【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−335119
【0006】
図2に上記特許文献1記載の自動電圧調整器(1相分)を示す。
図2において、1は1次巻線1aと複数のタップT
1〜T
4を設けた2次巻線1bと3次巻線1cを有する電圧調整用の変圧器で、1次巻線1aはその一端が出力側端子L
0に接続され、他端は図示しない他相の1次巻線1aの他端と共通接続されている。
【0007】
2は1次巻線2aと2次巻線2bを有する直列変圧器で、1次巻線2aは入力側端子Liと出力側端子Lo間に直列挿入されており、2次巻線2bは、無接点形のタップ切換器3を介して変圧器1の2次巻線1bのタップT
1〜T
4に接続されている。
【0008】
タップ切換器3は、変圧器1の2次巻線1bのタップT
1〜T
4に、一対のサイリスタを逆並列接続して形成したスイッチング素子Th
1〜Th
4の一端をそれぞれ接続し、他端を直列変圧器2の2次巻線2bの一端に共通接続してなるタップ切換部と、タップT
1,T
4とに一対のサイリスタを逆並列接続して形成したスイッチング素子Th
5,Th
6の一端をそれぞれ接続し、スイッチング素子Th
5,Th
6の他端を直列変圧器2の2次巻線2bの他端に共通接続してなる極性切換部と、直列変圧器2の2次巻線2bの両端に限流用抵抗R
1を介して直列に挿入した一対のサイリスタを逆並列接続して形成したブリッジ用スイッチング素子Th
7とから構成されている。
【0009】
そして、スイッチング素子Th
1〜Th
4のオンオフ制御によりタップT
1〜T
4を切換え、また、スイッチング素子Th
5,Th
6のオンオフ制御により直列変圧器2の2次巻線2bに印加する電圧の極性を切換え、さらに、スイッチング素子Th
1〜Th
4のオンオフ制御により2次巻線2bの両端をブリッジする。
【0010】
4は変圧器1の3次巻線1cに接続されて、積分動作形としてその動作電圧の不感帯を零又は極めて小さな範囲に設定した90リレーである。これは、出力電圧と調整目標電圧との電圧偏差を時間積分し、その積分値が判定値以上になったときタップ切換の指令を送出するものである。
【0011】
5は90リレー4に接続されて、タップ切換器3のスイッチング素子Th
1〜Th
4と極性切換用のスイッチング素子Th
5,Th
6及びブリッジ用のスイッチング素子Th
7にゲート信号をそれぞれ送出するゲート制御回路である。
【0012】
このゲート制御回路5は、90リレー4の昇圧又は降圧指令により、現状のタップ位置からタップの昇圧又は降圧切換の制御信号を送出し、対応するスイッチング素子にゲート信号を送出することで、タップの切換動作を行うものである。
【0013】
以上のように構成した自動電圧調整器により配電線の線路電圧を調整する場合は、90リレー4が出力電圧と調整目標電圧との電圧偏差を時間積分し、この積分値が判定値以上になったら、タップ切換の昇圧指令又は降圧指令を送出する。
【0014】
これを受信したゲート制御回路5は、例えば、スイッチング素子Th
3とTh
5がオンしている状態で1タップ昇圧指令を受けた場合、タップ切換器3のスイッチング素子Th
1〜Th
6のゲート信号を全て停止してスイッチング素子Th
1〜Th
6をオフさせると共に、スイッチング素子Th
7にゲート信号を送出してこれをオンさせ、直列変圧器2の2次巻線2bをブリッジする。
【0015】
次いで、現状のタップ位置(例えば、スイッチング素子Th
3)より1タップ切換に対応するスイッチング素子(例えば、Th
5とTh
4)にゲート信号を送出してこれをオンさせると共に、スイッチング素子Th
7のゲート信号を停止してこれをオフさせ、1タップ昇圧切換動作を終了する。
【0016】
このタップ切換動作により、切換接続されたタップの電圧が直列変圧器2の2次巻線2bに印加され、1次巻線2aに誘起した電圧が線路電圧に加えられて、線路電圧が目標電圧に調整される。