特開2015-115190(P2015-115190A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-115190(P2015-115190A)
(43)【公開日】2015年6月22日
(54)【発明の名称】組電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/60 20140101AFI20150526BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20150526BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20150526BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20150526BHJP
【FI】
   H01M10/50
   H01M2/10 M
   H01M2/34 A
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-256267(P2013-256267)
(22)【出願日】2013年12月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩恭
【テーマコード(参考)】
5H030
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H030AA10
5H030AS06
5H030FF22
5H030FF43
5H030FF44
5H031AA09
5H031CC09
5H031EE01
5H031KK01
5H040AA28
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY08
5H040AY10
5H040CC20
5H040DD03
5H040DD08
5H040DD26
5H040GG27
5H043AA09
5H043CA04
5H043CA22
5H043CA28
5H043DA05
5H043DA18
5H043DA26
5H043DA27
5H043FA04
5H043FA06
5H043FA22
5H043FA26
5H043FA32
5H043FA33
5H043GA01
5H043JA26F
5H043JA30F
(57)【要約】
【課題】整流素子の放熱を効率よく行なうと共に、コストの抑制を図る。
【解決手段】複数の電池セル12の1つが故障することで、その電池セル12の整流素子18に電流が流れると、本体1802が発熱する。整流素子18が検出基板16上に重ねられている場合は、本体1802から発生した熱は、放熱板1802Bからねじ2を介して正極端子22Aに伝導される。正極端子22Aに伝導された熱は、正極端子22Aで放熱されると共に、熱容量が大きな電池セル12内部に効率よく放熱される。正極端子22Aに伝導された熱は、正極端子22Aに接続されているバスバー14に伝導され、さらにバスバー14に伝導された熱は、バスバー14で放熱されると共に、バスバー14から他の電池セル12の負極端子22Bに伝達され、負極端子22Bで放熱されると共に、他の電池セル12内部に効率よく放熱される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の電池セルと、各複数の電池セルにそれぞれ配置された正極端子と負極端子と、各複数の電池セルにそれぞれ並列に接続されて配置された複数の整流素子とを備える組電池であって、
前記整流素子は、電流が流れることで発熱する本体を有し、
前記整流素子の本体は、前記正極端子または前記負極端子に接触して前記本体の熱が前記正極端子または前記負極端子に伝導されるように配置されている、
ことを特徴とする組電池。
【請求項2】
前記複数の電池セルは、隣り合う前記電池セルの前記正極端子と前記負極端子とがバスバーを介して電気的に接続されることで直列接続され、
前記本体の熱が前記正極端子または前記負極端子を介して前記バスバーへ伝導されるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の組電池。
【請求項3】
前記正極端子および前記負極端子は、前記各電池セルの電圧または温度を検出する検出部を構成する検出基板を取着するためのねじ孔を有し、
前記本体は、ねじ挿通孔を具備し、
前記ねじ挿通孔を挿通するねじが前記ねじ孔に螺合することで、前記本体が前記検出基板と共に前記正極端子または前記負極端子に取着され、
前記本体の熱が前記ねじを介して前記正極端子または前記負極端子へ伝導される、
ことを特徴とする2記載の組電池。
【請求項4】
前記整流素子は、前記本体に設けられたアノード端子およびカソード端子を有し、
前記アノード端子は、第1の配線を介して前記負極端子に電気的に接続され、
前記カソード端子は、第2の配線を介して前記正極端子に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の組電池。
【請求項5】
前記整流素子は、前記本体に設けられたアノード端子およびカソード端子並びに前記本体の熱を放熱する放熱板を有し、
前記放熱板は、前記カソード端子と電気的に接続された金属板で形成され、
前記アノード端子は、配線を介して前記負極端子に電気的に接続され、
前記カソード端子は、前記放熱板を介して前記正極端子と電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の組電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列接続された複数の電池セルを備える組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力を用いて走行する電動車には、複数の電池セルを直列に接続し、高電圧を得られるように構成した組電池が搭載されている。ここで、組電池内の一部の電池セルが故障した場合、組電池全体の電流流路が遮断されるため、電動車の走行が行えなくなる場合がある。これを回避するため、それぞれの電池セルに対して並列に整流素子を接続し、電池セルの故障時には整流素子側に電流を迂回させることによって、限定的な移動行動(リンプホーム)を可能としている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−162597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
整流素子側に電流を迂回させると、整流素子に順電流が流れ、電流の大きさによっては整流素子が発熱するため、整流素子の放熱を図る必要がある。
そのため、従来は、ヒートシンクなどの専用の部材を整流素子毎に設ける必要があり、コストの抑制を図る上で不利がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、整流素子の放熱を効率よく行なうと共に、コストの抑制を図る上で有利な電池セルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、直列接続された複数の電池セルと、各複数の電池セルにそれぞれ配置された正極端子と負極端子と、各複数の電池セルにそれぞれ並列に接続されて配置された複数の整流素子とを備える組電池であって、前記整流素子は、電流が流れることで発熱する本体を有し、 前記整流素子の本体は、前記正極端子または前記負極端子に接触して前記本体の熱が前記正極端子または前記負極端子に伝導されるように配置されている、ことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記複数の電池セルは、隣り合う前記電池セルの前記正極端子と前記負極端子とがバスバーを介して電気的に接続されることで直列接続され、前記本体の熱が前記正極端子または前記負極端子を介して前記バスバーへ伝導されるように構成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記正極端子および前記負極端子は、前記各電池セルの電圧または温度を検出する検出部を構成する検出基板を取着するためのねじ孔を有し、前記本体は、ねじ挿通孔を具備し、前記ねじ挿通孔を挿通するねじが前記ねじ孔に螺合することで、前記本体が前記検出基板と共に前記正極端子または前記負極端子に取着され、前記本体の熱が前記ねじを介して前記正極端子または前記負極端子へ伝導される、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記整流素子は、前記本体に設けられたアノード端子およびカソード端子を有し、前記アノード端子は、第1の配線を介して前記負極端子に電気的に接続され、前記カソード端子は、第2の配線を介して前記正極端子に電気的に接続されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記整流素子は、前記本体に設けられたアノード端子およびカソード端子並びに前記本体の熱を放熱する放熱板を有し、前記放熱板は、前記カソード端子と電気的に接続された金属板で形成され、前記アノード端子は、配線を介して前記負極端子に電気的に接続され、前記カソード端子は、前記放熱板を介して前記正極端子と電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、本体の熱が正極端子または負極端子に伝導されるため、本体の熱は、正極端子または負極端子から熱容量の大きな電池セルに効率よく放熱される。
そのため、整流素子の放熱を効率よく行なうことができると共に、ヒートシンクなどの専用の部材を整流素子毎に設ける必要がないため、コストの抑制を図る上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、本体の熱が正極端子または負極端子を介してバスバーへ伝導されるため、整流素子の放熱を効率よく行なう上でより有利となる。
請求項3記載の発明によれば、整流素子を電池セルに取着するための加工や専用の取り付け部材が不要となりコストを抑制する上でより有利となる。また、ねじが熱を伝導するため、整流素子の放熱を効率よく行なう上でより有利となる。
請求項4記載の発明によれば、整流素子と正極端子および負極端子との配線が確実になされているか否を目視により容易に確認でき、作業性の向上を図る上で有利となっている。
請求項5記載の発明によれば、カソード端子と正極端子と接続する配線を省略できるため、コストを抑制する上でより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】組電池の構成を模式的に示す回路図である。
図2】第1の実施の形態に係る組電池の構成を示す斜視図である。
図3】(A)は正極端子の上に検出基板が重ねられ検出基板の上に整流素子が重ねられた構成を示す断面図、(B)は正極端子の上に整流素子が重ねられ整流素子の上に検出基板が重ねられた構成を示す断面図である。
図4】第2の実施の形態に係る組電池の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態に係る組電池は、電力を用いてモータを駆動して走行する電動車に搭載され、電動車の走行用電力を蓄電する走行用バッテリとして用いられるものである。
まず、一般的な組電池の電気的な構成について説明する。
図1に示すように、組電池10は、直列接続された複数の電池セル12と、各複数の電池セル12にそれぞれ並列に接続された複数の整流素子18とを備え、負荷R(モータ)に電力を供給するものである。
複数の電池セル12のうち、いずれかの電池セル12が故障した場合、当該電池セル12に接続された整流素子18を通って電流が迂回して流れることにより、組電池10から負荷Rに対する電力供給を維持し、限定的な移動行動(リンプホーム)を可能としている。
【0009】
次に、本実施の形態の組電池10の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、組電池10は、複数の電池セル12と、複数のバスバー14と、検出基板16と、複数の整流素子18とを含んで構成されている。
各電池セル12は、セル本体20と、セル本体20(電池セル12)にそれぞれ配置された正極端子22Aと、負極端子22Bとを含んで構成されている。
セル本体20は、直方体状を呈している。
セル本体20は、長方形状の底面壁2002と、底面壁2002の一対の長辺から起立された2つの側面壁2004と、底面壁2002の一対の短辺から起立された2つの端面壁2006と、それら側面壁2004と端面壁2006の上縁を接続する上面壁2008とを備えている。
正極端子22Aおよび負極端子22Bは、電池セル12から電力を取り出すと共に、電池セル12に電力を充電するために用いられるものである。
正極端子22Aおよび負極端子22Bは、上面壁2008の長さ方向の両側寄りの箇所に設けられている。
本実施の形態では、正極端子22Aおよび負極端子22Bは、それぞれ矩形板状を呈する板部2202と、板部2202から上方に突設された雄ねじ部2204と、板部2202のうち上面壁2008の長さ方向の内側寄りの箇所に設けられたねじ孔2206とを有している。
雄ねじ部2204は、後述するバスバー14を接続するためのものであり、ねじ孔2206は、後述する検出基板16を取着するためのものである。
各電池セル12は、隣り合う電池セル12の側面壁2004が互いに対向するように並べられており、各電池セル12は、電池セル12が並べられる方向において正極端子22Aと負極端子22Bとが交互に位置するように配置されている。
【0010】
複数のバスバー14は、銅などの導電材料で構成されており、帯板状を呈し、その両端に雄ねじ部2204が挿通可能な挿通孔が形成されている。
各バスバー14は、それらの挿通孔に隣り合う電池セル12の正極端子22Aの雄ねじ部2204と負極端子22Bの雄ねじ部2204とが挿通された状態で、各雄ねじ部2204にナット24が螺合されることで正極端子22Aと負極端子22Bとを電気的に接続している。
したがって、複数の電池セル12は、隣り合う電池セル12の正極端子22Aと負極端子22Bとがバスバー14を介して電気的に接続されることで直列接続されている。
【0011】
検出基板16は、各電池セル12の電圧または温度を検出すると共に、検出した各電池セル12の電圧や温度のデータを上位の制御装置に供給する検出回路を構成するものである。
検出基板16は、プリント配線基板に電子部品が実装されることで構成されている。
本実施の形態では、検出基板16は、各電池セル12の正極端子22Aおよび負極端子22Bのうち、バスバー14で接続された箇所を除く部分を覆う矩形板状を呈している。
図3(A)、(B)に示すように、検出基板16は、正極端子22Aおよび負極端子22Bのねじ孔2206に対応する箇所にねじ挿通孔1602が形成されている。
検出基板16と正極端子22Aおよび負極端子22Bとの電気的な接続は、正極端子22Aおよび負極端子22Bのねじ孔2206に螺合するねじ2を介して行なわれる。ねじ2は、金属製であり、熱伝導性を有している。
【0012】
図2図3(A)、(B)に示すように、整流素子18は、本体1802と、アノード端子1804およびカソード端子1806を備えている。
整流素子18は、アノード端子1804からカソード端子1806に電流を流す一方、カソード端子1806からアノード端子1804へは電流をほとんど流さない整流動作を行なうダイオードで構成されている。このようなダイオードとして、例えばショットキーバリアダイオードなどの従来公知の様々なダイオードが使用可能である。
本体1802は、アノード端子1804からカソード端子1806に向かって電流(順電流)が流れることによって発熱する。
本実施の形態では、本体1802は、パッケージ1802Aと、放熱板1802Bとを有している。
パッケージ1802Aは、矩形板状を呈し、その一側から軸状のアノード端子1804およびカソード端子1806が互いに間隔をおいて突設され平行に延在している。
放熱板1802Bは、パッケージ1802Aよりも小さい厚さの矩形板状を呈し、放熱板1802Bはパッケージ1802Aの他側からアノード端子1804およびカソード端子1806の反対方向に突設されている。
放熱板1802Bは、金属製であり、熱伝導性を有し、取り付け用のねじ挿通孔1810が形成されている。
【0013】
整流素子18および検出基板16の電池セル12への取り付けは以下のようになされている。
図3(A)に示すように、各正極端子22Aおよび各負極端子22Bの上に(板部2202の上に)検出基板16が重ね合わされ、整流素子18は検出基板16を挟んで正極端子22Aの上に重ねられている。
この状態で、ねじ2が放熱板1802Bのねじ挿通孔1810、検出基板16のねじ挿通孔1602を挿通して各正極端子22Aのねじ孔2206に螺合すると共に、ねじ2が検出基板16のねじ挿通孔1610を挿通して各負極端子22Bのねじ孔2206に螺合することで整流素子18および検出基板16が電池セル12に取着されている。
すなわち、図3(A)の場合、整流素子18の本体1802が検出基板16と共に正極端子22Aに結合されることで、本体1802の熱が、熱伝導性を有する部材であるねじ2を介し正極端子22Aに伝導されるように図られている。
言い換えると、整流素子18の本体1802は、正極端子22Aに接触して本体1802の熱が正極端子22Aに伝導されるように配置されている。
【0014】
また、整流素子18および検出基板16の電池セル12への取り付けは以下のようになされてもよい。
図3(B)に示すように、各正極端子22A(板部2202)の上に整流素子18が重ね合わされ、検出基板16は、整流素子18を挟んで正極端子22Aおよび負極端子22Bの上に重ねられている。なお、図中、符号26は、放熱板1802Bと基板との隙間に配置される円筒状のスペーサを示す。
この状態で、ねじ2が検出基板16のねじ挿通孔1602、スペーサ26の孔、放熱板1802Bのねじ挿通孔1810を挿通して各正極端子22Aに螺合すると共に、ねじ2が検出基板16のねじ挿通孔1602、負極端子22Bのねじ孔2206に螺合することで整流素子18および検出基板16が電池セル12に取着されている。
すなわち、図3(B)の場合、整流素子18の本体1802が検出基板16と共に正極端子22Aに結合されることで、整流素子18の本体1802が正極端子22Aに直接接触し、本体1802の熱が正極端子22Aに伝導されるように図られている。
言い換えると、整流素子18の本体1802は、正極端子22Aに接触して本体1802の熱が正極端子22Aに伝導されるように配置されている。
【0015】
また、図2に示すように、整流素子18のアノード端子1804は第1の配線28を介して負極端子22Bに電気的に接続され、カソード端子1806は、第2の配線30を介して正極端子22Aに電気的に接続されている。
より詳細には、第1の配線28の一端はアノード端子1804に接続され、第1の配線28の他端は負極端子22Bのねじ孔2206に螺合するねじ2の頭部と検出基板16との間に挟持されることで負極端子22Bに接続されている。
また、第2の配線30の一端はカソード端子1806に接続され、第2の配線30の他端は正極端子22Aのねじ孔2206に螺合するねじ2の頭部と放熱板1802Bとの間に挟持されることで正極端子22Aに接続されている。あるいは、第2の配線30の他端はねじ2の頭部と検出基板16との間に挟持されることで負極端子22Bに接続されている。
このようにアノード端子1804が第1の配線28を介して負極端子22Bに電気的に接続され、カソード端子1806が第2の配線30を介して正極端子22Aに電気的に接続されているため、整流素子18と正極端子22Aおよび負極端子22Bとの配線が確実になされているか否を目視により容易に確認でき、作業性の向上を図る上で有利となっている。
【0016】
次に、整流素子18に電流が流れた場合の動作について説明する。
組電池10を構成する複数の電池セル12の1つが故障することで、その電池セル12の整流素子18に電流が流れると、本体1802が発熱する。
例えば、図3(A)に示すように、整流素子18が検出基板16上に重ねられている場合は、本体1802から発生した熱は、放熱板1802Bからねじ2を介して正極端子22Aに伝導される。
正極端子22Aに伝導された熱は、正極端子22Aで放熱されると共に、熱容量が大きな電池セル12内部に効率よく放熱される。
また、正極端子22Aに伝導された熱は、正極端子22Aに接続されているバスバー14に伝導され、さらにバスバー14に伝導された熱は、バスバー14で放熱されると共に、バスバー14から他の電池セル12の負極端子22Bに伝達され、負極端子22Bで放熱されると共に、他の電池セル12内部に効率よく放熱される。
【0017】
また、図3(B)に示すように、整流素子18が正極端子22Aの上に重ねられている場合は、本体1802から発生した熱は、放熱板1802Bから正極端子22Aに伝達される。
正極端子22Aに伝達された熱は、正極端子22Aで放熱されると共に、熱容量が大きな電池セル12内部に効率よく放熱される。
また、正極端子22Aに伝達された熱が、バスバー14で放熱されると共に、バスバー14を介して他の電池セル12に効率よく放熱されることは上記と同様である。
【0018】
したがって、本実施の形態によれば、本体1802の熱が正極端子22Aに伝導され、本体1802の熱は、正極端子22Aから熱容量の大きな電池セル12に効率よく放熱される。
そのため、整流素子18の放熱を効率よく行なうことができると共に、ヒートシンクなどの専用の部材を整流素子18毎に設ける必要がないため、コストの抑制を図る上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態では、複数の電池セル12が隣り合う電池セル12の正極端子22Aと負極端子22Bとがバスバー14を介して電気的に接続されることで直列接続されている。
したがって、本体1802の熱が正極端子22Aを介してバスバー14へ伝導されるため、整流素子18の放熱を効率よく行なう上でより有利となる。
【0020】
また、本実施の形態では、正極端子22Aが検出基板16を取着するためのねじ孔2206を有し、本体1802のねじ挿通孔1810を挿通するねじ2がねじ孔2206に螺合することで、本体1802が正極端子22Aに取着されているため、整流素子18を電池セル12に取着するための加工や専用の取り付け部材が不要となりコストを抑制する上でより有利となる。
【0021】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図4を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態は、整流素子18と正極端子22Aおよび負極端子22Bとの配線構造が第1の実施の形態と異なり、その他の点については第1の実施の形態と同様である。
【0022】
図4に示すように、整流素子18が本体1802に設けられたアノード端子1804およびカソード端子1806を有し、本体1802が本体1802の熱を放熱する放熱板1802Bを有し、アノード端子1804が第1の配線28(配線)を介して負極端子22Bに電気的に接続されている点は第1の実施の形態と同様である。
第2の実施の形態では、放熱板1802Bは、カソード端子1806と電気的に接続された金属板で形成されている。そのため、カソード端子1806と正極端子22Aとを接続する第2の配線30が省略されており、カソード端子1806は、放熱板1802Bを介して正極端子22Aと電気的に接続されている。
すなわち、図3(A)に示すように、整流素子18が検出基板16上に重ねられている場合は、放熱板1802Bを挿通するねじ2が正極端子22Aのねじ孔2206に螺合することで、カソード端子1806が放熱板1802Bとねじ2を介して正極端子22Aに電気的に接続されている。
また、図3(B)に示すように、整流素子18が正極端子22Aの上に重ねられている場合は、放熱板1802Bが正極端子22A(板部2202)に当接することで、カソード端子1806が放熱板1802Bを介して正極端子22Aに電気的に接続されている。
【0023】
このような第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、第1の実施の形態に比較してカソード端子1806と正極端子22Aと接続する配線を省略できるため、コストを抑制する上でより有利となる。
【0024】
なお、実施の形態では、整流素子18の本体1802の熱が正極端子22Aに放熱される場合について説明したが、整流素子18の本体1802の熱が負極端子22Bに放熱されてもよいことは無論である。
また、実施の形態では、検出基板16を取着するために正極端子22Aに形成されたねじ孔2206を利用して整流素子18を電池セル12に取着した場合について説明したが、整流素子18を電池セル12に取着する構造として従来公知の様々な取付構造が使用可能である。
【符号の説明】
【0025】
10 組電池
12 電池セル
14 バスバー
16 検出基板
1602 ねじ挿通孔
18 整流素子
1802 本体
1802A パッケージ
1802B 放熱板
1804 アノード端子
1806 カソード端子
1810 ねじ挿通孔
22A 正極端子
22B 負極端子
2206 ねじ孔
28 第1の配線(配線)
30 第2の配線
図1
図2
図3
図4