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特開2015-103242タッチセンサモジュールおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-103242(P2015-103242A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】タッチセンサモジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150508BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/041 660
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-106173(P2014-106173)
(22)【出願日】2014年5月22日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0142876
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,グァン ハ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ギョン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジ ス
(57)【要約】
【課題】電極パッドおよびフレキシブルケーブルの湿気による断線および接触不良を防止することができるタッチセンサモジュールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のタッチセンサモジュールは、電極パターン120、および電極パターン120の電気的信号を外部に伝達する電極パッド140を具備するベース基板110と、電極パッド140の一面上に接して前記電気的信号を伝達するように形成された接着層200を具備するフレキシブルケーブル300と、電極パターン120を塗布する塗布層500と、を含み、接着層200と塗布層500が、加圧によりそれぞれ流出する接着液と塗布液が互いに重なるように形成されているものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極パターン、および前記電極パターンの電気的信号を外部に伝達する電極パッドを具備するベース基板と、
前記電極パッドの一面上に接して前記電気的信号を伝達するように形成された接着層を具備するフレキシブルケーブルと、
前記電極パターンを塗布する塗布層と、を含み、
前記接着層と塗布層が、加圧によりそれぞれ流出する接着液と塗布液が互いに重なるように形成されている、タッチセンサモジュール。
【請求項2】
前記塗布液を前記接着液が覆うように形成される、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項3】
前記接着液を前記塗布液が覆うように形成される、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項4】
前記塗布液と接着液がそれぞれ150μm以下流出する、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項5】
前記塗布液と接着液が重なる距離が100μm以下の範囲を有する、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項6】
前記塗布層がOCA(Optical Clear Adhesive)からなる、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項7】
前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項8】
前記塗布層と電極パターンとの間にパッシベーション層が形成されている、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項9】
a)ベース基板を準備する段階と、
b)前記ベース基板に形成された電極パターンに塗布層を塗布する段階と、
c)前記塗布層から加圧により電極パッドに向かって塗布液が流出する段階と、
d)前記ベース基板に形成された電極パッドに接着層を結合する段階と、
e)前記接着層の加圧により塗布液に向かって接着液が流出する段階と、を含む、タッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項10】
前記a)段階の後に、a1)前記電極パターンにパッシベーション層を形成する段階をさらに含む、請求項9に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項11】
前記e)段階は、e1)前記接着液が前記塗布液を覆うように形成する段階を含む、請求項9に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項12】
前記e)段階において、前記塗布液と接着液が重なる距離が100μm以下の範囲を有する、請求項9に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項13】
前記b)段階において、前記塗布層がOCA(Optical Clear Adhesive)材質を用いる、請求項9に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項14】
前記d)段階において、前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する、請求項9に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサモジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を用いてテキストおよびグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボードおよびマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置として、タッチセンサ(touch sensor)が開発された。
【0005】
このようなタッチセンサは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するために利用される機器である。
【0006】
また、タッチセンサの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁方式(Electro−Magnetic Type)、表面弾性波方式(SAW Type;Surface Acoustic Wave Type)および赤外線方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような様々な方式のタッチセンサは、信号増幅の問題、解像度の差、設計および加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性および経済性を考慮して電子製品に採用されるが、現在、最も幅広い分野で用いられている方式は、抵抗膜方式タッチセンサおよび静電容量方式タッチセンサである。
【0008】
従来技術によるタッチセンサの具体的な一例としては、特許文献1に開示されたタッチセンサが挙げられる。
【0009】
特許文献1の内容のうち、従来技術に関する説明に開示されているタッチセンサの構造は、基板と、基板に形成された電極と、電極から延長して基板の一端に集結した電極配線と、電極配線とフレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board;以下、「フレキシブルケーブル」とする)を介して連結されたコントローラと、を含んでなる。
【0010】
ここで、フレキシブルケーブルは、電極から発生した信号を電極配線を経て制御部に伝達する機能を果たす。この際、フレキシブルケーブルは、信号を伝達するために電極配線と電気的に接して連結される。しかし、フレキシブルケーブルおよび電極配線において、湿気の浸透により接続不良が頻繁に発生し、頻繁な接続不良によって製品に対する信頼性が低下するという問題点が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第2011−0107590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブルの湿気による断線および接触不良を防止することができるタッチセンサモジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールは、電極パターン、および前記電極パターンの電気的信号を外部に伝達する電極パッドを具備するベース基板と、前記電極パッドの一面上に接して前記電気的信号を伝達するように形成された接着層を具備するフレキシブルケーブルと、前記電極パターンを塗布する塗布層と、を含み、前記接着層と塗布層が、加圧によりそれぞれ流出する接着液と塗布液が互いに重なるように形成されているタッチセンサモジュールを提供する。
【0014】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記塗布液を前記接着液が覆うように形成される。
【0015】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記接着液を前記塗布液が覆うように形成される。
【0016】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記塗布液と接着液がそれぞれ150μm以下流出する。
【0017】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記塗布液と接着液が重なる距離が100μm以下の範囲を有する。
【0018】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記塗布層がOCA(Optical Clear Adhesive)からなる。
【0019】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する。
【0020】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記塗布層と電極パターンとの間にパッシベーション層が形成されている。
【0021】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、a)ベース基板を準備する段階と、b)前記ベース基板に形成された電極パターンに塗布層を塗布する段階と、c)前記塗布層から加圧により電極パッドに向かって塗布液が流出する段階と、d)前記ベース基板に形成された電極パッドに接着層を結合する段階と、e)前記接着層の加圧により塗布液に向かって接着液が流出する段階と、を含むタッチセンサモジュールの製造方法を提供する。
【0022】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記a)段階の後に、a1)前記電極パターンにパッシベーション層を形成する段階をさらに含む。
【0023】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記e)段階は、e1)前記接着液が前記塗布液を覆うように形成する段階を含む。
【0024】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記e)段階において、前記塗布液と接着液が重なる距離が100μm以下の範囲を有する。
【0025】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記b)段階において、前記塗布層がOCA(Optical Clear Adhesive)材質を用いる。
【0026】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記d)段階において、前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)の断線および接触不良を防止することができる。
【0028】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)の電気ショートを防止して製品の信頼性を確保することができる。
【0029】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)への湿気浸透を防止することができる。
【0030】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)の腐食を防止または遅延することができる。
【0031】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、タッチセンサの使用中に水分および汗の浸透を防止することができる。
【0032】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、外部の別の追加材料がなくてもフレキシブルケーブル(FPCB)および電極パッドへの水分浸透を防止することができる。
【0033】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、別のシール工程を行うことなく工程時間を短縮し、生産収率を増加することができる。
【0034】
また、電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層が互いに重なる重なり領域を形成することで、シール力および接着力を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの断面図である。
図2図1に対する要部の拡大図である。
図3図2における重なり領域で接着層が塗布層を覆う状態を示す例示図である。
図4図1における重なり領域で塗布層が接着層を覆う状態を示す例示図である。
図5】本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールの断面図である。
図6図5に対する電極パターンの平面図である。
図7】本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
図8】本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0037】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの断面図であり、図2は、図1に対する要部の拡大図であり、図3は、図2における重なり領域で接着層が塗布層を覆う状態を示す例示図であり、図4は、図1における重なり領域で塗布層が接着層を覆う状態を示す例示図であり、図5は、本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールの断面図であり、図6は、図5に対する電極パターンの平面図であり、図7から図8は、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
【0039】
本明細書の全体にわたり用いられている「タッチ」という用語は、接触受容面に対する直接の接触を意味するだけでなく、接触受容面に入力手段が相当近接していることも含む広い意味で解釈されるべきである。
【0040】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールは、電極パターン、および前記電極パターンの電気的信号を外部に伝達する電極パッドを具備するベース基板と、前記電極パッドの一面上に接して前記電気的信号を伝達するように形成された接着層を具備するフレキシブルケーブルと、前記電極パターンを塗布する塗布層と、を含み、前記接着層と塗布層が、加圧によりそれぞれ流出する接着液と塗布液が互いに重なるように形成されている。
【0041】
本発明は、タッチセンサモジュールの耐湿性をはじめ耐環境性の特性をより向上させるためのものであって、タッチセンサモジュールの内部への水分などの浸透を最小化するためのものである。これにより、高温多湿の環境でもその作動信頼性を維持することができ、ユーザの便宜を図り、タッチセンサモジュールの適用製品の分野をより多様化することができる。
【0042】
本発明において、タッチセンサ100としては、抵抗膜方式または静電容量方式、その他の様々なタッチセンサ100が適用されてもよく、タッチセンサ100の形態および種類は特に限定されない。ただし、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールでは、ベース基板110の両面に電極パターン120、130が形成された静電容量方式のタッチセンサ100を一つの例として説明する。
【0043】
図1を参照して説明すると、ベース基板110は、電極パターン120、130および電極配線(図示せず)が形成される領域を提供する機能を果たす。ここで、ベース基板110は、アクティブ領域とベゼル領域とに分けられ、アクティブ領域は入力手段のタッチを認識するように電極パターン120、130が形成される部分としてベース基板110の中心に設けられ、ベゼル領域は電極パターン120、130から延長する電極配線(図示せず)が形成される部分としてアクティブ領域の周縁に設けられる。
【0044】
この際、ベース基板110は、電極パターン120、130および電極配線(図示せず)を支持するための支持力と、画像表示装置(図示せず)で提供する画像をユーザに認識させるための透明性を備えなければならない。
【0045】
上述の支持力および透明性を考慮すると、ベース基板110の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどからなることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。ベース基板110の一面には後述する第1電極パターンが形成され、他面には第2電極パターンが形成される。
【0046】
電極パターン120、130は、入力手段がタッチする際に信号を発生してコントローラでタッチ座標を認識させる機能を果たすものであり、ベース基板110に形成される。本発明の実施例では、ベース基板110のX軸方向に形成される電極パターンを第1電極パターン120とし、ベース基板110のY軸方向に形成される電極パターンを第2電極パターン130とする。
【0047】
電極パターン120、130は、メッキ工程またはスパッタ(Sputter)を用いる蒸着工程で形成することができる。電極パターン120、130は、銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属を使用してもよく、導電性を有する金属でメッシュパターンを形成できる各種の物質を選択してもよいことは当業者にとって自明である。電極パターン120、130は、菱形パターン、四角形パターン、三角形パターン、円形パターンなど、当業界に公知のいずれのパターンに形成されてもよい。
【0048】
電極パターン120、130は、一方向のバーパターンと直交するバーパターンをベース基板110に形成する。電極パターン120、130は、ベース基板110の両面に電極パターン120、130が形成されてミューチュアル方式(Mutual type)のタッチセンサとしてタッチ駆動が可能である。
【0049】
また、ベース基板110の一面上に絶縁素材のブリッジを用いてダイヤモンドなどのパターンを互いに直交するように交差配列することで、一つのベース基板110に第1電極パターン120を形成してタッチセンサモジュールを具現してもよい(図6を参照)。
【0050】
電極配線(図示せず)は、上述の電極パターン120、130とフレキシブルケーブル300を電気的信号で連結する。電極配線(図示せず)は、シルクスクリーン法、グラビア印刷法またはインクジェット印刷法など、様々な印刷法でベース基板110上に形成することができる(図3を参照)。
【0051】
電極配線(図示せず)の素材としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(AG)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)の材質を用いることができる。電極配線(図示せず)には、電気伝導度に優れた銀ペースト(AG paste)または有機銀が用いられてもよい。ただし、このような例に限定されず、導電性高分子、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物または金属類など、低抵抗の金属素材からなってもよい。
【0052】
タッチセンサモジュールの方式にしたがって、第1電極パターン120の一端にのみ電極配線(図示せず)が連結される。電極配線(図示せず)の末端部には、フレキシブルケーブル300と電気的に連結される電極パッド140が配置される。換言すれば、電極配線(図示せず)の一部として電極パッド140が形成され、フレキシブルケーブル300が電気的に連結される。
【0053】
電極パッド140は、電極配線(図示せず)に連結されてベース基板110に形成される(図1を参照)。電極パッド140は、フレキシブルケーブル300とベース基板110のアクティブ領域、すなわち、ユーザのタッチを認識する領域に踏み込まないように形成される。電極パッド140は、ベース基板110の一側先端部に配置されて電極配線(図示せず)と連結される。電極パッド140は、接着層200と接してフレキシブルケーブル300に電気を通すように形成される。電極パッド140は、フレキシブルケーブル300が加圧されることで接着層200と結合される。
【0054】
この際、電極パッド140には、ベース基板110の積層方向に接着層200が結合する。電極パッド140には、接着層200の導電性ボール(図示せず)と接する接触面が形成される。接触面は、導電性ボール(図示せず)の直径より大きく形成される。電極パッド140は、ベース基板110の一側先端部に多数個が配置されてなる。この際、電極パッド140は、隣接した電極パッド同士が電気的干渉を起こさない距離だけ所定距離、離隔して形成される。
【0055】
本発明によれば、タッチセンサモジュールの耐湿性をはじめ耐環境性の特性をより向上させることができる。電極パターン、パッシベーション層および電極パッド上に塗布層と接着層を重なり合わせて水分浸透を防止することができる。
【0056】
パッシベーション層400は、電極パターン120、130の表面を塗布することで形成される。パッシベーション層400は、電極パターン120、130、電極配線(図示せず)および電極パッド140に水分が浸透することを防止する。パッシベーション層400は、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(SiN)からなる絶縁膜またはこれらを含む複合構造になるか、またはポリイミド、エポキシなどの素材からなってもよい。パッシベーション層400は、ベース基板の電極パターンが形成された一面または両面に形成される。パッシベーション層400は、電極パターン120、130の活性面を保護し、且つ水分浸透を防止する。
【0057】
塗布層500は、パッシベーション層400または電極パターン120、130の表面に形成される。塗布層500は、パッシベーション層400と画像表示装置520を接着する。すなわち、塗布層500の一面にはパッシベーション層400が接着され、他面には画像表示装置520が接着される。これは、一例として、塗布層500がパッシベーション層400と画像表示装置520を接着する。これにより、塗布層500は、互いに異なる材質および装置を互いに接着する。
【0058】
塗布層500の材質は、特に制限されず、光学透明接着剤(Optical Clear Adhesive、OCA)または両面接着テープ(Double Adhesive Tape、DAT)を用いてもよい。塗布層500は、パッシベーション層400への接着のために加圧される。塗布層500を加圧する際に電極パッド140に向かって塗布液の一部が流出して硬化される。
【0059】
フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に対応して結合される。フレキシブルケーブル300は、接着層200と、端子部320とを含む。フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に電気的に連結されて電極パターン120、130と制御部(図示せず)とを電気的に連結する。端子部320は、導電性ボール(図示せず)と接して電気的に連結される。端子部320は、多数個の電極パッド140と対応する位置に形成される。端子部320は、電極パッド140に接着層200を加圧して接着される。
【0060】
接着層200の下端面は電極パッド140に連結され、接着層200の上端面は端子部320に結合して接着される。すなわち、接着層200の内部に存在する導電性ボール(図示せず)の一面は電極パッド140に接着され、他面は端子部320に接着される。これは、接着層200が電極パッド140と端子部320に接着される形態を限定するためではない。
【0061】
接着層200は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)からなることが好ましい。場合に応じて、異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)などの導電性素材からなってもよい。
【0062】
接着層200は、電極パッド140に接触して電気的に連結される。接着層200は、加圧により電極パッド140に結合されるか、加圧により接着される場合、導電性を有する導電性ボール(図示せず)が内部に設けられる。導電性ボール(図示せず)は、電極パッド140と端子部320が結合過程中に加圧により接合されて、一方向に電気を通す。この際、接着層200は、加圧により、接着液の一部が電極パターンの方向に流出する。この際、先行する工程の塗布液が硬化し、後行する工程の接着液が塗布液上に積層される(図2を参照)。すなわち、塗布層500を接着層200が覆う形態に形成される。
【0063】
図2及び図3を参照して説明すると、接着層200と塗布層500から加圧により接着液と塗布液が流出する領域を変形領域とする。
【0064】
変形領域の距離をL、加圧により塗布液が流出する距離をc、加圧により接着液が流出する距離をa、塗布液および接着液が互いに積層される重なり領域の距離をbとする。
【0065】
塗布液と接着液が流出する変形領域は約300μmの距離を有するように形成される。これは、塗布層500と接着層200がベース基板110に加圧により接着される。この際、加圧の際に発生する圧力と硬化熱によって約150μmの距離を有する変形領域が形成される。そのため、加圧により塗布液が流出する距離cと加圧により接着液が流出する距離aは、それぞれ約150μm程度に形成される(図2を参照)。これにより、重なり領域は、通常、約100μm程度が重なる。
【0066】
図2及び図3を参照して説明すると、加圧により塗布液が約150μm流出して硬化される。後段工程の接着層から加圧により接着液が約150μm流出して塗布液を覆うように形成される。この際、塗布液と接着液が積層されて重なる重なり領域の距離bは100μm形成される。塗布液に接着液が覆われるように形成される際、様々な形態で積層される。接着液が塗布液を覆う形態に応じて鈍角/鋭角/直角の形状に形成することができる。これは、接着液の加圧および硬化の際に発生する熱に応じて様々な形態に形成されることができる。接着液は、塗布層の高さより低く形成することが好ましい。
【0067】
場合に応じて、工程順序を変更して、フレキシブルケーブル300を電極パッド140に接着し、塗布層が形成されてもよい。この際、先行する工程の接着液が硬化され、後行する工程の塗布液が接着液上に積層される。すなわち、接着層を塗布層が覆う形態に形成されてもよい(図4を参照)。
【0068】
図5および図6を参照して説明すると、本発明に係る第2実施例のタッチセンサモジュールについては、本発明に係る一実施例の同一構成要素であるベース基板110、接着層200、フレキシブルケーブル300、パッシベーション層400およびフレキシブルケーブル300の構造および材質に関する説明は省略し、本発明に係る第2実施例の電極パターン120、130について詳細に説明する。
【0069】
ベース基板110の一面上に電極パターン120、130が形成されることで、単層の電極パターン120、130でタッチセンサが形成される。本発明に係る第1変形例のタッチセンサモジュールは、ベース基板110上に、X軸方向の第1電極パターン120と、第1電極パターン120に交差するY軸方向の第2電極パターン130を形成することができる(図6を参照)。
【0070】
片面に第1電極パターン120と第2電極パターン130が交差して形成されるために、第1電極パターン120と第2電極パターン130が交差する部分には、いずれか一つの電極パターン上に絶縁パターンIが形成され、絶縁パターンI上に他の電極パターンが電気的に連結されるようにすることで、交差する第1電極パターン120と第2電極パターン130が電気的に連結することができる。
【0071】
交差する第1電極パターン120と第2電極パターン130の交差角は垂直のものに示されているが、その交差角は特に限定されず、二次元平面での座標を抽出するために、X軸とY軸の座標が出るように好適な角度に交差することが好ましい。電極パターン120、130の形成方法および材質については、上述の一実施例の電極パターンと同一であるため省略する。
【0072】
図7および図8を参照して説明すると、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法については、本発明に係る一実施例の同一構成要素であるベース基板110、接着層200、フレキシブルケーブル300、パッシベーション層400およびフレキシブルケーブル300の構造および材質に関する説明は省略する。
【0073】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、a)ベース基板を準備する段階と、b)前記ベース基板に形成された電極パターンに塗布層を塗布する段階と、c)前記塗布層から加圧により電極パッドに向かって塗布液が流出する段階と、d)前記ベース基板に形成された電極パッドに接着層を結合する段階と、e)前記接着層の加圧により塗布液に向かって接着液が流出する段階と、を含む。
【0074】
a)段階において電極パターンが形成されたベース基板を準備する。電極パターンの表面にパッシベーション層400を形成する。図7を参照して説明すると、b)段階においてパッシベーション層400の表面に塗布層500を形成する。塗布層500の一面にはパッシベーション層400を接着し、他面には画像表示装置520を接着する。塗布層500は、光学透明接着剤(Optical Clear Adhesive、OCA)または両面接着テープ(Double Adhesive Tape、DAT)を用いて、画像表示装置520をパッシベーション層400に接着する。この際、塗布層500は、パッシベーション層400に密着して接着されるように加圧する。塗布層500の塗布液が電極パッドに流出して硬化される(図8を参照)。
【0075】
図8を参照して説明すると、d)段階は電極パッド140にフレキシブルケーブル300を付着する段階である。電極パッド140に接着層200を接着する。この際、接着層200が電極パッド140に密着して接着されるように加圧する。接着層200から加圧により接着液が電極パターンに流出する。この際、加圧により、接着層200の接着液が塗布層500の塗布液を覆うように形成される。この際、接着層200は様々な形態で塗布液を積層する。例えば、鈍角、直角、鋭角などに形成されてもよい。
【0076】
塗布液と接着液は、加圧の際に発生する圧力と硬化熱によって約150μmの距離を有する変形領域が形成される。これにより、加圧により塗布液が流出する距離cと加圧により接着液が流出する距離aは、それぞれ約150μm程度に形成される。重なり領域は、通常、約100μm程度が重なり硬化される。塗布層500と接着層200が重なり水分浸透を防止する。
【0077】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0078】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、タッチセンサモジュールおよびその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
100 タッチセンサ
110 ベース基板
120 第1電極パターン(電極パターン)
130 第2電極パターン(電極パターン)
140 電極パッド
200 接着層
300 フレキシブルケーブル
320 第1端子部(端子部)
400 パッシベーション層
500 塗布層
520 画像表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8