【解決手段】トナーカートリッジ20は周面に第1の開口部65を有し内部に粉体を収容する円筒状の容器本体63と、容器本体63に対し周方向に回転可能であり第1の開口部65と対応した第2の開口部66を有する外筒64とから成り、第2の開口部66に対応する粉体受入口61を有する受入部57に保持される。容器本体63は第1の開口部65を第2の開口部66と一致させる位置に回転移動して内部を開放し、第1の開口部65を第2の開口部66と一致しない位置に移動して内部を封止する。封止するとき、容器本体63の外周面に固設された封止部材に部分接着されている樹脂フイルム製の蛇腹状部材73が第2の開口部66に付着しているトナーを受入部57内に払い落とす。
周面に第1の開口部を有し内部に粉体を収容する円筒状の容器本体と、該容器本体の外周面に対し周方向に回転可能であり前記第1の開口部と対応した第2の開口部を有する外筒と、から成り、
前記第2の開口部を下方に向けて前記外筒を保持し、該外筒を介して前記容器本体を保持し、下方に向く前記第2の開口部に対応して前記粉体を受け入れる画像形成装置に設けられた粉体受入口を有する受入部、に保持されるべく前記画像形成装置に着脱自在なトナーカートリッジであって、
前記容器本体は、
前記第1の開口部を前記第2の開口部と一致させて前記粉体受入口に対し内部を開放する第1位置及び不一致にして前記粉体受入口に対し内部を封止する第2位置を取り得るよう前記外筒に対し回転可能であり、
前記第1の開口部の周囲と該周囲に連続して前記容器本体の外周面に固定され、該外周面と前記外筒の内周面との間に配置された柔軟部材からなる封止部材を有し、
該封止部材は、
前記容器本体が前記第2位置を取ったとき前記第2の開口部に対応する部分に山折れと谷折れが連続する樹脂フイルム製の蛇腹状部材を備える、
ことを特徴とするトナーカートリッジ。
前記蛇腹状部材は、前記容器本体が前記第1位置から前記第2位置へ移動したとき、山折れ部が前記第2の開口部の縁から外に出るに際し山折れ部の復元力で振動し、前記第2の開口部に残留する前記粉体を前記粉体受入口の内部に振るい落とす、ことを特徴とする請求項1記載のトナーカートリッジ。
前記粉体はトナーであり、前記受入部は前記画像形成装置に配設される現像装置に連通する開口を備えるトナーカートリッジ装着部である、ことを特徴とする請求項1記載のトナーカートリッジ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、印字と印刷は同義の用語として用いられる。
[実施例1]
【0017】
図1は、実施例1に係るフルカラーの画像形成装置(以下、単にプリンタ、又は装置本体という)の内部構成を説明する断面図である。
【0018】
図1に示すプリンタ1(以下、装置本体1とも言う)は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着装置6、及び両面印刷用搬送ユニット7で構成されている。
【0019】
上記画像形成部2は、いわゆる背面転写方式で構成され、転写ベルト8の下部走行面8aにトナー画像を転写するために、その下部走行面8aに接して上流側から下流側(同図の右側から左側)へ4個の画像形成ユニット9(9k、9c、9m、9y)が多段式に並設されている。
【0020】
上記4個の画像形成ユニット9のうち上流側の3個の画像形成ユニット9y、9m及び9cは、それぞれ減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。
【0021】
また、画像形成ユニット9kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。上記の各画像形成ユニット9は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下イエロー(Y)のトナー用の画像形成ユニット9yを例にしてその構成を説明する。
【0022】
画像形成ユニット9は、最上部に像担持体としての感光体ドラム10を備えている。この感光体ドラム10は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム10の周面に当接し又は近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
【0023】
クリーナ11は、内部に搬送スクリューを備えており、感光体ドラム10の周面から除去して底部に滞留する廃トナーを搬送スクリューで、後述する廃トナー搬送路に送り込み、その廃トナーを廃トナー搬送ユニットが廃トナー回収容器29に搬送するようになっている。
【0024】
尚、
図1では、廃トナー搬送ユニットは、転写ベルトユニット3の背面つまり図面奥行き方向向こう側に配置されているので、転写ベルトユニット3の影になって見えない。
【0025】
現像器14は、外部を覆うユニット筐体16、内部に設けられた隔壁17、現像ローラ15、第1の攪拌搬送スクリュー18、及び第2の攪拌搬送スクリュー19を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー18及び19は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0026】
この現像器14には、トナー供給部4のトナーカートリッジ20(20y、20m、20c、20k)から、同図にはY、M、C、Kで示すようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかのトナーが供給される。
【0027】
転写ベルトユニット3は、装置本体のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト8と、この転写ベルト8を掛け渡されて転写ベルト8を図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ21と従動ローラ22を備えている。
【0028】
上記の転写ベルト8には、一次転写ローラ23がユニットと一体に組み込まれている。一次転写ローラ23は転写ベルト8を介して感光体ドラム10に圧接し、下方を循環移動する転写ベルト8の下部走行面8aにトナー像を直接転写(一次転写)する。
【0029】
転写ベルト8は、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく、用紙を二次転写部24まで搬送する。二次転写部24は、駆動ローラ21に隣接して下流側(図では上方)に配置された転写補助ローラ25と、この転写補助ローラ25に転写ベルト8を介して圧接する二次転写ローラ26とで形成されている。
【0030】
転写ベルト8には、ベルトクリーナ27が配置されている。ベルトクリーナ27は、転写ベルト8の従動ローラ22に掛け渡されている表面に当接するクリーニングブレード28を備えている。また、ベルトクリーナ27の左方から下方にかけて隣接して、廃トナー回収容器29が着脱自在に配置されている。
【0031】
ベルトクリーナ27は、クリーニングブレード28により転写ベルト8の表面に残留する廃トナーを擦り取って除去し、その廃トナーを後述する廃トナー搬送路を介して廃トナー回収容器29に送り込んでいる。
【0032】
トナー供給部4は、転写ベルト8の上部走行部の上方に配置される4個のトナーカートリッジ20(20y、20m、20c、20k)を着脱自在に備えている。4個のトナーカートリッジ20には前述したようにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーが収容されている。
【0033】
これら4個のトナーカートリッジ20は、
図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えないが、それぞれ装着部のトナー供給口に続くトナー供給路を介して、それぞれに対応する画像形成ユニット9の現像器14と連結されている。
【0034】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、
図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能に装着部を介してプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0035】
給紙部5は、上下2段に配置された2個の給紙カセット30(30a、30b)を備えている。2個の給紙カセット30の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ31、給送ローラ32、捌きローラ33、待機搬送ローラ対34が配置されている。
【0036】
待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト8、転写補助ローラ25、二次転写ローラ26による前述した用紙への二次転写部24が形成されている。
【0037】
この二次転写部24の下流(図では上方)側にはベルト式定着装置(以下、単に定着装置という)6が配置され、定着装置6の更に下流側には、定着後の用紙を定着装置6から搬出する搬出ローラ対36、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー37に排紙する排紙ローラ対38が配設されている。
【0038】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0039】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対38の直前から図の右横方向に分岐する返送開始路39a、それから下方に曲がる返送中間路39b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる返送終端路39cから成る返送路39を備えている。
【0040】
また、返送路39の途中には、5組の返送ローラ対41(41a、41b、41c、41d、41e)が配置されている。上記返送終端路39cの出口は、給紙部5の下方の給紙カセット30bに対応する待機搬送ローラ対34への搬送路に合流している。
【0041】
図2(a)は上記構成のプリンタ1の現像器14を感光体ドラム10と共に示す拡大断面図であり、
図2(b)は現像器14を
図2(a)の矢印bで示す向に切断して内部構成と現像剤の還流経路を示す断面図である。
【0042】
なお、
図2(a),(b)には
図1の構成と同一の構成部分には
図1と同一の番号を付与して示している。また、
図2(b)では
図2(a)に示すクリーニングブレード56の図示を省略している。
【0043】
図2(a)に示すように、現像器14は、外壁を形成するユニット筐体16と内部の隔壁17とで仕切られる2つの現像槽42(上現像槽42a、下現像槽42b)を備えている。上現像槽42aには、前述した現像ローラ15と第2の攪拌搬送部材19が配置されている。
【0044】
現像ローラ15には、ドクターブレード43が当接している。下現像槽42bには前述した第1の攪拌搬送部材18が配置されている。この現像槽42aにはトナー濃度センサ44がその検知面45を槽内に露出して配置されている。
【0045】
第2の攪拌搬送部材19は、回転軸46とこの回転軸46に螺旋状に固設された螺旋状フィン47とで構成されている。第1の攪拌搬送部材18は、回転軸48とこの回転軸48に螺旋状に固設された螺旋状フィン49とで構成されている。
【0046】
第2の攪拌搬送部材19は、矢印cで示すように図の反時計回り方向に回転し、現像槽42a内の現像剤を螺旋状フィン47で攪拌しながら
図2(a),(b)の矢印e(e1、e2、e3)で示すように
図2(a)の紙面奥行き方向手前から向こう側(
図2(b)では右から左)へ搬送し、その現像剤を現像ローラ15に供給する。
【0047】
現像ローラ15は、現像剤のトナーのみを感光体ドラム10に供給して、感光体ドラム10周面上の静電潜像をトナー像化(現像)する。トナーのみを感光体ドラム10に引き取られた現像ローラ15上の現像剤のキャリアは現像槽42a内の現像剤に混合される。
【0048】
その後、現像剤は第2の攪拌搬送部材19により
図2(a)の紙面奥行き方向向こう側、
図2(b)では左端部の戻し口51において矢印e4で示すように現像槽42bに送り戻される。戻し口51の下方側面には、トナーTnが補給される図示を省略した補給口が開口している。トナー濃度が所定の補給しきい値以下になると、トナーカートリッジ20の補給機構により補給口からトナーが補給される。
【0049】
現像槽42b内の第1の攪拌搬送部材18は、
図2(a)の矢印dで示すように図の反時計回り方向に回転し、現像槽42b内の現像剤を螺旋状フィン49で攪拌しながら
図2(a),(b)の矢印f(f1、f2、f3)で示すように
図2(a)の紙面奥行き方向向こう側から手前、
図2(b)では左から右方へ搬送する。
【0050】
そして、供給口53から矢印f4で示すように現像剤を現像槽42aに送り出す。このように、現像剤の還流とトナーの補給が繰り返されて、トナーによる現像が逐次進行する。
【0051】
上記のトナー濃度センサ44の検知面45は槽内に露出して配置されているので、現像剤が検知面45に滞留しやすい。現像剤が検知面45に滞留するとトナー濃度センサ44の検知精度が低下する。
【0052】
このトナー濃度センサ44の検知精度の低下を防止するために、現像槽42b内の第1の攪拌搬送部材18の回転軸48には、トナー濃度センサ44の検知面45に対向して回転する位置に、ブレード保持部54とこのブレード保持部54に保持された弾性体シート(ブレード)55から成るクリーニングブレード56が固設されている。
【0053】
クリーニングブレード56は、攪拌搬送部材17の回転軸48と共に回転し、トナー濃度センサ44の検知面45を弾性体シート55により摺擦して、検知面45に滞留しようとする現像剤を払い飛ばして、直後に搬送されてくる現像剤と入替える。
【0054】
これにより、トナー濃度センサ44の検知面45に現像剤が滞留することによって生じる虞のあるトナー濃度の誤検知を防止している。
【0055】
もし、現像剤のトナー濃度が規定以下に薄くなっていれば、トナー濃度センサ44がトナー濃度低下を検出する。トナー濃度低下が検出されると、トナー供給部4の当該現像器14に対応するトナーカートリッジ20から補給口を介してトナーTnが補給される。
【0056】
次に、上記の構成におけるプリンタ1の基本動作を説明する。なお、以下の基本動作の説明では、カラー印字の状態における動作について説明する。
【0057】
先ず、電源が投入され、使用する用紙の枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると印字(印刷)が開始される。
【0058】
すなわち、駆動ローラ21が
図1の反時計回り方向に回転して、矢印aで示すように転写ベルト8の循環移動を開始させる。各画像形成ユニット9が順次駆動され感光体ドラム10が図の時計回り方向に回転する。
【0059】
帯電ローラ12が感光体ドラム10周面に一様な高マイナス電荷を付与して初期化し、光書込ヘッド13は、感光体ドラム10周面に画像信号に応じた露光を行って初期化による高マイナス電位部と上記露光による低マイナス電位部からなる静電潜像を形成する。
【0060】
現像ローラ15は、静電潜像の低電位部に現像器14内のトナーを移行させて感光体ドラム10周面上にトナー像を形成(反転現像)する。用紙搬送方向最上流の画像形成ユニット9yにより感光体ドラム10の周面上に形成されたイエローのトナー像が転写ベルト8との対向面へと回転搬送される。
【0061】
一次転写ローラ23は、不図示の転写バイアス電源から出力される転写電流を転写ベルト8に印加する。これにより、感光体ドラム10上のイエローのトナー像が転写ベルト8に一次転写される。
【0062】
転写ベルト8に一次転写されたトナー像に重ねて、この後、画像形成ユニット9mにより感光体ドラム10の周面上に形成されたマゼンタのトナー像が、画像形成ユニット9mに対応する一次転写ローラ23によって転写される。
【0063】
更に、画像形成ユニット9cにより感光体ドラム10の周面上に形成されたシアンのトナー像が、画像形成ユニット9cに対応する一次転写ローラ23によって重ね転写され、そして最後に、画像形成ユニット9kにより感光体ドラム10の周面上に形成されたブラックのトナー像が、画像形成ユニット9kに対応する一次転写ローラ23によって重ね転写される。
【0064】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のトナー像が順次重ねて一次転写されたフルカラーの画像が、転写ベルト8の下部走行面8aに完成する。
【0065】
4色のトナー像を重ねて一次転写された転写ベルト8の下部走行面9aは、そのまま循環移動を続けて4色のトナー像を、転写補助ローラ25と二次転写ローラ26とが対向する二次転写部24へと搬送する。
【0066】
他方、用紙への印字タイミングよりやや早めに、いずれかの用紙取出ローラ31が回転して対応する給紙カセット30a又は30bに収容されている用紙を取り出す。この給紙カセット30a又は30bから取り出された用紙の最上部の一枚のみを送り出すべく下方の用紙の連れ送りを禁止するために捌きローラ33が逆方向に回転する。給送ローラ32は、順方向に回転して用紙を待機搬送ローラ対34へ給送する。
【0067】
待機搬送ローラ対34は、回転を一時停止して用紙の進行を制止し、用紙の斜行等の搬送姿勢を補正して、搬送タイミングを待機し、用紙の印字開始位置が、転写ベルト8により二次転写位置へ搬送されてくる4色のトナー像の先端と一致するタイミングに合わせて、用紙の搬送を再開し、用紙を二次転写位置へ給送する。
【0068】
二次転写位置において、二次転写ローラ26は、不図示のバイアス電源から供給されるバイアス電圧を用紙に印加する。これにより、転写ベルト8上の4色のトナー像が用紙に二次転写される。
【0069】
4色のトナー像を転写された用紙は、そのまま定着装置6に搬入される。定着装置6は熱ベルト式定着装置であり、特には番号を付与して示していないが、断熱性の筐体の内部に、熱源を内蔵する発熱ローラ、熱伝導ベルト、熱伝導ベルトを掛け渡された定着ローラ、定着ローラに対向配置された加圧ローラを備えている。
【0070】
定着装置6は,定着ローラと加圧ローラにより適宜の圧力で熱伝導ベルトを介して用紙を押圧挟持し、用紙に熱と圧力を加えて4色のトナー像を紙面に定着させ、用紙を上方へ排出する。
【0071】
定着装置6から排出された用紙は、搬送ローラ対36により挟持されて搬送を引き継がれ、排紙ローラ対38によって排紙トレイ37上に、4色のトナー像による画像形成面を下にして排出される。
【0072】
上記はカラー印字について述べたが、モノクロ印字については、詳しくは後述するが、転写ベルト8が、画像形成ユニット9kの感光体ドラム10のみに接触し、他の感光体ドラム10から離れる位置に移動する点と、画像形成ユニット9kのみが稼動される点を除けば、他の動作は上述したカラー印字の場合とほぼ同一である。
【0073】
また、両面印刷の場合は、上記のようにして、第1面(表面)にトナー像を形成され、定着装置6で紙面にトナー像を定着された用紙は、排紙ローラ対38によって、途中まで排紙トレー37上に排紙される。
【0074】
そして、用紙の後端が、返送開始路39aとの分岐点に来たタイミングで搬送が停止され、続いて、排紙ローラ対38が逆方向に回転する。これにより、用紙はそれまでの後端を先端にして返送開始路39aに搬入される。
【0075】
続いて、用紙は、返送ローラ対41a〜41dにより搬送され、返送終端路39cで表裏を反転させて待機搬送ローラ対34に給送される。これにより、二次転写部において、前後表裏を反転させた用紙の第2面(裏面)にトナー像が二次転写される。以後の動作は上述したカラー印字の場合と同一である。
【0076】
図3は、上記のプリンタ1の現像器14及びトナーカートリッジ20を、分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げ、転写ベルトユニット3と共に模式的に示す断面図である。尚、
図3には
図1と同一の構成部分には
図1と同一の番号を付与して示している。
【0077】
図3に示すトナーカートリッジ20は、
図1に示すプリンタ1本体に対し前面方向に、着脱自在である。転写ベルトユニット3も同様にプリンタ1本体に対し前面方向に着脱自在である。
【0078】
このトナーカートリッジ20は、トナーTnを収容する円筒状の容器本体63と、外筒64との二重構造になっている。容器本体63には第1の開口部65が形成されており、外筒64には第2の開口部66が形成されている。
【0079】
トナーカートリッジ20と現像器14との間には、転写ベルトユニット3の後方に回り込むようにしてトナー補給路57が配設されている。このトナー補給路57は、下部排出口58を現像器14の受給口59に連結されている。
【0080】
また、トナー補給路57の上部受給口61はトナーカートリッジ20が装着部に装着されたときトナーカートリッジ20のトナー供給口62に連結される。トナー供給口62は、外筒64の第2の開口部66に容器本体63の第1の開口部65が重なったとき開放される。
【0081】
すなわち、容器本体63はトナー供給口62のシャッタを兼ねており、外筒64に対して回転して外筒64の第2の開口部66を外部から遮蔽することにより、トナーカートリッジ20のトナー供給口62を閉じるようになっている。
【0082】
容器本体63の内部にはトナー搬送スクリュー67が配設されているおり、そのスクリュー軸には、外部の駆動系に噛合するギア68が係合している。トナー搬送スクリュー67は、ギア68に回転駆動され、容器本体63内のトナーTnをトナー補給路57の上部受給口61に供給すべくトナー供給口62まで矢印Aの方向に搬送する。
【0083】
トナー供給口62まで搬送されたトナーTnは、トナー補給路57の上部受給口61から、矢印Bで示すように、トナー補給路57を自由落下してトナー補給路57の下部排出口58から現像器14の受給口59を介して現像器14に補給される。
【0084】
ところで、トナーカートリッジ20を装着部か取り外す際、シャッタを兼ねる容器本体63を回転させて容器本体63の外周とこの外周に固設されているスポンジ体とによりトナー供給口62を閉めることになる。
【0085】
このとき、トナー供給口62の縁周囲に残留するトナーを除去するために、トナー供給口62の外側に盛り上がるようにスポンジ体を出張らせたのでは、回転スライドする容器本体63と外筒64と間の摩擦が大きくなって回転トルクが増大し、シャッタ動作が重くなることは前述した。
【0086】
図4(a)〜(d)は、参考のため、上記の問題を改めて説明する図である。なお、
図4(c),(d)は
図4(b)のA−A´断面矢視図である。また、
図4(a)〜(d)は従来構成を示すものであるが、比較上判かりやすくするため、
図3と同一の構成部分には
図3と同一の番号を付与して示している。
【0087】
また、
図4(a)に示すトナーカートリッジ20は、実際には、
図3に示したように、装置本体の装着部に装着されているときの状態を示している。また、そのトナー供給口62は、
図3に示したトナー補給路57の上部受給口61に連結されている。
【0088】
ここで、装着部からトナーカートリッジ20を脱抜するために、
図4(b),(c)に示すようにシャッタを兼ねる容器本体63(
図4(a),(b)では外筒64の内部にあるため図示していない)を矢印gで示す方向に回転させて、容器本体63の外周とこの外周に固設されているスポンジ体69とによりトナー供給口62(66)を閉める。このとき、特には図示しないが、第2の開口部66の縁部周囲にトナーが残留する。
【0089】
そこで、容器本体63をシャッタとして回転させたときトナー供給口62(66)に対応する外周面部分のスポンジ体69の部分に、トナー供給口62(66)の外側に盛り上がる盛り上げスポンジ体69aを形成しておくと、トナーの残留はほぼ解消される。しかし、回転スライドする容器本体63と外筒64間の摩擦が大きくなり、回転トルクが重くなるという問題を生じることは前述した通りである。
【0090】
図5(a),(b)は、上記の問題を解決する本発明の実施例1に係るトナーカートリッジを示す図である。なお
図5(a),(b)には直接本発明に係る部材以外の細部の構成で
図3及び
図4(c),(d)の構成と同一構成の部分には
図3及び
図4(c),(d)と同一の番号を付与して示している。また
図5(a),(b)にはトナー補給路57の上部受給口61も共に示している。
【0091】
図5(a)に示すように、トナー補給路57の上部受給口61の周囲には、トナーカートリッジ20のトナー供給口62から供給されるトナーTnが漏出しないように、例えば適宜のスポンジ部材からなる封止部材71が配設されている。
【0092】
一方、トナーカートリッジ20のトナー供給口62には、
図5(a)に示すように、容器本体63の外周面と外筒64の内周面との間にトナーTnが紛れ込んで、後々障害を引き起こさないように、封止部材72が配設されている。
【0093】
この封止部材72は、容器本体63の第1の開口部65の周囲を囲む周囲封止部72aと、この周囲封止部72aに連続し、容器本体63の矢印gで示す回転方向とは反対方向の外周面に延在する開口封止部72bとで構成される。
【0094】
また、この封止部材72は、例えば適宜のスポンジ部材で構成された柔軟部材からなる。そして、この封止部材72は、容器本体63の外周面に接着剤により固定されている。更に、この封止部材72の開口封止部72bには、
図5(b)に示すように、山折れ部分と谷折れ部分が連続する樹脂フイルム製の蛇腹状部材73が配設されている。
【0095】
蛇腹状部材73は、谷折れ部分を開口封止部72bに固定されている。そして、この蛇腹状部材73は、容器本体63が
図5(b)に示すトナー供給口62つまり外筒64に形成されている第2の開口部66を遮蔽する位置に回転移動したとき、第2の開口部66に対応する部分に形成されている。
【0096】
なお、蛇腹状部材73は、谷折れ部分を開口封止部72bに固定されているだけであるので、
図5(a)のように、容器本体63と外筒64との間に位置するときは、山折れ部分が外筒64の内周面に圧迫されて大部分はつぶれ、残る部分はスポンジ体の開口封止部72bに押し込まれる状態となるので、
図5(a)では蛇腹状部材73は定かには見えない。
【0097】
これにより、蛇腹状部材73は、容器本体63が
図5(a)に示すトナー供給口62を開放する位置から、
図5(b)に示すトナー供給口62を封止する位置へ移動したとき、山折れ部分が第2の開口部66の縁から外に出るに際し、つぶれていた山折れ部分が元の立つ位置に復元する。
【0098】
この山折れ部分の復元力で振動が生じ、この振動で、第2の開口部66つまりトナー供給口62の縁周部に残留するトナーTnが、トナー補給路57の上部受給口61からトナー補給路57内に振るい落とされる。したがって、トナーカートリッジ20のトナー供給口62の縁周部にトナーTnが残留することはない。
【0099】
このように、本発明の実施例1によれば、封止される開口部と蛇腹状部材との干渉により封止部を振動させるので、封止される開口部に付着しているトナーを容易に本体側開口部へ落下させることができる。
【0100】
また、封止部材が蛇腹状になっているので、容器本体とシャッタ部とに摩擦を生じさせる圧力と面積を少なくでき、シャッタ開閉動作の回転トルクを低減でき、操作性が向上する。
【0101】
また、封止部材の蛇腹状の最初に立ち上がり復帰した山折り部分が封止される開口部の付着トナーを擦り切るので、その後の蛇腹状部分に付着するトナーが少なく、したがってトナー汚れが少なくなる。
[実施例2]
【0102】
図6(a)〜(d)は、一般的に粉体を供給する側と受給する側との間に構成される粉体供給口と粉体受給口の連結部に生じる不具合を説明する図である。尚、
図6(a)〜(d)には粉体供給側の供給口近傍の構成のみを示している。
【0103】
図6(a)は粉体供給部75、その下面の供給口76、その周囲部及び周囲部に続く下面に固設された封止スポンジ体77、シャッタ部材78、その開口部79を示している。
図6(b)は供給口76に対しシャッタ部材78が相対的に供給口76を封止する方向に移動した状態を示している。
【0104】
このとき、封止スポンジ体77が単なる平面構成のものであると、
図6(c)に示すように、シャッタ部材78の開口部79において楕円Cで囲んで示す部分に、付着粉体溜りが発生する。
【0105】
尚、シャッタ部材78の開口部79には図示を省略した粉体受給部の受給口が連結されている。したがって、このまま、シャッタ部材78で供給口76を封止した粉体供給部75を受給口から取り外すと付着粉体が飛散する。
【0106】
この不具合を解消すべく、
図6(d)に示すように、封止スポンジ体77の封止時の開口部79に対応する部分に盛り上げスポンジ体77aを予め形成しておく。しかし、付着粉体溜りが少なくなるものの、盛り上げスポンジ体77aの周辺部つまり丸Dで示す部分に付着粉体が発生する。
【0107】
図7(a),(b)は、上記の供給口と受給口の連結部に、本発明のシャッタ構成を適用した場合の例を説明する図である。なお、
図7(a),(b)には、
図6(a)〜(d)では図示を省略した粉体受給部の受給口も共に示している。また、
図7(a),(b)には、
図6(a)〜(d)と同一の構成部分には
図6(a)〜(d)と同一の番号を付与して示している。
【0108】
図7(a)は、シャッタ部材78が左方に移動して、その開口部79と粉体供給部75の供給口76とが連通し、更に粉体受給部81の受給口82に連通している状態を示している。粉体受給部81には、受給する粉体が外部に漏れないように受給口82の周囲に封止部材83が配設されている。
【0109】
そして、粉体供給部75の封止スポンジ体77には、山折れ部分と谷折れ部分が連続する樹脂フイルム製の蛇腹状部材84が配設されている。この場合も、蛇腹状部材84は、谷折れ部分が接着剤等により封止スポンジ体77に固定されている。
【0110】
また、この蛇腹状部材84は、粉体供給部75がシャッタ部材78に対して左方に移動して、粉体受給部81の受給口82との連通を封鎖したときシャッタ部材78の開口部79に対応する位置に形成されている。
【0111】
蛇腹状部材84は、
図7(b)に示すように、粉体供給部75が粉体受給部81の受給口82を封鎖したとき、シャッタ部材78の右端部で山折れ部分が圧迫されて大部分はつぶれ、残る部分は封止スポンジ体77に押し込まれた後、シャッタ部材78の開口部79の縁から外に出るに際し、つぶれていた山折れ部分が元の立つ位置に復元する。
【0112】
この山折れ部分の復元力で振動が生じ、この振動で、開口部79の縁周部に残留する粉体が、粉体受給部81の受給口82内に振るい落とされる。したがって、シャッタ部材78で供給口76を封止した粉体供給部75を受給口から取り外しても、シャッタ部材78の開口部79には粉体が付着していないので、粉体が飛散するおそれはない。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0114】
周面に第1の開口部を有し内部に粉体を収容する円筒状の容器本体と、該容器本体の外周面に対し周方向に回転可能であり前記第1の開口部と対応した第2の開口部を有する外筒と、から成り、
前記第2の開口部を下方に向けて前記外筒を保持し、該外筒を介して前記容器本体を保持し、下方に向く前記第2の開口部に対応して前記粉体を受け入れる画像形成装置に設けられた粉体受入口を有する受入部、に保持されるべく前記画像形成装置に着脱自在なトナーカートリッジであって、
前記容器本体は、
前記第1の開口部を前記第2の開口部と一致させて前記粉体受入口に対し内部を開放する第1位置及び不一致にして前記粉体受入口に対し内部を封止する第2位置を取り得るよう前記外筒に対し回転可能であり、
前記第1の開口部の周囲と該周囲に連続して前記容器本体の外周面に固定され、該外周面と前記外筒の内周面との間に配置された柔軟部材からなる封止部材を有し、
該封止部材は、
前記容器本体が前記第2位置を取ったとき前記第2の開口部に対応する部分に山折れと谷折れが連続する樹脂フイルム製の蛇腹状部材を備える、
ことを特徴とするトナーカートリッジ。
[付記2]
【0115】
前記蛇腹状部材は、前記容器本体が前記第1位置から前記第2位置へ移動したとき、山折れ部が前記第2の開口部の縁から外に出るに際し山折れ部の復元力で振動し、前記第2の開口部に残留する前記粉体を前記粉体受入口の内部に振るい落とす、ことを特徴とする付記1記載のトナーカートリッジ。
[付記3]
【0116】
前記粉体はトナーであり、前記受入部は前記画像形成装置に配設される現像装置に連通する開口を備えるトナーカートリッジ装着部である、ことを特徴とする付記1記載のトナーカートリッジ。
[付記4]
【0117】
付記1乃至3に記載のトナーカートリッジを備える画像形成装置。