特開2015-11(P2015-11A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 林物産発明研究所の特許一覧

特開2015-11農業用ハウスに対する室温調整用シェルター
<>
  • 特開2015000011-農業用ハウスに対する室温調整用シェルター 図000003
  • 特開2015000011-農業用ハウスに対する室温調整用シェルター 図000004
  • 特開2015000011-農業用ハウスに対する室温調整用シェルター 図000005
  • 特開2015000011-農業用ハウスに対する室温調整用シェルター 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-11(P2015-11A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】農業用ハウスに対する室温調整用シェルター
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/20 20060101AFI20141202BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20141202BHJP
   A01G 9/22 20060101ALI20141202BHJP
【FI】
   A01G9/20 B
   A01G9/14 S
   A01G9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-124910(P2013-124910)
(22)【出願日】2013年6月13日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2B029
【Fターム(参考)】
2B029EB16
2B029EB30
2B029EC12
2B029KB05
2B029LA01
2B029LA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ビニールハウス、ガラスハウスのような農業用ハウスに対してすっぽりと被せることによって、当該ハウスの室温調整が図られるようにしたシェルターを提供する。
【解決手段】平行四辺形状の側面形状を有しかつ略相似形を呈する温度制御用固定片1及び温度制御用可動片2を、その互いの対向する上隅角部において180度回転自在とするように枢着3したものを一対とし、また、当該固定片1と可動片2は断熱材料で形成し、更に、上記一対の温度制御用固定片1及び温度制御用可動片2を多数単位用いて、所要の農業用ハウスの外面全体を覆う鱗状形態とするように、その固定片1において敷設固定したことを特徴とする農業用ハウスに対する室温調整用シェルター。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行四辺形状の側面形状を有しかつ略相似形を呈する温度制御用固定片(1)及び温度制御用可動片(2)を、その互いの対向する上隅角部において180度回転自在とするように枢着(3)したものを一対とし、また、当該固定片(1)と可動片(2)は断熱材料で形成し、上記一対の温度制御用固定片(1)及び温度制御用可動片(2)を多数単位用いて、所要の農業用ハウスの外面全体を覆う鱗状形態とするように、その固定片(1)において敷設固定したことを特徴とする農業用ハウスに対する室温調整用シェルター。
【請求項2】
可動片(2)の下面側角部を切り欠くことによって、回転時に下面側に突出する部分をなくするように構成した請求項1に記載した農業用ハウスに対する室温調整用シェルター。
【請求項3】
固定片(1)の両端面にパッキング材(1a)を張設して成る請求項1または請求項2の何れかに記載した農業用ハウスに対する室温調整用シェルター。
【請求項4】
所要の農業用ハウスに対して、その全体をすっぽりと被せるような形態で覆うように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載の農業用ハウスに対する室温調整用シェルター。
【請求項5】
所要の農業用ハウスの外面に対して、直接的な被覆状態で取り付けるように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載の農業用ハウスに対する室温調整用シェルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニールハウス、ガラスハウスのような農業用ハウスに対してすっぽりと被せることによって、当該ハウスの室温調整が図られるようにしたシェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農業用ハウスはその室内温度の調節は所要の暖房機構を用いて(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)行うものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−10624号公報
【特許文献2】特開2012−16315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した暖房機構を用いた場合、その燃料費及び管理費が掛かり、これは、農業上のコストアップの原因の一つとされた。
本発明は、夏季にあっては外気遮断に基づき低温地熱利用による低温度での管理を、また、冬期にあっては太陽熱の利用に基づく暖房的管理を図り、以て、冷暖房器具の利用は補助的なものに留め、もって、冷暖房器具の使用性の僅少化に基づくエネルギーの節約性が図られるように構成した「農業用ハウスに対する室温調整用シェルター」と言う新規の製品を提供し、以て、上記のような従来の問題を解決したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は請求項1に記載のように、平行四辺形状の側面形状を有しかつ略相似形を呈する温度制御用固定片1及び温度制御用可動片2を、その互いの対向する上隅角部において180度回転自在とするように枢着3したものを一対とし、また、当該固定片1と可動片2は断熱材料で形成し、上記一対の温度制御用固定片1及び温度制御用可動片2を多数単位用いて、所要の農業用ハウスの外面全体を覆う鱗状形態とするように、その固定片1において敷設固定したことを特徴とする農業用ハウスに対する室温調整用シェルターに係る。
【0006】
本発明は請求項2に記載のように、可動片2の下面側角部を切り欠くことによって、回転時に下面側に突出する部分をなくするように構成した請求項1に記載した農業用ハウスに対する室温調整用シェルターを実施の態様とする。
【0007】
本発明は請求項3に記載のように、固定片1の両端面にパッキング材1aを張設して成る請求項1または請求項2の何れかに記載した農業用ハウスに対する室温調整用シェルターを実施の態様とする。
【0008】
本発明は請求項4に記載用に、所要の農業用ハウスに対して、その全体をすっぽりと被せるような形態で覆うように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載の農業用ハウスに対する室温調整用シェルターを実施の態様とする。
【0009】
本発明は請求項5に記載のように、所要の農業用ハウスの外面に対して、直接的な被覆状態で取り付けるように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載の農業用ハウスに対する室温調整用シェルターを実施の態様とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は請求項1に記載のような構成の採用、すなわち、菱型状の側面形状を呈しかつその四周面に光反射層1aを形成して成る断熱材料製温度制御用可動片1を用い、所要の農業用ハウスの外面全体を覆うような形態とするように多数の可動片2を、その互いの辺面を重ねるようにして鱗状に敷設すると共に、農業用ハウスAに近接する側の狭角において起伏自在に枢着2したから、夏場は断熱材料製温度制御用可動片2を全て閉めておくことにより、農業用ハウス内は外気の無遮断状態に保たれる。 従って、低温である地熱雰囲気がハウス内を占め、通常外気より温度降下を招くこととなる。 そのため、補助的に冷房器具を用いても、経済的なエネルギー利用となり、電気代等の節減化が図られる。
【0011】
更に、冬期にあっては、断熱材料製温度制御用可動片2を全て固定片1上に重ねておくように開くことにより、太陽光線の取り込みが可能化され、これによりはハウス内の温度雰囲気の向上化が図られる。
【0012】
本発明は請求項2に記載のように、可動片2の下面側角部を切り欠くことによって、回転時に下面側に突出する部分をなくするように構成することにより、可動片2の角部がその回転時にぶつかることなく円滑なる回転が成されることとなる。
【0013】
本発明は請求項3に記載のように、固定片1の両端面にパッキング材1aを張設することにより、固定片1と可動片2との接触辺縁部分が隙間のないものとされ、空気の遮断性が完璧化される。 そして、固定片1と可動片2とをハウスの曲面部分に取付けた際に生じる隙間発生を、当該パッキング材1aがよく補うことなる。
【0014】
本発明は請求項4に記載のように、所要の農業用ハウスに対して、その全体にすっぽりと被せるような形態で覆うように構成したから、既設農業用ハウスに対する実施が極めて容易に達成されることとなり、また、既設ハウスの形状とは関わりなく実施することが可能化される。
【0015】
本発明は請求項5に記載のような構成の採用、すなわち、所要の農業用ハウスの外面に対して、直接的な被覆状態で取り付けるように構成することにより、本発明に係るシェルターの設置は、既設の農業用ハウスの外観面を土台として行うことができる。 従って、本発明の実施が比較的廉価にして簡便に達成されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例を表した説明用断面図である。
図2】本発明の他の実施例を表した説明用断面図である。
図3】本発明の夏期使用形態を表した要部の説明用断面図である。
図4】本発明の冬期使用形態を表した要部の説明用断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は農業用ハウスAの外側に、図1に示すようにこれをすっぽりと被せるように構成した第1実施例と、図2に示すように当該農業用ハウスAの外面に対して直接的に被覆状態で取り付けるように構成した第2実施例とを含むものである。
【0018】
そして、本発明の実施対象とする農業用ハウスは、側面かまぼこ状のビニール製ハウスや、家形または矩形状、台形状等を呈するガラス製温室ハウス等、各種形態の農業用ハウス全てを対象とするものである。
【0019】
図に於いて、1は温度制御用固定片、2は温度制御用可動片であって、両者は行四辺形状の側面形状を有すると共に略相似形を呈するものである。 そして、当該固定片1と可動片2とは対を成すように並べられていると共に、その互いの対向する上隅角部において180度回転自在とするように枢着3されている。 2aは可動片2の下面側角部を切り欠くことによって、回転時に下面側に突出する部分をなくするようにした切欠き部である。
【0020】
上記した固定片1と可動片2は断熱材料で形成すると共に、固定片1の両端面にはパッキング材1aが張設されている。 そして、当該断熱材であるが、これは、EPS、エアー、おがくず、もみ殻、オイル、軽石、その他全ての断熱材が利用可能である。
【0021】
上記した可動片2を枢着してある固定片1の取付けであるが、 これは図1に示す実施例にあってはシェルター枠Bの全体に対して、また、図2に示す実施例にあっては農業用ハウスAの外観面全体に対して隙間なく(互いの辺面を重ねるようにして縦横に列設する。)、鱗状を呈するように敷設する。
【0022】
本発明は、各固定片1及び可動片2が図1または図2に示すような倒伏状態(図3参照)にあっては、農業用ハウスAの外面は、多数の固定片1及び可動片2により覆われた状態に保たれる。 従って、農業用ハウスAの内部温度は外界からの断熱状態に保持される。
【0023】
そのため、暑い夏の季節に際しては、当該可動片2を固定片1と並べて倒しておくことにより、高温の外界温度が断たれ、比較的温度の低い地熱温度が室内温度とされる。 そのため、外気に比して低温状態の室内温度が保たれ、補助的にクーラーを用いたとしても、その出力を低減化することができる。
【0024】
なお、農業用ハウス内の換気を行う際は、可動片1全てを開いた状態で行うものとする。
【0025】
次に、寒い冬の季節に際しては、全ての可動片2を、図4に示すように枢着2部分から折り曲げて固定片1上に跳ね上げるように回転させる。 これにより、太陽光が取り込まれ、農業用ハウスA内に対する室温上昇化が図られる。
【0026】
なお、可動片2の立ち上げ操作であるが、各可動片2相互の連動機構を設け、これにより手動的或いはモーター動力に基づき操作する様にすることが好ましい。
【符号の説明】
【0027】
A 農業用ハウス
1 温度制御用固定片
1a
パッキング材
2 温度制御用可動片
2a
切欠き部
3 枢着
図1
図2
図3
図4