(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-103794(P2015-103794A)
(43)【公開日】2015年6月4日
(54)【発明の名称】印刷回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/34 20060101AFI20150508BHJP
【FI】
H05K3/34 505B
H05K3/34 503A
H05K3/34 502D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-9063(P2014-9063)
(22)【出願日】2014年1月22日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0143944
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】パク,ショック ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,グン ミン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ギ スブ
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB05
5E319AC02
5E319AC12
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD21
5E319GG03
(57)【要約】
【課題】接続パッドの厚さのばらつきによる半田バンプの高さのばらつきを減少させるとともに、スケール(Scale)のばらつきに対するマイクロボール(半田ボール)の実装収率を高めることができる印刷回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の印刷回路基板の製造方法は、接続パッド101を露出させるように形成された半田レジスト層102を有する基板100を準備する段階と、接続パッド101上に低粘度の半田ペースト300を印刷する段階と、低粘度の半田ペースト300上にマイクロボール400を実装する段階と、リフロー工程を行って半田バンプを形成する段階と、を含むものである。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続パッドを露出させるように形成された半田レジスト層を有する基板を準備する段階と、
前記接続パッド上に低粘度の半田ペーストを印刷する段階と、
前記低粘度の半田ペースト上にマイクロボールを実装する段階と、
リフロー工程を行って半田バンプを形成する段階と、を含む、印刷回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記低粘度の半田ペーストを印刷する段階の前に、
前記接続パッド上にフラックスを塗布する段階をさらに含む、請求項1に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項3】
前記半田ペーストを形成する段階は、
マスクを形成する段階と、
半田ペーストを印刷する段階と、
前記マスクを除去する段階と、を含む、請求項1に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記半田ペーストはフラックスを含有する、請求項1に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記半田ペーストの粘度は溶剤(solvent)を用いて調節する、請求項1に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項6】
前記マイクロボールは半田で形成される、請求項1に記載の印刷回路基板の製造方法。
【請求項7】
前記半田ペーストの上面部と前記半田レジスト層の上面部とが同一線上に形成される、請求項1に記載の印刷回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、進歩した電子回路、特に、半導体工程において集積回路(integrated circuits)として製造された回路に共通的に要求されていることは、集積回路のための端子または連結部上にバンプ(Bump)を有するフリップチップ(Flip chip)集積回路を実装する基板またはインターポーザを用いることである。
【0003】
フリップチップパッケージにおいて、鉛を含む半田(Solder)または無鉛半田からなるバンプには、集積回路が基板上に伏せた状態で方向付けられて実装され、熱リフロー工程により半田連結を終了する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような集積回路素子は、信号を送受したり、電源連結部に連結するための数十または数百個の入出力端子を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−134923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの目的は、半田ペースト(paste)を形成することで、接続パッドの厚さのばらつきによる半田バンプの高さのばらつきを減少させるための印刷回路基板の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、マイクロボール(半田ボール)のサイズを小さくすることで、スケール(Scale)のばらつきに対するマイクロボール(半田ボール)の実装収率を高めるための印刷回路基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法は、接続パッドを露出させるように形成された半田レジスト層を有する基板を準備する段階と、前記接続パッド上に低粘度の半田ペーストを印刷する段階と、前記低粘度の半田ペースト上にマイクロボールを実装する段階と、リフロー工程を行って半田バンプを形成する段階と、を含む。
【0009】
前記低粘度の半田ペーストを印刷する段階の前に、前記接続パッド上にフラックスを塗布する段階をさらに含むことができる。
【0010】
前記半田ペーストを形成する段階は、マスクを形成する段階と、半田ペーストを印刷する段階と、前記マスクを除去する段階と、を含むことができる。
【0011】
前記半田ペーストは、フラックスを含有することができる。
【0012】
前記半田ペーストの粘度は、溶剤(solvent)を用いて調節することができる。
【0013】
前記マイクロボールは、半田で形成されることができる。
【0014】
前記半田ペーストの上面部と前記半田レジスト層の上面部とが同一線上に形成されることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法によれば、半田ペーストをマイクロボール(半田ボール)の下部に形成することで、接続パッドの厚さのばらつきによる半田バンプの高さのばらつきを減少させることができる。
【0016】
また、半田ペーストにフラックス(Flux)が含有されているため、工程数を減少させることができる。
【0017】
また、マイクロボール(半田ボール)のサイズを小さくすることで、スケール(scale)のばらつきに対するマイクロボール(半田ボール)の実装収率を高めることができ、リフロー工程を行う際に発生し得る不良を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法を示す工程流れ図である。
【
図2】本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法を示す工程流れ図である。
【
図3】本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法を示す工程流れ図である。
【
図4】本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法を示す工程流れ図である。
【
図5】本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法を示す工程流れ図である。
【
図6】本発明の一実施例による印刷回路基板の製造方法を示す工程流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0021】
(印刷回路基板の製造方法)
先ず、
図1に図示したように、接続パッド101を露出させるように形成された半田レジスト層102を有する基板100を準備する。
【0022】
ここで、前記接続パッド101には、厚さのばらつきが発生し得る。
【0023】
前記基板100は、絶縁層に1層以上の回路が形成された回路基板であって、好ましくは、印刷回路基板であることができる。
【0024】
本図面では、説明の便宜のために具体的な内層回路の構成を省略して図示したが、当業者であれば、基板として絶縁層に1層以上の回路が形成された通常の回路基板が適用できることを十分に認識できるであろう。
【0025】
前記基板100に用いられる絶縁層としては、樹脂絶縁層を用いることができる。
【0026】
前記樹脂絶縁層としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーなどの補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグを用いることができ、また、熱硬化性樹脂及び/または光硬化性樹脂などを用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。
【0027】
前記接続パッド101は、外部のダイ(Die)と電気的に連結させる役割をすることができる。この際、前記接続パッド101としては、回路基板分野において回路用伝導性金属として用いられるものであれば制限されずに適用可能であり、印刷回路基板では銅を用いることが一般的である。
【0028】
ここで、前記接続パッド101は、露出された回路層であって、必要に応じて、表面処理層(不図示)がさらに形成されていてもよい。
【0029】
前記表面処理層は、当業界に公知された方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、電解金めっき(Electro Gold Plating)、無電解金めっき(Immersion Gold Plating)、OSP(organic solderability preservative)、無電解スズめっき(Immersion Tin Plating)、無電解銀めっき(Immersion Silver Plating)、無電解ニッケルめっき/置換金めっき(electroless nickel and immersion gold;ENIG)、DIGめっき(Direct Immersion Gold Plating)、HASL(Hot Air Solder Levelling)などにより形成することができる。
【0030】
次に、
図2に図示したように、前記半田レジスト層102と対応する位置にマスク200を形成することができる。
【0031】
次に、
図3に図示したように、スキージ(不図示)を用いて、前記マスク200の上面に沿って半田ペースト300を塗布した後、前記マスク200を除去することができる。即ち、前記半田ペースト300は、前記接続パッド101上に形成することができる。
【0032】
この際、前記半田ペースト300を塗布する前に、フラックス(Flux)(不図示)を塗布してもよいが、本実施例では、前記半田ペースト300にフラックス(Flux)が含有されているため、フラックスを塗布する工程を行わなくてもよい。
【0033】
これにより、工程数を減少させることができる。
【0034】
ここで、前記半田ペースト300の上面部と前記半田レジスト層102の上面部とが同一線上に位置するように形成することができる。
【0035】
この際、前記接続パッド101の厚さのばらつきにより、前記半田ペースト300が塗布される量が互いに異なり得る。
【0036】
本実施例によれば、前記半田ペースト300を成す物質は、Pbを含む合金、Sn及びCuを含む合金、Sn、Ag、及びCuを含む合金であることができるが、特に限定されるものではない。
【0037】
次に、
図4に図示したように、前記半田ペースト300上にマイクロボール400を形成することができる。ここで、前記マイクロボール400は、半田からなることができる。
【0038】
また、本実施例では、前記マイクロボール400の直径を50μm以下に形成したが、その数値が特に限定されるものではない。換言すれば、前記マイクロボール400の体積は、より減少させることができる。
【0039】
これは、前記接続パッド101の厚さのばらつきによる部分の体積を前記半田ペースト300で満たしたため、後に形成されるバンプの体積に該当する量のみを前記マイクロボール400と対応するように形成することができるためである。
【0040】
また、前記マイクロボール400を形成する際に、その粘度を調節することができる。ここで、粘度は、溶剤(solvent)の含有量を変更することで調節することができるが、これに限定されるものではない。
【0041】
次に、
図5に図示したように、リフローを行って、バンプ500を形成することができる。
【0042】
この際、前記半田ペースト300をマイクロボール(半田ボール)400の下部に形成することで、前記接続パッド101の厚さのばらつきによる半田バンプ500の高さのばらつきを減少させることができる。
【0043】
図6に図示したように、(a)及び(b)は、(a)から(b)に前記基板100のスケール(scale)が増加した場合を示す。
【0044】
(a)は、スケールが増加しなかった際に、前記マイクロボール400がボール移動ユニット600により、前記接続パッド101と対応する位置に移動させた場合である。
【0045】
前記マイクロボール400が前記接続パッド101と対応する位置に形成させることができる。
【0046】
(b)は、スケールが増加した際に、前記マイクロボール400がボール移動ユニット600により、前記接続パッド101と対応する位置に移動されなかった場合である。
【0047】
しかし、前記マイクロボール400の直径が小さくなったため、マイクロボール400が前記接続パッド101上に形成されなくて脱落するダブルボール不良の発生を減少することができる。
【0048】
これにより、マイクロボール400の実装収率を高めることができる。
【0049】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0050】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、印刷回路基板の製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 基板
101 接続パッド
102 半田レジスト層
200 マスク
300 半田ペースト
400 マイクロボール
500 半田バンプ
600 ボール移動ユニット