【課題】無線通信用アンテナと、無線通信用モジュールとを接続して使用する無線通信装置であって、長期間に亘り、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる無線通信装置を実現する。
【解決手段】無線通信装置100は、アンテナ部1と、無線通信部2と、備える。アンテナ側第1電極12aは、導体により形成されており、無線通信部2の無線通信部側第1電極21aとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。また、アンテナ側第2電極12bは、導体により形成されており、無線通信部2の無線通信部側第2電極21bとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。
アンテナエレメント部と、前記アンテナエレメント部と接続されているアンテナ側第1電極と、前記アンテナエレメント部と接続されているアンテナ側第2電極とを備えるアンテナ部と、
前記アンテナ側第1電極と静電容量結合させるための無線通信部側第1電極と、前記アンテナ側第2電極と静電容量結合させるための無線通信部側第2電極と、前記無線通信部側第1電極および前記無線通信部側第2電極と接続されている無線通信用処理部とを備える無線通信部と、
を備える無線通信装置。
前記アンテナ側第1電極、前記アンテナ側第2電極、前記無線通信部側第1電極、および、前記無線通信部側第1電極の少なくとも1つは、電極を形成する導体部分の少なくとも一部が、絶縁体で覆われている、
請求項1又は2に記載の無線通信装置。
無線通信部側第1電極と、無線通信部側第2電極と、前記無線通信部側第1電極および前記無線通信部側第2電極と接続されている無線通信用処理部とを備える無線通信用モジュールを装着することができる照明用モジュールであって、
内部が空洞である照明用管と、前記照明用管の端部に固着され、電源供給用の端子を含む照明用管端子部とを含む筐体と、
前記照明用管内に配置され、発光素子を含む照明部と、
アンテナエレメント部と、前記アンテナエレメント部と接続されているアンテナ側第1電極と、前記アンテナエレメント部と接続されているアンテナ側第2電極とを備えるアンテナ部と、
を備え、
前記無線通信用モジュールが前記照明用モジュールに装着された場合、(1)前記アンテナ側第1電極は、前記無線通信部側第1電極と接触していない状態であり、かつ、(2)前記アンテナ側第2電極は、前記無線通信部側第2電極と接触していない状態である、
照明用モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
【0050】
<1.1:無線通信装置の論理構成>
図1は、第1実施形態に係る無線通信装置100の概略構成図である。
【0051】
無線通信装置100は、
図1に示すように、アンテナ部1と、無線通信部2と、を備える。
【0052】
アンテナ部1は、アンテナ素子部11と、アンテナ側第1電極12aと、アンテナ側第2電極12bとを備える。
【0053】
アンテナ素子部11は、導体により形成されており、例えば、
図1に示すように、ループアンテナを構成するように形成される。アンテナ素子部11は、無線通信部と電気的に接続されるための接続用端部である、第1接続用端部11aと、第2接続用端部11bを有している。アンテナ素子部11の第1接続用端部11aは、
図1に示すように、アンテナ側第1電極12aと接続されている。また、アンテナ素子部11の第2接続用端部11bは、
図1に示すように、アンテナ側第2電極12bと接続されている。なお、アンテナ素子部11は、ループアンテナに限らず、他のアンテナ(例えば、ダイポールアンテナ等)を構成するように、形成されるものであってもよい。
【0054】
アンテナ側第1電極12aは、導体により形成されており、無線通信部2の無線通信部側第1電極21aとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。
【0055】
アンテナ側第2電極12bは、導体により形成されており、無線通信部2の無線通信部側第2電極21bとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。
【0056】
無線通信部2は、
図1に示すように、無線通信部側第1電極21aと、無線通信部側第2電極21bと、マッチング部21と、RF部22と、通信制御部23とを備える。
【0057】
無線通信部側第1電極21aは、導体により形成されており、アンテナ部1のアンテナ側第1電極12aとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。
【0058】
無線通信部側第2電極21bは、導体により形成されており、アンテナ部1のアンテナ側第2電極12bとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。
【0059】
マッチング部21は、インピーダンス調整を行う回路(インピーダンス調整回路)等を備える。マッチング部21のインピーダンス調整回路は、アンテナ部1のアンテナ素子部11と接続され、インピーダンス調整を行う。アンテナ部1を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを備えてもよい。なお、アンテナ部1を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを共通化した回路を備えるものであってもよい。
【0060】
マッチング部21は、アンテナ部1が受信アンテナとして機能している場合、インピーダンス調整後の信号をRF部22に出力する。一方、マッチング部21は、アンテナ部1が送信アンテナとして機能している場合、RF部22からの信号を入力し、入力された信号に対してインピーダンス調整を行い、インピーダンス調整後の信号をアンテナ部1に出力する。
【0061】
RF部22は、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)と、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)と、備える。RF部22は、通信制御部23からの指令信号(制御信号)を入力し、当該指令信号(制御信号)に基づいた処理を実行する。
【0062】
RF部22は、アンテナ部1が受信アンテナとして機能している場合、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)を動作させ、マッチング部21から出力されるインピーダンス調整後の信号に対して、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理を含む処理)を実行する。そして、RF部22は、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理)により取得した信号(情報)を通信制御部23に出力する。
【0063】
一方、RF部22は、アンテナ部1が送信アンテナとして機能している場合、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)を動作させる。例えば、通信制御部23から出力される信号(情報)をRF変調し、RF変調した信号をマッチング部21に出力する。
【0064】
通信制御部23は、無線通信用モジュールの各機能部を制御する。通信制御部23は、例えば、マイクロプロセッサ等により実現される。通信制御部23は、RF部22と接続されており、RF部22に制御信号、RF変調させてアンテナ送信するための情報(信号)等を出力する。
【0065】
また、通信制御部23は、RF部22からの信号により、自装置以外の他の照明装置から電波が送信されている状態であることを検出した場合、混信、コリジョン発生等を防止するために、自装置のRF変調処理を停止させるための制御信号をRF部22に出力するようにしてもよい。
【0066】
なお、「無線通信用処理部」は、マッチング部21、RF部22、および、通信制御部23の一部または全部により構成される。
【0067】
<1.2:無線通信装置の接続部の具体的構成>
次に、無線通信装置100の接続部(アンテナ部1と無線通信部2とを電気的に接続するための接続部)の具体的構成例について、説明する。
【0068】
(1.2.1:垂直平板型接続部)
まず、無線通信装置100の接続部として、垂直平板型接続部を適用した場合について、
図2〜
図4を用いて、説明する。
【0069】
図2は、無線通信装置100の接続部として、垂直平板型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図2の上図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図であり、
図2の下図は、
図2の上図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図2の上図におけるA2−A2線の概略断面図も
図2の下図と同様となる。
【0070】
図2では、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを離間させて図示している。
【0071】
図3は、
図2と同様の図であり、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを隣接させて図示している。つまり、
図3は、アンテナ部1と、無線通信部2とを電気的に接続する場合の図である。
【0072】
図4は、
図3において、B1−B1線の概略断面図を追加した図である。
【0073】
図2〜
図4に示すように、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bは、同形であり、平板状の導体から形成されている。
【0074】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である。
【0075】
アンテナ部1の基板1Bは、
図2の下図に示すように、端部において、基板1Bの表面の垂直方向に延びる壁部1Baを有している。
図2に示すように、壁部1Baのアンテナ素子部11側には、アンテナ側第1電極12aが設置されている。そして、アンテナ側第1電極12aは、例えば、
図2に示すように、基板1B側の端部において、アンテナ素子部11の端部と接続されている。
【0076】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0077】
無線通信部2の基板2Bは、
図2の下図に示すように、端部において、基板2Bの表面の垂直方向に延びる壁部2Baを有している。
図2に示すように、壁部2Baの回路部C2(例えば、回路部C2は、マッチング部21、RF部22、および、通信制御部23を含む集積回路である。)側には、無線通信部側第1電極21aが設置されている。そして、無線通信部側第1電極21aは、例えば、
図2に示すように、基板2B側の端部において、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aと接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して回路部C2と電気的に接続される。なお、回路部C2は、
図2に示すように、無線通信回路用の基板P2上に、設置されている。
図2では、回路部C2が、マッチング部21、RF部22、および、通信制御部23を含む1つの集積回路(LSIチップ)である場合を想定しているが、これに限定されることはなく、回路部C2は、無線通信回路用の基板P2上に、ディスクリート部品による周辺回路と、マッチング部21、RF部22、および、通信制御部23を形成する、1又は複数の集積回路とにより構成されるものであってもよい。
【0078】
また、基板2B上に配置されている部品(無線通信部側第1電極21a、導体リード線パターン、無線通信回路用の基板P2、回路部C2等)の一部または全部を、基板2Bと同じ材質の物質(例えば、ABS樹脂)で覆うようにしてもよい。これにより、基板2B上に配置されている部品の一部または全部は、基板2Bと同じ材料(例えば、ABS樹脂)の物質内に配置されることになり(基板2Bと同じ材料(例えば、ABS樹脂)の筐体内に配置されることになり)、外部から水滴や、埃、ごみ等が入ることを防止することができる。
【0079】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0080】
図3、
図4に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0081】
つまり、
図3、
図4に示すように、同形で、平板状の、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図3、
図4に示すように、平行に配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0082】
なお、
図3、
図4に示すように、アンテナ側第1電極12aと、無線通信部側第1電極21aとは、基板1Bおよび基板2Bとを挟んで配置されている。基板1Bおよび基板2Bを形成している物質の誘電率をεとし、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが対向する側のアンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aのそれぞれの表面の面積をSとし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の距離をdとすると、アンテナ側第1電極12aと、無線通信部側第1電極21aとの間の容量(キャパシタンス値)Cは、
C=ε×S/d
となる。
【0083】
なお、アンテナ側第2電極12bと、無線通信部側第2電極21bについても上記と同様である。
【0084】
上記により決定されるキャパシタンス値Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0085】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0086】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0087】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる基板の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0088】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0089】
このように、無線通信装置100の接続部として、垂直平板型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図3、
図4に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。
【0090】
なお、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bは、上記では、矩形平板状であるものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の形状(例えば、円形平板状等)であってもよい。
【0091】
また、上記では、
図2〜
図4に示すように、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bの一部が被覆されていない状態である場合について、説明したが、これに限定されることはなく、例えば、
図5に示すように、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12bが、基板1B内部に設置され(基板1Bを形成する材質と同じ材質の物質により被覆されており)、無線通信部側第1電極21a、無線通信部側第2電極21bが、基板2B内部に設置されている(基板1Bを形成する材質と同じ材質の物質により被覆されている)ものであってもよい。
【0092】
この場合、アンテナ側第1電極12a、無線通信部側第1電極21a、アンテナ側第2電極12b、および、無線通信部側第2電極21bにおいて外気と触れる部分がなくなるので、さらに、さび、腐食等による接触不良の発生を防止しつつ、防水、防滴効果等も高くすることができる。
【0093】
(1.2.2:斜め平板型接続部)
次に、無線通信装置100の接続部として、斜め平板型接続部を適用した場合について、
図6、
図7を用いて、説明する。
【0094】
図6は、無線通信装置100の接続部として、斜め平板型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図6の上図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図であり、
図6の下図は、
図6の上図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図6の上図におけるA2−A2線の概略断面図も
図6の下図と同様となる。
【0095】
図6では、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを離間させて図示している。
【0096】
図7は、
図6と同様の図であり、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを隣接させて図示している。つまり、
図7は、アンテナ部1と、無線通信部2とを電気的に接続する場合の図である。
【0097】
図7は、
図6において、矢視図を追加した図である。具体的には、
図7は、
図7の矢印AR1の方向から無線通信装置100を見たときの矢視図である。
【0098】
図6、
図7に示すように、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bは、同形であり、平板状の導体から形成されている。アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bは、
図6下図、
図7下図に示すように、断面視において、基板1B、基板2Bの表面に対して、所定の鋭角で、斜め方向に延びるように形成されている。
【0099】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である基板である。
【0100】
アンテナ部1の基板1Bは、
図6の下図に示すように、断面視において、端部から、所定の鋭角で斜め方向に延びる斜め壁部1Bcを有している。
図6に示すように、斜め壁部1Bcのアンテナ素子部11側には、アンテナ側第1電極12aが設置されている。そして、アンテナ側第1電極12aは、例えば、
図6に示すように、基板1B側の端部において、アンテナ素子部11の端部と接続されている。
【0101】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0102】
無線通信部2の基板2Bは、
図6の下図に示すように、断面視において、端部から、所定の鋭角で斜め方向に延びる斜め壁部2Bcを有している。
図6に示すように、斜め壁部2Bcの回路部C2(マッチング部21、RF部22、および、通信制御部23を含む回路)側には、無線通信部側第1電極21aが設置されている。そして、無線通信部側第1電極21aは、例えば、
図6に示すように、基板2B側の端部において、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aに接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して、回路部C2と電気的に接続される。
【0103】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0104】
図7に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0105】
つまり、
図7に示すように、同形で、平板状の、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図7に示すように、基板1B、2Bの表面に対して斜め方向に、平行に配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0106】
なお、
図7に示すように、アンテナ側第1電極12aと、無線通信部側第1電極21aとは、基板1Bおよび基板2Bとを挟んで配置されている。基板1Bおよび基板2Bを形成している物質の誘電率をεとし、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが対向する側のアンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aのそれぞれの表面の面積をSとし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の距離をdとすると、アンテナ側第1電極12aと、無線通信部側第1電極21aとの間の容量(キャパシタンス値)Cは、
C=ε×S/d
となる。
【0107】
なお、アンテナ側第2電極12bと、無線通信部側第2電極21bについても上記と同様である。
【0108】
上記により決定されるキャパシタンス値Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0109】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0110】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0111】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる基板の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0112】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0113】
このように、無線通信装置100の接続部として、斜め平板型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図7に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。
【0114】
なお、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bは、上記では、矩形平板状であるものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の形状(例えば、円形平板状等)であってもよい。
【0115】
また、上記では、
図6、
図7に示すように、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12b、無線通信部側第1電極21a、および、無線通信部側第2電極21bの一部が被覆されていない状態である場合について、説明したが、これに限定されることはなく、例えば、平板型接続部について
図5を用いて説明したのと同様に、アンテナ側第1電極12a、アンテナ側第2電極12bが、基板1B内部に設置され(基板1Bを形成する材質と同じ材質の物質により被覆されており)、無線通信部側第1電極21a、無線通信部側第2電極21bが、基板2B内部に設置されている(基板1Bを形成する材質と同じ材質の物質により被覆されている)ものであってもよい。
【0116】
この場合、アンテナ側第1電極12a、無線通信部側第1電極21a、アンテナ側第2電極12b、および、無線通信部側第2電極21bにおいて外気と触れる部分がなくなるので、さらに、さび、腐食等による接触不良の発生を防止しつつ、防水、防滴効果等も高くすることができる。
【0117】
(1.2.3:カギ型接続部)
次に、無線通信装置100の接続部として、斜め平板型接続部を適用した場合について、
図8、
図9を用いて、説明する。
【0118】
図8は、無線通信装置100の接続部として、カギ型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図8の上図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図であり、
図8の下図は、
図8の上図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図8の上図におけるA2−A2線の概略断面図も
図8の下図と同様となる。
【0119】
図8では、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを離間させて図示している。
【0120】
図9は、
図8と同様の図であり、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを隣接させて図示している。つまり、
図9は、アンテナ部1と、無線通信部2とを電気的に接続する場合の図である。
【0121】
図9は、
図8において、矢視図を追加した図である。具体的には、
図9は、
図9の矢印AR1の方向から無線通信装置100を見たときの矢視図である。
【0122】
アンテナ側第1電極12aは、
図8下図の断面図に示すように、断面視において、基板1Bの表面の垂直方向に延びる第1延設部12a1と、第1延設部12a1から基板1Bの表面の平行方向に延びる第2延設部12a2を有している。つまり、アンテナ側第1電極12aは、基板1Bの表面の垂直方向に延びる矩形平板状の第1延設部12a1と、第1延設部12a1から基板1Bの表面の平行方向に延びる矩形平板状の第2延設部12a2とを有している。
【0123】
無線通信部側第1電極21aは、
図8下図の断面図に示すように、断面視において、基板2Bの表面の垂直方向に延びる第1延設部21a1と、第1延設部12a1から基板1Bの表面の平行方向に延びる第2延設部21a2を有している。つまり、無線通信部側第1電極21aは、基板2Bの表面の垂直方向に延びる矩形平板状の第1延設部21a1と、第1延設部21a1から基板2Bの表面の平行方向に延びる矩形平板状の第2延設部21a2とを有している。
【0124】
図8下図の断面図に示すように、断面視において、アンテナ側第1電極12aの断面形状と無線通信部側第1電極21aの断面形状とは、点対称の関係にある。
【0125】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である基板である。
【0126】
アンテナ部1の基板1Bは、端部から、延びる延設部1Bdを有している。基板1Bの延設部1Bdは、
図8の下図に示すように、断面視において、アンテナ側第1電極12aを覆うように形成されている。
図8に示すように、延設部1Bdの内部には、アンテナ側第1電極12aが設置されている。そして、アンテナ側第1電極12aは、例えば、
図8に示すように、基板1B側の端部において、アンテナ素子部11の端部と接続されている。
【0127】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0128】
無線通信部2の基板2Bは、
図8の下図に示すように、断面視において、端部に、延設部2Bdを有している。
図8に示すように、延設部2Bdの内部には、無線通信部側第1電極21aが設置されている。そして、無線通信部側第1電極21aは、例えば、
図8に示すように、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aに接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して、回路部C2と電気的に接続される。
【0129】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0130】
図9に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0131】
つまり、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図9に示すように、配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0132】
なお、
図9に示す状態において、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間に誘電体が配置されるように、基板1Bの延設部1Bd、および/または、基板2Bの延設部2Bdに、誘電体を設けるようにしてもよい。
【0133】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0134】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0135】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0136】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる基板の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0137】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0138】
このように、無線通信装置100の接続部として、カギ型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図9に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。
【0139】
(1.2.4:フォーク型接続部)
次に、無線通信装置100の接続部として、フォーク型接続部を適用した場合について、
図10、
図11を用いて、説明する。
【0140】
図10は、無線通信装置100の接続部として、フォーク型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図10の上図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図であり、
図10の下図は、
図10の上図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図10の上図におけるA2−A2線の概略断面図も
図10の下図と同様となる。
【0141】
図10では、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを離間させて図示している。
【0142】
図11は、
図10と同様の図であり、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを隣接させて図示している。つまり、
図11は、アンテナ部1と、無線通信部2とを電気的に接続する場合の図である。
【0143】
図11は、
図10において、矢視図を追加した図である。具体的には、
図11は、
図11の矢印AR1の方向から無線通信装置100を見たときの矢視図である。
【0144】
アンテナ側第1電極12aは、
図10下図の断面図に示すように、断面視において、基板1Bの表面の垂直方向に延びる壁部12a1と、壁部12a1から基板1Bの表面の平行方向に延びる3つの延設部である、第1延設部12a2と、第2延設部12a3と、第3延設部12a4とを有している。第1延設部12a2と、第2延設部12a3と、第3延設部12a4とは、断面視において、それぞれ、距離w1以上離間させて形成されている。
【0145】
また、第1延設部12a2と、第2延設部12a3と、第3延設部12a4とは、それぞれ、断面視において、w1未満の幅(
図10の断面図における基板1Bの表面と垂直な方向の幅)を有していることが好ましい。
【0146】
無線通信部側第1電極21aは、
図10下図の断面図に示すように、断面視において、基板2Bの表面の垂直方向に延びる壁部21a1と、壁部12a1から基板1Bの表面の平行方向に延びる第1延設部21a2と、第2延設部21a3とを有している。第1延設部21a2と、第2延設部21a3とは、断面視において、距離w1以上離間させて形成されている。
【0147】
また、第1延設部21a2と、第2延設部21a3とは、それぞれ、断面視において、w1未満の幅(
図10の断面図における基板2Bの表面と垂直な方向の幅)を有していることが好ましい。
【0148】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である基板である。
【0149】
アンテナ部1の基板1Bは、端部から、延びる延設部1Beを有している。基板1Bの延設部1Beは、
図10の下図に示すように、断面視において、アンテナ側第1電極12aを覆うように形成されている。
図10に示すように、延設部1Beの内部には、アンテナ側第1電極12aが設置されている。そして、アンテナ側第1電極12aは、例えば、
図10に示すように、基板1B側の端部において、アンテナ素子部11の端部と接続されている。
【0150】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0151】
無線通信部2の基板2Bは、
図10の下図に示すように、断面視において、延設部2Beを有している。
図10に示すように、延設部2Beの内部には、無線通信部側第1電極21aが設置されている。そして、無線通信部側第1電極21aは、例えば、
図10に示すように、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aに接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して、回路部C2と電気的に接続される。
【0152】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0153】
図11に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0154】
つまり、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図11に示すように、配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0155】
なお、
図11に示す状態において、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間に誘電体が配置されるように、基板1Bの延設部1Be、および/または、基板2Bの延設部2Beに、誘電体を設けるようにしてもよい。
【0156】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0157】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0158】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0159】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる基板の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0160】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0161】
このように、無線通信装置100の接続部として、フォーク型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図11に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。
【0162】
(1.2.5:筒挿入型接続部)
次に、無線通信装置100の接続部として、筒挿入型接続部を適用した場合について、
図12、
図13を用いて、説明する。
【0163】
図12は、無線通信装置100の接続部として、筒挿入型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図12の上左図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図である。
図12の上右図は、
図12の上左図におけるB1−B1線の概略断面図である。
図12の下図は、
図12の上左図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図12の上左図におけるA2−A2線の概略断面図も
図12の下図と同様となる。
【0164】
図12では、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを離間させて図示している。
【0165】
図13は、
図12と同様の図であり、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを隣接させて図示している。つまり、
図13は、アンテナ部1と、無線通信部2とを電気的に接続する場合の図である。
【0166】
アンテナ側第1電極12aは、
図12上左図、下図に示すように、円筒状に形成されている。アンテナ側第1電極12aの内径は、w2以上である。
【0167】
無線通信部側第1電極21aは、
図12下図に示すように、断面視において、基板2Bの表面の垂直方向に延びる壁部21a1と、壁部12a1から基板1Bの表面の平行方向に延びる第1延設部21a2とを有している。第1延設部21a2は、
図12下図に示すように、直径がw3(w3<w2)の円柱状に形成されている。
【0168】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である基板である。
【0169】
アンテナ部1の基板1Bの端部において、
図12下図に示すように、円筒状のアンテナ側第1電極12aが設置されている。
【0170】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0171】
無線通信部2の基板2Bは、
図12の下図に示すように、断面視において、延設部2Bfを有している。
図12に示すように、延設部2Bfの内部には、無線通信部側第1電極21aが設置されている。延設部2Bfにおいて、無線通信部側第1電極21aの第1延設部21a2を覆っている部分は円柱状であり、その直径w4は、
w3<w4<w2
である。
【0172】
無線通信部側第1電極21aは、例えば、
図12に示すように、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aに接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して、回路部C2と電気的に接続される。
【0173】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0174】
図13に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0175】
つまり、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図13に示すように、配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0176】
なお、
図13に示す状態において、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間に誘電体が配置されるように、基板1Bの延設部1Bf、および/または、基板2Bの延設部2Bfに、誘電体を設けるようにしてもよい。
【0177】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0178】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0179】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0180】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる基板の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0181】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0182】
このように、無線通信装置100の接続部として、筒挿入型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図13に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。
【0183】
なお、上記では、アンテナ側第1電極12aが導体の円筒状である場合について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、アンテナ側第1電極12aは、アンテナ側第1電極12aの円筒状の導体部分を樹脂等の絶縁体で覆うように形成されるものであってもよい。
【0184】
(1.2.6:らせん挿入型接続部)
次に、無線通信装置100の接続部として、らせん挿入型接続部を適用した場合について、
図14、
図15を用いて、説明する。
【0185】
図14は、無線通信装置100の接続部として、らせん挿入型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図14の上左図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図である。
図14の上右図は、
図14の上左図におけるB1−B1線の概略断面図である。
図14の下図は、
図14の上左図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図14の上左図におけるA2−A2線の概略断面図も
図14の下図と同様となる。
【0186】
図14では、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを離間させて図示している。
【0187】
図15は、
図14と同様の図であり、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2とを隣接させて図示している。つまり、
図15は、アンテナ部1と、無線通信部2とを電気的に接続する場合の図である。
【0188】
アンテナ側第1電極12aは、
図14、
図15に示すように、筒軸(A1−A1線に相当する軸)と直交する断面(例えば、B1−B1線の断面)が、らせん状となるように形成されている。
【0189】
無線通信部側第1電極21aは、
図14、
図15に示すように、筒軸(A1−A1線に相当する軸)と直交する断面(例えば、B1−B1線の断面)が、らせん状となるように形成されている。そして、無線通信部側第1電極21aは、
図15上右図に示すように、筒軸(A1−A1線に相当する軸)と直交する断面(例えば、B1−B1線の断面)において、アンテナ側第1電極12aの間(アンテナ側第1電極12aが存在しない空間)に、らせん状となるように形成されている。
【0190】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である基板である。
【0191】
アンテナ部1の基板1Bの端部において、
図14下図に示すように、断面がらせん状のアンテナ側第1電極12aが設置されている。
【0192】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0193】
無線通信部2の基板2Bには、
図14の下図に示すように、断面がらせん状の無線通信部側第1電極21aが配置されている。
図14下図、
図15下図に示すように、断面視において、アンテナ側第1電極12aの中空部分に、無線通信部側第1電極21aが配置される。このため、アンテナ側第1電極12aと、無線通信部側第1電極21aとが、物理的に接触することはない。
【0194】
無線通信部側第1電極21aは、例えば、
図14に示すように、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aに接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して、回路部C2と電気的に接続される。
【0195】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0196】
図15に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0197】
つまり、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図15に示すように、配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0198】
なお、
図15に示す状態において、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間に誘電体が配置されるようにしてもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとをABS樹脂等の絶縁体で被覆するようにしてもよい。
【0199】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0200】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0201】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0202】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる物質(例えば、ABS樹脂)の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0203】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0204】
このように、無線通信装置100の接続部として、らせん挿入型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図15に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。さらに、無線通信装置100の接続部として、らせん挿入型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aの表面積と無線通信部側第1電極21aの表面積とが大きいので、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量を容易に大きくすることができる。
【0205】
なお、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aのらせんの巻き数や、らせん形状等は、上記に限定されるものではなく、他のらせんの巻き数や、らせん形状であってもよい。
【0206】
(1.2.7:ギザギザ型接続部)
次に、無線通信装置100の接続部として、ギザギザ型接続部を適用した場合について、
図16を用いて、説明する。
【0207】
図16は、無線通信装置100の接続部として、ギザギザ型接続部を適用した場合について、説明するための図である。具体的には、
図16の上左図は、アンテナ部1(一部)と、無線通信部2との平面図である。
図16の上右図は、
図16の矢印AR1の方向から無線通信装置100を見たときの矢視図である。
図16の下図は、
図16の上左図におけるA1−A1線の概略断面図である。なお、
図16の上左図におけるA2−A2線の概略断面図も
図16の下図と同様となる。
【0208】
アンテナ側第1電極12aは、
図16下図に示すように、アンテナ部1の基板1Bの端部に配置される。アンテナ側第1電極12aは、
図16下図に示すように、断面視において、基板1Bの表面の垂直方向に延びる垂直部12a1と、垂直12a1の端部から基板1Bの表面と平行な方向に延びる水平部12a2と、水平部12a2から基板1B側へ斜めに延びる、第1延設部12a3、第2延設部12a4、および、第3延設部12a5と、を有する。第1延設部12a3、第2延設部12a4、および、第3延設部12a5は、
図16下図に示すように、断面視において、所定の距離を離間させて、互いに平行となるように形成されている。
【0209】
アンテナ側第1電極12aは、
図16下図に示すように、垂直部12a1の端部において、アンテナ素子部11と接続されている。
【0210】
なお、アンテナ側第2電極12bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0211】
無線通信部側第1電極12aは、
図16下図に示すように、無線通信部2の基板2Bの端部に配置される。無線通信部側第1電極12aは、
図16下図に示すように、断面視において、基板2Bの表面と平行な方向に延びる水平部21a1と、水平部21a1から基板2Bの反対側へ斜めに延びる、第1延設部21a2、第2延設部21a3、および、第3延設部21a4と、を有する。第1延設部21a2、第2延設部21a3、および、第3延設部21a4は、
図16下図に示すように、断面視において、所定の距離を離間させて、互いに平行となるように形成されている。そして、無線通信部側第1電極12aは、
図16下図に示すように、アンテナ側第1電極12aと物理的に接触しないように設置される。
【0212】
無線通信部側第1電極21aは、
図16下図に示すように、水平部21a1の端部において、回路部C2と電気的に接続するための導体リード線パターンL2aに接続されており、導体リード線パターンL2aおよびL2bを介して、回路部C2と電気的に接続される。
【0213】
なお、無線通信部側第2電極21bについても、上記と同様に配置、接続されている。
【0214】
アンテナ部1の基板1Bおよび無線通信部2の基板2Bは、絶縁体からなる基板であり、その材質が、例えば、ABS樹脂である基板である。
【0215】
基板1Bは、
図16下図に示すように、アンテナ側第1電極12aを覆うように、基板1Bの端部に設置された延設部1Bgを有する。延設部1Bgは、絶縁体で形成されており、例えば、ABS樹脂により形成されている。
【0216】
基板2Bは、
図16下図に示すように、無線通信部側第1電極21aを覆うように、基板2Bの端部に設置された延設部2Bgを有する。延設部2Bgは、絶縁体で形成されており、例えば、ABS樹脂により形成されている。
【0217】
図16に示すように、アンテナ部1の基板1Bと、無線通信部2の基板2Bとが、お互いの端部が接するように、配置されることで、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0218】
つまり、アンテナ側第1電極12aおよび無線通信部側第1電極21aが、
図16に示すように、配置されることで、コンデンサと等価な回路が構成される。これにより、アンテナ部1と無線通信部2との間に、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)が形成される。
【0219】
なお、
図16に示す状態において、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間に誘電体が配置されるようにしてもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとを覆うABS樹脂等の絶縁体の被覆部(延設部1Bg、延設部2Bg)を省略してもよい。
【0220】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cを、アンテナ部1および無線通信部2により、送受信するアンテナ信号の周波数に応じて決定するようにすればよい。
【0221】
例えば、送受信したいアンテナ信号の周波数(あるいは、送受信したいアンテナ信号の周波数帯の中心周波数)をfc[Hz]とし、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスをXc(=1/(2π×fc×C))とすると、
Xc<500[Ω]
とするのが好ましい。さらに、
Xc<300[Ω]
とするのがより好ましい。
【0222】
例えば、アンテナ送受信したい信号の周波数を1[GHz]とすると、当該周波数におけるアンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間のインピーダンスZc(あるいは容量リアクタンスXc)を40[Ω]程度になるようにしてもよい。
【0223】
なお、所望の容量リアクタンスXc、キャパシタンス値Cを得るために、例えば、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に挟まれる物質(例えば、ABS樹脂)の材質を、より誘電率の高いものに置換してもよい。また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間(またはアンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)に誘電体を挟むようにしてもよい。
【0224】
また、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量(キャパシタンス値)Cが所望の値となるように、アンテナ側第1電極12aおよび/または無線通信部側第1電極21aの形状、幅、表面積等を決定するようにしてもよい。
【0225】
このように、無線通信装置100の接続部として、ギザギザ型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間において、容量結合による電子回路(アンテナ回路)を形成することができる。そして、
図16に示すように、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、アンテナ回路として使用しても、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。さらに、無線通信装置100の接続部として、ギザギザ型接続部を適用した場合、アンテナ側第1電極12aの表面積と無線通信部側第1電極21aの表面積とが大きいので、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間の静電容量を容易に大きくすることができる。
【0226】
以上のように、無線通信装置100では、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないようにして、アンテナ部1と、無線通信部2とを容量結合により結合させることができる。そして、無線通信装置100では、容量結合部(アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスが、無線通信装置100で使用するアンテナ信号の周波数に対して十分低い値(例えば、500[Ω]以下の値、あるいは、300[Ω]以下の値)となるようにすることで、無線通信装置100におけるアンテナ回路としての性能を十分確保することができる。
【0227】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
【0228】
第2実施形態では、第1実施形態の無線通信装置100(アンテナ部1および無線通信部2)を用いた照明装置200について、説明する。
【0229】
なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0230】
図17は、第2実施形態に係る照明装置200の概略構成図である。
【0231】
照明装置200は、
図17に示すように、照明用モジュール10と、無線通信部2(無線通信用モジュール)と、電源部3とを備える。なお、電源部3は、照明用モジュール10に含まれるものであってもよい。
【0232】
照明用モジュール10は、アンテナ部1と、照明部13と、を備える。
【0233】
アンテナ部1は、第1実施形態のアンテナ部1と同様のものである。アンテナ部1は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の透明な材質の薄膜(フィルム)として形成されている基板上に、アンテナ素子部11を形成して構成されるものであってもよい。この場合、アンテナ用のフィルム基板の厚みを、材質を考慮し、光(特に可視光)が十分透過するような厚みとしてもよい。また、アンテナ用のフィルム基板の厚みは、折り曲げ可能、あるいは、湾曲させることが可能な程度の厚さとしてもよい。例えば、アンテナ用のフィルム基板の材質をPETとし、その厚さを100μm以下としてもよい。
【0234】
アンテナ部1のアンテナ素子部11は、例えば、アンテナ用基板上に導体パターン(金属パターン)を形成することにより構成される。アンテナ素子部11は、アンテナ用基板上に、所定の導体パターンを形成することで、パターンアンテナとして機能する。
【0235】
なお、アンテナ部1は、アンテナ用基板上に導体パターンを保護する保護層(例えば、保護フィルム)を有するものであってもよい。
【0236】
アンテナ素子部11は、ループアンテナとして構成される場合、ループ長を、送受信しようとする電磁波の波長(アンテナ送受信感度を最も高くしたい電磁波の波長)と略同一にすることが好ましい。なお、アンテナ素子部11は、
図1に示した形状(パターン)に限定されることはなく、実現したいアンテナ特性(送受信特性)に応じて、他の形状(例えば、ダイポールアンテナを構成するような形状や、メアンダ状のパターンを有する形状等)としてもよい。アンテナ部1は、例えば、蛍光灯と同様の細長い形状の管であって、その内部が空洞の管内に設置される。
【0237】
また、アンテナ素子部11の導体パターンは、例えば、格子状パターンにより形成されるものであってもよい。例えば、アンテナ素子部11の導体パターンは、特願2013−201881号に開示したような格子状パターンにより形成されるものであってもよい。
【0238】
なお、
図17では、図示を省略しているが、アンテナ部1は、第1実施形態と同様、アンテナ側第1電極12aと、アンテナ側第2電極12bとを有している。
【0239】
照明部13は、
図17に示すように、N個(N:自然数)のLED素子L1、L2、・・・、Lnを備える。N個のLED素子L1〜Lnは、例えば、プリント基板上で、直列接続されており、照明部13に電源部3から供給される直流電圧DC_Lにより、N個のLED素子L1〜Lnの発光制御が実行される。照明部13は、例えば、蛍光灯と同様の細長い形状の管であって、その内部が空洞の管内に設置される。
【0240】
また、照明部13は、電源部3に接続され、電源部3から電圧DC_Lが供給される。照明部13のN個のLED素子は、電源部3からの電圧DC_Lにより駆動される。
【0241】
無線通信部2は、
図17に示すように、マッチング部21と、RF部22と、通信制御部23とを備える。
【0242】
マッチング部21は、インピーダンス調整を行う回路(インピーダンス調整回路)等を備える。マッチング部21のインピーダンス調整回路は、アンテナ部1のアンテナ素子部11と接続され、インピーダンス調整を行う。アンテナ部1を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを備えてもよい。なお、アンテナ部1を送受信アンテナとして機能させる場合、マッチング部21は、送信用インピーダンス調整回路と、受信用インピーダンス調整回路とを共通化した回路を備えるものであってもよい。
【0243】
マッチング部21は、アンテナ部1が受信アンテナとして機能している場合、インピーダンス調整後の信号をRF部22に出力する。一方、マッチング部21は、アンテナ部1が送信アンテナとして機能している場合、RF部22からの信号を入力し、入力された信号に対してインピーダンス調整を行い、インピーダンス調整後の信号をアンテナ部1に出力する。
【0244】
RF部22は、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)と、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)と、備える。RF部22は、通信制御部23からの指令信号(制御信号)を入力し、当該指令信号(制御信号)に基づいた処理を実行する。
【0245】
RF部22は、アンテナ部1が受信アンテナとして機能している場合、アンテナ受信処理部(例えば、アンテナ受信処理用回路)を動作させ、マッチング部21から出力されるインピーダンス調整後の信号に対して、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理を含む処理)を実行する。そして、RF部22は、アンテナ受信処理(例えば、RF復調処理)により取得した信号(情報)を通信制御部23に出力する。
【0246】
一方、RF部22は、アンテナ部1が送信アンテナとして機能している場合、アンテナ送信処理部(例えば、アンテナ送信処理用回路)を動作させる。例えば、通信制御部23から出力される信号(情報)をRF変調し、RF変調した信号をマッチング部21に出力する。
【0247】
通信制御部23は、無線通信用モジュールの各機能部を制御する。通信制御部23は、例えば、マイクロプロセッサ等により実現される。通信制御部23は、RF部22と接続されており、RF部22に制御信号、RF変調させてアンテナ送信するための情報(信号)等を出力する。
【0248】
また、通信制御部23は、RF部22からの信号により、自装置以外の他の照明装置から電波が送信されている状態であることを検出した場合、混信、コリジョン発生等を防止するために、自装置のRF変調処理を停止させるための制御信号をRF部22に出力するようにしてもよい。
【0249】
また、通信制御部23は、RF部22からの信号に基づいて、電源制御信号Ctlを生成し、生成した電源制御信号Ctlを電源部3に出力する。
【0250】
なお、
図17では、図示を省略しているが、無線通信部2は、第1実施形態と同様、無線通信部側第1電極21aと、無線通信部側第2電極21bとを有している。
【0251】
そして、第1実施形態と同様に、無線通信部側第1電極21aは、アンテナ部1のアンテナ側第1電極12aとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成し、無線通信部側第2電極21bは、アンテナ部1のアンテナ側第2電極12bとともに、静電容量結合により電子回路(アンテナ回路)を形成する。
【0252】
つまり、照明装置200は、第1実施形態と同様に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないようにして、アンテナ部1と、無線通信部2とが容量結合により結合される構成を有している。
【0253】
なお、アンテナ部1と無線通信部2とは、例えば、照明用管端子部(金口部)内において、接続されるものであってもよい。これについて、
図18を用いて説明する。
【0254】
図18は、照明装置200の平面図および側面図である。
【0255】
図18に示すように、照明装置200は、内部が空洞の照明用管14と、照明用管14の両端に設けられた照明用管端子部15aおよび15bと、照明用管端子部15aに設けられた電極16a、16bと、照明用管端子部15bに設けられた電極17a、17bと、を備える。そして、
図18に示すように、照明用管14の内部に、アンテナ部1および照明部13が設置されている。
【0256】
図18の場合、アンテナ部1のアンテナ側第1電極12aおよびアンテナ側第2電極12bは、照明用管端子部15a内に配置されている。そして、照明用管端子部15a内に、無線通信部2を装着(配置)することができるスペースが設けられており、当該スペースに、無線通信部2を装着(配置)する。つまり、照明用管端子部15a内において、第1実施形態で説明したように、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとが容量結合されるように配置し、かつ、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとが容量結合されるように配置される(例えば、
図3〜
図5、
図7、
図9、
図11、
図13、
図15、
図16の状態となるように配置される)。これにより、照明装置200では、照明用モジュール10と、無線通信部2とを接続することができる。
【0257】
電源部3は、交流電源(不図示)に接続され、交流電流(あるいは交流電圧)を直流電流(あるいは交流電圧)に変換することで、外部に対して、定電圧源として機能する。電源部3は、無線通信部2に接続され、無線通信部2に対して、定電圧DC_Wを供給する直流電源として機能する。
【0258】
また、電源部3は、照明用モジュール10の照明部13に接続され、照明部13に対して、電圧DC_Lを供給する直流電源として機能する。
【0259】
また、電源部3は、通信制御部23から出力される電源制御信号Ctlを入力する。電源部3は、電源制御信号Ctlに基づいて、照明用モジュール10の照明部13に供給(出力)する電圧DC_Lの値を調整する。
【0260】
以上のように、照明装置200では、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないようにして、アンテナ部1と、無線通信部2とを容量結合により結合させることができる。そして、照明装置200では、容量結合部(アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間)の容量リアクタンスが、無線通信装置100で使用するアンテナ信号の周波数に対して十分低い値(例えば、500[Ω]以下の値、あるいは、300[Ω]以下の値)となるようにすることで、アンテナ回路としての性能を十分確保することができる。
【0261】
また、照明装置200では、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21aとの間、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bとの間が、静電容量結合されるように、無線通信部2を配置すればよい。つまり、照明用モジュール10に対して、無線通信部2を脱着可能にすることができる。すなわち、照明装置200を、照明用モジュール10と、脱着可能な無線通信部2とを用いて構成することができる。したがって、照明装置200において、脱着可能な無線通信部2を装着することで、容易に機能拡張(無線通信機能を付加)することができる。さらに、照明装置200では、アンテナ部1と無線通信部2との間に、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。
【0262】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、説明する。
【0263】
なお、本実施形態において、上記実施形態と同様の部分については、同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0264】
図19は、第3実施形態に係る照明制御システム3000の概略構成図である。
【0265】
照明制御システム3000は、
図19に示すように、ネットワークN1(有線ネットワークN1)に接続されたマスター装置M1と、第1スレーブ装置S1と、第2スレーブ装置S2と、第3スレーブ装置S3とを備える。ネットワークN1は、例えば、専用線による有線ネットワークや、電力線に信号を変調して重畳させて通信するネットワーク(例えば、電力線搬送通信ネットワーク(PLCネットワーク))等である。
【0266】
また、照明制御システム3000は、
図19に示すように、第1スレーブ装置S1に無線通信ネットワークW1により接続される脱着式無線通信用モジュールWM11と、脱着式無線通信用モジュールWM12に接続されている照明用モジュールLM12とを備える。
【0267】
また、照明制御システム3000は、
図19に示すように、第2スレーブ装置S2に無線通信ネットワークW2により接続される脱着式無線通信用モジュールWM21と、脱着式無線通信用モジュールWM22に接続されている照明用モジュールLM22とを備える。
【0268】
なお、脱着式無線通信用モジュールWM11、WM12、WM21、WM22は、第2実施形態の無線通信部2と同様のものである。
【0269】
また、照明制御システム3000は、
図19に示すように、第3スレーブ装置S3に無線通信ネットワークW3により接続される照度センサSS31と、人感センサSS32とを備える。
【0270】
なお、
図19の場合、照明制御システム3000は、1つのマスター装置と、3つのスレーブ装置とを備えているが、照明制御システム3000は、この構成に限定されることはなく、複数のマスター装置と、複数のスレーブ装置とを備えるものであってもよい。
【0271】
脱着式無線通信用モジュールWM11、WM12、WM21、WM22は、上記実施形態で説明した無線通信部2(無線通信用モジュール)と同様のものであり、コネクタ等により、照明用モジュールと脱着可能である。
【0272】
照明用モジュールLM11、LM12、LM21、LM22は、上記実施形態で説明した照明用モジュール10と同様のものである。なお、電源部3については、図示を省略している。
【0273】
例えば、照明制御システム3000において、照度センサSS31により検出されている照度が低い(暗い)状態であり、人感センサSS32により、人を検知し、消灯している照明用モジュールLM11の複数の発光素子を点灯させる場合の制御について、以下、説明する。
【0274】
まず、照度センサSS31は、照度センサSS31により検出されている照度が低い(暗い)ことを示す情報を含む信号を、無線通信ネットワークW3を介して、第3スレーブ装置S3に送信する。
【0275】
第3スレーブ装置S3は、無線通信ネットワークW3を介して、照度センサSS31から取得した情報を含む信号を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1に送信する。
【0276】
マスター装置M1は、第3スレーブ装置S3から、有線ネットワークN1を介して受信した照度センサSS31が検知した照度についての情報を取得し、当該情報を保持する。
【0277】
次に、人感センサSS32が、人を検知すると、人感センサSS32は、人を感知したことを示す情報を含む信号を、無線通信ネットワークW3を介して、第3スレーブ装置S3に送信する。
【0278】
第3スレーブ装置S3は、人感センサSS32から、無線通信ネットワークW3を介して受信した情報(人を検知したことを示す情報)を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1に送信する。
【0279】
マスター装置M1は、第3スレーブ装置S3から、有線ネットワークN1を介して受信した信号により、人感センサSS32により、人が検知されたという情報を取得する。そして、マスター装置M1は、照明用モジュールLM11の複数の発光素子の点灯を指示する信号を、有線ネットワークN1を介して、第1スレーブ装置S1に送信する。
【0280】
第1スレーブ装置S1は、マスター装置M1から、有線ネットワークN1を介して送信された信号を受信し、受信した信号を、無線通信ネットワークW1を介して、脱着式無線通信用モジュールWM11に送信する。
【0281】
脱着式無線通信用モジュールWM11は、第1スレーブ装置S1からの信号を、無線通信ネットワークW1を介して受信する。具体的には、第1スレーブ装置S1からの無線信号を、照明用モジュールLM11の回路を受信アンテナとして動作させることで、受信する。そして、受信した信号に対して、脱着式無線通信用モジュールWM11のマッチング部21(または21A)、および、RF部22(または22A)による処理を実行する。これにより、脱着式無線通信用モジュールWM11の通信制御部23(または23A)は、照明用モジュールLM11の複数の発光素子の点灯を指示する信号を取得する。そして、通信制御部23(または23A)は、電源部3が、照明用モジュール10に供給する電圧を、照明用モジュール10の発光素子LE1〜LEnを点灯させることができる所定の電圧(所定の調光率を実現するための電圧)とするよう指示する制御信号Ctlを、電源部3に出力する。
【0282】
これにより、照明用モジュールLM11の複数の発光素子が点灯する。
【0283】
なお、脱着式無線通信用モジュールWM11の通信制御部23(または23A)は、照明用モジュールLM11の複数の発光素子が点灯することで消費される電力の情報を含む信号を、照明用モジュールLM11の回路を送信アンテナとして動作させることで、無線通信ネットワークW1を介して、第1スレーブ装置S1に送信されるように、制御するようにしてもよい。
【0284】
この場合、第1スレーブ装置S1は、脱着式無線通信用モジュールWM11から送信された信号を受信し、受信した信号を、有線ネットワークN1を介して、マスター装置M1へ送信する。
【0285】
そして、マスター装置M1は、第1スレーブ装置S1から、有線ネットワークN1を介して受信した信号より、照明用モジュールLM11が点灯していることで消費されている電力量を把握することができる。
【0286】
照明制御システム3000では、このような処理を行うことで、各スレーブ装置から取得した電力消費量を把握し、省エネを実現させるために、不要な点灯を消灯させる等の制御を行うこともできる。
【0287】
さらに、
図19に示すように、マスター装置M1を、ネットワークN2を介して、ホストシステムH1に接続するようにし、マスター装置M1で収集した情報を、ホストシステムH1に送信するようにしてもよい。ホストシステムH1では、収集した情報に基づいて、マスター装置M1に対して、所定の制御を行うように指示するようにしてもよい。
【0288】
なお、上記では、照明制御システム3000での通信方式の詳細については、説明しなかったが、通信方式としては、例えば、特開2011−233995号に開示されている通信方式を採用するようにしてもよい。
【0289】
また、上記では、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールは、スレーブ装置とのみ無線通信する場合について、説明したが、これに限定されることはなく、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュール同士で、無線通信するようにしてもよい。この場合、無線マルチホップ通信方式により、無線通信を行うようにしてもよい。
【0290】
以上のように、照明制御システム3000では、第2実施形態の照明装置200に相当する、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールを用いて、照明制御システムを構成することができる。照明制御システム3000では、スレーブ装置のみが有線ネットワークおよび無線通信ネットワークの両方の通信機能を備えていればよく、脱着式無線通信用モジュールおよび照明用モジュールは、無線通信機能のみを備えていればよい。これにより、照明制御システム3000では、システムを構築するときにトータルコストを安くすることができる。
【0291】
さらに、無線通信用モジュールは、照明用モジュールに脱着可能であるので、照明用モジュールのコストを安くすることができる。そして、無線通信機能を付加したい照明用モジュールに対してのみ、脱着可能な無線通信用モジュールを装填すればよいので、柔軟、かつ、高い拡張性を有する照明制御システム3000を、容易に構築することができる。
【0292】
さらに、脱着可能な無線通信用モジュール(無線通信部)は、金属端子(導体部分)が直接接触する部分が存在しないので、長期間に亘り、接触不良を起こすことなく良好な使用状態を維持することができる。このため、照明制御システム3000において、無線通信用モジュールの保守、交換等にかかる費用や手間も大幅に低減することができる。
【0293】
[他の実施形態]
上記実施形態では、アンテナ部1と無線通信部2との接続部が、アンテナ側第1電極12aと無線通信部側第1電極21a、および、アンテナ側第2電極12bと無線通信部側第2電極21bにより構成される場合について説明した。つまり、1つの接続ラインについて、1組の電極により静電容量結合を実現する場合について説明した。しかしながら、これに限定されることはなく、アンテナ部1と無線通信部2との接続部において、1つの接続ラインについて、複数組の電極により静電容量結合を実現するようにしてもよい。
【0294】
例えば、
図20に示すように、
(1)アンテナ素子部11の第1接続用端部11aと、マッチング部21の一方の端子とを接続するラインにおいて、2組の電極(アンテナ側電極12aと無線通信部側電極21a、および、アンテナ側電極12cと無線通信部側電極21c)により静電容量結合を実現し、
(2)アンテナ素子部11の第2接続用端部11bと、マッチング部21の他方の端子とを接続するラインにおいて、2組の電極(アンテナ側電極12bと無線通信部側電極21b、および、アンテナ側電極12dと無線通信部側電極21d)により静電容量結合を実現するようにしてもよい。
【0295】
さらに、
図20の場合(2組の電極の場合)に限定されず、さらに多数組の電極により、アンテナ部1と無線通信部2との接続部において、静電容量結合を実現するようにしてもよい。
【0296】
このようにすることで、静電容量(キャパシタンス値)を大きくすることができる。
【0297】
複数組の電極により、アンテナ部1と無線通信部2との接続部における静電容量結合を実現する場合、例えば、
図2〜
図16の構成において、複数組の電極が設置されるように変更した構成を採用すればよい。
【0298】
また、上記実施形態では、アンテナ部1と無線通信部2との接続部において、2組の電極(アンテナ側電極12bと無線通信部側電極21b、および、アンテナ側電極12dと無線通信部側電極21d)が基板1B、基板2B上に横方向に併設(横方向に並列に配置)されている場合について説明した。しかしながら、これに限定されることはなく、2組の電極(アンテナ側電極12bと無線通信部側電極21b、および、アンテナ側電極12dと無線通信部側電極21d)は、基板1B、基板2B上に、縦方向や斜め方向に併設(縦方向や斜め方向に並列に配置)されるものであってもよい。
【0299】
また、上記実施形態において、アンテナ部1と無線通信部2との接続部において、キャパシタンス値を大きくするために、比誘電率の高い物質(例えば、FR4(Flame Retadant Type4)、窒化ケイ素、セリウム等、あるいは、それらを含む物質)や、が、アンテナ側電極12aと無線通信部側電極21aとの間、および、アンテナ側電極12cと無線通信部側電極21cとの間に配置されるようにしてもよい。
【0300】
また、上記実施形態では、基板1B上、あるいは、基板2B上に、アンテナ素子部11、導体リード線パターン、無線通信回路用の基板P2、電子回路、電子部品、LSIチップ等を配置する場合について、説明したが、これに限定されることなく、例えば、基板1B、あるいは、基板2Bと、同じ材質(例えば、ABS樹脂)の物質で、基板1B上、あるいは、基板2B上に配置されている部品の一部または全部を覆うようにしてもよい。これにより、これにより、基板1Bおよび/または基板2B上に配置されている部品の一部または全部は、基板1Bおよび/または基板2Bと同じ材料(例えば、ABS樹脂)の物質内に配置されることになり(基板1Bおよび/または基板2Bと同じ材料(例えば、ABS樹脂)の筐体内に配置されることになり)、外部から水滴や、埃、ごみ等が入ることを防止することができる。
【0301】
また、上記実施形態において、構成部材のうち、上記実施形態に必要な主要部材のみを簡略化して示している。したがって、上記実施形態において明示されなかった任意の構成部材を備えうる。また、上記実施形態および図面において、各部材の寸法は、必ずしも実際の寸法および寸法比率等を忠実に表しているわけではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で寸法や寸法比率等の変更は可能である。
【0302】
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。