(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-113412(P2015-113412A)
(43)【公開日】2015年6月22日
(54)【発明の名称】熱可塑性繊維強化複合材料およびそれを用いた成形体ならびにその複合材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 5/24 20060101AFI20150526BHJP
C08F 2/00 20060101ALI20150526BHJP
C08L 33/06 20060101ALI20150526BHJP
C08K 7/02 20060101ALI20150526BHJP
C08F 220/12 20060101ALI20150526BHJP
【FI】
C08J5/24CEY
C08F2/00 C
C08L33/06
C08K7/02
C08F220/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-256804(P2013-256804)
(22)【出願日】2013年12月12日
(71)【出願人】
【識別番号】591086407
【氏名又は名称】東レコーテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091384
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
(74)【代理人】
【識別番号】100125760
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小笠 智司
(72)【発明者】
【氏名】小南 一彦
【テーマコード(参考)】
4F072
4J002
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4F072AA04
4F072AA08
4F072AB10
4F072AB22
4F072AB28
4F072AB29
4F072AB30
4F072AD09
4F072AE02
4F072AG03
4F072AG06
4F072AH02
4F072AH31
4F072AJ04
4F072AK05
4F072AK14
4F072AL02
4F072AL12
4F072AL17
4J002BG031
4J002DA016
4J002FA046
4J002GF00
4J011AA05
4J011CA03
4J011CA08
4J011CC02
4J011DA02
4J011PA03
4J011PA69
4J011PB04
4J011PB22
4J011PC02
4J011PC08
4J100AL03P
4J100AL04Q
4J100AL05R
4J100BA03T
4J100BC12Q
4J100BC28S
4J100CA03
4J100DA25
4J100FA03
4J100FA19
4J100JA67
(57)【要約】
【課題】低温の成形温度で優れた成形性をもって所望の成形体を成形可能な熱可塑性繊維強化複合材料と、それを用いて成形した成形体、ならびにその複合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させた複合材料であって、マトリックス樹脂がアクリル系樹脂からなり、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある熱可塑性繊維強化複合材料、それを用いて成形した成形体、その複合材料の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させた複合材料であって、前記マトリックス樹脂がアクリル系樹脂からなり、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあることを特徴とする熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項2】
前記マトリックス樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあるモノマーを重合させたものからなる、請求項1に記載の熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項3】
前記マトリックス樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある、モノマーと該モノマーとは別のモノマーとの混合物を重合させたものからなる、請求項1に記載の熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項4】
前記マトリックス樹脂が、前記モノマーを前記強化繊維材料に含浸させた後重合させたものからなる、請求項2または3に記載の熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項5】
前記マトリックス樹脂が、前記モノマーを重合させて溶液とし、該溶液を前記強化繊維材料に含浸させたものからなる、請求項2または3に記載の熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項6】
前記強化繊維材料が、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維から選ばれた少なくとも1種の強化繊維からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項7】
前記強化繊維材料が、強化繊維を一方向に引き揃えた一方向材、織物、編物、不織布、編組のストランド状物から選ばれた少なくとも1種の形態を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性繊維強化複合材料。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性繊維強化複合材料を、50℃〜200℃の範囲内の温度で成形してなる成形体。
【請求項9】
強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させて熱可塑性繊維強化複合材料を製造する方法であって、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある、少なくとも1種のアクリル系モノマーを準備または調製するステップと、準備または調製されたアクリル系モノマーを、前記強化繊維材料に含浸させた後重合させる、または、重合させて溶液とした後該溶液を前記強化繊維材料に含浸させるステップとを有することを特徴とする、熱可塑性繊維強化複合材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させた熱可塑性繊維強化複合材料に関し、とくに、低温で優れた成形性をもって所望形状の成形体をプレス成形もしくはスタンピング成形可能な熱可塑性繊維強化複合材料、およびそれを用いた成形体、ならびにその複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無機繊維、有機繊維等の強化繊維材料に各種マトリックス樹脂を含浸させた繊維強化複合材料は広く知られており、とくに目標とする形状の成形体をプレス成形やスタンピング成形により成形する場合、比較的優れた成形性(本願では、生産性を含めた概念として「成形性」と呼ぶ。)を達成するために、熱可塑性樹脂がマトリックス樹脂として使用され、成形前の素材形態としてプリプレグの形態が採用されることが多い。
【0003】
このような熱可塑性繊維強化複合材料を用いて所定形状のプレス成形やスタンピング成形により所定形状の成形体を成形する場合、通常、ホットプレス装置と呼ばれるプレス成形機が使用されるが、一般的なプレス成形機は、例えば150℃程度の成形温度の仕様、高々180℃程度の成形温度の仕様となっている。ところが、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とした従来の繊維強化複合材料を加熱、プレス成形する場合、成形温度として200℃を超える成形温度が要求される場合が多く、その要求を満たすために、一般的なプレス成形機を、200℃を超える温度での成形が可能なように改造して使用することが多い。
【0004】
しかし、このような高温化のための改造を行うと、それだけ設備費が嵩むこととなる。また、上記のように成形温度を上げると、成形時のおける昇温、降温のための時間が長くなり、成形サイクルが長くなって、成形性の向上には限界が生じることとなる。
【0005】
したがって、従来の成形温度よりは低温の成形温度にて、好ましくは、一般的なプレス成形機に改造を加えることなく使用可能な成形温度にて、所定形状の成形体を成形できるようにすることが望まれ、それによって成形性の向上をはかることが望まれる。
【0006】
先に本出願人により、マトリックス樹脂に特定の熱可塑性アクリルモノマーを用い、プリプレグとしての保存管理性、成形性、耐熱性、耐光性の向上をはかり、曲げ強度の向上をはかった繊維強化複合材料が提案されているが(特許文献1)、必ずしも、上記のような問題点に対処するために、成形温度の低温化を達成可能な複合材料とはなっていない。この特許文献1の実施例には、本発明と関連させて観ると、ガラス転移温度(Tg)が105℃〜111℃の範囲内にある、特定の熱可塑性アクリルモノマーを用いたマトリックス樹脂が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−199613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明の課題は、上述したような問題点に着目し、低温の成形温度で優れた成形性をもって所望の成形体をプレス成形やスタンピング成形可能な熱可塑性繊維強化複合材料を提供することにあり、併せてその複合材料を用いて成形した成形体、ならびにその複合材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料は、強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させた複合材料であって、上記マトリックス樹脂がアクリル系樹脂からなり、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあることを特徴とするものからなる。このガラス転移温度(Tg)は、測定の便宜性を考慮して複合材料としてのガラス転移温度(Tg)として規定してあるが、現実には上記マトリックス樹脂のガラス転移温度(Tg)と同等の温度である。
【0010】
このような本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料においては、熱可塑性マトリックス樹脂がアクリル系樹脂からなることで、プレス成形やスタンピング成形の際の良好な成形性を達成できるとともに、それを用いて成形された成形体の優れた機械特性を実現可能である。そして、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあることにより(つまり、低Tgとすることにより)、低温でのプレス成形やスタンピング成形が可能になり、それによって昇温、降温ステップを含む成形サイクルの短縮が可能になって、成形性の向上が可能になる。また、成形温度の低温化により、一般的なプレス成形機を、それに改造を加えることなく使用することが可能になって、設備費の低減をはかることも可能になる。このガラス転移温度(Tg)が0℃よりも低くなると、複合材料として粘着性が高くなるため、例えばプリプレグ形態での取扱い性や保存管理性に問題が生じるおそれがある。一方、ガラス転移温度(Tg)が100℃を超えると、液状の熱可塑性マトリックス樹脂を強化繊維材料に含浸させる際にマトリックス樹脂を隈なく行き渡らせるための含浸性に問題が生じるおそれがある。したがって、本発明ではガラス転移温度(Tg)を0℃〜100℃の範囲内にして規定している。成形性の向上をより確実に達成するためには、このガラス転移温度(Tg)の範囲は、好ましくは0℃〜95℃の範囲であり、より好ましくは0℃〜90℃の範囲である。
【0011】
上記本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料においては、上記マトリックス樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあるモノマー(例えば、ガラス転移温度(Tg)がこの範囲内にある1種のモノマー、あるいはガラス転移温度(Tg)がこの範囲内にある2種以上のモノマーの混合物)を重合させたものを使用できる。
【0012】
また、上記マトリックス樹脂として、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある、モノマー(モノマーA)と該モノマーとは別のモノマー(モノマーB)との混合物(さらには、モノマーCやそれ以外のモノマーを加えた3種以上のモノマーの混合物)を重合させたものを使用できる。この場合、モノマーA、モノマーB(さらには、それら以外のモノマー)のガラス転移温度(Tg)は必ずしも0℃〜100℃の範囲内にある必要はなく、混合物としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあればよい。上記のようなモノマーやモノマーの混合物を使用することで、本発明で規定した複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあることを実現可能である。本発明で使用可能なモノマーの具体例については後述する。
【0013】
また、上記複合材料形態でのマトリックス樹脂は、上記のようなモノマー(モノマーの混合物を含む)を上記強化繊維材料に含浸させた後重合させたものから構成できる。例えば、上記のようなモノマーを常温で強化繊維材料に含浸させた後、加熱により重合させたものから構成できる。
【0014】
あるいは、上記複合材料形態でのマトリックス樹脂は、上記のようなモノマー(モノマーの混合物を含む)を先に重合させて溶液とし、該溶液を上記強化繊維材料に含浸させたものから構成できる。
【0015】
本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料における上記強化繊維材料としては、とくに限定されないが、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維から選ばれた少なくとも1種の強化繊維を使用できる。中でも、マトリックス樹脂との結合性を向上して複合材料としての機械特性を向上するために、マトリックス樹脂内のいずれかの基と結合する官能基を表面に有する強化繊維材料の使用が好ましい。
【0016】
上記強化繊維材料をどのような形態で本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料中に存在させるかについては、とくに限定されないが、上記強化繊維材料が、例えば、強化繊維を一方向に引き揃えた一方向材、織物、編物、不織布、編組のストランド状物から選ばれた少なくとも1種の形態を有することが好ましい。このような形態の強化繊維材料を含む本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料は、必要に応じて、適宜複数積層して成形体の成形に供することができる。
【0017】
本発明に係る成形体は、上記のような熱可塑性繊維強化複合材料を、50℃〜200℃の範囲内の温度で成形してなる成形体からなる。すなわち、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料を用いることにより、低温でのプレス成形やスタンピング成形が可能になり、それによって、とくに成形体の製造における昇温、降温ステップを含む成形サイクルの短縮が可能になって、成形性の向上が可能になる。また、成形温度の低温化により、一般的なプレス成形機を、高温化のための改造を加えることなく使用することが可能になって、設備費の低減をはかることも可能になる。成形温度のより好ましい範囲は50℃〜180℃の範囲であり、さらに好ましい範囲は50℃〜160℃の範囲である。
【0018】
本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料の製造方法は、強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させて熱可塑性繊維強化複合材料を製造する方法であって、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある、少なくとも1種のアクリル系モノマーを準備または調製するステップと、準備または調製されたアクリル系モノマーを、上記強化繊維材料に含浸させた後重合させる、または、重合させて溶液とした後該溶液を上記強化繊維材料に含浸させるステップとを有することを特徴とする方法からなる。少なくとも1種のアクリル系モノマーを準備または調製については、前述したような、ガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある少なくとも1種のモノマーや、混合物としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあるモノマー混合物を準備または調製すればよい。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、熱可塑性繊維強化複合材料を用いたプレス成形やスタンピング成形を、低温で行うことが可能になり、それによって優れた成形性を実現できる。また、従来の一般的なプレス成形機を改造を加えることなく使用することが可能になり、設備費の低減をはかることもできる。
【0020】
本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料を用いることにより、所望の成形体を優れた成形性をもって効率よくかつ低コストで製造することが可能になる。
【0021】
また、本発明に係る複合材料の製造方法は、本発明による知見さえあれば後述の実施例に示すように容易に実施可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明のより具体的な実施の形態について説明する。
本発明に係る熱可塑性繊維強化複合材料は、強化繊維材料に熱可塑性マトリックス樹脂を含浸させた複合材料からなり、この複合材料においては、マトリックス樹脂がアクリル系樹脂からなり、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にある。ガラス転移温度(Tg)の測定は後述の方法による。
【0023】
本発明で熱可塑性マトリックス樹脂を準備または調製するために、少なくとも1種以上のアクリル系モノマーを使用するが、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)を0℃〜100℃の範囲内とするためには、例えば次のような低Tgアクリル系モノマーが使用可能である。これら低Tgアクリル系モノマーは、単独で使用される場合にはそのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあるものが選択されて準備され、2種以上混合して使用される場合には、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内に入るように調製される(したがって、混合されるモノマーとしては、ガラス転移温度(Tg)が100℃より高いもの、0℃よりも低いものも含まれる)。使用可能なアクリル系モノマーとしては、例えばTgの温度範囲別に羅列すると、次のようなものが挙げられる(各アクリル系モノマーの次に記載されているのは、そのガラス転移温度(Tg)である)。
【0024】
100℃以上
メチルメタクリレート:105℃
イソボルニルメタクリレート:180℃
ジシクロペンタニルメタクリレート:175℃
アクリロイルモルホリン:145℃
ジシクロペンタニルメタクリレート:120℃
1−アダマンチルアクリレート:250℃
Tert−ブチルメタクリレート:107℃
ネオペンチルグリコールジアクリレート:105℃
90〜100℃
ヒドロキシエチルアクリルアミド:98℃
イソボルニルアクリレート:94℃
80〜90℃
ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート:87℃
2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート1,9―ノナンジオールアクリレート混合物:88℃
ジエチルアクリルアミド:81℃
2,2,2―トリフルオロエチルメタアクリレート:81℃
60〜70℃
1,9―ノナンジオールジアクリレート:68℃
シクロヘキシルメタクリレート:66℃
エチルメタクリレート:65℃
1,6―ヘキサンジオールジアクリレート:63℃
テトラヒドロフルフリルメタクリレート:60℃
50〜60℃
2−ヒドロキシエチルメタクリレート:55℃
ベンジルメタクリレート:54℃
PEG200#ジアクリレート:50℃
40〜50℃
イソブチルメタクリレート:48℃
30〜40℃
n―ステアリルメタクリレート:38℃
ネオペンチルグルコールジメタクリレート:32.5℃
1H,1H,5H―オクタフルオロベンチルメタアクリレート:36℃
20〜30℃
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート:26℃
n―ブチルメタクリレート:20℃
ジエチルアミノエチルメタクリレート:20℃
エチルアクリレート:20℃
10〜20℃
ラウリルアクリレート:15℃
2−ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート:17℃
ジメチルアミノエチルメタクリレート:18℃
シクロヘキシルアクリレート:15℃
t―ブチルアクリレート:14℃
ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート:10−15℃
0〜9℃
アクリル酸メチル:8℃
ベンジルアクリレート:6℃
3―エチル-オキセタニルメチルメタクリレート:2℃
−10〜0℃
2,2,2―トリフルオロエチルアクリレート:-5℃
ラウリルアクリレート:−3℃
2−ヒドロキシプロピルアクリレート:−7℃
2−エチルヘキシルメタクリレート:−10℃
−20〜−10℃
テトラヒドロフルフリルアクリレート:−12℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート:−15℃
イソステアリルアクリレート:−18℃
−30〜−20℃
イソブチルアクリレート:−26℃
フェノキシエチルアクリレート:−22℃
アクリル酸エチル:−22℃
−50〜−40℃
2−メトキシエチルアクリレート:−50℃
イソジシルメタクリレート:−41℃
−60〜−50℃
アクリル酸ブチル:−54℃
アクリル酸―2―エチルヘキシル:−70℃
2−ヒドロキシプロピルアクリレート:−60℃
−70〜−60℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート:−70℃
【0025】
本発明における物性値の測定および特性の評価は次の方法によった。
(1)ガラス転移温度(Tg)の測定方法:
複合材料としてのガラス転移温度(Tg)およびマトリックス樹脂に使用可能な低Tgアクリル系モノマーのガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量計)を使用し、JIS―K―7121に準拠して測定した。
【0026】
(2):成形性の評価
強化繊維材料として炭素繊維織物を2枚重ねて用い、それにモノマーまたは溶液を含浸させ、200mm×200mm、厚さ1mmの平板状の熱可塑性繊維強化複合材料(炭素繊維強化複合材料:CFRP)の試料を作製した。該試料を、成形温度150℃の条件にてプレス成形した(神藤金属工業社製プレス成形機)。成形性の評価は、60℃に加熱したL字形の雌金型上に150℃で30秒間加熱したCFRP平板をのせ、上からL字形の雄金型をのせて加圧し、平板がどれぐらい金型のL字に沿うかを目視で次の基準によって評価した。
○:金型に沿って正確に変形
△:金型に沿ってL字に変形するがやや変形精度が不足
×:金型に沿って折れ曲がるものの変形が正確にL字に沿わない
【実施例】
【0027】
実施例1〜32、比較例1〜5
強化繊維材料として炭素繊維材料(東レ(株)製、CO6343B)を使用し、熱可塑性マトリックス樹脂として表1〜表10に示すアクリル系モノマー(各モノマーについての表中の数値はそれぞれ重量部で示してある。)と重合開始剤(和光純薬社製)とを使用して、熱可塑性繊維強化複合材料を作製した。条件としては65℃で100分加熱した。得られた熱可塑性繊維強化複合材料のガラス転移温度(Tg)のDSC測定を行うとともに、得られた熱可塑性繊維強化複合材料を用いてプレス成形し、前述の方法により成形性の評価を行った。結果を表1〜表10に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】
表1〜10の結果から明らかなように、複合材料としてのガラス転移温度(Tg)が0℃〜100℃の範囲内にあることにより、優れた成形性が得られることを確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、熱可塑性繊維強化複合材料を使用して成形を行うあらゆる用途に適用可能である。