【解決手段】無線携帯端末は、複合機と通信可能な端末側通信部を備える。端末側通信部は、画像の読取りの開始を指示する読取開始指示と、当該画像を読み取ることで得られた画像データを自機へ送信するために使用される情報である送信先情報と、を画像読取装置へ送信する。複合機は、これらを受信した場合に、画像の読取りを開始し、画像を読み取ることで得られた画像データを、送信先情報に基づいて、無線携帯端末に送信する。
画像の読取りの開始を指示する読取開始指示と、当該画像を読み取ることで得られた画像データを自機へ送信するために使用される情報である送信先情報と、を画像読取装置へ送信する端末側通信部を備えることを特徴とする無線携帯端末。
画像の読取りの開始を指示する読取開始指示と、当該画像を読み取ることで得られた画像データを自機へ送信するために使用される情報である送信先情報と、を送信する無線携帯端末と、
前記無線携帯端末が送信した前記読取開始指示と前記送信先情報とを受信した場合に、画像の読取りを開始し、画像を読み取ることで得られた画像データを、前記送信先情報に基づいて前記無線携帯端末に送信する画像読取装置と、
を備えることを特徴とする画像読取システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の画像処理システムでは、ユーザは、無線携帯端末を操作した後に、画像読取装置を操作する必要がある。その後、ユーザは、無線携帯端末が画像データを受信した後に、通常は無線携帯端末を操作して受信した画像を確認すると考えられる。従って、ユーザは、無線携帯端末、画像形成装置、無線携帯端末の順に操作を行う必要があるので、操作が繁雑になり、ユーザにとって手間となってしまう。
【0008】
また、ユーザは、無線携帯端末の操作後に画像読取装置を操作する必要があるため、画像読取装置の近傍で無線携帯端末を操作すると考えられる。従って、様々な場所から操作を行うことができるという無線携帯端末を用いる利点が意味を成さなくなる。
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、画像読取装置への画像の読取りの指示を簡単な操作で行うことができる無線携帯端末を提供することにある。
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0011】
本発明の第1の観点によれば、画像の読取りの開始を指示する読取開始指示と、当該画像を読み取ることで得られた画像データを自機へ送信するために使用される情報である送信先情報と、を画像読取装置へ送信する端末側通信部を備える無線携帯端末が提供される。
【0012】
これにより、無線携帯端末が読取開始指示と送信先情報の両方を送信可能とすることで、画像読取装置を操作することなく、画像の読取り及び画像データの送信を行うことができる。また、画像読取装置を操作する必要がないので、予め原稿をセットしておけば、画像読取装置から離れた位置からでも画像の読取り等を指示することができる。従って、ユーザの手間を大幅に軽減することができる。
【0013】
前記の無線携帯端末においては、前記端末側通信部が送信する前記送信先情報には、待ち受けポートのポート番号が含まれることが好ましい。
【0014】
これにより、画像読取装置が送信する画像データを確実に受信することができる。また、待ち受けポート以外のポートの少なくとも一部を閉じることで、セキュリティ性を向上させることができる。
【0015】
前記の無線携帯端末においては、前記端末側通信部が送信する前記送信先情報には、画像データの送信に用いるプロトコルが含まれることが好ましい。
【0016】
これにより、画像読取装置は通知されたプロトコルで画像データを送信すれば良いため、処理が簡単になる。また、状況に応じてプロトコルを変更する場合であってもスムーズに処理を行うことができる。
【0017】
前記の無線携帯端末においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この無線携帯端末は、表示部と、端末側制御部と、を備える。前記端末側制御部は、前記画像読取装置から画像データを受信した場合に、当該画像データを前記表示部に表示する。
【0018】
これにより、ユーザは、無線携帯端末を操作することなく、受信した画像データを確認することができる。従って、ユーザの手間を一層軽減することができる。
【0019】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の画像読取装置が提供される。即ち、この画像読取装置は、画像読取部と、本体側通信部と、を備える。前記画像読取部は、前記無線携帯端末が送信した前記読取開始指示と前記送信先情報を受信した場合に、画像の読取りを開始する。前記本体側通信部は、前記画像読取部が画像を読み取ることで得られた画像データを、前記送信先情報に基づいて、前記無線携帯端末に送信する。
【0020】
これにより、ユーザは、画像読取装置を操作することなく、画像の読取り及び画像データの送信を行うことができる。また、予め原稿をセットしておけば、画像読取装置から離れた位置からでも、画像の読取り等を指示することができる。従って、ユーザの手間を大幅に軽減することができる。
【0021】
前記の画像読取装置においては、前記本体側通信部は、前記送信先情報に含まれるポート番号を用いて、画像データを前記無線携帯端末に送信することが好ましい。
【0022】
これにより、画像読取装置が送信する画像データを確実に受信することができる。また、待ち受けポート以外のポートの少なくとも一部を閉じることで、セキュリティ性を向上させることができる。
【0023】
前記の画像読取装置においては、前記本体側通信部は、前記送信先情報に含まれるプロトコルを用いて、画像データを前記無線携帯端末に送信することが好ましい。
【0024】
これにより、画像読取装置は通知されたプロトコルで画像データを送信すれば良いため、処理が簡単になる。また、状況に応じてプロトコルを変更する場合であってもスムーズに処理を行うことができる。
【0025】
本発明の第3の観点によれば、以下の構成の画像読取システムが提供される。即ち、この画像読取システムは、無線携帯端末と、画像読取装置と、を備える。前記無線携帯端末は、画像の読取りの開始を指示する読取開始指示と、当該画像を読み取ることで得られた画像データを自機へ送信するために使用される情報である送信先情報と、を送信する。前記画像読取装置は、前記無線携帯端末が送信した前記読取開始指示と前記送信先情報とを受信した場合に、画像の読取りを開始し、画像を読み取ることで得られた画像データを、前記送信先情報に基づいて前記無線携帯端末に送信する。
【0026】
これにより、無線携帯端末が読取開始指示と送信先情報の両方を送信可能とすることで、画像読取装置を操作することなく、画像の読取り及び画像データの送信を行うことができる。また、画像読取装置を操作する必要がないので、予め原稿をセットしておけば、画像読取装置から離れた位置からでも画像の読取り等を指示することができる。従って、ユーザの手間を大幅に軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取システム100の構成を示すブロック図である。画像読取システム100は、コピーファクシミリ複合機(画像読取装置)1と、スマートフォン(無線携帯端末)40と、から構成される。
【0029】
本実施形態のコピーファクシミリ複合機1は、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンタ機能及びスキャナ機能を備える多機能周辺装置(Multi−Function Peripheral、MFP)として構成されている。なお、以下では、コピーファクシミリ複合機1を単に「複合機1」と称する。
【0030】
図1に示すように、複合機1は、基本的な通信及び制御を行う構成として、バス10と、本体側制御部11と、ROM12と、RAM13と、フラッシュメモリ14と、を備える。
【0031】
本体側制御部11は、CPU等で構成されており、この本体側制御部11によって装置全体の制御が行われている。ROM12には、装置の各部のハードウェアを制御するためのプログラム(ファームウェア等)が記憶されている。RAM13は、プログラムのロード及び実行に使用されるほか、一時的なデータの記憶メモリとして用いられる。フラッシュメモリ14は、複合機1の設定値、登録されたファクシミリ番号及び電子メールアドレス等を記憶することができる。
【0032】
バス10は、
図1に示すように、複合機1の各部を結び、各部と本体側制御部11との通信を可能にするものである。バス10は、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)の規格を用いることができる。
【0033】
また、複合機1は、画像読取部21と、画像形成部22と、画像メモリ23と、操作パネル24と、ファクシミリ通信部25と、NIC(ネットワークインタフェースカード、本体側通信部)26と、を備える。
【0034】
画像読取部21は、スキャナ機能を実現するためのものである。本実施形態の画像読取部21は、CCDセンサ又は密着型イメージセンサ等の読取装置を備えており、この読取装置によって画像(原稿)を読み取る。画像読取部21は、画像を読み取ることで画像データを得ることができる。
【0035】
画像形成部22は、プリンタ機能を実現するためのものであり、画像データを紙等の記録媒体に記録するための出力装置を備える。例えば、出力装置としては、LED等の光源を用いて感光体にトナーを選択的に付着させて、熱と圧力によってそのトナーを記録媒体に転写する方式を採用することができる。
【0036】
画像メモリ23は、画像読取部21が読み取ることで得られた画像データを保存し及び一時記憶するためのものである。
【0037】
操作パネル24は、ファクシミリの送信、原稿の読取り、コピーの指示、及び各種の設定等をユーザが行うためのものである。操作パネル24は、所定の情報を表示可能なディスプレイと、ユーザが操作を行うためのキー等から構成される。なお、操作パネル24としてタッチパネルを採用しても良い。
【0038】
ファクシミリ通信部25は、電話回線を通じたファクシミリ機能を実現するためのものである。ファクシミリ通信部25は、ネットワークコントロールユニット(NCU)、FAXモデム及びコーデック部等で構成されている。ファクシミリ通信部25は、前記NCUを介して公衆電話回線網(PSTN)33に接続されており、変換復調装置としてのFAXモデムによって音声信号とデータ列とを相互変換する。コーデック部は、画像データを送信するためにMH、MR、MMR等の適宜の形式で圧縮を行う機能を有している。また、コーデック部は、受信した画像データを適宜の形式に展開する機能を有している。
【0039】
NIC26は、複合機1がLAN等に接続するためのインタフェースであり、複合機1の各部(本体側制御部11、フラッシュメモリ14等)と前記バス10を介して接続されている。NIC26は、様々なプロトコルを用いた通信を行うことができる。これにより、複合機1は、電子メールを送信したり、他の機器からの指示を受けて画像を読み取ったり、画像データを印刷したりすることが可能である。
【0040】
図1に示すように、NIC26はネットワーク30に接続されており、このネットワーク30には、無線LANルータ31及び図略のパーソナルコンピュータ等が接続されている。また、無線LANルータ31は、インターネット32に接続されている。従って、複合機1は、無線LANルータ31を介して、外部に配置されたパーソナルコンピュータへメール等を送信することができる。なお、無線LANルータ31は、有線接続機能に加え、無線接続機能を有している。無線LANルータ31には、無線接続によりスマートフォン40が接続されている。
【0041】
スマートフォン40は、端末側制御部42と、記憶部43と、通信部(端末側通信部)44と、操作部45と、表示部46と、を備える。なお、スマートフォン40を構成する各部は、伝送路41を介して互いに接続されている。
【0042】
端末側制御部42は、CPU等から構成されており、スマートフォン40の各種の制御を行う。記憶部43は、RAM,ROM,フラッシュメモリ等から構成されている。端末側制御部42は、ROM等に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行する。フラッシュメモリは、各種設定値、及び、複合機1から受信した画像データ等を記憶する。
【0043】
通信部44は、無線LANで通信する機能と、携帯電話回線網を介して通信する機能と、を有している。通信部44は、無線LANで通信する機能により、無線LANルータ31を介して、複合機1と無線で通信を行うことができる。
【0044】
操作部45は、物理キー及びタッチパネルから構成されている。ユーザは、操作部45を操作することでスマートフォン40へ様々な指示を行うことができる。
【0045】
表示部46は、液晶又は有機EL等で構成されるディスプレイである。表示部46には、様々な情報を表示することができる。
【0046】
次に、スマートフォン40を用いて複合機1へ画像の読取りを指示する流れについて
図2を参照して説明する。
図2は、スマートフォン40を用いて画像の読取りを指示するときの流れを示すシーケンス図である。なお、
図2に示すシーケンス番号は説明のための便宜上の番号であり、必ずしもこの番号順に処理が行われる必要はない。また、複合機1とスマートフォン40は、無線LANルータ31を介して通信を行うが、以下の説明では、説明の簡略化のため、無線LANルータ31を介する点を省略して説明する。
【0047】
スマートフォン40には、予め、複合機1を操作するためのソフトウェア(アプリケーション)がインストールされているものとする。また、スマートフォン40は、ユーザの操作又は当該ソフトウェアの機能により、同じLAN内に複合機1が接続されていること、及び、当該複合機1のIPアドレス(ローカルIPアドレス)を把握しているものとする。
【0048】
また、ユーザが事前に行う処理としては、複合機1への原稿のセット、及び、画像を読み取るときの設定がある。画像を読み取るときの設定は、解像度、モノクロ/カラー、読み取った画像データの拡張子等で構成される。この設定は、スマートフォン40を操作して選択しても良いし、予め複合機1に記憶されたものを用いても良い。
【0049】
ユーザは、複合機1を操作するためのソフトウェアを起動し、スマートフォン40に所定の操作を行うことで、複合機1に画像の読取りを指示する。これにより、スマートフォン40は、読取指示コマンドを生成して複合機1へ無線で送信する(シーケンス番号1)。
【0050】
図3には、読取指示コマンドに含まれる情報を示している。
図3に示すように、読取指示コマンドは、読取開始指示と、送信先情報と、読取設定情報と、から構成されている。
【0051】
読取開始指示は、複合機1に画像の読取りを指示するための情報である。
【0052】
送信先情報は、複合機1が画像データをスマートフォン40へ送信するために用いられる情報である。送信先情報は、具体的には、IPアドレスと、プロトコルと、ポート番号と、から構成されている。
【0053】
IPアドレスは、スマートフォン40に設定されているローカルIPアドレスを示す情報である。なお、送信先を一意に確定できるのであれば、ローカルIPアドレス以外を用いることもできる。例えば、ローカルIPアドレスに代えてMACアドレスを用いることができる。
【0054】
プロトコルは、画像データの送信に用いるプロトコルを示す情報である。本実施形態では、プロトコルとしてFTP(File Transfer Protocol)を用いるが、用いるプロトコルは任意である。例えば、SMB(Server Message Block)又はHTTP(Hyper Text Markup Language)等のプロトコルを用いることができる。
【0055】
ポート番号は、上記のプロトコルを用いて通信するときの待ち受けポートのポート番号を示す情報である。スマートフォン40は、開放しているポート番号又は新たに開放したポート番号を複合機1へ通知する。複合機1は、この待ち受けポートのポート番号を用いてスマートフォン40へ接続を行う。このように、通信に用いる一部のポート番号を開放し、当該ポート番号を通知することで、不必要なポート番号を閉じることができるので、セキュリティを向上させることができる。
【0056】
スマートフォン40から読取指示コマンドを受信した複合機1は、読取指示コマンドを解析し、問題が無ければOKレスポンスをスマートフォン40へ送信する(シーケンス番号2)。なお、原稿がセットされていない場合又は画像読取部21が故障している場合等は、NGレスポンスをスマートフォン40へ送信する。
【0057】
スマートフォン40は、複合機1からOKレスポンスを受信すると、FTP機能を起動する(シーケンス番号3)。これにより、スマートフォン40は、複合機1からの接続が可能な状態に移行する。
【0058】
複合機1は、スマートフォン40へOKレスポンスを送信した後に、画像の読取りを行う(シーケンス番号4)。画像を読み取ることで得られた画像データは、RAM13又はフラッシュメモリ14に記憶される。
【0059】
複合機1は、画像の読取りの前後において、スマートフォン40へ接続要求を行う(シーケンス番号5)。この接続要求は、読取指示コマンドに含まれるプロトコル及び待ち受けポートのポート番号を用いて行われる。これにより、複合機1とスマートフォン40が接続される。そして、複合機1は、確立した接続経路を用いて、RAM13又はフラッシュメモリ14に記憶された画像データをスマートフォン40へ送信する(シーケンス番号6)。
【0060】
スマートフォン40は、複合機1が送信した画像データを受信し、受信した画像を記憶部43に記憶する(シーケンス番号7)。次に、スマートフォン40は、受信した画像データを表示部46に表示する(シーケンス番号8)。なお、受信した画像データを表示する処理は、スマートフォン40が自動的に行う。これにより、ユーザは受信した画像データを表示するための操作を行うことなく、画像データを確認することができる。
【0061】
複合機1は、画像データの送信の完了後、その旨をスマートフォン40へ通知して接続を切断する(シーケンス番号9)。その後、複合機1は、セキュリティ上の観点から、RAM13又はフラッシュメモリ14に記憶された画像データを削除する(シーケンス番号10)。
【0062】
以上により、スマートフォン40を用いて複合機1に画像の読取りを指示し、画像を読み取ることで得られた画像データをスマートフォン40に記憶して表示することができる。また、特許文献1では、スマートフォン、画像形成装置、スマートフォンの順に操作を行う必要があるが、本実施形態では、スマートフォンを操作するだけで、同様の処理が実現できる。
【0063】
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
図4は、変形例において、画像の読取りを指示するときの流れを示すシーケンス図である。
【0064】
この変形例では、受信した画像データをスマートフォン40で加工等して再び複合機1へ送信し、出力(印刷又はファクシミリの送信)を指示する。以下、
図4のシーケンス図を参照して具体的に説明する。なお、
図4のシーケンス番号21からシーケンス番号28までは、
図2のシーケンス番号1からシーケンス番号8と同様なので、説明を省略する。
【0065】
スマートフォン40は、複合機1から受信した画像データを表示するとともに、当該画像データの加工に関する指示を受け付ける。スマートフォン40は、例えば加工の内容に応じたアイコン等を表示することで、加工に関する指示を受け付ける。ここで、スマートフォン40が行う加工としては、手書きの文字の追加、入力された文字の追加、指定された部分の切り取り(トリミング)、指定された部分の消去、色の調整等である。スマートフォン40は、ユーザが行った指示に応じて画像データを加工する(シーケンス番号29)。
【0066】
次に、スマートフォン40は、加工済み画像データの出力方法を受け付ける。スマートフォン40は、例えば出力方法に応じたアイコン等を表示することで、出力に関する指示を受け付ける。出力方法は、上述のように印刷とファクシミリの送信がある。印刷を行う場合、印刷のレイアウト、印刷に用いる用紙のサイズ、印刷品質等を設定することができる。ファクシミリの送信を行う場合、宛先、送信品質等、メモリ送信の有無等を設定することができる。スマートフォン40は、ユーザが行った指示に応じて出力方法に関する設定を行う(シーケンス番号30)。
【0067】
そして、スマートフォン40は、出力指示コマンドを複合機1へ送信する(シーケンス番号31)。出力指示コマンドは、加工済みの画像データ、設定された出力方法等を示す情報を含んでいる。
【0068】
複合機1は、出力指示コマンドを受信すると、加工済みの画像データを設定された出力方法で出力する(シーケンス番号32)。その後、複合機1は、上記実施形態と同様に、画像データ及び加工済みの画像データを削除する(シーケンス番号33)。
【0069】
以上に説明したように、本実施形態の画像読取システム100は、スマートフォン40と、複合機1と、を備える。スマートフォン40は、画像の読取りの開始を指示する読取開始指示と、当該画像を読み取ることで得られた画像データを自機へ送信するために使用される情報である送信先情報と、を送信する。複合機1は、スマートフォン40が送信した読取開始指示と送信先情報とを受信した場合に、画像の読取りを開始し、画像を読み取ることで得られた画像データを、送信先情報に基づいてスマートフォン40に送信する。
【0070】
これにより、スマートフォン40が読取開始指示と送信先情報の両方を送信可能とすることで、複合機1を操作することなく、画像の読取り及び画像データの送信を行うことができる。また、複合機1を操作する必要がないので、予め原稿をセットしておけば、複合機1から離れた位置からでも画像の読取り等を指示することができる。従って、ユーザの手間を大幅に軽減することができる。
【0071】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0072】
上記では、画像の読取りの完了後に複合機1が主体的に画像データを送信する。これに代えて、スマートフォン40が所定時間毎に複合機1にアクセスし、画像データが完成していた場合に当該画像データを受信することもできる。例えばプロトコルとしてHTTPを用いた場合、後者の方法を用いることが好ましい。
【0073】
スマートフォン40は、常に1種類のプロトコルのみを用いる必要はなく、状況に応じて変更しても良い。プロトコルを変更した場合であっても、本実施形態ではスマートフォン40が複合機1へプロトコルの種類を通知するため、スムーズに通信を行うことができる。
【0074】
図2及び
図4で示したフローチャートは一例であり、用いるプロトコルの種類又は複合機1の設定等に基づいて、処理の順序を変更したり、処理の追加又は削除を行うことができる。
【0075】
上記ではNIC26がパケット通信部として機能するが、パケット通信部の機能を本体側制御部11に組み込んでも良い。
【0076】
上記では、無線携帯端末の例としてスマートフォンを説明したが、タブレットPC等を用いた場合でも同様の効果を実現できる。
【0077】
上記で説明した複合機1は、多種の機能を有する複合機として構成されているが、少なくともスキャナ機能を有していれば、本発明を適用することができる。