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特開2015-115722起動条件制御端末、起動条件制御方法、起動条件制御端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-115722(P2015-115722A)
(43)【公開日】2015年6月22日
(54)【発明の名称】起動条件制御端末、起動条件制御方法、起動条件制御端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20150526BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20150526BHJP
   G06F 21/12 20130101ALI20150526BHJP
   G06F 9/445 20060101ALI20150526BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04M11/00 301
   G06F21/22 112B
   G06F9/06 650A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-255492(P2013-255492)
(22)【出願日】2013年12月10日
(71)【出願人】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【テーマコード(参考)】
5B376
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5B376AE51
5B376AE67
5K127AA21
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB35
5K127GA14
5K127GA30
5K127GD19
5K127GE02
5K127GE11
5K127JA05
5K127JA14
5K127JA48
5K127KA20
5K201AA09
5K201BC23
5K201BD04
5K201CC01
5K201CC04
5K201CC09
5K201DC03
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】端末機能の起動について、条件制御を効率的に行う。
【解決手段】起動条件制御システム1において、起動条件制御端末10は所定の機能に対する起動リクエストを検知し、前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を起動条件管理サーバ200から取得し、起動条件制御端末10が、取得した起動条件を満たしているか否かを判定し、判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能ごとに、起動条件を設定可能な起動条件制御端末であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知する起動リクエスト検知手段と、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を取得する起動条件取得手段と、
前記起動条件制御端末が、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定する起動条件判定手段と、
前記判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する起動制限手段と、
を備えることを特徴とした起動条件制御端末。
【請求項2】
前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、
前記取得した起動条件の判定は、前記起動リクエストのあった機能に設定された全ての起動条件に対して行い、
前記起動条件を満たした場合には、前記起動リクエストに関わらず、当該満たした起動条件と関連付けて記憶された機能を起動する起動条件分岐手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の起動条件制御端末。
【請求項3】
起動条件管理サーバと通信可能に接続され、
前記起動条件取得手段において、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の起動条件制御端末。
【請求項4】
前記起動条件に関わらず、予め定められた方法で起動条件管理サーバと通信を確立するデフォルト通信確立手段と、を備え、
前記確立された通信により、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得することを特徴とする、請求項3に記載の起動条件制御端末。
【請求項5】
所定の機能ごとに、起動条件を定めることが可能な起動条件制御端末が実行する起動条件制御方法であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップと、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップと、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップと、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、条件を満たさない場合には前記起動リクエストを却下し、機能の起動を制限するステップと、
を備えることを特徴とした起動条件制御方法。
【請求項6】
所定の機能ごとに、起動条件を定めることが可能な起動条件制御端末に、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップ、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップ、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップ、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップ、
前記判定の結果、条件を満たさない場合には前記起動リクエストを却下し、機能の起動を制限するステップ、
を実行させることを特徴とした起動条件制御端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機能ごとに起動条件を設定可能な起動条件制御端末、起動条件制御方法、起動条件制御端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットと呼ばれる高機能携帯端末の普及によって、企業が高機能携帯端末を従業員に支給し、情報端末として利用させる例が増えている。そうした端末には、MDM(Mobile Device Management)システムと呼ばれる端末管理システムによって、紛失時の情報漏洩を防止したり、物理的な持ち出しや業務外の利用を制限したりする必要があることが多い。
【0003】
その際には、端末の有する個別の機能について一定の制限を設け、特定の条件下のみに機能を発揮させることで、企業が社員に支給した端末において想定外の利用が行われることを防止したいといった要請がある。
【0004】
このような課題に対して、入力されたユーザ認証情報と共に現在位置に基づいて使用制限を解除できるようにする携帯端末装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−300447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、使用制限の解除が要求された際に、入力されたパスワードに基づいてユーザ認証を行った結果、正規なユーザであれば、GPS部19から取得した現在位置とRTC18から取得した現在時刻に基づいて起動制限解除テーブル22あるいは機能/フォルダ制限解除テーブル24を検索し、この現在位置、現在時刻と解除条件としての「位置」、「時間」とを比較し、この比較結果に基づいて使用制限を解除するか否かを決定する携帯端末が提供できる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、機能要求制限を解除するか否かの二元論で議論が進められているため、特定の機能について制限の可否を問われた際に、条件次第で別の機能を発揮した方が良い場合について考えられていない。また、携帯端末一つ一つについて、ユーザごとに綿密な管理を行う事ができるものの、複数の端末を効率的に管理することが困難な構成にある。
【0008】
本発明は、これらの要請を鑑み、端末のもつ所定の機能ごとに、位置情報や時刻といった携帯端末で取得可能なパラメータに関する起動条件を複数設定可能であって、起動条件をサーバで一括管理するとともに、機能の起動リクエストを検知した際には、起動条件を満たすか否かを判定し、それに応じて機能の起動を制限、または条件によって異なる機能呼び出しに変換する起動条件制御端末、起動条件制御方法、及び起動条件制御端末用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、所定の機能ごとに、起動条件を設定可能な起動条件制御端末であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知する起動リクエスト検知手段と、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を取得する起動条件取得手段と、
前記起動条件制御端末が、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定する起動条件判定手段と、
前記判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する起動制限手段と、
を備えることを特徴とした起動条件制御端末を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、所定の機能ごとに、起動条件を設定可能な起動条件制御端末は、前記所定の機能に対する起動リクエストを検知し、前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を取得し、前記起動条件制御端末が、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定し、前記判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する。
【0012】
ここで、第1の特徴に係る発明は起動条件制御端末のカテゴリであるが、起動条件制御方法、起動条件制御端末用プログラムのカテゴリにおいても、同様の作用・効果を発揮する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、
前記取得した起動条件の判定は、前記起動リクエストのあった機能に設定された全ての起動条件に対して行い、
前記起動条件を満たした場合には、前記起動リクエストに関わらず、当該満たした起動条件と関連付けて記憶された機能を起動する起動条件分岐手段と、
を備えることを特徴とする、第一の特徴に係る発明である起動条件制御端末を提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、第一の特徴に係る発明である起動条件制御端末について、前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、前記取得した起動条件の判定は、前記起動リクエストのあった機能に設定された全ての起動条件に対して行い、前記起動条件を満たした場合には、前記起動リクエストに関わらず、当該満たした起動条件と関連付けて記憶された機能を起動する。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、起動条件管理サーバと通信可能に接続され、
前記起動条件取得手段において、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得することを特徴とした、第一又は第二の特徴に係る発明である起動条件制御端末を提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第一又は第二の特徴に係る発明である起動条件制御端末は、起動条件管理サーバと通信可能に接続され、前記起動条件取得手段において、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、前記起動条件に関わらず、予め定められた方法で起動条件管理サーバと通信を確立するデフォルト通信確立手段と、を備え、
前記確立された通信により、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得することを特徴とする、第三の特徴に係る発明である起動条件制御端末に記載の起動条件制御端末を提供する。
【0018】
第4の特徴に係る発明によれば、第三の特徴に係る発明である起動条件制御端末は、前記起動条件に関わらず、予め定められた方法で起動条件管理サーバと通信を確立し、前記確立された通信により、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得する。
【0019】
第5の特徴に係る発明は、所定の機能ごとに、起動条件を定めることが可能な起動条件制御端末が実行する起動条件制御方法であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップと、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップと、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップと、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、条件を満たさない場合には前記起動リクエストを却下し、機能の起動を制限するステップと、
を備えることを特徴とする起動条件制御方法を提供する。
【0020】
第6の特徴に係る発明は、所定の機能ごとに、起動条件を定めることが可能な起動条件制御端末に、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップ、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップ、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップ、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップ、
前記判定の結果、条件を満たさない場合には前記起動リクエストを却下し、機能の起動を制限するステップ、
を実行させることを特徴とした起動条件制御端末用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、端末のもつ所定の機能ごとに、位置情報や時刻といった携帯端末で取得可能なパラメータに関する起動条件を複数設定可能であって、起動条件をサーバで一括管理するとともに、機能の起動リクエストを検知した際には、起動条件を満たすか否かを判定し、それに応じて機能の起動を制限、または条件によって異なる機能呼び出しに変換する起動条件制御端末、起動条件制御方法、及び起動条件制御端末用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、起動条件制御システム1の概要を表した図である。
図2図2は、起動条件制御システム1の全体構成図である。
図3図3は、起動条件制御端末10、起動条件管理サーバ200の機能ブロック図である。
図4図4は、起動条件制御端末10、起動条件管理サーバ200が実行する、起動条件制御処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、ファイルアクセス機能の起動が制限された起動条件制御端末10の表示画面の一例である。
図6図6は、時刻により設定された起動条件の一例を可視化したものである。
図7図7は、時刻により起動条件を設定した場合の、起動条件データベース250内の起動条件テーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
[起動条件制御システム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である起動条件制御システム1の概要を説明するための図である。起動条件制御システム1は、起動条件制御端末10及び、起動条件管理サーバ200から構成される。起動条件制御端末10は、GPSシステム5によって、起動条件制御端末10の現在の位置情報を取得することが可能である。
【0025】
起動条件制御システム1において、はじめに、起動条件制御端末10が受け付けた入力操作や、一定時間ごとの自動実行タスクにより、起動条件制御端末10が備える機能に対して起動リクエストが生成される(ステップS01)。
【0026】
ここで起動リクエストとは、具体的には機能の呼び出しであり、原則オペレーティング・システムか、オペレーティング・システム上で動作するプログラム内における、関数呼び出しと対応する。例えば、インターネット接続の確立や、端末音量の設定、方位磁針機能の発揮等、あらゆる機能に対して起動リクエストが発生する。
【0027】
起動条件制御端末10は、発生した起動リクエストを検知し、起動リクエストの対象となった機能について設定された起動条件を起動条件管理サーバ200に問い合わせる(ステップS02)。ここで、インターネット接続を確立することも起動リクエストの一種であり、その様な起動リクエストに対応するため、起動条件管理サーバ200との通信は、起動条件の定められないデフォルト通信が設定されていてよい。
【0028】
前記のような問い合わせに対して、起動条件管理サーバ200は対応する起動条件を読み込み、起動条件制御端末10に送信する(ステップS03)。起動条件に係るパラメータは、起動条件制御端末10上で取得可能な情報を利用してよく、現在時刻、日付、曜日を始め、位置情報やバッテリー残量、同一ネットワークに接続する他の機器数等、取得可能であれば任意であってよい。
【0029】
起動条件として、例えば、自社オフィスから半径1km以内の場合のみ端末にログイン可能といった制約が課される場合がある。起動条件制御端末10は、取得した起動条件が位置情報に関する場合、GPSシステム5を介して、現在の位置情報を取得する(ステップS04)。そして、取得した起動条件を見たしているかを判定し、満たしている場合にのみ起動リクエストを受け付けて機能を起動、発揮させる(ステップS05)。
【0030】
なお、起動条件は一つの機能に複数発揮可能であって、起動条件によって初めの起動リクエストとは異なる機能を起動させることも可能である。例えば、ログイン機能の起動リクエストを検知した場合に、業務時間外であれば、強制スリープ機能を起動させることが可能となる。
【0031】
以上が、起動条件制御システム1の概要である。なお、仮に起動条件制御端末10が取得できないパラメータが起動条件として設定されていた場合には、その起動条件を満足しないものと見なしてよい。
【0032】
[起動条件制御システム1のシステム構成]
図2は、本発明の好適な実施形態である起動条件制御システム1のシステム構成図である。起動条件制御システム1は、起動条件制御端末10、起動条件管理サーバ200、及び、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)から構成される。
【0033】
起動条件制御端末10は、後述の機能を備え、データ通信を行うことが可能な家庭用又は業務用の電化製品である。起動条件制御端末10は、例えば、携帯電話、携帯情報端末に加え、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ等の情報家電であってよい。
【0034】
起動条件管理サーバ200は、後述の機能を備えた一般的なサーバである。
【0035】
[各機能の説明]
図3に基づいて、各装置の構成について説明する。
【0036】
起動条件制御端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。
【0037】
また、起動条件制御端末10は、入出力部13として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部と、ユーザからの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウスに加え、時刻を取得する時計機能、位置情報取得デバイスや、高度、通信強度、傾き、加速度等を取得するセンサを備える。
【0038】
起動条件制御端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、起動条件取得モジュール14、起動条件判定モジュール15、起動制限モジュール16、起動条件分岐モジュール17、デフォルト通信確立モジュール18を実現する。また、起動条件制御端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部13と協働して、起動リクエスト検知モジュール19、パラメータ取得モジュール20を実現する。
【0039】
起動条件管理サーバ200は、起動条件制御端末10と同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。また、起動条件管理サーバ200は、データやファイルを記憶する記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。記憶部203には、起動条件データベース250が含まれる。
【0040】
起動条件管理サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、起動条件送信モジュール204を実現する。また、起動条件管理サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、起動条件読込モジュール205を実現する。
【0041】
[起動条件制御処理]
図4は、起動条件制御端末10、起動条件管理サーバ200が実行する起動条件制御処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0042】
はじめに、起動条件制御端末10の起動リクエスト検知モジュール19は、起動条件制御端末10上で発生した、機能に対する起動リクエストを検知する(ステップS11)。なお、全ての起動リクエストを検知すると必要リソースが莫大になる場合は、予め所定の機能に絞った状態で起動リクエストの発生を監視してよい。
【0043】
次に、起動条件制御端末10の起動条件取得モジュール14は、起動条件管理サーバ200に、検知した起動リクエストに対して設定された起動条件を問い合わせる(ステップS12)。ここで、起動条件管理サーバ200との通信に、デフォルト通信確立モジュール18によって、起動条件に影響されずに確立されるデフォルト通信を利用してもよい。そうすることで、検知した起動リクエストが外部との通信に係る機能に関するものであっっても、起動条件管理サーバ200との間で通信を行うことが可能となる。
【0044】
起動条件管理サーバ200の起動条件送信モジュール204は、起動条件制御端末10から起動条件の問い合わせを受信する(ステップS13)。その後、起動条件読込モジュール205が、問い合わせのあった起動リクエストと関連付けて記憶された起動条件を起動条件データベース250から読み込み(ステップS14)、起動条件送信モジュール204によって起動条件制御端末10に送信する(ステップS15)。
【0045】
なお、ここで一つの起動リクエストに対しては、複数の起動条件が設定可能である。その場合、起動条件読込モジュール205は、複数の起動条件全てを読み込み、起動条件送信モジュール204は、読み込んだ全ての起動条件を起動条件制御端末10に送信する。
【0046】
起動条件制御端末10の起動条件取得モジュール14は、起動条件管理サーバ200から送信された起動条件を取得する(ステップS16)。その後、起動条件判定モジュール15は、取得した全ての起動条件について、以下の処理を繰り返す(ステップS17)。
【0047】
すなわち、起動条件制御端末10の起動条件判定モジュール15は、取得した起動条件を満たしているかを判定する(ステップS18)。判定に際して必要なパラメータは、パラメータ取得モジュール20によって取得してよい。
【0048】
判定の結果、起動条件を満たさない(ステップS18:「NO」の場合)には、次の起動条件の判定に移行する(ステップS19)。この判定は、起動条件ごとに定められた優先度が高い順に行い、全ての起動条件を満たさない場合には、何も行わずそのまま処理を終了する。
【0049】
図5は、ファイルアクセス機能の起動が制限された起動条件制御端末10の表示画面の一例である。画面に表示されたファイルのディレクトリ階層51上で、選択中のディレクトリ52がハイライト表示されているが、カーソル53には起動制限を表す禁止マークが表示され、ファイルにアクセスすることはできない。エラー情報54として、アクセスが禁止された原因が表示され、コメント55として、システムメッセージを補足している。起動条件にこのようなコメント55を付するかは任意である。
【0050】
一方で、いずれかの起動条件において条件を満たす場合(ステップS18:「YES」の場合)には、繰り返し処理をそこで終了し、起動制限モジュール16、又は起動条件分岐モジュール17により、満たした起動条件と対応する処理が実行される(ステップS20)。
【0051】
図6は、時刻により設定された起動条件の一例を可視化したものである。図6によると、ある企業において、一日は始業前61と、営業時間62と、残業時間63に分割され、それぞれの時間帯において携帯端末ログイン機能64と、ファイル編集機能65と、ファイル閲覧機能66の一部機能が制限されている。
【0052】
始業前においては、セキュリティ上の観点から、67の様に全ての機能が禁止され、営業時間中は68の様に全ての機能が許可されている。一方残業時間において、69に示されるように、携帯端末は節電の観点から10台目以降のログインの場合、強制的にスリープされる。また、残業時間においては、資料作成のため71のように閲覧は許可されているが、メンバーの一部が勝手に変更を加えないよう、70のように編集は許可されていない。
【0053】
この図6と同じ条件を、起動条件テーブルの形で示したのが図7である。図7においては、起動リクエストの種類と、判定に係るパラメータの種類と、起動条件とが数式で表され、条件を起動する機能が関連付けて記憶されている。この例では条件の範囲の重複がないので、優先度は全て同じ1であるが、仮に複数の条件で範囲が重なる場合には、より優先したい機能に高い優先度を割り当てることが可能である。
【0054】
なおこの例では、条件を満たすうち最も優先度の高い処理のみが実行されたが、繰り返しを抜けず最後まで実行し、条件を満たす場合の処理を全て実行してもよい。また、条件ごとに、満たした時に繰り返しを抜けるかが設定されていてもよい。
【0055】
以上が、起動条件制御端末10と起動条件管理サーバ200が実行する起動条件制御処理の処理手順である。
【0056】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0058】
1 起動条件制御システム、10 起動条件制御端末、200 起動条件管理サーバ、250 起動条件データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2015年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を設定可能な起動条件制御端末であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知する起動リクエスト検知手段と、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を取得する起動条件取得手段と、
前記起動条件制御端末が、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定する起動条件判定手段と、
前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する起動制限手段と、
を備えることを特徴とした起動条件制御端末。
【請求項2】
前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、
前記起動制御手段は、前記判定の結果、前記起動条件によって、前記起動リクエストとは異なる機能を起動させることを特徴とする、請求項1に記載の起動条件制御端末。
【請求項3】
前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、
前記取得した起動条件の判定は、前記起動リクエストのあった機能に設定された全ての起動条件に対して行い、
前記起動条件を満たした場合には、前記起動リクエストに関わらず、当該満たした起動条件と関連付けて記憶された機能を起動する起動条件分岐手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の起動条件制御端末。
【請求項4】
前記起動条件に関わらず、予め定められた方法で起動条件管理サーバと通信を確立するデフォルト通信確立手段と、を備え、
前記確立された通信により、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得することを特徴とする、請求項3に記載の起動条件制御端末。
【請求項5】
起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を定めることが可能な起動条件制御端末が実行する起動条件制御方法であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップと、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップと、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップと、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満た場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動するステップと、
を備えることを特徴とした起動条件制御方法。
【請求項6】
起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を定めることが可能な起動条件制御端末に、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップ、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップ、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップ、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップ、
前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満た場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動するステップ、
を実行させることを特徴とした起動条件制御端末用プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第1の特徴に係る発明は、起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を設定可能な起動条件制御端末であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知する起動リクエスト検知手段と、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を取得する起動条件取得手段と、
前記起動条件制御端末が、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定する起動条件判定手段と、
前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する起動制限手段と、
を備えることを特徴とした起動条件制御端末を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を設定可能な起動条件制御端末は、前記所定の機能に対する起動リクエストを検知し、前記起動リクエストを受けた前記所定の機能に対して設定された前記起動条件を取得し、前記起動条件制御端末が、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定し、前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満たす場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動する。
第2の特徴に係る発明は、前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、
前記起動制御手段は、前記判定の結果、前記起動条件によって、前記起動リクエストとは異なる機能を起動させることを特徴とする、第一の特徴に係る発明である起動条件制御端末を提供する。
第2の特徴に係る発明によれば、第一の特徴に係る発明である起動条件制御端末について、前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、前記判定の結果、前記起動条件によって、前記起動リクエストとは異なる機能を起動させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
の特徴に係る発明は、前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、
前記取得した起動条件の判定は、前記起動リクエストのあった機能に設定された全ての起動条件に対して行い、
前記起動条件を満たした場合には、前記起動リクエストに関わらず、当該満たした起動条件と関連付けて記憶された機能を起動する起動条件分岐手段と、
を備えることを特徴とする、第一の特徴に係る発明である起動条件制御端末を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
の特徴に係る発明によれば、第一の特徴に係る発明である起動条件制御端末について、前記起動条件は、一の機能に対して複数設定可能であり、前記取得した起動条件の判定は、前記起動リクエストのあった機能に設定された全ての起動条件に対して行い、前記起動条件を満たした場合には、前記起動リクエストに関わらず、当該満たした起動条件と関連付けて記憶された機能を起動する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
第5の特徴に係る発明は、起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を定めることが可能な起動条件制御端末が実行する起動条件制御方法であって、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップと、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップと、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップと、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップと、
前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満た場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動するステップと、
を備えることを特徴とする起動条件制御方法を提供する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
第6の特徴に係る発明は、起動条件管理サーバと通信可能に接続され、所定の機能ごとに、起動条件として、インターネット接続、現在の位置情報又は起動時刻を定めることが可能な起動条件制御端末に、
前記所定の機能に対する起動リクエストを検知するステップ、
前記起動リクエストを受けた前記所定の機能と対応する前記起動条件を取得するステップ、
前記取得した起動条件を満たすか否かを決定するパラメータを取得するステップ、
前記取得したパラメータが、前記取得した起動条件を満たしているか否かを判定するステップ、
前記起動条件管理サーバに起動条件を問い合わせることで、起動条件を取得し、前記判定の結果、条件を満た場合にのみ、前記起動リクエストを受け付けて、前記機能を起動するステップ、
を実行させることを特徴とした起動条件制御端末用プログラムを提供する。