【解決手段】 孔を有する円盤状のフィルタ10と、フィルタを回転させる電動機20と、フィルタの周囲に位置する油分捕集部材30と、を備え、油分捕集部材は、フィルタの周縁端部12を囲む内壁32と、内壁の下端部322で、内壁より内側に延在する延在部33と、延在部の内縁端部333から、フィルタの方へ立ち上がる立ち上り部34と、を有し、内縁端部333は、上下方向において下端部322よりフィルタに近いことを特徴とする油捕集装置100を提供する。
前記電動機が前記フィルタを回転させることにより、空気に含まれる油分を、前記フィルタの表面部に衝突させ、前記フィルタの周囲に位置する前記油分捕集部材の方へ飛散させ、前記油分捕集部材で捕集する請求項1乃至5のいずれかに記載の油捕集装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この高捕集型油捕集装置では、高速回転する円盤状のフィルタの周囲やその下方に位置して油脂分を回収するフィルタカバーを設けて、フィルタで捕獲し飛散する油脂分を捕集し、また油脂分がレンジフードから滴下することを防止している。
【0005】
しかし、このようなフィルタカバーの内側にはフィルタが回転することで発生する旋回流が存在するため、この旋回流により油がフィルタカバー内を周回するように流動する。さらに、特にフィルタの外周縁部が下方に屈曲等している場合には、捕集した油はフィルタカバーの通気開口部がある中央側に集まり、通気開口部の周囲を回動する。そのため、使用するに従い流動する油の量が次第に増加した場合には通気開口部から油が溢れ出て、下に滴下してしまうことがあった。このような事態を回避するため、フィルタカバーの形状を深くすること、あるいはフィルタカバーの幅を大きくすることで許容される油の容量を増やすことが考えられるが、装置が大型化してしまったり、レンジフードに設置する場合にはレンジフード本体の構造による取り付け可能範囲に制約が生じたりするため、望ましくない。
【0006】
そこで、本発明は、捕集した油を通気開口部の方へ集めないようにし、通気開口部の周りを周回するように流動する油を減少させ、通気開口部から油が溢れ出ることを防止する油捕集装置およびレンジフードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、孔を有する円盤状のフィルタと、そのフィルタを回転させる電動機と、フィルタの周囲に位置する油分捕集部材と、を備え、その油分捕集部材は、フィルタの周縁端部を囲む内壁と、その内壁の下端部で、内壁より内側に延在する延在部と、その延在部の内縁端部から、フィルタの方へ立ち上がる立ち上り部と、を有し、内縁端部は、上下方向において下端部よりフィルタに近いことを特徴とする油捕集装置が提供される。
これによれば、油分捕集部材において、通気開口部側の内縁端部を内壁側の下端部よりフィルタに近づけて上方に位置させることで、捕集した油を通気開口部の方へ集めないようにし、通気開口部の周りを周回するように流動する油を減少させ、通気開口部から油が溢れ出ることを防止する油捕集装置を提供できる。
【0008】
さらに、内縁端部と下端部の間に段差を有することを特徴としてもよい。
これによれば、段差を設けることで油をより通気開口部の方へ集めないようにすることができる。
【0009】
さらに、立ち上り部は、周縁端部の曲率より小さい曲率を有する小曲率部または平面部を備えることを特徴としてもよい。
これによれば、立ち上り部の一部にフィルタの周縁端部から離れる部分があることで、その部分が回収した油が滞留する油溜まりとなり、回収した油が繰り返し周回流動することを抑制することができる油捕集装置を提供することができる。
【0010】
さらに、フィルタは、周縁端部が電動機から遠ざかる方に位置するように屈曲または湾曲する円周状の屈曲部または湾曲部を有し、立ち上り部の上端部は、上下方向において、周縁端部より上に位置することを特徴としてもよい。
これによれば、フィルタの外周縁部が下方に屈曲等している場合であっても、通気開口部から油が溢れ出ることを防止することができる。
【0011】
さらに、内縁端部は、上下方向において、周縁端部より上に位置することを特徴としてもよい。
これによれば、フィルタの外周縁部が下方に屈曲等している場合であっても、通気開口部から油が溢れ出ることを確実に防止することができる。
【0012】
さらに、電動機がフィルタを回転させることにより、空気に含まれる油分を、フィルタの表面部に衝突させ、フィルタの周囲に位置する油分捕集部材の方へ飛散させ、油分捕集部材で捕集することを特徴としてもよい。
これによれば、圧力損失が小さい状態で高い油捕集効率を有する油捕集装置を提供できる。即ち、フィルタを高速で回転させて、空気に含まれる油分をフィルタの表面に衝突させ、周囲に位置する油分捕集部材の方へ飛散させることで、フィルタに油分が付着し目詰まりを起こすことが少なくなる。これにより、フィルタ自体の洗浄の労力が低減し、使用するに従って圧力損失が増加することを防止でき、さらに、空気流路におけるフィルタより下流部分にほとんど油分が付着しないため、フィルタより下流部分を清掃/洗浄する手間を大幅に軽減する油捕集装置を提供できる。
【0013】
また、上記課題を解決するために、上記の油捕集装置を備えるレンジフードを提供することができる。
これによれば、高い油捕集効率を実現すると共に、フィルタで捕獲し飛散した油分を確実に捕集でき、その捕集した油を通気開口部の方へ集めないようにし、通気開口部の周りを周回するように流動する油を減少させ、通気開口部から油が溢れ出ることを防止するレンジフードを提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、捕集した油を通気開口部の方へ集めないようにし、通気開口部の周りを周回するように流動する油を減少させ、通気開口部から油が溢れ出ることを防止する油捕集装置およびレンジフードを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1乃至
図3を参照し、本実施例にかかるレンジフード1について説明する。レンジフード1は、下方または周囲で行われる調理によって発生する湯気や油煙等を捕集するための、上方に凹状の内面パネル5を内面に有する薄型のフード部2を有する。フード部2は、上部後方に位置する連通口6付近で、排気ダクト(図示せず)に接続された送風機ボックス3と連結されている。送風機ボックス3は、内部にシロッコファンであり空気の流れD1を発生させるファン4を有する。従って、ファン4が稼働すると連通口6は負圧となり、内面パネル5の下方の空気は連通口6を通して吸入され、排気ダクトを通して外部に排出される。連通口6は、ファン4と連通し、ファン4が発生させた空気の流れD1の流路上であって、ファン4より空気の流れの上流側に位置する。
【0017】
連通口6には、内面パネル5との間に空気の流路となりうる隙間が生じないように取り付けられる取付板50と、空気の流れD1を通過させる孔を有する円盤状のフィルタ10と、フィルタ10の円盤の中心にシャフトを連結され、フィルタ10を回転させる電動機20と、電動機20を取付板50に取り付けるための電動機取付具40と、取付板50に取り付けられ、フィルタ10の外周縁を囲む油分捕集部材30と、を備える油捕集装置100が存在する。従って、レンジフード1は、ファン4が発生させる空気の流れD1の流路上であって、ファン4よりその流れの上流側に存在し、その空気の流れを図視で下から上に通過させる孔を有するフィルタ10を、回転可能に備える。
【0018】
内面パネル5の下方の空気は、調理によって発生する湯気や油煙等を含んでおり、ファン4が稼働すると、連通口6に存在する、即ちファン4が発生させた空気の流れD1の流路上であってファン4より上流側に位置するフィルタ10の孔に吸引され、その孔を通過することになる。フィルタ10は、電動機20により回転可能に設けられており、レンジフード1が稼働すると、ファン4が空気の流れD1を発生させる共に電動機20がフィルタ10を回転させる。レンジフード1は、フィルタ10を回転させることにより、空気に含まれる油分を油分捕集部材30に捕集する。捕集の仕方は後述する。
【0019】
かかるレンジフード1は、従来のスロットフィルタやHEPAフィルタ等を用い、スリットや目を細かくしたり、重ね合わせて複層としたりすることにより油捕集効率を向上させることに比べ、圧力損失が小さい状態で高い油捕集効率を有することができる。即ち、従来のスロットフィルタやHEPAフィルタ等を用いて、スリットの目を細かくする、あるいは重ね合わせて複層とすることで油捕集効率を向上させると、フィルタの通気部が複雑な流路を形成するため、通気抵抗が高くなる傾向があるが、かかるレンジフード1の場合には、フィルタの回転によって油捕集効率を高めているため、このような複雑な流路を形成する必要がない。よって従来のフィルタと比較して低い通気抵抗を維持したまま高い油捕集効率を得ることができる。また、フィルタに油分が付着し目詰まりを起こすことが少なくなることにより、フィルタ自体の洗浄の労力が低減し、使用するに従って圧力損失が増加することを防止でき、さらに、空気流路におけるフィルタより下流部分にほとんど油分が付着しないため、フィルタより下流部分を清掃/洗浄する手間を大幅に軽減するレンジフードを提供できる。
【0020】
ファン4のファンの種類は特に限定されず、空気の流れを生じさせる軸流ファンなどのその他のファンであってよい。好ましくは、本実施例に使用された、静圧の高いシロッコファンである。また、フード部2の下方には、フード部2と着脱可能であり、フード部2との間に隙間を有して吸込力を高める整流板7を備える。本実施例におけるレンジフード1は整流板7を備えるが、整流板7の存在は特に限定されず、あってもなくてもよい。整流板が存在しない場合または整流板を取り外した場合には、
図2に示すように、フード部2の内面である上方に凹状の内面パネル5と、内面パネル5に隙間が生じないように取り付けられた取付板50と、円盤状のフィルタ10と、取付板50に取り付けられフィルタ10の外周縁を囲むように設けられた油分捕集部材30とが、直接使用者から視認できる。
【0021】
図4乃至
図6を参照し、本実施例における油捕集装置100を説明する。油捕集装置100は、連通口に取り付けられる取付板50と、空気の流れを通過させる孔11を有する円盤状のフィルタ10と、フィルタ10の円盤の中心にシャフト21を連結され、フィルタ10を回転させる電動機20と、電動機20を取付板50に取り付けるための電動機取付具40と、取付板50に取り付けられ、フィルタ10の周囲を囲むように設けられた油分捕集部材30とを備える。
【0022】
取付板50は、中央部にフィルタ10を配置できる円形の開口部を備えたほぼ正方形の平板から形成される。取付板50と連通口の取り付けは、隙間などを有さずになされ、この取り付け部分には空気の流れは通過しない。従って、円形の開口部は、ファンが発生させた空気の流れを通過させる唯一の部分となり、この開口部はファンが発生させる空気の流れの流路となる。なお、取付板50は、内面パネル5と一体として成形されていても良い。また、取付板50は、整流板7を取り付けるための整流板取付具51を2箇所に備える。
【0023】
電動機取付具40は、取付板50の空気の流れの下流側に、開口部を跨ぐようにして設けられる。電動機取付具40は、ほぼ中央部に電動機20のシャフト21を通すための穴を有し(図示せず)、その穴が平面視で開口部の中心となるように、取付板50に取り付けられる。
【0024】
電動機20は、そのシャフト21を電動機取付具40の穴に空気の流れD1(
図3参照)の下流側から上流側に向けて貫通させて、電動機取付具40に固定される。電動機20のシャフト21は、取付板50の円形の開口部の中心となる。
【0025】
フィルタ10は、電動機20のシャフト21の先端部分に、フィルタ10の面がシャフト21に垂直になるように、着脱具14により着脱自在に取り付けられる。フィルタ10の外形は円形であり、フィルタ10は、フィルタ10の中心において、取付板50の円形の開口部の中心に位置する電動機20のシャフト21に取り付けられるので、フィルタ10の外形と開口部の外形は、同心円の円形であり、フィルタ10の直径は、開口部の直径よりわずかに小さい。
【0026】
フィルタ10は、孔11を有する円形の金属平板から形成される。フィルタ10は、フィルタ10の外周である周縁端部12の内側で周縁端部12が電動機20から遠ざかる方に位置するように円周状に屈曲する屈曲部13を有する。周縁端部12は、孔11を有するフィルタ10の表面部と比べて、図視で上下方向において下方に位置する。こうすることで、フィルタ10の表面部で捕獲した油分が周縁端部12にガイドされた時、油分の飛散する位置を調整することができる。フィルタは、もちろんこのように屈曲することなく、単純な円形平板であってもよい。また、屈曲部は、屈曲というほど大きな曲率で曲がるのではなく、より小さな曲率で湾曲するような湾曲部であってもよい。
【0027】
フィルタ10の孔11は、中心ほど半径方向に近く、外周に行くに従い徐々に円周方向に近づくようなスリットから形成されている。また、スリットの長さも、中心ほど短く、外周に行くに従い徐々に長くなるように形成されている。本実施例の場合、スリットの円周方向の幅は、およそ1.5mmである。なお、孔の形状、大きさ、配列はこれに限定されない。例えば、孔の配列は、孔が正三角形の頂点に開けられる、孔が正四角形の頂点に開けられる、または、不規則にランダムに開けられるなど、どのような配列であってもよい。また、孔の形状は、円形、三角形、正方形、正多角形などどのような形状であってもよい。
【0028】
油分捕集部材30は、フィルタ10の周縁端部12の外側および下方の周囲を取り囲むように配置される。油分捕集部材30は、通気開口部35を有し、その中を流れる空気が含む油分を、フィルタ10の表面部で捕獲し、遠心力で外周に飛散した油分等を捕集する。油分捕集部材30は、周縁端部12を囲み飛散した油分等を受け止める内壁32と、油脂分がレンジフードから滴下することを防止するため、内壁32の下端部で内壁32より内側に延在し、フィルタ10の周縁端部12の下側を覆う延在部33と、通気開口部35を囲むように延在部33の内縁端部からフィルタ10側に立ち上がる立ち上り部34を有し、フィルタ10から捕集した油を留めておく油溜まり31を備える。
【0029】
油捕集装置100は、
図5が示すように、使用者が、油分捕集部材30とフィルタ10を容易に着脱することができる。油分捕集部材30は、取付板50に設けられた油分捕集部材30の外形に対応して形成された凹部に嵌り込み保持されているので、容易に上下方向に着脱できる。また、フィルタ10は、着脱具14と一体化されており、その着脱具14が電動機20のシャフト21に掛合することで保持され、使用者が着脱具14を操作することで容易に上下方向に着脱できる。これによれば、使用者は、油捕集装置100をしばらく使用して油溜まり31に溜まった油を容易に回収し、油分等で汚れた油分捕集部材30とフィルタ10を洗浄することができる。
【0030】
本実施例の油分捕集部材30を詳細に説明する前に、
図14を参照し、従来技術の油分捕集部材30Zについて説明する。油分捕集部材30Zは、電動機20Zに連結され回転するフィルタ10Zの周縁端部12Zをほぼ等距離で囲む内壁32Zを有する。即ち、内壁32Zは、フィルタ10Zの周縁端部12Zの周囲のすべてを取り囲むように配置される。また、油分捕集部材30Zは、内壁32Zの下端部322Zで内壁32Zより内側に延在する延在部33Zと、延在部33Zの内縁端部333Zからフィルタ10Zの方へ立ち上がる立ち上り部34Zを有する。そうすると、下端部322Zと内縁端部333Zは、上下方向においてほぼ同じ位置にあり、延在部33Zは、フィルタ10の表面部とはほぼ平行をなす。
【0031】
この従来技術の油分捕集部材30Zでは、使用するにつれて延在部33Zの上面に回収した油脂分が溜まり始める。フィルタ10Zの特に周縁端部12Zと近距離となる油分捕集部材30Zの内側には、フィルタ10Zが回転することで発生する旋回流が存在するため、この旋回流により油(OL)が、油分捕集部材30Zの内部特に延在部33Zと立ち上り部34Zとの接合部分である内縁端部333Zや、延在部33Zと内壁32Zとの接合部分である下端部322Zにおいて、周回するように流動する。そのため、次第に流動する油の量が増加すると、本図の矢印が示すように、油(OL)が立ち上り部34Zを乗り越えて下方へ滴下してしまい、整流板7の上面や調理器を汚してしまうこととなる。
【0032】
一方、本実施例における油分捕集部材30は、以下のとおりである。
図7(A)および(B)を参照し、説明する。なお、重複記載を避けるため上記従来技術と異なる点を中心に説明する。油分捕集部材30においては、延在部33の最も内側に位置し通気開口部35に接する内縁端部333は、上下方向において、内壁32の最も下に位置する下端部322より、フィルタ10に近い。即ち、本図(B)において図視で、内縁端部333は、下端部322より上に位置する。そうすると、下端部322より内側に延在し、内縁端部333との間で形成されている延在部33は、通気開口部35に近い内側の方がフィルタ10に近くて上方に位置し、内壁32に近い外側の方がフィルタ10から遠くて下方に位置する。
【0033】
油捕集装置100は、わずかに傾斜させて設置されることはあるが、ほぼ図示したように設置されるため、使用時においても延在部33の内側部分と外側部分とで上下方向の位置関係は変わらない。従って、延在部33に溜まる油脂分は延在部33の外側に集まるようになる。これによれば、油分捕集部材30において、通気開口部35側の内縁端部333を内壁32側の下端部322よりフィルタ10に近づけて上方に位置させることで、捕集した油を通気開口部35の方へ集めないようにし、通気開口部35の周りを周回するように流動する油を減少させ、通気開口部35から油が溢れ出ることを防止できる。
【0034】
また、フィルタ10は、周縁端部12が電動機20から遠ざかる方に位置するように屈曲する円周状の屈曲部13を有するところ、立ち上り部34の上端部342は、上下方向において、周縁端部12より上に位置することが好ましい。これによれば、フィルタ10の周縁端部12が下方に屈曲等している場合であっても、通気開口部35から油が溢れ出ることを防止することができる。
【0035】
さらに、内縁端部333は、上下方向において、周縁端部12より上に位置することが好ましい。これによれば、フィルタ10の周縁端部12が下方に屈曲等している場合であっても、通気開口部35から油が溢れ出ることを確実に防止することができる。
【0036】
<第一実施例の変形例>
図7(C)および(D)を参照し、本実施例の変形例を説明する。なお、重複記載を避けるため上記実施例と異なる点を中心に説明する。油分捕集部材30’においては、内縁端部333’と下端部322’の間に、内縁端部333’の方がフィルタ10’に近づくように円周状の段差334’を有する。こうすることで、延在部33’がフィルタ10’の表面部と平行をなしても、内縁端部333’は、上下方向において下端部322’よりフィルタ10’に近くなっている。これによれば、段差334’を設けることで油をより通気開口部35’の方へ集めないようにすることができる。段差334’は、内壁32’よりにあると油を溜める容量が減少するので、立ち上り部34’よりに位置することが好ましい。
【0037】
<第二実施例>
図8を参照し、本実施例を説明する。なお、重複記載を避けるため上記実施例と異なる点を中心に説明する。油分捕集部材30Aの立ち上り部34Aの大部分は、フィルタ10Aの周縁端部12Aを内側から取り囲んでいる。即ち、立ち上り部34Aの大部分は、周縁端部12Aの曲率より大きいほぼ一定の曲率を有しており、この部分における立ち上り部34Aと周縁端部12Aとの最短距離はほぼ一定である。
【0038】
一方、本図(A)に示すように、背面側に位置する一部の立ち上り部34Aは、周縁端部12Aの曲率より小さい曲率を有する小曲率部341A(曲率が0の平面部を含む)と、小曲率部341Aの両側に大きく折れ曲がる大曲率部343Aを有する。この小曲率部341Aにおける周縁端部12Aまでの最短距離は、この小曲率部341A以外の上記大部分における最短距離よりも大きくなり、小曲率部341Aでは周縁端部12Aから離れることになる。これによれば、立ち上り部34Aの一部にフィルタの周縁端部12Aから離れる部分があることで、その部分が回収した油が滞留する油溜まり31Aとなり、回収した油が繰り返し周回流動することを抑制することができる。
【0039】
<第二実施例の変形例>
図8(C)および(D)を参照し、本実施例の変形例を説明する。なお、重複記載を避けるため上記実施例と異なる点を中心に説明する。油分捕集部材30A’においては、内縁端部333A’と下端部322A’の間に、内縁端部333’の方がフィルタ10A’に近づくように立ち上り部34A’近傍に段差334A’を有する。こうすることで、延在部33A’がフィルタ10A’の表面部と平行をなしても、内縁端部333A’は、上下方向において下端部322A’よりフィルタ10A’に近くなっている。これによれば、段差334A’を設けることで油をより通気開口部35A’の方へ集めないようにすることができる。段差334A’は、内壁32A’よりにあると油を溜める容量が減少するので、立ち上り部34A’よりに位置することが好ましい。
【0040】
<第三実施例>
図9および
図10は、本実施例に係るレンジフード1Bに関し、レンジフード1Bにおける空気の流れに伴う油分を捕集する作用を説明するものである。レンジフード1Bは、油捕集装置100Bと、空気の流れAを発生させるファン4Bと、ファン4Bと連通する連通口6Bを有する内面パネル5Bと、を備える。油捕集装置100Bは、連通口6Bに取り付けられる取付板50Bと、空気の流れAを通過させる孔11Bを有する円盤状のフィルタ10Bと、フィルタ10Bの円盤の中心にシャフト21Bを連結され、フィルタ10Bを回転させる電動機20Bと、電動機20Bを取付板50Bに取り付けるための電動機取付具40Bと、取付板50Bに取り付けられ、フィルタ10Bの周囲に位置する油分捕集部材30Bとを備える。そして、油捕集装置100Bは、連通口6Bに位置し、空気の流れAの流路上であってファン4Bより上流側に設けられる。
【0041】
図9は、レンジフード1B全体における空気の流れの作用を示す。レンジフード1Bの下方で行われる調理によって発生する湯気や油煙等と共に、暖められた空気はレンジフード1Bの方へ立ち上る。レンジフード1Bが運転を開始しファン4Bが回転し始めると、ファン4Bは空気の流れを図視で下から上の方向へ発生させる。そうすると、整流板7B辺りに立ち上った空気は、整流板7Bと内面パネル5Bの間から吸い込まれ、その後フィルタ10Bの孔11Bを通過して、ファンケーシング内のファン4Bの吸入口42Bに吸入される。そして、その後、送風機ボックス3Bから排気ダクトDへ排出される。
【0042】
フィルタ10Bの単位時間当たりの回転数は、フィルタの孔の開口状態にもよるが、少なくとも230rpm(Rotation Per Minute)以上であればよい。孔の開口状態との関係など、詳細は後述する。フィルタ10Bがこのように比較的高速に回転すると、フィルタ10Bの表面(表面部)が、その表面に接する空気を摩擦力により引きずり、空気の粘性により付近の空気にもその動きが伝わることで、フィルタ10Bの表面付近には空気の動きが生じ、フィルタ10Bは回転運動をしているので、空気の動きは回転軸を中心とした渦状となる。
【0043】
この渦状の空気の動きは、フィルタ10Bの両面、即ちフィルタ10Bの下面と上面の両方、換言すれば、フィルタ10Bの空気の流れAの上流側の面と下流側の面の両方に発生する。本実施例においては、ファン4Bが発生させる空気の流れAが、図視で下から上へ、フィルタ10Bの孔11Bを通って流れているので、フィルタ10Bの下流側では、渦状の空気の動きはフィルタ10Bの表面から引き離されつつ、フィルタ10Bの外周縁に向かうらせん状流が発生し、ファン4Bにより吸引される。一方、フィルタ10Bの上流側では、渦状の空気の動きはフィルタ10Bの表面に押さえつけられ、フィルタ10Bの外周縁に向かう渦状流を伴う密度の高い空気層が形成される。
【0044】
図10は、油捕集装置100Bにおける空気の流れの作用を示す。調理等で発生した油分OP1は、空気の流れAと共に流されてフィルタ10Bの上流側の面(表面部15B)付近に到達する。上流側の面付近に到達した油分OP2は、一部(粒子径の小さい油分)は密度の高い空気層の外周縁に向かう渦状流により、また、他の一部(粒子径の大きい油分)はフィルタ10Bの上流側の表面(表面部15B)に衝突することにより、フィルタ10Bの周縁端部12Bの方向に弾き飛ばされる。その結果、円盤状のフィルタ10Bの周縁端部を取り囲むように備えられた油分捕集部材30Bに、油分OP3として捕集され、油溜まり31に油OLとして回収される。
【0045】
孔の円周方向における径DA(m)とは、
図11に示すように、フィルタの回転中心を中心とする孔を横切る同心円の中で孔の両端により挟まれた弧の長さの最大値を言う。また、孔径通過時間とは、回転中心からの距離Rx(m)における周速度をVx(m/秒)とした場合、DA/Vx(秒)として表現される。また、孔径平均通過時間tx(秒)とは、孔径通過時間をフィルタ全体に亘り平均したものであり、(1)式により表わされる。ここで、フィルタにおける孔が存在する領域の外側の半径をRmax(m)、フィルタにおける孔が存在する領域の内側の半径をRmin(m)、フィルタの秒当たりの回転数をN(/秒)、フィルタの角速度をω(ラジアン/秒)とする。なお、フィルタ上に孔のある領域は回転軸を中心に同心円状に存在し、その領域には孔は均一に分布するものとする。孔径通過時間は、DA/2πNRxであるところ、孔径平均通過時間txは以下のようになる。
【0047】
なお、孔径平均通過時間は、換言すれば、フィルタの孔の円周方向における径の一端と他端が、ある円周上の1点を通過するのに必要な時間のフィルタにおける平均値であり、便宜上、孔が存在する領域において、内側と外側での面積が同じになる半径位置に存在する孔を横切る円周方向の弧の長さ、即ち、孔の円周方向における径の長さを移動するのに必要な時間と言うこともできる。
図11(A2)を参照して説明する。円形の孔11Bは、フィルタの回転中心(図示せず)を中心にして図視で左から右へ弧を描きながら円周方向に、V(m/秒)の速さで移動する。点αと点βは、孔11Bの外周上かつ回転中心の同一円周上の点であり、点γは、弧αβの中点である。従って、点αと点βは、孔11Bの円周方向における径の一端と他端となる。
【0048】
孔11の円周方向における径は、孔11を横切る同心円の中で孔11の両端により挟まれた弧の長さの最大値であるから、弧αβの長さが最大値となるのは、点αと点βを結んだ直線が孔11Bの直径となる場合である。この場合に、弧αγβの長さはDAとなる。孔11の円周方向における径の一端(点α)と他端(点β)が、ある円周上の1点(点γ)を通過するのに必要な時間とは、点βが点γを通過してから、点αが点γを通過するまでの時間である。また、フィルタにおける孔が存在する領域の外側の半径をRmax(図示せず)、フィルタにおける孔が存在する領域の内側の半径をRmin(図示せず)とする場合、孔が存在する領域とは、Rminの外側かつRmaxの内側であり、巾が(Rmax−Rmin)となる領域である。また、内側と外側での面積が同じになる半径位置Rctr(図示せず)とは、次式を満たすものである。
πRmax
2−πRctr
2=πRctr
2−πRmin
2
【0049】
また、孔11の周速度Vavは、フィルタの回転中心を中心とする同一円周上に並ぶ質点の周速度の合計値をRminからRmaxまでの間で積分し、その積分値をフィルタにおける孔が存在する領域(RminからRmaxまでの領域)の面積で除することにより求めることもできる。具体的には、孔11の周速度Vavは、次式を満たすものである。
Vav=4πN(Rmax
2+RmaxRmin+Rmin
2)/3(Rmax+Rmin)
【0050】
上記のようにして求めた周速度とRctrにおける弧の長さを基に、孔の円周方向における径の一端と他端が、ある円周上の1点を通過するのに必要な時間のフィルタにおける平均値を求めることができる。
【0051】
なお、本実施例のような一フィルタの中ですべて同じ孔が均一に配置されたフィルタにおいても、一フィルタの中で形状や大きさが異なる孔が配置されたフィルタにおいても、それぞれの孔の弧の長さと、その孔の位置(回転中心からの距離)における周速度とを求め、それぞれの孔が、それぞれの孔の弧の長さ(円周方向における径の長さ)を移動するのに必要な時間を求め、その時間の平均値を求めることにより、孔の円周方向における径の一端と他端が、ある円周上の1点を通過するのに必要な時間のフィルタにおける平均値を求めることができる。
【0052】
図11(B1)および(B2)では、同じスリット幅を有するスリット11Bの孔を有するフィルタ10Bを示す。しかし、これらのスリット11Bは、中心ほど半径方向に近く、外周に行くに従い徐々に円周方向に近づくようなスリットから形成されている。そうすると、同じスリット幅を有していても、フィルタ10Bの中心部に近い部分と外縁に近い部分でのDAは、異なることとなる。しかし、かかる場合であっても、上述したように、このフィルタ10Bにおける平均値を求めることにより、円周上の1点を通過するのに必要な時間を求めることができる。
【0053】
図12は、本発明に係るレンジフードにおける孔径平均通過時間txと捕集率の関係を示すグラフである。グラフ上のプロットのそれぞれは、様々な孔径のフィルタを、様々な単位時間当たりの回転数で回転させることにより測定した時の、孔径平均通過時間と捕集率を示す。グラフ上のプロットに対してR二乗値が最大となるように回帰曲線(2次多項式回帰曲線、R
2=0.97)を引いた。これによると、従来のフィルタの中で最も良い捕集率である70%を超えるのは、孔径平均通過時間における3%程度の誤差を考慮した点線の回帰曲線によれば、孔径平均通過時間が3.2×10
-4秒であり、好ましくは実線の回帰曲線により、孔径平均通過時間が2.7×10
-4秒辺りである。従って、孔径平均通過時間が3.2×10
-4秒以下であれば、油捕集効率の高いレンジフードを提供することができる。
【0054】
孔径平均通過時間txは、(1)式より明らかなように、フィルタの秒当たり回転数Nが速くなると、又は、孔の径DAが小さくなると、小さくなる。従って、本発明に係るレンジフードは、フィルタの回転数とフィルタの孔の径をパラメータとして、孔径平均通過時間を調整可能である。回帰曲線は右下に下降しているので、捕集率を良くするためには、孔径平均通過時間を小さくするとよい。従って、捕集率を80%程度とするために1.8×10
-4秒程度とし、好ましくは、1.5×10
-4秒程度としてもよい。また、捕集率を90%程度とするために0.98×10
-4秒程度とし、好ましくは、8.0×10
-5秒程度としてもよい。
【0055】
表1は、本実施例におけるフィルタの孔径(mm)および回転数(rpm)と捕集率の関係を示す。孔は円形であり、孔径は、0.75mm、1mm、1.5mm、2mmの4種類で捕集率の測定を行った。フィルタの回転数が0rpmの場合、いずれの孔径においても、従来のフィルタの中で最も良い捕集率である70%を下回り、回転していないフィルタでは、捕集効率は高くないことがわかる。
【0056】
一方、フィルタを1000rpmで回転させると、最も捕集率の低い孔径2mmのフィルタにおいても、捕集率が77%と、従来の最良のフィルタの捕集率を上回る。また、孔径が、1.5mm、1mm、0.75mmと小さくなるに従って、捕集率が80%、86%、88%とさらに高くなっていく。さらに、フィルタの回転数を1500rpmとすると、孔径が、2mm、1.5mm、1mm、0.75mmと小さくなるに従って、捕集率は、84%、86%、91%、93%とますます高くなる。さらに、フィルタの回転数を2000rpmとすると、孔径が、2mm、1.5mm、1mmと小さくなるに従って、捕集率は、88%、90%、90%となる。従って、本発明に係るレンジフードは、ファンが空気の流れを発生させながらフィルタを回転させることにより、空気に含まれる油分を捕集する。さらに、フィルタの単位時間当たりの回転数を大きくすると、または、孔径を小さくすると、高い油捕集効率が得られることがわかる。
【0058】
上述のように、捕集率70%を超える孔径平均通過時間は3.2×10
-4秒であり、また、この孔径平均通過時間は、フィルタの孔径と回転数の組み合わせにより決まる。そうすると、以下の孔径と回転数の組み合わせの場合、孔径平均が3.2×10
-4秒となり、捕集率70%を実現できる。即ち、
・孔径、即ち孔の円周方向における径は0.75mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は230rpm以上である、または、
・孔径は1.00mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は310rpm以上である、または、
・孔径は1.50mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は460rpm以上である、または、
・孔径は2.00mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は620rpm以上である、または、
・孔径は5.00mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は1500rpm以上である、場合に、油捕集効率の高いレンジフードを提供できる。
【0059】
また、より好ましくは、捕集率70%を超える孔径平均通過時間は2.7×10
-4秒である。そうすると、同様に、
・孔径、即ち孔の円周方向における径は0.75mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は270rpm以上である、または、
・孔径は1.00mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は360rpm以上である、または、
・孔径は1.50mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は540rpm以上である、または、
・孔径は2.00mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は720rpm以上である、または、
・孔径は5.00mm以下であり、かつ、フィルタの回転数は1800rpm以上である、場合に、油捕集効率の高いレンジフードを提供できる。
【0060】
また、油分がフィルタの上流側の表面(孔のない部分の表面部)に衝突する際、油分の大部分はフィルタの外周縁方向に弾き飛ばされるが、一部はその表面に付着することがある。フィルタの回転速度が速くなると、フィルタ表面に一旦付着した油分は遠心力により外周縁方向に飛ばされる。その結果、本発明に係るレンジフードは、フィルタに油分が付着し残存することが少なくなることにより、フィルタ自体の洗浄の労力を低減することができる。
【0061】
上述したように、油捕集装置100Bは、電動機20Bがフィルタ10Bを回転させることにより、空気に含まれる油分を、フィルタ10Bの表面部15Bに衝突させ、フィルタ10Bの周囲に位置する油分捕集部材30Bの方へ飛散させ、油分捕集部材30Bで捕集する。これによれば、圧力損失が小さい状態で高い油捕集効率を有する油捕集装置を提供できる。即ち、フィルタを高速で回転させて、空気に含まれる油分をフィルタの表面に衝突させ、周囲に位置する油分捕集部材の方へ飛散させることで、フィルタに油分が付着し目詰まりを起こすことが少なくなる。これにより、フィルタ自体の洗浄の労力が低減し、使用するに従って圧力損失が増加することを防止でき、さらに、空気流路におけるフィルタより下流部分にほとんど油分が付着しないため、フィルタより下流部分を清掃/洗浄する手間を大幅に軽減するレンジフードを提供できる。
【0062】
図13は、本実施例と従来タイプのスロットフィルタを使用したレンジフードにおけるフィルタでの捕集率と、ファンやダクトなどの下流部品への油分付着の関係を得るための試験に使用した試験構成図である。本実施例のフィルタの孔径の違いにより捕集率が異なることを利用し、フィルタでの捕集率の違いにより下流部品への油分付着状態を確認するために、以下のように試験を行った。
【0063】
試験方法は、以下のようである。温度コントロール可能なホットプレートの上方800mmに本発明に係るフィルタ等を備えたレンジフードが設けられている。245°Cに加熱したホットプレートにステンレス筒を載せ、ポンプからそのステンレス筒に、油を2.5g/分で、水を8g/分で滴下する。試験時間は10分間である。また、フィルタの回転数は、1500rpmである。
【0064】
本試験の結果を表2に示す。本試験によれば、従来タイプのレンジフードであるスロットフィルタを使用したレンジフードでは、フィルタにおいて50%の油分を捕集し、下流部品において23%の油分が付着する。残りの27%の油分は空気と共に外部へ排出されることになる。一方、本実施例のレンジフードであって、孔径2.0mmのフィルタを備えるレンジフードでは、フィルタにおいて83%の油分を捕集し、下流部品において7%の油分が付着する。また、孔径1.5mmのフィルタを備えるレンジフードでは、フィルタにおいて83%の油分を捕集し、下流部品において2%の油分が付着する。また、孔径1.0mmのフィルタを備えるレンジフードでは、フィルタにおいて87%の油分を捕集し、驚くべきことに下流部品においては油分の付着が認められない。
【0065】
この試験によれば、従来タイプのレンジフードの捕集率に比し、本実施例に係るレンジフードでは、フィルタでの捕集率が83%以上と明らかに高い。その結果、清掃/洗浄などに手間のかかる下流部品への油分の付着を著しく抑えることができる。従来から知られているレンジフードの捕集率が最も良くても70%であることを考慮すると、本試験に用いた本発明に係るレンジフードは、孔径の変化にもかかわらず83%以上の捕集率を有しており、本発明に係るレンジフードは高い捕集効率を有すると言える。従って、本発明に係るレンジフードは、空気流路におけるフィルタより下流部分にほとんど油分が付着しないため、フィルタより下流部分を清掃/洗浄する手間を大幅に軽減することができる。
【0067】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。即ち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に関し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0068】
例えば、油捕集装置は、上記ではレンジフードの中に組み込まれて使用されているが、最も油捕集装置が有効に使用される事例として説明したのであり、これに限定されないことは言うまでも無い。油捕集装置は、例えば、レンジフードと別体として、油脂分等を含む空気の中で油脂分を捕集する装置として使用されてもよい。