【解決手段】定着装置6の用紙搬入口の長手方向両側に沿って複数個配置され、一方の端部を定着装置6の内部に開口し、他方の端部を用紙搬入経路56に向けて開口し、定着装置6の内部に開口した開口部にファン61を配置された吸排気パイプ59と、定着装置6の用紙搬入口のある面に取り付けられ、複数の吸排気パイプ59を囲繞し、取り付け部とは反対側面に用紙搬入口56に対応する予熱部搬入口63を形成された筐体46と、逆さにした漏斗型の形状を有し、給紙カセット34に載置された用紙に対し漏斗型の末広開口部を向けて配置された拡散排気部47と、筐体62の一端面に一端の開口部を取り付けられ、他端の開口部を拡散排気部47の漏斗型の根元に連結された集排気管48と有する。
定着装置の被印刷媒体搬入口の長手方向両側に沿ってそれぞれ複数個配置され、筒型の一方の端部を定着装置の内部に開口し、他方の端部を被印刷媒体搬入経路に向けて開口し、前記定着装置の内部に開口した開口部にファンを配置された吸排気パイプと、
前記定着装置の前記被印刷媒体搬入口のある面に取り付けられ、複数の前記吸排気パイプを囲繞し、取り付け部とは反対側面に前記被印刷媒体搬入口に対応する予熱部搬入口を形成された筐体と、
を有することを特徴とする被印刷媒体予熱装置。
逆さにした漏斗型の形状を有し、像転写部で像を転写されるべく給紙部に載置された被印刷媒体の媒体面に対し前記漏斗型の末広がりの開口部を向けて配置された拡散排気部と、
前記筐体の一端面に一端の開口部を取り付けられ、他端の開口部を前記拡散排気部の前記漏斗型の根元に連結された集排気管と、
を更に有することを特徴とする請求項1記載の被印刷媒体予熱装置。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式の画像形成装置がある。この画像形成装置は、一般に感光体ドラムを一様に帯電させて初期化し、この感光体ドラムに光書込みにより静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像化(現像)し、そのトナー像を直接または間接に用紙等に転写し、その転写したトナー像を定着装置で紙面に定着させる。
【0003】
上記の定着装置としては、用紙面のトナー像側に接する加熱ローラと、用紙の反対側面に圧接する加圧ローラで用紙を挟持・搬送しながら、用紙に熱と圧力を加えてトナー像を用紙面に定着させる形式のものが多い。また、その熱源として、通常、加熱ローラにはハロゲンランプが内蔵されている。
【0004】
ところで、用紙にトナー像を定着させる定着装置は、紙面に転写されているトナー像のトナーを所定の温度で加熱する必要がある。このため、印刷の初期時には印刷を伴わない暖機運転を行う。
【0005】
ところが一般にユーザは待ち時間を嫌うので、暖機運転は極力短くなるようにしなければならない。また、省エネルギー化という点においても装置の暖機運転時間の短縮化は重要な課題である。
【0006】
そこで、近年では、加熱ローラと加圧ローラというローラ対方式では定着温度の立ち上がりが遅いということから、ベルト方式の定着装置を用いる形式のものが多くなっている。ベルト方式の定着装置は、発熱ローラから定着ベルトを介して加熱ローラに熱を伝導する形式の定着装置である。
【0007】
この方式の定着装置では、定着ベルトの肉厚を薄く構成し且つ加熱ローラの外周肉厚を薄くし熱容量を下げ、昇温機能を上げることによって、旧来の1対のローラだけの方式に比較して立ち上がりの速い定着機能を発揮することができる。
【0008】
ところで、ベルト式定着方式においても、加熱ローラと加圧ローラにより、定着ベルトを介して用紙に対する挟持部を形成することは必須要件である。従って、定着ベルト自身の昇温率が高くても、挟持部で加圧ローラ側に熱を奪われて、定着ベルトが所定温度よりも低下する場合がある。
【0009】
ところが、一方では、定着装置全体としては、画像形成装置全体のなかで消費する電力はもっとも多く、印字実行中の定着温度は10℃〜180℃の間で上下しており、熱性筐体で囲まれている定着装置が外部に放散する熱量はかなりの量である。
【0010】
このことから、例えば、定着後の高温状態になっている記録紙を冷却し、定着後の記録紙からの排熱を効率良く利用することができるようした画像形成装置が提案いる。(例えば、特許文献1参照。)
【0011】
この特許文献1に記載の技術は、定着器の下流側で、トナー像を加熱定着されて温度上昇している記録紙に水分付与装置で水分を付与し、記録紙から蒸発する水蒸気及び定着器周囲の高温度の雰囲気を収集し、画像形成装置内の調湿又は調温を行なう箇所へ水蒸気輸送管で輸送し、用途を終えた水蒸気輸送管の出口に凝縮器を備える、というものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、印字と印刷は同義に用いられている。
[実施例1]
【0022】
図1は、本発明の実施例1に係る定着装置の用紙予熱装置を備えたフルカラー画像形成装置(以下、単にプリンタ、又は装置本体という)の内部構成を説明する断面図である。
【0023】
図1に示すプリンタ1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着ユニット6、両面印刷用搬送ユニット7、及び用紙予熱装置8で構成されている。
【0024】
上記画像形成部2は、いわゆる背面転写方式で転写ベルト9の下部走行部表面9aにトナー画像を転写するために、その転写ベルト9の下部走行部表面9aに接して同図の右から左へ4個の画像形成ユニット11(11k、11c、11m、11y)を多段式に並設した構成をとっている。
【0025】
この画像形成部2は、
図1に示す印刷実行時位置から、それより下方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。上記4個の画像形成ユニット11のうち上流側(図の左側)の3個の画像形成ユニット11y、11m及び11cは、それぞれ減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。
【0026】
また、画像形成ユニット11kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。上記の各画像形成ユニット11は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下イエロー(Y)のトナー用の画像形成ユニット11yを例にしてその構成を説明する。
【0027】
画像形成ユニット11は、最上部に感光体ドラム12を備えている。この感光体ドラム12は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム12の周面に当接し又は近傍を取り巻いて、クリーナ13、帯電ローラ14、光書込ヘッド15、及び現像器16の現像ローラ17が配置されている。
【0028】
現像器16は、外部を覆うユニット筐体18、内部に設けられた隔壁19、現像ローラ17、第1の攪拌搬送スクリュー21、及び第2の攪拌搬送スクリュー22を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー21及び22は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0029】
この現像器16には、トナー供給部4のトナー補給装置23(23y、23m、23c、23k)から、同図にはY、M、C、Kで示すようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかのトナーが供給される。
【0030】
転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト9と、この転写ベルト9を掛け渡されて転写ベルト9を図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ24と従動ローラ25を備えている。
【0031】
上記の転写ベルト9には、一次転写ローラ26がユニットと一体に組み込まれている。一次転写ローラ26は転写ベルト9を介して感光体ドラム12に圧接し、下方を循環移動する転写ベルト9の下部走行部表面9aにトナー像を直接転写(一次転写)する。
【0032】
転写ベルト9は、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への二次転写部27まで搬送する。二次転写部27は、駆動ローラ24に隣接して下流側(図では上方)に配置された転写補助ローラ28と、この転写補助ローラ28に転写ベルト9を介して圧接する二次転写ローラ29とで形成されている。
【0033】
転写ベルト9には、ベルトクリーナ31が配置されている。ベルトクリーナ31は、転写ベルト9の従動ローラ25に掛け渡されている表面に当接するクリーニングブレード32を備えている。また、ベルトクリーナ31の左方から下方にかけて隣接して、廃トナー回収容器33が着脱自在に配置されている。
【0034】
ベルトクリーナ31は、クリーニングブレード32により転写ベルト9の表面に残留する廃トナーを擦り取って除去し、その廃トナーを不図示の搬送スクリューにより廃トナー回収容器33に送り込んでいる。
【0035】
トナー供給部4は、転写ベルト9の上部走行部の上方に配置される4個のトナー補給装置23(23y、23m、23c、23k)を着脱自在に備えている。4個のトナー補給装置23には前述したようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーが収容されている。
【0036】
これら4個のトナー補給装置23は、
図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えないが、それぞれ装着部のトナー供給口に続くトナー供給路を介して、それぞれに対応する画像形成ユニット11の現像器16と連結されている。
【0037】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、
図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能に装着部を介してプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0038】
給紙部5は、1個の給紙カセット34を備えている。給紙カセット34の給紙口(図の右方)近傍には、用紙取出ローラ35、給送ローラ36、捌きローラ37、待機搬送ローラ対38が配置されている。
【0039】
待機搬送ローラ対38の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、搬送ローラ対39が配置され、更に下流側には、転写ベルト9、転写補助ローラ28、二次転写ローラ29による前述した用紙への二次転写部27が形成されている。
【0040】
この二次転写部27の下流(図では上方)側には定着装置6が配置され、定着装置6の更に下流側には、定着後の用紙を定着装置6から搬出する搬出ローラ対41、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー42に排紙する排紙ローラ対43が配設されている。
【0041】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0042】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対43の直前から図の右横方向に分岐する返送開始路44a、それから下方に曲がる返送中間路44b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる返送終端路44cから成る返送路44を備えている。
【0043】
また、返送路44の途中には、5組の返送ローラ対45(45a、45b、45c、45d、45e)が配置されている。上記返送終端路44cの出口は、給紙部5の給紙カセット34に対応する待機搬送ローラ対38への搬送路に合流している。
【0044】
また、用紙予熱装置8は、定着用紙予熱部46と給紙部用紙予熱部47を備えている。定着用紙予熱部46は、箱型の装置であり、箱の上部開口で定着装置6下面の用紙搬入口を取り巻くように配設されている。
【0045】
他方の給紙部用紙予熱部47は、丸型または四角型の漏斗を下向きにした形状の装置であり、漏斗型の広い下向きの開口を給紙カセット34に収容されている用紙に向けて配置されている。漏斗型の根元には、定着用紙予熱部46に連結している集排気管48の排気口が開口している。
【0046】
次に、上記の構成におけるプリンタ1の基本動作を説明する。なお、以下の基本動作の説明では、カラー印字の状態における動作について説明する。
【0047】
先ず、電源が投入され、使用する用紙の枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると印字(印刷)が開始される。
【0048】
すなわち、駆動ローラ24が
図1の反時計回り方向に回転して、矢印aで示すように転写ベルト9の循環移動を開始させる。各画像形成ユニット11が順次駆動され感光体ドラム12が図の時計回り方向に回転する。
【0049】
帯電ローラ14が感光体ドラム12周面に一様な高マイナス電荷を付与して初期化し、光書込ヘッド15は、感光体ドラム12周面に画像信号に応じた露光を行って初期化による高マイナス電位部と上記露光による低マイナス電位部からなる静電潜像を形成する。
【0050】
現像ローラ17は、静電潜像の低電位部に現像器16内のトナーを転移させて感光体ドラム12周面上にトナー像を形成(反転現像)する。用紙搬送方向最上流の画像形成ユニット11yにより感光体ドラム12の周面上に形成されたイエローのトナー像が転写ベルト9との対向面へと回転搬送される。
【0051】
一次転写ローラ26は、不図示の転写バイアス電源から出力される転写電流を転写ベルト9に印加する。これにより、感光体ドラム12上のイエローのトナー像が転写ベルト9に一次転写される。
【0052】
転写ベルト9に一次転写されたトナー像に重ねて、この後、画像形成ユニット11mにより感光体ドラム12の周面上に形成されたマゼンタのトナー像が、画像形成ユニット11mに対応する一次転写ローラ26によって転写される。
【0053】
更に、画像形成ユニット11cにより感光体ドラム12の周面上に形成されたシアンのトナー像が、画像形成ユニット11cに対応する一次転写ローラ26によって重ね転写され、そして最後に、画像形成ユニット11kにより感光体ドラム12の周面上に形成されたブラックのトナー像が、画像形成ユニット11kに対応する一次転写ローラ26によって重ね転写される。
【0054】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のトナー像が順次重ねて一次転写されたフルカラーの画像が、転写ベルト9の下部走行面9aに完成する。
【0055】
4色のトナー像を重ねて一次転写された転写ベルト9の下部走行面9aは、そのまま循環移動を続けて4色のトナー像を、転写補助ローラ28と二次転写ローラ29とが対向する二次転写位置へと搬送する。
【0056】
他方、用紙への印字タイミングよりやや早めに、用紙取出ローラ35が回転して給紙カセット34に収容されている用紙を取り出す。この給紙カセット34から取り出された用紙の最上部の一枚のみを送り出すべく下方の用紙の連れ送りを禁止するために捌きローラ37が逆方向に回転する。給送ローラ36は、順方向に回転して用紙を待機搬送ローラ対38へ給送する。
【0057】
待機搬送ローラ対38は、回転を一時停止して用紙の進行を制止し、用紙の斜行等の搬送姿勢を補正して、搬送タイミングを待機し、用紙の印字開始位置が、転写ベルト9により二次転写位置へ搬送されてくる4色のトナー像の先端と一致するタイミングに合わせて、用紙の搬送を再開し、搬送ローラ対39を介して用紙を二次転写位置へ給送する。
【0058】
二次転写位置において、二次転写ローラ29は、不図示のバイアス電源から供給されるバイアス電圧を用紙に印加する。これにより、転写ベルト9上の4色のトナー像が用紙に二次転写される。
【0059】
4色のトナー像を転写された用紙は、そのまま定着装置6に搬入される。定着装置6は熱ベルト式定着装置であり、断熱性の筐体49の内部に、熱源50を内蔵する発熱ローラ51、熱伝導ベルト52、熱伝導ベルト52を掛け渡された定着ローラ53、定着ローラ53に対向配置された加圧ローラ54を備えている。
【0060】
定着装置6は,定着ローラ53と加圧ローラ54により適宜の圧力で熱伝導ベルト52を介して用紙を押圧挟持し、用紙に熱と圧力を加えて4色のトナー像を紙面に定着させ、用紙を上方へ排出する。
【0061】
定着装置6から排出された用紙は、搬送ローラ対41により挟持されて搬送を引き継がれ、排紙ローラ対43によって排紙トレイ42上に、4色のトナー像による画像形成面を下にして排出される。
【0062】
上記はカラー印字について述べたが、モノクロ印字については、転写ベルト9が、画像形成ユニット11kの感光体ドラム12のみに接触し、他の感光体ドラム12から離れる位置に移動する点と、画像形成ユニット11kのみが稼動される点を除けば、他の動作は上述したカラー印字の場合とほぼ同一である。
【0063】
また、両面印刷の場合は、上記のようにして、第1面(表面)にトナー像を形成され、定着装置6で紙面にトナー像を定着された用紙は、排紙ローラ対43によって、途中まで排紙トレー42上に排紙される。
【0064】
そして、用紙の後端が、返送開始路44aとの分岐点に来たタイミングで搬送が停止され、続いて、排紙ローラ対43が逆方向に回転する。これにより、用紙はそれまでの後端を先端にして返送開始路44aに搬入される。
【0065】
続いて、用紙は、返送ローラ対45a〜45dにより搬送され、返送終端路44cで表裏を反転させて待機搬送ローラ対38に給送される。これにより、二次転写部において、前後表裏を反転させた用紙の第2面(裏面)にトナー像が二次転写される。以後の動作は上述したカラー印字の場合と同一である。
【0066】
図2(a),(b),(c)は、定着装置6の用紙予熱装置の詳細を示す図である。なお、
図2(a),(b),(c)には、
図1に示した構成と同一の構成部分には、
図1と同一の番号を付与して示している。
【0067】
図2(a)に示すように、定着装置6内へ搬送経路55に沿って搬入される用紙は、搬入口56の左右の案内板57(57a、57b)に進路を規制され、熱伝導ベルト52を介して圧接する定着ローラ53と加圧ローラ54とで形成される挟持部に挟持されて搬送されながら、前述したように、熱と圧力で転写トナー像を紙面に定着され、下流(図の上方)へ排出される。
【0068】
定着ローラ53と加圧ローラ54とで形成される挟持部の上方出口の左右には、用紙が熱伝導ベルト52や加圧ローラ54の方に巻き込まれないように用紙を上方で口に案内する分離爪58(58a、58b)が配置されている。
【0069】
ところで、熱伝導ベルト52の熱が、用紙のトナー像転写面に伝達される前に加圧ローラ54伝達されて、無駄に放散される熱が存在することは前述した。そこで、本例では、断熱性の筐体49の内部に放散される熱を用い、搬入されてくる用紙を予熱して、定着用の熱を助成する。
【0070】
図2(a),(b),(c)に示すように、搬入口56の左右には、それぞれ長手方向に並んで4個(4個と限ることは無いが本例では4個)のL字形のパイプ59が取り付けられている。パイプ59の取り付け口には、それぞれ小型のファン61が配置されている。パイプ59のL字形の取り付け口の反対側となる自由端は搬送経路55に向けて開口している。
【0071】
ファン61は、断熱性の筐体49の内部に放散される熱気を集気し、集気した熱気をパイプ59の自由端側開口部から熱風として、搬送経路55に沿って搬入されてくる用紙の紙面に向けて矢印b及び矢印cで示すにように吹き当てて、用紙を予熱する。
【0072】
これらのパイプ59は、
図2(c)に示すように、定着用紙予熱部46の筐体62に囲まれている。筐体62は囲繞した取り付け部とは反対側面に用紙搬入口56に対応する予熱部搬入口63を形成されている。筐体62の後端部(図では斜め左手前に示している)には、集排気管48が取り付けられている。
【0073】
定着用紙予熱部46のパイプ59が筐体62に囲まれていることにより、用紙の紙面に向けて吹き当てられた熱風は外部に散逸することなく、筐体62内を還流して集排気管48に集気される。集排気管48は、
図1に示す内部諸装置の背後を回りこんで、端部の排気口が、
図1に示す給紙部用紙予熱部47の漏斗型の根元に開口している。
【0074】
これにより、定着用紙予熱部46で予熱用に使用された熱風の余熱は、無駄なく集排気管48に集気され、給紙部用紙予熱部47の漏斗型の開口部から給紙カセット34の最上部の用紙面に吹き当てられ、トナー像転写前の用紙を予熱する。これにより二次転写部27で転写されるトナー像の用紙への転写性が向上する。
【0075】
このように、本例によれば、定着進入前の用紙に熱風を吹き当てることで用紙を予熱することができ、定着性を向上させることができる。そして、用紙を予熱する熱風は、定着装置内で発生した余分な熱を利用しているため、新たに熱源を必要とせず効率的である。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0077】
定着装置の被印刷媒体搬入口の長手方向両側に沿ってそれぞれ複数個配置され、筒型の一方の端部を定着装置の内部に開口し、他方の端部を被印刷媒体搬入経路に向けて開口し、前記定着装置の内部に開口した開口部にファンを配置された吸排気パイプと、
前記定着装置の前記被印刷媒体搬入口のある面に取り付けられ、複数の前記吸排気パイプを囲繞し、取り付け部とは反対側面に前記被印刷媒体搬入口に対応する予熱部搬入口を形成された筐体と、
を有することを特徴とする被印刷媒体予熱装置。
[付記2]
【0078】
逆さにした漏斗型の形状を有し、像転写部で像を転写されるべく給紙部に載置された被印刷媒体の媒体面に対し前記漏斗型の末広がりの開口部を向けて配置された拡散排気部と、
前記筐体の一端面に一端の開口部を取り付けられ、他端の開口部を前記拡散排気部の前記漏斗型の根元に連結された集排気管と、
を更に有することを特徴とする付記1記載の被印刷媒体予熱装置。
[付記3]
【0079】
付記1または2に記載の被印刷媒体予熱装置を有することを特徴とする画像形成装置。