特開2015-103518(P2015-103518A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本航空電子工業株式会社の特許一覧 ▶ ジェイエイイイ エレクトロニクス インクの特許一覧

<>
  • 特開2015103518-コネクタ 図000003
  • 特開2015103518-コネクタ 図000004
  • 特開2015103518-コネクタ 図000005
  • 特開2015103518-コネクタ 図000006
  • 特開2015103518-コネクタ 図000007
  • 特開2015103518-コネクタ 図000008
  • 特開2015103518-コネクタ 図000009
  • 特開2015103518-コネクタ 図000010
  • 特開2015103518-コネクタ 図000011
  • 特開2015103518-コネクタ 図000012
  • 特開2015103518-コネクタ 図000013
  • 特開2015103518-コネクタ 図000014
  • 特開2015103518-コネクタ 図000015
  • 特開2015103518-コネクタ 図000016
  • 特開2015103518-コネクタ 図000017
  • 特開2015103518-コネクタ 図000018
  • 特開2015103518-コネクタ 図000019
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-103518(P2015-103518A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20150508BHJP
   H01R 12/79 20110101ALI20150508BHJP
【FI】
   H01R12/71
   H01R12/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-112112(P2014-112112)
(22)【出願日】2014年5月30日
(31)【優先権主張番号】61/907211
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513049697
【氏名又は名称】ジェイエイイイ エレクトロニクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】西村 貴行
(72)【発明者】
【氏名】町原 大介
【テーマコード(参考)】
5E123
【Fターム(参考)】
5E123AB06
5E123BA01
5E123BA07
5E123BA08
5E123BB01
5E123BB12
5E123CB22
5E123CB29
5E123CB31
5E123CB38
5E123CD01
5E123CD02
5E123CD21
5E123DA05
5E123DB08
5E123DB11
5E123DB14
5E123DB25
5E123DB33
5E123DB36
5E123EA03
5E123EA13
5E123EA33
5E123EA36
5E123EB04
5E123EB13
5E123EB15
5E123EB32
(57)【要約】
【課題】コネクタが搭載されている回路基板と相手側コネクタが搭載されている相手側回路基板との間の嵌合状態における距離を小さくすることができるコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタは、回路基板に搭載された搭載状態において、相手側回路基板に搭載された相手側コネクタと嵌合可能である。コネクタは、ハウジングと、規制部材と、コンタクトとを備えている。規制部材は、絶縁部と金属部とを有している。絶縁部は、金属部に支持されている。金属部は、ハウジングに固定されている。コンタクトは、ハウジングに下方から圧入されて保持されている。コンタクトは、接続部と弾性部とを有している。接続部は、搭載状態において回路基板の上面に固定される。弾性部は、下端部を有している。弾性部の下端部は、接続部の下方に位置し且つ絶縁部の真上に位置している。弾性部は、下方に向かって弾性変形可能である。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に搭載された搭載状態において、上下方向に沿って相手側コネクタと嵌合可能なコネクタであって、前記相手側コネクタは、相手側回路基板に搭載されており、前記コネクタは、ハウジングと、規制部材と、コンタクトとを備えており、
前記規制部材は、絶縁体からなる絶縁部と金属からなる金属部とを有しており、前記絶縁部は、前記金属部に支持されており、前記金属部は、前記ハウジングに固定されており、
前記コンタクトは、前記ハウジングに下方から圧入されて保持されており、前記コンタクトは、接続部と弾性部とを有しており、前記接続部は、前記搭載状態において前記回路基板の上面に固定され、前記弾性部は、下端部を有しており、前記弾性部の前記下端部は、前記接続部の下方に位置し且つ前記規制部材の前記絶縁部の真上に位置しており、前記弾性部は、下方に向かって弾性変形可能である
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記弾性部の前記下端部は、下方に移動可能であり、
前記弾性部が下方に向かって最大限に弾性変形したとき、前記弾性部の前記下端部は、前記絶縁部と接触する
コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のコネクタであって、
前記金属部は、被固定部を有しており、
前記被固定部は、前記ハウジングに圧入されて固定されている
コネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコネクタであって、
前記絶縁部は、平板形状を有しており、
前記金属部は、本体部を有しており、
前記本体部は、前記上下方向と交差する平板形状を有しており、
前記絶縁部は、前記本体部の上に固定されている
コネクタ。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタであって、
前記絶縁部と前記本体部とは、インサート成型により一体形成されている
コネクタ。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタであって、
前記絶縁部の所定部は、前記本体部を前記上下方向に貫通しており、
前記絶縁部の前記所定部の下面は、前記本体部の下面と面一になっている
コネクタ。
【請求項7】
請求項4記載のコネクタであって、
前記絶縁部は、前記本体部の上面に固定された絶縁テープである
コネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のコネクタであって、
前記金属部は、被取付部を有しており、
前記被取付部は、前記搭載状態において直接的または間接的に前記回路基板に固定される
コネクタ。
【請求項9】
請求項8記載のコネクタであって、
前記本体部は、前記ハウジングを下方からシールドしている
コネクタ。
【請求項10】
請求項8又は請求項9記載のコネクタであって、
前記被取付部は、前記搭載状態において前記回路基板の前記上面に直接的に固定される
コネクタ。
【請求項11】
請求項8又は請求項9記載のコネクタであって、
前記コネクタは、ホールドダウンを備えており、
前記ホールドダウンは、前記ハウジングに保持されており、
前記被取付部は、前記ホールドダウンに取り付けられており、
前記被取付部は、前記搭載状態において前記ホールドダウンを経由して前記回路基板の前記上面に間接的に固定される
コネクタ。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のコネクタであって、
前記コンタクトは、1枚の金属板を切り抜き折り曲げて形成されている
コネクタ。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のコネクタであって、
前記相手側回路基板は、FPC(Flexible Printed Circuit)である
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に搭載されるコネクタであって、相手側回路基板に搭載された相手側コネクタと嵌合可能なコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのコネクタは、例えば、特許文献1に開示されている。当該公報の内容は参照することにより本明細書の一部をなす。
【0003】
図17に示されるように、特許文献1のソケット(コネクタ)は、第2のプリント配線板(回路基板)に搭載されている。コネクタは、第1のプリント配線板(相手側回路基板)に搭載されたヘッダ(相手側コネクタ)と、上下方向に沿って嵌合可能である。コネクタは、ソケットコンタクト(コンタクト)を備えており、相手側コネクタは、ヘッダコンタクト(相手側コンタクト)を備えている。コンタクトは、コネクタに下方から取付られ、コンタクトの一部(弾性部)は、回路基板の真上に位置している。コネクタと相手側コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態において、コンタクトの弾性部は、相手側コンタクトから押されて下方に移動しつつ相手側コンタクトと接触する。回路基板は、弾性部の下方への過度な移動を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−59620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の回路基板と相手側回路基板とは、嵌合状態において、上下方向に距離(D)だけ互いから離れている。コネクタが携帯電話のような小さな電子機器の内部に組み込まれる場合、距離Dは可能な限り小さいことが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタが搭載されている回路基板と相手側コネクタが搭載されている相手側回路基板との間の嵌合状態における距離を小さくすることができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
コネクタの大部分を回路基板の上面よりも下に位置させた場合、嵌合状態における回路基板と相手側回路基板との間の距離を小さくすることができる。具体的には、回路基板にコネクタを受容する受容部を形成すればよい。しかしながら、受容部が回路基板を貫通する孔である場合、コンタクトの弾性部は孔を通って過度に下方に移動し破損するおそれがある。受容部が回路基板の上面から凹む凹みである場合、回路基板に、受容部の下に位置する薄い部位が形成される。このため、弾性部が下方に移動した際、回路基板の薄い部位が弾性部に押圧されて破損するおそれがある。
【0008】
本発明によれば、上述の問題を解消しつつ、嵌合状態における回路基板と相手側回路基板との間の距離を小さくすることができる。
【0009】
本発明は、第1のコネクタとして、
回路基板に搭載された搭載状態において、上下方向に沿って相手側コネクタと嵌合可能なコネクタであって、前記相手側コネクタは、相手側回路基板に搭載されており、前記コネクタは、ハウジングと、規制部材と、コンタクトとを備えており、
前記規制部材は、絶縁体からなる絶縁部と金属からなる金属部とを有しており、前記絶縁部は、前記金属部に支持されており、前記金属部は、前記ハウジングに固定されており、
前記コンタクトは、前記ハウジングに下方から圧入されて保持されており、前記コンタクトは、接続部と弾性部とを有しており、前記接続部は、前記搭載状態において前記回路基板の上面に固定され、前記弾性部は、下端部を有しており、前記弾性部の前記下端部は、前記接続部の下方に位置し且つ前記規制部材の前記絶縁部の真上に位置しており、前記弾性部は、下方に向かって弾性変形可能である
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記弾性部の前記下端部は、下方に移動可能であり、
前記弾性部が下方に向かって最大限に弾性変形したとき、前記弾性部の前記下端部は、前記絶縁部と接触する
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第1又は第2のコネクタであって、
前記金属部は、被固定部を有しており、
前記被固定部は、前記ハウジングに圧入されて固定されている
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1乃至第3のいずれかのコネクタであって、
前記絶縁部は、平板形状を有しており、
前記金属部は、本体部を有しており、
前記本体部は、前記上下方向と交差する平板形状を有しており、
前記絶縁部は、前記本体部の上に固定されている
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記絶縁部と前記本体部とは、インサート成型により一体形成されている
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第5のコネクタであって、
前記絶縁部の所定部は、前記本体部を前記上下方向に貫通しており、
前記絶縁部の前記所定部の下面は、前記本体部の下面と面一になっている
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記絶縁部は、前記本体部の上面に固定された絶縁テープである
コネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第1乃至第7のいずれかのコネクタであって、
前記金属部は、被取付部を有しており、
前記被取付部は、前記搭載状態において直接的または間接的に前記回路基板に固定される
コネクタを提供する。
【0017】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第8のコネクタであって、
前記本体部は、前記ハウジングを下方からシールドしている
コネクタを提供する。
【0018】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第8又は第9のコネクタであって、
前記被取付部は、前記搭載状態において前記回路基板の前記上面に直接的に固定される
コネクタを提供する。
【0019】
また、本発明は、第11のコネクタとして、第8又は第9のコネクタであって、
前記コネクタは、ホールドダウンを備えており、
前記ホールドダウンは、前記ハウジングに保持されており、
前記被取付部は、前記ホールドダウンに取り付けられており、
前記被取付部は、前記搭載状態において前記ホールドダウンを経由して前記回路基板の前記上面に間接的に固定される
コネクタを提供する。
【0020】
また、本発明は、第12のコネクタとして、第1乃至第11のいずれかのコネクタであって、
前記コンタクトは、1枚の金属板を切り抜き折り曲げて形成されている
コネクタを提供する。
【0021】
また、本発明は、第13のコネクタとして、第1乃至第12のいずれかのコネクタであって、
前記相手側回路基板は、FPC(Flexible Printed Circuit)である
コネクタを提供する。
【0022】
また、本発明は、第14のコネクタとして、
回路基板に搭載された搭載状態において、上下方向に沿って相手側コネクタと嵌合可能なコネクタであって、前記相手側コネクタは、相手側回路基板に搭載されており、前記コネクタは、ハウジングと、規制部材と、コンタクトとを備えており、
前記規制部材は、絶縁体からなる絶縁部と金属からなる金属部とを有しており、前記絶縁部は、前記金属部に支持されており、前記金属部は、被取付部を有しており、前記被取付部は、前記搭載状態において直接的または間接的に前記回路基板に固定され、
前記コンタクトは、前記ハウジングに下方から圧入されて保持されており、前記コンタクトは、接続部と弾性部とを有しており、前記接続部は、前記搭載状態において前記回路基板の上面に固定され、前記弾性部は、下端部を有しており、前記弾性部の前記下端部は、前記接続部の下方に位置し且つ前記規制部材の前記絶縁部の真上に位置しており、前記弾性部は、下方に向かって弾性変形可能である
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、コンタクトの接続部は、コネクタが搭載される回路基板の上面に固定され、コンタクトの弾性部の下端部は、接続部の下方に位置する。この構造により、コネクタの大部分を、回路基板の上面の下方に配置できる。また、コンタクトの弾性部の下端部は、規制部材の絶縁部の真上に位置している。これにより、弾性部や回路基板の破損を防止しつつ、回路基板と相手側回路基板との間の嵌合状態における距離を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態によるコネクタを、回路基板に搭載された搭載状態で示す斜視図である。
図2図1の回路基板を示す斜視図である。
図3図1のコネクタを、回路基板に搭載されていない状態で示す斜視図である。
図4図3のコネクタのハウジングを示す斜視図である。
図5図3のコネクタのコンタクトを示す斜視図である。
図6図3のコネクタを示す側面図である。ここで、コネクタの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して描画している。
図7図3のコネクタの規制部材を示す斜視図である。
図8図3のコネクタを下方から示す分解斜視図である。
図9図6のコネクタをIX−IX線に沿って示す断面図である。ここで、搭載状態における回路基板の輪郭を破線で描画している。
図10図1のコネクタと、相手側回路基板に搭載された相手側コネクタとを示す断面図である。ここで、コネクタと相手側コネクタとは、互いに嵌合している。また、相手側回路基板の搭載面を破線で描画している。
図11図7の規制部材の変形例を示す斜視図である。
図12図3のコネクタの変形例を示す斜視図である。
図13図12のコネクタを示す側面図である。
図14図13のコネクタをXIV−XIV線に沿って示す断面図である。ここで、搭載状態における回路基板の輪郭を破線で描画している。
図15図12のコネクタの規制部材を示す斜視図である。
図16図12のコネクタのハウジングとホールドダウンとを示す斜視図である。ここで、ハウジングにはコンタクトが取り付けられている一方、ホールドダウンが取り付けられていない。
図17】特許文献1のコネクタと相手側コネクタとを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図9及び図10に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ10は、基板対基板用コネクタである。詳しくは、コネクタ10は、回路基板700に搭載された搭載状態において、上下方向(Z方向)に沿って相手側コネクタ80と嵌合可能である。
【0026】
図10から理解されるように、相手側コネクタ80は、使用時に相手側回路基板880に搭載される。コネクタ10と相手側コネクタ80とは、回路基板700の搭載面(上面)702と相手側回路基板880の搭載面884とが互いに向かい合った状態で、互いに嵌合する。本実施の形態による相手側回路基板880は、FPC(Flexible Printed Circuit)である。但し、相手側回路基板880は、FPCでなくてもよい。
【0027】
図10に示されるように、相手側コネクタ80は、絶縁体からなる相手側ハウジング800と、導電体からなる複数の相手側コンタクト850とを備えている。相手側コンタクト850は、相手側回路基板880の導電パターン(図示せず)に夫々接続される。
【0028】
図1及び図2に示されるように、回路基板700には、受容部710が形成されている。コネクタ10は、搭載状態において受容部710に受容されている。本実施の形態による受容部710は、回路基板700をZ方向に貫通する孔である。但し、受容部710は、コネクタ10を十分に受容できる限り、回路基板700の上面702から下方に(−Z方向に)凹んだ凹みであってもよい。
【0029】
回路基板700の上面702には、複数の導電パッド706が設けられている。導電パッド706は、受容部710を幅方向(X方向)に挟む2列に配置されている。
【0030】
図3及び図8に示されるように、コネクタ10は、絶縁体からなるハウジング200と、規制部材300と、導電体からなる複数のコンタクト400とを備えている。
【0031】
図3図4図9及び図10に示されるように、ハウジング200には、収容部210が形成されている。収容部210は、コネクタ10と相手側コネクタ80とが互いに嵌合した嵌合状態において、相手側コネクタ80の一部を収容する。
【0032】
図4及び図8に示されるように、ハウジング200は、2つの外壁部220と、2つの連結壁230と、底部240と、突出部250とを有している。外壁部220及び連結壁230は、XY平面において収容部210を囲んでいる。詳しくは、外壁部220は、ピッチ方向(Y方向)に長く延びている。連結壁230は、ハウジング200のY方向における両端部に夫々位置している。連結壁230の夫々は、外壁部220のY方向における端部を幅方向(X方向)に連結している。底部240は、ハウジング200の下端(−Z側の端)の近傍に位置している。底部240には、コンタクト400と夫々対応する複数の取付孔242が形成されている。突出部250は、ハウジング200のX方向における中間部に設けられている。突出部250は、XY平面において収容部210に囲まれている。突出部250は、Y方向に長く延びつつ、底部240から上方に(+Z方向に)突出している。
【0033】
図3図4及び図9に示されるように、外壁部220の夫々には、受止壁222が形成されている。受止壁222は、外壁部220の上端部(+Z側の端部)に位置している。受止壁222は、X方向外側に張出しつつ、Y方向に長く延びている。また、外壁部220の夫々には、コンタクト400と夫々対応する複数の保持部224が形成されている。突出部250には、コンタクト400と夫々対応する複数の溝部252が形成されている。溝部252は、突出部250のX方向における両側に設けられている。保持部224と溝部252とは、収容部210を挟んでX方向に対向している。
【0034】
図8から理解されるように、コンタクト400は、下方から底部240の取付孔242を通ってハウジング200に取り付けられている。コンタクト400は、Y方向に延びる2列に配置されている。
【0035】
図5に示されるように、コンタクト400は、接続部410と、被受止部414と、被保持部420と、弾性部430とを有している。接続部410は、X方向に延びている。被受止部414は、接続部410からX方向内側に延びた後、下方に延びている。被保持部420は、被受止部414から上方に延びている。即ち、被受止部414は、接続部410と被保持部420とを互いに連結している。弾性部430は、被保持部420からX方向内側に延びている。弾性部430は、U字形状を有している。詳しくは、弾性部430は、下端部432と、第1接触部(接触部)434と、第2接触部(接触部)436とを有している。第1接触部434及び第2接触部436は、概ねZ方向に延びている。下端部432は、第1接触部434の下端と、第2接触部436の下端とをX方向において連結している。
【0036】
図3及び図9に示されるように、コンタクト400の被保持部420は、ハウジング200の保持部224に圧入されて保持されている。被受止部414は、受止壁222の下に位置している。接続部410は、被受止部414からX方向外側に延びて、ハウジング200の外部に突出している。接続部410は、搭載状態において、回路基板700の上面702の導電パッド706(図1参照)に半田付け等により固定され、回路基板700の導電パターン(図示せず)に接続される。
【0037】
図9に示されるように、第1接触部434は、収容部210内に部分的に突出しつつ、被保持部420から下方に延びている。下端部432は、第1接触部434の下端から突出部250の溝部252までX方向内側に延びている。第2接触部436は、下端部432から溝部252を通過して上方に延び、収容部210内に部分的に突出している。下端部432は、接続部410の下方に位置している。即ち、下端部432は、搭載状態において、回路基板700の上面702の下方に位置している。弾性部430は、被保持部420に弾性変形可能に支持されている。特に、弾性部430は、下方に向かって弾性変形可能である。このため、下端部432は、下方に移動可能である。
【0038】
図10から理解されるように、コネクタ10が相手側コネクタ80と嵌合する際、第1接触部434及び第2接触部436は、相手側コンタクト850から下方に押されつつ相手側コンタクト850と接触する。詳しくは、第1接触部434及び第2接触部436の夫々の一部である接触領域が、相手側コンタクト850と接触する。本実施の形態によるコンタクト400は、1枚の金属板を切り抜き折り曲げて形成されている。このため、接触領域は、広い面積を有している。このように構成されたコンタクト400は、相手側コンタクト850と確実に接触することができる。
【0039】
搭載状態において、コネクタ10の大部分が回路基板700の受容部710の内部に受容されており、上面702の下方に位置している。換言すれば、コネクタ10は、搭載状態において上面702から上方に殆ど突出していない。このため、嵌合状態において、回路基板700の上面702と相手側回路基板880の搭載面884との間のZ方向における距離(D)は小さい。詳しくは、嵌合状態において、ハウジング200の下端と相手側回路基板880の搭載面884とは、Z方向において距離(D0)だけ離れている。仮にコネクタ10が従来のコネクタのように回路基板700の上面702の上に搭載される場合、回路基板700の上面702と相手側回路基板880の搭載面884とは、距離(D0)だけ離れる。本実施の形態による距離(D)は、距離(D0)の半分未満である。
【0040】
本実施の形態によれば、コンタクト400の被保持部420は、ハウジング200の保持部224に下方から圧入されて保持されている。また、コンタクト400の上方への移動は、受止壁222によって防止されている。詳しくは、コンタクト400が上方に少し移動すると、コンタクト400の被受止部414が受止壁222によって受け止められる。このため、相手側コネクタ80を上方に抜去する際、コンタクト400は、ハウジング200から抜け出ない。
【0041】
図7及び図8に示されるように、規制部材300は、樹脂やゴム等の絶縁体からなる絶縁部310と、金属からなる金属部340とを有している。本実施の形態による金属部340は、本体部350と、複数の(本実施の形態によれば、10個の)第1被固定部(被固定部)360と、2つの第2被固定部(被固定部)370と、4つの被取付部380とを有している。
【0042】
本実施の形態によれば、絶縁部310及び本体部350の夫々は、Z方向と直交する平板形状を有している。即ち、本体部350は、Z方向と直交する上面352及び下面354を有している。但し、絶縁部310及び本体部350の夫々は、Z方向と多少斜交していてもよい。換言すれば、絶縁部310及び本体部350の夫々は、Z方向と交差していればよい。
【0043】
図7乃至図9から理解されるように、絶縁部310は、本体部350の上に固定されている。但し、絶縁部310が本体部350に支持されている限り、絶縁部310は、本体部350に固定されていなくてもよい。本実施の形態によれば、絶縁部310と本体部350とは、インサート成型により一体形成されており、絶縁部310には5つの所定部316が形成されている。所定部316の夫々は、本体部350をZ方向に貫通しており、これにより絶縁部310は、本体部350に強固に固定されている。所定部316の下面318は、本体部350の下面354と面一になっている。換言すれば、本体部350の下面354は、絶縁部310によって覆われていない。このため、規制部材300の厚さは比較的小さい。
【0044】
図7に示されるように、第1被固定部360は、本体部350のX方向における側部の夫々に5つずつ設けられており、第2被固定部370は、本体部350のY方向における端部の夫々に1つずつ設けられている。また、被取付部380は、本体部350のX方向における側部の夫々に2つずつ設けられている。被取付部380は、第1被固定部360の近傍に位置している。第1被固定部360及び第2被固定部370は、本体部350から上方に突出している。被取付部380は、本体部350から上方に突出した後、X方向外側に延びている。
【0045】
図3及び図6に示されるように、金属部340の第1被固定部360及び第2被固定部370は、ハウジング200に圧入されて固定されている。被取付部380は、ハウジング200の外壁部220をX方向に挟んでいる。即ち、金属部340は、ハウジング200に固定されている。詳しくは、ハウジング200の外壁部220には、第1被固定部360と夫々対応する複数の第1固定部(固定部)226が形成されている。また、連結壁230の夫々には、第2被固定部370と対応する第2固定部(固定部)236が形成されている。第1被固定部360は第1固定部226に下方から夫々圧入されており、第2被固定部370は第2固定部236に下方から夫々圧入されている。但し、金属部340は、これと異なるようにハウジング200に固定されていてもよい。例えば、第1被固定部360及び第2被固定部370の夫々をハウジング200の一部に引っかけてもよい。この場合、第1被固定部360及び第2被固定部370の夫々は、フック形状を有していればよい。
【0046】
図9及び図10に示されるように、弾性部430の下端部432は、規制部材300の絶縁部310の真上に位置している。弾性部430が下方に向かって最大限に弾性変形したときでも、下端部432は、絶縁部310と接触する。このため、コンタクト400がコネクタ10の外部の導電体と意図せずに接触することを防止できる。また、コンタクト400が相手側コンタクト850によって下方に押された際も、下端部432は、絶縁部310を超えて下方に移動しない。このため、下端部432の過度な移動による弾性部430の塑性変形、即ちコンタクト400の破損を防止することができる。更に、絶縁部310は金属部340によって下方から支持され補強されている。このため、下端部432から加えられる押圧力による規制部材300の破損を防止することができる。加えて、本体部350をXY平面において囲む第1被固定部360及び第2被固定部370(図7参照)がハウジング200に固定されていることから、金属部340は、ハウジング200に強固に固定されている。このため、下端部432から加えられる押圧力は、規制部材300によって受け止められ、回路基板700に大きく影響しない。
【0047】
図1に示されるように、本実施の形態によれば、規制部材300の被取付部380は、搭載状態において回路基板700の上面702に直接的に固定される。このため、下端部432から加えられる押圧力が大きい場合であっても、規制部材300がハウジング200から外れることが防止される。
【0048】
図8及び図9から理解されるように、本実施の形態による金属部340の本体部350は、ハウジング200を下方からシールドしている。また、搭載状態において、金属部340の被取付部380は、回路基板700の上面702の導電パッド706に半田付け等によって固定され、回路基板700のグランドパターン(図示せず)に接地される。このため、金属部340は、コネクタ10を下方から電磁的にシールドしている。換言すれば、本実施の形態による金属部340は、EMI(Electromagnetic interference)を防止することができる。
【0049】
図8から理解されるように、本実施の形態によれば、規制部材300はハウジング200の底部240の取付孔242を完全に覆っている。このため、受容部710が回路基板700を貫通していても(図2参照)、コネクタ10の内部へのコーティング剤やゴミの侵入を防止することができる。但し、規制部材300がコンタクト400の下端部432の下方への移動を規制すれば十分である場合、規制部材300は、これと異なるように構成されていてもよい。例えば、金属部340の本体部350は、絶縁部310を補強できる限り、櫛歯形状や網形状に形成されていてもよい。絶縁部310は、下端部432の直下のみに形成されていてもよい。更に、絶縁部310は、コンタクト400の短絡を防止できる限り、例えば薄い絶縁コーティングであってもよい。
【0050】
本実施の形態によるコネクタ10は、既に述べた変形例に加えて様々に変形することができる。
【0051】
図11に示されるように、変形例による規制部材300Aは、本実施の形態による絶縁部310(図7参照)と少し異なる絶縁部310Aと、本実施の形態と同じ金属部340とを有している。絶縁部310Aは、絶縁部310と同様に、平板形状を有しており、本体部350の上に固定されている。但し、絶縁部310Aは、絶縁部310と異なり、本体部350の上面352に固定された絶縁テープである。詳しくは、絶縁部310Aは、上面352に粘着又は接着されている。このように構成された規制部材300Aによっても、本実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0052】
図12に示されるように、変形例によるコネクタ10Bは、絶縁体からなるハウジング200Bと、規制部材300Bと、本実施の形態と同じ複数のコンタクト400と、2つのホールドダウン500とを備えている。
【0053】
図12及び図16に示されるように、ハウジング200Bは、連結壁230(図4参照)と少し異なる連結壁230Bを有していることを除き、ハウジング200と同様に構成されている。詳しくは、連結壁230Bの夫々には、第2固定部236ではなく2つの取付部238Bが形成されている。取付部238Bは、連結壁230BのX方向における両側に夫々設けられている。
【0054】
ホールドダウン500は、取付部238Bに上方から圧入されて取り付けられている。即ち、ホールドダウン500は、ハウジング200Bに固定されて保持されている。ホールドダウン500の夫々には、2つの取付部510が設けられている。本変形例による取付部510は、X方向外側に突出する突起である。取付部510は、ハウジング200Bの連結壁230BをX方向において挟んでいる。
【0055】
図15に示されるように、規制部材300Bは、本実施の形態と同じ絶縁部310と、本実施の形態による金属部340(図7参照)と少し異なる金属部340Bとを有している。詳しくは、金属部340Bは、金属部340と同じ本体部350及び第1被固定部360を有している一方、第2被固定部370を有していない。また、金属部340Bは、被取付部380に代えて被取付部380Bを有している。本変形例による被取付部380Bの夫々には、被取付部380BをX方向に貫通する孔が形成されている。
【0056】
図13及び図14に示されるように、被取付部380Bは、ホールドダウン500に取り付けられている。本変形例によれば、被取付部380Bの孔とホールドダウン500の取付部510の突起とが係合している。但し、被取付部380Bがホールドダウン500に確実に保持されている限り、被取付部380Bは、これと異なるようにホールドダウン500に取り付けられていてもよい。
【0057】
ホールドダウン500は、搭載状態において、回路基板700の上面702の導電パッド706(図2参照)に半田付け等によって固定され、回路基板700のグランドパターン(図示せず)に接地される。即ち、金属部340Bの被取付部380Bは、搭載状態においてホールドダウン500を経由して回路基板700の上面702に間接的に固定される。このように構成された金属部340Bによっても、本実施の形態の金属部340(図7参照)と同様な効果を得ることができる。例えば、変形例による金属部340Bは、EMIを防止することができる。以上の説明から理解されるように、被取付部380Bは、搭載状態において直接的または間接的に回路基板700に固定されていればよい。
【符号の説明】
【0058】
10,10B コネクタ
200,200B ハウジング
210 収容部
220 外壁部
222 受止壁
224 保持部
226 第1固定部(固定部)
230,230B 連結壁
236 第2固定部(固定部)
238B 取付部
240 底部
242 取付孔
250 突出部
252 溝部
300,300A,300B 規制部材
310,310A 絶縁部
316 所定部
318 下面
340,340B 金属部
350 本体部
352 上面
354 下面
360 第1被固定部(被固定部)
370 第2被固定部(被固定部)
380,380B 被取付部
400 コンタクト
410 接続部
414 被受止部
420 被保持部
430 弾性部
432 下端部
434 第1接触部(接触部)
436 第2接触部(接触部)
500 ホールドダウン
510 取付部
700 回路基板
702 搭載面(上面)
706 導電パッド
710 受容部
80 相手側コネクタ
800 相手側ハウジング
850 相手側コンタクト
880 相手側回路基板
884 搭載面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17