特開2015-110433(P2015-110433A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-110433(P2015-110433A)
(43)【公開日】2015年6月18日
(54)【発明の名称】巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 9/00 20100101AFI20150522BHJP
   B67D 7/40 20100101ALI20150522BHJP
【FI】
   B67D9/00 F
   B67D7/40 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-252988(P2013-252988)
(22)【出願日】2013年12月6日
【新規性喪失の例外の表示】申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】592159966
【氏名又は名称】中発販売株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512141736
【氏名又は名称】株式会社リーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 謙二
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA20
3E083AF03
3E083BB17
(57)【要約】
【課題】 巻取リール、及び巻取リールから送り出された給油ホース等の策体に接触して回転する送りローラを備える巻取装置において、巻取リール及び送りローラを効果的に利用して良好に策体を送り出す。
【解決手段】 策体3の長手方向一端側が巻取リール5に固定され、かつ、策体3の「送り速さ」より送りローラ7の周速が速くする。これにより、策体3を送り出すべく、駆動源13が正転すると、送りローラ7に対して策体3が滑り接触するとともに、巻取リール5から送り出された策体3に対して常に張力が付与されることになる。したがって、巻取リール5から送り出された策体3が弛んでしまうことを抑制できるので、良好に策体3を送り出すことが可能となる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
策体を巻き取る巻取リールであって、当該策体の長手方向一端側が固定された巻取リールと
前記巻取リールから送り出された策体に滑り接触して回転する送りローラと、
前記巻取リールに回転力を伝達する第1駆動部であって、少なくとも前記巻取リールから策体が送り出される場合の策体の送り速さを、前記送りローラの周速より遅くなるように前記巻取リールを駆動する第1駆動部と、
前記送りローラに回転力を伝達する第2駆動部であって、少なくとも前記巻取リールから策体が送り出される場合には、前記策体の送り速さより速い周速で前記送りローラを駆動する第2駆動部と
を備えることを特徴とする巻取装置。
【請求項2】
前記第2駆動部は、一方向の回転力のみ前記送りローラに伝達する一方向クラッチを有しており、
前記一方向クラッチは、策体を送り出す向きに前記送りローラを回転させる向きの回転力のみ伝達する
ことを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
【請求項3】
前記送りローラに策体を押し付ける押付部材を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻取装置。
【請求項4】
前記巻取リールは策体を下方側に送り出し、
さらに、前記巻取リールから前記送りローラに向かう「送りの向き」が鉛直方向に対して傾いているとともに、前記送りローラと策体との接触部は、前記「送りの向き」の始点を通る鉛直線に対して、「送りの向き」の終点側に位置している
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性を有する策体を巻き取るとともに、巻き取られた策体を送り出すことが可能な巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の巻取装置では、給油ホースを巻き取るための巻取リール、及び一対のフランジ等を備えている。一対のフランジは、巻取リールから送り出される給油ホースを挟み込んで挟持する。
【0003】
一対のフランジそれぞれの外径側には、給油ホースを挟持するための挟持ローラが回転自在に組み付けられている。各挟持ローラの回転軸線は、円盤状に形成されたフランジの板面に平行であって、かつ、フランジの回転軸線に対して直交している。
【0004】
そして、巻取リールから給油ホースが送り出される場合には、一対のフランジは電動モータにより回転駆動される。このとき、一対のフランジは、挟持ローラが組み付けられた位置におけるフランジの周速(以下、フランジの周速という。)が、巻取リールに巻き取られた給油ホースの最小外形部での周速より大きくなるように回転駆動される。
【0005】
巻取リールには一方向クラッチを介して電動モータの回転力が伝達される。そして、一対のフランジが回転駆動されると、給油ホースは一対のフランジに挟持されてフランジの周速にて移動する。このとき、一方向クラッチが滑るので、特許文献1に記載の巻取装置では巻取リールに回転力が伝達されず、巻取リールは給油ホースと移動と共に従動回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開特開平6−100100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のごとく、特許文献1に記載の巻取装置においては、給油ホースを送り出す力は、一対のフランジのみが発生しており、巻取リールは給油ホースを送り出す力を発生していない。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、巻取リール、及び巻取リールから送り出された給油ホース等の策体に接触して回転する送りローラを備える巻取装置において、巻取リール及び送りローラを効果的に利用して良好に策体を送り出すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、策体(3)を巻き取る巻取リール(5)であって、当該策体(3)の長手方向一端側が固定された巻取リール(5)と巻取リール(5)から送り出された策体(3)に滑り接触して回転する送りローラ(7)と、巻取リール(5)に回転力を伝達する第1駆動部であって、少なくとも巻取リール(5)から策体(3)が送り出される場合の策体の送り速さを、送りローラ(7)の周速より遅くなるように巻取リール(5)を駆動する第1駆動部(13、15A〜15C)と、送りローラ(7)に回転力を伝達する第2駆動部であって、少なくとも巻取リール(5)から策体(3)が送り出される場合には、策体(3)の送り速さより速い周速で送りローラ(7)を駆動する第2駆動部(13、15A〜15F)とを備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、本発明では、送りローラ(7)に対して策体(3)が滑り接触するとともに、巻取リール(5)から送り出された策体(3)に対して常に張力が付与されることになる。したがって、本発明では、巻取リール(5)から送り出された策体(3)が弛んでしまうことを抑制できるので、良好に策体(3)を送り出すことが可能となる。
【0011】
ところで、特許文献1に記載の巻取装置は、一対のフランジにより策体(給油ホース)を挟持して当該一対のフランジにより送り出すので、確実に策体を挟持できない場合(以下、挟持不良という。)には、良好に策体を送り出すことができない。
【0012】
これに対して、本発明では、送りローラ(7)は策体(3)を挟持しない。そして、送りローラ(7)は、策体(3)に滑り接触することにより、巻取リール(5)から送り出された策体(3)に対して張力を付与する。つまり、本発明は「挟持不良に起因する策体の送り出し不良」といった問題を原理的に有していない。したがって、本発明は、良好、かつ、安定的に策体(3)を送り出すことができる。
【0013】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る巻取装置1の正面図である。
図2図1の右側面図である。
図3】出口ローラ11の正面図である。
図4】本発明の実施形態における動力伝達機15の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0016】
本実施形態は、給油ホースを策体とする巻取装置に本発明を適用したものである。各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
【0017】
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0018】
1.巻取装置の概要
図1に示す巻取装置1は、巻取リール5、送りローラ7及び一対のフレーム9等を有して構成されている。図2に示すように、巻取リール5は策体3を巻き取る巻取部である。具体的には、巻取リール5は、円盤状に形成された一対のリールプレート5A、一対のリールプレート5Aを連結する複数の連結部材5B、巻取リール5を支持するシャフト5C等を有している。
【0019】
シャフト5Cは、一対のリールプレート5Aを貫通しているとともに、その長手方向両端側が各フレーム9に支持されている。策体3は可撓性を有する策状の部材であって、その長手方向一端側が巻取リール5(シャフト5C)に固定されている。
【0020】
シャフト5Cは、管状の部材であって、給油ホースである策体3の内部と連通している。シャフト5Cの長手方向一端側には、燃料タンク(図示せず。)側とシャフト5C(策体3)とを接続する接続部5Dが設けられている。
【0021】
なお、本実施形態では、シャフト5Cは巻取リール5と共に回転する。そして、シャフト5Cの回転変位は接続部5Dにて吸収される。図1に示すよう、策体3の長手方向他端側には、給油対象(例えば、船舶の燃料口)に策体3(給油ホース)を接続するための接続部3Aが設けられている。
【0022】
一対のフレーム9は、図2に示すように、巻取リール5等が組み付けられた強度部材であって、巻取リール5を挟んで両側に配設されている。各フレーム9にはアイボルト9Aが組み付けられている。アイボルト9Aは、巻取装置1を据え付ける際等に、吊り用のワイヤー等が掛けられる部位である。
【0023】
本実施形態に係る巻取装置1は、図1に示す上下方向が維持された状態で据え付けられるとともに、巻取リール5は策体3を下方側に送り出する。そして、送りローラ7は、巻取リール5から送り出された策体3に接触して回転する。
【0024】
送りローラ7は、巻取リール5の下方側であって、以下の要件(a)及び(b)を満たす位置に設けられている。
すなわち、(a)巻取リール5から送りローラ7に向かう「送りの向きD1」が鉛直方向に対して傾いているとともに、(b)送りローラ7と策体3との接触部P1が、「送りの向きD1」の始点S1を通る鉛直線L1に対して、「送りの向きD1」の終点S2側に位置している。
【0025】
「送りの向きD1」とは、仮想円Vs1と仮想円Vs2との共通接線において、仮想円Vs1から仮想円Vs2に向かう向きをいう。「送りの向きD1」の始点S1とは、上記共通接線と仮想円Vs1との接点をいう。「送りの向きD1」の終点S2とは、上記共通接線と仮想円Vs2との接点をいう。
【0026】
仮想円Vs1とは、巻取リール5の回転中心O1から策体3の中心線までの距離R1を半径とする仮想円をいう。仮想円Vs2とは、送りローラ7の回転中心O2から策体3の中心線までの距離R2を半径とする仮想円をいう。
【0027】
なお、図1に示された状態では、巻取リール5に巻かれた策体3が1層である。このため、巻取リール5に巻かれた策体3が2層以上となると、「送りの向きD1」は図1に示す状態と異なる状態となる。しかし、巻取リール5に巻かれた策体3が2層以上であっても、送りローラ7の位置は上記の要件(a)及び(b)を満たす。
【0028】
送りローラ7の位置が要件(a)及び(b)を満たす場合、巻取リール5から下方側に送り出された策体3には、策体3に作用する重力により、策体3の中心線を鉛直線L1に一致させる向きの力F1が作用する。当該力F1は、策体3を送りローラ7に押し付ける力として機能する。
【0029】
一対の出口ローラ11は送りローラ7に対する策体3の位置を規制する。具体的には、各出口ローラ11は、送りローラ7の回転軸線と平行な回転軸線を有するとともに、策体3を挟み込む位置に配置されている。そして、図3に示すように、各出口ローラ11の回転軸線方向両端側には、鍔状のフランジ部11Aが設けられている。
【0030】
このため、策体3は回転軸線方向と直交する方向の移動が禁止されるので、巻取リール5が回転して策体3が移動する際に、策体3が送りローラ7から離間することが規制される。つまり、一対の出口ローラ11は、策体3を送りローラ7に押し付ける押付部材として機能する。
【0031】
2.巻取リール及び送りローラの駆動
策体3が巻取リール5から送り出されるときには、巻取リール5と送りローラ7とは連動して策体3を送り出す向きに回転する。策体3を送り出す向きとは、図1の矢印に示されるように、接続部3Aを一対の出口ローラ11から離間させる向きをいう。巻き取りの向きとは、送り出しの向きと逆向きをいう。
【0032】
図4に示すように、巻取リール5及び送りローラ7は、電動モータ等の駆動源13から回転力が供給されて回転駆動される。動力伝達機構15は駆動源13で発生した回転力を巻取リール5及び送りローラ7に伝達する。
【0033】
動力伝達機構15は、チェーン又は歯付きベルト等の環状帯体15B、15E、及び環状帯体15B、15Eが掛けられるスプロケット又はプーリ等の滑車15A、15C、15D、15F等を有して構成されている。
【0034】
なお、本実施形態では、環状帯体としてチェーンが用いられ、滑車としてスプロケットが用いられ、かつ、動力伝達機構15は金属製のカバー9B(図2参照)により覆われている。
【0035】
第1スプロケット15Aは駆動源13の出力軸13Aに組み付けられている。第2スプロケット15C及び第3スプロケット15Dは、図2に示すように、巻取リール5のシャフト5Cに組み付けられている。第4スプロケット15Fは、図4に示すように、送りローラ7の駆動軸7Aに組み付けられている。
【0036】
第1チェーン15Bは第1スプロケット15Aと第2スプロケット15Cとに架け渡されている。第2チェーン15Eは第3スプロケット15Dと第4スプロケット15Fとに架け渡されている。これにより、駆動源13で発生した回転力は巻取リール5及び送りローラ7に伝達されるとともに、巻取リール5及び送りローラ7を連動して回転させることができる。
【0037】
つまり、駆動源13、第1チェーン15B、第1スプロケット15A及び第2スプロケット15C等により巻取リール5に回転力を伝達する第1駆動部が構成される。駆動源13、第1チェーン15B、第2チェーン15E、第1スプロケット15A〜第4スプロケット15F等により送りローラ7に回転力を伝達する第2駆動部が構成される。
【0038】
送りローラ7の駆動軸7Aは、その位置がフレーム9に対して移動可能(調整可能)として組み付け固定されている。これにより、策体3の直径寸法や曲げ剛性、及び巻取装置1の使用環境(据え付け環境)等に応じて接触部P1で発生する摩擦力等を現場にて調整できる。
【0039】
一対のアイドルスプロケット15Gは、第2チェーン15Eを第4スプロケット15Fに巻き付けるようにして、第2チェーン15Eと噛み合う第4スプロケット15Fの歯数を所定歯数以上とするものである。
【0040】
第1チェーンテンショナー15Hは、第1チェーン15Bに所定の張力を付与して第1スプロケット15A又は第2スプロケット15Cから第1チェーン15Bが外れることを抑制する。第2チェーンテンショナー15Jは、第2チェーン15Eに所定の張力を付与して第3スプロケット15D又は第4スプロケット15Fから第2チェーン15Eが外れることを抑制する。
【0041】
そして、第1スプロケット15A及び第2スプロケット15Cの歯数は、巻取リール5から策体3が送り出される場合の策体3の「送り速さ」が、送りローラ7の周速より遅くなるように設定されている。
【0042】
第1スプロケット15A〜第4スプロケット15Fの歯数は、巻取リール5から策体が送り出される場合には、送りローラ7の周速が策体3の「送り速さ」より速くなるように設定されている。
【0043】
なお、本実施形態では、策体3を送り出すときには、第1スプロケット15Aは一定の角速度で回転駆動される。このため、送りローラ7の周速は一定となるが、「送り速さ」は送り出した策体3の長さに応じて変化する。
【0044】
そこで、本実施形態では、「送り速さ」が最大となったときであっても、送りローラ7の周速が策体3の「送り速さ」より速くなるように、第1スプロケット15A〜第4スプロケット15Fの歯数が設定されている。
【0045】
第3スプロケット15D又は第4スプロケット15F(本実施形態では、第4スプロケット15F)には、一方向の回転力のみ送りローラ7に伝達する一方向クラッチ15Kが設けられている。
【0046】
一方向クラッチ15Kは、策体3を送り出す向きに送りローラ7を回転させる向きの回転力のみ伝達する。したがって、一方向クラッチ15Kは、送りローラ7を巻き取りの向きに駆動する回転力を送りローラ7に伝達できない。
【0047】
駆動源13は、遠隔操作箱(図示せず。)に設けられた「送り操作部」又は「巻き取り操作部」を作業者が操作することにより、正転作動、逆転作動、及び停止作動する。なお、駆動源13が正転すると、策体3が巻取リール5から送り出される。駆動源13が逆転すると、策体3が巻取リール5に巻き取られる。
【0048】
3.本実施形態に係る巻取装置の作動及び特徴
本実施形態に係る巻取装置1は、策体3の長手方向一端側が巻取リール5に固定され、かつ、策体3の「送り速さ」より送りローラ7の周速が速いことを特徴としている。
【0049】
これにより、本実施形態では、策体3を送り出すべく、駆動源13が正転すると、送りローラ7に対して策体3が滑り接触するとともに、巻取リール5から送り出された策体3に対して常に張力が付与されることになる。したがって、本発明では、巻取リール5から送り出された策体3が弛んでしまうことを抑制できるので、良好に策体3を送り出すことが可能となる。
【0050】
本実施形態では、策体3を送り出す向きに送りローラ7を回転させる向きの回転力のみ伝達する一方向クラッチ15Kを有することを特徴としている。これにより、策体3が巻取リール5に巻き取られる際に、送りローラ7が無用な力を策体3に作用させることを抑制できる。したがって、本発明は策体3を良好に巻き取ることができる。
【0051】
本実施形態では、一対の出口ローラ11は送りローラ7に策体3を押し付ける押付部材としての機能を備えることを特徴とする。これにより、送りローラ7と策体3との接触部において安定した摩擦力を発生させることができる。したがって、巻取リール5から送り出された策体3に対して安定して張力を付与することができるので、良好、かつ、安定的に策体3を送り出すことができる。
【0052】
本実施形態に係る送りローラ7は、上記要件(a)及び(b)を満たす位置に配置されていることを特徴としている。これにより、策体3に作用する重力を利用して送りローラ7と策体3との接触部P1において摩擦力を発生させることができる。したがって、策体3に確実に張力を付与することができる。
【0053】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、1つの駆動源13で巻取リール5及び送りローラ7を駆動するとともに、第1スプロケット15A〜第4スプロケット15Fによる減速比(歯数)を調整することにより、策体3の「送り速さ」が送りローラ7の周速より遅くなるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
例えば、巻取リール5用の駆動源と送りローラ7用の駆動源とを別々に設けて、それら駆動源の回転数を制御することにより、策体3の「送り速さ」が送りローラ7の周速より遅くなるようにしてもよい。
【0055】
上述の実施形態では、駆動源13として電動モータを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、油圧モータを駆動源13とする、又は巻取リール5を手動リールとして、送りローラ7及び巻取リール5を機械的に連動させて回転させてもよい。
【0056】
上述の実施形態では、第2駆動部に一方向クラッチ15Kを設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一方向クラッチ15Kを廃止するとともに、巻き取り時には送りローラ7が策体3の巻き取り速さに同期して回転する構成とする、又は巻き取り時には、送りローラ7が策体3から離間する位置まで退避する構造とする等としてもよい。
【0057】
上述の実施形態では、一対の出口ローラ11を押付部材として機能させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、押付部材を廃止してもよい。
上述の実施形態に係る送りローラ7は、上記要件(a)及び(b)を満たす位置に配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の位置に配置されていてもよい。
【0058】
上述の実施形態では、策体3が下方側に送り出される方式であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、策体3が水平方向に送り出される方式であってもよい。
【0059】
上述の実施形態では、給油ホースを策体3とする巻取装置1に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、電源コード等のその他の策体3を巻き取る巻取装置1に適用することができる。
【0060】
上述の実施形態に係る巻取装置1はトラバース機構を備えていなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、トラバース機構を備えていてもよい。
上述の実施形態に係る動力伝達機15はチェーン(環状帯体)とスプロケット(滑車)とを用いた構成であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の歯車用いた機構、又はシャフトによる伝達機構等であってもよい。
【0061】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0062】
1… 巻取装置 3… 策体 3A… 接続部 5… 巻取リール
5A… リールプレート 5B… 連結部材 5C… シャフト 5D… 接続部
7… ローラ 7A… 駆動軸 9… フレーム 9A… アイボルト
11… 出口ローラ 11A… フランジ部 13… 駆動源 13A… 出力軸
15… 動力伝達機構 15K… 一方向クラッチ
図1
図2
図3
図4