【解決手段】 タッチパネルへのタッチを検出するタッチ操作検出部と、前記タッチパネルが搭載されている表示画面に表示した所定のアイコンへのタッチが維持された状態で、車両の走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコンへのタッチを受け付けると、該実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を出力する処理制御部と、を備える
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について
図1〜13を用いて説明する。
【0010】
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係るナビゲーション装置100の概略構成の一例を示した図である。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてのマイクロフォン41と、音声出力装置としてのスピーカ42とを有する)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0011】
なお、ナビゲーション装置100は、例えば、地図情報や交通情報などを表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を用いて経路誘導する機能など、いわゆるナビゲーション機能を備えている。
【0012】
演算処理部1は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う中心的なユニットである。例えば、車速センサ7などの各種センサ、GPS受信装置9、FM多重放送受信装置10またはビーコン受信装置11から出力された情報を基にして現在地を検出する。また、演算処理部1は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。また、演算処理部1は、読み出した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示させる信号を出力する。また、演算処理部1は、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図情報などを用いて、ユーザから指示された出発地と目的地とを結ぶ経路を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ42やディスプレイ2に所定の信号を出力して経路誘導を行う。
【0013】
また、演算処理部1は、車載ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を介して車両の走行状態を検出し、走行中である場合、ディスプレイ2に表示した実行アイコンによる実行指示の受け付けを制限する。
【0014】
演算処理部1は、各デバイス間をバスで接続した構成となっている。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図情報、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、これらを相互に接続するバス25と、を有している。
【0015】
ディスプレイ2は、グラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0016】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。記憶装置3には、例えば、演算処理部1によって用いられる様々な情報(例えば、地図情報)およびプログラムなどが格納されている。
【0017】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてのマイクロフォン41と、音声出力装置としてのスピーカ42と、を有する。マイクロフォン41は、運転者や同乗者の発した声など、ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。また、スピーカ42は、演算処理部1で生成された運転者などへの案内を音声として出力する。なお、マイクロフォン41およびスピーカ42は、車両の所定の部位に配置されている。
【0018】
入力装置5は、ユーザからの指示入力を受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチであるスクロールキー、縮尺変更キーなど(図示せず)で構成されている。入力装置5は、各キーや各スイッチの操作に応じた情報を演算処理部1など他の機能部に対して出力する。
【0019】
タッチパネル51は、表示画面を透視可能にディスプレイ2の表示面側に搭載され、人(ユーザ)の指によるタッチを検出する。なお、タッチパネル51は、指のタッチ位置をタッチパネル51上に設定されるXY座標に基づき特定する。
【0020】
なお、ナビゲーション装置100には、多点認識が可能なタッチパネル51が採用される。タッチパネル51は、多点認識により、同時に複数の指でタッチされた場合でも、各々のタッチ位置を特定することができる。このようなタッチパネル51は、例えば、静電容量方式による入力検出素子などで構成されている。
【0021】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROMなどのROM、IC(Integrated Circuit)カードなどの、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0022】
車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出するセンサである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0023】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報およびFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などが含まれている。
【0024】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報および緊急警報などを受信する。ビーコン受信装置11には、例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコンなどがある。
【0025】
以上、ナビゲーション装置100の概略構成について説明した。
【0026】
次に、ナビゲーション装置100の機能ブロックについて説明する。
【0027】
図2は、ナビゲーション装置100の機能構成の一例を示した機能ブロック図である。ナビゲーション装置100は、全体制御部201と、入力受付部202と、出力処理部203と、タッチ操作検出部204と、処理制御部205と、を有している。
【0028】
全体制御部201は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて他の処理部を制御する。また、全体制御部201は、例えば、入力受付部202を介して取得した情報を、その種類や内容に応じて、所定の機能部に出力する。
【0029】
入力受付部202は、ダイヤルスイッチ52などのハードスイッチを介してユーザから指示入力を受け付ける機能部である。また、入力受付部202は、ユーザなどから受け付けた指示を他の機能部に受け渡す。
【0030】
出力処理部203は、表示画面をディスプレイ2に出力する機能部である。例えば、出力処理部203は、ディスプレイ2への表示が要求される情報(例えば、地図情報)を取得し、道路、その他の地図構成物、現在地、目的地、推奨経路、メッセージ情報などを指定される描画方式に従って描画するように画面描画コマンドを生成する。また、出力処理部203は、生成した描画コマンドをディスプレイ2に出力する。
【0031】
タッチ操作検出部204は、タッチパネル51へのタッチ操作を検出する機能部である。具体的には、タッチ操作検出部204は、ユーザによるタッチパネル51へのタッチを検出し、そのタッチ位置(X、Y座標)を特定する。
【0032】
また、タッチ操作検出部204は、検出したタッチが第n番目(n=1、2、3…)のタッチであるのかを特定する。例えば、タッチ操作検出部204は、非タッチ状態(ユーザの指がタッチパネルに接触していない状態)でタッチパネル51へのタッチを検出すると、かかるタッチを第1番目のタッチと特定する。また、タッチ操作検出部204は、ユーザの指がタッチパネル51に接触している状態が維持されている限り、タッチ位置が移動しても、かかるタッチを第1番目のタッチとして特定する。
【0033】
また、タッチ操作検出部204は、第1番目のタッチがON状態であるときに、第1番目のタッチに続いて新たなタッチを検出すると、かかるタッチを第2番目のタッチとして特定する。すなわち、タッチ操作検出部204は、第n番目までのタッチが全てON状態であるときに新たなタッチを検出すると、かかるタッチを第n+1番目のタッチとして特定する。
【0034】
また、タッチ操作検出部204は、タッチパネル51に対する2点タッチにおいて、両方のタッチ位置間の距離が所定以上縮まると、ピンチイン操作が行われたことを検出する。また、タッチ操作検出部204は、かかるタッチ位置間の距離が所定以上広がると、ピンチアウト操作が行われたことを検出する。
【0035】
また、タッチ操作検出部204は、検出したタッチ操作に関する情報を処理制御部205に出力する。
【0036】
処理制御部205は、走行中に所定処理の実行を制御する機能部である。具体的には、処理制御部205は、車速センサ7が示す車速が0km/hを超えるとき、車両が走行中であると判定する。処理制御部205は、例えば、パーキングブレーキがオフとなっている場合、車両のタイヤの回転に伴って発生するパルスをCAN経由で受信している場合、および、GPS受信装置9から受信したGPS信号から算出した移動速度が0kmを超える場合に車両が走行中であると判定するようにしても良い。
【0037】
また、処理制御部205は、車両が走行中である場合、出力処理部203を介して、表示画面の所定位置(例えば、表示画面の四隅のうち、いずれか1つの隅)に解除アイコンを表示させる。なお、解除アイコンの詳細については後述する。
【0038】
また、処理制御部205は、出力処理部203を介して、走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコンにハッチングを施してディスプレイ2に表示する。また、処理制御部205は、解除アイコンのタッチにより所定の解除条件が満たされた場合、出力処理部203を介して、処理の実行が制限される実行アイコンのハッチングを解除してディスプレイ2に表示する。
【0039】
また、処理制御部205は、解除条件が満たされた状態で所定処理の実行指示を取得すると、かかる処理の実行指示を所定の機能部に出力する。
【0040】
なお、上記の各機能部は、CPU21が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、記憶装置3(メモリ)には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0041】
また、上記の各構成要素は、本実施形態に係るナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。本実施形態に係るナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0042】
また、各機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されても良い。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されても良いし、複数のハードウェアで実行されても良い。
【0043】
[動作の説明]
次に、ナビゲーション装置100で実行されるタッチ操作受付処理について説明する。
図3は、タッチ操作受付処理の流れを示したフロー図である。かかる処理は、車両が走行中であることを処理制御部205が検出すると開始する。
【0044】
なお、処理制御部205は、タッチ操作受付処理の開始にあたり、走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコン(例えば、経路探索に関する実行指示を行うためのアイコンなど)にハッチングを施して表示させる指示を出力処理部203に出力する。
【0045】
また、処理制御部205は、出力処理部203を介して、表示画面の所定位置(例えば、表示画面の四隅のうち、いずれか1つの隅)に1つの解除アイコンを表示させる。
【0046】
タッチ操作受付処理が開始されると、処理制御部205は、解除アイコンへのタッチがされているか否かを判定する(ステップS001)。具体的には、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から取得したタッチ位置を示す座標上に解除アイコンが表示されているか否かにより、解除アイコンへのタッチがされたか否かを判定する。
【0047】
そして、解除アイコンへのタッチがされていない場合(ステップS001でNo)、処理制御部205は、ステップS001の処理を繰り返し実行する。一方で、解除アイコンへのタッチがされている場合(ステップS001でYes)、処理制御部205は、出力処理部203を介して、所定の実行アイコンに施されたハッチングを解除する(ステップS002)。
【0048】
次に、タッチ操作検出部204は、タッチ操作の検出結果が変わったか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、タッチ操作検出部204は、タッチパネル51から出力された情報に基づき、タッチ状態に変化があったか否かを判定する。なお、タッチ状態の変化とは、例えば、解除アイコンへのタッチが離れた場合またはタッチパネル51に新たなタッチがされた場合である。
【0049】
そして、タッチ操作の検出結果が変わっていないと判定した場合(ステップS003でNo)、タッチ操作検出部204は、ステップS003の処理を繰り返し実行する。一方で、タッチ操作の検出結果が変わったと判定した場合(ステップS003でYes)、タッチ操作検出部204は、処理をステップS004に移行する。
【0050】
次に、処理制御部205は、解除アイコンへのタッチがされているか否か、すなわち、ステップS001で検出した解除アイコンへのタッチが維持されているか否かを判定する(ステップS004)。そして、解除アイコンへのタッチがされていないと判定した場合(ステップS004でNo)、処理制御部205は、処理をステップS007に移行する。一方で、解除アイコンへのタッチがされていると判定した場合(ステップS004でYes)、処理制御部205は、処理をステップS005に移行する。
【0051】
次に、処理制御部205は、実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する(ステップS005)。具体的には、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から取得したタッチ位置を示す座標上に実行アイコンが表示されているか否かにより、実行アイコンへのタッチがされたか否かを判定する。そして、実行アイコンへのタッチがされていないと判定した場合(ステップS005でNo)、処理制御部205は、処理をステップS003に戻す。一方で、実行アイコンへのタッチがされたと判定した場合(ステップS005でYes)、処理制御部205は、かかる実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の機能部に出力することにより、所定の処理を実行する(ステップS006)。
【0052】
次に、処理制御部205は、出力処理部203を介して、実行アイコンにハッチングを施し(ステップS007)、処理をステップS001に戻す。
【0053】
図4(a)、(b)は、タッチ操作受付処理の実行により遷移する画面例を示した図である。
図4(a)は、走行中のディスプレイ2に表示された画面例301を示した図である。
図4(b)は、走行中に解除アイコン302がタッチされたときの画面例311を示した図である。
【0054】
走行中のディスプレイ2には、解除アイコン302と、ハッチングが施された実行アイコン303と、ハッチングが施されていない実行アイコン304と、地図画像305と、が表示されている。なお、ハッチングが施されていない実行アイコン304は、例えば、オーディオの音量を変更するためのアイコンなど、運転の注意を大きく逸らさないと考えられる操作が対応付けられているアイコンである。
【0055】
このような画面例301において、タッチ操作検出部204により解除アイコン302へのタッチが検出されると(ステップS001でYes)、処理制御部205は、出力処理部203を介して、走行中の実行が制限される処理に対応付けられた実行アイコン303のハッチングを解除する(ステップS002)。また、タッチ操作検出部205により解除アイコン302へのタッチが維持された状態で実行アイコンへのタッチが検出されると(ステップS003でYes、ステップS004でYes、ステップS005でYes)、処理制御部205は、タッチされた実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の処理部に出力する(ステップS006)。
【0056】
このようなナビゲーション装置100によれば、走行中により使い勝手の良い操作が可能である。特に、運転の注意を大きく逸らす所定処理(例えば、経路探索に関する処理など)の実行指示は、両手を使わなければ操作できないように、解除アイコン302および実行アイコンの両方のタッチを要することとした。したがって、ナビゲーション装置100では、運転者による運転中のタッチ操作を制限することができる。一方で、同乗者は、走行中であっても両手を使って操作することができるため、経路探索に関する処理などの実行指示を簡単に行うことができる。
【0057】
なお、処理制御部205は、出力処理部203を介して、表示画面を構成する4辺のうち、いずれか1つの辺に沿った所定位置に解除アイコン302を表示させても良い。
図5は、表示画面の1辺322に解除アイコン302が表示された画面例321を示した図である。例えば、辺322に沿った位置に解除アイコン302を表示すれば、右ハンドルの車両の助手席の同乗者はより簡単にタッチ操作を行い易くなる。
【0058】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係るナビゲーション装置100について説明する。本実施形態では、走行中に制限される処理を実行する場合、複数の解除アイコンへのタッチが求められる。なお、本実施形態に係るナビゲーション装置100の基本的な機能構成およびハードウェア構成は前述の第一実施形態と同様である。
【0059】
図6は、第二実施形態に係るタッチ操作受付処理の流れを示したフロー図である。かかる処理は、車両が走行中であることを処理制御部205が検出すると開始する。なお、第一実施形態と同様、走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコンにはハッチングが施される。
【0060】
また、処理制御部205は、表示画面の所定位置(例えば、表示画面の四隅のうち、対角線上に位置する2つの隅)に複数(例えば、2つ)の解除アイコンを表示する。
【0061】
処理が開始されると、処理制御部205は、複数の解除アイコンへの同時タッチがされているか否かを判定する(ステップS011)。具体的には、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から取得した情報に基づき、各々のタッチ位置を示す座標上に解除アイコンが表示されているか否かにより、複数の解除アイコンへのタッチがされたか否かを判定する。
【0062】
そして、複数の解除アイコンへの同時タッチがされていない場合(ステップS011でNo)、処理制御部205は、ステップS011の処理を繰り返し実行する。一方で、複数の解除アイコンへの同時タッチがされている場合(ステップS011でYes)、処理制御部205は、出力処理部203を介して、所定の実行アイコンに施されたハッチングを解除する(ステップS012)。なお、複数の解除アイコンへの同時タッチがされていない場合とは、例えば、2つ表示した解除アイコンの両方がタッチされていない場合または1つの解除アイコンのみがタッチされている場合である。
【0063】
次に、タッチ操作検出部204は、タッチ操作の検出結果が変わったか否かを判定する(ステップS013)。具体的には、タッチ操作検出部204は、タッチパネル51から出力された情報に基づき、タッチ状態に変化があったか否かを判定する。
【0064】
そして、タッチ操作の検出結果が変わっていないと判定した場合(ステップS013でNo)、タッチ操作検出部204は、ステップS013の処理を繰り返し実行する。一方で、タッチ操作の検出結果が変わったと判定した場合(ステップS013でYes)、タッチ操作検出部204は、処理をステップS014に移行する。
【0065】
次に、処理制御部205は、複数の解除アイコンへのタッチがされているか否か、すなわち、ステップS011で検出した複数の解除アイコンへのタッチが維持されているか否かを判定する(ステップS014)。そして、かかるタッチがされていないと判定した場合(ステップS014でNo)、処理制御部205は、処理をステップS017に移行する。一方で、複数の解除アイコンへのタッチがされていると判定した場合(ステップS014でYes)、処理制御部205は、処理をステップS015に移行する。なお、複数の解除アイコンへのタッチが維持されていない場合とは、例えば、2つの解除アイコンのうち、一方または両方の解除アイコンへのタッチが離れた場合である。
【0066】
次に、処理制御部205は、実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する(ステップS015)。すなわち、処理制御部205は、複数の解除アイコンへのタッチがされた状態で実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する。
【0067】
具体的には、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から取得したタッチ位置を示す座標上に実行アイコンが表示されているか否かにより、実行アイコンへのタッチがされたか否かを判定する。そして、実行アイコンへのタッチがされていないと判定した場合(ステップS015でNo)、処理制御部205は、処理をステップS013に戻す。一方で、実行アイコンへのタッチがされたと判定した場合(ステップS015でYes)、処理制御部205は、かかる実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の機能部に出力することにより、所定の処理を実行する(ステップS016)。
【0068】
次に、処理制御部205は、出力処理部203を介して、実行アイコンにハッチングを施し(ステップS017)、処理をステップS011に戻す。
【0069】
図7(a)、(b)は、タッチ操作受付処理の実行により遷移する画面例を示した図である。
図7(a)は、走行中のディスプレイ2に表示された画面例331を示した図である。
図7(b)は、解除条件が満たされたときの画面例341を示した図である。
【0070】
走行中のディスプレイ2には、解除アイコン302と、ハッチングが施された実行アイコン303と、ハッチングが施されていない実行アイコン304と、地図画像305と、が表示されている。
【0071】
このような画面例331において、例えば、2つの解除アイコン302が略同時にタッチされた場合(ステップS011でYes)、処理制御部205は、走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコン303のハッチングを解除する(ステップS012)。
【0072】
また、両方の解除アイコンへのタッチがされた状態で実行アイコンへのタッチ操作を受け付けると(ステップS013でYes、ステップS014でYes、ステップS015でYes)、処理制御部205は、タッチされた実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の処理部に出力する(ステップS016)。
【0073】
このようなナビゲーション装置100によれば、走行中に制限される処理の実行には複数の解除アイコン302へのタッチが必要とされる。そのため、運転中の片手による操作をより難しいものとすることができる。
【0074】
なお、処理制御部205は、出力処理部203を介して、表示画面を構成する4辺のうち、いずれか1つの辺または複数の辺に沿った所定位置に各々1つまたは複数の解除アイコン302を表示させても良い。
図8(a)は、辺352、辺353の所定位置に各々2つの解除アイコン302が表示された画面例351を示した図である。また、
図8(b)は、辺362と、辺363と、これらの辺362および辺363に挟まれた隅364に各々1つの解除アイコン302が表示された画面例361を示した図である。なお、ハッチングを解除するために同時タッチをする解除アイコンの数は予め設定されていれば良い。また、例えば、辺362や辺363に沿った位置に解除アイコン302を表示すれば、右ハンドルの車両の助手席の同乗者はより簡単にタッチ操作を行うことができる。
【0075】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係るナビゲーション装置100について説明する。本実施形態では、解除アイコンを含む所定範囲の外側にある実行アイコンのハッチングだけを解除する。なお、本実施形態に係るナビゲーション装置100の基本的な機能構成およびハードウェア構成は前述の実施形態と同様である。
【0076】
図9は、本実施形態に係るタッチ操作受付処理の流れを示したフロー図である。かかる処理は、車両が走行中であることを処理制御部205が検出すると開始する。なお、前述の実施形態と同様、走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコンにはハッチングが施される。
【0077】
また、処理制御部205は、表示画面の所定位置(例えば、表示画面の四隅のうち、いずれか1つの隅)に1つの解除アイコンを表示させる。なお、解除アイコンを含む所定範囲については表示画面上に表示させても良く、非表示であっても良い。
【0078】
処理が開始されると、処理制御部205は、解除アイコンへのタッチがされているか否かを判定する(ステップS021)。そして、解除アイコンへのタッチがされていない場合(ステップS021でNo)、処理制御部205は、ステップS021の処理を繰り返し実行する。一方で、解除アイコンへのタッチがされている場合(ステップS021でYes)、処理制御部205は、出力処理部203を介して解除アイコンを含む所定範囲の外側にある実行アイコンのハッチングを解除する(ステップS022)。
【0079】
なお、所定範囲とは、例えば、表示画面の対角線の1/4の距離を1辺とする略四角形の領域のことである。ただし、所定範囲はこのような大きさおよび形状に限定されるものではない。例えば、所定範囲は、表示画面の対角線の1/3、1/5の距離などであっても良く、これらの距離を半径または直径とする円形であっても良い。
【0080】
次に、タッチ操作検出部204は、タッチ操作の検出結果が変わったか否かを判定する(ステップS023)。具体的には、タッチ操作検出部204は、タッチパネル51から出力された情報に基づき、タッチ状態に変化があったか否かを判定する。
【0081】
そして、タッチ操作の検出結果が変わっていないと判定した場合(ステップS023でNo)、タッチ操作検出部204は、ステップS023の処理を繰り返し実行する。一方で、タッチ操作の検出結果が変わったと判定した場合(ステップS023でYes)、タッチ操作検出部204は、処理をステップS024に移行する。
【0082】
次に、処理制御部205は、解除アイコンへのタッチがされているか否か、すなわち、ステップS021で検出した解除アイコンへのタッチが維持されているか否かを判定する(ステップS024)。そして、解除アイコンへのタッチがされていないと判定した場合(ステップS024でNo)、処理制御部205は、処理をステップS027に移行する。一方で、解除アイコンへのタッチがされていると判定した場合(ステップS024でYes)、処理制御部205は、処理をステップS025に移行する。
【0083】
次に、処理制御部205は、所定範囲の外側にある実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する(ステップS025)。すなわち、処理制御部205は、解除アイコンへのタッチがされた状態でハッチングが解除されている実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する。
【0084】
具体的には、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から取得したタッチ位置を示す座標上にハッチングを解除した実行アイコンが表示されているか否かにより、所定範囲の外側にある実行アイコンへのタッチがされたか否かを判定する。そして、かかる実行アイコンへのタッチがされていないと判定した場合(ステップS025でNo)、処理制御部205は、処理をステップS023に戻す。一方で、実行アイコンへのタッチがされたと判定した場合(ステップS025でYes)、処理制御部205は、かかる実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の機能部に出力することにより、所定の処理を実行する(ステップS026)。
【0085】
次に、処理制御部205は、出力処理部203を介して、実行アイコンにハッチングを施し(ステップS027)、処理をステップS021に戻す。
【0086】
図10(a)、(b)は、タッチ操作受付処理の実行により遷移する画面例を示した図である。
図10(a)は、走行中のディスプレイ2に表示された画面例371を示した図である。
図4(b)は、走行中に解除アイコンがタッチされたときの画面例381を示した図である。
【0087】
このような画面例371において、タッチ操作検出部204が解除アイコン302へのタッチを受け付けると、(ステップS021でYes)、処理制御部205は、走行中に制限される処理に対応付けられた実行アイコン303のうち、所定範囲383の外側にある実行アイコン382のハッチングを解除する(ステップS022)。
【0088】
また、タッチ操作検出部205は、解除アイコン302へのタッチが維持された状態で所定範囲383の外側にある実行アイコンへのタッチを検出すると(ステップS023でYes、ステップS024でYes、ステップS025でYes)、タッチされた実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の処理部に出力する(ステップS026)。
【0089】
このようなナビゲーション装置100によれば、運転者による片手のタッチ操作を制限することができる。特に、解除アイコン付近にある実行アイコンは運転者でも片手でタッチすることができるため、解除アイコンから所定範囲の外側に位置する実行アイコンに対応付けられた処理を受け付けることにより、運転者が片手でタッチ操作できないようにしている。
【0090】
なお、処理制御部205は、出力処理部203を介して、表示画面の4辺のうち、少なくとも2つ以上の辺に沿った所定位置に解除アイコン302を表示させても良い。
図11(a)は、辺394および辺395に沿った所定位置に各々解除アイコン302が表示された画面例391を示した図である。また、
図11(b)は、辺404および辺405に沿った所定位置に各々解除アイコン302が表示された画面例401を示した図である。例えば、
図11(a)において、ハッチングが施された辺394側の実行アイコン303にタッチして所定の実行指示を入力したい場合、ユーザは、辺395側に表示されている解除アイコン302をタッチすれば良い。
【0091】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について説明する。本実施形態では、例えば、ピンチイン(またはピンチアウト)といった所定のタッチ操作によりハッチングの解除を行う。
【0092】
図12は、本実施形態に係るタッチ操作検出処理の流れを示したフロー図である。かかる処理は、車両が走行中であることを処理制御部205が検出すると開始する。
【0093】
処理が開始されると、処理制御部205は、ピンチイン操作がされたか否かを判定する(ステップS031)。なお、ピンチイン操作は、タッチパネル51に対する2点タッチにおいて、両方のタッチ位置間の距離が所定以上縮まると、タッチ操作検出部204によりかかる操作が検出される。また、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から出力された情報によりピンチイン操作がされたか否かを判定する。
【0094】
そして、ピンチイン操作がされていないと判定した場合(ステップS031でNo)、処理制御部205は、ステップS031の処理を繰り返し実行する。一方で、ピンチイン操作がされたと判定した場合(ステップS031でYes)、処理制御部205は、出力処理部203を介して、所定の実行アイコンに施されたハッチングを解除する(ステップS032)。
【0095】
次に、タッチ操作検出部204は、タッチ操作の検出結果が変わったか否かを判定する(ステップS033)。具体的には、タッチ操作検出部204は、タッチパネル51から出力された情報に基づき、タッチ状態に変化があったか否かを判定する。なお、タッチ状態の変化とは、例えば、ピンチイン操作を行った一方または両方の指がタッチパネル51から離れた場合またはピンチイン操作を行った両方の指がタッチパネル51に接した状態でタッチパネル51に新たなタッチがされた場合である。
【0096】
そして、タッチ操作の検出結果が変わっていないと判定した場合(ステップS033でNo)、タッチ操作検出部204は、ステップS033の処理を繰り返し実行する。一方で、タッチ操作の検出結果が変わったと判定した場合(ステップS033でYes)、タッチ操作検出部204は、処理をステップS034に移行する。
【0097】
次に、処理制御部205は、ピンチイン操作によるタッチ状態が維持されているか否か、すなわち、ステップS031で検出したピンチイン操作を行った両方の指がタッチパネル51に接した状態であるか否かを判定する(ステップS034)。そして、かかるタッチ状態が維持されていないと判定した場合(ステップS034でNo)、処理制御部205は、処理をステップS037に移行する。一方で、かかるタッチ状態が維持されていると判定した場合(ステップS034でYes)、処理制御部205は、処理をステップS035に移行する。
【0098】
次に、処理制御部205は、実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する(ステップS035)。すなわち、処理制御部205は、ピンチイン操作を行ったタッチパネル51への2点タッチがされた状態で実行アイコンへのタッチ操作がされたか否かを判定する。
【0099】
具体的には、処理制御部205は、タッチ操作検出部204から取得したタッチ位置を示す座標上に実行アイコンが表示されているか否かにより、実行アイコンへのタッチがされたか否かを判定する。そして、実行アイコンへのタッチがされていないと判定した場合(ステップS035でNo)、処理制御部205は、処理をステップS033に戻す。一方で、実行アイコンへのタッチがされたと判定した場合(ステップS035でYes)、処理制御部205は、かかる実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の機能部に出力することにより、所定の処理を実行する(ステップS036)。
【0100】
次に、処理制御部205は、出力処理部203を介して、実行アイコンにハッチングを施し(ステップS037)、処理をステップS031に戻す。
【0101】
図13(a)、(b)は、タッチ操作受付処理の実行により遷移する画面例を示した図である。
図13(a)は、走行中のディスプレイ2に表示された画面例411を示した図である。
図3(b)は、走行中にピンチイン操作を検出した場合の画面例421を示した図である。
【0102】
このような画面例421において、タッチ操作検出部204がピンチイン操作を検出すると(ステップS031でYes)、処理制御部205は、走行中の実行が制限される処理に対応付けられた実行アイコン303のハッチングを解除する。
【0103】
また、タッチ操作検出部205は、ピンチイン操作を行った両方の指がタッチパネル51に接した状態で実行アイコンへのタッチを検出すると(ステップS033でYes、ステップS034でYes、ステップS035でYes)、タッチされた実行アイコンに対応付けられた処理の実行指示を所定の処理部に出力する(ステップS036)。
【0104】
このようなナビゲーション装置100によれば、ピンチイン操作といった直観的なタッチ操作によって実行アイコンのハッチングを解除することができるため、同乗者によるタッチ操作の操作性が向上する。また、所定処理の実行指示を行うには、ピンチイン操作を行った指のタッチ状態の維持が必要とされるため、運転中の片手によるタッチ操作をより難しいものとすることができる。
【0105】
なお、所定のタッチ操作はピンチインに限られるものではなく、例えば、ピンチアウト操作であっても良い。
【0106】
また、前述の実施形態では、解除アイコン302を表示画面上に表示したが、本発明はこれに限定されることはなく、かかる解除アイコン302を非表示としても良い。解除アイコンの表示位置が予め決まっていれば、ユーザは、解除アイコン302が表示されていなくても、適確にタッチ操作を行うことができるからである。
【0107】
また、解除アイコンの形状は、どのような形状(例えば、円形、楕円型、多角形など)であっても良い。
【0108】
また、出力処理部203は、ユーザに分かりやすく認識させることができるように、例えば、解除アイコンを所定の色(赤色、青色、黄色など)に着色して表示しても良い。
【0109】
また、前述の第二実施形態において、アイコンのハッチングを解除するために同時タッチを求める解除アイコン数を所定数(例えば、3つ、4つなど)としても良い。
【0110】
なお、前述の実施形態に係るナビゲーション装置100の特徴的構成を簡潔に述べれば、当該ナビゲーション装置100は、車両が走行しているか否かの判別を行う判別部と、ユーザにより接触された表示画面上の位置である接触位置を検出する検出部と、前記判別部による判別結果と、前記接触位置検出部により検出された接触位置と、に基づいた処理を行う制御部と、を備え、前記制御部は、車両が走行していないと判別されたときにおいて、前記接触位置検出部により検出された接触位置が第1の位置を示す場合、特定の処理を行い、車両が走行していないと判別されたときにおいて、前記接触位置検出部により検出された接触位置が前記第1の位置を示す場合、前記特定の処理を行わず、車両が走行していると判別されたときにおいて、前記接触位置検出部により検出された検出位置が前記第1の位置及び一又は複数の第2の一を示す場合、前記特定の処理を行う。
【0111】
また、ナビゲーション装置100は、前記第2の位置を着色することによりユーザに認識させる、という特徴的構成を有していても良い。
【0112】
また、ナビゲーション装置100は、運転席の位置に応じて前記第2の位置を変更する、という特徴的構成を有していても良い。
【0113】
また、ナビゲーション装置100は、前記第2の位置を前記表示画面の四隅近傍に設定する、という特徴的構成を有していても良い。
【0114】
また、ナビゲーション装置100は、車両が走行していると判別されたときにおいて、前記接触位置検出部により検出された接触位置が前記第1の位置及び当該第1の位置から所定距離以上離れた第2の位置を示す場合、前記特定の処理を行い、車両が走行していると判別されたときにおいて、前記接触位置検出部により検出された接触位置が前記第1の位置を示し、且つ当該第1の位置から所定距離以上離れた第2の位置を示さない場合、前記特定の処理を行わない、という特徴的構成を有していても良い。
【0115】
また、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施携帯および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0116】
また、上記の各構成、機能、処理部および処理手段などは、それらの一部または全部を、プロセッサが各々の機能を実現するプログラムにより実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置、または、ICカード、SD(Secure Digital)メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。なお、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。