【解決手段】本発明は、黒生姜、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを含有する組成物である。各素材はそのままで用いてもよいし、加工物として用いてもよい。加工物としては、粉砕した粉末、搾汁、抽出物その他の加工方法による処理物の何れも利用できるし、それらの加工物を得る方法としては通常用いられる方法であれば何れの方法も用いることができる。該組成物は、非経口投与剤、経口投与剤などとして、そのまま、あるいは、他の成分と混合して使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0012】
本発明の組成物は、黒生姜、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを含有することを特徴とする。本発明者は、黒生姜、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを、それぞれ単独で摂取しても、十分な疲労改善効果は得られないものの、黒生姜、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを組み合わせることで、意外にも優れた疲労改善効果を示すことを見出した。
【0013】
<黒生姜>
本発明で用いられる黒生姜(Kaempferia parviflora)とは、別名を、黒ウコン、クラチャイダム(Krachai−dum)などといい、東南アジアに自生するショウガ科、バンウコン属の植物で、精力増進、滋養強壮、血糖値の低下、体力回復、消化器系の改善、膣帯下、痔核、痔疾、むかつき、口内炎、関節痛、胃痛の改善などの報告がある。このように、黒生姜は、長期にわたり人間に摂取されてきた実績のある天然植物あって安全性が高い。そのため、本発明の組成物は、実用性が高く、疲労改善用の医薬部外品、医薬品、機能性食品などに幅広く使用することができる。
【0014】
本発明の組成物を得るための黒生姜の使用部位は樹皮、根、葉、茎、花または枝などが使用し得る。なかでも、好ましいのは、根茎である。また、黒生姜はそのまま用いても、加工物を用いてもよい。加工物としては、黒生姜の植物体を乾燥させた乾燥物や、裁断した物、あるいは植物体を粉砕した粉末、絞り汁または抽出物を利用することができる。
【0015】
黒生姜の粉末製品は、洗浄後、スライスした黒生姜を天日、あるいは乾燥機を用いて乾燥し、そのままあるいは適当な形状大きさに裁断して得た加工品を、粉砕装置を用いて粉砕することで得ることができる。粉砕装置としては通常使用されるものが広く使用できるが、例えば、原料ホッパー、粉砕機、分級機および製品ホルダーなどから構成される粉砕機を用いることができる。
【0016】
黒生姜の抽出物は、黒生姜またはその加工物を溶媒で抽出することによって得られる。抽出に使用される溶媒としては、水;エタノール、メタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル;アセトン、およびこれらと水との混合物が挙げられる。中でも、本発明の組成物はヒトが摂取するものであることから、エタノール単独または水との混合物(いわゆる含水エタノール)を使用するのが好ましい。特に、40%以上の濃度で、エタノールを含む溶媒を使用するのが好ましい。
【0017】
溶媒として混合物を使用する場合は、例えば、アセトン/水(2/8〜8/2、体積比)混合物、エタノール/水(2/8〜8/2、体積比)混合物などを用いることができる。エタノール/水の場合、黒生姜の根茎に対して、その質量の2〜20倍質量の溶媒を加え、室温または加熱下で10分〜48時間程度抽出するのが好ましい。
【0018】
用いる抽出方法に特に制限はないが、安全性および利便性の観点から、できるだけ緩やかな条件で行うことが好ましい。例えば、原料植物部位またはその乾燥物を粉砕、破砕または細断し、これに2〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で10分〜48時間、静置、振盪、攪拌あるいは還流などの任意の条件下にて抽出を行う。抽出作業後、濾過、遠心分離などの分離操作を行い、不溶物を除去する。これに、必要に応じて希釈、濃縮操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに、不溶物についても同じ操作を繰り返して抽出し、その抽出液を先の抽出液と合わせて用いてもよい。これらの抽出物は、当業者が通常用いる精製方法により、さらに精製して使用してもよい。
【0019】
得られた抽出液は、そのままあるいは濃縮して、液状物、濃縮物、ペースト状で、あるいは、さらにこれらを乾燥した乾燥物の形状で用いることができる。乾燥は、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥などの当業者が通常用いる方法により行われる。さらに、以上の方法で得られた乾燥物品を、周知の方法を用いて粉末化して使用することも可能である。
【0020】
本発明の組成物における上記黒生姜の含有量は、特に限定されるものではなないが、組成物中、0.1質量%以上含まれることが好ましく、1質量%以上含まれることがさらに好ましく、10質量%以上含まれることがより好ましい。また、黒生姜の含有量は、90質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下含まれることがより好ましい。
【0021】
<黒胡椒>
本発明で用いられる黒胡椒とは、コショウ科の植物であるコショウ(Piper nigrum)の木から取れた未熟な実を乾燥させたもののことである。黒胡椒には辛味成分ピペリンが含まれており、消化管の栄養素の吸収を促進して血中濃度を高める、脂肪燃焼や食欲増進、エネルギー代謝の促進、血管を広げて血流を良くする作用があることで知られている。特に、本発明に用いられる黒胡椒は、原産地や抽出する部位、あるいは抽出方法は特に制限されないが、上記ピペリンを含有するものが好ましい。
【0022】
黒胡椒はそのまま用いてもよいし、加工物として用いてもよい。加工物としては、粉砕した粉末、搾汁、ペースト、抽出物その他の加工方法による処理物の何れも利用できるし、それらの加工物を得る方法としては通常用いられる方法であれば何れの方法も用いることができる。黒胡椒を抽出して得た黒胡椒エキスは、必要に応じて濃縮または乾燥して、液状、ペースト状、または粉末として使用してもよい。黒胡椒エキスを製造するための抽出処理に用いる抽出溶媒としては、特に制限がないが、食品工業用に使用可能なものが好ましく、常温あるいは加温された水、エタノールなどのアルコール類など比較的極性の高い溶媒を例示することができる。また、これら抽出物に、必要に応じて、脱臭、脱色などの処理、クロマトグラフィーなどによる分離・分画処理などの精製処理、濃縮化処理、ペースト化処理、乾燥化処理、希釈化処理などの後処理を施すこともできる。
【0023】
本発明の組成物における上記黒胡椒の含有量は、特に限定されるものではないが、組成物中、0.001質量%以上含まれることが好ましく、0.01質量%以上含まれることがさらに好ましく、0.1質量%以上含まれることがより好ましい。また、黒生姜の含有量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下含まれることがより好ましい。
【0024】
<黒大豆種皮>
黒大豆(Glycine max(L.)Merr)は、古くから「黒豆衣(こくずい)」と呼ばれ、中国では「補腎養血作用」(腎臓と血液の働きを促す作用)を持つと言われ、養髪(白髪が黒くなる)、美顔の漢方処方、薬膳料理に利用されてきた。その薬効は種皮中の、アントシアニン、プロアントシアニジンなどのポリフェノール成分に由来すると考えられている。本発明の組成物を得るための黒大豆の主な使用部位は、この種皮である。
【0025】
黒大豆種皮はそのまま用いてもよいし、加工物として用いてもよい。加工物としては、粉砕した粉末、搾汁、ペースト、抽出物その他の加工方法による処理物の何れも利用できるし、それらの加工物を得る方法としては通常用いられる方法であれば何れの方法も用いることができる。なお、ここで、抽出物とは、上記黒大豆種皮またはその加工物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液または濃縮液、ペースト、あるいはそれらの乾燥物およびその粉末を意味する。食品または医薬品として使用する点などを考慮すると、抽出物を用いることも好ましい。
【0026】
黒大豆種皮の抽出物は、抽出溶媒は、水、メタノール、エタノール、アセトンなどの水溶性有機溶媒または含水有機溶媒を用いることができる。
【0027】
本発明の組成物における上記黒大豆種皮の含有量は、特に限定されるものではないが、組成物中、0.001質量%以上含まれることが好ましく、0.01質量%以上含まれることがさらに好ましく、0.1質量%以上含まれることがより好ましい。また、黒大豆種皮の含有量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下含まれることがより好ましい。
【0028】
<黒ゴマ>
ゴマ(Sesamum indicum)は、種皮の色によって黒ゴマ、白ゴマ、茶ゴマ(黄ゴマ、金ゴマとも呼ばれる)などがある。ゴマは、良質の脂質やタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素や、食物繊維、ボリフェノール、リグナンなどの有効成分が含まれる健康食として知られており、漢方では、いずれも便通をよくし滋養に富むとされる。本発明では、これらのうち、特に黒ゴマを使用する。
【0029】
黒ゴマは、皮に黒い色素成分としてアントシアニンなどのポリフェノールや鉄分などをより多く含んでおり、漢方では、肝・腎の機能を高める長寿食とされるものである。本発明では、この黒ゴマをそのまま用いてもよいし、加工物として用いてもよい。加工物としては、粉砕した粉末、搾汁、ペースト、抽出物その他の加工方法による処理物の何れも利用できるし、それらの加工物を得る方法としては通常用いられる方法であれば何れの方法も用いることができる。例えば、内部の油脂分を取り除いた後、これを微粉砕して粉末状にして使用することができる。
【0030】
本発明の組成物における上記黒ゴマの含有量は、特に限定されるものではないが、組成物中、0.001質量%以上含まれることが好ましく、0.01質量%以上含まれることがさらに好ましく、0.1質量%以上含まれることがより好ましい。また、黒ゴマの含有量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下含まれることがより好ましい。
【0031】
<発酵黒タマネギ>
中央アジアが原産とされるタマネギ(Allium cepa)は、ニラやニンニクなどと同じユリ科のネギ属に分類される植物で、全世界的に栽培され食用に供されているものである。タマネギには、含硫化物、フラボノイドのケルセチン、オリゴ糖などが成分として含まれ、高脂血症・動脈硬化・血栓・高血圧の予防・改善、糖尿病の予防・改善、骨粗鬆症の改善などの多くの効能が報告されている。
【0032】
本発明の発酵黒タマネギは、生のタマネギを所定温度と所定湿度の条件下で発酵させることにより製造され、こげ茶〜黒みがかった茶色の状態になったものを指す。発酵黒タマネギには、原料であるタマネギを上回って、シクロアリインやポリフェノールが含有される。上記発酵に使用する生タマネギには特に限定がなく、例えば国内産、中国産など産地のものが使用できる。
【0033】
本発明の発酵黒タマネギはそのまま用いてもよいし、加工物として用いてもよい。加工物としては、粉砕した粉末、搾汁、ペースト、抽出物その他の加工方法による処理物の何れも利用できるし、それらの加工物を得る方法としては通常用いられる方法であれば何れの方法も用いることができる。
【0034】
例えば、発酵黒タマネギ粉末(パウダー)は、発酵黒タマネギを乾燥する工程と、乾燥した発酵黒タマネギを粉砕する工程により製造できる。発酵黒タマネギの乾燥は、例えば、熱風乾燥させて行うことができる。発酵黒タマネギを乾燥させる温度および期間は、発酵黒タマネギの状態を観察して適宜設定できる。粉砕はピンミルなどの公知の手段を用いて行うことができる。その際、吸湿に注意し、エアコン使用など、乾燥した条件下で行うことが好ましい。粉砕後の発酵黒タマネギは、篩過処理を行うことが望ましい。このように製造される発酵黒タマネギパウダーは、発酵黒タマネギを摂取し易くするのみならず、他の成分との混合を容易にする。ぺ一スト状にする場合は、発酵黒タマネギの皮を除去し、潰してぺ一スト状にすることで行う。ぺ一スト状にする工程は、上記の発酵黒タマネギペーストの場合と同様に行うことができる。
【0035】
上記発酵黒タマネギから抽出液を使用して抽出を行い、発酵黒タマネギエキスとして使用することもできる。抽出溶媒は、水と親水性有機溶媒が好ましく、水で抽出した後、さらに親水性有機溶媒で抽出することがより好ましい。生理活性作用のあるシクロアリインの抽出効率を高めることができるからである。親水性有機溶媒としては、例えば、エタノールあるいは1、3一ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールなどが挙げられるが、エタノールがより好ましい。
【0036】
本発明の組成物における上記発酵黒タマネギの含有量は、特に限定されるものではないが、組成物中、0.001質量%以上含まれることが好ましく、0.01質量%以上含まれることがさらに好ましく、0.1質量%以上含まれることがより好ましい。また、発酵黒タマネギの含有量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、30質量%以下含まれることがより好ましい。
【0037】
<組成物>
本発明の組成物は、疲労改善に好適な組成物に関する。さらに詳しくは、本発明の組成物は、滋養強壮および虚弱体質の改善、肉体疲労の改善と予防、発熱性消耗性疾患・食欲不振・病中病後・栄養障害などの場合の栄養補給などのために使用可能である。
【0038】
本発明の組成物は、経口摂取するものであってもよく、経皮摂取するものであってもよい。本発明の組成物を経口摂取するものとする場合、前記のその他の成分としては、例えば、ビタミン類、タンパク質、水溶性食物繊維、オリゴ糖、ミネラル類、ムコ多糖類、乳製品、豆乳製品、植物または植物加工品、乳酸菌、納豆菌、酪酸菌、麹菌、酵母などの微生物を配合することができる。さらに必要に応じて通常食品分野で用いられる、糖類、甘味料、酸味料、着色料、増粘剤、光沢剤、製造用剤などを挙げることができる。その他の成分としては、これら以外にも、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明の組成物の形態などに応じて適宜選択することができる。
【0039】
また、本発明の組成物を経口摂取するものとした場合、本発明の組成物の剤形としては、例えば、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
【0040】
本発明の組成物を経皮摂取するものとした場合、例えば、前記のその他の成分としては、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、水、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、機能性成分、動植物成分、酸化防止剤、キレート剤などを挙げることができる。
【0041】
また、本発明の組成物を経皮摂取するものとした場合、本発明の組成物の剤形としては、ローション、乳剤、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒などを挙げることができる。これらは、医薬品・医薬部外品類、皮膚・頭髪用化粧品類、浴用剤などとすることができる。
【0042】
前記の皮膚・頭髪用化粧品類としては、柔軟性化粧水、収れん性化粧水、洗浄用化粧水などの化粧水類、エモリエントクリーム、モイスチュアクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップクリームなどのクリーム類、エモリエント乳液、モイスチュア乳液、ナリシング乳液、クレンジング乳液などの乳液類、ゼリー状パック、ピールオフパック、洗い流しパック、粉末パックなどのパック類、美容液、洗顔料、養毛剤、育毛剤、パック、口紅、リップクリーム、ファンデーション、ションプー、リンス、トリートメントなどを挙げることができる。
【実施例】
【0043】
次に、本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】
<試験食品>
表1に、試験に用いた食品と、それを構成する素材とその含有量を示す。ここで、実施例は、黒生姜、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギ、全ての粉末を含有し、本発明の組成物に相当する。一方、比較例1は、黒生姜のみを含有する組成物、比較例2は、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを含有する組成物である。また、実施例の植物由来の有効成分に代えてカラメルを含有する組成物を、プラセボ食品として使用した。
【0045】
【表1】
【0046】
<評価試験>
本発明の組成物を含有する粉末状食品(実施例)、比較例1および2の粉末状食品について疲労改善効果を評価するために、運動負荷後の被験者の疲労マーカー(唾液中アミラーゼ)および健康状態の指標である酸化度の測定を実施した。
【0047】
試験食品を摂取前の30代の健康な男女8名に、踏み台昇降運動(踏み台(女性:約30cm、男性:約40cm)を1分間に30回のリズムで上下降する運動)を実施させた。運動後に、被験者の疲労マーカーおよび酸化度を下記の方法で測定した。つづいて、被験者に、1週間毎日表1の試験食品を摂取させた。1週間後に、被験者に対し、試験食品を摂取前に行ったのと同じ評価を行った。下記に、その結果を示す。
【0048】
<疲労マーカー測定>
被験者の唾液を測定用のチップに採取し、酵素分析装置(NIPRO社製:唾液アミラーゼモニター)を用いてアミラーゼ活性を測定した。
<酸化度測定>
被験者の唾液を脱脂綿に含ませ、酸化還元確認計(リブアンドラブ社製:アラ!元気)を用いて唾液の酸化度を測定した。
【0049】
(疲労マーカー評価結果)
表2に、各試験食品の摂取前後の疲労マーカーの測定値およびその差(Δ)を示した。また、
図1に、各試験食品摂取前後の疲労マーカーの差(Δ)を示した。
【0050】
【表2】
【0051】
(酸化度評価結果)
表3に、各試験食品の摂取前後の酸化度の測定値およびその差(Δ)を示した。また、
図2に、各試験食品摂取前後の酸化度の差(Δ)を示した。
【0052】
【表3】
【0053】
黒生姜のみを含有する比較例1の試験食品、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを含有する比較例2の試験食品の摂取は、運動による疲労マーカーおよび酸化度を抑制する働きを同程度に有する。これに対し、実施例の、黒生姜に加えてさらに黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマおよび発酵黒タマネギを含有する試験食品を摂取した場合には、疲労マーカーおよび酸化度の抑制効果が、比較例1、2の結果から予想されるレベルを超えて高かった。上記評価結果から、黒胡椒、黒大豆種皮、黒ゴマ、発酵黒タマネギおよび黒生姜の各成分の相乗効果を、実験的に確認することができ、これらを組み合わせることによって、優れた疲労改善効果を示すことを見出すことができた。
【0054】
以下に本発明の組成物の配合例を挙げるが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
【0055】
配合例1:錠剤
表4の配合割合で各成分を配合し、定法に従い打錠して錠剤を製造した。
【表4】
【0056】
配合例2:錠剤
表5の配合割合で各成分を配合し、定法に従い打錠して錠剤を製造した。
【表5】
【0057】
配合例3:ソフトカプセル
表6の配合割合で配合した内容液を調整し、カプセル皮膜に充填することでソフトカプセルとした。カプセル化は、カプセル皮膜液を流延しフィルム化すると共に、内部に内容液を充填しヒートシールし、成形されたソフトカプセルを乾燥させて行った。
【表6】
【0058】
配合例4:ハードカプセル
表7の配合割合で組成物を調整し、カプセル皮膜に充填することでハードカプセルとした。カプセル化は、カプセル皮膜液を流延しフィルム化すると共に、内部に内容液を充填しヒートシールし、成形されたハードカプセルを乾燥させて行った。
【表7】
【0059】
配合例5:顆粒
表8に従い、各成分をフローコーターNFLO−200型流動層造粒機(フロイント産業(株)製)に投入し、数分間気流で混合する。これに、水を噴霧することにより造粒を行った。つづいて、得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別し顆粒剤とした。
【表8】
【0060】
配合例6:飴
表9の配合割合で各成分を配合し飴とした。
【表9】
【0061】
配合例7:液体飲料
表10の配合割合で各成分を配合し液体飲料とした。
【表10】
【0062】
配合例8:グミ
表11の配合割合で各成分を配合し、定法に従い型にいれて成形しグミとした。
【表11】
【0063】
配合例9:ゼリー
表12の配合割合で各成分を配合し、定法に従い型にいれて成形しゼリーとした。
【表12】
【0064】
配合例10:ガム
表13の配合割合で各成分を配合し、定法に従い板状に成形しガムとした。
【表13】