【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、1つ以上のコンピュータネットワークを介して、金融商品及び/又は準金融商品の交換取引市場を創設し、利用者同士が交換取引を成立させることができることを特徴とする。
本発明において利用者同士の交換取引又は顧客同士の交換取引とは、資産運用者同士の交換取引や資金調達者同士の交換取引、資金取引者同士の交換取引、資産運用者と資金取引者との交換取引などを指し、実際の取引に際して、特別目的会社や信託、組合などの導管体を利用者間に関与させる場合などをも含む。
また、本発明における資産運用者とは、貸付、預金、株式や債券、コマーシャル・ペーパー、受益権、不動産商品の売買、外国為替商品や金融派生商品、不動産派生商品、現物派生商品の取引などを通じて資産運用を行う国内外の個人や法人をいう。資金調達者とは、借入、預金、株式や債券、コマーシャル・ペーパーの発行、外国為替商品や金融派生商品の取引などを通じて資金調達を行う国内外の個人や法人をいう。そして本発明では、前記資産運用者としての機能と前記資金調達者としての機能とを併せ持つ国内外の個人や法人を資金取引者と呼ぶ。
さらに本発明においては、資産運用の対象となる金融運用商品や不動産運用商品などの基礎商品を資産運用商品といい、資金調達の対象となる金融調達商品などの基礎商品を資金調達商品と呼ぶ。よって、資金調達者が資金調達商品として利用する債券や株式、コマーシャル・ペーパーなどは、それらを購入する資産運用者の立場から見ると資産運用商品となる。また、資金調達の手段が融資である場合、調達側にとっての基礎商品即ち資金調達商品は借入債務、運用側にとっての基礎商品即ち資産運用商品は貸付債権となり、資金調達の手段が預金である場合、調達側にとっての基礎商品即ち資金調達商品は預金債務、運用側にとっての基礎商品即ち資産運用商品は預金債権となる。一方、本発明では、外国為替商品や金融派生商品、不動産派生商品、現物派生商品など、資産運用商品や資金調達商品とは異なる利用のされ方をする各種商品を資金取引商品とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1記載の記憶媒体であって、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末に、前記金融・準金融商品の交換取引を希望する者の端末が、交換注文を該コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、該交換希望者の端末から前記送信手段によって送信された交換注文を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた該交換希望者の交換注文を格納する記憶手段と、該コンピュータが、該交換希望者の交換相手となり得る特定又は不特定の候補者の端末へ前記交換注文を開示する開示手段と、該交換候補者の端末が、該コンピュータから前記開示手段によって開示された交換注文に基づいて、その交換取引を対象とする交換注文を該コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、該交換候補者の端末から前記送信手段によって送信された交換注文を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた該交換候補者の交換注文を格納する記憶手段と、該コンピュータが、前記記憶手段によって格納した前記交換希望者の交換注文と該交換候補者の交換注文とを突き合わせて条件の合致を判別するマッチング手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって条件が合致すると判別した場合に両方の交換注文の間で交換取引を成立させ、前記記憶手段によって格納している両注文を更新する更新手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって導いた取引結果を該交換希望者の端末及び該交換候補者の端末へ通知する通知手段とを備えることにより交換取引を実現させることができることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1記載の記憶媒体であって、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末に、複数の該利用者端末が、前記金融・準金融商品の交換注文を該コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、複数の該利用者端末から前記送信手段によって送信された交換注文を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた複数の交換注文を格納する記憶手段と、該コンピュータが、前記記憶手段によって格納した複数の交換注文を突き合わせて条件の合致を判別するマッチング手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって条件が合致すると判別した場合に複数の交換注文の間で交換取引を成立させ、前記記憶手段によって格納している該交換注文を更新する更新手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって導いた取引結果を複数の前記利用者端末へ通知する通知手段とを備えることにより交換取引を実現させることができることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1記載の記憶媒体であって、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末に、前記金融・準金融商品の相対交換取引を希望する者の端末が、交換相手となり得る候補者の端末へ相対交換取引要求を送信する送信手段と、該相対取引候補者の端末が、該相対取引希望者の端末から前記送信手段によって送信された相対交換取引要求を受信する受信手段と、該相対取引候補者の端末が、前記受信手段によって受信した相対交換取引要求に対し、受諾、拒否又は交渉の意思決定を該相対取引希望者の端末へ返信する返信手段と、該相対取引希望者の端末が、該相対取引候補者の端末から前記返信手段によって返信された意思決定を受信する受信手段と、該相対取引希望者の端末及び/又は該相対取引候補者の端末が、相対交換取引の成立又は不成立の結果を前記コンピュータへ通知する通知手段とを備えることにより交換取引を実現させることができることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項4記載の記憶媒体であって、更なる手段を備えることを特徴とし、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末に、前記相対取引希望者の端末が、前記金融・準金融商品の相対交換取引要求を該コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、該相対取引希望者の端末から前記送信手段によって送信された相対交換取引要求を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた相対交換取引要求に合致した相対取引候補者を特定する特定手段と、該コンピュータが、前記特定手段によって特定した相対取引候補者の連絡先を該相対取引希望者の端末へ通知する通知手段とを更に備えることにより相対交換取引を実現させることができることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1乃至5記載の記憶媒体であって、前記交換取引の対象商品を貸付債権、債券、コマーシャル・ペーパー、預金債権、株式、出資証券、預託証書及び受益証券のうち、何れか1つ以上の金融運用商品とすることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1乃至5記載の記憶媒体であって、前記交換取引の対象商品を土地、建物、複合不動産、区分所有建物、不動産担保証券及び不動産投資信託のうち、何れか1つ以上の不動産運用商品とすることを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1乃至5記載の記憶媒体であって、前記交換取引の対象商品を借入債務、債券、コマーシャル・ペーパー、預金債務、株式及び出資証券のうち、何れか1つ以上の資金調達商品とすることを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、金融商品等交換取引プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項1乃至5記載の記憶媒体であって、前記交換取引の対象商品を外国為替商品、金利派生商品、株式派生商品、不動産派生商品、現物派生商品、複合派生商品、先渡商品、先物商品、オプション商品、スワップ商品のうち、何れか1つ以上の資金取引商品とすることを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、資産運用者、資金調達者、資金取引者といった顧客同士による金融商品及び/又は準金融商品の交換取引を支援するためのコンピュータシステムであって、(a)ウェブ・サーバとしての機能とデータベース・サーバとしての機能とを備える1台以上のコンピュータと、(b)前記顧客の複数の利用者端末と、(c)該コンピュータと該利用者端末とを接続する1つ以上のコンピュータネットワークと、(d)前記交換取引に関するデータを格納する交換商品データベースより構成され、(1)交換契約書、目論見書、報告書及び開示書のうち、何れか1つ以上に関するデータを格納する契約管理データベース、(2)資金決済及び/又は証券決済に関するデータを格納する決済管理データベース、(3)鑑定評価者の自己紹介資料及び/又は前記交換取引に関する参考・提案資料を格納する評価者情報データベース及び、(4)前記システムの利用者に関するデータを格納するクライアント情報データベースのうち、何れか1つ以上のデータベースを備えることにより、交換注文を需給バランスの原理で直接マッチさせる入札モード及び/又は、通信路を提供されることで前記顧客同士が直接交渉により前記交換取引を成立させる相対モードを実現できることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の金融商品等交換取引システムであって、前記金融・準金融商品の交換取引を希望する者の端末が、交換注文を前記コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、該交換希望者の端末から前記送信手段によって送信された交換注文を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた該交換希望者の交換注文を格納する記憶手段と、該コンピュータが、該交換希望者の交換相手となり得る特定又は不特定の候補者の端末へ前記交換注文を開示する開示手段と、該交換候補者の端末が、該コンピュータから前記開示手段によって開示された交換注文に基づいて、その交換取引を対象とする交換注文を該コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、該交換候補者の端末から前記送信手段によって送信された交換注文を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた該交換候補者の交換注文を格納する記憶手段と、該コンピュータが、前記記憶手段によって格納した前記交換希望者の交換注文と該交換候補者の交換注文とを突き合わせて条件の合致を判別するマッチング手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって条件が合致すると判別した場合に両方の交換注文の間で交換取引を成立させ、前記記憶手段によって格納している両注文を更新する更新手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって導いた取引結果を該交換希望者の端末及び該交換候補者の端末へ通知する通知手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の金融商品等交換取引システムであって、複数の前記利用者端末が、前記金融・準金融商品の交換注文を前記コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、複数の該利用者端末から前記送信手段によって送信された交換注文を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた複数の交換注文を格納する記憶手段と、該コンピュータが、前記記憶手段によって格納した複数の交換注文を突き合わせて条件の合致を判別するマッチング手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって条件が合致すると判別した場合に複数の交換注文の間で交換取引を成立させ、前記記憶手段によって格納している該交換注文を更新する更新手段と、該コンピュータが、前記マッチング手段によって導いた取引結果を複数の前記利用者端末へ通知する通知手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項10記載の金融商品等交換取引システムであって、前記金融・準金融商品の相対交換取引を希望する者の端末が、交換相手となり得る候補者の端末へ相対交換取引要求を送信する送信手段と、該相対取引候補者の端末が、該相対取引希望者の端末から前記送信手段によって送信された相対交換取引要求を受信する受信手段と、該相対取引候補者の端末が、前記受信手段によって受信した相対交換取引要求に対し、受諾、拒否又は交渉の意思決定を該相対取引希望者の端末へ返信する返信手段と、該相対取引希望者の端末が、該相対取引候補者の端末から前記返信手段によって返信された意思決定を受信する受信手段と、該相対取引希望者の端末及び/又は該相対取引候補者の端末が、相対交換取引の成立又は不成立の結果を前記コンピュータへ通知する通知手段とを具備することを特徴とする。
【0019】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の金融商品等交換取引システムであって、更なる手段を具備することを特徴とし、前記相対取引希望者の端末が、前記金融・準金融商品の相対交換取引要求を前記コンピュータへ送信する送信手段と、該コンピュータが、該相対取引希望者の端末から前記送信手段によって送信された相対交換取引要求を受け付ける受付手段と、該コンピュータが、前記受付手段によって受け付けた相対交換取引要求に合致した相対取引候補者を特定する特定手段と、該コンピュータが、前記特定手段によって特定した相対取引候補者の連絡先を該相対取引希望者の端末へ通知する通知手段とを更に具備することを特徴とする。
【0020】
請求項15記載の発明は、請求項10乃至14記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引を資産運用商品の直接交換とすることを特徴とする。
【0021】
請求項16記載の発明は、請求項10乃至14記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引を資産運用商品のキャッシュフロー交換とすることを特徴とする。
本発明におけるキャッシュフローとは資金流入及び資金流出をいう。具体的には、資産運用商品や資金調達商品、資金取引商品における元本部分の資金流出入、並びに元本より生じる利子、配当、地代・家賃を含む賃料などの果実部分の資金流出入を指す。
【0022】
請求項17記載の発明は、請求項10乃至14、又は16記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引を評価益又は評価損による資産運用商品のキャッシュフロー交換とすることを特徴とする。
【0023】
請求項18記載の発明は、請求項10乃至17記載の金融商品等交換取引システムであって、資産運用商品を前記直接交換と前記キャッシュフロー交換との折衷方式によって交換できることを特徴とする。
【0024】
請求項19記載の発明は、請求項10乃至14記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引を資金調達商品のキャッシュフロー交換とすることを特徴とする。
【0025】
請求項20記載の発明は、請求項10乃至14記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引を資金取引商品のキャッシュフロー交換とすることを特徴とする。
【0026】
請求項21記載の発明は、請求項10乃至14、16乃至17、又は20記載の金融商品等交換取引システムであって、資産運用商品と資金取引商品とのキャッシュフロー交換ができることを特徴とする。
【0027】
請求項22記載の発明は、請求項10乃至18記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引の対象商品を貸付債権、債券、コマーシャル・ペーパー、預金債権、株式、出資証券、預託証書及び受益証券のうち、何れか1つ以上の金融運用商品とすることを特徴とする。
【0028】
請求項23記載の発明は、請求項10乃至18記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引の対象商品を土地、建物、複合不動産、区分所有建物、不動産担保証券及び不動産投資信託のうち、何れか1つ以上の不動産運用商品とすることを特徴とする。
【0029】
請求項24記載の発明は、請求項10乃至14、又は19記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引の対象商品を借入債務、債券、コマーシャル・ペーパー、預金債務、株式及び出資証券のうち、何れか1つ以上の資金調達商品とすることを特徴とする。
【0030】
請求項25記載の発明は、請求項10乃至14、又は20記載の金融商品等交換取引システムであって、前記交換取引の対象商品を外国為替商品、金利派生商品、株式派生商品、不動産派生商品、現物派生商品、複合派生商品、先渡商品、先物商品、オプション商品、スワップ商品のうち、何れか1つ以上の資金取引商品とすることを特徴とする。
【0031】
請求項26記載の発明は、請求項10乃至25記載の金融商品等交換取引システムであって、同種商品間、異種商品間及び異業種商品間のうち、何れか1つ以上の交換取引を成立させることができることを特徴とする。
本発明における同種商品とは『株式』と『株式』といった等しい種類の商品を指し、異種商品とは『株式』と『債券』といった異なる種類の商品をいい、また、異業種商品とは『株式』と『土地』といった異なる業種の商品を意味する。
【0032】
請求項27記載の発明は、請求項10乃至25記載の金融商品等交換取引システムであって、複数商品の抱き合わせによる交換取引を成立させることができることを特徴とする。
【0033】
請求項28記載の発明は、請求項10乃至25記載の金融商品等交換取引システムであって、3者以上の利用者間の同時交換取引を成立させることができることを特徴とする。
本発明における3者以上の利用者間の同時交換取引とは、以下の2形態をいう。
(a)一人の交換希望者と複数の交換希望者とがマッチされる場合、又は複数の交換希望者と複数の交換希望者とがマッチされる場合に同時成立する交換取引。
(b)交換希望者Xが商品xの提供を希望し、交換希望者Yが商品y、交換希望者Zが商品zの提供をそれぞれ希望しており、さらに交換希望者Xが商品yの入手を希望し、交換希望者Yが商品z、交換希望者Zが商品xの入手をそれぞれ希望している場合など、提供希望と入手希望とが3者以上の交換希望者の間で循環している場合に同時成立する交換取引。
【0034】
請求項29記載の発明は、請求項10乃至25記載の金融商品等交換取引システムであって、資産運用商品の直接交換、資産運用商品のキャッシュフロー交換、資金調達商品のキャッシュフロー交換、資金取引商品のキャッシュフロー交換の種々の組み合わせにより、資産・負債の総合管理ができることを特徴とする。
【0035】
請求項30記載の発明は、請求項10乃至29記載の金融商品等交換取引システムであって、国境及び/又は取引時間の壁を超え、国内外において1日24時間、前記商品の交換取引を成立させることができることを特徴とする。
【0036】
請求項31記載の発明は、請求項10乃至29記載の金融商品等交換取引システムであって、交換取引商品の瑕疵調査の機能及び/又は交換取引価額の鑑定評価の機能を備えたことを特徴とする。
【0037】
請求項32記載の発明は、請求項10乃至29記載の金融商品等交換取引システムであって、取引照合、契約書の調印・譲渡、交換差金の決済、現物の授受、キャッシュフローの授受、法規遵守の検査など、交換成立後の決済・管理機能を集約したことを特徴とする。
【0038】
請求項33記載の発明は、請求項10乃至18、22又は23記載の金融商品等交換取引システムであって、資産運用商品の前記直接交換及び/又は前記キャッシュフロー交換を通じて、事業支配に絡む取引、株式持合に絡む取引、自己株式に絡む取引、不動産の持分の集中、求償順位の変更、信用供与に絡む取引、ポートフォリオの交換及び運用委託先の選別に絡む取引のうち、何れか1つ以上ができることを特徴とする。
本発明における事業支配に絡む取引とは、事業に対する支配の強化や緩和、さらには事業の買収や売却を指し、株式持合に絡む取引とは、株式の持合の開始や強化、緩和、解消をいい、自己株式に絡む取引とは、自己株式の取得や処分を意味する。
また、本発明における信用供与に絡む取引とは、信用供与の開始や拡大、縮小、停止をいう。
そして、本発明における運用委託先の選別に絡む取引とは、ファンド型運用商品や媒介体における運用受託機関の任命や集中、分散、解任をいう。尚、ファンド型運用商品とは、証券投資信託や不動産投資信託、商品ファンド、貸付信託、狭義の金銭信託など、一般的に不特定多数の資産運用者向けに設定・運用される資産運用商品を指す。また媒介体とは、特定金銭信託や指定金外信託、運用有価証券信託、投資子会社株式、ファンド型私募債券など、一般的に特定の資産運用者が、簿価分離や果実政策、外部への運用委託などを目的に設定・利用する資産運用商品をいう。
【0039】
請求項34記載の発明は、商品交換取引方法であって、1つ以上のコンピュータネットワークを介して商品の交換取引市場を創設し、利用者同士が交換取引を成立させることができることを特徴とする。
【0040】
請求項35記載の発明は、請求項34記載の商品交換取引方法であって、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末より構成されるシステムにおける、前記商品の交換取引を希望する者の端末が、交換注文を該コンピュータへ送信する送信ステップと、該コンピュータが、該交換希望者の端末から前記送信ステップによって送信された交換注文を受け付ける受付ステップと、該コンピュータが、前記受付ステップによって受け付けた該交換希望者の交換注文を格納する記憶ステップと、該コンピュータが、該交換希望者の交換相手となり得る特定又は不特定の候補者の端末へ前記交換注文を開示する開示ステップと、該交換候補者の端末が、該コンピュータから前記開示ステップによって開示された交換注文に基づいて、その交換取引を対象とする交換注文を該コンピュータへ送信する送信ステップと、該コンピュータが、該交換候補者の端末から前記送信ステップによって送信された交換注文を受け付ける受付ステップと、該コンピュータが、前記受付ステップによって受け付けた該交換候補者の交換注文を格納する記憶ステップと、該コンピュータが、前記記憶ステップによって格納した前記交換希望者の交換注文と該交換候補者の交換注文とを突き合わせて条件の合致を判別するマッチングステップと、該コンピュータが、前記マッチングステップによって条件が合致すると判別した場合に両方の交換注文の間で交換取引を成立させ、前記記憶ステップによって格納している両注文を更新する更新ステップと、該コンピュータが、前記マッチングステップによって導いた取引結果を該交換希望者の端末及び該交換候補者の端末へ通知する通知ステップとを含むことを特徴とする。
【0041】
請求項36記載の発明は、請求項34記載の商品交換取引方法であって、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末より構成されるシステムにおける、複数の該利用者端末が、前記商品の交換注文を該コンピュータへ送信する送信ステップと、該コンピュータが、複数の該利用者端末から前記送信ステップによって送信された交換注文を受け付ける受付ステップと、該コンピュータが、前記受付ステップによって受け付けた複数の交換注文を格納する記憶ステップと、該コンピュータが、前記記憶ステップによって格納した複数の交換注文を突き合わせて条件の合致を判別するマッチングステップと、該コンピュータが、前記マッチングステップによって条件が合致すると判別した場合に複数の交換注文の間で交換取引を成立させ、前記記憶ステップによって格納している該交換注文を更新する更新ステップと、該コンピュータが、前記マッチングステップによって導いた取引結果を複数の前記利用者端末へ通知する通知ステップとを含むことを特徴とする。
【0042】
請求項37記載の発明は、請求項34記載の商品交換取引方法であって、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末より構成されるシステムにおける、前記商品の相対交換取引を希望する者の端末が、交換相手となり得る候補者の端末へ相対交換取引要求を送信する送信ステップと、該相対取引候補者の端末が、該相対取引希望者の端末から前記送信ステップによって送信された相対交換取引要求を受信する受信ステップと、該相対取引候補者の端末が、前記受信ステップによって受信した相対交換取引要求に対し、受諾、拒否又は交渉の意思決定を該相対取引希望者の端末へ返信する返信ステップと、該相対取引希望者の端末が、該相対取引候補者の端末から前記返信ステップによって返信された意思決定を受信する受信ステップと、該相対取引希望者の端末及び/又は該相対取引候補者の端末が、相対交換取引の成立又は不成立の結果を前記コンピュータへ通知する通知ステップとを含むことを特徴とする。
【0043】
請求項38記載の発明は、請求項37記載の商品交換取引方法であって、更なるステップを前段階に含むことを特徴とし、前記コンピュータネットワークに接続された1台以上のコンピュータ及び複数の利用者端末より構成されるシステムにおける、前記相対取引希望者の端末が、前記商品の相対交換取引要求を該コンピュータへ送信する送信ステップと、該コンピュータが、該相対取引希望者の端末から前記送信ステップによって送信された相対交換取引要求を受け付ける受付ステップと、該コンピュータが、前記受付ステップによって受け付けた相対交換取引要求に合致した相対取引候補者を特定する特定ステップと、該コンピュータが、前記特定ステップによって特定した相対取引候補者の連絡先を該相対取引希望者の端末へ通知する通知ステップとを更に含むことを特徴とする。
【0044】
さて本発明では、金融商品及び準金融商品の交換取引の種類を、対象商品の属性や取引形態を基に以下のように分類している。
(a)資産運用商品の直接交換
(b)資産運用商品のキャッシュフロー交換
[1]資産運用商品の一般的なキャッシュフロー交換
[2]評価益による資産運用商品のキャッシュフロー交換
[3]評価損による資産運用商品のキャッシュフロー交換
(c)直接交換とキャッシュフロー交換との折衷方式による資産運用商品の交換
(d)資金調達商品のキャッシュフロー交換
(e)資金取引商品のキャッシュフロー交換
[1]評価益による資金取引商品のキャッシュフロー交換
[2]評価損による資金取引商品のキャッシュフロー交換
(f)資産運用商品と資金取引商品とのキャッシュフロー交換
[1]評価益による資産運用商品と資金取引商品とのキャッシュフロー交換
[2]評価損による資産運用商品と資金取引商品とのキャッシュフロー交換
(g)抱き合わせ交換
上記(a)〜(f)の交換取引の応用である各種抱き合わせ交換
(h)3者以上の間での交換
上記(a)〜(f)の交換取引の応用である3者以上の間での交換
以下に、本発明がもたらすメリットをテーマ別且つ箇条書きにして説明するが、これらのメリットに対する理解を深めるため、本発明における交換取引の仕組みを併せて説明する。但し本発明は、資産運用商品や資金調達商品、資金取引商品の総体又は一部を当事者間で実質的に又は実際に交換するためのコンピュータプログラムを記録した記憶媒体及びコンピュータシステム、並びに商品交換取引方法にあり、そのための仕組みはこれより説明する仕組みに限定されるものではない。
【0045】
1.本発明では、資産運用や資金調達、資金取引における交換取引を通じて、新種の裁定取引を行うことができる。
(1)まず本発明は、資産運用商品の直接交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。
一つの例として、資産運用者Aが、自分の保有する資産運用商品aの価値以上に、資産運用商品bの価値が今後上昇すると予想している場合、より高い運用利回りを達成するために、資産運用者Aは資産運用商品aを処分して一旦現金化し、その現金を使用して資産運用商品bその物又は資産運用商品bと同等の商品を取得しようと試みる。一方、資産運用者Bが、自分の保有する資産運用商品bの価値以上に、資産運用商品aの価値が今後上昇すると予想している場合、より高い利回りを達成するために、資産運用者Bは資産運用商品bを処分して一旦現金化し、その現金を使用して資産運用商品aその物又は資産運用商品aと同等の商品を取得しようと試みる。
本発明は、資産運用商品aの所有権を譲渡する替わりに資産運用商品bの所有権を譲り受けたい資産運用者Aと、資産運用商品bの所有権を譲渡する替わりに資産運用商品aの所有権を譲り受けたい資産運用者Bという、対峙する相場観を持つ資産運用者に現物を直接交換させることで、双方による裁定取引を可能にする。
【0046】
(2)次に本発明は、資産運用商品のキャッシュフロー交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。即ち資産運用者は、資産運用商品の現物を直接交換するのではなく、保有を続けながらキャッシュフローを交換することによっても、処分を希望していた資産運用商品を実質的に処分でき、同時に、取得を希望していた資産運用商品を実質的に取得できる。
本発明における資産運用商品のキャッシュフロー交換には、例えば以下のような取引形態がある。
(a)貸付債権や債券、コマーシャル・ペーパー、一部預金債権、一部ファンド型運用商品、一部媒介体など、一般的に満期の存在する資産運用商品がそのまま満期を迎えることを前提として、当該商品の残存期間の資金流入、即ち元本や果実のキャッシュフローを交換する形態。
(b)一般的に満期が存在する前記商品に残存期間より短い特定の期間を設定して、その間の資金流入、即ち果実のみのキャッシュフローを交換する形態。
(c)一般的に満期が存在する前記商品に関し自由処分権を行使することを前提として、当該商品を処分するまでの期間の資金流入、即ち元本や果実のキャッシュフローを交換する形態。この取引形態では、交換成立時に対象商品の自由処分権も交換される。
(d)土地や建物、複合不動産、株式、一部預金債権、一部ファンド型運用商品、一部媒介体など、一般的に満期が存在しない資産運用商品に関し自由処分権を行使することを前提として、当該商品を処分するまでの期間の資金流入、即ち元本や果実のキャッシュフローを交換する形態。この取引形態では、交換成立時に対象商品の自由処分権も交換される。
(e)一般的に満期が存在しない前記商品に特定の期間を設定して、その間の資金流入、即ち果実のみのキャッシュフローを交換する形態。
上記取引形態の内、自由処分権の行使を伴う(c)及び(d)は、交換期間中、対象商品の『キャッシュフローの譲受人』が当該商品の自由処分権を行使した場合、この処分行為を市場で執行する者は当該商品の名目上の保有者である『キャッシュフローの譲渡人』であるため、処分代金は後者が一旦受け取ることになるが、後者がこれを当該商品の実質的な所有者である前者へと支払うことにより、当該商品に関しての取引が終了する。
一方、自由処分権の行使を伴わない(a)、(b)及び(e)は、自分が保有する資産運用商品の現物を以下のような理由から現在処分できないが、他の資産運用者が保有する資産運用商品のキャッシュフローは享受したい場合などに有効である。
[1]資金調達者に対する営業政策上、自分が保有する貸付債権や債券、コマーシャル・ペーパーを現在処分できない。
[2]議決権を保持したいため、自分が保有する株式を現在処分できない。
[3]対抗要件の取得が煩雑であるため、自分が保有する預金債権を現在譲渡できない。
[4]抵当権が既に設定されているため、自分が保有する土地や建物、複合不動産を現在処分できない。
[5]流動性が低いため、自分が保有するファンド型運用商品を現在処分できない。
[6]運用委託先や管理会社に対する政策上、又は再設定に要するコストや事務手続きなどの理由で、自分が保有する媒介体を現在処分できない。
ところで本発明では、交換対象商品の残存期間の長短や、商品に付随する各種権利の行使や各種義務の履行までの期間の長短などによって、一方の商品のキャッシュフローの支払又は受取が終了した後も、他方の商品のキャッシュフローの受取又は支払が続く場合がある。よって、キャッシュフローの授受終了が遅い方の商品の授受終了日を、当該交換取引の終了日とすることができる。尚、交換取引開始日を期首、交換取引終了日を期末といい、両者と両者の間を併せて交換期間又は期中と呼ぶ。
【0047】
(3)さらに本発明は、資産運用商品の評価益部分のキャッシュフロー交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。即ち、本発明における資産運用商品のキャッシュフロー交換には、商品全体の評価額を基にした交換取引に加え、商品の評価益部分のみの評価額を基にした交換取引が含まれる。
一つの例として、資産運用者Cが保有している資産運用商品cの評価額が1000であり、その構成が簿価800、評価益200であるとする。一方、資産運用者Dが保有している資産運用商品dの評価額が1500であり、その構成が簿価1300、評価益200であるとする。資産運用者Cは、資産運用商品cの評価益以上に資産運用商品dの評価益が今後増加すると予想しており、資産運用者Dは、資産運用商品dの評価益以上に資産運用商品cの評価益が今後増加すると予想している。この場合、本発明では、評価益部分に関し資産運用者Cと資産運用者Dとの間で交換取引が可能となる。
資産運用者Cは、資産運用商品c全体の自由処分権と資産運用商品cの評価益部分の所有権を譲渡する替わりに、資産運用商品d全体の自由処分権と資産運用商品dの評価益部分の所有権を譲り受け、同時に資産運用者Dは、資産運用商品d全体の自由処分権と資産運用商品dの評価益部分の所有権を譲渡する替わりに、資産運用商品c全体の自由処分権と資産運用商品cの評価益部分の所有権を譲り受ける。この際、資産運用商品cの簿価部分の所有権は引き続き資産運用者Cに属し、資産運用商品dの簿価部分の所有権は引き続き資産運用者Dに属する。
即ち、資産運用者Cは資産運用商品cの簿価相当額の価値を確保した上で、資産運用商品dの評価益の増減について市場リスクをとり、資産運用者Dは資産運用商品dの簿価相当額の価値を確保した上で、資産運用商品cの評価益の増減について市場リスクをとることが可能になる。尚、資産運用商品cの果実部分のキャッシュフローは引き続き資産運用者Cに帰属させ、資産運用商品dの果実部分のキャッシュフローは引き続き資産運用者Dに帰属させることができる。
交換期間中、資産運用者Cが自由処分権を行使して資産運用商品dを処分した場合、その処分価額のうち、資産運用者Dが所有している簿価部分についてのキャッシュフローは資産運用者Dに帰属し、資産運用者Cが所有している評価益部分についてのキャッシュフローは資産運用者Cに帰属する。また、処分時に資産運用商品dの評価益が評価損に転じていた場合は、処分価額のうち当該評価損相当額が資産運用者Cに帰属する。即ち、資産運用者Cは評価損相当額を資産運用者Dへ支払うことで当該評価損が実現損に変わり、資産運用者Dは簿価相当額を確保できることになる。
一方、資産運用者Dが自由処分権を行使して資産運用商品cを処分した場合、その処分価額のうち、資産運用者Cが所有している簿価部分についてのキャッシュフローは資産運用者Cに帰属し、資産運用者Dが所有している評価益部分についてのキャッシュフローは資産運用者Dに帰属する。また、処分時に資産運用商品cの評価益が評価損に転じていた場合は、処分価額のうち当該評価損相当額が資産運用者Dに帰属する。即ち、資産運用者Dは評価損相当額を資産運用者Cへ支払うことで当該評価損が実現損に変わり、資産運用者Cは簿価相当額を確保できることになる。
【0048】
(4)また本発明は、資産運用商品の評価損部分のキャッシュフロー交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。即ち本発明では、評価損をマイナスの評価益と見なすことで、資産運用商品の評価損部分を交換することができる。
一つの例として、資産運用者Eが保有している資産運用商品eの評価額が1000であり、その構成が簿価1200、評価損200であるとする。一方、資産運用者Fが保有している資産運用商品fの評価額が1500であり、その構成が簿価1700、評価損200であるとする。資産運用者Eは、資産運用商品eの評価損以上に資産運用商品fの評価損が今後減少し、場合によっては資産運用商品fが評価益に転じると予想しており、資産運用者Fは、資産運用商品fの評価損以上に資産運用商品eの評価損が今後減少し、場合によっては資産運用商品eが評価益に転じると予想している。この場合、本発明では、評価損部分に関し資産運用者Eと資産運用者Fとの間で交換取引が可能となる。
資産運用者Eは、資産運用商品e全体の自由処分権を譲渡して資産運用商品eの評価損を引き渡す替わりに、資産運用商品f全体の自由処分権を譲り受けて資産運用商品fの評価損を引き受けることになり、同時に資産運用者Fは、資産運用商品f全体の自由処分権を譲渡して資産運用商品fの評価損を引き渡す替わりに、資産運用商品e全体の自由処分権を譲り受けて資産運用商品eの評価損を引き受けることになる。
これで評価損がそれぞれ相手方へ移転し、交換取引上、資産運用者Eは資産運用商品eの簿価相当額の価値を回復し、資産運用者Fは資産運用商品fの簿価相当額の価値を回復したと見なすことができる。即ち、資産運用者Eは資産運用商品eの簿価相当額の価値を確保した上で、資産運用商品fの評価損の増減について市場リスクをとり、資産運用者Fは資産運用商品fの簿価相当額の価値を確保した上で、資産運用商品eの評価損の増減について市場リスクをとることが可能になる。尚、資産運用商品eの果実部分のキャッシュフローは引き続き資産運用者Eに帰属させ、資産運用商品fの果実部分のキャッシュフローは引き続き資産運用者Fに帰属させることができる。
交換期間中、資産運用者Eが自由処分権を行使して資産運用商品fを処分した場合、概念的には、その処分価額のうち、資産運用者Fが所有している簿価部分についてのキャッシュフローは資産運用者Fに帰属し、資産運用者Eが所有している評価損部分についてのキャッシュフローは資産運用者Eに帰属する。即ち、資産運用者Eは評価損相当額を資産運用者Fへ支払うことで当該評価損が実現損に変わり、資産運用者Fは簿価相当額を確保できることになる。また、処分時に資産運用商品fの評価損が評価益に転じていた場合、資産運用者Eは実現益を享受できることになる。
一方、資産運用者Fが自由処分権を行使して資産運用商品eを処分した場合、概念的には、その処分価額のうち、資産運用者Eが所有している簿価部分についてのキャッシュフローは資産運用者Eに帰属し、資産運用者Fが所有している評価損部分についてのキャッシュフローは資産運用者Fに帰属する。即ち、資産運用者Fは評価損相当額を資産運用者Eへ支払うことで当該評価損が実現損に変わり、資産運用者Eは簿価相当額を確保できることになる。また、処分時に資産運用商品eの評価損が評価益に転じていた場合、資産運用者Fは実現益を享受できることになる。
尚、本発明のキャッシュフロー交換における評価損益とは、基本的に『保有している商品の総体の評価額』から『当該商品の会計上の簿価もしくは取得価額』を差し引いた金額をいう。但し、交換取引者が機密保持を理由に開示を避けたい場合などにおいては、『保有している商品の総体の評価額』から『自己申告に基づく簿価もしくは取得価額』を差し引いた金額で構わない。即ち、本発明における評価損益は、必ずしも会計上の数値を意味しない。
【0049】
(5)そして本発明は、評価損益部分のキャッシュフロー交換を通じた空売り商品の新種の裁定取引を可能とする。即ち、本発明の評価損益の交換は、空売りされている資産運用商品の持高も対象になる。
一つの例として、資産運用者Gが空売りしている資産運用商品gの評価益が200であり、その算定根拠が売付価額1000、商品の評価額800であるとする。一方、資産運用者Hが空売りしている資産運用商品hの評価益も200であり、その算定根拠が売付価額1300、商品の評価額1100であるとする。資産運用者Gは、資産運用商品g以上に資産運用商品hの評価額が今後下落する、即ち資産運用商品gの評価益以上に資産運用商品hの評価益が今後増加すると予想しており、一方、資産運用者Hは、資産運用商品h以上に資産運用商品gの評価額が今後下落する、即ち資産運用商品hの評価益以上に資産運用商品gの評価益が今後増加すると予想している。この場合、本発明では、評価益に関し資産運用者Gと資産運用者Hとの間で交換取引が可能となる。
資産運用者Gは、資産運用商品gを買い戻す権利と資産運用商品gの評価益の所有権を譲渡する替わりに、資産運用商品hを買い戻す権利と資産運用商品hの評価益の所有権を譲り受け、同時に資産運用者Hは、資産運用商品hを買い戻す権利と資産運用商品hの評価益の所有権を譲渡する替わりに、資産運用商品gを買い戻す権利と資産運用商品gの評価益の所有権を譲り受ける。この際、資産運用者Gは資産運用商品hの売付価額が固定された上で、資産運用商品hの評価益の増減について市場リスクをとり、資産運用者Hは資産運用商品gの売付価額が固定された上で、資産運用商品gの評価益の増減について市場リスクをとることが可能になる。
交換期間中、資産運用者Gが権利を行使して資産運用商品hを買い戻した場合、資産運用商品hの実現益についてのキャッシュフローは資産運用者Gに帰属し、資産運用者Hが権利を行使して資産運用商品gを買い戻した場合、資産運用商品gの実現益についてのキャッシュフローは資産運用者Hに帰属する。また、資産運用商品hを買い戻す時点で評価益が評価損に転じていた場合、その実現損は資産運用者Gに帰属し、資産運用商品gを買い戻す時点で評価益が評価損に転じていた場合、その実現損は資産運用者Hに帰属することになる。
【0050】
(6)ところで一つの例として、資産運用者Iが空売りしている資産運用商品iの評価損が200であり、その算定根拠が売付価額1000、商品の評価額1200であるとする。一方、資産運用者Jが空売りしている資産運用商品jの評価損も200であり、その算定根拠が売付価額1300、商品の評価額1500であるとする。資産運用者Iは、資産運用商品i以上に資産運用商品jの評価額が今後下落する、即ち資産運用商品iの評価損以上に資産運用商品jの評価損が今後減少し、場合によっては資産運用商品jが評価益に転じると予想しており、一方、資産運用者Jは、資産運用商品j以上に資産運用商品iの評価額が今後下落する、即ち資産運用商品jの評価損以上に資産運用商品iの評価損が今後減少し、場合によっては資産運用商品iが評価益に転じると予想している。この場合、本発明では、評価損に関し資産運用者Iと資産運用者Jとの間で交換取引が可能となる。
資産運用者Iは、資産運用商品iを買い戻す権利を譲渡して資産運用商品iの評価損を引き渡す替わりに、資産運用商品jを買い戻す権利を譲り受けて資産運用商品jの評価損を引き受けることになり、同時に資産運用者Jは、資産運用商品jを買い戻す権利を譲渡して資産運用商品jの評価損を引き渡す替わりに、資産運用商品iを買い戻す権利を譲り受けて資産運用商品iの評価損を引き受けることになる。この際、資産運用者Iは資産運用商品jの売付価額が固定された上で、資産運用商品jの評価損の増減について市場リスクをとり、資産運用者Jは資産運用商品iの売付価額が固定された上で、資産運用商品iの評価損の増減について市場リスクをとることが可能になる。
交換期間中、資産運用者Iが権利を行使して資産運用商品jを買い戻した場合、資産運用商品jの実現損は資産運用者Iに帰属し、資産運用者Jが権利を行使して資産運用商品iを買い戻した場合、資産運用商品iの実現損は資産運用者Jに帰属する。しかし、資産運用商品jを買い戻す時点で評価損が評価益に転じていた場合、資産運用者Iは実現益を享受でき、資産運用商品iを買い戻す時点で評価損が評価益に転じていた場合、資産運用者Jは実現益を享受できることになる。
本発明において、空売り商品のキャッシュフロー交換における評価損益とは、基本的に『商品の会計上の売付価額』から『当該商品の評価額』を差し引いた金額をいう。但し、交換取引者が機密保持を理由に開示を避けたい場合などにおいては、『商品の自己申告に基づく売付価額』から『当該商品の評価額』を差し引いた金額で構わない。即ち、本発明において空売り商品の評価損益は、必ずしも会計上の数値を意味しない。
【0051】
(7)さらに本発明は、商品を直接交換したい資産運用者と、商品のキャッシュフローを交換したい資産運用者との間で新種の裁定取引を可能とする。即ち、本発明の資産運用商品の交換には、直接交換とキャッシュフロー交換との折衷方式が含まれる。
一つの例として、資産運用者Kが、自分の保有する資産運用商品kの価値以上に資産運用商品lの価値が今後上昇すると予想して、資産運用商品kと資産運用商品lとの直接交換を希望し、且つ資産運用者Lが、自分の保有する資産運用商品lの価値以上に資産運用商品kの価値が今後上昇すると予想して、資産運用商品kと資産運用商品lとのキャッシュフロー交換を希望している場合、本発明では直接交換とキャッシュフロー交換との折衷方式を用いることが可能である。
資産運用者Kは、資産運用商品kの現物を譲渡する替わりに資産運用商品lより生じるキャッシュフローを受け取る権利を譲り受け、同時に資産運用者Lは、資産運用商品lより生じるキャッシュフローを受け取る権利を譲渡する替わりに資産運用商品kの現物を譲り受けることで、両者が妥協点を見出せることになる。
【0052】
(8)また本発明は、資金調達商品のキャッシュフロー交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。即ち、資金調達商品は、資産運用者が信用リスクや資金調達者の名前を選好した上でそれを資産運用商品として取得しており、資金調達者が他の資金調達者と持高を直接交換するのは一般的に困難である。しかし、本発明における資金調達者は、自分が抱えている資金調達商品のキャッシュフローを、他の資金調達者が抱えている資金調達商品のキャッシュフローと交換することによって、直接交換と同様の経済効果を享受することができる。
一つの例として、資金調達者Mが、自分の抱えている資金調達商品mの持高の評価額以上に、資金調達商品nの持高の評価額が今後減少すると予想している場合、一方、資金調達者Nが、自分の抱えている資金調達商品nの持高の評価額以上に、資金調達商品mの持高の評価額が今後減少すると予想している場合、両者は、互いの持高を交換することで、より低い調達コストを達成しようと試みる。又は、満期の有無や残存期間の長短、期中償還の有無、元本や果実の性質など商品性の違いから、資金調達者Mが資金調達商品nの持高を欲し、一方、資金調達者Nが資金調達商品mの持高を欲している場合、両者は、互いの持高を交換することで、より選好する持高を造成しようと試みる。
本発明では、資金調達商品nのキャッシュフローを支払う義務を引き受ける替わりに資金調達商品mのキャッシュフローを支払う義務を引き渡したい資金調達者Mと、資金調達商品mのキャッシュフローを支払う義務を引き受ける替わりに資金調達商品nのキャッシュフローを支払う義務を引き渡したい資金調達者Nという、正反対の需要を抱える資金調達者にキャッシュフローを交換させることで、双方による裁定取引が可能となる。尚、この際、期中償還や買入消却が可能な商品の場合には、期中償還や買入消却を実施する権利をも交換することになる。
本発明における資金調達商品のキャッシュフロー交換には、例えば以下のような取引形態がある。
(a)借入債務や債券、コマーシャル・ペーパー、一部預金債務など、一般的に満期の存在する資金調達商品がそのまま満期を迎えることを前提として、当該商品の残存期間の資金流出、即ち元本や果実のキャッシュフローを交換する形態。
(b)一般的に満期が存在する前記商品に残存期間より短い特定の期間を設定して、その間の資金流出、即ち果実のみのキャッシュフローを交換する形態。
(c)一般的に満期が存在する前記商品を期中償還又は買入消却することを前提として、当該商品が消滅するまでの期間の資金流出、即ち元本や果実のキャッシュフローを交換する形態。
(d)株式や一部預金債務など、一般的に満期が存在しない資金調達商品を買入消却又は解約することを前提として、当該商品が消滅するまでの期間の資金流出、即ち元本や果実のキャッシュフローを交換する形態。
(e)一般的に満期が存在しない前記商品に特定の期間を設定して、その間の資金流出、即ち果実のみのキャッシュフローを交換する形態。
上記取引形態の内、期中償還もしくは解約又は買入消却を伴う(c)及び(d)は、交換期間中、対象商品の『キャッシュフローの引受人』が権利を行使して当該商品を期中償還もしくは解約又は買入消却した場合、この解消行為を市場で執行する者は、当該商品を利用した名目上の資金調達者である『キャッシュフローの引渡人』であるため、償還代金又は買付代金は後者が一旦支払うことになるが、当該商品を利用した実質的な資金調達者である前者から後者がこれを受け取ることにより、当該商品に関しての取引が終了する。
尚、本発明において期中償還とは、満期が存在する資金調達商品を、所定の価額で期中に繰り上げて弁済、解約又は償還することを指し、買入消却とは、満期の有無に係わらず、資金調達商品を流通価額などで買い入れて消滅させることをいう。
【0053】
(9)そして本発明は、資金取引商品のキャッシュフロー交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。即ち、外国為替商品や先渡商品、先物商品、オプション商品、スワップ商品などの資金取引商品は、資金取引者が取引の相手方と直接的に、もしくは派生商品取引所や証券取引所を経由して間接的に、対峙する持高を造成し合っており、資金取引者が他の資金取引者と持高を直接交換するのは一般的に困難である。しかし、本発明における資金取引者は、自分が抱えている資金取引商品のキャッシュフローを、他の資金取引者が抱えている資金取引商品のキャッシュフローと交換することによって、直接交換と同様の経済効果を享受することができる。
資金取引商品は当初の投資額が不要か、又は基礎商品に比べて極めて小さく、反対取引によって差金決済もしくは利益の確保、損失の確定ができる。基礎商品を受け渡す場合であっても、流動性の高い売買市場が既に存在しているため、当該市場で基礎商品を購入又は売却することにより、資金取引者を差金決済と実質異ならない状態に置くことができる。即ち、資金取引商品の資産価値は評価益に、また負債価値は評価損にあり、本発明における資金取引商品のキャッシュフロー交換は、評価損益の評価額を基にした交換取引となる。
一つの例として、資金取引者Oが抱えている資金取引商品oの評価益の評価額が200であり、一方、資金取引者Pが抱えている資金取引商品pの評価益の評価額が200であるとする。資金取引者Oは、資金取引商品oの評価益以上に資金取引商品pの評価益が今後増加すると予想しており、資金取引者Pは、資金取引商品pの評価益以上に資金取引商品oの評価益が今後増加すると予想している。この場合、本発明では、資金取引者Oと資金取引者Pとの間で交換取引が可能となる。
資金取引者Oは、資金取引商品oの持高を譲渡する替わりに資金取引商品pの持高を譲り受け、同時に資金取引者Pは、資金取引商品pの持高を譲渡する替わりに資金取引商品oの持高を譲り受ける。この際、資金取引商品oの持高に付随する権利と義務は資金取引者Pへ、資金取引商品pの持高に付随する権利と義務は資金取引者Oへそれぞれ移転。資金取引者Oは資金取引商品pの評価益の増減について市場リスクをとり、資金取引者Pは資金取引商品oの評価益の増減について市場リスクをとることが可能になる。
交換期間中、資金取引者Pが、譲り受けた権利を行使して資金取引商品oの評価益を実現させた場合、又は資金取引者Pが、引き受けた義務を履行して資金取引商品oの評価益が実現した場合、資金取引者Pは実現益を享受できる。一方、資金取引者Oが、譲り受けた権利を行使して資金取引商品pの評価益を実現させた場合、又は資金取引者Oが、引き受けた義務を履行して資金取引商品pの評価益が実現した場合、資金取引者Oは実現益を享受できる。また、資金取引者Pによる権利行使又は義務履行の時点において、資金取引商品oの評価益が評価損に転じていた場合、その実現損は資金取引者Pに帰属し、資金取引者Oによる権利行使又は義務履行の時点において、資金取引商品pの評価益が評価損に転じていた場合、その実現損は資金取引者Oに帰属することになる。
【0054】
(10)ところで一つの例として、資金取引者Qが抱えている資金取引商品qの評価損の評価額が200であり、一方、資金取引者Rが抱えている資金取引商品rの評価損の評価額が200であるとする。資金取引者Qは、資金取引商品qの評価損以上に資金取引商品rの評価損が今後減少し、場合によっては資金取引商品rが評価益に転じると予想しており、資金取引者Rは、資金取引商品rの評価損以上に資金取引商品qの評価損が今後減少し、場合によっては資金取引商品qが評価益に転じると予想している。この場合、本発明では、資金取引者Qと資金取引者Rとの間で交換取引が可能となる。
資金取引者Qは、資金取引商品qの持高を引き渡す替わりに資金取引商品rの持高を引き受け、同時に資金取引者Rは、資金取引商品rの持高を引き渡す替わりに資金取引商品qの持高を引き受ける。この際、資金取引商品qの持高に付随する権利と義務は資金取引者Rへ、資金取引商品rの持高に付随する権利と義務は資金取引者Qへそれぞれ移転。資金取引者Qは資金取引商品rの評価損の増減について市場リスクをとり、資金取引者Rは資金取引商品qの評価損の増減について市場リスクをとることが可能になる。
交換期間中、資金取引者Rが、譲り受けた権利を行使して資金取引商品qの評価損を実現させた場合、又は資金取引者Rが、引き受けた義務を履行して資金取引商品qの評価損が実現した場合、その実現損は資金取引者Rに帰属する。一方、資金取引者Qが、譲り受けた権利を行使して資金取引商品rの評価損を実現させた場合、又は資金取引者Qが、引き受けた義務を履行して資金取引商品rの評価損が実現した場合、その実現損は資金取引者Qに帰属する。しかし、資金取引者Rによる権利行使又は義務履行の時点において、資金取引商品qの評価損が評価益に転じていた場合、資金取引者Rは実現益を享受でき、資金取引者Qによる権利行使又は義務履行の時点において、資金取引商品rの評価損が評価益に転じていた場合、資金取引者Qは実現益を享受できることになる。
【0055】
(11)さらに本発明は、評価損益による資産運用商品と資金取引商品とのキャッシュフロー交換を通じた新種の裁定取引を可能とする。即ち本発明では、資産運用商品の評価損益部分の交換方式と、評価損益による資金取引商品の交換方式とを併用することによって、資産運用商品の評価損益部分と資金取引商品の評価損益とを交換することができる。
一つの例として、資産運用者Sが保有している資産運用商品sの評価額が1000であり、その構成が簿価800、評価益200であるとする。一方、資金取引者Tが抱えている資金取引商品tの評価益の評価額が200であるとする。資産運用者Sは、資産運用商品sの評価益以上に資金取引商品tの評価益が今後増加すると予想しており、資金取引者Tは、資金取引商品tの評価益以上に資産運用商品sの評価益が今後増加すると予想している。この場合、本発明では、資産運用者Sと資金取引者Tとの間で評価益による交換取引が可能となる。
資産運用者Sは、資産運用商品s全体の自由処分権と資産運用商品sの評価益部分の所有権を譲渡する替わりに、資金取引商品tの持高及びその評価益を譲り受け、同時に資金取引者Tは、資金取引商品tの持高及びその評価益を譲渡する替わりに、資産運用商品s全体の自由処分権と資産運用商品sの評価益部分の所有権を譲り受ける。この際、資産運用商品sの簿価部分の所有権と果実部分のキャッシュフローは引き続き資産運用者Sに帰属し、資金取引商品tの持高に付随する権利と義務は資産運用者Sへ移転する。即ち、資産運用者Sは資産運用商品sの簿価相当額の価値を確保した上で、資金取引商品tの評価益の増減について市場リスクをとり、資金取引者Tは資産運用商品sの評価益の増減について市場リスクをとることが可能になる。
交換期間中、資産運用者Sが、譲り受けた権利を行使して資金取引商品tの評価益を実現させた場合、又は資産運用者Sが、引き受けた義務を履行して資金取引商品tの評価益が実現した場合、資産運用者Sは実現益を享受できる。また、権利行使もしくは義務履行の時点において、資金取引商品tの評価益が評価損に転じていた場合、その実現損は資産運用者Sに帰属することになる。
一方、資金取引者Tが自由処分権を行使して資産運用商品sを処分した場合、その処分価額のうち、資産運用者Sが所有している簿価部分についてのキャッシュフローは資産運用者Sに帰属し、資金取引者Tが所有している評価益部分についてのキャッシュフローは資金取引者Tに帰属する。また、処分時に資産運用商品sの評価益が評価損に転じていた場合は、処分価額のうち当該評価損相当額が資金取引者Tに帰属する。即ち、資金取引者Tは評価損相当額を資産運用者Sへ支払うことで当該評価損が実現損に変わり、資産運用者Sは簿価相当額を確保できることになる。
【0056】
(12)ところで一つの例として、資産運用者Uが保有している資産運用商品uの評価額が1000であり、その構成が簿価1200、評価損200であるとする。一方、資金取引者Vが抱えている資金取引商品vの評価損の評価額が200であるとする。資産運用者Uは、資産運用商品uの評価損以上に資金取引商品vの評価損が今後減少し、場合によっては資金取引商品vが評価益に転じると予想しており、資金取引者Vは、資金取引商品vの評価損以上に資産運用商品uの評価損が今後減少し、場合によっては資産運用商品uが評価益に転じると予想している。この場合、本発明では、資産運用者Uと資金取引者Vとの間で評価損による交換取引が可能となる。
資産運用者Uは、資産運用商品u全体の自由処分権を譲渡して資産運用商品uの評価損を引き渡す替わりに、資金取引商品vの持高及びその評価損を引き受け、同時に資金取引者Vは、資金取引商品vの持高及びその評価損を引き渡す替わりに、資産運用商品u全体の自由処分権を譲り受けて資産運用商品uの評価損を引き受けることになる。この際、資産運用商品uの果実部分のキャッシュフローは引き続き資産運用者Uに帰属し、資金取引商品vの持高に付随する権利と義務は資産運用者Uへ移転する。
これで評価損がそれぞれ相手方へ移転し、交換取引上、資産運用者Uは資産運用商品uの簿価相当額の価値を回復し、資金取引者Vは資金取引商品vのゼロ相当の価値を回復したと見なすことができる。即ち、資産運用者Uは資産運用商品uの簿価相当額の価値を確保した上で、資金取引商品vの評価損の増減について市場リスクをとり、資金取引者Vは資産運用商品uの評価損の増減について市場リスクをとることが可能になる。
交換期間中、資産運用者Uが、譲り受けた権利を行使して資金取引商品vの評価損を実現させた場合、又は資産運用者Uが、引き受けた義務を履行して資金取引商品vの評価損が実現した場合、その実現損は資産運用者Uに帰属する。しかし、権利行使又は義務履行の時点において、資金取引商品vの評価損が評価益に転じていた場合、資産運用者Uは実現益を享受できることになる。
一方、資金取引者Vが自由処分権を行使して資産運用商品uを処分した場合、概念的には、その処分価額のうち、資産運用者Uが所有している簿価部分についてのキャッシュフローは資産運用者Uに帰属し、資金取引者Vが所有している評価損部分についてのキャッシュフローは資金取引者Vに帰属する。即ち、資金取引者Vは評価損相当額を資産運用者Uへ支払うことで当該評価損が実現損に変わり、資産運用者Uは簿価相当額を確保できることになる。また、処分時に資産運用商品uの評価損が評価益に転じていた場合、資金取引者Vは実現益を享受できることになる。
【0057】
(13)本発明では、以上のような裁定取引を繰り返すことにより、資産運用者や資金調達者、資金取引者が自分の持高を漸次有利なものにしていくことができる。即ち、交換相手以上に交換相手の持高を適正に評価でき、当該持高の今後の価値の変化について交換相手以上に適切な相場観を構築できれば、交換取引を重ねることで、資産運用商品におけるより高い運用利回り、資金調達商品におけるより低い調達コスト、資金取引商品におけるより多くの取引益やより有利な契約条件を漸次達成していくことが可能になる。そして、本システムにおける交換取引を、伝統的な金融・準金融市場との裁定取引に利用しても、同様の経済効果を享受することができる。
【0058】
2.ところで、本発明における資産運用商品や資金調達商品、資金取引商品の交換取引は、兼ね備える以下の特徴によって、取引の確実性や透明性、即時性、経済性、効率性が向上する。
(1)まず、債券や相対で取引される資金取引商品の中には、国内外において1日24時間取引できる商品が既に存在し、株式や上場している資金取引商品も、情報技術の発達と各国の取引所間の提携・合併によって、国境や取引時間の壁を超えた取引が徐々に実現してきている。本発明は、この世界的な傾向と歩調を合わせ、資産運用商品や資金調達商品、資金取引商品の交換取引を国内外において1日24時間成立させることを可能とし、各種相対商品や各種上場商品との裁定取引に即時性を持たせる。
【0059】
(2)次に本発明は、交換契約書の調印までの過程において交換当事者と利益相反にない鑑定評価者を設置し、交換成立商品の瑕疵調査や交換成立価額の鑑定評価を行うことから、交換当事者が出品・入札した持高の評価額が公正と呼べるものであったこと、交換成立商品が法律的、倫理的、経済的、物理的及び環境的な問題を孕んでいないことなどを確認でき、取引その物の透明性が増す。
【0060】
(3)また、伝統的な金融取引や伝統的な準金融取引が成立した後に生じる様々な決済業務や管理業務は、その歴史的な経緯から商品又は取引市場によって使用できるシステムが異なり統合が難しく、多種多様な商品を取引したい顧客にとって使い勝手が良いものではない。そこで本発明は、伝統的な金融・準金融取引で扱われる商品との裁定取引を容易にするため、取引照合、契約書の作成・譲渡、交換差金の決済、現物の授受、キャッシュフローの授受、リスク管理やキャッシュフロー管理のツール提供、法規遵守の検査、信用補完、債権の保全・回収など、交換成立後の決済・管理機能を集約した。
【0061】
(4)さらに本発明では、一人の交換希望者と一人の交換希望者とがマッチされる場合のみならず、一人の交換希望者と複数の交換希望者とがマッチされる場合、及び複数の交換希望者と複数の交換希望者とがマッチされる場合が生じる。即ち、3者以上の利用者間での同時交換取引を可能にすることで、交換成立の確実性や即時性、効率性が増す。
【0062】
3.次に本発明では、資産運用や資金調達、資金取引の持高を入れ替える際、既存の持高の解消のために、また、新規の持高の造成のために仲介者などへ支払う売買手数料や契約・解約手数料、償還手数料、引受・販売手数料、委託・仲介手数料、その他の諸費用が節約できる。
尚、ここでいう仲介者とは、個人や事業法人などの取引における伝統的な金融機関や伝統的な不動産会社、並びに金融機関間や不動産会社間などの取引におけるブローカーを指す。また、前記手数料や諸費用には、仲介者が資産運用者や資金調達者、資金取引者を相手に自己取引して実質的に徴収する手数料相当額や費用相当額を含む。
(1)資産運用者は、自分が保有している資産運用商品を他の資産運用商品と入れ替える場合、これまでは、前者を売却又は解約、償還するために、売付手数料又は解約手数料、償還手数料、委託・仲介手数料、その他の諸費用を仲介者などへ支払い、後者を購入又は契約するために、買付手数料又は契約手数料、委託・仲介手数料、その他の諸費用を改めて仲介者などへ支払わなくてはならなかった。
本発明では、前者の処分時又は消滅時と後者の取得時に発生する各種手数料やその他の諸費用を交換取引によって節約できるため、資産運用者がより高い運用利回りを達成できる。
さらに、複数の資産運用商品を抱き合わせで入れ替えることが可能であるため、資産ポートフォリオの再構築に伴う各種手数料やその他の諸費用を節約することができる。例えば、マクロ経済を景気後退期と捉える場合には、貸付債権や債券などの金利商品へとポートフォリオを再構築し、景気回復への移行期と考える場合には株式や株式投資信託などへの入れ替え、景気過熱時のインフレ懸念台頭期には不動産運用商品や商品ファンドなどへの入れ替え需要がそれぞれ生じてくるが、本発明では、相場観が入り乱れるこれら景気の節目に、各種資産運用商品を抱き合わせて交換取引することによって、ポートフォリオ全体の資産配分を効率的に変更することが可能となる。
【0063】
(2)資産運用者が、保有している貸付債権や不動産などを証券化する場合、これらの資産を直接又は信託受益権化して特別目的会社へ譲渡し、当該特別目的会社が資産担保証券を投資家向けに発行する方式が一般的である。この仕組みでは、信託手数料や引受・販売手数料、委託・仲介手数料、信用補完や流動性補完のためのコスト・手数料、譲渡資産の管理・回収手数料、その他の諸費用が生じ、これが譲渡資産の価値の目減りを引き起こしている。また、資産の原保有者である前記資産運用者が、証券化後の譲渡代金で新規に資産を取得する場合は、買付手数料や契約手数料、委託・仲介手数料、その他の諸費用を改めて仲介者などへ支払わなくてはならなかった。
本発明では、交換取引によって既存の資産の譲渡と新規の資産の取得が同時に行えるため、各種手数料やその他の諸費用を節約でき、資産運用者がより高い運用利回りを達成できる。
【0064】
(3)資金調達者は、自分が抱えている資金調達商品を他の資金調達商品と入れ替える場合、これまでは、前者を繰上弁済又は期中償還、中途解約、買入消却するために、償還手数料又は解約手数料、買付手数料、その他の諸費用を仲介者などへ支払い、後者の持高を造成するために、資金調達に絡む契約手数料又は引受・販売手数料、その他の諸費用を改めて仲介者などへ支払わなくてはならなかった。
本発明では、前者の持高の解消時と後者の持高の造成時に発生する各種手数料やその他の諸費用を交換取引によって節約できるため、資金調達者がより低い調達コストを達成できる。さらに、複数の資金調達商品を抱き合わせで入れ替えることが可能であるため、負債ポートフォリオの再構築に伴う各種手数料やその他の諸費用を節約することができる。
【0065】
(4)資金取引者は、自分が抱えている資金取引商品を他の資金取引商品と入れ替える場合、これまでは、前者を反対取引、権利行使もしくは解約するために、又は前者の権利行使もしくは期限到来を待った後に、解約手数料又は委託・仲介手数料、その他の諸費用を仲介者などへ支払い、後者の持高を造成するために、契約手数料又は委託・仲介手数料、その他の諸費用を改めて仲介者などへ支払わなくてはならなかった。
本発明では、前者の持高の解消時と後者の持高の造成時に発生する各種手数料やその他の諸費用を交換取引によって節約できるため、資金取引者がより多くの取引益やより有利な契約条件を達成できる。さらに、複数の資金取引商品を抱き合わせで入れ替えることが可能であるため、ポートフォリオの再構築に伴う各種手数料やその他の諸費用を節約することができる。
【0066】
4.さらに本発明では、資産運用や資金調達、資金取引の持高を入れ替える際、既存の持高の解消を待ってから新規の持高を造成する必要がないため、入れ替えの時間が節約でき、その間の市場リスクを回避できる。
(1)資産運用者は、自分が保有している資産運用商品を他の資産運用商品と入れ替える場合、これまでは、前者を売却、解約もしくは償還することで、又は前者の満期を待つことで一旦現金持高とし、それから新たに後者を購入又は契約しなくてはならなかった。
本発明では、前者の処分又は消滅と後者の取得との間に生じる時間を交換取引によって節約できるため、その間に相場水準が変わってしまう市場リスクを回避できる。
さらに、複数の資産運用商品を抱き合わせで入れ替えることが可能であるため、個別に商品を入れ替える場合と比べ、資産ポートフォリオの再構築に伴う市場リスクが減少する。例えば、相場観が入り乱れる景気の節目に、各種資産運用商品を抱き合わせて交換取引することによって、ポートフォリオ全体の資産配分を迅速に変更することが可能となる。
入れ替える資産運用商品が大きい場合、資産運用者は、保有している商品を市場で処分する過程において自ら市場価額を引き下げてしまい、処分が完了した段階で不本意な平均処分価額になることが多かった。これとは逆に、欲している商品を市場で取得する過程においては自ら市場価額を引き上げてしまい、取得が完了した段階で不本意な平均取得価額になることが多かった。本発明では、資産運用者が交換取引によって持高を入れ替えるため、自分の処分行為や取得行為が市場の需給バランスに影響を与えて運用利回りが低下することを回避できる。
【0067】
(2)資金調達者は、自分が抱えている資金調達商品を他の資金調達商品と入れ替える場合、これまでは、前者を繰上弁済、期中償還、中途解約もしくは買入消却することで、又は前者の満期を待つことで一旦持高を消滅させ、それから新たに後者の持高を造成しなくてはならなかった。
本発明では、前者の解消と後者の造成との間に生じる時間を交換取引によって節約できるため、その間に相場水準が変わってしまう市場リスクを回避できる。さらに、複数の資金調達商品を抱き合わせで入れ替えることが可能であるため、個別に商品を入れ替える場合と比べ、負債ポートフォリオの再構築に伴う市場リスクが減少する。
入れ替える資金調達商品が大きい場合、資金調達者は、改めて資金調達を行った段階で次回以降の調達コストを自ら引き上げてしまうことが多かった。本発明では、資金調達者が交換取引によって持高を入れ替えるため、自分の再調達行為が市場の需給バランスに影響を与えて調達コストが上昇することを回避できる。
【0068】
(3)資金取引者は、自分が抱えている資金取引商品を他の資金取引商品と入れ替える場合、これまでは、前者を反対取引、権利行使もしくは解約することで、又は前者の権利行使もしくは期限到来を待つことで一旦持高を消滅させ、それから新たに後者の持高を造成しなくてはならなかった。
本発明では、前者の解消と後者の造成との間に生じる時間を交換取引によって節約できるため、その間に相場水準が変わってしまう市場リスクを回避できる。さらに、複数の資金取引商品を抱き合わせで入れ替えることが可能であるため、個別に商品を入れ替える場合と比べ、ポートフォリオの再構築に伴う市場リスクが減少する。
入れ替える資金取引商品が大きい場合、資金取引者は、抱えている持高を市場で解消する過程において自ら市場価額に影響を与えてしまい、解消が完了した段階で不本意な平均解消価額になることが多かった。また、欲している持高を市場で造成する過程においても自ら市場価額に影響を与えてしまい、造成が完了した段階で不本意な平均造成価額になることが多かった。本発明では、資金取引者が交換取引によって持高を入れ替えるため、自分の解消行為や造成行為が市場の需給バランスに影響を与えて取引益が減少することや、契約条件が不利になることを回避できる。
【0069】
5.また本発明では、特定金銭信託や指定金外信託、運用有価証券信託、投資子会社株式、ファンド型私募債券など、媒介体その物の交換取引によって、資産運用商品や資金取引商品を含む資産ポートフォリオの総体を交換することができるようになる。構成商品を個別に入れ替える場合とは異なり、媒介体の交換取引では資産ポートフォリオの全面的な再構築に伴う各種手数料やその他の諸費用を節約でき、また、そのために要する時間を短縮できることから、市場リスクを減少させることが可能になる。
【0070】
6.そして本発明では、資産・負債の総合管理の効率性が上昇する。即ち、資産運用商品や資金調達商品、資金取引商品を抱き合わせで種々交換することにより、また、資産運用商品の直接交換やキャッシュフロー交換、資金調達商品のキャッシュフロー交換、資金取引商品のキャッシュフロー交換を種々組み合わせることにより、貸借対照表における資産、負債及び資本の構成の改編に伴う各種手数料やその他の諸費用を節約でき、また、その改編に要する時間が短縮されることから、市場リスクを減少させることが可能になる。本発明における資産・負債の総合管理のための交換取引には、例えば以下のような組み合わせがある。
(a)『資産運用商品及び資金取引商品の抱き合わせ』と『資産運用商品』との交換取引。
(b)『資金調達商品及び資金取引商品の抱き合わせ』と『資金調達商品』との交換取引。
(c)『資産運用商品及び資金調達商品の抱き合わせ』と『資産運用商品』との交換取引。
(d)『資産運用商品及び資金調達商品の抱き合わせ』と『資金調達商品』との交換取引。
(e)『資産運用商品及び資金調達商品の抱き合わせ』と『資金取引商品』との交換取引。
(f)『資産運用商品及び資金取引商品、資金調達商品の抱き合わせ』と『資産運用商品』との交換取引。
(g)『資産運用商品及び資金取引商品、資金調達商品の抱き合わせ』と『資金調達商品』との交換取引。
(h)『資産運用商品及び資金取引商品、資金調達商品の抱き合わせ』と『資金取引商品』との交換取引。
(i)『資産運用商品及び資金取引商品、資金調達商品の抱き合わせ』と『資産運用商品及び資金取引商品の抱き合わせ』との交換取引。
(j)『資産運用商品及び資金取引商品、資金調達商品の抱き合わせ』と『資金調達商品及び資金取引商品の抱き合わせ』との交換取引。
(k)『資産運用商品及び資金取引商品、資金調達商品の抱き合わせ』と『資産運用商品及び資金調達商品の抱き合わせ』との交換取引。
【0071】
7.次に本発明は、非流動性商品に実質的な流通市場を提供する。即ち、資産運用商品や資金調達商品、資金取引商品の持高を交換取引によって入れ替えることで、実質的に流動性を向上できる。
(1)資産運用商品は、その取引市場が金融運用商品と不動産運用商品とで大きくセグメント化され、それらがさらに商品毎に細分化されていることから、処分需要と取得需要との間に不均衡が生じて商品の流動性が不十分になりやすかった。事業法人が発行する債券、中小企業や非公開企業の株式、貸付債権、土地・建物などは、一旦取得してから処分しようにも市場価額が低く抑えられ、無理な処分が運用利回りの低下を招く傾向が強かった。本発明では、同種商品間のみならず、異種商品間、異業種商品間で資産運用商品を直接交換できるため、選択肢が広がることで処分需要と取得需要との間の不均衡が是正され、運用利回りを低下させることなく商品を処分することが可能になる。
また、営業政策や経営政策、事務手続きの煩雑さやそのコストなどを理由に、保有している資産運用商品を現在処分することが困難な場合でも、本発明では、キャッシュフロー交換を用いることにより、直接交換同様、実質的に流動性を向上できる。
【0072】
(2)資金調達商品は、繰上弁済条項や期中償還条項が付与された商品を除くと基本的に流動性を備えておらず、持高の無理な解消が調達コストの上昇を招く傾向が強かった。本発明では、自分が抱えている持高のキャッシュフローを他の資金調達者が抱えている持高のキャッシュフローと交換することによって、資金調達商品が実質的に流動性を持つため、調達コストを上昇させることなく持高を解消することが可能になる。
【0073】
(3)資金取引商品は、一部の外国為替商品や先物商品、先物オプション商品を除くと基本的に流動性を備えていない。非基軸通貨に絡む資金取引商品、各種先渡商品、各種店頭オプション商品、各種スワップ商品、各種合成商品などは、持高の無理な解消が取引益の減少や不利な解約条件を招く傾向が強かった。本発明では、同種商品間のみならず、異種商品間、異業種商品間で持高のキャッシュフローを交換することにより、資金取引商品が実質的に流動性を持つため、取引益を減少させたり、不利な解約条件を被ったりすることなく持高を解消することが可能になる。
【0074】
8.そして本発明は、事業に対する支配の強化や緩和、さらには事業の買収や売却に効果を発揮する。
(1)資産運用者が、経営政策の見直しに伴い、特定の資金調達者に対する支配を強化したい場合、本発明における直接交換によって、自分が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『当該資金調達者発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、手元流動性を取り崩すことなく、当該資金調達者に対する支配を効率的に強化することができる。
【0075】
(2)資産運用者が、経営政策の見直しに伴い、特定の資金調達者に対する支配を緩和したい場合、本発明における直接交換によって、自分が既に保有している『当該資金調達者発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲り受けることで、手元流動性に影響を与えることなく、当該資金調達者に対する支配を効率的に緩和することができる。
【0076】
(3)経営政策の見直しに伴い、資産運用者Wが資金調達者Yに対する支配の強化と資金調達者Zに対する支配の緩和を計画し、これとは逆に、資産運用者Xが資金調達者Zに対する支配の強化と資金調達者Yに対する支配の緩和を計画している場合、本発明における直接交換によって、双方は同時に目的を遂げることができる。
即ち、資産運用者Wは『自分が既に保有している資金調達者Z発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに『資産運用者Xが既に保有している資金調達者Y発行の議決権付き株式』を譲り受け、同時に、資産運用者Xは『自分が既に保有している資金調達者Y発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに『資産運用者Wが既に保有している資金調達者Z発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、それぞれ手元流動性に影響を与えることなく、資金調達者Yに対する支配の強化・緩和と資金調達者Zに対する支配の緩和・強化とを効率的に実現することができる。
【0077】
(4)資産運用者が、経営政策の見直しに伴い、特定の資金調達者を買収したい場合、本発明における直接交換によって、自分が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『当該資金調達者発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、手元流動性を取り崩すことなく、当該資金調達者を効率的に買収することができる。
【0078】
(5)資産運用者が、経営政策の見直しに伴い、特定の子会社を売却したい場合、本発明における直接交換によって、自分が既に保有している『当該子会社発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲り受けることで、手元流動性に影響を与えることなく、当該子会社を効率的に売却することができる。
【0079】
(6)経営政策の見直しに伴い、資産運用者(A)が、自分の子会社(C)の売却と資産運用者(B)の子会社(D)の買収を計画し、これとは逆に、資産運用者(B)が、自分の子会社(D)の売却と資産運用者(A)の子会社(C)の買収を計画している場合、本発明における直接交換によって、双方は同時に目的を遂げることができる。
即ち、資産運用者(A)は『自分の子会社(C)発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに『資産運用者(B)の子会社(D)発行の議決権付き株式』を譲り受け、同時に、資産運用者(B)は『自分の子会社(D)発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに『資産運用者(A)の子会社(C)発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、それぞれ手元流動性に影響を与えることなく、子会社(D)の買収・売却と子会社(C)の売却・買収とを効率的に実現することができる。
【0080】
9.また本発明は、株式持合の開始や強化、緩和、解消、自己株式の取得や処分に効果を発揮する。
(1)資金取引者(E)と資金取引者(F)とが、経営政策から株式を持ち合うことに合意した場合、本発明における直接交換によって、資金取引者(E)は、自分が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『資金取引者(F)発行の議決権付き株式』を譲り受け、同様に資金取引者(F)は、自分が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『資金取引者(E)発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、それぞれ手元流動性を取り崩すことなく、効率的に株式を持ち合うことができる。
そして、同様の交換取引により、株式の持合を強化することも可能になる。
【0081】
(2)資金取引者(G)と資金取引者(H)とが、経営政策から株式の持合を緩和することに合意した場合、本発明における直接交換によって、資金取引者(G)は、自分が既に保有している『資金取引者(H)発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲り受け、同様に資金取引者(H)は、自分が既に保有している『資金取引者(G)発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が既に保有している『資産運用商品の何れか』を譲り受けることで、それぞれ手元流動性に影響を与えることなく、効率的に株式の持合を緩和することができる。
そして、同様の交換取引により、株式の持合を解消することも可能になる。
【0082】
(3)資金取引者(I)が、自社の株価対策や従業員持株会の運営、株式オプション制度の導入などから、自己株式の買入を計画している場合、本発明における直接交換によって、自分が既に保有している『資産運用商品の何れか』を資産運用者へ譲渡する替わりに、当該資産運用者が既に保有している『資金取引者(I)発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、手元流動性を取り崩すことなく自己株式を取得し、流通市場からの買入と同じ効果を上げることができる。
そして、これとは逆の交換取引により、政策的に保有してきた自己株式を処分することも可能になる。
【0083】
(4)資金取引者(J)と資金取引者(K)とが、経営政策から株式の持合を解消することに合意し、双方が各自の株価対策や従業員持株会の運営、株式オプション制度の導入などから、自己株式の買入をそれぞれ計画している場合、本発明における直接交換によって、双方は同時に目的を遂げることができる。即ち、資金取引者(J)は、自分が既に保有している『資金取引者(K)発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに、資金取引者(K)が既に保有している『資金取引者(J)発行の議決権付き株式』を譲り受け、同時に、資金取引者(K)は、自分が既に保有している『資金取引者(J)発行の議決権付き株式』を譲渡する替わりに、資金取引者(J)が既に保有している『資金取引者(K)発行の議決権付き株式』を譲り受けることで、それぞれ手元流動性に影響を与えることなく、株式の持合解消と自己株式の取得を効率的に達成して、流通市場における放出・買入と同じ効果を上げることができる。
【0084】
10.そして本発明は、各種交換取引により資金流入や資金流出を集中又は分散させることで、将来に渡るキャッシュフローの平準化を可能とする。
(1)資産運用者が、例えば短期の資金流入や長期の資金流入に比して、中期の資金流入が少な過ぎるとの予想を立てている場合、本発明における資産運用商品の直接交換によって、『自分が保有している短期資産運用商品』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している中期資産運用商品』を譲り受け、さらに『自分が保有している長期資産運用商品』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している中期資産運用商品』を譲り受けることで、短期及び長期の資金流入を一部中期に集中させ、短期から長期に渡り資金流入を平準化することができる。
【0085】
また、本発明における資産運用商品のキャッシュフロー交換によって、『自分が保有している短期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している中期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲り受け、さらに『自分が保有している長期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している中期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲り受けることによっても、同様の経済効果が期待できる。
【0086】
(2)これとは逆に、資産運用者が、例えば中期の資金流入に比して、短期の資金流入や長期の資金流入が少な過ぎるとの予想を立てている場合、本発明における資産運用商品の直接交換によって、『自分が保有している中期資産運用商品』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している短期資産運用商品』を譲り受け、さらに『自分が保有している他の中期資産運用商品』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している長期資産運用商品』を譲り受けることで、一部中期の資金流入が短期及び長期に分散され、短期から長期に渡り資金流入を平準化することができる。
【0087】
また、本発明における資産運用商品のキャッシュフロー交換によって、『自分が保有している中期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している短期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲り受け、さらに『自分が保有している他の中期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が保有している長期資産運用商品からのキャッシュフロー』を譲り受けることによっても、同様の経済効果が期待できる。
【0088】
(3)資金調達者が、例えば中期の資金流出に比して、短期の資金流出や長期の資金流出が多過ぎるとの予想を立てている場合、本発明における資金調達商品のキャッシュフロー交換によって、『他の資金調達者が抱えている中期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き受ける替わりに『自分が抱えている短期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き渡し、さらに『他の資金調達者が抱えている他の中期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き受ける替わりに『自分が抱えている長期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き渡すことで、短期及び長期の資金流出を一部中期に集中させ、短期から長期に渡り資金流出を平準化することができる。
【0089】
(4)これとは逆に、資金調達者が、例えば短期の資金流出や長期の資金流出に比して、中期の資金流出が多過ぎるとの予想を立てている場合、本発明における資金調達商品のキャッシュフロー交換によって、『他の資金調達者が抱えている短期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き受ける替わりに『自分が抱えている中期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き渡し、さらに『他の資金調達者が抱えている長期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き受ける替わりに『自分が抱えている他の中期資金調達商品のキャッシュフロー』を引き渡すことで、一部中期の資金流出が短期及び長期に分散され、短期から長期に渡り資金流出を平準化することができる。
【0090】
11.次に本発明は、直接交換を通じた同一資産運用商品の実質的な反対売買によって、収益の確定を可能とする。即ち本発明では、特定の資産運用商品を媒介として直接交換を2回実施することにより、その特定商品に関して取得及び処分と変わらない経済効果が生まれ、資産運用者がキャピタル・ゲインを確定することができる。
資産運用者(L)が、自分の保有している資産運用商品(l)の価値以上に資産運用商品(m)の価値が今後上昇すると予想し、資産運用者(M)が、自分の保有している資産運用商品(m)の価値以上に資産運用商品(l)の価値が今後上昇すると予想している場合、本発明では交換取引が成立する。この結果、資産運用商品(m)を取得した資産運用者(L)は、予想通りの相場展開で、その後、資産運用商品(m)の価値が上昇した場合に資産運用商品(m)を処分しようと試みるが、従来の取引市場が流動性などの問題を抱え、一方で、異なる資産運用商品(n)の価値が今後上昇すると予想できる場合には、資産運用商品(n)を保有している資産運用者(N)と交換取引を行うことが最良の選択肢となる。そして、その資産運用者(N)が、資産運用者(L)とは異なる相場観から、資産運用商品(m)の価値が今後さらに上昇すると予想している場合、本発明では、資産運用者(L)と資産運用者(N)との間で資産運用商品(m)と資産運用商品(n)との交換取引が成立する。この時点で資産運用者(L)は、資産運用者(M)から一旦取得した資産運用商品(m)を実質的な反対売買によって処分したことになり、資産運用商品(m)に関してのキャピタル・ゲインを確定することができる。
【0091】
12.さらに本発明は、資産運用商品や資金調達商品のキャッシュフロー交換を通じた果実部分の収益確定を可能とする。即ち資金取引者が、資産運用商品の持高と資金調達商品の持高を同時に抱えている場合、本発明における資産運用商品や資金調達商品のキャッシュフロー交換によって、特定期間のインカム・ゲインを確定することができる。
(1)保有している資産運用商品のキャッシュフローを、抱えている資金調達商品と残存期間が等しい他の資産運用商品のキャッシュフローと交換した場合、当該資金調達商品の資金流出と交換後の資産運用商品の資金流入とが相殺され、前者が後者を下回っている状況下で、当該期間のインカム・ゲインを確定することが可能になる。
【0092】
(2)これとは逆に、抱えている資金調達商品のキャッシュフローを、保有している資産運用商品と残存期間が等しい他の資金調達商品のキャッシュフローと交換した場合は、当該資産運用商品の資金流入と交換後の資金調達商品の資金流出とが相殺され、前者が後者を上回っている状況下で、当該期間のインカム・ゲインを確定することが可能になる。
【0093】
(3)保有している資産運用商品のキャッシュフローを、特定の期間、他の資産運用商品のキャッシュフローと交換し、抱えている資金調達商品のキャッシュフローを、上記と等しい期間、他の資金調達商品のキャッシュフローと交換した場合、交換後の資産運用商品の資金流入と、交換後の資金調達商品の資金流出とが相殺され、前者が後者を上回っている状況下で、当該期間のインカム・ゲインを確定することが可能になる。
【0094】
(4)また本発明は、評価損益によるキャッシュフロー交換を通じた果実部分の収益確定を可能とする。即ち資金取引者が、資産運用商品の評価損益もしくは資金取引商品の評価損益を複数抱えている場合、本発明において、これらの持高を複数のスワップ商品の持高と交換することによって、特定期間のインカム・ゲインを確定することができる。
まず、自分が保有している『資産運用商品の評価損益』もしくは自分が抱えている『資金取引商品の評価損益』を、他の資金取引者が抱えている『固定果実を受け取って変動果実を支払う特定残存期間のスワップ商品の評価損益』とキャッシュフロー交換する。次に、自分が保有している『他の資産運用商品の評価損益』もしくは自分が抱えている『他の資金取引商品の評価損益』を、他の資金取引者が抱えている『前記スワップ商品と元本金額及び残存期間が等しい、固定果実を支払って変動果実を受け取るスワップ商品の評価損益』とキャッシュフロー交換すると、以下の場合に当該資金取引者は当該期間のインカム・ゲインを確定することが可能になる。
(a)両者の変動果実が相殺され、前者の固定果実が後者の固定果実を上回っている場合。
(b)両者の固定果実が相殺され、前者の変動果実が後者の変動果実を下回っている場合。
(c)前者の固定果実が後者の固定果実を上回り、且つ前者の変動果実が後者の変動果実を下回っている場合。
(d)前者の変動果実が後者の変動果実を上回っているが、その格差以上に前者の固定果実が後者の固定果実を上回っている場合。
(e)前者の固定果実が後者の固定果実を下回っているが、その格差以上に前者の変動果実が後者の変動果実を下回っている場合。
【0095】
13.そして本発明は、資金取引商品の効率的な用途変更を可能にする。
(1)保有している資産運用商品の持高のヘッジを目的に使用してきた資金取引商品が、当該資産運用商品の処分又は消滅に伴い不要になった場合、資産運用者は、本発明におけるキャッシュフロー交換により、自分が使用してきた『ヘッジ目的の資金取引商品の持高』を引き渡す替わりに『売買使用が可能な資金取引商品の持高』を他者から引き受けることで、資金取引商品のヘッジ用途から売買用途への迅速な移行が可能になる。
【0096】
(2)これとは逆に、資産運用商品を新規に保有して持高のヘッジが必要になった場合、資産運用者は、本発明におけるキャッシュフロー交換により、自分が他に抱えている『売買目的の資金取引商品の持高』を引き渡す替わりに『ヘッジ使用が可能な資金取引商品の持高』を他者から引き受けることで、資金取引商品の売買用途からヘッジ用途への迅速な移行が可能になる。
【0097】
(3)抱えている資金調達商品の持高のヘッジを目的に使用してきた資金取引商品が、当該資金調達商品の消滅又は引渡に伴い不要になった場合、資金調達者は、本発明におけるキャッシュフロー交換により、自分が使用してきた『ヘッジ目的の資金取引商品の持高』を引き渡す替わりに『売買使用が可能な資金取引商品の持高』を他者から引き受けることで、資金取引商品のヘッジ用途から売買用途への迅速な移行が可能になる。
【0098】
(4)これとは逆に、資金調達商品を新規に抱えて持高のヘッジが必要になった場合、資金調達者は、本発明におけるキャッシュフロー交換により、自分が他に抱えている『売買目的の資金取引商品の持高』を引き渡す替わりに『ヘッジ使用が可能な資金取引商品の持高』を他者から引き受けることで、資金取引商品の売買用途からヘッジ用途への迅速な移行が可能になる。
【0099】
14.次に本発明は、信用供与に絡み、資産運用の新手法を提供する。
(1)資産運用者が、特定の資金調達者に絡み保有している資産運用商品に関し、運用方針や運用目標の見直しに伴って、より低い運用利回りで構わないため抱える信用リスクをその分低下させたい場合、又は逆に、より高い運用利回りを追求したいため抱える信用リスクをその分増大させても構わない場合、優先貸付債権又は優先債券、劣後貸付債権又は劣後債券、優先株式、普通株式、劣後株式などの当該資金調達者に絡む資産運用商品を、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によりこれらの範囲内で入れ替えることで、手元流動性に影響を与えることなく、求償順位を効率的に変更することができる。また、同程度の信用リスクを孕んだ他の資金調達者に絡む資産運用商品と、前記資金調達者に絡む上記商品群との間で直接交換やキャッシュフロー交換を行っても、実質的に求償順位を変更できる。
【0100】
(2)資産運用者が、運用方針や運用目標の確立に伴い、特定の資金調達者に対する信用供与枠を新規設定した場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、『自分が既に保有している資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに『貸付債権や債券、コマーシャル・ペーパー、預金債権など、当該資金調達者に絡み他の資産運用者が既に保有している信用リスク商品』を譲り受けることで、手元流動性を取り崩すことなく、当該資金調達者に対する信用供与を効率的に開始することができる。
そして、同様の交換取引により、信用供与を拡大することも可能になる。
【0101】
(3)資産運用者が、運用方針や運用目標の見直しに伴い、特定の資金調達者に対する信用供与枠を減額した場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、『当該資金調達者に絡み自分が既に保有している信用リスク商品』を譲渡する替わりに『他の資産運用者が既に保有している資産運用商品の何れか』を譲り受けることで、手元流動性に影響を与えることなく、当該資金調達者に対する信用供与を効率的に縮小することができる。
そして、同様の交換取引により、信用供与を停止することも可能になる。
【0102】
15.さらに本発明は、ファンド型運用商品の運用委託先の選別に絡み、資産運用の新手法を提供する。
(1)資産運用者が、好調な運用実績や評判を基に、証券投資信託や不動産投資信託、商品ファンド、貸付信託、金銭信託など、保有しているファンド型運用商品の運用受託機関を特定の投資信託委託会社や信託銀行などに集中させたい場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、自分が保有している『排斥したい運用受託機関のファンド型運用商品』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が保有している『選好する運用受託機関のファンド型運用商品』を譲り受けることで、手元流動性に影響を与えることなく、運用委託先を特定の機関へ効率的に集中させることができる。
【0103】
(2)資産運用者が、資産配分の方針や目標の見直しに伴い、保有しているファンド型運用商品の特定の運用受託機関を他の投資信託委託会社や信託銀行などに分散させたい場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、自分が保有している『特定の運用受託機関のファンド型運用商品』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が保有している『様々な運用受託機関のファンド型運用商品』を譲り受けることで、手元流動性に影響を与えることなく、運用委託先を効率的に分散させることができる。
【0104】
16.また本発明は、媒介体の運用委託先の選別に絡み、資産運用の新手法を提供する。
(1)資産運用者が、運用委託の方針や目標の確立に伴い、媒介体における運用受託機関として特定の投資顧問会社や保険会社、信託銀行などを任命した場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、自分が既に保有する『資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が保有する『選好する運用受託機関が運用を担当している媒介体』を譲り受けることで、ポートフォリオを現金持高から構築することなく、特定の機関への運用委託を効率的に開始することができる。
【0105】
(2)資産運用者が、運用委託の方針や目標の見直しに伴い、保有している媒介体における運用受託機関を特定の投資顧問会社や保険会社、信託銀行などに絞り込みたい場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、自分が保有する『排斥したい運用受託機関が運用を担当している媒介体』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が保有する『選好する運用受託機関が運用を担当している媒介体』を譲り受けることで、ポートフォリオを一旦現金持高にすることなく、運用委託先を特定の機関へ効率的に絞り込むことができる。
【0106】
(3)資産運用者が、運用委託の方針や目標の見直しに伴い、保有している媒介体における特定の運用受託機関を他の投資顧問会社や保険会社、信託銀行などに開放したい場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、自分が保有する『特定の運用受託機関が運用を担当している媒介体』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が保有する『様々な運用受託機関が運用を担当している媒介体』を譲り受けることで、ポートフォリオを一旦現金持高にすることなく、運用委託先を効率的に開放することができる。
【0107】
(4)資産運用者が、運用委託の方針や目標の見直しに伴い、保有している媒介体において特定の運用受託機関を解任したい場合、本発明における直接交換やキャッシュフロー交換によって、自分が保有する『特定の運用受託機関が運用を担当している媒介体』を譲渡する替わりに、他の資産運用者が保有する『資産運用商品の何れか』を譲り受けることで、ポートフォリオを現金持高へ戻すことなく、運用委託を効率的に停止することができる。
【0108】
17.そして本発明は、不動産運用商品に絡み、資産運用の新手法を提供する。
即ち、資産運用者が、今後の開発又は再開発を目的に、特定の地域全体の土地もしくは特定の複合不動産の総体を取得したい場合、本発明における直接交換によって、『自分が保有している資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、『当該地域において個々の土地所有者が保有している全物件』もしくは『当該複合不動産において個々の区分所有者が保有している全物件』を譲り受けることで、又は『自分が保有している資産運用商品の何れか』を譲渡する替わりに、『対象不動産の証券化商品である不動産担保証券の総額又は不動産投資信託の総額』を譲り受けることで、手元流動性を取り崩すことなく、特定の地域全体の土地もしくは特定の複合不動産の総体を直接的又は間接的に取得することができる。
【0109】
18.さらに本発明は、資産運用商品の直接交換やキャッシュフロー交換、資金調達商品のキャッシュフロー交換、資金取引商品のキャッシュフロー交換に関して、3者以上の利用者間での同時交換取引を可能とする。
(1)資産運用者(O)が、保有している資産運用商品(o)の処分を希望し、資産運用者(P)が、保有している資産運用商品(p)の処分を、資産運用者(Q)が、保有している資産運用商品(q)の処分を、それぞれ希望しているとする。この際、資産運用者(O)が資産運用商品(p)の取得を希望し、資産運用者(P)が資産運用商品(q)、資産運用者(Q)が資産運用商品(o)の取得をそれぞれ希望して、処分希望と取得希望とが3者間で循環している場合、本システムの運営者は、資産運用者(O)及び資産運用者(P)、資産運用者(Q)の間で資産運用商品の直接交換を同時に成立させることができる。また、本発明は、4者以上の資産運用者間でも、処分希望と取得希望とが循環している場合に、資産運用商品の同時直接交換を可能とする。
【0110】
(2)資産運用者(R)が『保有している資産運用商品(r)からのキャッシュフロー』の譲渡を希望し、資産運用者(S)が『保有している資産運用商品(s)からのキャッシュフロー』の譲渡を、資産運用者(T)が『保有している資産運用商品(t)からのキャッシュフロー』の譲渡を、それぞれ希望しているとする。この際、資産運用者(R)が『資産運用商品(s)からのキャッシュフロー』の譲受を希望し、資産運用者(S)が『資産運用商品(t)からのキャッシュフロー』、資産運用者(T)が『資産運用商品(r)からのキャッシュフロー』の譲受をそれぞれ希望して、譲渡希望と譲受希望とが3者間で循環している場合、本システムの運営者は、資産運用者(R)及び資産運用者(S)、資産運用者(T)の間で資産運用商品のキャッシュフロー交換を同時に成立させることができる。また、本発明は、4者以上の資産運用者間でも、譲渡希望と譲受希望とが循環している場合に、資産運用商品の同時キャッシュフロー交換を可能とする。
【0111】
(3)資金調達者(U)が『抱えている資金調達商品(u)のキャッシュフロー』の引渡を希望し、資金調達者(V)が『抱えている資金調達商品(v)のキャッシュフロー』の引渡を、資金調達者(W)が『抱えている資金調達商品(w)のキャッシュフロー』の引渡を、それぞれ希望しているとする。この際、資金調達者(U)が『資金調達商品(v)のキャッシュフロー』の引受を希望し、資金調達者(V)が『資金調達商品(w)のキャッシュフロー』、資金調達者(W)が『資金調達商品(u)のキャッシュフロー』の引受をそれぞれ希望して、引渡希望と引受希望とが3者間で循環している場合、本システムの運営者は、資金調達者(U)及び資金調達者(V)、資金調達者(W)の間で資金調達商品のキャッシュフロー交換を同時に成立させることができる。また、本発明は、4者以上の資金調達者間でも、引渡希望と引受希望とが循環している場合に、資金調達商品の同時キャッシュフロー交換を可能とする。
【0112】
(4)資金取引者(X)が『抱えている資金取引商品(x)の評価損益』の引渡を希望し、資金取引者(Y)が『抱えている資金取引商品(y)の評価損益』の引渡を、資金取引者(Z)が『抱えている資金取引商品(z)の評価損益』の引渡を、それぞれ希望しているとする。この際、資金取引者(X)が『資金取引商品(y)の評価損益』の引受を希望し、資金取引者(Y)が『資金取引商品(z)の評価損益』、資金取引者(Z)が『資金取引商品(x)の評価損益』の引受をそれぞれ希望して、引渡希望と引受希望とが3者間で循環している場合、本システムの運営者は、資金取引者(X)及び資金取引者(Y)、資金取引者(Z)の間で資金取引商品のキャッシュフロー交換を同時に成立させることができる。また、本発明は、4者以上の資金取引者間でも、引渡希望と引受希望とが循環している場合に、資金取引商品の同時キャッシュフロー交換を可能とする。
【0113】
(5)また本発明は、資産運用商品の抱き合わせ交換、資金調達商品の抱き合わせ交換、資金取引商品の抱き合わせ交換、資産運用商品と資金取引商品との抱き合わせ交換、資金調達商品と資金取引商品との抱き合わせ交換、資産運用商品と資金調達商品との抱き合わせ交換、そして資産運用商品及び資金調達商品、資金取引商品の抱き合わせ交換における3者以上の利用者間での同時交換取引を可能とする。