特開2015-103004(P2015-103004A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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2015-103004遠隔ファイルアクセス端末、ストレージ端末、遠隔ファイルアクセス方法、遠隔ファイルアクセス端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-103004(P2015-103004A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】遠隔ファイルアクセス端末、ストレージ端末、遠隔ファイルアクセス方法、遠隔ファイルアクセス端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20150508BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20150508BHJP
【FI】
   G06F12/00 545F
   G06F13/00 650A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-242885(P2013-242885)
(22)【出願日】2013年11月25日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5B084
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA02
5B084AA12
5B084AB06
5B084BB12
5B084CD02
5B084CF12
5B084DB02
5B084DC02
5B084EA47
(57)【要約】
【課題】他の端末上のファイルを、ファイルの容量に関わらず、また、その端末自体が処理対象のファイルを処理可能であるかに関わらず、即時にファイル処理を開始する。
【解決手段】
ファイルシステムを備えるストレージ端末50と通信可能に接続され、ストレージ端末50上のファイルをストレージ端末50上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末10は、ストレージ端末50の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得し、取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルの、ファイルシステム上の場所をストレージ端末50に送信し、指定ファイルを、ストレージ端末50に所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、ストレージ端末50との間で画面共有を開始する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、
前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末であって、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得する配置構造取得手段と、
前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付けるファイル指定受付手段と、
前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するファイルパス送信手段と、
前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始する画面共有手段と、
を備えることを特徴とする遠隔ファイルアクセス端末。
【請求項2】
前記所定のアプリケーションとして、前記取得した配置構造のうち、処理を行うアプリケーションの場所を指定する入力を受け付けるアプリケーション指定受付手段と、
前記指定を受け付けたアプリケーションの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するアプリケーションパス送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遠隔ファイルアクセス端末。
【請求項3】
前記配置構造取得手段において、基準ディレクトリと最大取得階層の少なくともいずれかを送信し、それに基づいた範囲の配置構造を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔ファイルアクセス端末。
【請求項4】
前記画面共有手段において、前記ストレージ端末の画面全体の共有を行うのではなく、前記所定のアプリケーションの描画範囲部分のみについて画面共有を行うことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遠隔ファイルアクセス端末。
【請求項5】
遠隔ファイルアクセス端末と通信可能に接続されたストレージ端末であって、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を、前記遠隔ファイルアクセス端末に送信する配置構造送信手段と、
前記遠隔ファイルアクセス端末から、処理対象となるファイルの、ファイルシステム上の場所を受信するファイルパス受信手段と、
前記受信したファイルパスで特定されるファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始するファイル処理開始手段と、
前記ファイル処理の開始に伴い、前記遠隔ファイルアクセス端末との間で画面共有を開始する画面共有手段と、
を備えることを特徴とするストレージ端末。
【請求項6】
ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、
前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末が実行する遠隔ファイルアクセス方法であって、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得するステップと、
前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付けるステップと、
前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するステップと、
前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始するステップと、
を備えることを特徴とする遠隔ファイルアクセス方法。
【請求項7】
ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、
前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末に、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得するステップ、
前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付けるステップ、
前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するステップ、
前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始するステップ、
を実行させることを特徴とする遠隔ファイルアクセス端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる、遠隔ファイルアクセス端末、ストレージ端末、遠隔ファイルアクセス方法、遠隔ファイルアクセス端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆回線網に接続された携帯端末をWebサーバ等と接続することで、ユーザに様々なサービスが提供されている。特に、スマートフォン(高機能携帯電話)の登場により、従来、パソコンに対して行われていた高度なサービスを、携帯電話で行うことが可能になってきた。
【0003】
また、情報端末の普及や回線速度の向上により、情報の共有はますます盛んになっている。従来でも、電子メールによる文書やURLの共有は行われていたが、現在では、音声や動画など、容量が大きいファイルであっても共有が可能となっている。
【0004】
しかしながら、ファイルを共有しても、共有先の端末に当該ファイルを再生、処理するためのアプリケーションが入っていない場合には、受信したファイルを処理することができない。また、受信端末が携帯端末である場合や、ファイルの容量が著しく大きい場合等には、ファイルの送受信に時間を要し、円滑なファイルの共有が行えないという問題があった。
【0005】
そのような課題に対して、サイズの大きなファイルを縮小や圧縮をせずに携帯電話に転送し、受信した携帯電話で閲覧することを可能とする携帯電話向けファイル転送システムが開示されている。
【0006】
特許文献1において、受信したファイルのファイル形式を判定するファイル形式判定手段と、ファイルの形式が所定の画像ファイル形式でなかった場合に所定の画像ファイル形式に変換を行うファイル形式変換手段と、ファイル形式を所定の画像ファイル形式に変換した後に、縦及び横のピクセル数を取得し、所定の大きさのタイル状の複数の子画像に分割し、連番のファイル名を付すファイル分割手段と、分割後の各画像ファイル及びその全体画像における位置関係を特定する位置情報をまとめて特定のフォルダに格納する記憶手段と、少なくとも前記フォルダのURLへのリンク情報を本文の中に含む電子メールを作成し前記受信者の携帯メールアドレスに送信する電子メール発行手段と、を具備したファイル転送サーバを設ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−71125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の手法によれば、共有元端末と共有先端末間の回線速度が低い場合であっても、縮小や圧縮無しに高速な共有を行うことが可能である。しかしながら、特許文献1に記載の手法では、ファイルが何らかの画像であることを前提にしている上、送受信において一度転送サーバを経由するので、共有元端末から転送サーバにファイルが送信される時間と、転送サーバから共有先端末にファイルが送信される時間とがそれぞれ独立に必要になり、全体としてかえって時間がかるおそれがあるという課題がある。
【0009】
そこで本発明の発明者は、ストレージ端末上のファイルを、共有先の端末でなく、共有元の端末である当該ストレージ端末上で再生、処理することで、共有先の端末が対象のファイルを直接処理できるかを問わない点に着目した。また、本発明の発明者は、共有の過程において、ファイル内容そのものを送受信せず、画面共有によりその処理内容のみを画面共有することで、元のファイル容量が著しく大きい場合であっても、通信容量を大幅に削減でき、即時に処理を開始可能であることに着目した。
【0010】
本発明は、これらの課題に鑑み、通信可能に接続されたストレージ端末上のファイルを、共有先の端末でなく、共有元の端末である当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させ、処理内容を画面共有により取得することで、処理対象のファイルの容量に関わらず、また、遠隔ファイルアクセス端末自体が処理対象のファイルを処理可能であるかに関わらず、遠隔から即時にファイル処理の開始が可能である遠隔ファイルアクセス端末、ストレージ端末、遠隔ファイルアクセス方法、遠隔ファイルアクセス端末用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、
前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末であって、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得する配置構造取得手段と、
前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付けるファイル指定受付手段と、
前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するファイルパス送信手段と、
前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始する画面共有手段と、
を備えることを特徴とする遠隔ファイルアクセス端末を提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末は、前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得し、前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付け、前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信し、前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始する。
【0014】
第1の特徴に係る発明は、遠隔ファイルアクセス端末のカテゴリであるが、遠隔ファイルアクセス方法及び、遠隔ファイルアクセス端末用プログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0015】
第2の特徴に係る発明は、前記所定のアプリケーションとして、前記取得した配置構造のうち、処理を行うアプリケーションの場所を指定する入力を受け付けるアプリケーション指定受付手段と、
前記指定を受け付けたアプリケーションの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するアプリケーションパス送信手段と、
を備えることを特徴とする第1の特徴に係る発明である遠隔ファイルアクセス端末を提供する。
【0016】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である遠隔ファイルアクセス端末は、前記所定のアプリケーションとして、前記取得した配置構造のうち、処理を行うアプリケーションの場所を指定する入力を受け付け、前記指定を受け付けたアプリケーションの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信する。
【0017】
第3の特徴に係る発明は、前記配置構造取得手段において、基準ディレクトリと最大取得階層の少なくともいずれかを送信し、それに基づいた範囲の配置構造を取得することを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明である遠隔ファイルアクセス端末を提供する。
【0018】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明である遠隔ファイルアクセス端末は、前記配置構造取得手段において、基準ディレクトリと最大取得階層の少なくともいずれかを送信し、それに基づいた範囲の配置構造を取得する。
【0019】
第4の特徴に係る発明は、前記画面共有手段において、前記ストレージ端末の画面全体の共有を行うのではなく、前記所定のアプリケーションの描画範囲部分のみについて画面共有を行うことを特徴とする、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である遠隔ファイルアクセス端末を提供する。
【0020】
第4の特徴に係る発明によれば、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明である遠隔ファイルアクセス端末は、前記画面共有手段において、前記ストレージ端末の画面全体の共有を行うのではなく、前記所定のアプリケーションの描画範囲部分のみについて画面共有を行う。
【0021】
第5の特徴に係る発明は、遠隔ファイルアクセス端末と通信可能に接続されたストレージ端末であって、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を、前記遠隔ファイルアクセス端末に送信する配置構造送信手段と、
前記遠隔ファイルアクセス端末から、処理対象となるファイルの、ファイルシステム上の場所を受信するファイルパス受信手段と、
前記受信したファイルパスで特定されるファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始するファイル処理開始手段と、
前記ファイル処理の開始に伴い、前記遠隔ファイルアクセス端末との間で画面共有を開始する画面共有手段と、
を備えることを特徴とするストレージ端末を提供する。
【0022】
第5の特徴に係る発明によれば、遠隔ファイルアクセス端末と通信可能に接続されたストレージ端末は、前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を、前記遠隔ファイルアクセス端末に送信し、前記遠隔ファイルアクセス端末から、処理対象となるファイルの、ファイルシステム上の場所を受信し、前記受信したファイルパスで特定されるファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始し、前記ファイル処理の開始に伴い、前記遠隔ファイルアクセス端末との間で画面共有を開始する。
【0023】
第6の特徴に係る発明は、ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、
前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末が実行する遠隔ファイルアクセス方法であって、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得するステップと、
前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付けるステップと、
前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するステップと、
前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始するステップと、
を備えることを特徴とする遠隔ファイルアクセス方法を提供する。
【0024】
第7の特徴に係る発明は、ファイルシステムを備える一以上のストレージ端末と通信可能に接続され、
前記ストレージ端末上のファイルを当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させる遠隔ファイルアクセス端末に、
前記ストレージ端末の記憶部に記憶されたファイルの配置構造を取得するステップ、
前記取得した配置構造に基づいて、処理対象となるファイルを指定する入力を受け付けるステップ、
前記指定を受け付けたファイルの、ファイルシステム上の場所を前記ストレージ端末に送信するステップ、
前記ストレージ端末に、前記指定を受け付けたファイルを、所定のアプリケーションで処理を開始させるとともに、当該ストレージ端末との間で画面共有を開始するステップ、
を実行させることを特徴とする遠隔ファイルアクセス端末用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通信可能に接続されたストレージ端末上のファイルを、共有先の端末でなく、共有元の端末である当該ストレージ端末上のアプリケーションで処理させ、処理内容を画面共有により取得することで、処理対象のファイルの容量に関わらず、また、遠隔ファイルアクセス端末自体が処理対象のファイルを処理可能であるかに関わらず、遠隔から即時にファイル処理の開始が可能である遠隔ファイルアクセス端末、ストレージ端末、遠隔ファイルアクセス方法、遠隔ファイルアクセス端末用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、遠隔ファイルアクセスシステム1の概要を説明するための概要図である。
図2図2は、遠隔ファイルアクセスシステム1の全体構成図である。
図3図3は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50の機能ブロック図である。
図4図4は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50が実行する遠隔ファイルアクセス処理を示すフローチャート図である。
図5図5は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50が実行する配置構造取得処理を示すフローチャート図である。
図6図6は、ファイル指定の入力を受け付ける遠隔ファイルアクセス端末10の画面の一例である。
図7図7は、アプリケーションの描画範囲のみを画面共有している遠隔ファイルアクセス端末10とストレージ端末50の画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0028】
[遠隔ファイルアクセスシステム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である遠隔ファイルアクセスシステム1の概要を説明するための概要図である。遠隔ファイルアクセスシステム1は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)から構成される。
【0029】
初めに、遠隔ファイルアクセス端末10は、処理の対象となるファイルを選択し、場所を特定するために、ストレージ端末50に対して配置構造を要求する(ステップS01)。このとき、全ファイルの配置構造を走査するのには時間がかかるため、基準となる位置及び読み込む階層の深さを指定してもよいし、ストレージ端末50側で予め定められていてもよい。
【0030】
要求に対して、ストレージ端末50は、ファイルの配置構造を遠隔ファイルアクセス端末10に送信する(ステップS02)。配置構造を受信した遠隔ファイルアクセス端末10は、表示部に配置構造を表示し、ユーザは配置構造上で処理を行うファイルを指定する。
【0031】
本発明において、ファイルの処理とは、特定のアプリケーション又はOSを介した詳細情報の取得、読み込み、編集、書き込み、実行、その他のファイルアクセスを指すとともに、これらに限られない。
【0032】
遠隔ファイルアクセス端末10がファイルの指定を受け付けると、そのファイルのファイルシステム上の場所、いわゆるファイルパスをストレージ端末50に対して送信する(ステップS03)。このとき、同様に、対象のファイルを処理するアプリケーションの場所を、アプリケーションパスとして送信してもよい。
【0033】
ファイルパス、及びアプリケーションパスを受信したストレージ端末50は、アプリケーションパスで指定されたアプリケーションを用いて、対象のファイルの処理を開始する(ステップS04)。ここでアプリケーションパスを受信していない場合には、ストレージ端末50上で予め規定されたアプリケーションを利用してよい。また、そのアプリケーションはOS上で実行可能な形式であってもよいし、OS自体の処理系であってもよい。
【0034】
最後に、遠隔ファイルアクセス端末10は、ストレージ端末50との間で画面共有を開始する(ステップS05)。そうすることで、対象のファイル自体の容量に関わらず、処理結果を参照できる。また、遠隔ファイルアクセス端末10上に、当該ファイルを処理可能なアプリケーションがなくても、ファイルの処理を実行可能である。ここで画面共有は、原則ストレージ端末50の画面全体であるが、アプリケーションの描画範囲、例えばアプリケーションウィンドウが特定可能な場合には、その描画範囲のみを共有してよい。
【0035】
以上が、遠隔ファイルアクセスシステム1の概要である。
【0036】
[遠隔ファイルアクセスシステム1のシステム構成]
図2は、本発明の好適な実施形態である遠隔ファイルアクセスシステム1のシステム構成図である。ここで、遠隔ファイルアクセス端末10は、公衆回線網3を介して、ストレージ端末50と通信可能に接続されている。
【0037】
遠隔ファイルアクセス端末10は、ユーザがファイルの遠隔アクセスを行うために利用され、ディスプレイを初めとする出力画面を備えている、一般的な情報機器や電子機器であってよい。遠隔ファイルアクセス端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン、テレビ、コンピュータに加えて、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0038】
ストレージ端末50は、記憶部を備え、当該記憶部に遠隔ファイルアクセス端末10の処理対象となるファイルを記憶し、遠隔ファイルアクセス端末10と同様に出力画面を備えるほか、後述する機能を備える、一般的な情報機器や電子機器であってよい。
【0039】
[各機能の説明]
図3は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0040】
遠隔ファイルアクセス端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0041】
さらに、遠隔ファイルアクセス端末10は、入出力部13として、制御部で制御したデータや画像を出力表示するディスプレイや、音声を再生するスピーカー等から構成される表示部を備え、かつ、利用者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備える。
【0042】
遠隔ファイルアクセス端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、配置構造取得モジュール14、ファイルパス送信モジュール15、アプリケーションパス送信モジュール16を実現する。また、遠隔ファイルアクセス端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12及び入出力部13と協働して、画面共有モジュール17を実現する。また、遠隔ファイルアクセス端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部13と協働して、ファイル指定受付モジュール18、アプリケーション指定受付モジュール19を実現する。
【0043】
ストレージ端末50は、同様に、制御部51として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部52として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。また、ストレージ端末50は、入出力部53として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備える。
【0044】
ストレージ端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52と協働して、配置構造送信モジュール54、ファイルパス受信モジュール55、アプリケーションパス受信モジュール56、ファイル処理開始モジュール57を実現する。また、ストレージ端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52、及び入出力部53と協働して、画面共有モジュール58を実現する。
【0045】
[遠隔ファイルアクセス処理]
図4は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50が実行する遠隔ファイルアクセス処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0046】
はじめに、遠隔ファイルアクセス端末10の配置構造取得モジュール14、及びストレージ端末50の配置構造送信モジュール54は、ストレージ端末50のファイルシステムにおける配置構造を取得するため、配置構造取得処理を実行する(ステップS11)。
【0047】
[配置構造取得処理]
図5は、遠隔ファイルアクセス端末10、ストレージ端末50が実行する配置構造取得処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0048】
初めに、遠隔ファイルアクセス端末10の配置構造取得モジュール14は、配置構造を取得する基準となる基準ディレクトリ、及び最大取得階層をストレージ端末50に送信し(ステップS21)、ストレージ端末50の配置構造送信モジュール54はこれを受信する(ステップS22)。
【0049】
また、同様に、遠隔ファイルアクセス端末10の配置構造取得モジュール14は、配置構造の取得要求をストレージ端末50に送信し(ステップS23)、ストレージ端末50の配置構造送信モジュール54はこれを受信する(ステップS24)。前記の基準ディレクトリ、及び最大取得階層の送受信と、取得要求の送受信は、一度の通信で同時に行われてよい。
【0050】
ここで、基準ディレクトリは、ユーザから意識的に入力されてもよいし、例えば前回の実行時に最後にファイルを処理したディレクトリのように、自動で指定されてもよい。ストレージ端末50が受信を行わず任意の設定を行ってもよいが、遠隔ファイルアクセス端末10側から基準ディレクトリ、及び最大取得階層の指定を可能とし、繰り返し取得実を行う事で、逐次の配置構造取得が可能となる。
【0051】
次に、ストレージ端末50の配置構造送信モジュール54は、カレントディレクトリを配置構造の取得の基準となる基準ディレクトリに変更する(ステップS25)。そして、最大取得階層の範囲で、配置構造を取得する(ステップS26)。ここで一般に、ディレクトリ構造は木構造になっているので、最大取得階層は整数で表される。特に指定がない限り、上下の範囲をそれぞれ取得してよい。なお、シンボリックリンクを利用することで、一般の木構造よりも複雑な構造を実現することも可能である。
【0052】
最後に、配置構造送信モジュール54は、取得した配置構造を遠隔ファイルアクセス端末10に送信し(ステップS27)、遠隔ファイルアクセス端末10の配置構造取得モジュール14がこれを受信する(ステップS28)。以上が、配置構造取得処理の手順である。
【0053】
遠隔ファイルアクセス処理に戻り、遠隔ファイルアクセス端末10は取得した配置構造を画面に表示するとともに、ファイル指定受付モジュール18が、処理対象ファイルの指定を受け付ける(ステップS12)。
【0054】
次に、遠隔ファイルアクセス端末10のファイルパス送信モジュール15は、ストレージ端末50に処理対象となるファイルパスを送信し(ステップS13)、ストレージ端末50のファイルパス受信モジュール55がこれを受信する(ステップS14)。
【0055】
同様に、遠隔ファイルアクセス端末10は取得した配置構造を画面に表示し、アプリケーション指定受付モジュール19が、処理対象ファイルを処理するアプリケーションの指定を受け付ける(ステップS15)。そして、遠隔ファイルアクセス端末10のアプリケーションパス送信モジュール16は、ストレージ端末50に処理対象となるファイルパスを送信し(ステップS16)、ストレージ端末50のアプリケーションパス受信モジュール56がこれを受信する(ステップS17)。
【0056】
図6は、ファイル指定の入力を受け付ける遠隔ファイルアクセス端末10の画面の一例である。受信した配置構造61は画面上に示され、現在の選択中の階層62の背景は黒で表示される。ポインタ63、またはタップを使ってディレクトリやファイルを選択可能であり、例えばファイルをダブルタップすることで処理対象のファイルとして指定する。また、上の階層を取得するボタン64、及び下の階層を取得するボタン65を押し下げることで、現在選択中のディレクトリを基準として、配置構造を取得又は更新することが可能である。
【0057】
次に、ストレージ端末50のファイル処理開始モジュール57は、受信したアプリケーションパスで指定されたアプリケーションを用いて、対象のファイルの処理を開始する(ステップS18)。ここでアプリケーションパスを受信していない場合には、ストレージ端末50上で予め規定されたアプリケーションを利用してよい。
【0058】
また、ファイルを処理するアプリケーションは実行可能なアプリケーションのみならず、例えば処理対象となるファイルの拡張子が「exe」、「bat」、「sh」といった場合においては、OS自体が処理を行うアプリケーションであってよい。
【0059】
そして、ストレージ端末50の画面共有モジュール58は、画面の表示内容を取得し、遠隔ファイルアクセス端末10に送信することで、画面共有を開始する(ステップS19)。ここで、取得する表示内容の範囲は、画面全体であってもよいし、アプリケーションの描画範囲が一つのウィンドウであるといったように特定可能である場合には、その描画範囲のみを取得して送信してよい。
【0060】
最後に、遠隔ファイルアクセス端末10の画面共有モジュール17は、ストレージ端末50から表示内容を受信し、遠隔ファイルアクセス端末10の表示部に表示することで、画面共有を行う(ステップS20)。
【0061】
図7は、アプリケーションの描画範囲のみを画面共有している遠隔ファイルアクセス端末10とストレージ端末50の画面の一例である。アプリケーションの処理内容はウィンドウ71に表示されているため、ウィンドウ71のみがアプリケーションの描画範囲として遠隔ファイルアクセス端末10に共有され、ウィンドウ72として表示されている。
【0062】
図7において、その他の範囲の画面は共有されておらず、例えばデスクトップ上のフォルダ73が描画されるべき場所74は、遠隔ファイルアクセス端末10上において何も表示されていない。これにより、データの転送量を抑えると同時に、両端末の画面解像度が異なっていても、縮小の割合を小さくすることが可能となる。
【0063】
以上の処理手続きにおいて、配置構造及び処理の内容は出力として共有されているが、ファイルそのもの内容は一切送受信されていない。結果、ファイルの容量に関わらず、また、遠隔ファイルアクセス端末10が当該ファイルを処理可能であるかに関わらず、遠隔からファイル処理を行うことが可能である。以上が、遠隔ファイルアクセス処理の手順である。
【0064】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 遠隔ファイルアクセスシステム、3 公衆回線網、10 遠隔ファイルアクセス端末、50 ストレージ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7