【解決手段】本発明の同軸コネクタは、筒状の外部導体110と、絶縁部150と、内部導体120と、を備え、前記絶縁部は、固定された第1の固定部S1と、前記第1の固定部の一方側に位置する第1の弾性部154と、第2の弾性部156と、を含み、前記内部導体は、固定された第2の固定部S2と、前記第2の固定部の一方側に位置する第1の保持部124と、前記第2の固定部の他方側に位置する第2の保持部126と、を含み、前記第1の弾性部は、前記第1の保持部の外周面を前記他の同軸コネクタの内部導体の外周面122a側に向けて付勢し、前記第2の弾性部は、前記第2の保持部の外周面を前記他の同軸コネクタの内部導体の外周面側に向けて付勢する、ことを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態に係る同軸コネクタ(第1の同軸コネクタ、第2の同軸コネクタ)の構成について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、各構成要素はそれらと異なっていてもよく、その要旨を変更しない範囲で変更して実施することが可能である。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る第1の同軸コネクタRおよび第2の同軸コネクタPの斜視図である。なお、
図1における第2の同軸コネクタPは、同軸ケーブルCに固定された状態を示す。
図2Aは、
図1に示す第1の同軸コネクタRのII−II切断線における断面図である。
図2Bは、
図2Aに示IIB領域の部分拡大図である。なお、説明の便宜上、
図2Aにおいては、第1の同軸コネクタRに当接(接触)する第2の同軸コネクタP(外部導体108の筒状導体110)を示す。
【0020】
なお、以下の図においては、同軸ケーブルCの延在する方向をY(Y1、Y2)方向とし、同軸ケーブルCの先端側をY1方向、その反対側をY2方向とする。また、平面視でY(Y1、Y2)方向に直交する方向をX(X1、X2)方向とする。さらに、第1の同軸コネクタRと第2の同軸コネクタPの嵌合する方向をZ(Z1、Z2)方向とし、第1の同軸コネクタRから見て第2の同軸コネクタPの位置する方向をZ1方向、その反対側をZ2方向とする。
【0021】
第1の同軸コネクタRは、レセプタクルとして機能する同軸コネクタであって、第2の同軸コネクタP(プラグ)に嵌合する。
図1、2Aに示すように、第1の同軸コネクタRは、外部導体8と、内部導体20と、板状の絶縁体30と、を有している。また、第2の同軸コネクタPは、外部導体8に接続する外部導体108を有している。外部導体108の筒状導体110の内周には、係合部112が設けられている。なお、第2の同軸コネクタPの構成については、説明の便宜上、後述する。
【0022】
外部導体8は、第2の同軸コネクタPの外部導体108及び図示しない回路基板の接続パッドに接続する。
図1、2Aに示すように、外部導体8は、筒状部10と板状部11を有している。板状部11はX(X1、X2)方向に広がる板状の部分であり、筒状部10は、板状部11の一部がZ1方向に延在するように曲げられることにより形成されている。
【0023】
筒状部10は、第2の同軸コネクタPの外部導体108に接続するための部分である。筒状部10は筒状の電極であり、平面視で内部導体20と同心形状となるように、内部導体20の外周面22から離間して設けられている。また筒状部10の周辺の板状部11が絶縁体30で覆われることにより、筒状部10は絶縁体30によって保持されている。
【0024】
本実施形態においては、外部導体8のうち、Z1方向に延在する筒状の部分を筒状部10とする。筒状部10の図中Z2方向側の端部(筒状部10のうち、板状部11への湾曲が開始する箇所である、板状部11との境界)を一方の端部10aとし、Z1方向側の端部を他方の端部10bとすると、筒状部10の一方の端部10aは、板状部11が絶縁体30で保持されることにより絶縁体30に固定されている。
【0025】
筒状部10には、係合部12が形成されている。係合部12は、第2の同軸コネクタPの外部導体108が係合する部分であり、
図2Aに示すように、その外周面12aは内部導体20側に凹んだ構成を有している。このような構成を有することにより、係合部12の外周面12aは、外部導体108の筒状導体110の内周に設けられた係合部112に係合する。
【0026】
すなわち、第1の同軸コネクタRの筒状部10の外周面側に、第2の同軸コネクタPの外部導体108の筒状導体110が嵌る。これにより、筒状部10の係合部12(内部導体20側に凹んだ部分)に、第2の同軸コネクタPの係合部112が引っかかる。このため、第2の同軸コネクタPの筒状導体110は、第1の同軸コネクタRの筒状部10からの分離が規制される。
【0027】
係合部12は、平面視で筒状部10の外周を一周するように連続して形成されていることが好ましい。また、係合部12は分断された溝状の構成であってもよい。なお、説明の便宜上、係合部12の詳細な構成については後述する。
【0028】
板状部11は、図示しない回路基板の接続パッドに接続するための部分であり、筒状部10と一体形成されている。板状部11は、例えば板状の構成を有しており、そのZ2方向側において接続パッドにはんだで固定される。これにより、外部導体8と回路基板とは電気的に接続される。
【0029】
内部導体20は、第2の同軸コネクタPの後述する内部導体120と電気的に接続する。また、内部導体20は平面視で筒状部10の内側に設けられている。
【0030】
絶縁体30は、筒状部10と内部導体20との間を電気的に絶縁するための絶縁性の部品である。絶縁体30は板状であり、その上面30aから筒状部10と内部導体20がZ1方向に突出している。なお、絶縁体30は、平面視で筒状部10の内側から、筒状部10の外側にわたって設けられている。以下、筒状部10の内側に位置する絶縁体30を内部絶縁体32とし、筒状部10の外側に位置する絶縁体を外部絶縁体34とする。さらに、絶縁体30の内部絶縁体32は、絶縁体30の上面30aから、後述する第1の内周面境界部12dに向けて湾曲状に立ち上がる内壁32aを備える。また、絶縁体の外部絶縁体34は、絶縁体30の上面30aから、後述する第一部14の外周面14aに向けて湾曲状に立ち上がる外壁34aを備える。
【0031】
また、
図1に示すように、絶縁体30(外部絶縁体34)の一端(本実施形態におけるY2方向側)からは、第1の端子部23が突出している。第1の端子部23は、内部導体20と一体形成された端子であり、図示しない回路基板の接続パッド上に搭載された状態で、Z2方向側の面がはんだ付けされる。
【0032】
以下、筒状部10の詳細な構成について説明する。
図2Bに示すように、筒状部10は、内部導体20側に凹む部分である係合部12と、係合部12よりも、筒状部10の一方の端部10a側(図中Z2方向側)に位置する第一部14と、係合部12よりも、筒状部10の他方の端部10b側(図中Z1方向側)に位置する第二部16と、を含んでいる。
【0033】
なお、本実施形態における係合部12とは、筒状部10の外周面のうち、内部導体20側に凹んだ箇所に対応する部分を示す。また、第一部14とは、係合部12からZ2方向に延びる部分であり、第二部16とは、係合部12からZ1方向に延びる部分である。
【0034】
このような構成を有することにより、係合部12の外周面12aは、第一部14の外周面14aおよび第二部16の外周面16aよりも内部導体20側(
図2BにおけるX1方向側)に位置する。また、係合部12の外周面12aのZ2方向側の端12cは、第1の外周面傾斜部13aを介して第一部14の外周面14aに接続し、外周面12aのZ1方向側の端12eは、第2の外周面傾斜部15aを介して第二部16の外周面16aに接続する。
【0035】
なお、第1の外周面傾斜部13aは、第一部14の外周面14aに対して傾斜する面であり、第2の外周面傾斜部15aは、第二部16の外周面16aに対して傾斜する面である。
【0036】
また、係合部12の内周面12bは、
図2Bに示すように、第一部14の内周面14bおよび第二部16の内周面16bの両方よりも内部導体20側に位置することが好ましい。このような構成を有することにより、第1の同軸コネクタRは、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、係合部12と、第一部14及び第二部16との厚さの差が小さくなる。このため係合部12の厚みが薄くなることが防がれ、筒状部10全体の厚さを増やすことなく係合部12の強度を向上することができる。これにより、第1の同軸コネクタRが小型化しても、係合部12の強度を保つことができ、第1の同軸コネクタRの小型化と、強度の向上を実現することができる。
【0037】
なお、このような構成の場合、係合部12の内周面12bのZ2方向側の端12dは第1の内周面傾斜部13bを介して第一部14の内周面14bに接続し、内周面12bのZ1方向側の端(第3の内周面境界部)12fは、第2の内周面傾斜部15bを介して第二部16の内周面16bに接続する。第1の内周面傾斜部13bは第一部14の内周面14bに対して傾斜する面であり、第2の内周面傾斜部15bは第二部16の内周面16bに対して傾斜する面である。
【0038】
なお、本実施形態においては、内周面12bが、第一部14の内周面14bおよび第二部16の内周面16bの両方よりも内部導体20側に位置する例について説明するが、内周面12bは、第一部14の内周面14bおよび第二部16の内周面16bの少なくともいずれか一方よりも内部導体20側に位置していればよい。
【0039】
本実施形態における第1の同軸コネクタRは、筒状部10の内周面12bが第一部14の内周面14bおよび第二部16の内周面16bの少なくともいずれか一方よりも内部導体20側に位置し、さらに、第1の内周面傾斜部13bの位置が、第1の外周面傾斜部13aの位置に対して、筒状部10の一方の端部10a側(Z2方向側)にずれていることにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、係合部12と、第一部14及び第二部16のうちの少なくとも一方との厚さの差が小さくなる。
【0040】
このため係合部12の厚みが薄くなることが防がれ、筒状部10全体の厚さを増やすことなく係合部12の強度を向上することができる。これにより、第1の同軸コネクタRが小型化しても、係合部12の強度を保つことができ、第1の同軸コネクタRの小型化と、強度の向上を実現することができる。
【0041】
また、絶縁体30の上面30aから、第1の外周面傾斜部13aと係合部12の外周面12aとの境界である端(第1の外周面境界部)12cまでの距離d1は、絶縁体30の上面30aから、第1の内周面傾斜部13bと係合部12の内周面12bとの境界である端(第2の内周面境界部)12dまでの距離d2よりも大きいことが好ましい。
【0042】
このような構成を有することにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べて、第1の外周面傾斜部13aと内周面12bとの距離(筒状部10のうち、第1の外周面傾斜部13aに対応する領域の厚み)が確保される。このため、第1の外周面傾斜部13aに対応する部分の強度の低下が防がれる。
【0043】
また、このような構成を有することにより、筒状部10に応力が加わっても、応力の作用する位置が、筒状部10の外周面(第1の外周面境界部12c)と内周面(第1の内周面境界部12d)とで、異なる高さとなる。このため、第1の同軸コネクタRは、本構成を有さない同軸コネクタと比べて、第1の同軸コネクタRに加えられた応力が分散されやすい。
【0044】
これにより、応力の作用による筒状部10の変形が防がれ、筒状部10の強度が向上する。以上により、これにより、第1の同軸コネクタRが小型化しても、係合部12の強度を保つことができ、第1の同軸コネクタRの小型化と、強度の向上を実現することができる。
【0045】
なお、絶縁体30の上面30aから第1の外周面境界部12cまでの距離d1は、上面30aから、第1の内周面傾斜部13bと第一部14の内周面14bとの境界である第1の内周面境界部12hまでの距離よりも大きいことが好ましい。また、上面30aから、第1の外周面傾斜部13aと第一部14の外周面14aとの境界である第3の外周面境界部12gまでの距離は、上面30aから第1の内周面境界部12hまでの距離よりも大きいことが好ましい。
【0046】
また、上面30aから第3の外周面境界部12gまでの距離は、上面30aから第2の内周面境界部12dまでの距離d2よりも大きいことが好ましい。
【0047】
本実施形態における第1の同軸コネクタRは、このような構成を有することにより、本構成を有さない同軸コネクタRと比べ、
図2Bに示すように、筒状部10のうち、第2の内周面境界部12dに対応する箇所の厚みが大きくなる。このため、応力が作用した際の筒状部10の変形を防ぐことができる。
【0048】
また、絶縁体30の上面30aから、第2の外周面傾斜部15aと係合部12の外周面12aとの境界である端(第2の外周面境界部)12eまでの距離d3は、絶縁体30の上面30aから、第2の内周面傾斜部15bと係合部12の内周面12bとの境界である端(第3の内周面境界部)12fまでの距離d4よりも小さいことが好ましい。
【0049】
このような構成を有することにより、本実施形態における第1の同軸コネクタRは本構成を有さない同軸コネクタと比べて、筒状部10に加わる応力の作用する箇所が多くなる。このため、筒状部10に加わった応力が分散されやすくなり、筒状部10の強度が向上する。
【0050】
さらに、絶縁体30の上面30aから第2の外周面境界部12eまでの距離d3は、上面30aから、上面30aから、第2の内周面傾斜部15bと第二部16の内周面16bとの境界である第4の内周面境界部12jまでの距離よりも小さく、上面30aから、第2の外周面傾斜部15aと第二部16の外周面16aとの境界である第4の外周面境界部12iまでの距離は、第4の内周面境界部12jまでの距離よりも小さいことが好ましい。
【0051】
また、上面30aから第4の外周面境界部12iまでの距離は、上面30aから第3の内周面境界部12fまでの距離よりも小さいことが好ましい。
【0052】
本実施形態における第1の同軸コネクタRはこのような構成を有することにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、筒状部10のうち、第3の内周面境界部12fに対応する箇所の厚みが大きくなる。このため、応力が作用した際の筒状部10の変形を防ぐことができる。
【0053】
また、筒状部10はこのような構成を有することにより、筒状部10に加わった応力の作用する箇所(第1の外周面境界部12c、第1の内周面境界部12h、第2の外周面境界部12e、第2の内周面境界部12d、第3の外周面境界部12g、第3の内周面境界部12f、第4の外周面境界部12i、第4の内周面境界部12j)の、絶縁体30の上面30aからの距離がそれぞれ異なる大きさとなる。このため、応力の作用による筒状部10の変形が防がれ、筒状部10の強度が向上する。
【0054】
さらに、
図2Bに示すように、第2の同軸コネクタPの側方(Y方向)から見た状態で、第1の外周面境界部12cから第3の外周面境界部12gに至る第1外周面傾斜部13aの長さ(第1の外周面境界部12cから第3の外周面境界部12gまでの距離の長さ)は、第2の内周面境界部12dから第1の内周面境界部12hに至る第1の内周面傾斜部13bの長さ(第2の内周面境界部12dから第1の内周面境界部12hまでの距離)より長いことが好ましい。
【0055】
このような構成を有することにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、第1の同軸コネクタRの係合部12と内部導体20との間隔を小さくすることなく、第2の同軸コネクタPの係合部112と接する領域が確保される。また、第1の同軸コネクタRと第2の同軸コネクタP同士を確実に係合しつつ、筒状部10に加わった応力の作用する箇所の、前記絶縁体30の上面30aからの距離を異なる大きさに形成できとすることができる。さらに、このため、筒状部10全体の厚さを増大させることなく、筒状部10の強度を向上することができ、導通低下を防ぐことができる。
【0056】
また、
図2Bに示すように、第1の内周面境界部12hは、内部絶縁体32と筒状部10の境界32bよりも、絶縁体30の下面30b側(Z2方向側)に位置することが好ましい。このような構成を有することにより、板状部11と内部絶縁体32との境界36のうち、屈曲した箇所(第1の内周面境界部12h)が、絶縁体30の内壁32aに覆われた状態となる。
【0057】
本実施形態における第1の同軸コネクタRはこのような構成を有することにより、第1の同軸コネクタRの板状部11のZ2方向側の面が図示しない回路基板にはんだ付けされた際に、溶融したはんだが板状部11と内部絶縁体32との境界36を上面30a側(Z1方向側)に浸透しても、境界36の屈曲点となる第1の内周面境界部12hにおいて浸透しづらくなる。このため、浸透したはんだが上面30a側に浸透することが食い止められ、第1の同軸コネクタRと回路基板との接続不良や、外部導体8と内部導体20の短絡を防ぐことができる。
【0058】
また、係合部12は、ビード加工によって形成されていることが好ましい。具体的には、筒状に成形した金属板(筒状部10)の内側に、溝状に凹む凹部が設けられた円柱状の第1の型を配置し、筒状部10の外側から、峰状に突出する凸部が設けられた筒状の第2の型によって第1の型の方向へ圧力を加えればよい。凹部と凸部は対応する領域に設けられているため、第2の型により筒状部10を第1の型へ押し付けることにより、凸部と凹部によって挟まれた部分が変形して係合部12が形成される。
【0059】
本実施形態における第1の同軸コネクタRは、このように係合部12がビード加工によって形成されていることにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べて、高い強度を実現することができる。
【0060】
なお、係合部12は、ビード加工により形成されたものに限られず、その他の方法により形成されたてもよい。例えば、筒状部10は、峰状の凸部が形成された金属板が筒状に巻かれたものであってもよい。
【0061】
また、本実施形態における第1の同軸コネクタRは、平面視で係合部12が筒状部10の外周を一周するように連続して形成されていることにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べて、係合部12の占める長さが長くなる。このため、筒状部10の強度向上を実現することができ、導通低下を防ぐことができる。
【0062】
次いで、第2の同軸コネクタPの構成について説明する。
図3は、
図1に示す第2の同軸コネクタPの斜視図であり、
図4は、
図3に示す第2の同軸コネクタPの斜視図であり、
図5は、
図3に示す内部導体120をZ2方向から見た平面図であり、
図6は、
図3に示す第2の同軸コネクタPの内部導体120および外部導体108をZ2方向から見た平面図である。なお、説明の便宜上、
図3においては、同軸ケーブルCの先端に第2の同軸コネクタPが固定された状態を示す。
【0063】
説明の便宜上、はじめに同軸ケーブルCの構成について説明する。同軸ケーブルCは、金属からなる内部導体線C1を有し、その外周を覆うように、絶縁材料からなる誘電体C2が形成されている。また、誘電体C2の外周を覆うように、金属からなる外周導体線C3が形成されている。さらに、外周導体線C3の外周は、絶縁材料である保護被覆層C4によって覆われている。
【0064】
同軸ケーブルCの、第2の同軸コネクタP側(
図3におけるY1方向側)の端部は、誘電体C2と外周導体線C3と保護被覆層C4の一部が除去されており、内部導体線C1と外周導体線C3の一部が露出されている。
【0065】
次いで、第2の同軸コネクタPの概略構成について説明する。第2の同軸コネクタPは、プラグとして機能する同軸コネクタであり、先述した第1の同軸コネクタRに嵌合する。また、第2の同軸コネクタPは、
図3に示すように、同軸ケーブルCに接続されるコネクタである。
【0066】
図3,4に示すように、第2の同軸コネクタPは、外部導体108と、絶縁部150と、内部導体120と、を有している。
【0067】
外部導体108は、
図1で示される他の同軸コネクタ(第1の同軸コネクタR)の外部導体8に電気的に接続するための導体である。
図3,4に示すように、外部導体108は、筒状導体110と、アーム部118と、第1のカバー部160と、第2のカバー部170と、第3のカバー部180と、第4のカバー部190と、を有している。筒状導体110は筒状の導体であり、平面視で内部導体120と同心形状となるように配置されている。
【0068】
筒状導体110は、第1の同軸コネクタRの筒状部10に係合して電気的に接続するための部分である。筒状導体110は、その内周面に係合部112が形成されている。係合部112は、第1の同軸コネクタRの係合部12に係合するための構成であり、内部導体120側に突出した凸状の構成を有している。このような構成を有することにより、係合部112は、第1の同軸コネクタRの係合部12の外周に引っかかり、第1の同軸コネクタRの筒状部10からの分離が規制される。
【0069】
2本のアーム部118(118a、118b)は、平面視で略C字形状の筒状導体110と一体形成されており、筒状導体110の各端部110a、110b(C字形状の端の部分)から、同軸ケーブルC側(Y2側)に延在している2本のアーム部118a、118bを備える。
【0070】
また、
図4に示すように、アーム部118(118a、118b)のY2方向側の端部には、それぞれガイド部118c、118dが設けられていることが好ましい。さらに、ガイド部118c、118dのY2方向側の端部には、筒状部10の外側(
図4におけるY2方向側)に延在する2本の延在部119(119a、119b)がそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0071】
ガイド部118c、118dは、同軸ケーブルCの内部導体線C1の位置決めのために、誘電体C2をガイドする部分である。
図4に示されるように、ガイド部118c、118dは、それぞれアーム部118a,118bのY2方向側の端部から延在部119に向けてZ1方向に傾斜するように形成されている。
【0072】
すなわち、ガイド部118c、118dは、誘電体C2の外周に接するよう、互いに対向するようにZ1方向に傾斜されている。ガイド部118c、118dはこのような構成を有することにより、Z1方向に傾斜する傾斜面118e、118fを有する凹部118gを構成する。つまり、ガイド部118cとガイド部118dとが組み合わさり、凹部118gが形成されている。このような構成を有することにより、同軸ケーブルCを第2の同軸コネクタPに搭載することにより、同軸ケーブルCの誘電体C2の外周が、凹部118gの傾斜面118e、118fに接触する。このため、同軸ケーブルCの誘電体C2を容易に定位置にガイドすることができる。これにより、同軸ケーブルCの内部導体線C1を、後述する第2の端子部123に対し、容易に、かつ、正確に位置決めすることができる。
【0073】
また、ガイド部118c、118dのY2向側の端部より、2本の延在部119a、119bが互いに略平行に間隔を保ってY2方向側に延在している。なお、本実施形態における「略平行」とは、完全に平行な構成のみならず、製造上の誤差の範囲を含む。
【0074】
本実施形態における第2の同軸コネクタPは、このような構成を有することにより、延在部119上に、同軸ケーブルCの外周導体線C3を載置することで、外周導体線C3の最も下側(
図4におけるZ2方向側)が、延在部119aと延在部119bの間に載置されるように配置される。このため、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、同軸ケーブルCの位置決めを正確に行うことができる。
【0075】
また、2本の延在部119が外部導体108のガイド部118c、118dのY2方向側の端部から延在するように形成されていることにより、位置決め用の部材を別途設けることなく、同軸ケーブルCの位置決めを行うことができる。
【0076】
なお、延在部119は金属からなることが好ましいが、加工時の加熱による影響が出ないものであれば、その他の材料であってもよい。また、延在部119aと延在部119bの間の距離は、同軸ケーブルCの外周導体線C3の直径に応じて適宜調整すればよい。
【0077】
第1のカバー部160と、第2のカバー部170と、第3のカバー部180と、第4のカバー部190は、筒状導体110と一体形成され、互いに導通している。第1のカバー部160は、筒状導体110の嵌合面と反対側(Z2方向)の面を覆うための部材である。また、第1のカバー部160は、筒状導体110、絶縁部150及び内部導体120が載置される第1の載置部162と、筒状導体110の外周111の一部と係合する第1の側部164と、を有している。
【0078】
第1の側部164の内周(内部導体120側)には、
図3,4に示すように、凸部164aが設けられていることが好ましい。凸部164aは、筒状導体110を第1のカバー部160に固定するために設けられた、内部導体120側に突出する凸部である。具体的には、筒状導体110の外周111に設けられた第1の凹部111aに凸部164aが係合することにより、筒状導体110は第1のカバー部160に固定される。
【0079】
本実施形態における第2の同軸コネクタPは、第1のカバー部160に凸部164aが設けられていることにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、筒状導体110を第1のカバー部160に確実に固定することができる。
【0080】
本実施形態における筒状導体110は、係合部112の内周面が第1の同軸コネクタRの筒状部10に設けられた係合部12の外周面と係合することにより、筒状導体110を外側に開くような応力が加わる。これにより筒状導体110が第1のカバー部160の第1の側部164に付勢されていても、凸部164aが凹部111aに係合されていることにより、筒状導体110を外側に開くような応力が第1の側部164に作用する。このため、第1の側部164の応力によってさらに筒状導体110を外側に開くような応力にさからう応力を増大させることができ、筒状導体110の過度な変形や、筒状導体110が第1のカバー部160から外れてしまうことを防ぐことができる。
【0081】
第2のカバー部170は、アーム部118が固定されるための部材である。第2のカバー部170は、アーム部118が載置される第2の載置部172と、アーム部118と係合する第2の側部174とを有している。
【0082】
第2のカバー部170の第2の側部174の内周面側(アーム部118側)は、アーム部118に固定されていることが好ましい。具体的には、
図3,4に示すように、第2のカバー部170の第2の側部174の内周面に凸部174aが設けられることにより、凸部174aとアーム部118a,118bの上面が係合されてもよい。
【0083】
本実施形態における第2の同軸コネクタPは、このような構成を有することにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、外部導体108のアーム部118を第2のカバー部170に確実に固定することができる。また、第2のカバー部170の第2の側部174の内周面に設けられた凸部174aが、アーム部118a,118bの上面と係合することにより、筒状導体110を外側に開く応力がアーム部118a,118bに伝わっても、アーム部118が第2の載置部172から浮くことや、第2のカバー部170から外れてしまうことを防ぐことができる。
【0084】
また、このようにアーム部118が第2のカバー部170に固定されることにより、
図4に示す延在部119a、119bの位置ずれを防ぐことができる。このため、延在部119a、119bにより、同軸ケーブルCを正確に位置合わせすることができる。
【0085】
第3のカバー部180は同軸ケーブルCの外周導体線C3を固定するための部分であり、第4のカバー部190は同軸ケーブルCの保護被覆層C4を固定するための部分である。
図3に示す第3のカバー部180は、かしめられることにより外周導体線C3との接圧が保たれ、外周導体線C3と電気的に接続する。また、第4のカバー部190も、かしめられることにより保護被覆層C4との接圧が保たれて、保護被覆層C4を固定する。
【0086】
絶縁部150は、外部導体108と内部導体120との間を電気的に絶縁するための絶縁性の部材であって、筒状導体110の内側に配置されている。絶縁部150は、例えば樹脂やゴムからなり、後において説明するように、弾性変形できるように構成されている。絶縁部150の詳細な構成については、説明の便宜上後述する。
【0087】
内部導体120は、第1の同軸コネクタRの内部導体20と接続するための導体であって、平面視で絶縁部150の内側に配置されている。具体的には、内部導体120の内側に第1の同軸コネクタRの内部導体20が嵌め込まれることにより、内部導体120の内周面122bと第1の同軸コネクタRの内部導体20の外周面22とが接圧が保たれた状態で接触する。これにより、同軸ケーブルCと第2の同軸コネクタPと第1の同軸コネクタRは互いに電気的に接続する。
【0088】
図5に示すように、内部導体120は、端子部123のY1方向側の端部に固定される第2の固定部S2と、第2の固定部S2の一方側(X1方向側)に位置する第1の保持部124と、第2の固定部S2の他方側(X2方向側)に位置する第2の保持部126と、を含んでいる。また、内部導体120のY2側には、内部導体120と一体形成された第2の端子部123が設けられている。第2の端子部123は、同軸ケーブルCの内部導体線C1に電気的に接続する端子である。
【0089】
図4、6に示すように、絶縁部150は、第1の固定部S1からY2方向に延在する保持部158を有しており、第2の端子部123を固定している。保持部158と第2の端子部123は、アーム部118aと118bの間に固定されている。
【0090】
第1の保持部124と第2の保持部126は、先述した第1の同軸コネクタRの内部導体20との接圧を保つための部分である。また、第2の固定部S2は、第1の保持部124と第2の保持部126の固定支点として作用する部分である。
【0091】
なお、第1の同軸コネクタRの内部導体20の直径は、内部導体120の内周面122bが囲む領域の直径よりも大きい。このため、第1の保持部124及び第2の保持部126の内側に第1の同軸コネクタRの内部導体20が嵌め込まれることで第1の保持部124と第2の保持部126は内周面122b側から押し広げられるとともに、第1の同軸コネクタRの内部導体20の外周面22に第1の保持部124及び第2の保持部126の内周面122bが付勢される。
【0092】
なお、第1の保持部124のY1方向側の端部124aと、第2の保持部126のY1方向側の端部126aは、第2のスリットG2を介して離間している。なお、第2のスリットG2は、内部導体120の内周面122bが囲む領域の中心点Oから半径方向に向かうように形成されている。このような構成を有することにより、第1の保持部124及び第2の保持部126の弾性力は、第2の固定部S2を固定支点として、第2のスリットG2を閉じるように作用する。
【0093】
図5は、内部導体120をZ2方向(第1の同軸コネクタRの内部導体20の嵌合方向)から見た平面図であるが、
図5に示すように、第1の保持部124と第2の保持部126の平面視形状は、それぞれ円弧形状であり、第1の保持部124と第2の保持部126の境界である第2の固定部S2が、一箇所に固定されている。
【0094】
また、第1の保持部124と第2の固定部S2と第2の保持部126とが連なる平面視形状は、第2のスリットG2を開口としたC字形状であることが好ましい。本実施形態における第2の同軸コネクタPは、このような構成を有することにより、第1の保持部124と第2の保持部126が、第2の固定部S2を支点として、第2のスリットG2を開閉するように作用する。
【0095】
このため、第1の保持部124と第2の保持部126の内側に第1の同軸コネクタRの内部導体20が嵌め込まれることにより、第1の同軸コネクタRの内部導体20と第2の同軸コネクタPの内部導体120とが接圧を保った状態で接触し、互いに導通が保たれる。なお、
図5に示されるように、内部導体120の内周面122bに、中心点Oに向けて突出する凸部122cを形成されてもよい。内周面122bに凸部122cが形成されることにより、凸部122cと第1の同軸コネクタRの内部導体20との接圧が保たれ、内部導体120と第1の同軸コネクタRの内部導体20との導通を安定的に保つことができる。
【0096】
また、第1の保持部124の外周面122aと第2の保持部126の外周面122aにはそれぞれ、第1の接続部128と第2の接続部129とが設けられていてもよい。第1の接続部128と第2の接続部129は、絶縁部150の弾性力を、第1の保持部124と第2の保持部126に伝える部材である。
【0097】
第1の接続部128は、第1の保持部124と絶縁部150を部分的に接続している部材であり、第2の接続部129は第2の保持部126と絶縁部150を部分的に接続している部材であれば、その構成は特に限定されない。なお、本実施形態においては、内部導体120と絶縁部150は、一体成形されることにより接続されているが、内部導体120と絶縁部150の接続のされ方はこれに限られず、圧入等いかなる方法が用いられてもよい。
【0098】
本実施形態においては、
図5に示すように、第1の保持部124から絶縁部150の方向へ延在する構成の第1の接続部128と、第2の保持部126から絶縁部150の方向へ延在する構成の第2の接続部129を例として説明する。なお、第1の接続部128の絶縁部150側の端部128aと、第2の接続部129の絶縁部150側の端部129aは、それぞれ絶縁部150に固定される。
【0099】
図5に示すように、第1の接続部128と第2の接続部129は、中心点Oよりも第2のスリットG2側(Y1方向側)に設けられていることが好ましい。具体的には、第1の接続部128と中心点Oと端部124aとが成す角度、及び、第2の接続部129と中心点Oと端部126aとが成す角度は、第1の接続部128と中心点Oと第2の固定部S2とが成す角度、及び、第2の接続部129と中心点Oと第2の固定部S2とが成す角度よりも小さい。
【0100】
このような構成を有することにより、第1の接続部128と第2の接続部129が中心点Oよりも第2の固定部S2側に設けられた構成と比べ、絶縁部150からの弾性力が、効率的に第1の保持部124と第2の保持部126に伝えられる。このため、絶縁部150からの弾性力が第2のスリットG2を閉じるように作用しやすく、内部導体120と、第1の同軸コネクタRの内部導体20との接圧が保たれやすくなる。また、第1の接続部128と第2の接続部129は、内部導体120の内周面122bが囲む領域の中心点Oを通る、X方向のX軸線よりもY1方向側に形成されることが望ましい。このような構成を有することにより、さらに、内部導体120と、第1の同軸コネクタRの内部導体20との接圧が保たれやすくなる。
【0101】
次いで、絶縁部150の詳細な構成について説明する。絶縁部150は、固定された部分である第1の固定部S1と、第1の固定部S1の一方側(X1方向側)に位置する、第1の固定部S1を支点として弾性的に動く第1の弾性部154と、第1の固定部S1の他方側(X2方向側)に位置する、第1の固定部S1を支点として弾性的に動く第2の弾性部156と、を含んでいる。
【0102】
第1の弾性部154は、第1の保持部124の外周面122aを他の同軸コネクタ(第1の同軸コネクタR)の内部導体20の外周面22側(
図6における、内部導体120の内側の中心点O側)に向けて付勢するための部分であり、第2の弾性部156は、第2の保持部126の外周面122aを第1の同軸コネクタRの内部導体20の外周面22側に向けて付勢するための部分である。
【0103】
絶縁部150は、その構成により弾性変形可能であり、中心点Oに向けて付勢力を有する。このため、絶縁部150に固定された第1の接続部128と第2の接続部129を介して、第1の保持部124と第2の保持部126は、中心点Oに向けて付勢される。
【0104】
また、第1の固定部S1は、第1の弾性部154と第2の弾性部156の固定支点として作用する部分である。
【0105】
第1の弾性部154の端部154aと第2の弾性部156の端部156aとは、第1のスリットG1を介して離間している。第1のスリットG1は、中心点Oから半径方向に向かうように形成されている。このような構成を有することにより、第1の弾性部154及び第2の弾性部156の弾性力は、第1の固定部S1を固定支点として、第1のスリットG1を閉じるように作用する。
【0106】
図6は、内部導体120及び絶縁部150をZ2方向(第1の同軸コネクタRの内部導体20の嵌合方向)から見た平面図であるが、
図6に示すように、第1の弾性部154と第2の弾性部156の平面視形状は、それぞれ円弧形状であり、第1の弾性部154と第2の弾性部156の境界である第1の固定部S1は、一箇所に固定されている。
【0107】
また、第1の弾性部154と第1の固定部S1と第2の弾性部156とが連なる平面視形状は、第1のスリットG1を開口としたC字形状であることが好ましい。本実施形態における第2の同軸コネクタPは、このような構成を有することにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、第1の弾性部154と第2の弾性部156が第1のスリットを閉じるように作用する弾性力が第1の保持部124と第2の保持部126に伝えられて、第2のスリットG2を閉じるように作用する。このため、第1の同軸コネクタRの内部導体20と、第2の同軸コネクタPの内部導体120との接圧が保たれ、互いの導通が保たれる。
【0108】
また、このような構成を有することにより、第1の弾性部154と第2の弾性部156の弾性力はX方向及びY方向に作用する。このため、第1の弾性部154と第2の弾性部156のZ方向の厚みを抑えることができ、第2の同軸コネクタPの小型化を実現することができる。
【0109】
図6に示すように、第1のスリットG1と第2のスリットG2は、第1の固定部S1から同じ方向(
図6においては、Y1方向)に位置することが好ましい。本実施形態における第2の同軸コネクタPは、このような構成を有することにより、第1の弾性部154と第2の弾性部156が第1のスリットG1を閉じようとする方向と、第1の保持部124と第2の保持部126が第2のスリットG2を閉じようとする方向とが一致する。
【0110】
このため、第1の弾性部154と第2の弾性部156の弾性力に加えて、第1の弾性部154と第2の弾性部156が第1のスリットG1を閉じようとする弾性力を、第1の保持部124と第2の保持部126に対し、第2のスリットG2を閉じる力として伝えることができる。これにより、第1の同軸コネクタRの内部導体20と、第2の同軸コネクタPの内部導体120との接圧と導通が保たれる。
【0111】
本実施形態における第2の同軸コネクタPは、第1の弾性部154と第2の弾性部156が弾性力を有することにより、第1の弾性部154が、内部導体120の第1の保持部124の外周面122aを、第1の同軸コネクタRの内部導体20の外周面側(中心点O側)に向けて付勢する。また、同様に、第2の弾性部156は、内部導体120の第2の保持部126の外周面122aを第1の同軸コネクタRの内部導体20の外周面側(中心点O側)に向けて付勢する。
【0112】
このため、内部導体の第1の保持部124及び第2の保持部126の有する弾性力に加えて、第1の弾性部154と第2の弾性部156の弾性力を、第1の同軸コネクタRの内部導体20の方向(中心点O側)に向けて作用させることができる。これにより、本構成を有さない同軸コネクタと比べて、第1の内部導体20の第1の保持部124及び第2の保持部126は、第2の同軸コネクタPの内部導体120の外周面122aに強い力で付勢される。
【0113】
このため、第1の同軸コネクタRと第2の同軸コネクタPが小型化しても、第1の同軸コネクタRの内部導体20と、第2の同軸コネクタPの内部導体120との接圧が保たれる。これにより、第1の同軸コネクタRと第2の同軸コネクタPの導通の低下の抑制と、第1の同軸コネクタRと第2の同軸コネクタPの小型化を実現することができる。
【0114】
また、本実施形態における第2の同軸コネクタPは、絶縁部150が第1の弾性部154と第2の弾性部156との間に第1のスリットG1を有することにより、第1の弾性部154と第2の弾性部156の弾性力は、第1のスリットG1を閉じるように作用する。さらに、第1の弾性部154と第1の保持部124が接続され、第2の弾性部156と第2の保持部126が接続されているため、第1のスリットG1を閉じようとする第1の弾性部154及び第2の弾性部156の弾性力は、第2のスリットG2を閉じるように作用する。
【0115】
このため、本実施形態における第2の同軸コネクタPは、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、第1の同軸コネクタRの内部導体20と、第2の同軸コネクタPの内部導体120との接圧が保たれる。これにより、第1の同軸コネクタRと第2の同軸コネクタPの導通の低下の抑制を実現することができる。なお、第2のスリットG2の円周方向における開口幅は、第1のスリットG2のその開口幅よりも大きいことが望ましい。このような構成を有することにより、第1の弾性部154の端部154aと第2の弾性部156の端部156aとが接触することが防がれる。このため、確実に絶縁部150の付勢力を内部導体120に作用させることができる。
【0116】
次いで、第2の実施形態に係る同軸コネクタ(第3の同軸コネクタ)P2について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る第3の同軸コネクタP2を示す概略平面図であり、
図8は、
図7に示す第3の同軸コネクタP2をX1方向から見た概略側面図である。
【0117】
第2の実施形態に係る第3の同軸コネクタP2は、絶縁部250の弾性部(第1の弾性部254、第2の弾性部256)の外周面258の一部が、外部導体210の内周面212の一部と係合する点が、第1の実施形態に係る第2の同軸コネクタPと異なっている。よって、以下、外部導体210と絶縁部250に関する構成について説明し、第1の実施形態に係る第2の同軸コネクタPと同様の構成についてはその説明を省略する。
【0118】
本実施形態における絶縁部250の第1の弾性部254と第2の弾性部256は、その外周面258の一部に凸部258aを有している。凸部258aは、外部導体210の内周面212の一部に係合するために設けられている。
【0119】
また、外部導体210の内周面212には、凸部258aに対応する領域に凹部212bが設けられている。凹部212bは、凸部258aに係合して、第1の弾性部254と第2の弾性部256の一部を固定するための構成である。凹部212bは、例えば、
図8に示すように外部導体210の一部を貫通する孔状の構造であってもよい。
【0120】
本実施形態における第3の同軸コネクタP2は、絶縁部250の弾性部(第1の弾性部254、第2の弾性部256)の外周面258の一部(凸部258a)が、外部導体210の内周面212の一部(凹部212b)と係合することにより、第1の弾性部254と第2の弾性部256のロバスト性が保たれる。このため、第1の弾性部254と第2の弾性部256が、第1の弾性部254の端部254aと第2の弾性部256の端部256aとを離間する第3のスリットG3を閉じようとする力が保たれる。
【0121】
このため、本実施形態における第3の同軸コネクタP2は、本構成を有さない同軸コネクタと比べ、他の同軸コネクタの内部導体との接圧が保たれる。これにより、他の同軸コネクタとの導通の低下の抑制を実現することができる。
【0122】
また、本実施形態における第3の同軸コネクタP2は、このような構成を有することにより、係合箇所における、はんだの浸透が防がれる。なお、
図7に示されるように、外部導体210の上面211(Z2方向側の面)は、中心点O方向に向けて延出する4つの嵌合部214を備え、さらに、嵌合部214を連結する、3つの連結部215を備える。また、連結部215は、外部導体210の筒状部の一部であるため、外部導体210の半径方向への変形が可能である。
【0123】
これら嵌合部214は、他の同軸コネクタの外部導体の係合部(例えば、第1の同軸コネクタRの外部導体8の筒状部10の係合部12)と係合する。そのとき、外部導体210は、他の同軸コネクタの外部導体の係合部によって押し広げられて変形するが、連結部215を備えるため、過度に変形されることを防止できる。なお、本実施形態では、嵌合部214が4つ設けられた例について説明するが、連結部は少なくとも一つ形成されていれば同様の効果が得られるため、嵌合部214は2つ以上形成すされていればよい。
【0124】
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明は、上述した実施形態には限られない。例えば、上述した実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成、又は同一の目的を達成することができる構成により置き換えてもよい。
【0125】
例えば、本実施形態に係る同軸コネクタは、
図7,8に示すように、他の電子機器の基板に実装可能なように、板状の実装部213を有していてもよい。また、本実施形態に係る同軸コネクタは、ビード加工により形成されたものに限られず、型抜きされた板状の導体を筒状に加工することで形成されたものであってもよい。さらに、凹部212bは、はんだ付けされる実装部213から浸透したはんだの、はんだ溜まりとして作用することもできる。また、板状の実装部213の裏面に溝を設け、その溝をはんだ溜まりとして作用させてもよい。このように、外部導体210に凹部212b及び/又は溝を形成することで、はんだの浸透を確実に防止することができる。
【0126】
また、絶縁部150は、材料そのものが、ゴムなどの弾性を有するものであってもよい。そのような構成の場合は、第1のスリットG1や第1の固定部S1が設けられていなくてもよい。絶縁部150が弾性を有することにより、その弾性力は中心点O側に作用し、接続部128、129を介して、第1の保持部124と第2の保持部126を中心点O側に付勢する。
【0127】
また、絶縁部150の第1の弾性部154と第2の弾性部156は、第1の保持部124と第2の保持部126を中心点O側に付勢するものであれば、その構成は制限されない。例えば、第1の弾性部154と第2の弾性部156は、Z2方向に開いたU字形状であってもよい。