(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-112684(P2015-112684A)
(43)【公開日】2015年6月22日
(54)【発明の名称】すくい上げ装置
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20150526BHJP
B65G 47/90 20060101ALI20150526BHJP
【FI】
B25J15/08 Z
B65G47/90 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-256638(P2013-256638)
(22)【出願日】2013年12月12日
(11)【特許番号】特許第5567202号(P5567202)
(45)【特許公報発行日】2014年8月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000208455
【氏名又は名称】大和製罐株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506111354
【氏名又は名称】大和サービス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592209755
【氏名又は名称】金城機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】川添 晃
【テーマコード(参考)】
3C707
3F072
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707DS01
3C707ES02
3C707ES17
3C707ET08
3C707EU04
3C707EV05
3C707EV26
3C707NS10
3F072AA06
3F072KA01
3F072KD23
(57)【要約】
【課題】 移載ベルトを構成しているフィルムの摩耗を低減することができるすくい上げ装置を提供する。
【解決手段】すくい上げ装置において、二枚の薄板1,2がラック8に噛み合って転動することにより移載対象物wに対して接近および離隔する方向に直線的に前後動するピニオンギヤ7と一体となって移動するように構成され、各薄板1,2には移載対象物wの下側に挿入される先端部1a,2aを包み込んだ状態にフィルム材12が巻き掛けられ、上薄板1に巻き掛けられた上フィルム材10cは上薄板1が移載対象物wの下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、上薄板1の下側から先端部1aを通って上側に送られ、下薄板2に巻き掛けられた下フィルム材10dは下薄板2が移載対象物wの下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、下薄板2の上側から先端部2aを通って下側に送られる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の箇所に置かれている移載対象物の下側に薄板を挿入するすくい上げ装置において、
僅かな隙間を空けて重ねられた二枚の薄板が、ラックに噛み合って転動することにより前記移載対象物に対して接近および離隔する方向に直線的に前後動するピニオンギヤと一体となって移動するように構成され、
前記各薄板には、前記移載対象物の下側に挿入される先端部を包み込んだ状態にフィルム材が巻き掛けられ、
前記二枚の薄板のうち上側の上薄板に巻き掛けられた上フィルム材は、前記上薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記上薄板の下側から前記先端部を通って上側に送られ、かつ前記二枚の薄板のうち下側の下薄板に巻き掛けられた下フィルム材は、前記下薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記下薄板の上側から前記先端部を通って下側に送られるように構成されている
ことを特徴とするすくい上げ装置。
【請求項2】
前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側に挿入される方向に前進させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の下側から前記先端部を通って前記上薄板の上側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の上側から前記先端部を通って前記下薄板の下側に移動させるように走行させるとともに、前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側から引き抜かれる方向に後退させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の上側から前記先端部を通って前記上薄板の下側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の下側から前記先端部を通って前記下薄板の上側に移動させるように走行させるフィルム送り機構が、前記ピニオンギヤによって保持されていることを特徴とする請求項1に記載のすくい上げ装置。
【請求項3】
前記上フィルム材および下フィルム材は環状に形成され、
前記フィルム送り機構は、前記ピニオンギヤのピッチ円半径と等しい半径でかつ前記ピニオンギヤと共に回転する送りローラを備えるとともに、その送りローラに前記上フィルム材が巻き掛けられ、その上フィルム材に前記下フィルム材が前記二枚の薄板の間で連結されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のすくい上げ装置。
【請求項4】
前記フィルム送り機構は、前記下フィルム材が巻き掛けられるとともに、その下フィルム材を前記送りローラとの間に挟み込んで前記送りローラと共に回転するクランプローラを有していることを特徴とする請求項3に記載のすくい上げ装置。
【請求項5】
前記上薄板の先端部は前記下薄板の先端部よりも前記挿入方向で前記移載対象物側に配置されるとともに前記下薄板側に屈曲していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のすくい上げ装置。
【請求項6】
前記移載対象物の上部に配置される押さえ板を備え、その押さえ板と前記移載対象物の上部とが接触している状態で前記移載対象物の下側に前記二枚の薄板を抜き差しするように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のすくい上げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移載対象物を移載するための装置に関し、特に、所定箇所に設置された移載対象物の下側に薄板を挿入して移載対象物をすくい上げる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された移載装置は、所定の移載面上に設置されている移載物の下側に、支持板材を挿入してすくい上げるように構成されている。その支持板材には、移載物側の先端部およびこれとは反対側の後端部で折り返すように移載ベルトが巻き掛けられている。そして、上記の支持板材を移載物の下側に挿入することに伴ってその挿入長さに応じた長さ分、支持板材の下側から先端部を経由して上側に移載ベルトを送り込むように構成されている。そのため、この特許文献1に記載された移載装置によれば、移載物の下側に移載ベルトを挿入する場合に、これらの間で相対速度差が生じない。つまり移載物と移載ベルトとの間で摩擦が生じにくいため、移載物を傷つけることなくすくい上げることができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4406775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成では、移載物の下側に移載ベルトを送り込むと、移載ベルトと移載面との間では相対速度差が生じる。そのため、移載ベルトが移載面に擦れて摩耗し、その耐久性が低下する不都合がある。また、移載ベルトを構成しているフィルムの交換頻度が増大することになるため、実用性に欠ける点があった。
【0005】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、移載ベルトを構成しているフィルムの摩耗を低減することができるすくい上げ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の箇所に置かれている移載対象物の下側に薄板を挿入するすくい上げ装置において、僅かな隙間を空けて重ねられた二枚の薄板が、ラックに噛み合って転動することにより前記移載対象物に対して接近および離隔する方向に直線的に前後動するピニオンギヤと一体となって移動するように構成され、前記各薄板には、前記移載対象物の下側に挿入される先端部を包み込んだ状態にフィルム材が巻き掛けられ、前記二枚の薄板のうち上側の上薄板に巻き掛けられた上フィルム材は、前記上薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記上薄板の下側から前記先端部を通って上側に送られ、かつ前記二枚の薄板のうち下側の下薄板に巻き掛けられた下フィルム材は、前記下薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記下薄板の上側から前記先端部を通って下側に送られるように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側に挿入される方向に前進させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の下側から前記先端部を通って前記上薄板の上側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の上側から前記先端部を通って前記下薄板の下側に移動させるように走行させるとともに、前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側から引き抜かれる方向に後退させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の上側から前記先端部を通って前記上薄板の下側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の下側から前記先端部を通って前記下薄板の上側に移動させるように走行させるフィルム送り機構が、前記ピニオンギヤによって保持されていることを特徴とするすくい上げ装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記上フィルム材および下フィルム材は環状に形成され、前記フィルム送り機構は、前記ピニオンギヤのピッチ円半径と等しい半径でかつ前記ピニオンギヤと共に回転する送りローラを備えるとともに、その送りローラに前記上フィルム材が巻き掛けられ、その上フィルム材に前記下フィルム材が前記二枚の薄板の間で連結されていることを特徴とするすくい上げ装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記フィルム送り機構は、前記下フィルム材が巻き掛けられるとともに、その下フィルム材を前記送りローラとの間に挟み込んで前記送りローラと共に回転するクランプローラを有していることを特徴とするすくい上げ装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記上薄板の先端部は前記下薄板の先端部よりも前記挿入方向で前記移載対象物側に配置されるとともに前記下薄板側に屈曲していることを特徴とするすくい上げ装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記移載対象物の上部に配置される押さえ板を備え、その押さえ板と前記移載対象物の上部とが接触している状態で前記移載対象物の下側に前記二枚の薄板を抜き差しするように構成されていることを特徴とするすくい上げ装置である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、各薄板はピニオンギヤと共に、移載対象物に対して接近および離隔するため、ピニオンギヤの回転を制御すれば各薄板の移動量を変更することができる。また、移載対象物の下側に各薄板を挿入する場合には、上フィルム材は各薄板の挿入長さに応じた長さだけ、その下側から先端部を通って上側に送られる。下フィルム材は各薄板の挿入長さに応じた長さだけ、その上側から先端部を通って下側に送られる。これに対して移載対象物の下側から各薄板を引き抜く場合には、上述した挿入動作とは反対の順序で各フィルム材が送られる。そのため、上述したいずれの場合であっても、移載対象物と上フィルム材との間、および、所定箇所と下フィルム材との間に相対速度差が生じない。その結果、各薄板によって移載対象物が押し動かされたり、引き摺られたりすることを防止もしくは抑制することができる。そしてこれにより、所定箇所から移載対象物の姿勢を崩さずに移載対象物をすくい上げまた他の所定箇所に移載することができる。またその場合に、下フィルム材が所定箇所に擦れて摩耗することを防止もしくは抑制することができる。そのため、各フィルム材を可及的に長く使用することができ、それらの交換頻度を低減することができるとともに、装置全体としてのメンテナンス性を向上させることも可能になる。
【0013】
またこの発明によれば、上フィルム材はピニオンギヤと等しい外径でピニオンギヤと共に回転する送りローラに巻き掛けられているので、ピニオンギヤの移動量と、送りローラから送り出される上フィルム材の長さを等しくできる。そして、上フィルム材に下フィルム材が連結されているため、上フィルム材に同期して下フィルム材を移載対象物の下側に送り込みまた引き抜くことができる。その下フィルム材は送りローラと共に回転するクランプローラに巻き掛けられ、また、それらのローラの間に挟み付けられている。そのため、クランプローラが回転すると、その回転によってクランプローラから下薄板に下フィルム材が送り出されるとともに、クランプローラに対して下フィルム材が滑ることを防止もしくは抑制することができる。その結果、上フィルム材や下フィルム材の張力が過大になることを防止もしくは抑制することができる。
【0014】
さらに、この発明によれば、上薄板の先端部は下薄板の先端部よりも移載対象物側に配置され、かつ、下薄板側に曲げられている。移載対象物の下側に各薄板を挿入する場合、先ず、上薄板の先端部が移載対象物の下側に挿入され、その後に、下薄板が挿入される。つまり移載対象物の下側に一枚ずつ薄板を挿入するため、挿入動作をスムーズに行うことができる。また、その場合に、移載対象物は、押さえ板によって所定箇所に押さえつけられている。そのため、移載対象物の姿勢を維持しながら、移載対象物の下側に各薄板を抜き差しすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明に係るすくい上げ装置の一例を示す図であって、(a)はこの発明に係るすくい上げ装置の側面図であり、(b)は
図1の(a)に示すI−I線に沿うこの発明に係るすくい上げ装置の断面図であり、(c)は各薄板にフィルムが巻き掛かっている状態を示す図である。
【
図3】移載対象物の下側への各薄板の挿入動作を説明するための図であって、(a)は移載対象物の下側に各薄板を挿入した状態を示す図であり、(b)は移載対象物の下側から各薄板を引き抜いた状態を示す図である。
【
図4】この発明に係るすくい上げ装置の動作の一例を示す図であって、(a)は押さえ板を移載対象物の上部に配置した状態を示す図であり、(b)は押さえ板によって移載対象物の上部を押さえた状態を示す図であり、(c)は移載対象物の下側に各薄板を挿入した状態を示す図であり、(d)は移載対象物を移載している状態を示す図であり、(e)は移載対象物を他の移載対象物上に重ね合わせた状態を示す図であり、(f)は移載対象物と他の移載対象物との間から各薄板を引き抜いた状態を示す図であり、(g)は移載対象物を他の移載対象物上に積層した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明をより具体的に説明する。
図1は、この発明に係るすくい上げ装置の一例を示す図であって、(a)はこの発明に係るすくい上げ装置の側面図であり、(b)は
図1の(a)に示すI−I線に沿うこの発明に係るすくい上げ装置の断面図であり、(c)は各薄板にフィルムが巻き掛かっている状態を示す図である。上薄板1は、一例として長方形に形成されている。その上薄板1の下側に、同様に長方形に形成された下薄板2が配置されている。その下薄板2はケースやフレームなどの固定部3に一体的に設けられている。各薄板1,2は図示しないボルトやナットなどの固定部材によって僅かな隙間をあけて一体化されている。このようにして一体化された薄板1,2においては、
図1の(a)や(c)に示すように、上薄板1の一端部1aが下薄板2の一端部2aよりも僅かに移載対象物w側に配置されている。また、固定部3における各薄板1,2とは反対側に、吊り下げ装置やロボットアームなどのアームraが取り付けられており、所定の箇所に移送可能に構成されている。
【0017】
上記の固定部3に、サーボモータ4のモーターケース5が固定されている。そのサーボモータ4のロータ軸6には、外歯歯車であるピニオンギヤ7が同心円状に連結されている。そのピニオンギヤ7に噛み合う歯が形成されたラック8が、固定部3内における各薄板1,2とは反対側の内壁面に設けられている。なお、以下の説明では、サーボモータ4を正回転させた場合に、ピニオンギヤ7が
図1の(a)での左側に配置されている移載対象物wに接近するようにラック8上を転動するものとして説明する。またサーボモータ4を逆回転させた場合に、ピニオンギヤ7が
図1の(a)での右側に、すなわち移載対象物wから離隔するようにラック8上を転動するものとして説明する。さらに、図示しない制御装置が設けられており、その制御装置によってサーボモータ4の回転が制御されるように構成されている。
【0018】
上記のピニオンギヤ7を挟んでその両側に、ピニオンギヤ7と共に回転する送りローラ9が設けられている。その送りローラ9は、ロータ軸6やピニオンギヤ7と同心円状に配置され、またその半径とピニオンギヤ7のピッチ円半径とはほぼ同じに設定されている。上記の送りローラ9および各薄板1,2には、後述するようにフィルムが巻き掛けられており、上記のサーボモータ4によってピニオンギヤ7を回転させると、その回転に伴って送りローラ9が回転し、送りローラ9からフィルムが送り出されるようになっている。またピニオンギヤ7と一体となって各薄板1,2が移載対象物wに対して前後動するようになっている。
【0019】
上述したフィルム10の一端部10aは、
図1の(c)に示すように、上薄板1の上側から下側に向けて一端部1aで折り返された後に、一端部1aとは反対側に配置されている下薄板2の他端部2bに巻き掛かっている。またその一端部10aは、他端部2bおよび下薄板2の下側を包むとともに下薄板2の一端部2aで折り返されて下薄板2の上側に配置されている。フィルム10の他端部10bは、上薄板1の上側および他端部1bを包むとともにその他端部1bで折り返されて上薄板1の下側に配置されている。フィルム10の各端部10a,10bは、各薄板1,2の間でテープ11や接着材などによって連結されている。つまり、フィルム10は、
図1の(c)に示すように、数字の「8」のように各薄板1,2に巻き掛けられている。そのため、各薄板1,2ごとに環状にフィルム10が巻き掛かった状態となっている。そのフィルム10は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)によって形成されている。
【0020】
以下の説明では、フィルム10における上薄板1に巻き掛かっている環状の部分を上フィルム10cと称し、下薄板2に巻き掛かっている環状の部分を下フィルム10dと称する。また上記の各薄板1,2の一端部1a,2aが移載対象物w側に配置されているものとして説明し、それらの一端部1a,2aを先端部1a,2aと称する。さらに、上述した接着部位を
図1の(c)に符号「a」で記してある。
【0021】
上記の上フィルム10cは、
図1の(c)に示すように、送りローラ9に巻き掛けられており、上記の下フィルム10dは、クランプローラ12に巻き掛けられている。そのクランプローラ12はフィルム10を介して送りローラ9に押し付けられている。つまりフィルム10は各ローラ9,12に挟み付けられている。そしてクランプローラ12は、送りローラ9の回転方向に対して逆方向に回転するようになっている。そのため、例えば、各薄板1,2を移載対象物wに接近させる場合、上薄板1の下側から上側に向けて上フィルム10cが送りローラ9から滑ることなく送り出される。また、下薄板2の上側から下側に向けて下フィルム10dがクランプローラ12から滑ることなく送り出される。このように各ローラ9,12の回転によって各フィルム10c,10dを送り出すことにより、いずれか一方のフィルムにいずれか他方のフィルムが引っ張られて、それらのフィルムの張力が過大になることを防止もしくは抑制している。また、複数のテンションローラ13が設けられている。各テンションローラ13は各フィルム10c,10dに接触してそれらのたるみを防止もしくは抑制することにより、それらの張力が予め定めた範囲になるように構成されている。上述した送りローラ9およびクランプローラ12が、この発明におけるフィルム送り機構に相当している。
【0022】
また、この発明に係るすくい上げ装置は、
図1の(a)に示すように、押さえ装置14を備えている。その押さえ装置14は、移載対象物wの上部に接触する押さえ板15を有している。その押さえ板15は、テーブル上に配置されあるいは上薄板1上に載せられた移載対象物wの上部に接触することにより移載対象物wを押さえつけるように構成されている。また押さえつけることにより移載対象物wの姿勢を維持するように構成されている。例えば、テーブル上に配置されている移載対象物wをすくい上げる場合、移載対象物wの上部と押さえ板15とを接触させている状態で移載対象物wの下側に各薄板1,2を抜き差しする。その場合、移載対象物wは押さえ板15とテーブルtaとに挟まれた状態となっているので、薄板1,2の挿入動作に伴う移載対象物wの傾きが防止もしくは抑制される。このようにして移載対象物wの姿勢が維持される。上記の押さえ板15は、ここに示す例では、ロッド16の一端部に取り付けられ、そのロッド16を介してシリンダ17に摺動自在に取り付けられている。そのロッド16の他端部には、抜け止め部18が取り付けられている。すなわち、押さえ板15は、自重によって
図1の(a)での下方に移動することによりシリンダ17から離隔し、また外力によって
図1の(a)での上方に移動することによりシリンダ17に接近するように構成されている。シリンダ17にはネジ孔19が形成されており、シリンダ17はネジ孔19に噛み合うネジ20によって固定部3に一体の固定フレーム21に固定されている。上述した押さえ板15は従来知られている電動シリンダやエアシリンダなどによって上下動するように構成されていてよい。
【0023】
図2は、上述したように一体化させた各薄板1,2の先端部1a,2aの拡大図である。上薄板1の先端部1aが、下薄板2の先端部2aよりも予め定めた長さだけ移載対象物w側に突出して配置されている。また、その突出している先端部1aは、他の部分1cに対して予め定めた角度だけ下薄板2側に屈曲している。
図2に示す例では、先端部1aと先端部2aとの間隔d1は10mmに設定されている。また、その先端部1aの曲げ角度θ1は7°に設定されている。これは、上記のように一体化させた各薄板1,2の先端部の厚さを薄くしてその挿入動作をスムーズに行うためである。上記のように各薄板1,2を構成することにより、先端部の厚さをほぼ薄板1枚分の厚さにすることが可能になる。また、
図2に示す例では、テーブルtaと下薄板2とのなす角度すなわち各薄板1,2の挿入角度θ2が、5°に設定されている。この挿入角度θ2は、5°前後であってよいが、5°以下に設定することがより好ましい。これは、先端部1aとテーブルtaとの接触を抑制してテーブルtaに上フィルム10cが擦れることによる上フィルム10cの耐久性の低下を抑制するためである。また、挿入角度θ2を5°以下に設定した状態で、曲げ角度θ1と挿入角度θ2とを合算した角度を12°以下とすることが好ましい。例えば、曲げ角度θ1を8°に設定した場合には、挿入角度θ2を4°に設定することが好ましい。挿入角度θ2が5°よりも大きくなったり、合算角度が12°よりも大きくなったりすると、移載対象物wの下側に薄板1,2を挿入する場合に、移載対象物wにおける各薄板1,2側の側面に、上薄板1における上側面を押しつけるようになってしまう可能性がある。つまり移載対象物wの下側に薄板1,2を挿入しにくくなってしまう。また、先端部1aとテーブルtaとが接触してテーブルtaと上フィルム10cとが擦れる可能性がある。さらに上薄板1上に移載対象物wを載せた場合に、移載対象物wの傾きが大きくなってしまい、移載対象物wの姿勢が崩れる可能性がある。
【0024】
なお、
図1および
図2に示す例では、上薄板1は、厚さt1が1.5mmのステンレス板や合成樹脂板によって形成されている。下薄板2は厚さt2が1.5mmのステンレス板や合成樹脂板によって形成されている。また、ボルトやナットなどによって一体化させた各薄板1,2の全体としての厚さt3は3.5mm、各薄板1,2の間隔d2は0.5mmに設定されている。
【0025】
図3は、移載対象物wの下側への薄板1,2の挿入動作を説明するための図であって、(a)は移載対象物wの下側に各薄板1,2を挿入した状態を示す図であり、(b)は移載対象物wの下側から各薄板1,2を引き抜いた状態を示す図である。例えば、サーボモータ4を正回転させると、ピニオンギヤ7および送りローラ9が回転しながら移載対象物w側に移動する。それらの移動に伴って各薄板1,2が移載対象物wに接近する。その場合、テーブルtaや作業台などの所定箇所に設置されている移載対象物wに対して各薄板1,2を平行に保った状態で移動させることが好ましい。
【0026】
次いで、上記テーブルtaと移載対象物wとの間に向けて各薄板1,2を同時に前進させる。そして移載対象物wの下側に各先端部1a,2aを僅かに挿入する。その場合、挿入角度を5°以下に設定し、また先端部1aや上フィルム10cをテーブルtaに接触させないことが好ましい。また、この発明に係るすくい上げ装置では、上薄板1の先端部1aが下薄板2の先端部2aよりも移載対象物w側に突出して配置されているため、先ず、上薄板1の先端部1aが移載対象物wの下側に挿入される。ついで、下薄板2の先端部2aがテーブルtaと上薄板1との間に挿入される。その下薄板2は、上薄板1とテーブルtaとの間に挿入されることになる。それらの結果、テーブルtaと移載対象物wとの隙間が小さい場合であっても、各薄板1,2の挿入動作をスムーズに行うことができる。なお、各薄板1,2の挿入速度および引き抜き速度は0.1から0.25m/sに設定されている。
【0027】
また、送りローラ9とピニオンギヤ7とは上述したように一体となって回転するから、送りローラ9の回転に伴って上フィルム10cが上薄板1の下側から先端部1aを経由して上側に送られる。その場合、ピニオンギヤ7のピッチ円半径と、送りローラ9の半径とはほぼ同じに設定されているため、上フィルム10cの送り量は、各薄板1,2の挿入長さに応じた長さとなっている。そのため、移載対象物wと上フィルム10cとの間に相対速度差が生じない。また上フィルム10cの送り動作に同期してクランプローラ12から下フィルム10dが送り出される。下フィルム10dは、下薄板2の上側から先端部2aを経由して下側に送られる。その下フィルム10dの送り量は、各薄板1,2の挿入長さに応じた長さとなっている。そのため、テーブルtaと下フィルム10dとの間にも相対速度差が生じない。その結果、見かけ上、上フィルム10cは移載対象物wに対して動いておらず、下フィルム10dもテーブルtaに対して動いていない。一方、上記の接続部位aは、薄板1,2との間を移載対象物w側に移動する。
【0028】
そして移載対象物wの下面のほぼ全体に亘って各フィルム10c,10dを送り込んだ状態で、サーボモータ4の回転を停止させる。この状態では、上フィルム10cを介して上薄板1上に移載対象物wが移載されている。
図3の(a)は、この状態を示している。その後、固定部3ごと持ち上げると、移載対象物wがテーブルtaからすくい上げられる。
【0029】
次いで、すくい上げた移載対象物wを他の所定箇所に設置する場合について説明する。
図3の(b)には、上記のようにすくい上げた移載対象物w1を、外形がほぼ同じ大きさの移載対象物w2上に設置する例を示してある。上薄板1上に移載対象物w1が配置されている場合には、各薄板1,2を水平に保った状態で移載対象物w2上に移載対象物w1を移動させる。そしてすくい上げ装置を下降させることにより移載対象物w1を、移載対象物w2上にそれらの外形が揃うように重ね合わせる。その後、サーボモータ4を逆回転させてピニオンギヤ7および送りローラ9を
図3の(b)での右方向に平行移動させる。つまり各薄板1,2を上記の移載対象物w1,w2の間から引き抜く。その場合、各フィルム10c,10dは上述した挿入動作とは反対の順序で送り出される。すなわち、ピニオンギヤ7や送りローラ9の移動量に応じた長さ分、上フィルム10cが上薄板1の先端部1aを経由して上側から下側に送られ、下フィルム10dが下薄板2の先端部2aを経由して下側から上側に送られる。そのため、各薄板1,2を引き抜く場合に、移載対象物w1,w2が各薄板1,2によって引き摺られて移動することを防止もしくは抑制することができる。そして上記の接続部位aは、
図3の(b)での右方向に移動する。
【0030】
実施例
図4は、この発明に係るすくい上げ装置の動作の一例を示す図である。先ず、
図4の(a)に示すように、ロボットアームraによってすくい上げ装置ごと移動させられ、その押さえ板15が移載対象物w1の上側に配置される。この状態では、押さえ板15は自重によって下方に移動しており、シリンダ17から最も離隔している。次いで、
図4の(b)での下方にすくい上げ装置が移動させられる。すくい上げ装置が下降していくと、押さえ板15は移載対象物w1の上部に接触し、押さえ板15の下降が停止する。すくい上げ装置が更に下降していくとそれに伴ってロッド16がシリンダ17の内部を摺動する。その結果、押さえ板15はシリンダ17に接近する。そして、下薄板2がテーブルtaに接触すると、すくい上げ装置の下降が停止される。この状態では、押さえ板15と各薄板1,2との間隔が、移載対象物w1の厚さに相当する長さになっている。また、移載対象物w1は押さえ板15の重さに応じた荷重によってテーブルtaに押し付けられている。そのため、押さえ板15によって移載対象物wの傾きが防止もしくは抑制されている。
【0031】
次いで、
図4の(c)に示すように、移載対象物wの下側に各薄板1,2を挿入する。各薄板1,2の挿入動作に伴う各フィルム10c,10dの送り動作は、
図3の(a)で説明した通りである。その結果、移載対象物wは押さえ板15と上薄板1との間に配置され、あるいは、これらの間に挟み付けられた状態となる。この状態では、移載対象物wは押さえ板15と各薄板1,2とによってその姿勢が維持されている。次いで、
図4の(d)に示すように、すくい上げ装置ごと移動させ、移載対象物w1の外形と他の移載対象物w2の外形とを揃える。その場合、各薄板1,2を平行に保つことが好ましい。その後、すくい上げ装置を
図4の(e)での下方に移動させ、下薄板2が他の移載対象物w2に接触した時点でその下降を停止させる。次いで、
図4の(f)に示すように、移載対象物w1,w2の間から各薄板1,2を引き抜く。その引き抜き動作は、
図3の(b)で説明した通りである。その引き抜き動作が完了すると、移載対象物w2上に移載対象物w1が直接積層され、移載動作が完了する。なお、
図4の(f)に示す状態では、移載対象物w1,w2は、未だ、押さえ板15の重さに応じた荷重によってテーブルtaに押し付けられている。その後、すくい上げ装置は
図4の(g)に示すように移動させられる。積層された各移載対象物w1,w2は図示しない袋詰めや検査などの次工程に供給される。
【0032】
したがって、この発明に係るすくい上げ装置によれば、所定箇所に設置されている移載対象物wをすくい上げる場合に、所定箇所および移載対象物wに対して相対速度差を生じることなく、それらの間に各薄板1,2を挿入することができる。特に、所定箇所に対して下フィルム10dが擦れて摩耗することを防止もしくは抑制することができる。つまり各フィルム10c,10dの耐久性の低下を抑制することができる。これにより各フィルム10c,10dを可及的に長く使用することができる。また、各フィルム10c,10dの交換頻度を低減して装置全体としての部材コストを低減したり、メンテナンス性を向上させたりすることができる。さらに、薄板1,2によって移載対象物wが押されたり、また引き摺られたりすることを防止もしくは抑制することができるので、移載対象物wの移載動作をスムーズに行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
1…上薄板、 1a…上薄板の先端部、 2…下薄板、 2a…下薄板の先端部、 7…ピニオンギヤ、 8…ラック、 10c…上フィルム、 10d…下フィルム、 w,w1,w2…移載対象物。
【手続補正書】
【提出日】2014年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の箇所に置かれている移載対象物の下側に薄板を挿入するすくい上げ装置において、
僅かな隙間を空けて重ねられた二枚の薄板が、ラックに噛み合って転動することにより前記移載対象物に対して接近および離隔する方向に直線的に前後動するピニオンギヤと一体となって移動するように構成され、
前記各薄板には、前記移載対象物の下側に挿入される先端部を包み込んだ状態にフィルム材が巻き掛けられ、
前記二枚の薄板のうち上側の上薄板に巻き掛けられた上フィルム材は、前記上薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記上薄板の下側から前記先端部を通って上側に送られ、かつ前記二枚の薄板のうち下側の下薄板に巻き掛けられた下フィルム材は、前記下薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記下薄板の上側から前記先端部を通って下側に送られるように構成されており、
前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側に挿入される方向に前進させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の下側から前記先端部を通って前記上薄板の上側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の上側から前記先端部を通って前記下薄板の下側に移動させるように走行させるとともに、前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側から引き抜かれる方向に後退させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の上側から前記先端部を通って前記上薄板の下側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の下側から前記先端部を通って前記下薄板の上側に移動させるように走行させるフィルム送り機構が、前記ピニオンギヤによって保持されており、
前記上フィルム材および下フィルム材は環状に形成され、
前記フィルム送り機構は、前記ピニオンギヤのピッチ円半径と等しい半径でかつ前記ピニオンギヤと共に回転する送りローラを備えるとともに、その送りローラに前記上フィルム材が巻き掛けられ、その上フィルム材に前記下フィルム材が前記二枚の薄板の間で連結されていることを特徴とするすくい上げ装置。
【請求項2】
前記フィルム送り機構は、前記下フィルム材が巻き掛けられるとともに、その下フィルム材を前記送りローラとの間に挟み込んで前記送りローラと共に回転するクランプローラを有していることを特徴とする請求項1に記載のすくい上げ装置。
【請求項3】
前記上薄板の先端部は前記下薄板の先端部よりも前記挿入方向で前記移載対象物側に配置されるとともに前記下薄板側に屈曲していることを特徴とする請求項1または2に記載のすくい上げ装置。
【請求項4】
前記移載対象物の上部に配置される押さえ板を備え、その押さえ板と前記移載対象物の上部とが接触している状態で前記移載対象物の下側に前記二枚の薄板を抜き差しするように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のすくい上げ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、所定の箇所に置かれている移載対象物の下側に薄板を挿入するすくい上げ装置において、僅かな隙間を空けて重ねられた二枚の薄板が、ラックに噛み合って転動することにより前記移載対象物に対して接近および離隔する方向に直線的に前後動するピニオンギヤと一体となって移動するように構成され、前記各薄板には、前記移載対象物の下側に挿入される先端部を包み込んだ状態にフィルム材が巻き掛けられ、前記二枚の薄板のうち上側の上薄板に巻き掛けられた上フィルム材は、前記上薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記上薄板の下側から前記先端部を通って上側に送られ、かつ前記二枚の薄板のうち下側の下薄板に巻き掛けられた下フィルム材は、前記下薄板が前記移載対象物の下側に挿入されることに伴ってその挿入長さと同じ長さ、前記下薄板の上側から前記先端部を通って下側に送られるように構成され
ており、前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側に挿入される方向に前進させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の下側から前記先端部を通って前記上薄板の上側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の上側から前記先端部を通って前記下薄板の下側に移動させるように走行させるとともに、前記二枚の薄板が前記移載対象物の下側から引き抜かれる方向に後退させられる場合に、前記上フィルム材を、前記上薄板の上側から前記先端部を通って前記上薄板の下側に移動させるように走行させ、かつ前記下フィルム材を、前記下薄板の下側から前記先端部を通って前記下薄板の上側に移動させるように走行させるフィルム送り機構が、前記ピニオンギヤによって保持されており、前記上フィルム材および下フィルム材は環状に形成され、前記フィルム送り機構は、前記ピニオンギヤのピッチ円半径と等しい半径でかつ前記ピニオンギヤと共に回転する送りローラを備えるとともに、その送りローラに前記上フィルム材が巻き掛けられ、その上フィルム材に前記下フィルム材が前記二枚の薄板の間で連結されていることを特徴とするものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求
項2の発明は、請求
項1の発明において、前記フィルム送り機構は、前記下フィルム材が巻き掛けられるとともに、その下フィルム材を前記送りローラとの間に挟み込んで前記送りローラと共に回転するクランプローラを有していることを特徴とするすくい上げ装置である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求
項3の発明は、請求項
1または2の発明において、前記上薄板の先端部は前記下薄板の先端部よりも前記挿入方向で前記移載対象物側に配置されるとともに前記下薄板側に屈曲していることを特徴とするすくい上げ装置である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求
項4の発明は、請求項1ない
し3のいずれかの発明において、前記移載対象物の上部に配置される押さえ板を備え、その押さえ板と前記移載対象物の上部とが接触している状態で前記移載対象物の下側に前記二枚の薄板を抜き差しするように構成されていることを特徴とするすくい上げ装置である。