳴器本体材の長手開口部に前記受部材を嵌合させ、前記共鳴器本体材と前記受部材との隙間を利用してヘルムホルツ共鳴器の空気口を形成したことを特徴とする。
【0008】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、平坦面に前記受部材を固定し、前記受部材を介して前記共鳴器本体材を取り付けることで、前記共鳴器本体材と前記平坦面との間に間隙を設け、前記受部材を前記共鳴器本体材よりも短尺に形成することで、前記受部材を設けていない箇所に前記空気口を形成したことを特徴とする。
【0009】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、建物躯体側にパネル材を固定することで前記平坦面を形成したことを特徴とする。
【0010】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記パネル材の表面に凹部を設け、前記凹部に前記受部材を固定したことを特徴とする。
【0011】
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項3又は4記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記パネル材の裏面に脚部を設け、前記脚部を建物躯体側に当接させたことを特徴とする。
【0012】
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記受部材と前記共鳴器本体材とを直接的または間接的に連結する落下防止手段を備えることを特徴とする。
【0013】
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、上記した請求項1〜6のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
すなわち、前記共鳴器本体材の表面に化粧溝を施したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、建物躯体側に固定される受部材と、前記受部材に嵌合する共鳴器本体材と、前記共鳴器本体材の両端に固定される小口フタと、を備え、前記共鳴器本体材は断面略コ字状であり、前記共鳴器本体材の両端開口部を前記小口フタで覆うとともに、前記共鳴器本体材の長手開口部に前記受部材を嵌合させ、前記共鳴器本体材と前記受部材との隙間を利用してヘルムホルツ共鳴器の空気口を形成したので、穴加工なしでヘルムホルツ共鳴器を製作でき、加工コストや作業手間を削減することができる。しかも、受部材に共鳴器本体材を嵌合させて小口フタを取り付けるだけで容易にヘルムホルツ共鳴器を製作できるので、作業性が良い。また、ヘルムホルツ共鳴器を利用した吸音構造であるため、グラスウール等の吸音材も不要である。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、平坦面に前記受部材を固定し、前記受部材を介して前記共鳴器本体材を取り付けることで、前記共鳴器本体材と前記平坦面との間に間隙を設け、前記受部材を前記共鳴器本体材よりも短尺に形成することで、前記受部材を設けていない箇所に前記空気口を形成したので、特別な加工を要することなくヘルムホルツ共鳴器の空気口を形成することができ、加工コストや作業手間を削減することができる。また、受部材の長さを変更することで空気孔の大きさを変えることができるので、吸音したい音域に合わせたヘルムホルツ共鳴器を製造することができる。しかも、受部材を短尺とすることができるので、長尺の受部材を使用した場合と比較してコストダウンが可能である。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、建物躯体側にパネル材を固定することで前記平坦面を形成したので、平坦面を備えていない箇所であっても吸音構造体を取り付けることができ、吸音構造体の設置場所を選ばないので使用範囲を広げることができる。また、パネル材のアクセントとしてヘルムホルツ共鳴器を取り付けることも可能であるので、吸音構造体を化粧材として使用して意匠性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、前記パネル材の表面に凹部を設け、前記凹部に前記受部材を固定したので、凹部をガイドにすることで受部材を容易に取り付けることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明は上記の通りであり、前記パネル材の裏面に脚部を設け、前記脚部を建物躯体側に当接させたので、パネル材に受部材をビス等の止具で止める際に、脚部で支持することで凹みを防止することができる。すなわち、パネル材が凹んだ場合、共鳴器本体材と受部材との接合が確実に行えないおそれがあるが、このような現象を抑制することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は上記の通りであり、前記受部材と前記共鳴器本体材とを直接的または間接的に連結する落下防止手段を備えているので、共鳴器本体材と受部材との嵌合が万が一外れてしまっても、共鳴器本体材の落下を防止する事ができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は上記の通りであり、前記共鳴器本体材の表面に化粧溝を施したので、共鳴器本体材の裏面に受部材と嵌合する係合片などを形成した場合において、仮にストラクチャストリーク等の外観欠陥が発生した場合でも、化粧溝によってストリーク等の外観欠陥を視認し辛くすることができるので、意匠性を損なう事がない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、
図1〜6を参照しながら説明する。
【0023】
本実施形態に係る吸音構造体は、ヘルムホルツ共鳴器を利用して吸音を行うものであり、本実施形態においては
図1に示すように屋内の天井面に配設されている。この吸音構造体は、建物躯体50の天井面に固定された下地材35と、下地材35の下部に固定されたパネル材38と、パネル材38に対してリブ状に固定された受部材10と、受部材10に嵌合する共鳴器本体材20と、共鳴器本体材20の両端に固定される小口フタ30と、を備えて構成されている。
【0024】
下地材35は、
図2及び
図3に示すように、例えば建物躯体50の天井面からハンガー40によって吊支持された受材39の下面に固定され、建物躯体50の天井面に固定されている。
【0025】
パネル材38は、下地材35を介して建物躯体50の天井面に固定されることで平坦面を形成するアルミニウム製の押出形材であり、
図2及び
図3に示すように、下地材35の下部にネジなどで固定される。本実施形態においては、このパネル材38で天井部を覆っているため、後述する共鳴器本体材20を取り付けたときにスパンドレルのような外観となる。
【0026】
このパネル材38は、
図2に示すように、表面38a(受部材10を固定する面)に溝状の凹部38bが形成されている。この凹部38bは受部材10を固定するためのガイドとして使用されるものである。また、パネル材38の裏面38c(下地材35に固定する面)には一対の脚部38dがリブ状に突出形成されており、この脚部38dが下地材35に当接している。この脚部38dは、受部材10を固定するために使用される受部材固定用ビス32の両側に立設されており、受部材固定用ビス32を締め込んだときの負荷を受ける役割を果たしている。すなわち、受部材固定用ビス32を締め込んだときにパネル材38に過剰な負荷がかかって凹む現象を防止する役割を果たしている。
【0027】
受部材10は、
図4等に示すように、上記したパネル材38の平坦面に固定されるピース材である。この受部材10は、パネル材38に当接して固定される支持部11と、この支持部11の両端から略直角に立ち上げ形成される突出縁部14と、で構成される断面略コ字状のアルミニウム製の押出形材である。支持部11には、パネル材38の凹部38bに嵌合するように凸部12が形成されるとともに、受部材固定用ビス32を貫通させるビス孔13が穿設されており、凸部12を凹部38bに嵌合させて受部材固定用ビス32で固定することにより、受部材10をパネル材38に固定できるようになっている。また、突出縁部14の外側先端部には矢尻状の係止爪15が形成されており、この係止爪15を後述する共鳴器本体材20の係止爪23に係合させることで、受部材10にワンタッチで共鳴器本体材20を嵌合固定できるようになっている。なお、突出縁部14の根元には、共鳴器本体材20の係止爪23の先端を受ける段部16が形成されており、嵌合固定された共鳴器本体材20がガタつきなく固定されるように形成されている。
【0028】
共鳴器本体材20は、
図4等に示すように、受部材10に嵌合固定される長尺材である。この共鳴器本体材20は、前面部21と、この前面部21の両端から略直角に形成された側面部22と、からなる断面略コ字状のアルミニウム製の押出形材である。側面部22の端部内側には、矢尻状の係止爪23が形成されており、受部材10の係止爪15と係合可能となっている。そして、係止爪23よりも根元側には、受部材10の係止爪15の先端を当接させるためのリブ24が形成されており、受部材10に嵌合させたときに係止爪15が入り込むのを防ぎ、確実に固定されるように形成されている。また、共鳴器本体材20の内部には、後述する小口フタ30を固定するためのフタ固定用ビスホール25が設けられている。
【0029】
小口フタ30は、
図4等に示すように、共鳴器本体材20の両端に固定される板状のアルミニウム部材である。この小口フタ30には固定孔30aが貫通形成されており、この固定孔30aに貫通させたフタ固定用ビス31を、共鳴器本体材20のフタ固定用ビスホール25に螺合させることで、小口フタ30が共鳴器本体材20に固定される。
【0030】
上記したような吸音構造体においては、
図2及び
図3に示すように、共鳴器本体材20の両端開口部が小口フタ30で覆われ、かつ、共鳴器本体材20の長手開口部に受部材10が取り付けられて、この長手開口部が平坦面(パネル材38)に対向しているため、共鳴器本体材20と小口フタ30と受部材10とで構成される箱状部材の内部には、外部から遮蔽された吸音室Sが形成されることとなる。しかしながら、この吸音室Sは完全に外部から遮断されてはおらず、共鳴器本体材20と受部材10との隙間を利用してヘルムホルツ共鳴器の空気口Hが形成されており、この空気口Hを通じて吸音室Sが外部と連通している。
【0031】
具体的には、
図2に示すように、共鳴器本体材20が受部材10を介してパネル材38の平坦面に固定されることで、共鳴器本体材20の側面部22の先端がパネル材38に接触しないように設定されている。このため、共鳴器本体材20とパネル材38の平坦面との間に間隙Gが形成される。この間隙Gは、受部材10が設けられている箇所においては受部材10によって塞がれている。しかしながら、受部材10は共鳴器本体材20よりも短尺であるため、受部材10が設けられていない箇所が存在し、この受部材10を設けていない箇所においては間隙Gが塞がれていない。この塞がれていない間隙Gを利用して、
図3に示すように、吸音室Sと外部とを連通させるヘルムホルツ共鳴器の空気口Hが形成されている。
このように、本実施形態によれば、吸音室Sと空気口Hによってヘルムホルツ共鳴器が構成されており、所定の吸音効果を得られるようになっている。
【0032】
なお、本実施形態においては、係止爪15、23を互いに係合させることで受部材10に共鳴器本体材20を固定している。この係合が万が一外れた場合には共鳴器本体材20が落下する恐れがあるため、受部材10と共鳴器本体材20とを直接的または間接的に連結する落下防止手段を設けてもよい。
【0033】
たとえば、
図5に示すように、落下防止手段として落下防止索33を設けてもよい。この落下防止索33は、両端部にリング状の固定部33aを備えており、一端の固定部33aを小口フタ30に固定するとともに、他端の固定部33aをパネル材38に固定することで、受部材10と共鳴器本体材20とを間接的に連結している(なお、一端の固定部33aを共鳴器本体材20に固定したり、他端の固定部33aを受部材10に固定したりして、受部材10と共鳴器本体材20とを直接的に連結してもよい。また、吸音構造体を壁等の平坦面に直に取付けた場合は、一端の固定部33aを吸音構造体に固定するとともに、他端の固定部33aを壁等の平坦面へ固定してもよい。)。
【0034】
この落下防止索33を取り付ける場合の手順は以下の通りである。すなわち、まず、
図5(a)に示すように、小口フタ30の索固定孔30bに対して、落下防止索33の一端の固定部33aを、索固定用ビス34によって固定する。その後、
図5(b)に示すように、小口フタ30を共鳴器本体材20に固定する。一方、パネル材38には受部材10を所定の間隔で固定する。そして、
図5(c)に示すように、受部材10に共鳴器本体材20を嵌合固定し、落下防止索33の他端の固定部33aを索固定用ビス34によってパネル材38に固定する。これにより、受部材10と共鳴器本体材20とが落下防止索33を介して連結されるので、仮に受部材10と共鳴器本体材20との係合が外れてしまったとしても、共鳴器本体材20の落下を防止することができる。
【0035】
また、落下防止手段として別の態様を採用してもよい。たとえば、
図6に示すように、小口フタ30を落下防止手段として使用してもよい。この場合には、受部材10に小口フタ30を固定するためのフタ固定用ビスホール17を設ければよい。
【0036】
この落下防止手段を取り付ける場合の手順は以下の通りである。すなわち、まず、パネル材38に受部材10を所定の間隔で固定する。次に、受部材10に共鳴器本体材20を嵌合固定する。そして、小口フタ30の固定孔30aに挿通したフタ固定用ビス31を共鳴器本体材20のフタ固定用ビスホール25に螺合させるとともに、小口フタ30の受部材固定孔30cに挿通したフタ固定用ビス31を受部材10のフタ固定用ビスホール17に螺合させ、小口フタ30を受部材10及び共鳴器本体材20に固定する。これにより、受部材10と共鳴器本体材20とが小口フタ30を介して連結されるので、共鳴器本体材20の落下を防止することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、建物躯体50の天井面に固定される受部材10と、前記受部材10に嵌合する共鳴器本体材20と、前記共鳴器本体材20の両端に固定される小口フタ30と、を備え、前記共鳴器本体材20は断面略コ字状であり、前記共鳴器本体材20の両端開口部を前記小口フタ30で覆うとともに、前記共鳴器本体材20の長手開口部に前記受部材10を嵌合させ、前記共鳴器本体材20と前記受部材10との隙間を利用してヘルムホルツ共鳴器の空気口Hを形成したので、穴加工なしでヘルムホルツ共鳴器を製作でき、加工コストや作業手間を削減することができる。しかも、受部材10に共鳴器本体材20を嵌合させて小口フタ30を取り付けるだけで容易にヘルムホルツ共鳴器を製作できるので、作業性が良い。また、ヘルムホルツ共鳴器を利用した吸音構造であるため、グラスウール等の吸音材も不要であり、リサイクル性に優れている。
【0038】
また、平坦面に前記受部材10を固定し、前記受部材10を介して前記共鳴器本体材20を取り付けることで、前記共鳴器本体材20と前記平坦面との間に間隙Gを設け、前記受部材10を前記共鳴器本体材20よりも短尺に形成することで、前記受部材10を設けていない箇所に前記空気口Hを形成したので、特別な加工を要することなくヘルムホルツ共鳴器の空気口Hを形成することができ、加工コストや作業手間を削減することができる。また、受部材10の長さを変更することで空気孔の大きさを変えることができるので、吸音したい音域に合わせたヘルムホルツ共鳴器を製造することができる。しかも、受部材10を短尺とすることができるので、長尺の受部材10を使用した場合と比較してコストダウンが可能である。
【0039】
また、下地材35が必要な面にパネル材38を固定することで前記平坦面を形成したので、平坦面を備えていない箇所であっても吸音構造体を取り付けることができ、吸音構造体の設置場所を選ばないので使用範囲を広げることができる。また、パネル材38のアクセントとしてヘルムホルツ共鳴器を取り付けることも可能であるので、吸音構造体を化粧材として使用して意匠性を向上させることができる。
【0040】
また、前記パネル材38の表面38aに凹部38bを設け、前記凹部38bに前記受部材10を固定したので、凹部38bをガイドにすることで受部材10を容易に取り付けることができる。
【0041】
また、前記パネル材38の裏面38cに脚部38dを設け、前記脚部38dを建物躯体50の天井面に当接させたので、パネル材38に受部材10をビス等の止具で止める際に、脚部38dで支持することで凹みを防止することができる。すなわち、パネル材38が凹んだ場合、共鳴器本体材20と受部材10との接合が確実に行えないおそれがあるが、このような現象を抑制することができる。
【0042】
また、前記受部材10と前記共鳴器本体材20とを直接的または間接的に連結する落下防止手段を設けるようにすれば、共鳴器本体材20と受部材10との嵌合が万が一外れてしまっても、共鳴器本体材20の落下を防止する事ができる。
【0043】
また、吸音構造体を構成する受部材10、共鳴器本体材20、小口フタ30、パネル材38等がすべてアルミで構成されているため、容易にリサイクルすることができる。
【0044】
なお、本実施形態においてはパネル材38を介して受部材10を固定しているが、これに限らず、パネル材38を使用せずに建物躯体50の壁面等の平坦面に直接受部材10を固定してもよい。このようにすれば、共鳴器本体材20を取り付けたときにルーバー材のような外観とすることができる。このように、本実施形態に係る吸音構造体は、スパンドレルやルーバーと同じ感覚で施工することができるとともに、意匠性を考慮してパネル材38の有無等を選択することも可能である。
【0045】
また、共鳴器本体材20の縦横比を増減して容積を変更したり、受部材10の長手方向の寸法を変更したりすることにより、様々な音域を吸音させることができる。
【0046】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、
図7〜13を参照しながら説明する。なお、本実施形態の基本構造は第1の実施形態と同様であるので、重複する記載を避けて、第1の実施形態との相違点について説明する。
【0047】
本実施形態に係る廻縁材36は、
図8及び
図9に示すように分割されており、化粧カバー37が接続固定されている。この化粧カバー37は、共鳴器本体材20よりも下方において共鳴器本体材20の端部を覆うように設けられている。このような化粧カバー37を設けるようにすれば、意匠性が高められる。
【0048】
本実施形態に係るパネル材38は、
図8に示すように、第1の実施形態とは異なり、裏面38cに突出形成された脚部38dが、受部材固定用ビス32の片側にのみ設けられている。このように、脚部38dを片側のみとした場合でも、受部材固定用ビス32を締め込んだときの負荷を受ける役割を果たすことが可能である。
【0049】
本実施形態に係る受部材10は、
図8等に示すように、支持部11に凸部12が形成されておらず、支持部11全体がパネル材38の凹部38bに嵌合するようになっている。このようにした場合でも、凹部38bを、受部材10を固定するためのガイドとして機能させることができる。
【0050】
本実施形態に係る共鳴器本体材20は、
図10等に示すように、側面部22の先端に係止爪23を設けるのではなく、前面部21の裏面側に突出形成された一対の係合片26の先端に係止爪23を設けている。また、側面部22の先端を内方に屈折させて屈折縁部22aを形成しており、係合片26が外部から視認できないように覆っている。このような形状とした場合でも、第1の実施形態と同様にヘルムホルツ共鳴器を形成することができる。
【0051】
なお、本実施形態に係る共鳴器本体材20は、前面部21の裏面側に係合片26を突出形成しているため、押出時にストリーク等の外観欠陥が発生する場合がある。例えば、係合片26が設けられていることによって前面部21の押出形材の肉厚が変化するため、金属組織や合金組成の不均一さの影響で押出方向に線状に模様が現れるストラクチャストリークが発生し、意匠性を損なうおそれがある。本実施形態においては、このような問題を回避するため、
図11に示すように、共鳴器本体材20の表面に化粧溝27を施している。化粧溝27を施すことで、仮にストラクチャストリーク等の外観欠陥が発生した場合でも、化粧溝27によってストリーク等の外観欠陥を視認し辛くすることができるので、意匠性を損なう事がない。
【0052】
なお、受部材10と共鳴器本体材20とを直接的または間接的に連結する落下防止手段としては、
図12及び
図13に示すように、第1の実施形態と同様の構造を適用することができる。
【0053】
以上説明したような第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。