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特開2015-111565プラグコネクタ用コンタクト部材及びコンタクト部材を備える装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-111565(P2015-111565A)
(43)【公開日】2015年6月18日
(54)【発明の名称】プラグコネクタ用コンタクト部材及びコンタクト部材を備える装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20150522BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20150522BHJP
   H01R 12/72 20110101ALI20150522BHJP
【FI】
   H01R13/42 D
   H01R13/11 C
   H01R12/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-220893(P2014-220893)
(22)【出願日】2014年10月30日
(31)【優先権主張番号】10 2013 222 143.6
(32)【優先日】2013年10月30日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス アンプ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハウツンク
(74)【代理人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(72)【発明者】
【氏名】パニーツ、 グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】シェルハース、 クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ザイペル、 フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】デュンケル、 ディルク
(72)【発明者】
【氏名】シャール、 ミハエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プラグコネクタからの望ましくない除去に抗して固定され且つ同時にプラグコネクタのハウジングやシールを通って非破壊的に案内されることができるコンタクト部材を提供する
【解決手段】導電性コンタクト材料3からなるコンタクト部材1は、プラグコネクタ内に挿入方向Eへ挿入されるように構成され、且つポジティブロッキング接続部によってそのプラグコネクタ内に固定されるように構成される。ポジティブロッキング接続部がコンタクト部材の上側7に係止開口9を備え、この開口が二つの案内面21,21’によって挿入方向において範囲が画定され、これらの案内面は、コンタクト材料が挿入方向に対して横断するように少なくとも二つの層の形態でその材料自体に少なくとも部分的に重なる補強領域Va,Vbによって形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性コンタクト材料(3)からなり、プラグコネクタ内へ挿入方向(E)に挿入されることができるように構成されると共にポジティブロッキング接続部(60)によって前記プラグコネクタに固定されることができるように構成されたコンタクト部材(1)であって、
前記ポジティブロッキング接続部(60)は、前記コンタクト部材(1)の上側(7)に係止開口(9)を備え、
前記係止開口は、二つの案内面(21,21’)によって前記挿入方向(E)において範囲が画定され、
前記案内面(21,21’)は、補強領域(Va,Vb)によって形成され、
前記補強領域(Va,Vb)において、前記コンタクト材料(3)は、前記挿入方向(E)に対して横断するように少なくとも二つの層の形態で前記コンタクト材料(3)自体に少なくとも部分的に重なるコンタクト部材(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの補強領域(Va,Vb)の少なくとも1つの表面(25,25’)が先頭(56,56’)から前記係止開口(9)まで挿入方向(E)へ連続し曲がりがない案内面(21,21’)を形成する請求項1に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項3】
前記挿入方向(E)において、前記挿入方向(E)へ傾斜する少なくとも1つの先導部材(27,27’)が前記係止開口(9)から遠い方の端部で前記少なくとも1つの案内面(21,21’)と隣り合う請求項1又は請求項2に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項4】
前記傾斜先導部材(27,27’)は、少なくとも1つの補強領域(Va,Vb)の少なくとも1つの層(23a,23a’,23b,23b’)から形成される請求項3に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項5】
前記コンタクト部材(1)を貫通する観察開口(51)が、前記挿入方向(E)へ位置される前記先端(26)に配置され、
非制限観察軸(54)が前記観察開口(51)から接触部(53)へ延在する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項6】
補強領域(Va,Vb)の少なくとも1つの層(23a,23a’,23b,23b’)が、前記上側(7)から前記コンタクト部材(1)の反対側の内壁(35)へ延在する少なくとも1つの補強リップ(33)を形成する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの補強リップ(33)は、案内面(21,21’)の連続部分を形成する請求項6に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの補強領域(Va,Vb)は、少なくとも1つの不正確な挿入防止領域(55,55’)を形成し、
前記少なくとも1つの不正確な挿入防止領域(55,55’)において、横断面が前記挿入方向(E)に対して垂直に対称軸を有さない請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの不正確な挿入防止領域(55,55’)において、少なくとも1つの補強領域(Va,Vb)の上層(23a’,23b’)が前記反対側の側壁(24,24’)まで連続的には延在しない請求項8に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項10】
前記コンタクト部材(1)は、前記係止開口(9)の反対側に、前記挿入方向(E)に対し横断するように突出する少なくとも1つの固定歯(47)を有する請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの固定歯(47)は、前記先端(26)と前記係止開口(9)との間に挿入方向(E)へ配置される請求項10に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの固定歯(47)は、少なくとも1つの側壁(24,24’)から延在する請求項10又は請求項11に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項13】
前記コンタクト部材(1)は、単一の曲げ加工部品や打ち抜き部品として形成される請求項1乃至12のいずれか一項に記載のコンタクト部材(1)。
【請求項14】
前記挿入方向(E)に対して横断するように弾性的に方向が変えられことができるコンタクトアーム(28)を有する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコンタクト部材(1)と、前記挿入方向(E)に平行に変位されることができる駆動部材(61)と、印刷回路基板(65)とを備える電気接触用装置であって、
前記駆動部材(61)が初期位置に対して接触位置において変位され、それにより、前記コンタクトアーム(28)が前記挿入方向(E)に対して横断するように前記印刷回路基板(65)上に弾性的に方向が変えられて前記印刷回路基板(65)上に配置され、
前記コンタクト部材(1)は、前記挿入方向(E)に対して垂直な方向へ側壁(24,24’)から突出する少なくとも1つの固定歯(47)で前記挿入方向(E)へ向けられる先端領域(S)を有し、
前記接触位置における前記固定歯(47)は、前記印刷回路基板(65)中へ少なくとも部分的に導入される電気接触用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性コンタクト材料からなり、プラグコネクタに挿入方向へ挿入されることができるように構成され且つポジティブロッキング接続部によってプラグコネクタへ固定されることができるように構成されたコンタクト部材に関する。本発明は、更に、そのようなコンタクト部材を備える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクト部材は、しばしばハウジング内で使用されて、それらのハウジングによって保持される。コンタクト部材をプラグコネクタのハウジングに確実に保持するために、ポジティブロッキング接続部が使用され、ハウジングの一部分がコンタクト部材の開口内に突出している又はコンタクト部材の一部分がプラグコネクタのハウジングの開口内に突出している。コンタクト部材は、しばしば薄壁材料から、例えば、曲げ技術や打ち抜き技術によって製造されるので、材料は、プラグコネクタからのコンタクト部材の望ましくない係合解除に対して低い抵抗力を有するに過ぎない。コンタクト部材又はプラグコネクタのハウジングは、コンタクト部材が挿入される時又は係合解除される時にしばしば損傷される。公知のコンタクト部材の更なる問題は、それらのコンタクト部材がシール部材を有するプラグコネクタに使用される場合、シール部材を介するプラグコネクタへのコンタクト部材の挿入やプラグコネクタからのコンタクト部材の除去が、シール部材の損傷をもたらすことである。プラグコネクタからの個別のコンタクト部材の保守又はや交換の場合、それによって、材料の増加やコストの支出が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、コンタクト部材であって、信頼でき且つ確実な方法でプラグコネクタに保持されることができることと、このコンタクト部材がプラグコネクタに挿入される又はプラグコネクタから除去される場合に、プラグコネクタのハウジングやシール部材を損傷しないことの両方を備える当該コンタクト部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本発明に係る上述のコンタクト部材によって達成され、ポジティブロッキング接続部が、このコンタクト部材の上側に係止開口を備え、その係止開口は、二つの案内面によって挿入方向に境界が定められ、且つこれらの案内面は、補強領域によって形成され、コンタクト材料が挿入方向に対して横断するように少なくとも二つの層の形態で少なくとも部分的にコンタクト材料自体に重なる。
【0005】
係止開口は、プラグコネクタにおけるコンタクト部材の位置を固定するように働くことができる。この例では、プラグコネクタのハウジングの係止部材が、コンタクト部材の係止開口内へ突出することができるか、又は係止部材が、対応して構成されたハウジングの開口内へ係止開口を通してコンタクト部材の内側から突出することができる。係止開口の範囲を定める案内面は、プラグコネクタのシール又はハウジングを介するコンタクト部材の非破壊的導入に備えることができる。特に、プラグコネクタのシール部材は、損傷されることなく案内面に沿って滑動することができる。案内面は補強領域によって形成され、それによって、挿入方向に対して逆にコンタクト部材に力が働く場合、係合したコンタクト部材は、非補強コンタクト部材の場合にあるように、損傷されて、プラグコネクタから外されることがない。補強領域は、コンタクト材料の少なくともデュアル層(2層)領域によって形成される。それによって、コンタクト部材は、補強領域において壁厚が増加されている。補強領域は、係止部材が係止開口を通って突出するように配置される場合、コンタクト部材の嵌合を確実にする。
【0006】
本発明に係る解決策は、更に、各々がそれ自体有利であり且つ互いに自由に組み合わされることができる異なる実施形態によって向上することができる。これらの実施形態及びそれに繋がる利点は、以下に述べられる。
【0007】
第1の有利な改良によれば、コンタクト部材は、挿入方向に対して横方向に弾性的に方向を変えることができるコンタクトアームを有することができる。それによって、コンタクト部材は、印刷回路基板上のストリップ導体と接触するために使用されることができる。コンタクトアームは、特に、コンタクト部材の二つの側壁間に配置されることができる。それによって、コンタクトアームは、少なくとも方向が変わっていない初期の位置において外部の影響に対して保護される。
【0008】
コンタクトアームは、波状に曲げられ、且つ特に、コンタクトアームの上側に面する頂点位置を備えることができる長さを有することができる。頂点位置は、コンタクトアームの方向を変えるための作動領域をコンタクトアームの凸面側に有することができる。コンタクト部材に向けられる力が作動領域に印加されると、コンタクトアームは、下方方向へ方向が変えられる。コンタクトアームの確実な接触を可能とするために、コンタクトアームは作動領域に補強構造部を有することができる。補強構造部は、特に、実質的に挿入方向へ延在するビードによって形成されることができる。
【0009】
電気接触のために、コンタクトアームは、接触ゾーンを有することができる。この接触ゾーンは、特に、コンタクトアームの自由に移動できる端部に配置されることができる。印刷回路基板との特に良好な接触を達成するために、接触ゾーンは、下方に向けられ且つ少なくとも1つの突起を有するリブ構造部を有することができる。この少なくとも1つの突起は、リブによって形成されることができる。接触ゾーンは、下方に向けて凸であるように成形されることもできる。接触ゾーンが、リブ構造部を有する場合、リブ(複数)は、挿入方向へ凸状の湾曲部に従うように配置されることができる。
【0010】
側壁は、部分的に互いに向けて曲げられ、曲げられた領域が少なくとも部分的に重なり、コンタクト部材の少なくとも1つの補強領域の層(複数)を形成する。
【0011】
特にコンパクトに構成されるコンタクト部材を得るために、コンタクト部材は、少なくとも係止開口と案内面の領域において箱型外形を有することができる。
【0012】
少なくとも1つの補強領域の少なくとも1つの表面は、先頭から係止開口まで挿入方向へ連続し且つ曲がりがない案内面を形成することができる。このように、案内面は、特に単純に構成されることができる。コンタクト材料は、そのコンタクト材料の表面が案内面を形成できるように一般的には十分に滑らかである。補強領域におけるコンタクト材料の層(複数)は、互いに平行に配置されることが好ましく、これらの層の表面は、上側の方向へ向けられるのが好ましい。
【0013】
他の有利な一実施形態によれば、挿入方向において、挿入方向へ傾斜される少なくとも1つの傾斜先導部材が、係止開口から離れた方の端部で少なくとも1つの案内面に隣り合うことができる。この少なくとも1つの傾斜先導部材は、この例では、特に、コンタクト部材の内側に向かう方向に曲げられることができる。この少なくとも1つの傾斜先導部材は、プラグコネクタのシール部材又はハウジングを介してコンタクト部材を案内するように働くことが好都合であり、且つそのシール部材が鋭いエッジによって損傷されることがなくコンタクトハウジングに沿うシール部材の滑動を保証することができる。
【0014】
この少なくとも1つの傾斜先導部材は、それが補強領域の少なくとも一層から形成されることによって、特に簡単な方法で構成されることができる。
【0015】
他の有利な一実施形態によれば、コンタクト部材を貫通する観察開口が挿入方向に位置される先端に配置されてもよく、非制限観察軸は、観察開口から接触部分へ延在している。観察開口を通して、コンタクト部材の内側、特に接触部分の制御が実行されることができる。これは、特に製造中に好都合である。上述のコンタクトアームが接触部分に存在する場合、特に方向が変えられていない初期位置におけるコンタクトアームの位置は、この観察開口を通して決定されることができる。
【0016】
挿入方向に向けられる先端において、側壁は、挿入方向を横断する方向に互いに向けて曲げられることができ、それにより、丸い領域が生成される。この丸い領域は、それが前方へ向くスクリーンを形成するので、プラグコネクタのシール部材又はハウジングを介する非破壊的にコンタクト部材を案内するのを助ける。丸い領域は、二回湾曲される一つの側壁から又は互いに向かって曲げられる二つの側壁によって形成されることができる。前部領域において、曲げられる少なくとも一つの側壁は、観察開口を形成する凹所を有することができる。
【0017】
挿入方向とは逆に位置される圧着部において、コンタクト材料が一つのライン上にコンタクト部材を圧着するために形成される場合、コンタクト本体が大きくは変形されない特に安定したコンタクト部材を得るために、補強領域の少なくとも1つの層は、上側からコンタクト部材、特にコンタクト本体の反対側の内壁へ延在する少なくとも1つの補強リップを形成することができる。
【0018】
コンタクト部材の安定性を更に向上するために、その少なくとも1つの補強リップは、コンタクト本体の内側で側壁に当接している。次に、補強リップは、側壁(複数)を互いに対して支持する。これらの側壁と平行に方向におけるコンタクト部材の安定性も増加させるために、補強リップは、反対側の内壁と当接することができる。
【0019】
特に単純に構成される補強リップと、コンパクトなコンタクト部材を得るために、その少なくとも1つの補強リップは、案内面の延長部を形成することができる。補強リップは、特に、案内面の領域から形成されることができ、この領域は、反対側の内壁に向う方向へ曲げられる。案内面の曲げを容易にすると共に側壁同士間の良好な嵌合を可能とするために、補強リップは、その案内面に面する側において側壁同士間に配置される側部におけるよりも狭くて良い。
【0020】
プラグコネクタへのコンタクト部材の不正確な挿入を防止する又はより困難にするために、補強領域は、少なくとも1つの不正確な挿入防止領域を形成することができ、その領域では、断面が挿入方向に対して垂直に対称軸を有さない。それによって、コンタクト部材は、一方向にのみ且つプラグコネクタ内へ一配向においてのみ挿入されることができる。
【0021】
特に単純に作る不正確な挿入防止領域を得るために、少なくとも1つの補強領域の上層は、不正確な挿入防止領域において反対側の側壁までは連続的には延在しない。
【0022】
他の有利な一実施形態によれば、コンタクト部材は、係止開口の反対側に、挿入方向に対して横断するように突出する少なくとも1つの固定歯を有することができる。この固定歯は、コンタクト部材が印刷回路基板上の導体ストリップと接触するように働く場合に、特に有利である。次に、固定歯は、印刷回路基板上を滑動しないようにコンタクト部材を固定するために、接触位置において、少なくとも部分的に印刷回路基板内へ貫通することができる。しかしながら、固定歯は、プラグコネクタのハウジング内にコンタクト部材を更に固定するために使用されることもできる。
【0023】
固定歯は、印刷回路基板への導入を容易にするために、コンタクト部材から離れるように向くその端部で尖るように構成されることができ、又はコンタクト部材が印刷回路基板に沿って移動される時に、印刷回路基板の導体ストリップを損傷しないために僅かに丸くされてもよい。印刷回路基板上にコンタクト部材の先端を特に有利な方法で変位しないように固定するために、少なくとも1つの固定歯は、その先端と開口との間に挿入方向へ配置されることができる。コンタクト部材が、弾性的に方向を変えることができるコンタクトアームを有する場合、この固定歯は、コンタクトアームと開口との間に配置されることができる。
【0024】
特に製造が簡単である固定歯を得るために、少なくとも1つの固定歯は、少なくとも1つの側壁から延在できる。この構成は、少なくとも1つの固定歯が、その少なくとも1つの固定歯が延在する側壁の反対側端部への圧力によって印刷回路基板内へ下げられることができるので、更に有利である。次に、側壁は少なくとも1つの固定歯へ、力を伝達するように働く。
【0025】
ハウジング内にコンタクト部材を固定する別の方法として、ハウジングの係止突起がコンタクト部材の係止開口を貫通するように突出し、コンタクト部材が、挿入方向に対して横断するようにコンタクト本体の係止開口から上方へ突出し且つ弾性的に方向が変えられることができる位置固定部材を有することができ、この位置固定部材は、挿入方向に対して傾斜され且つ湾曲部分と端部が曲がらず且つ折られないように隣接する先端面を有し、その端部がコンタクト本体の内部にある自由端で終端する。
【0026】
開口から突出する位置固定部材の上側は、曲げや縁部を有さず、それによって、コンタクト部材は、位置固定部材がシール部材を引き裂く又は傷付けることなく挿入方向及び挿入方向とは逆にシール部材を介して押し込まれることができる。その端部は、コンタクト部材のコンタクト本体の内部にその自由端が位置されるので、位置固定部材の自由端は、従来のコンタクト部材の従来の係止舌部の場合のように、コンタクト部材がシール部材を通って案内される時にシール部材を損傷することもない。位置固定部材は、弾性的に方向が変えられることができ、従って、コンタクト部材がシール部材又はハウジングを通って案内される時に、これらの部材又はこの位置固定部材自体に対する損傷を防止するために、シール部材又はハウジングから離れるように移動することができる。
【0027】
特にコンパクトなコンタクト部材を得るために、位置固定部材は、少なくとも部分的に挿入方向へ延在する側壁同士間に配置されることができる。この配置は、更に、位置固定部材に対する保護を提供する。
【0028】
他の有利な一実施形態によれば、位置固定部材は、少なくとも部分的に側壁同士間に側壁によって案内されることができる。それによって、その動作の信頼性が増加される。
【0029】
コンタクト部材の上側に沿って滑動するシール部材の案内を向上するために、位置固定部材の基部は、少なくとも1つの案内面の下方に配置されることができる。位置固定部材の基部は、自由端とは反対側の位置固定部材の端部に配置されることが好ましい。
【0030】
他の有利な一実施形態によれば、位置固定部材は、補強領域の層の内の少なくとも1つの層によって形成されることができる。位置固定部材は、特に、補強領域の層内の1つの層と一体的に形成されることができる。そのようなコンタクト部材は、特にコンパクトで且つ安定的に構成される。位置固定部材の実質的に固定端を形成する基部である、位置固定部材の基部は、本例では、補強領域に位置され、それによって、位置固定部材は、安定的に保持される。
【0031】
位置固定部材のコンタクト部材への確実な嵌合を得るため及び位置固定部材のコンタクト部材から離れるような望ましくない曲がりを防止するために、自由端は、位置固定部材に対する停止部を形成する案内面の下方に延在できる。コンパクトなコンタクト部材を得るために、自由端は、補強リップを形成する案内面の下方に延在できる。
【0032】
他の有利な一実施形態によれば、湾曲部分は、挿入方向とは反対側に突出する凸状支持領域を有することができる。支持領域が、挿入方向とは逆に突出するので、その支持領域は、挿入方向とは逆へのコンタクト部材の変位に抗してプラグコネクタ内におけるコンタクト部材の層の位置を効果的に保証することができる。支持領域は、本例では、係止位置において、ハウジングの開口の内側と特に当接状態にあることができる。凸状の湾曲部分は、本例では、最大許容力が超過されると、位置固定部材が挿入方向とは逆にコンタクト本体の係止開口へ弾性的に方向が変えられて、コンタクト部材がプラグコネクタから外されることができることを保証することができる。凸状の湾曲部は、更に、挿入方向とは反対側へのシールを通るコンタクト部材の非破壊的案内を可能とする。
【0033】
コンタクト部材上に挿入方向とは逆に支持領域を支持するため、それによってコンタクト部材のプラグコネクタ内での良好な固定を達成するために、凸状支持領域と自由端との間の湾曲部分は、傾斜先導部材の方向へ傾斜される後部領域を有することができる。
【0034】
最大許容力が超過する際に、挿入方向とは逆に湾曲部分の弾性変形可能性を許容するために、湾曲部分は、凸状支持領域から自由端へ向かう第2の湾曲部を有することができる。本発明に係るコンタクト部材が、プラグコネクタから係合解除されようとされ、例えば、張力によって、力が挿入方向とは逆にコンタクト部材に印加される場合、凸状支持領域は、挿入方向へ弾性的に曲がることができる。第2の湾曲部は、弾性変形を確実にし、それによって、その力が低下すると、湾曲部分が再びその初期の位置に戻るように曲がることができる。凸状支持領域が挿入方向へ僅かに曲げられると、後部領域は、その後部領域が、挿入方向とは逆に延在し、その上をハウジングの開口の縁部が滑動できる傾斜先導部材を形成するように弾性的に変形されることができ、位置固定部材はその傾斜先導部材内へ方向が変えられ、且つコンタクト部材がプラグコネクタから除去されることができる。
【0035】
コネクタ本体の内部における自由端の特に確実な嵌合を保証するために、自由端は、挿入方向に対して横断するように案内面に重なる舌部として構成されることができる。舌部及び案内面は、本例では、少なくとも部分的に互いに対して平行に延在できる。案内面は、舌部に対する停止部を形成することができる。舌部と案内面は、位置固定部材がコンタクト部材のコンタクト本体から方向が変えられることができず、それによって、シール部材を損傷することができないことを保証できる。
【0036】
特にコンパクトに構成されるコンタクト部材を得るために、舌部は、補強リップを形成する案内面と重なることができる。
【0037】
湾曲部分は、特に、凸状支持領域、第2の湾曲部、及び舌部と共に、S形状の外形を形成する。この例では、後部領域は、凸状支持領域から第2の湾曲部への遷移によって形成されることができる。
【0038】
シール部材又はハウジングによる案内を更に向上するために、少なくとも1つの位置固定部材は、少なくとも1つの方向が変えられる貫通位置で少なくとも部分的にコンタクト本体内へ下げられることができる。
【0039】
特に製造が簡単でコスト効率の良いコンタクト部材を得るために、コンタクト部材は、上述の全てのデバイスがある限り、それら全てデバイスと共に、単一の曲げ加工部品や打ち抜き部品として形成されてもよい。
【0040】
電気接触のための本発明に係る装置は、挿入方向に対して横断するように弾性的に方向が変えられることができるコンタクトアームを有する上述の実施形態の一つに係るコンタクト部材と挿入方向と平行に変位されることができる駆動部材を備えることができ、駆動部材は、初期位置に関して接触位置に変位され、それによって、コンタクトアームは、挿入方向に対して横断するように弾性的に方向が変えられる。この装置によって、例えば、印刷回路基板が本発明に係るコンタクト部材によって接触されることが可能である。本装置は、加えて、印刷回路基板を備えることができ、接触位置にあるコンタクトアームは、印刷回路基板の導体面に下降されてそれに導電的に接続される。
【0041】
電気接触のための上述の装置は、側壁から挿入方向へ向く先端領域に挿入方向に対して垂直な方向に突出する少なくとも1つの固定歯を有するコンタクト部材によって向上することができ、接触位置における固定歯は、少なくとも部分的に印刷回路基板内へ導入されている。このような装置において、コンタクト部材は、それのポジティブロッキング接続部によってプラグコネクタにおける滑動に抗して及び少なくとも1つの固定歯によって印刷回路基板上の滑動に抗して固定される。
【0042】
本発明は、例として一実施形態及び図面を参照して以下により詳細に説明される。例としてその実施形態に示される特徴の組合せは、上記説明に従って、特定の用途のために必要である、本発明に係るコンタクト部材及び電気接触のための本発明に係る装置の特性に従って追加の特徴によって補充されることができる。上記説明に従って、既述される実施形態における個々の特徴は、この特徴の動作が特定の用途において重要ではない場合、省略されてもよい。
【0043】
図面において、同じ参照番号は、同じ機能や同じ構造を有する部材のために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明に係るコンタクト部材の斜視図である。
図2図1に示されるコンタクト部材の長手軸に沿う断面図である。
図3】本発明に係るコンタクト部材の正面図である。
図4】本発明に係るコンタクト部材の断面図である。
図5】本発明に係るコンタクト部材と電気的に接触するための本発明に係る装置の断面図である。
図6】本発明に係るコンタクトアームの接触ゾーンの他の一実施形態を通る横断面図である。
図7図6に示される接触ゾーンの実施形態の長手方向の断面図である。
図8】本発明に係るコンタクトアームの作動領域の他の一実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明に係るコンタクト部材の構造は、最初に、図1乃至図4を参照して記述される。本発明に係るコンタクト部材の機能は、図5を参照して電気接触のための本発明に係る装置に関連して説明される。
【0046】
図1は、本発明に係るコンタクト部材1の斜視図であり、図2は、そのコンタクト部材1の長手方向に沿った断面である。コンタクト部材1は、単一の曲げ加工部品や単一の打ち抜き部品として導電性コンタクト材料3によって形成される。コンタクト部材1の本体5は、挿入方向Eへ延在する。挿入方向Eに向く端部に、コンタクト部材1は、先端26を有する先端領域Sと、挿入方向Eとは逆に向く端部に圧着部Cを有する。
【0047】
コンタクト部材1の上側7に、本体5は、係止開口9を有する。係止開口9は、案内面21,21’によって範囲が画定される。案内面21,21’は、それらの先頭56,56’から係止開口9まで連続的且つ曲がらないように延在する。係止開口9から遠くにある案内面21,21’の端部に、案内面21,21’は、挿入方向Eに対して横断するように延在する係止縁部を有する。案内面21,21’は、補強領域Va,Vbによって形成される。補強領域Va,Vbは、夫々、補強領域Vaにおける二つの重なり層23a,23a’と補強領域Vbにおける二つの重なり層23b,23b’を有する。コンタクト部材1の本体5は、側壁24,24’を有する。側壁24から、層23a,23bは、反対側の側壁24に向かって延在する。層23a’,23b’は、側壁24から側壁24’に向かう方向へ延在する。補強領域Va,Vbの二つの層は、互いに当接しており、コンタクト部材1の上側7と平行に延在する。補強領域Va,Vbは、側壁24,24’を架け渡す。係止開口9と補強領域Va,Vbの領域において、本体5は、実質的には箱形状の外形を有する。案内面21,21’は、補強領域Va,Vbの層23a’,23b’の表面25,25’によって形成される。
【0048】
案内面21,21’を形成する層23a’,23b’は、係止開口9から本体5の内側Iに向かう方向へ離れるように向けられた端部で傾斜される。それによって、傾斜先導部材27,27’は、コンタクト材料3から形成される。
【0049】
補強領域Vbにおいて、層23b、従って、それによって形成される案内面21’は、反対側の内壁35に向かう方向に続いている。この連続する部分から、補強リップ33が形成される。補強リップ33は、補強領域Vbと側壁24,24’の間の圧着領域Cとの間に位置される。補強リップ33は、側壁24,24’を互いに対して支持する。これは、圧着領域Cにおけるコンタクト材料3がコンタクト部材1を導電体へ接続するために形成される場合に、特に有利である。補強リップ33は、図4を参照して詳細に記述される。
【0050】
先端領域Sにおいて、コンタクト部材1は、弾性的に方向が変わるコンタクトアーム28を有する。コンタクトアーム28は、上側7から離れるようにすなわち下方へ弾性的に方向が変えられることができ、印刷回路基板と接触するために使用されることができる。コンタクトアーム28は、印刷回路基板への電気接続のために挿入方向Eへ向けられる接触ゾーン29と凸状に上方へ向けられる作動領域30を有する。接触ゾーン29は、コンタクト部材1の接触部53に位置される。コンタクト部材1がハウジング内へすなわちプラグコネクタのシールを通って導入される時に、コンタクトアーム28を保護するために、側壁24,24’は、挿入方向Eと平行な上側保護部30において互いに向く方向へ曲げられてアンダカット部32によって互いと係合される。上側保護部30は、コンタクトアーム28の上方へ配置される。先端26で、側壁24,24’は、挿入方向Eに対して横断するように互いに向かって曲げられ、それによって、先端26は、丸くされ、挿入方向Eへ向けられるシールド52が形成される。
【0051】
先端領域Sにおいて、コンタクト部材1から離れるように側壁24,24’から延在する2個の固定歯47が配置されている。固定歯47は、先細り又は僅かに丸く構成されることができる。固定歯47は、上側保護部30の反対側に延在する。挿入方向Eにおいて、固定歯47は、先端26とコンタクトアーム28との間に配置される。
【0052】
図3は、本発明に係るコンタクト部材1の挿入方向Eとは逆の正面図である。先端26において、側壁24,24’は、挿入方向Eに対して横断するように互いに向かって曲げられ、それによって、コンタクト部材1は、挿入方向Eにおいて部分的に閉鎖される。それによって、もしあるならば、コンタクトアーム28は、コンタクト部材1がプラグコネクタ内へ挿入される時に保護される。先端26の領域における曲げられた側壁24,24’は、共に観察開口51を形成する凹所49,49’を有する。観察開口51を通して、非制限観察軸54が、観察開口51から接触部53へ延在する。接触部53において、特に補強領域Vaに対する位置が観察開口51から検証される接触アーム28の接触ゾーン29が配置される。
【0053】
補強領域Vaは、第1の不正確な挿入防止領域55を構成する。挿入方向Eに対して横断する横断面において、補強領域Vaにおけるコンタクト部材1は、対称軸を備えない。それによって、補強領域Vaは、不正確な挿入防止領域55となる。不正確な挿入防止領域55は、側壁24から側壁24’へ向かう方向へ延在する層23a’が反対側の側壁24’まで連続的に構成されない事によって形成される。
【0054】
図4は、挿入方向Eに沿って見た時に、図2に描かれる断面A−Aの面に沿う断面である。補強領域Vbは、第2の不正確な挿入防止領域55’を形成する。不正確な挿入防止領域55と同様に、不正確な挿入防止領域55’は、反対側の側壁24’まで連続的に延在しない層23b’によって形成される。この非対称断面によって、コンタクト部材1は、一方向へのみプラグコネクタの相補的開口内へ挿入されることができる。しかしながら、その反対方向への相補的開口内への導入は不可能である。
【0055】
補強領域Vbにおける層23b’から、補強リップ33は、挿入方向とは逆に延在する。補強リップ33は、側壁24,24’間に配置され、反対側内壁35の方向へ向けられる。補強リップ33は、層23b’からコンタクト材料3を曲げることによって形成される。傾斜先導部材27’は、コンタクト材料3を曲げることによって形成される。挿入方向Eに対して横断する断面において、補強リップ33は、傾斜先導部材に面するその端部で側壁24,24’間の領域におけるよりも狭い。上側の狭い領域のおかげで、傾斜先導部材27’を形成し、補強リップ33を配置するためにコンタクト材料3を曲げることが容易にされる。側壁24,24’間の領域における補強リップ33の延長は、コンタクト部材1の寸法へ適合するように働き、それによって、補強リップ33は、側壁24,24’と当接しており、側壁24,24’を互いに対して支持することができる。補強リップ33は、傾斜先導部材27’に一体となり、それによって両者は、連続領域を形成する。補強リップ33の上述の構成に対する代替として、補強リップ33は、圧着領域Cに向かう方向へ向けられることができ、案内面21’に関して僅かだけ角度付けられることができる。それによって、シール部材に沿う滑動を向上することができる。
【0056】
図5は、本発明に係る2個のコンタクト部材1を有する電気的接触のための本発明に係る装置Aの挿入方向Eと平行な長手断面に沿う断面表示である。装置Aは、多数のコンタクト部材1を有することができる。本発明に係るコンタクト部材1の機能は、図5に示される装置Aにおけるコンタクト部材1(複数)が互いに対して同期して動作するので、コンタクト部材1を参照して記述される。コンタクト部材1は、プラグコネクタ(図示せず)のハウジング57内の係止位置Rに固定される。挿入方向Eに固定するために、ハウジング57は、係止開口9内へ突出する係止突起59を有する。係止突起59と係止開口9は、ポジティブロッキング接続部60を形成する。代わりとして、コンタクト部材1は、コンタクト部材1の本体5内へ弾性的に方向が変えられることができ、コンタクト部材1がハウジング57内に固定される位置において、係止開口9からハウジングの開口(図示せず)内へ突出する位置固定部材(図示せず)有していてもよい。それによって、ポジティブロッキング接続部は、コンタクト部材1とハウジング57との間に形成され、コンタクト部材1は、最大許容力を越えない限り、ハウジング57からもはや除去されることができない。
【0057】
装置Aは、駆動部材61を有する。駆動部材61を挿入方向Eへ移動することができる。駆動部材61を挿入方向Eとは逆へ移動することができる場合、作動部分63は、力をコンタクトアーム28の作動領域30へ印加し、それによって、作動部分63は、挿入方向Eに対して横断するように方向が変えられる。装置Aは、更に、印刷回路基板65を備える。コンタクトアーム28は、作動部分63から離れるように挿入方向Eに対して横断するように方向が変えられると、接触ゾーン29は、印刷回路基板65上に配置され、印刷回路基板65のストリップ導体67に対して電気接続を行うことができる。
【0058】
コンタクトアーム28は、その接触ゾーン29が導体ストリップ67の上に配置され、それによって、コンタクト部材1とストリップ導体67との間に電気接続が行われる接触位置(図示せず)において、駆動部材61は、圧力をコンタクト部材1の側壁24,24’へ印加し、それによって、少なくとも先端領域Sで、コンタクト部材1は、印刷回路基板65に向かう方向へ変えられる又は曲げられる。本例では、固定歯47は、印刷回路基板65内に僅かに埋め込まれ、それによって、コンタクト部材1は、印刷回路基板65に対してもはや変位されることができない。これは、装置Aが振動によって振られる時又は印刷回路基板65又はコンタクト部材1が熱変化の結果として変形し、それによってコンタクト部材1が印刷回路基板65上を滑動する場合に、特に有利である。
【0059】
理想的には、固定歯47は、コンタクトアーム28によって接触される導体ストリップ67に加えて印刷回路基板65中に埋め込まれる。しかしながら、少なくとも1個の固定歯47は、この例では、少なくとも部分的にストリップ導体67中へ導入されることができる。コンタクトアーム28とストリップ導体67との間の電気接続に加えて、それにより、固定歯47によって、ストリップ導体67に対して電気接触が行われる。この装置は、挿入方向Eに対して逆への印刷回路基板65の変位が挿入方向Eに対して逆の駆動部材61の変位となるように構成されることが好ましい。それによってコンタクトアームは、印刷回路基板65に向かう方向へ方向が変えられ、ストリップ導体67が接触される。その接続を解除するために、駆動部材61は、再び挿入方向Eへ印刷回路基板65と共に変位されることができ、それによって、固定歯47が印刷回路基板65から上昇され、コンタクトアーム28は、再びコンタクト部材1の本体5へ向けて方向が変えられて戻される。
【0060】
コンタクト部材1が、ハウジング57内へ挿入されると、傾斜先導部材27は、係止突起59の傾斜導入部材69を越えて滑動し、それによって、コンタクト部材1のハウジング57内への挿入が、コンタクト部材1又は係止突起59を損傷することなく可能である。図5に示される係止位置において、係止突起59は、コンタクト部材1の係止開口9内へ突出する。コンタクト部材1は、係止縁部22がハウジング57の係止突起59と当接状態になるまでの間のみ挿入方向Eに対して逆に変位されることができる。それによって、挿入方向Eに対して逆へのコンタクト部材1の変位は、効果的に防止されることができる。
【0061】
図6は、接触ゾーン29の有利な一実施形態の図2に示される断面B−Bの平面に沿う横断面であり、図7は、同じ実施形態の図6に示される断面C−Cの平面に沿う長手方向の断面である。接触ゾーン29は、下方へすなわち上側7から離れるように向けられるリブ構造体31を有する。個々のリブ31aは、本例では、横断面において、丸い、矩形状、三角形状又は任意の他の適切な形状であるように打ち抜き形成される。リブ31aは、コンタクト部材1から離れるように向けられる突起を構成する。リブ構造体31は、実質的に挿入方向Eへ延在し、本例では、接触ゾーン29の湾曲部Kに従う。リブ構造体31によって、コンタクトアーム28が配置される時に、印刷回路基板上の接触ゾーン29の滑動が向上されることができ、それによって、印刷回路基板又はコンタクトアーム28に対する損傷の恐れが減少されることができる。また、印刷回路基板に対するコンタクトアーム28の電気接触は、リブ31が印刷回路基板の導電性コーティング内へ僅かに埋め込まれることができるので、向上することができる。複数のリブ31が設けられることのために、少なくとも1個のリブが良好な電気接触を常に作り出すことが保証される。勿論、リブ構造体の代わりに、異なるように構成される突起も使用されることができる。
【0062】
図8は、図2に示される断面D−Dの平面に沿う本発明に係る作動領域30の有利な一実施形態を示す。作動領域30は、補強構造体32を有する。補強構造体32は、作動領域30においてコンタクト材料3を曲げる又は打ち抜くことによって形成されることができる。補強構造体32は、ビード32aとして構成されることが好ましい。ビード32aの長手方向32bは、実質的に挿入方向Eへ延在し、凸状作動領域30の長さに従う。
【0063】
補強構造体32は、作動領域30におけるコンタクトアーム28を補強するように働く。一方、それによって、コンタクトアーム28が印刷回路基板と接触する時に、作動領域30の塑性変形のリスクが減少され、それによって、コンタクト部材1は、数回使用するすなわち接触することができる。他方、補強構造体32は、印刷回路基板へのコンタクトアーム28の接触中に、作動領域30の弾性変形を減少する。それによって、作動領域30に印加される力は、効果的に接触ゾーン29に向けられ、それにより、コンタクトアーム28は、接触ゾーン29が特に確実に印刷回路基板上にあるように配置される。
【符号の説明】
【0064】
1 コンタクト部材
3 コンタクト材料
5 本体
7 上側
9 係止開口
21,21’ 案内面
22,22’ 係止縁部
23a,23a’,23b,23b’ 層
24,24’ 側壁
25,25’ 表面
26 先端
27,27’ 傾斜先導部材
28 コンタクトアーム
29 接触ゾーン
30 作動領域
31 リブ構造体
31a リブ
32 補強構造体
32a ビード
32b 長手方向
33 補強リップ
35 内壁
47 固定歯
49,49’ 凹所
51 観察開口
52 シールド
53 接触部
54 観察軸
55,55’ 不正確な挿入防止領域
56,56’ 案内面の先頭
57 ハウジング
59 係止突起
60 ポジティブロッキング接続部
61 駆動部材
63 作動部分
65 印刷回路基板
67 導体ストリップ
69 傾斜導入部材
A 装置
C 圧着領域
S 先端領域
E 挿入方向
I 本体の内側
K 湾曲部
R 係止位置
a,Vb 補強領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】
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2015111565000002.pdf
2015111565000003.pdf
2015111565000004.pdf