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特開2015-110900プリズムドーム及び円筒部を有する天窓用カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-110900(P2015-110900A)
(43)【公開日】2015年6月18日
(54)【発明の名称】プリズムドーム及び円筒部を有する天窓用カバー
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/03 20060101AFI20150522BHJP
【FI】
   E04D13/03 R
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-12466(P2015-12466)
(22)【出願日】2015年1月26日
(62)【分割の表示】特願2012-517523(P2012-517523)の分割
【原出願日】2010年4月29日
(31)【優先権主張番号】12/491,447
(32)【優先日】2009年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】507146865
【氏名又は名称】ソラチューブ インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】ジャスター,ポール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プリズムドーム及び円筒部を有する天窓用カバーを提供する。
【解決手段】天窓用カバー21が、複数のプリズム要素54を具えて形成された上側のドーム部38と、ドーム部38の開いた周縁から下方に、光が通過できる開いた下端を終端とするよう延びる下側の円筒部36とを有する。円筒形のプリズムリング48は、円筒部の表面50に接触するよう位置しており、光を屈折するよう構成されたプリズム54を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光収集システムであって、
自然光をビルの中に向けるよう構成された少なくとも1の内部反射する中空のシャフトアッセンブリと;
前記ビルの屋根に取り付けられ、前記中空のシャフトアッセンブリの上端を覆うよう構成された透明のカバーと;
を具え、
前記カバーが、前記中空のシャフトアッセンブリに向けて太陽光を屈折させるよう構成され、前記カバーが:
前記屋根からある鉛直高さに配置されたプリズム状の上部カバー部と;
前記屋根と前記プリズム状の上部カバー部との間に延在する略鉛直部と;
前記透明のカバーの前記略鉛直部の中に配置された1又はそれ以上のプリズム要素と;を具えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
ビルの屋根の少なくとも一部を覆い、前記ビルの屋根に取り付けられた場合に、集光基部の開口を通して前記ビルの中に自然光を向けるよう構成された少なくとも部分的に透明な集光装置であって、前記装置が:
鉛直又は略鉛直の集光面を有する第1のカバー部であって、第2のカバー部が前記第1のカバー部の上端の上方に配置されたときに前記第2のカバー部を支持し、前記鉛直又は略鉛直の集光面に入射する自然光を屈折させて、屈折した自然光の大部分を集光基部の開口を通して第1のカバー部の下端に向け得るよう構成され、前記第2のカバー部と前記集光基部の開口との間に延在する鉛直高さを有し、前記第1のカバー部の前記鉛直高さの前記集光基部の開口の幅に対するアスペクト比が、0.9:1よりも大きい、第1のカバー部と;
前記第1のカバー部の前記上端の上方に配置可能な第2のカバー部と;
を具えており、
前記集光装置が、前記装置がビルの屋根の開口の上に設置されたときに、前記ビルの中に自然光を向けるよう構成されていることを特徴とする集光装置。
【請求項3】
前記第2のカバー部が、略ドーム形であることを特徴とする請求項2に記載の集光装置。
【請求項4】
前記第1のカバー部の前記鉛直高さの前記集光基部の開口の幅に対するアスペクト比が、1.1:1であることを特徴とする請求項2に記載の集光装置。
【請求項5】
前記第1のカバー部が、略円筒形を有することを特徴とする請求項2に記載の集光装置。
【請求項6】
前記第1のカバー部が、前記第1のカバー部の基部から内側又は外側にテーパが付いていることを特徴とする請求項2に記載の集光装置。
【請求項7】
ビルの屋根の少なくとも一部を覆い、前記ビルの屋根に取り付けられた場合に、集光基部の開口を通して前記ビルの中に自然光を向けるよう構成された少なくとも部分的に透明な集光装置であって、前記装置が:
鉛直又は略鉛直の集光面を有する第1のカバー部であって、第2のカバー部が前記第1のカバー部の上端の上方に配置されたときに前記第2のカバー部を支持し、前記鉛直又は略鉛直の集光面に入射する自然光を屈折させて、屈折した自然光の大部分を集光基部の開口を通して第1のカバー部の下端に向け得るよう構成された第1のカバー部と;
前記第1のカバー部の前記集光面の少なくとも一部に接して配置され、前記第1のカバ
ー部を通して伝わる光を屈折させるよう構成された下部プリズム要素と;
前記第1のカバー部の前記上端の上方に配置可能であり、上部プリズム要素で形成された第2のカバー部と;
を具えており、
前記集光装置が、前記装置が前記ビルの屋根の開口の上に設置されたときに、前記ビルの中に自然光を向けるよう構成されていることを特徴とする集光装置。
【請求項8】
前記下部プリズム要素が、前記第1のカバー部の軸部に接することを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項9】
前記下部プリズム要素が、略円筒形であることを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項10】
前記下部プリズム要素が、前記第1のカバー部の第1の軸部に接するが、前記第1の軸部に隣接する第2の軸部には接していないことを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項11】
前記下部プリズム要素が、1.49乃至1.65の範囲の屈折率を具えた可塑性ポリマーでできていることを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項12】
前記下部プリズム要素が、平坦な背面を有することを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項13】
前記下部プリズム要素が、前記軸部の内面に接するよう設けられた、前記要素の外面に形成されたプリズム溝を有することを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項14】
前記溝が、前記集光基部の開口と平行であることを特徴とする請求項13に記載の集光装置。
【請求項15】
前記上部プリズム要素が、複数のプリズム要素で形成されることを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項16】
前記上部プリズム要素が、第2のプリズム要素と交互に並んだ第1のプリズム要素を有しており、
前記第1のプリズム要素が第1のプリズム角を規定し、前記第2のプリズム要素が前記第1のプリズム角とは異なる第2のプリズム角を規定することを特徴とする請求項7に記載の集光装置。
【請求項17】
前記第1のプリズム角が58度で、前記第2のプリズム角が60度であることを特徴とする請求項16に記載の集光装置。
【請求項18】
ビルの屋根の少なくとも一部を覆い、前記ビルの屋根に取り付けられた場合に、集光基部の開口を通して前記ビルの中に自然光を向けるよう構成された少なくとも部分的に透明な集光装置であって、前記装置が:
鉛直又は略鉛直の集光面を有する第1のカバー部であって、第2のカバー部が前記第1のカバー部の上端の上方に配置されたときに前記第2のカバー部を支持し、前記鉛直又は略鉛直の集光面に入射する自然光を屈折させて、屈折した自然光の大部分を集光基部の開口を通して第1のカバー部の下端に向け得るよう構成され、低い太陽高度で自然光の大部分を受け取るよう構成された第1のカバー部と;
前記第1のカバー部の中に配置可能であり、前記第1のカバー部を通して伝わる自然光の少なくとも一部を前記集光基部の開口に向けるよう構成されたプリズム要素と;
前記第1のカバー部の前記上端の上方に配置可能な第2のカバー部と;
を具えており、
前記集光装置が、前記装置が前記ビルの屋根の開口の上に設置されたときに、前記ビルの中に自然光を向けるよう構成されており、
20度の太陽高度で前記集光装置によって前記集光基部の開口を通して向けられる太陽光の光束が、40度の太陽高度で前記集光装置によって前記集光基部の開口を通して向けられる太陽光の光束の80%以上であることを特徴とする集光装置。
【請求項19】
前記第1のカバー部が、前記ビルの内部の空間の過度の照射且つ過熱を防ぐために、高い太陽高度で自然光に対する有効な開口を減らすよう構成されていることを特徴とする請求項18に記載の集光装置。
【請求項20】
前記第1のカバー部が、前記第2のカバー部の収集領域を減らすことなしに、下方に光を屈折させるよう構成されていることを特徴とする請求項18に記載の集光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、天窓用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
簡単に、米国特許第5,896,713号及び第6,035,593号に記載され、いずれも同じ譲受人が所有し、いずれもここで引用される管状の天窓が、ビルの屋根及び天井間に取り付けられたチューブアッセンブリを有する。チューブアッセンブリの上端は、屋根に取り付けたカバーによって覆われている一方、チューブアッセンブリの下端は、天井に取り付けたディフューザプレートによって覆われている。このような組み合わせとともに、ビルの外の自然光が、ビルの内部にチューブアッセンブリを通して導かれ、内部を照らす。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、カバーを通した光の伝送を最適化するよう認識され、プリズムがカバーに使用され、いずれも光のスループットを増加させ、1日中光のスループットを均一化させる。しかしながら、ここで認識されるように、プリズムの構成は、カバーの製造を過度に複雑化させるべきではない。
【0004】
したがって、天窓アッセンブリが、少なくとも1の天窓シャフトとシャフトの上端を覆う天窓用カバーとを有する。カバーは、円筒部及び円筒部と一体に作製され円筒部から閉じた頂部に延びるドーム部を有する。ドーム部が、プリズムラインを具えて形成される。円筒形のプリズムリングが、円筒部の軸セグメントを取り囲む。
【0005】
実施例では、プリズムリングが、リングの外面にプリズム溝を具えて形成されており、プリズム溝が軸部の内面に接触するよう位置している。溝はプリズムリングの軸に直交し、プリズムリングが軸部を完全に取り囲む。
【0006】
必要に応じて、カバーの円筒部が、第1の軸部に隣接する第2の軸部を有しており、第2の軸部がプリズムリングに近接していない。ドーム部は球状であり、又はピラミッドといった任意の他の閉じた形式を仮定できる。
【0007】
ある実施例では、ドーム部が、第1のプリズム要素及びドーム部の第1のプリズム要素に交互に並んでドーム部を取り囲む第2のプリズム要素を具えて形成される。第1のプリズム要素は、例えば、58度といった第1のプリズム角を規定する一方、第2のプリズム要素は、例えば、60度といった第2のプリズム角を規定する。
【0008】
別の実施例では、天窓カバーが、開いた周縁、開いた周縁から離れた閉じた頂部、開いた周縁と閉じた頂部との間の総ての空間を囲む、それらの間の連続壁を規定する上側ドーム部を有する。複数のプリズム要素が、壁を全体的に取り囲む閉じた円として構成され、開いた周縁と平行に向いている。下側の中空の円筒部が、ドーム部の開いた周縁から下方に延びて、光が通過し得る開いた下端を終端とする。円筒形のプリズムリングが、円筒部の面に接触するよう位置する。プリズムリングは、光を屈折させるよう構成されるプリズムを有する。
【0009】
別の実施例では、天窓が、上端及び下端を規定するチューブアッセンブリ、下端を覆うディフューザアッセンブリ、及び上端及び下端を光がチューブアッセンブリに通過できるカバーアッセンブリを有する。カバーアッセンブリは、プリズムを具えた上側のドーム及
びドームとチューブアッセンブリとの間を延びるプリズムを具えた下側の円筒を有する。
【0010】
本発明のその構造及び機能に関する詳細が、類似する番号が類似するパーツに関する添付図面を参照して、最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、カバーの周囲を示す非限定的な天窓の一例の部分的な断面を示す側面図である。
図2図2は、図1のライン2−2に沿って視たカバーの断面図である。
図3図3は、図1のライン2−2に沿って視た、カバーのドーム部の一実施例の壁のセグメントの詳細な断面図である。
図4図4は、図2の円4−4で示す、ドーム部の詳細である。
図5図5は、図2の円5−5で示す、円筒部の詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
初めに図1を参照すると、本発明に従って作製された全体として10で示す、太陽光で室内12を照らすための管状の天窓を示しており、室内12は全体として16で示すビルの天井の乾式壁14を有する。図1は、ビル16が屋根18並びに、屋根18及び天井の乾式壁14を支持する1又はそれ以上の梁20を有することを示す。
【0013】
図1に示すように、天窓10は、硬質プラスチック又はガラス製の屋根に取り付けるカバー21を有する。カバー21は任意に光を透過し、好適には透明なものである。カバー21は、さらに以下で説明する。
【0014】
カバー21は、当技術分野で周知の手段によって屋根18に取り付けられたリング状の金属製雨押さえ22(flashing)によって屋根18に取り付けられている。金属製雨押さえ22は、屋根18の傾斜(カント)に適した角度をなし、図示するように略垂直に直立するカバー21に係合しこれを保持し得る。
【0015】
図1にさらに示すように、全体として24で示す内部で反射する中空の金属シャフトアッセンブリが、雨押さえ22に結合している。アッセンブリ24の断面は、円筒形、矩形、三角形等とし得る。したがって、「チューブ」という用語を本明細書で時として使用する一方、本発明の原理を正確な意味において限定すべきではないことが理解されよう。
【0016】
シャフトアッセンブリ24が室内12の天井14に延びている。本発明によって、シャフトアッセンブリ24が、シャフトアッセンブリ24に入る光を全体として26で示す、室内12に配置され上記の’593特許に示すように天井14又は梁20に取り付けられる下方の光拡散アッセンブリに向ける。
【0017】
シャフトアッセンブリ24は、アルミニウム合金又は鋼といった金属でできており、又はシャフトアッセンブリ24は、プラスチック又は他の適切な材料でできている。シャフトアッセンブリ24の内部は、例えば、電気めっき、陽極酸化処理、金属化プラスチックフィルムコーティング、又は他の適切な手段によって、反射型とされる。
【0018】
一実施例では、シャフトアッセンブリ24が1つのシャフトによって構成される。しかしながら、図1に示すように必要に応じて、シャフトアッセンブリ24が複数のセグメントを有しており、そのそれぞれが本原理にしたがって内部反射する。特に、シャフトアッセンブリ24は、雨押さえ22に係合しカバー21によって覆われる上部シャフト28を有する。また、シャフトアッセンブリ24は、上部シャフト28に隣接し必要に応じてそれに対してL字継手31においてある角度に曲げられる上部中間シャフト30を有する。
さらに、シャフトアッセンブリ24は、シャフトアッセンブリ24の熱応力を吸収するために上部中間シャフト30に摺動可能に係合する下部中間シャフト32を有する。そして、下部シャフト34が下部中間シャフト32に隣接しており、L字継手35で下部中間シャフト32に結合し、下部シャフト34の底部がディフューザアッセンブリ26によって覆われている。L字継手35は、シャフトアッセンブリ24が、屋根に取り付けるカバー21を天井に取り付けるディフューザアッセンブリ26に結合するように、ビル16に適した角度をなす。シャフト間の特定のジョイントを機械的に締めることができ、当技術分野で既知の原理にしたがってテープで覆うことができることが理解されよう。
【0019】
図2に示すように、カバー21が円筒部36及びドーム部38を有する。ドーム部38は、円筒部36と一体に作製され、開いた周縁40からこの周縁40から離れた閉じた頂部42に延びており、連続壁44を形成する。ドーム部38は球状であり、又はピラミッド形といった任意の他の閉じた形式を仮定する。円筒部36は中空であり、開いた周縁40から下方に延びており、光が通過し得る開いた下端46を終端とする。
【0020】
また、カバー21は、円筒部36の軸部50を囲む円筒形のプリズムリング48を有する。ある実施例では、このプリズムリング48は円筒部36と一体ではない。プリズムリング48を含む実施例では、プリズムリング48が、ドーム21の円筒部36全体によって囲まれている。代替的に、図2に示すように、プリズムリング48が、円筒部36の第1の軸部50によって囲まれているが、第1の軸部50に隣接する第2の軸部52によって囲まれていない。
【0021】
ドーム部38は、全体として54で示すプリズム要素で形成されており、これは、ドーム部38にエッチングし、成型し、又はそうでなければ一体となった、又は取り付けられたプリズムラインである。プリズム要素は、カバー21の外側からやって来る光を捕らえ、それを下方に向けて開いた周縁40を通し、一方又は双方を有する実施例では円筒部36及びプリズムリング48を超えて、チューブアッセンブリ24の中に集束することによって、光のスループットを増加させる。プリズムライン54は、開いた周縁40と平行に向いており、同心円状にドーム部38を全体的に囲む。例とするプリズムライン54を以下に詳細に示す。
【0022】
ある実施例では、プリズムリング48自身が、光を屈折させるよう構成される全体として56で示すプリズムを担持する。これらのプリズム56は、プリズムリング48の外面58にプリズム溝56を具えており、リングが平坦な構成のときに真っ直ぐになることで、リング48が図示するような円筒形態に曲げられると円を形成する。プリズムリング48の外面58は、円筒部36の軸部50の内面60に対向するよう位置している。プリズム溝56はプリズムリング48の軸に直交し、すなわち、開いた下端46に平行であり、又はそうでなければこれに配向している。これらのプリズム56は、ドーム部21の外側から光を捕らえチューブアッセンブリ24の中に向けて下方に光を集光する点で、ドーム部38の実施例のプリズム要素と同様であり、これにより、光のスループットを増加させる。
【0023】
図3は、ドーム部38の壁44の一実施例の一部の断面を詳細に示しており、壁44がプリズム要素54で形成される。この実施例では、壁44の内面60が複数のプリズム要素54で形成される。総てのプリズム要素54が、全体として62で示す同じプリズム角を有するが、代替的な実施例では、総てのプリズム要素54が同じプリズム角62を有するわけではない。図3は、後者のタイプの実施例の1つを示す。この実施例では、ドーム部38の壁44が、第1のプリズム要素54a及び第1のプリズム要素54aと交互に配置される第2のプリズム要素54bで形成される。第1のプリズム要素54aは、例えば58度といった第1のプリズム角62aを規定する一方、第2のプリズム要素54bは、
例えば60度といった第2のプリズム角62bを規定する。しかしながら、外側ドーム面の勾配に応じて、他のプリズム角を使用できる。ドーム部の外面を曲面とし得る。
【0024】
図4及び5は、それぞれ、ドーム部及び円筒部に関する所定の太陽高度に関する角度のさらなる詳細を示す。
【0025】
上記を留意すると、本原理の実施例が、太陽光の収集に関する高い効果的領域を保持するとともに、天窓カバーの円筒部を湾曲又は鋭くすることなしに、高い複屈折角を与えることが明らかである。上記の例は、他の天窓カバーよりも製造するのに比較的あまり複雑ではなく、広範囲のプリズム角が可能となる。
【0026】
さらに、ドーム及びプリズムリングのプリズム角又はプリズム角が、光を下方に捕らえて屈折させることが望ましい太陽高度放射の範囲を最大限にする、太陽に対する入射角を与えるよう構成されることが明らかである。また、光が進むのに望ましい場所に基づいて、第2の表面屈折又は屈折に対して適切な入力角を与えるよう構成できる。これは、空気/ポリマー(低/高屈折率)界面によって促進される。このようなドーム及びプリズムリングを、1つの屈折率のポリマーとして製造でき、プリズムリングをより高い屈折率を具える別のポリマーに共押し出し又はこれにキャストできる。また、得られる第2の界面は、さらなる光の屈折率を与える。プリズムリングの平らな/平坦な内面が、ポリマー/空気(高/低屈折率)界面により、下方に光を屈折させ続けることができる。
【0027】
様々な形状(正方形、多面体、楕円形等)のドームとともに円筒部を使用して、低角度の太陽光を捕らえることができる。適切な透明ポリマーを用いて、0.9:1よりも大きいアスペクト比(水平方向の開口に対する垂直方向の高さ)を達成できる。
【0028】
低い太陽高度の場合に天窓の開口を増加させることに関する効果に加えて、より高い太陽角度で有効な開口を減らし、あるスペースの過度の照射且つ過熱を防ぐよう円筒部を構成し得る。以下の表は、2つの異なるプリズム角を用いた本概念を示す。図5に50度の実施例を示す。より高いプリズム角(70度)の実施例により、最大60度の太陽高度まで太陽光がチューブに入射し得る一方、50度の実施例は、50度の太陽高度への太陽光の収集を規制する:(地平面からのプリズム角)

太陽高度(度) 50°のプリズム角 70°のプリズム角
20 42° 31°
30 55° 42°
40 74° 55°
50 TIR 72°
60 TIR TIR
TIRは、内部で全反射し、すなわち、光がドームからチューブ/天窓に入らないことを示す。
【0029】
このような円筒形ドームの上部は、クリアーなドーム又は可変のプリズム概念構成を具えたプリズム式ドームとし得る。クリアーなドームの適用例が、頭上の太陽光のより高い透過及び開放空気への大きな開口により、高い乱反射の気象条件で効果的である。さらに、プリズム式ドームは、高い初期屈折角に関する広いベースにより、太陽光の直接光を集める点で円筒形ドームを改良させる。
【0030】
また、円筒部の形状は変わり、平行な側面に依存しない。このため、円筒部の壁は、厳密な円筒形であり又は基部から内側又は外側にわずかにテーパが付いており、複数のドームが入れ子になっているため、よりコンパクトな包装が可能となり輸送の際に場所をあま
り取らない。
【0031】
したがって、円筒部が、垂直/略垂直面に光を集め、集光に関する非常に大きいアスペクト比を与える。ドーム内部にプリズムを作製する代わりに、上記のプリズムリングを都合良く使用して、ドームの直径/収集領域を減らすことなしに、下方に光を屈折させることができる。プリズムリングの平坦な背面が、高屈折率から低屈折率への結合により、優れた下方への屈折を与える。1.49乃至1.65の範囲の屈折率を具えた可塑性ポリマーを用いることで、0.9を超えるアスペクト比を具えるドームの円筒部を構成できる。
【0032】
従来のクリアーなドームに対する本実施例のコンピュータシミュレーションによる比較を以下に示すが、これは、様々な太陽高度において、クリアーな21インチの直径の開口で集められる太陽光の(管腔内の)量を、同じ直径で23インチの高さを備えた本実施例と比較するものである。

太陽高度(度) クリアーなドーム 実施例のドーム
20 6850 13880
30 9790 15840
40 13831 17150
50 15670 12750
60 18280 10480
70 20030 7270
【0033】
上記のように、低太陽高度における光収集における都合良い大幅な増加が、正午付近のより高い太陽高度における光/熱の都合良い減少とともに達成される。従来の天窓カバーに対するさらなる効果は、チューブの下方への比較的少ない屈折を含むものであり、これによりロスが少なく、チューブの基部のディフューザに対するより小さい入射角により、より高い光透過性能を実現し、1日中より均一な量の照明を実現する。
【0034】
特定のプリズムドーム及び円筒部を有する天窓用カバーをここに詳細に示したが、本発明に包含される発明の内容は、特許請求の範囲のみによって限定されることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2015年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルの屋根の少なくとも一部を覆い、前記ビルの屋根に取り付けられたときに、集光基部の開口を通して前記ビルの中に自然光を向けるよう構成された少なくとも部分的に透明な集光装置であって、
鉛直又は略鉛直の集光面を有する第1のカバー部と、
前記鉛直又は略鉛直の集光面内に配置されるプリズム要素であって、前記鉛直又は略鉛直の集光面を透過する自然光の少なくとも一部を屈折させて、屈折した自然光の大部分を集光基部の開口を通して前記第1のカバー部の下端に向けるプリズム要素と、
前記第1のカバー部の上端の上方に配置される第2のカバー部と
を備え、
前記第1のカバー部は、前記第2のカバー部と前記集光基部の開口との間に延在する鉛直高さを有し、
前記第1のカバー部の前記鉛直高さの前記集光基部の開口の幅に対するアスペクト比が、0.9:1よりも大きく、
前記集光装置は、前記ビルの屋根の開口の上方に取り付けられたときに、前記ビルの中に自然光を向けるよう構成されている
ことを特徴とする集光装置。
【請求項2】
前記第2のカバー部が、略ドーム形であることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項3】
前記第1のカバー部が、略円筒形を有することを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項4】
前記第1のカバー部が、前記第1のカバー部の基部から内側又は外側にテーパが付いていることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項5】
前記プリズム要素が、前記第1のカバー部の第1の軸部に接することを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項6】
前記プリズム要素が、前記第1の軸部に隣接する第2の軸部に沿って配置されていないことを特徴とする請求項5に記載の集光装置。
【請求項7】
前記プリズム要素が、1.49乃至1.65の範囲の屈折率を有する可塑性ポリマーでできていることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項8】
前記第1のカバー部が低角度の太陽光を捕らえることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項9】
前記第1のカバー部により1日中より均一な量の照明が行われることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項10】
前記第1のカバー部により、低太陽高度における光収集が大幅に増加して朝および夜の時間帯における照明が向上し、正午付近のより高い太陽高度における光および熱が好適に減少されることを特徴とする請求項1に記載の集光装置。
【請求項11】
ビルの屋根の少なくとも一部を覆い、前記ビルの屋根に取り付けられたときに、集光基部の開口を通して前記ビルの中に自然光を向けるよう構成された少なくとも部分的に透明な集光装置であって、
鉛直又は略鉛直の集光面を有する第1のカバー部であって、第2のカバー部が前記第1のカバー部の上端の上方に配置されたときに前記第2のカバー部を支持する第1のカバー部と、
前記第1のカバー部の前記鉛直又は略鉛直の集光面の第1の軸部内に配置される下部プリズム要素であって、前記集光面を透過する光を屈折させて、第1のカバー部が屈折した自然光の大部分を集光基部の開口を通して前記第1のカバー部の下端に向ける下部プリズム要素と、
前記第1のカバー部の上端の上方に配置可能な第2のカバー部であって、上部プリズム要素が形成されている第2のカバー部と、
を備え、
前記第1のカバー部は、前記第2のカバー部と前記集光基部の開口との間に延在する鉛直高さを有し、
前記集光装置は、40度以下の太陽高度における前記装置による太陽光の収集量を増加させ、50度以上の太陽高度における前記装置による太陽光の収集量を減少させ、
前記集光装置は、前記装置が前記ビルの屋根の開口の上方に取り付けられたときに、前記ビルの中に自然光を向けるよう構成されている
ことを特徴とする集光装置。
【請求項12】
前記下部プリズム要素は、略円筒形であることを特徴とする請求項11に記載の集光装置。
【請求項13】
前記下部プリズム要素は、前記第1の軸部に隣接する第2の軸部には接していない請求項11に記載の集光装置。
【請求項14】
前記下部プリズム要素は、1.49乃至1.65の範囲の屈折率を有する可塑性ポリマーでできていることを特徴とする請求項11に記載の集光装置。
【請求項15】
前記下部プリズム要素は、平坦な背面を有することを特徴とする請求項11に記載の集光装置。
【請求項16】
前記下部プリズム要素には、前記軸部の内面に対向するよう位置する前記要素の外面に、プリズム溝が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の集光装置。
【請求項17】
前記溝は、前記集光基部の開口と平行であることを特徴とする請求項16に記載の集光装置。
【請求項18】
前記上部プリズム要素は、複数のプリズム要素で形成されることを特徴とする請求項11に記載の集光装置。
【請求項19】
前記上部プリズム要素は、第2のプリズム要素と交互に並んだ第1のプリズム要素を有し、
前記第1のプリズム要素は第1のプリズム角を規定し、前記第2のプリズム要素は前記第1のプリズム角とは異なる第2のプリズム角を規定する
ことを特徴とする請求項11に記載の集光装置。
【請求項20】
前記第1のプリズム角が58度で、前記第2のプリズム角が60度であることを特徴とする請求項19に記載の集光装置。