特開2015-10303(P2015-10303A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015010303-衣服用試着採寸具 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-10303(P2015-10303A)
(43)【公開日】2015年1月19日
(54)【発明の名称】衣服用試着採寸具
(51)【国際特許分類】
   A41H 1/02 20060101AFI20141216BHJP
【FI】
   A41H1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-136964(P2013-136964)
(22)【出願日】2013年6月28日
(71)【出願人】
【識別番号】513164989
【氏名又は名称】株式会社DEMO
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】角田 芳泰
(57)【要約】
【課題】 衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズの衣服を提供できる衣服用試着採寸具の提供。
【解決手段】
折たたみ中心線を挟んで略対称形状の樹脂製の模擬衣服と、模擬衣服を着用者の体型に合わせてサイズ調整するアジャスタと、を含む。アジャスタは折りたたみ中心線を挟んだ対称位置に一対としてそれぞれ与えられる。このアジャスタは、採寸方向に沿って模擬衣服を縮小させて固定可能であるとともにこの固定位置で採寸値を読み取り可能な目盛りを与えられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服用の試着採寸具であって、折たたみ中心線を挟んで略対称形状の樹脂製の模擬衣服と、前記模擬衣服を着用者の体型に合わせてサイズ調整するアジャスタと、を含み、前記アジャスタは前記折りたたみ中心線を挟んだ対称位置に一対としてそれぞれ与えられ、採寸方向に沿って前記模擬衣服を縮小させて固定可能であるとともにこの固定位置で採寸値を読み取り可能な目盛りを与えられていることを特徴とする衣服用試着採寸具。
【請求項2】
前記アジャスタは採寸方向に沿って離間した前記模擬衣服上の2位置にそれぞれ固定されている一対の帯状体を有し、一対の前記帯状体の重なり量に対応して前記目盛りが与えられていることを特徴とする請求項1記載の衣服用試着採寸具。
【請求項3】
胴囲を採寸するための一対の前記アジャスタは胴周り左右側部に1つずつ与えられていることを特徴とする請求項2記載の衣服用試着採寸具。
【請求項4】
股上を採寸するための一対の前記アジャスタは前身頃部の左右に1つずつ与えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の衣服用試着採寸具。
【請求項5】
袖丈及び着丈の採寸値を読み取り可能な目盛りをそれぞれ袖口及び前身頃に与えられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の衣服用試着採寸具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者に適切なサイズの衣服を提供するための衣服用採寸具に関し、特に、衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズの衣服を提供できる衣服用試着採寸具に関する。
【背景技術】
【0002】
カタログ通信販売やインターネット通信販売が広く普及し、顧客は店舗に出向くことなく家庭に居ながら衣服等の商品を手に入れることができるようになった。一方で、顧客は直接商品を手に触れてこれを選択できないため、実際に手元に届いた商品の印象が異なっていたり、サイズが意図したものではなかったり、種々の問題を生じることも多い。これに対し、最近では、顧客に商品の返却や交換を認める通信販売業者も増えてきたが、返却等を認められても最適な商品を手に入れられないのでは顧客の満足を得ることはできない。また、通信販売業者にとって、一旦納品した商品の返却率及び交換率の高さは経営を圧迫する原因ともなり得る。そこで商品の情報をより正確且つ詳細に顧客に提示する努力が図られている。
【0003】
ところで、衣服の通信販売では、通信販売業者はあらかじめいくつかのサイズの衣服を用意しかかるサイズを顧客に提示し、顧客は提示されたサイズを確認しながらこれを指定して商品を注文する。例えば、S・M・Lサイズ、身長**〜**cm用など、典型的なサイズの提示方法がある。更に、衣服のうち、上着であれば胴囲、肩幅、着丈、袖丈など、ズボンであればウエスト、股上、股下、すそ周り、もも周り、ヒップなどを細かく提示すれば、顧客はより正確に商品を理解し得る。一方で、顧客にとってはこれら細かいサイズが自分に合っているか確認する必要があり、これらを簡易に測定する採寸手段が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1では、衣服にメジャーを組み合わせた伸縮自在な素材からなるパターンオーダ仕立てのための採寸具を開示している。詳細には、伸縮自在な採寸用衣服の各部位に一端が基準点零として固定され、他端が採寸点として移動自由に装着された採寸用メジャーを用いて、これに表された採寸値を読み取ることで採寸用衣服を着用した着用者の実寸を採寸できるとしている。これによれば、上着の場合、首廻り、肩巾、袖丈、胸巾、胴囲など、ズボンの場合、ウエスト、もも周り、ヒップ、ひざ位置など、着用者の細かいサイズを熟練を要さずに正確に採寸できる。
【0005】
また、特許文献2では、衣服自体に目盛りを入れた採寸用衣服を着用した上で採寸を行う採寸方法を開示している。採寸用衣服は、巻き付け片を巻き付けてサイズ合わせをする部分、折り返してサイズ合わせをする部分、そのまま目視によりサイズ合わせをする部分の3つの種類の部分が設けられており、それぞれの目盛りを読み取ることで着用者のサイズを求めることができる。このような1着の見本を準備するだけで、多種類のサイズに適合してサイズ合わせを行うことができるとも述べている。
【0006】
更に、特許文献3では、衣服自体に目盛りとしての基準線を入れた採寸用衣服を開示している。採寸用衣服の切れ込みを入れた両側部において、その切れ込みを挟んで両端部を着脱自在の係止手段、例えば、面ファスナーのようなもので合わせ、基準線よりもプラスかマイナスかを採寸できるとしている。また、基本的な採寸部位について通常の採寸を行った後、上記の採寸用衣服の中から着用者の所望する種類と体型に応じた基準サイズとからなる採寸用衣服を選択させ、この採寸用衣服を被採寸者に着用させて各採寸部位を採寸するとしている。これによれば、より正確な採寸が可能となると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−88552号公報
【特許文献2】特開平9−67711号公報
【特許文献3】特開2004−293017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、顧客が店舗で衣服を選ぶときには、提示されたおおまかなサイズを確認して試着した上で、細部のサイズが適切かどうかを判断してこれを購入する。ここで、この細部のサイズが適切かどうかは、衣服の種類、ブランドなど、着用者の実際の身体サイズとは異なり、衣服の着用イメージが重要になってくる。つまり、衣服に対応させて着用イメージに適合した採寸値を知る必要がある。
【0009】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズの衣服を提供できる衣服用試着採寸具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による衣服用の試着採寸具は、折たたみ中心線を挟んで略対称形状の樹脂製の模擬衣服と、前記模擬衣服を着用者の体型に合わせてサイズ調整するアジャスタと、を含み、前記アジャスタは前記折りたたみ中心線を挟んだ対称位置に一対としてそれぞれ与えられ、採寸方向に沿って前記模擬衣服を縮小させて固定可能であるとともにこの固定位置で採寸値を読み取り可能な目盛りを与えられていることを特徴とする。
【0011】
かかる発明によれば、採寸による模擬衣服の形崩れを防止できて、衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズを与え、適切なサイズの衣服を選択できるようにさせるのである。
【0012】
上記した発明において、前記アジャスタは採寸方向に沿って離間した前記模擬衣服上の2位置にそれぞれ固定されている一対の帯状体を有し、一対の前記帯状体の重なり量に対応して前記目盛りが与えられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、着用者自らの容易な操作で衣服の着用イメージを得ながら、採寸値をも得られるのである。
【0013】
上記した発明において、胴囲を採寸するための一対の前記アジャスタは胴周り左右側部に1つずつ与えられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、採寸による模擬衣服の胴周りの形崩れを防止できて、衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズを与え、適切なサイズの衣服を選択できるようにさせるのである。
【0014】
上記した発明において、股上を採寸するための一対の前記アジャスタは前身頃部の左右に1つずつ与えられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、採寸による模擬衣服の前身頃周囲の形崩れを防止できて、衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズを与え、適切なサイズの衣服を選択できるようにさせるのである。
【0015】
上記した発明において、袖丈及び着丈の採寸値を読み取り可能な目盛りをそれぞれ袖口及び前身頃に与えられていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、衣服の着用イメージを与えつつ着用者に適切なサイズを与え、適切なサイズの衣服を選択できるようにさせるのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による試着採寸具(上着)の正面図である。
図2】本発明による試着採寸具の要部の正面図である。
図3】本発明による試着採寸具(ズボン)の正面図である。
図4】本発明による試着採寸具(ズボン)の背面図である。
図5】本発明による試着採寸具を用いた衣服の販売方法を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本発明による試着採寸具の1つの実施例である試着採寸用上着について図1及び図2を用いて説明する。
【0018】
図1に示すように、試着採寸用上着1は、樹脂製であり、前身頃2と、前身頃2の裏側に位置する後身頃3と、左右に一対の袖4とを有する。前身頃2、後身頃3及び袖4は、それぞれ中心線Cを挟んで左右略対称形である。前身頃2の襟口21には中心線Cに沿った前開き部22を有している。前開き部22はボタンにより開閉自在とされ、着用を容易にしている。
【0019】
袖口41を折り返した位置には目盛42が備えられており、これにより折り返した袖4の丈を指定の寸法に容易に調整できる。同様に、前身頃2の裾23を折り返した位置にも目盛24を有しており、後身頃3の裾とともに折り返して、試着採寸用上着1の着丈を指定の寸法に容易に調整できる。これらの折り返しは面ファスナー等で係止できるようにしてもよい。
【0020】
前身頃2において、肩部、胸周り部、胴周り部のそれぞれには、中心線Cを挟んで左右対称位置に一対ずつアジャスタ30を備えている。図2を併せて参照すると、アジャスタ30は、テープアジャスターと呼ばれる寸法調整具であり、樹脂性の環体31とこれに固定された固定帯32と、環体31に挿通された寸法調整帯33とを有する。固定帯32はその一端を環体31に固定され、他端を試着採寸用上着1の所定の位置に縫い付けられた縫付部34としている。
【0021】
寸法調整帯33は、その一端を固定帯32に重ねられつつ環体31に対してスライドできて任意の位置で固定できるよう挿通されており、他端を試着採寸用上着1の所定の位置に縫い付けられて縫付部35としている。また、寸法調整帯33には、寸法調整帯を固定した位置でのアジャスタ30の長さ、すなわち縫付部34及び35間の寸法を読み取り可能な目盛り36が設けられている。これにより、アジャスタ30の設けられた部位の寸法を目盛り36によって読み取り可能であるとともに、着用者によって容易に、かかる寸法を任意に調整して固定できる。
【0022】
肩部に備えられるアジャスタ30は、前身頃2の左右に1つずつ、肩口25及び襟口21にそれぞれ縫付部34及び35を縫い付けられて左右方向に向けて固定されている。これによって肩幅の寸法を調整可能である。また、胸周り部に備えられるアジャスタ30は、前身頃2の左右側部に1つずつ、側端部と中央寄りの2カ所にそれぞれ縫付部34及び35を縫い付けられて左右方向に向けて固定される。これによって胸周りの寸法を調整可能である。また、胴周り部に備えられるアジャスタ30は、同様に左右側部に1つずつ、左右方向に向けて固定されている。これによって胴周りの寸法を調整可能である。アジャスタ30を前身頃2に固定することで、試着採寸用上着1を着たまま着用者によって各部の寸法を調整することが容易になる。
【0023】
なお、胸周り部及び胴周り部に固定されるアジャスタ30は、例えば側端部の縫い目を挟むよう、前身頃2と後身頃3とのそれぞれに縫付部34及び35を縫い付けられてもよい。この場合、前身頃2及び後身頃3の両方の寸法をバランス良く詰めることができ、実際の衣服により近い着用イメージを再現し得る。また、アジャスタ30は、縫い付けられる位置に合わせて調整可能な寸法の範囲を変更することもできる。例えば、肩部においては胴周り部に比べて調整可能な寸法の範囲は小さくてもよい。
【0024】
上記したように、試着採寸用上着1は、アジャスタ30によって肩幅、胸周り、胴周りの寸法を調整でき、折り返しによって袖丈及び着丈を指定の寸法に容易に調整できる。また、アジャスタ30は左右対称に設けられるから、試着採寸用上着1の形崩れを防止できる。これにより、試着採寸用上着1は、指定の寸法を有する上着の着用イメージを与えつつ試着でき、着用者に適切なサイズを与え、適切なサイズの上着を選択できるようにさせる。
【0025】
次に、本発明による他の1つの実施例である試着採寸用ズボンについて図3及び図4を用いて説明する。
【0026】
図3及び図4に示すように、試着採寸用ズボン10は、それぞれ樹脂製であって、前身頃12と、前身頃2の裏側に位置する後身頃13とを有する。前身頃12、後身頃13は、それぞれ中心線C’を挟んで左右対称形であり、左右に分かれた股下部分12a、13aと股上部分12b、13bとを有する。前身頃2のウエスト端部11には中心線C’に沿った前開き部14を有している。前開き部14はボタンにより開閉自在とされ、着用を容易にしている。
【0027】
裾口15を折り返した位置には目盛16が備えられている。これにより折り返した股下部分12a(13a)の丈を指定の寸法に容易に調整できる。かかる折り返しは面ファスナー等で係止できるようにしてもよい。
【0028】
前身頃12において、ウエスト周り部及びヒップ周り部の左右の側端部には、中心線Cを挟んで左右対称位置に一対ずつ左右方向に向けたアジャスタ30を備えている。アジャスタ30は、試着採寸用上着1において使用したものと同様である。これによりウエスト周り及びヒップ周りの寸法を調整可能である。
【0029】
また、前身頃12において、太もも周り部にも中心線C’を挟んで左右対称位置のそれぞれに2つずつ左右方向に向けたアジャスタ30を備えている。左右のうち一方の太もも周り部においては、前身頃12の股下部分12aの左側端部及び中央寄りの部位に縫付部34及び35を縫い付けた1つのアジャスタ30と、右側端部及び中央寄りの部位に縫付部34及び35を縫い付けた1つのアジャスタ30との都合2つのアジャスタ30を備えている。これにより太もも周りの寸法を調整可能にするとともに、形崩れを防ぎつつ調整可能な寸法を大きくできる。
【0030】
更に、前身頃12及び後身頃13の股上部分12b及び13bのそれぞれにおいて、中心線C’を挟んで左右対称位置に一対ずつ上下方向に向けたアジャスタ30を備えている。これにより股上寸法を調整可能にするとともに、前見頃12及び後身頃13の両者の股上寸法を同時に調整できて形崩れを防止できる。
【0031】
以上により、試着採寸用ズボン10においても、指定の寸法を有するズボンの着用イメージを与えつつ試着でき、着用者に適切なサイズを与え、適切なサイズのズボンを選択できるようにさせる。
【0032】
上記した実施例では、試着採寸用上着1又は試着採寸用ズボン10によれば、着用者の各部位を採寸できるとともに、指定の寸法を有する衣服の着用イメージを与えつつ試着できる。すなわち、複数の既製品の異なる寸法をそれぞれ再現できる。例えば、既製品の寸法がブランド毎に異なる場合であっても、各ブランドの寸法を再現して試着できるのである。また、試着採寸用上着1又は試着採寸用ズボン10について、ブランド毎にそのブランドの典型的な衣服の形を再現するようにすれば、かかるブランドの実際の衣服により近い着用イメージを再現し得る。また、試着採寸用上着1又は試着採寸用ズボン10は樹脂性であるため、ブランドのイメージカラーや典型的な配色を印刷しておけば、試着したときの外見のイメージをより再現しやすい。
【0033】
続いて、上記した試着採寸用上着1や試着採寸用ズボン10などの衣服用の試着採寸具を使用した衣服の販売方法について図5を用いて説明する。
【0034】
図5に示すように、まず、消費者であるユーザがブランド(アパレルブランド)のECサイトにアクセスする。ECサイトはアパレルブランドが自らの商品(衣服)をインターネット上で電子商取引によって販売するために、ブランド若しくはこれに委託を受けた業者によって運営されるウェブサイトである。ユーザはパーソナルコンピュータ等の端末の表示装置に表示されるECサイトユーザー用画面を見ながら、端末を操作してECサイトに掲載される商品である衣服の中から購入を検討するお気に入り商品を選択する。すると、かかる商品に関する説明として、着丈やウエスト周りなどの衣服の詳細なサイズが表示される。
【0035】
ユーザは、衣服の詳細なサイズを上記した衣服用の試着採寸具によって再現する。すなわち、各部のアジャスタ30を表示装置に表示される詳細なサイズに合わせて調整するのである。これを着用することで、ユーザ(着用者)は選択した商品の寸法を試着して、そのサイズが自らの体型に合うかを確かめつつ、着用イメージを確認することができる。つまり、衣服用の試着採寸具を有していれば、自宅に居ながら、購入を検討する商品の寸法を再現でき、これを試着できるのである。
【0036】
試着採寸具を試着したユーザは、自分の体型に合うサイズであるか否かを確かめ、サイズの合わない場合には、他の商品をお気に入り商品として試着をやり直すか、又はそこで終了する。サイズの合わない旨を端末に入力させるようにしてもよい。その場合、入力された情報はECサイトを運営するためのサーバコンピュータへ送信され、そのデータベースに購入機会逸失商品データとして蓄積される。他方、サイズの合うことを確認し購入の意思のある場合には、商品購入手続きに進み、購入手続きに必要な情報を端末に入力する。かかる情報はサーバコンピュータに送信されて、そのデータベースに顧客購入履歴データとして蓄積される。これに伴い、発注情報がアパレルブランドの商品管理・発送部門に送信される。また、発注情報に基づいて商品の発送手配がなされる。購入した商品がユーザに送達され、ユーザは試着採寸具によって寸法を再現し試着した商品を入手することができる。
【0037】
また、データベースに蓄積された顧客購入履歴データから購入実績商品のデータを得て、これによりアパレルブランドにて売れ筋の商品を抽出するとともに以降の商品の生産に反映させることができる。また、購入機会逸失商品データや顧客購入履歴データを元に、各ユーザにお勧め商品の情報をメールマガジンで配布するなどして、ユーザのリピート購入を促すことができる。
【0038】
このような販売方法において、例えば、複数のブランドの商品を1つのECサイトで取り扱う場合、ユーザは複数のブランドの中から商品を選択できる。また、上記した試着採寸具を各ブランドの典型的な衣服の形や色を反映したものとしてブランド毎に用意し、これをユーザに使用させると、ユーザはブランドイメージにより近い試着採寸具を試着できる。
【0039】
なお、上記した試着採寸具は、例えばカタログ通販などの他の衣服の通信販売方法での使用にも適している。すなわち、商品説明として衣服の詳細なサイズをカタログなどにおいて表示すれば、ユーザは自宅に居ながら試着採寸具を用いて商品の寸法を再現し、これを試着してサイズ及び着用イメージを確かめることができる。
【0040】
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0041】
1 試着採寸用上着
2、12 前身頃
3、13 後身頃
10 試着採寸用ズボン
30 アジャスタ
図1
図2
図3
図4
図5