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特開2015-103244タッチセンサモジュールおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-103244(P2015-103244A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】タッチセンサモジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150508BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20150508BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   G06F3/041 660
   G06F3/044 127
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-195823(P2014-195823)
(22)【出願日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0142875
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ウィ,ソン グォン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ハ ユン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ホ ジュン
(57)【要約】
【課題】パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブルの湿気による断線および接触不良を防止することができるタッチセンサモジュールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のタッチセンサモジュール1は、電極パターン120,130、および電極パターン120,130の電気的信号を外部に伝達する電極パッド140を具備するベース基板110と、電極パターン120,130の表面に塗布されるパッシベーション層400と、電極パッド140に対応して形成された端子部320、および電極パッド140と端子部320との間に配置される接着層200を具備するフレキシブルケーブル300と、を含み、パッシベーション層400が、端子部320に重ならないように形成されているものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極パターン、および前記電極パターンの電気的信号を外部に伝達する電極パッドを具備するベース基板と、
前記電極パターンの表面に塗布されるパッシベーション層と、
前記電極パッドに対応して形成された端子部、および前記電極パッドと前記端子部との間に配置される接着層を具備するフレキシブルケーブルと、を含み、
前記パッシベーション層が、前記端子部に重ならないように形成されている、タッチセンサモジュール。
【請求項2】
前記フレキシブルケーブルの一側方向に突出して形成され、湿気を防止し、且つ接着層が剥離することを防止するPI部をさらに含む、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項3】
前記フレキシブルケーブルの加圧により、前記接着層の接着液の一部が移動して前記パッシベーション層に積層される、請求項2に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項4】
前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する、請求項2に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項5】
前記フレキシブルケーブルの加圧により、前記接着層の導電性ボールの一部が移動して前記パッシベーション層に積層される、請求項4に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項6】
前記PI部の突出長さが前記導電性ボールの直径より長い、請求項5に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項7】
前記PI部の突出長さが、組立公差を考慮して、500μm以上に形成される、請求項6に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項8】
前記PI部の厚さが前記フレキシブルケーブルの厚さより薄い、請求項5に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項9】
a)電極パターンおよび電極パッドが形成されたベース基板を準備する段階と、
b)前記電極パターンおよび前記電極パッドの一側先端部まで塗布するパッシベーション層を形成する段階と、
c)前記電極パッドに、接着層を用いてフレキシブルケーブルを連結する段階と、を含む、タッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項10】
c)段階において、
前記フレキシブルケーブルの一側方向に突出して、湿気を防止し、且つ接着層が剥離することを防止するPI部を形成する、請求項9に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項11】
前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する、請求項10に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項12】
前記PI部の突出長さが前記接着層の導電性ボールの直径より長い、請求項11に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項13】
前記フレキシブルケーブルの加圧により、前記接着層の導電性ボールの一部が移動して前記パッシベーション層に積層される、請求項11に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【請求項14】
前記PI部の厚さが前記フレキシブルケーブルの厚さより薄い、請求項11に記載のタッチセンサモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサモジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を用いてテキストおよびグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボードおよびマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置として、タッチセンサ(touch sensor)が開発された。
【0005】
このようなタッチセンサは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するために利用される機器である。
【0006】
また、タッチセンサの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁方式(Electro−Magnetic Type)、表面弾性波方式(SAW Type;Surface Acoustic Wave Type)および赤外線方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような様々な方式のタッチセンサは、信号増幅の問題、解像度の差、設計および加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性および経済性を考慮して電子製品に採用されるが、現在、最も幅広い分野で用いられている方式は、抵抗膜方式タッチセンサおよび静電容量方式タッチセンサである。
【0008】
従来技術によるタッチセンサの具体的な一例としては、特許文献1に開示されたタッチセンサが挙げられる。
【0009】
前記特許文献1の内容のうち、従来技術に関する説明に開示されているタッチセンサの構造は、基板と、基板に形成された電極と、電極から延長して基板の一端に集結した電極配線と、電極配線とフレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board;以下、「フレキシブルケーブル」とする)を介して連結されたコントローラと、を含んでなる。
【0010】
ここで、フレキシブルケーブルは、電極から発生した信号を電極配線を経て制御部に伝達する機能を果たす。この際、フレキシブルケーブルは、信号を伝達するために電極配線と電気的に接して連結される。しかし、フレキシブルケーブルおよび電極配線において、湿気の浸透により接続不良が頻繁に発生し、頻繁な接続不良によって製品に対する信頼性が低下するという問題点が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第2011−0107590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブルの湿気による断線および接触不良を防止することができるタッチセンサモジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールは、電極パターン、および前記電極パターンの電気的信号を外部に伝達する電極パッドを具備するベース基板と、前記電極パターンの表面に塗布されるパッシベーション層と、前記電極パッドに対応して形成された端子部、および前記電極パッドと前記端子部との間に配置される接着層を具備するフレキシブルケーブルと、を含み、前記パッシベーション層が、前記端子部に重ならないように形成されているタッチセンサモジュールを提供する。
【0014】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記フレキシブルケーブルの一側方向に突出して形成され、湿気を防止し、且つ接着層が剥離することを防止するPI部をさらに含む。
【0015】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記フレキシブルケーブルの加圧により、前記接着層の接着液の一部が移動して前記パッシベーション層に積層される。
【0016】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する。
【0017】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記フレキシブルケーブルの加圧により、前記接着層の導電性ボールの一部が移動して前記パッシベーション層に積層される。
【0018】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記PI部の突出長さが前記導電性ボールの直径より長い。
【0019】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記PI部の突出長さが、組立公差を考慮して、500μm以上に形成される。
【0020】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記PI部の厚さが前記フレキシブルケーブルの厚さより薄い。
【0021】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、a)電極パターンおよび電極パッドが形成されたベース基板を準備する段階と、b)前記電極パターンおよび前記電極パッドの一側先端部まで塗布するパッシベーション層を形成する段階と、c)前記電極パッドに、接着層を用いてフレキシブルケーブルを連結する段階と、を含むタッチセンサモジュールの製造方法を提供する。
【0022】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、c)段階において、前記フレキシブルケーブルの一側方向に突出して、湿気を防止し、且つ接着層が剥離することを防止するPI部を形成する。
【0023】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記接着層が、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)を使用する。
【0024】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記PI部の突出長さが前記接着層の導電性ボールの直径より長い。
【0025】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記フレキシブルケーブルの加圧により、前記接着層の導電性ボールの一部が移動して前記パッシベーション層に積層される。
【0026】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、前記PI部の厚さが前記フレキシブルケーブルの厚さより薄い。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)の断線および接触不良を防止することができる。
【0028】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、導電性ボールが押圧される程度を制御することができる。
【0029】
また、電極パターンおよびパッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブルの浮き上がり現象による電気ショートを防止し、製品の信頼性を確保することができる。
【0030】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)への湿気浸透を防止することができる。
【0031】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、電極パッドおよびフレキシブルケーブル(FPCB)の腐食を防止または遅延することができる。
【0032】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、タッチセンサの使用中に水分および汗の浸透を防止することができる。
【0033】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、外部の別の追加材料がなくてもフレキシブルケーブル(FPCB)および電極パッドへの水分浸透を防止することができる。
【0034】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、別のシール工程を行うことなく工程時間を短縮し、生産収率を増加することができる。
【0035】
また、パッシベーション層とフレキシブルケーブルとを互いに重ならないように形成することで、シール力および接着力が向上したタッチセンサモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明に係るベース基板の部分拡大図である。
図2図1に対する本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールのA−A部分の結合断面図である。
図3図1に対する本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールのB−B部分の結合断面図である。
図4】本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールの断面図である。
図5図4に対する電極パターンの平面図である。
図6】本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
図7】本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
図8】本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0038】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明に係るベース基板の部分拡大図であり、図2は、図1に対する本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールのA−A部分の結合断面図であり、図3は、図1に対する本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールのB−B部分の結合断面図であり、図4は、本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールの断面図であり、図5は、図4に対する電極パターンの平面図であり、図6から図8は、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法の例示図である。
【0040】
本明細書の全体にわたり用いられている「タッチ」という用語は、接触受容面に対する直接の接触を意味するだけでなく、接触受容面に入力手段が相当近接していることも含む広い意味で解釈されるべきである。
【0041】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュール1は、電極パターン120、130、および前記電極パターン120、130の電気的信号を外部に伝達する電極パッド140を具備するベース基板110と、前記電極パターン120、130の表面に塗布されるパッシベーション層400と、前記電極パッド140の一面上に接して前記電気的信号を伝達するように形成された接着層200を具備するフレキシブルケーブル300と、を含み、前記パッシベーション層400が電極パッド140に重ならないように形成される。
【0042】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュール1は、耐湿性をはじめ耐環境性の特性をより向上させるためのものであって、タッチセンサモジュール1の内部への水分などの浸透を最小化するためのものである。これにより、高温多湿の環境でもその作動信頼性を維持することができ、ユーザの便宜を図り、タッチセンサモジュール1の適用製品の分野をより多様化することができる。
【0043】
本発明において、タッチセンサ100としては、抵抗膜方式または静電容量方式、その他の様々なタッチセンサ100が適用されてもよく、タッチセンサ100の形態および種類は特に限定されない。ただし、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュール1では、ベース基板110の両面に電極パターン120、130が形成された静電容量方式のタッチセンサ100を一つの例として説明する。
【0044】
図1から図3を参照して説明すると、ベース基板110は、電極パターン120、130および電極配線150、160が形成される領域を提供する機能を果たす。ここで、ベース基板110は、アクティブ領域とベゼル領域とに分けられ、アクティブ領域は入力手段のタッチを認識するように電極パターン120、130が形成される部分としてベース基板110の中心に設けられ、ベゼル領域は電極パターン120、130から延長する電極配線150、160が形成される部分としてアクティブ領域の周縁に設けられる(図1を参照)。この際、ベース基板110は、電極パターン120、130および電極配線150、160を支持するための支持力と、画像表示装置(図示せず)で提供する画像をユーザに認識させるための透明性を備えなければならない。
【0045】
上述の支持力および透明性を考慮すると、ベース基板110の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどからなることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。ベース基板110の一面には後述する第1電極パターン120が形成され、他面には第2電極パターン130が形成される。
【0046】
電極パターン120、130は、入力手段がタッチする際に信号を発生してコントローラでタッチ座標を認識させる機能を果たすものであり、ベース基板110に形成される。本発明の実施例では、ベース基板110のX軸方向に形成される電極パターンを第1電極パターン120とし、ベース基板110のY軸方向に形成される電極パターンを第2電極パターン130とする。
【0047】
電極パターン120、130は、メッキ工程またはスパッタ(Sputter)を用いる蒸着工程で形成することができる。電極パターン120、130は、銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属を使用してもよく、導電性を有する金属でメッシュパターンを形成できる各種の物質を選択してもよいことは当業者にとって自明である。電極パターン120、130は、菱形パターン、四角形パターン、三角形パターン、円形パターンなど、当業界に公知のいずれのパターンに形成されてもよい。
【0048】
電極配線150、160は、上述の電極パターン120、130とフレキシブルケーブル300を電気的信号で連結する。電極配線150、160は、シルクスクリーン法、グラビア印刷法またはインクジェット印刷法など、様々な印刷法でベース基板110上に形成することができる(図3を参照)。
【0049】
電極配線150、160の素材としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(AG)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)の材質を用いることができる。電極配線150、160には、電気伝導度に優れた銀ペースト(AG paste)または有機銀が用いられてもよい。ただし、このような例に限定されず、導電性高分子、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物または金属類など、低抵抗の金属素材からなってもよい。
【0050】
タッチセンサモジュール1の方式にしたがって、第1電極パターン120の一端にのみ電極配線150、160が連結される。電極配線150、160の末端部には、フレキシブルケーブル300と電気的に連結される電極パッド140が配置される。換言すれば、電極配線150、160の一部として電極パッド140が形成され、フレキシブルケーブル300が電気的に連結される。
【0051】
電極パッド140は、電極配線150、160に連結されてベース基板110に形成される(図1を参照)。電極パッド140は、フレキシブルケーブル300とベース基板110のアクティブ領域、すなわち、ユーザのタッチを認識する領域に踏み込まないように形成される。電極パッド140は、ベース基板110の一側先端部に配置されて電極配線150、160と連結される。
【0052】
電極パッド140は、接着層200と接してフレキシブルケーブル300に電気を通すように形成される。電極パッド140は、フレキシブルケーブル300が加圧されることで接着層200と結合される。この際、電極パッド140には、ベース基板110の積層方向に接着層200が結合する。
【0053】
電極パッド140には、接着層200の導電性ボール210と接する接触面が形成される。接触面は、導電性ボール210の直径より大きく形成される。電極パッド140は、ベース基板110の一側先端部に多数個が配置されてなる。この際、電極パッド140は、隣接した電極パッド同士が電気的干渉を起こさない距離だけ所定距離、離隔して形成される。
【0054】
本発明によれば、タッチセンサモジュール1の耐湿性をはじめ耐環境性の特性をより向上させることができる。パッシベーション層400がフレキシブルケーブル300および電極パッド140に互いに重ならないように形成されることで、導電性ボール210の浮き上がり現象および水分浸透を防止することができる。
【0055】
パッシベーション層400は、電極パターン120、130の表面を塗布することで形成される。パッシベーション層400は、電極パッド140の一側先端部まで形成される。すなわち、パッシベーション層400は、フレキシブルケーブル300と重ならないように形成される。パッシベーション層400は、電極パターン120、130、電極配線150、160および電極パッド140に水分が浸透することを防止する。
【0056】
パッシベーション層400は、二酸化ケイ素(SiO)または窒化ケイ素(SiN)からなる絶縁膜またはこれらを含む複合構造になるか、またはポリイミド、エポキシなどの素材からなってもよい。パッシベーション層400は、電極パッド140に重ならないように形成される。パッシベーション層400は、ベース基板110の電極パターン120、130が形成された一面または両面に形成される。パッシベーション層400は、電極パターン120、130の活性面を保護し、且つ水分浸透を防止する。パッシベーション層400は、後述するPI部310に導電性ボール210が所定圧力以上に加圧されると移動を遮断する係止段部の機能を果たす。
【0057】
塗布層500は、パッシベーション層400または電極パターン120、130の表面に形成される。塗布層500は、パッシベーション層400と画像表示装置520を接着する。すなわち、塗布層500の一面にはパッシベーション層400が接着され、他面には画像表示装置520が接着される。これは、一例として、塗布層500がパッシベーション層400と画像表示装置520を接着する。これにより、塗布層500は、互いに異なる材質および装置を互いに接着して使用する。塗布層500の材質は、特に制限されず、光学透明接着剤(Optical Clear Adhesive、OCA)または両面接着テープ(Double Adhesive Tape、DAT)を用いてもよい。
【0058】
フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に対応して結合される。フレキシブルケーブル300は、接着層200と、端子部320とを含む。フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に電気的に連結されて電極パターン120、130と制御部(図示せず)とを電気的に連結する。端子部320は、導電性ボール210と接して電気的に連結される。端子部320は、多数個の電極パッド140と対応する位置に形成される。端子部320は、電極パッド140に接着層200を加圧して接着される。
【0059】
接着層200の下端面は電極パッド140に連結され、接着層200の上端面は端子部320に結合して接着される。すなわち、接着層200の内部に存在する導電性ボール210の一面は電極パッド140に接着され、他面は端子部320、330に接着される。これは、接着層200が電極パッド140と端子部320に接着される形態を限定するためではない。
【0060】
接着層200は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)からなることが好ましい。場合に応じて、異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)などの導電性素材からなってもよい。
【0061】
接着層200は、電極パッド140に接触して電気的に連結される。接着層200は、加圧により電極パッド140に結合されるか、加圧により接着される場合、導電性を有する導電性ボール210が内部に設けられる。導電性ボール210は、電極パッド140と端子部320が結合過程中に加圧により接合されて、一方向に電気を通す。この際、接着層200は、加圧により、接着液の一部がパッシベーション層400の方向に流出する。すなわち、加圧により、導電性ボール210の一部がPI部310に移動する。
【0062】
PI部310は、パッシベーション層400とフレキシブルケーブル300が重ならないようにする。PI部310は、フレキシブルケーブル300に一体に形成されて、電極パターン120、130の方向に突出する(図2および図3を参照)。
【0063】
PI部310は、外部の衝撃および湿気から導電性ボール210を保護し、且つ導電性ボール210の加圧状態を調節する。PI部310の厚さを調節して導電性ボール210の加圧状態を調節することができる。
【0064】
PI部310は、パッシベーション層400と電極パッド140の段差による導電性ボール210の浮き上がり現象を防止する。PI部310の材質としてはフレキシブルケーブル300と同じ材質を用いてもよい。
【0065】
PI部310は、電極パッド140とフレキシブルケーブル300との接着の際に段差が生じないようにする。すなわち、フレキシブルケーブル300と電極パッド140との間で導電性ボール210が所定の圧力を受けるようにする。すなわち、PI部310は、フレキシブルケーブル300と電極パッド140が接着層200に均等な圧力を印加するようにする。
【0066】
PI部310は、電極パターン120、130、電極パッド140およびフレキシブルケーブル300が電気的に連結されるようにする。すなわち、PI部310は、電気的通電に対する不良を改善して製品の信頼性を確保する。
【0067】
PI部310の突出長さは、導電性ボール210の直径より長い(図2および図3を参照)。PI部310は、電極パターン120、130と電極パッド140が加圧の際にショートしないようにする。PI部310は、フレキシブルケーブル300と電極パッド140の組立工程の際に発生する組立公差を最小化する。PI部310の突出長さは、導電性ボール210の組立公差と、導電性ボール210の直径を考慮して、500μm以上に形成されることが好適である。
【0068】
図4および図5を参照して説明すると、本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュール1については、本発明に係る一実施例の同一構成要素であるベース基板110、接着層200、フレキシブルケーブル300、パッシベーション層400およびフレキシブルケーブル300の構造および材質に関する説明は省略し、本発明に係る第2実施例の電極パターン120、130について詳細に説明する。
【0069】
ベース基板110の一面上に電極パターン120、130が形成されることで、単層の電極パターン120、130でタッチセンサが形成される。
【0070】
本発明に係る第1変形例のタッチセンサモジュールは、ベース基板110上に、X軸方向の第1電極パターン120と、第1電極パターン120に交差するY軸方向の第2電極パターン130を形成することができる(図5を参照)。
【0071】
片面に第1電極パターン120と第2電極パターン130が交差して形成されるために、第1電極パターン120と第2電極パターン130が交差する部分には、いずれか一つの電極パターン上に絶縁パターンIが形成され、絶縁パターンI上に他の電極パターンが電気的に連結されるようにすることで、交差する第1電極パターン120と第2電極パターン130を電気的に連結することができる。交差する第1電極パターン120と第2電極パターン130の交差角は垂直のものに示されているが、その交差角に特に限定されず、二次元平面での座標を抽出するために、X軸とY軸の座標が出るように好適な角度に交差することが好ましい。電極パターン120、130の形成方法および材質については、上述の一実施例の電極パターンと同一であるため省略する。
【0072】
図6および図8を参照して説明すると、本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法については、本発明に係る一実施例の同一構成要素であるベース基板110、接着層200、フレキシブルケーブル300、パッシベーション層400およびフレキシブルケーブル300の構造および材質に関する説明は省略する。
【0073】
本発明の一実施例によるタッチセンサモジュールの製造方法は、a)電極パターンおよび電極パッドが形成されたベース基板を準備する段階と、b)前記電極パターンおよび前記電極パッドの一側先端部まで塗布するパッシベーション層を形成する段階と、c)前記電極パッドに、接着層を用いてフレキシブルケーブルを連結する段階と、を含む。
【0074】
a)段階において、電極パターンおよび電極パッドが形成されたベース基板を準備する。図6を参照して説明すると、電極パターンの表面にパッシベーション層400を形成する。この際、パッシベーション層400を電極パッドの一側先端部まで塗布する。すなわち、パッシベーション層400がフレキシブルケーブルと重ならないようにする。
【0075】
図7を参照して説明すると、b)段階において、パッシベーション層400の表面に塗布層500を形成する。塗布層500の一面にはパッシベーション層400を接着し、他面には画像表示装置520を接着する。塗布層500は、光学透明接着剤(Optical Clear Adhesive、OCA)または両面接着テープ(Double Adhesive Tape、DAT)を用いて、画像表示装置520をパッシベーション層400に接着する(図7を参照)。
【0076】
図8を参照して説明すると、c)段階は、電極パッド140に、接着層200を用いてフレキシブルケーブル300を連結する段階である。電極パッド140に接着層200を接着する。この際、接着層200が電極パッド140に密着して接着するように加圧する。接着層200は、加圧により、接着液が電極パターン120、130に流出する。すなわち、接着層200の導電性ボール210がパッシベーション層400に流れる。
【0077】
PI部310の方向に導電性ボールが移動するか、PI部310に予め配置された導電性ボール210がパッシベーション層400に重なる。PI部310で加圧される導電性ボール210が硬化されて湿気を防止する。また、PI部310に配置された導電性ボール210は、電極パッド140と端子部320との間に配置される導電性ボール210よりあまり加圧されない。PI部310の厚さおよび長さは、導電性ボール210の押圧状態および組立公差と密接な関係がある。
【0078】
例えば、PI部310の厚さがフレキシブルケーブル300の厚さより厚い場合には、電極パッド140と端子部320との間に配置される導電性ボール210が電気的にショートする。すなわち、電極パッド140と端子部320との間の導電性ボール210には浮き上がり現象が発生する。
【0079】
また、PI部310の長さが導電性ボール210の直径より短い場合には、組立公差により、電極パッド140と端子部320との間に配置される導電性ボール210に組立不良が生じて電気ショートが発生する。さらに、導電性ボール210が電極パターン120、130の方向に移動してショートが発生する。そのため、PI部310の突出長さは、導電性ボール210の組立公差と、導電性ボール210の直径を考慮して500μm以上に形成されることが好適である。
【0080】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0081】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、タッチセンサモジュールおよびその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 タッチセンサモジュール
100 タッチセンサ
110 ベース基板
120 第1電極パターン(電極パターン)
130 第2電極パターン(電極パターン)
140 電極パッド
150 第1電極配線(電極配線)
160 第2電極配線(電極配線)
200 接着層
210 導電性ボール
300 フレキシブルケーブル
310 PI部
320 第1端子部(端子部)
330 第2端子部(端子部)
400 パッシベーション層
500 塗布層
520 画像表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8