【解決手段】第1グリッパー8で袋2の両縁部を挟持して移送し、その移送過程で、袋2の袋口を開口し、袋2内にノズル11を挿入して袋2の内部を袋外の大気に連通させ、袋2の一方の袋面2aを外側から加熱して軟化させた後、該一方の袋面2aに凹型のキャビティ18を有する成型部材19を外側から密接させ、かつ他方の袋面2bに受け部材21を密接させて袋2の背面を支持し、一方の袋面2aとキャビティ18の内面との間に形成された成型空間内を減圧して、一方の袋面2aを外側に膨出させキャビティ18の内面に沿う形状に成型する。
環状の移動経路に沿って複数組等間隔に配置され左右一対の挟持部を有するグリッパーが前記移動経路に沿って移動する間に、前記グリッパーに袋を供給し、袋の両側縁部を前記挟持部で挟持し、袋口から袋内に通気部材を挿入して内部を袋外に連通させ、かつ袋の一方の袋面を外側から加熱して同袋面を軟化した後、前記一方の袋面に凹型のキャビティを有する成型部材を外側から密接させ、前記一方の袋面と前記キャビティの内面との間に形成された成型空間内を減圧して、前記一方の袋面を外側に膨出させ前記キャビティの内面に沿う形状に成型し、前記一方の袋面に凹部を形成することを特徴とする一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造方法。
前記移動経路が円形で、前記挟持部に挟持された袋が袋口を上に向けた垂直姿勢であることを特徴とする請求項1に記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造方法。
減圧開始から所定時間経過後、前記成型空間内の圧力又は前記成型空間から流出する空気の流量を測定し、前記凹部が適正に形成されたか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造方法。
前記一方の袋面に前記凹部を成型する前又は成型した後に、前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造方法。
請求項1〜5のいずれかに記載された製造方法により製造された袋の前記凹部内に被包装物を充填した後、袋を真空チャンバー内に収容して袋内を減圧し、減圧状態のまま袋口をシールすることを特徴とする袋詰め包装方法。
請求項1〜4のいずれかに記載された製造方法により製造された袋の前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールした後、前記凹部内に被包装物を充填し、袋口をシールすることを特徴とする袋詰め包装方法。
請求項1〜4のいずれかに記載された製造方法により製造された袋の前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールした後、前記凹部内に被包装物を充填し、袋を真空チャンバー内に収容して袋内を減圧し、減圧状態のまま袋口をシールすることを特徴とする袋詰め包装方法。
袋の両側縁部を挟持する左右一対の挟持部を有し、環状の第1移動経路に沿って等間隔に配置され、かつ前記第1移動経路に沿って移動し、前記挟持部で挟持した袋を移送する複数組の第1グリッパーと、前記第1グリッパーが前記第1移動経路に沿って移動する過程で、前記第1グリッパーに空袋を供給する給袋装置と、前記第1移動経路の近傍に配置されて進退し、前進して開口した袋内に挿入され袋内の空間を袋外に連通させる通気部材と、前記挟持部が挟持した袋の一方の袋面に加熱空気を吹き付けて前記一方の袋面を軟化させる袋面加熱装置と、前記袋面加熱装置より前記第1移動経路の下流側に配置され、前記一方の袋面に被包装物を収容する凹部を形成する凹部形成装置からなり、前記凹部形成装置は、前面側に凹型のキャビティを有し、袋の一方の袋面に向けて進退し、前進位置において前面側を前記一方の袋面に密接させる成型部材と、袋を挟んで前記成型部材の反対側に配置され、前記成型部材に対向する位置で袋の他方の袋面の側を支持する受け部材と、前記キャビティに連通し前記一方の袋面と前記キャビティの内面との間に形成された成型空間内を減圧する真空吸引源を備えることを特徴とする一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造装置。
前記第1移動経路が円形で、前記第1グリッパーが前記第1移動経路に沿って間欠移動し、前記挟持部で挟持した袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で移送し、前記受け部材は、袋の前記他方の袋面に向けて進退し、前進位置において前記他方の袋面の側を支持することを特徴とする請求項10に記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造装置。
前記通気部材が複数個存在し、前記第1グリッパーの各々に対応して設置され、前記第1グリッパーと同調して移動することを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載された袋の製造装置。
前記受け部材は前面側に前記通気部材が嵌る切り欠き部を有することを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造装置。
前記成形空間内の圧力を測定する圧力計又は前記成形空間から流出する空気の流量を測定する流量計と、さらに前記圧力計又は流量計の検出値に基づいて前記凹部が適正に形成されたか否かを判定する制御装置を備えることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造装置。
前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールする袋面シール装置を備えることを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載された一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造装置。
請求項10〜16のいずれかに記載された製造装置と、同製造装置により製造された袋に被包装物を充填する袋詰め装置と、同袋詰め装置により被包装物が充填された袋を真空処理しかつ袋口をシールする真空処理装置を備え、前記袋詰め装置は、環状の第2移動経路に沿って等間隔に配置され、袋の両側縁部を挟持して前記第2移動経路に沿って移動し、袋を移送する第2グリッパーと、前記第2グリッパーで移送される袋を開口する袋口開口装置、及び袋内に被包装物を充填する充填装置を備え、前記真空処理装置は、環状の第3移動経路に沿って等間隔に配置され、前記第3移動経路に沿って移動する蓋開閉自在の複数の真空チャンバーを備え、各真空チャンバー内に充填済みの袋を保持する第3グリッパーと真空処理済みの袋の袋口をシールするシール装置がそれぞれ設置され、さらに、前記製造装置と袋詰め装置の間に、前記第1グリッパーから袋を受け取り、前記第2グリッパーへ引き渡す第1袋受け渡し装置と、前記袋詰め装置と真空処理装置の間に、前記第2グリッパーから充填済みの袋を受け取り、前記第3グリッパーへ引き渡す第2袋受け渡し装置を備えることを特徴とする袋詰め包装装置。
請求項10〜15のいずれかに記載された製造装置と、同製造装置により製造された袋に被包装物を充填する袋詰め装置と、同袋詰め装置により被包装物が充填された袋を真空処理しかつ袋口をシールする真空処理装置を備え、前記袋詰め装置は、環状の第2移動経路に沿って等間隔に配置され、袋の両側縁部を挟持して前記第2移動経路に沿って移動し、袋を移送する第2グリッパーと、前記第2グリッパーで移送される袋を開口する袋口開口装置及び袋内に被包装物を充填する充填装置と、袋内に被包装物を充填する前に前記一方の袋面に形成された凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールする袋面シール装置を備え、前記真空処理装置は、環状の第3移動経路に沿って等間隔に配置され、前記第3移動経路に沿って移動する蓋開閉自在の複数の真空チャンバーを備え、各真空チャンバー内に充填済みの袋を保持する第3グリッパーと真空処理済みの袋の袋口をシールするシール装置がそれぞれ設置され、さらに、前記製造装置と袋詰め装置の間に、前記第1グリッパーから袋を受け取り、前記第2グリッパーへ引き渡す第1袋受け渡し装置と、前記袋詰め装置と真空処理装置の間に、前記第2グリッパーから充填済みの袋を受け取り、前記第3グリッパーへ引き渡す第2袋受け渡し装置を備えることを特徴とする袋詰め包装装置。
前記第1移動経路が円形で、前記第1グリッパーが前記第1移動経路に沿って間欠移動し、前記挟持部で挟持した袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で移送し、前記第2移動経路が円形で、前記第2グリッパーが前記第2移動経路に沿って間欠移動し、袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で間欠移送し、前記第3移動経路が円形で、前記真空チャンバーが前記第3移動経路に沿って移動し、前記第3グリッパーは袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で保持することを特徴とする請求項17又は18に記載された袋詰め包装装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の深絞り型包装機では、被包装物を収容する凹部を形成する下部フィルムと、被包装物充填後の凹部を密閉する上部フィルム(蓋材)とで包装容器を形成するため、得られる包装製品は、一方のフィルム面に形成された凹部に被包装物が収容された包装製品(深絞り型の包装製品)に限られる。
これに対し、近年、包装製品が多様化している関係で、このような深絞り型の包装製品と、包装材として普通の袋(平袋、ガセット袋等)を用いた袋詰め包装製品を共通の包装機で生産したいという要望がある。
【0006】
しかし、従来の深絞り型包装機では、当然このような袋詰め包装製品は生産できない。
一方、従来の袋詰め包装機で前記の深絞り型の包装製品と同種の包装製品を生産するには、被包装物の充填に先立ち、袋の一方の袋面(フィルム)に被包装物を収容するための凹部を形成する必要があるが、袋詰め包装機で深絞り型の包装製品を生産すること自体、これまで提案されたことはなく、むろん、袋の一方の袋面にそのような凹部を形成する技術は知られていない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、袋の一方の袋面(フィルム)に被包装物を収容するための凹部を形成する、言い換えれば、一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋を製造する方法及び装置を提供することを主たる目的とする。また、前記凹部を形成した袋を用いる袋詰め包装方法及び装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る袋の製造方法は、袋の一方の袋面に被包装物を収容する凹部を形成するもので、環状の移動経路に沿って複数組等間隔に配置され左右一対の挟持部を有するグリッパーが前記移動経路に沿って移動する間に、前記グリッパーに袋を供給し、袋の両側縁部を前記挟持部で挟持し、袋口から袋内に通気部材を挿入して内部を袋外に連通させ、かつ袋の一方の袋面を外側から加熱して同袋面を軟化した後、前記一方の袋面に凹型のキャビティを有する成型部材を外側から密接させ、前記一方の袋面と前記キャビティの内面との間に形成された成型空間内を減圧して、前記一方の袋面を外側に膨出させ前記キャビティの内面に沿う形状に成型し、前記一方の袋面に被包装物を収容する凹部を形成することを特徴とする。この製造方法において、袋内に通気部材を挿入する工程と袋の一方の袋面を加熱する工程に、時間的先後関係はない(どちらが先でもよい)。
【0009】
上記製造方法は次のような実施の形態をとり得る。
(1)前記移動経路が円形で、グリッパーの挟持部に挟持された袋が袋口を上に向けた垂直姿勢である。
(2)前記通気部材がノズルである。
(3)減圧開始から所定時間経過後、前記成型空間内の圧力又は前記成型空間から流出する空気の流量を測定し、前記凹部が適正に形成されたか否かを判定する工程を有する。
(4)前記一方の袋面に前記凹部を成型する前又は成型した後の適宜のタイミングで、前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールする。なお、本発明において下半部分という用語は、後述する実施の形態に示すとおり、厳密な下半分のみを意味するのではない。
【0010】
本発明に係る袋詰め包装方法は、上記製造方法により製造された袋の前記凹部内に被包装物を充填し、袋口をシールすることを特徴とする。又は、上記製造方法により製造された袋の前記凹部内に被包装物を充填した後、袋を真空チャンバー内に収容して袋内を減圧し、減圧状態のまま袋口をシールすることを特徴とする。いずれの場合も、被包装物を充填する前に、前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシール(溶着)することが好ましい。
【0011】
本発明に係る袋の製造装置は、上記製造方法を実施するためのもので、袋の両側縁部を挟持する左右一対の挟持部を有し、環状の第1移動経路に沿って等間隔に配置され、かつ前記第1移動経路に沿って移動し、前記挟持部で挟持した袋を移送する複数組の第1グリッパーと、前記第1グリッパーが前記第1移動経路に沿って移動する過程で、前記第1グリッパーに空袋を供給する給袋装置と、前記挟持部が挟持した袋の一方の袋面に加熱空気を吹き付けて前記一方の袋面を軟化させる袋面加熱装置と、前記第1グリッパーの移動経路の近傍に配置されて進退し、前進したとき開口した袋内に挿入され袋内の空間を袋外に連通させる通気部材と、前記袋面加熱装置より前記第1移動経路の下流側に配置され、前記一方の袋面に被包装物を収容する凹部を形成する凹部形成装置からなる。前記凹部形成装置は、前面側に凹型のキャビティを有し、袋の一方の袋面に向けて進退し、前進位置において前面側を前記一方の袋面に密接させる成型部材と、袋を挟んで前記成型部材の反対側に配置され、前記成型部材に対向する位置で袋の他方の袋面の側を支持する受け部材と、前記キャビティに連通し、前記一方の袋面と前記キャビティの内面との間に形成された成型空間内を減圧する真空吸引源を備える。この製造装置において、前記袋面加熱装置は、前記通気部材より前記第1移動経路の上流側に配置されても下流側に配置されていてもよい。なお、グリッパー及び移動経路に付された「第1」は単なる符号であり、他のグリッパー及び移動経路と区別するためにのみ付与したものである。
【0012】
上記製造装置は次のような実施の形態をとり得る。
(1)前記第1移動経路が円形で、前記第1グリッパーが前記第1移動経路に沿って間欠移動し、前記挟持部で挟持した袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で移送し、前記受け部材は、袋の前記他方の袋面に向けて進退し、前進位置において前記他方の袋面の側を支持する。この場合、前記通気部材の進退は上下方向となり(昇降)、下降したとき開口した袋内に挿入される。
(2)前記通気部材がノズル(パイプ状の部品)である。
(3)前記通気部材は複数個存在し、前記第1グリッパーの各々に対応して設置され、前記第1グリッパーと同調して移動する。
(4)前記受け部材は前面側に前記通気部材が嵌る切り欠き部を有する。
(5)前記成形空間内の圧力を測定する圧力計又は前記成形空間から流出する空気の流量を測定する流量計と、前記圧力計又は流量計の検出値に基づいて前記凹部が適正に形成されたか否かを判定する制御装置を備える。前記圧力計は、例えば前記成型部材と真空吸引源の間の配管又は前記成型部材に接続され、前記流量計は例えば前記配管又は前記ノズルに接続される。
(6)前記凹部の周囲の下半部分を他方の袋面とシールする袋面シール装置を備える。
【0013】
本発明に係る袋詰め包装装置は、上記製造装置と、同製造装置により製造された袋に被包装物を充填する袋詰め装置と、同袋詰め装置により被包装物が充填された袋を真空処理しかつ袋口をシールする真空処理装置を備える。前記袋詰め装置は、環状の第2移動経路に沿って等間隔に配置され、袋の両側縁部を挟持して前記第2移動経路に沿って移動し、袋を移送する第2グリッパーと、前記第2グリッパーで移送される袋を開口する袋口開口装置、及び袋内に被包装物を充填する充填装置を備え、前記真空処理装置は、環状の第3移動経路に沿って等間隔に配置され、前記第3移動経路に沿って移動する蓋開閉自在の複数の真空チャンバーを備え、各真空チャンバー内に充填済みの袋を保持する第3グリッパーと真空処理済みの袋の袋口をシールするシール装置がそれぞれ設置されている。さらに、前記製造装置と袋詰め装置の間に、前記第1グリッパーから袋を受け取り、前記第2グリッパーへ引き渡す第1袋受け渡し装置と、前記袋詰め装置と真空処理装置の間に、前記第2グリッパーから充填済みの袋を受け取り、前記第3グリッパーへ引き渡す第2袋受け渡し装置が配置されている。なお、グリッパー及び移動経路に付された「第2」、「第3」は単なる符号であり、他のグリッパー及び移動経路と区別するためにのみ付与したものである。
【0014】
上記包装装置において、前記第1移動経路が円形で、前記第1グリッパーが前記第1移動経路に沿って間欠移動し、前記挟持部で挟持した袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で移送し、さらに前記第2,第3移動経路がいずれも円形で、前記第2グリッパーが前記第2移動経路に沿って間欠移動し、袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で間欠移送し、前記真空チャンバーが前記第3移動経路に沿って間欠移動し、前記第3グリッパーは袋を袋口を上に向けた垂直姿勢で保持することが好ましい。また、上記製造装置に袋面シール装置が設置されていない場合、上記袋詰め装置が同様の袋面シール装置を備え、同袋面シール装置が、前記充填装置より前記第2移動経路の上流側に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、2枚(表裏各1枚)の袋面(フィルム)を有する通常の袋(平袋、ガセット袋、自立袋等)を用い、一方の袋面に被包装物を収容するための凹部を有する袋を製造する製造方法及び製造装置を提供することができ、さらに、製造した袋(一方の袋面に被包装物を収容するための凹部を有する袋)を用い、前記凹部に被包装物を充填した袋詰め包装製品を製造する袋詰め包装方法及び袋詰め包装装置を提供することができる。
本発明に係る袋詰め包装装置では、袋面加熱装置の作動、通気部材の昇降、凹部形成装置の作動等を止めることにより、通常の袋にそのまま被包装物を充填することができる。すなわち、本発明に係る袋詰め包装装置は、深絞り型の包装製品と、包装材として通常の袋を用いた袋詰め包装製品を共に生産することができる。
【0016】
特許文献1に示す従来の深絞り型包装機では、例えば袋のサイズ及び凹部のサイズを変更する場合、下部フィルム、上部フィルム、ボックス(プラグ、雌型を含む)、シール装置等の交換に加えて、下部フィルムと上部フィルムの間欠送り量、ボックスの位置、シール位置、カット位置等を変更する必要があり、その作業は繁雑で、この作業に伴う生産性の低下が大きい。これに対し、本発明に係る製造方法及び製造装置並びに袋詰め包装方法及び袋詰め包装装置によれば、変更後の袋サイズ(袋幅)に合わせて、例えばグリッパーの一対の挟持部同士の間隔を変更し、かつ変更後の凹部のサイズに合わせて成型部材を変更するだけであり、従来の深絞り型包装機に比べて作業が容易であり、かつ変更に伴う生産性の低下が小さい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1〜12を参照して、本発明に係る一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋を製造する製造方法及び装置、並びに同製造方法及び装置を含む袋詰め包装方法及び装置について具体的に説明する。
本発明に係る袋詰め包装装置は、
図1に示すように、一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋を製造する製造装置1と、製造装置1により製造された袋2に被包装物を充填する袋詰め装置3と、袋詰め装置3により被包装物が充填された袋2を真空処理しかつ袋口をシールする真空処理装置4と、製造装置1と袋詰め装置3の間に配置され、製造装置1のグリッパー(第1グリッパー)から袋2を受け取り、袋詰め装置3のグリッパー(第2グリッパー)へ引き渡す第1袋受け渡し装置5と、袋詰め装置3と真空処理装置4の間に配置され、袋詰め装置3のグリッパー(第2グリッパー)から充填済みの袋2を受け取り、真空処理装置4のグリッパー(第3グリッパー)へ引き渡す第2袋受け渡し装置6を備える。10は袋詰め包装装置の制御装置である。
【0019】
製造装置1は、等角度で間欠回転するテーブル7の周囲に等間隔で配置された複数組(6組)の第1グリッパー8を備える。第1グリッパー8は、袋2の両側縁部を挟持する左右一対の挟持部8a,8aを有し(
図2参照)、テーブル7の間欠回転に伴い、水平面内で円形の移動経路(第1移動経路)に沿って間欠的に移動し、その間、適宜のタイミングで一対の挟持部8a,8a同士の間隔が広げられ又は狭められる。製造装置1において、テーブル7(第1グリッパー8)が一回転する間に、第1グリッパー8への袋2の供給、及び袋2の一方の袋面に被包装物を収容する凹部を形成するための種々の工程が、順次実施される。なお、第1グリッパー8の第1移動経路は袋2の移送経路でもあり、袋2は前記移送経路に沿って1個ずつ等角度間隔で間欠的に移送される。
【0020】
製造装置1において、テーブル7の一回転は6回の停止と移動からなり、計6工程にわたり各種工程が実施される。
図1を参照してより具体的に説明すると、第1工程は給袋工程であり、グリッパー8の停止位置I(1番目の停止位置)近傍に、該グリッパー8に袋2を供給する給袋装置9が配置されている。給袋装置9は、例えば実用新案登録第3123709号公報又は特許第5044844号公報に記載された給袋装置と同様に、上縁が開口した空の平袋(3方向シール袋)をベルトコンベアで搬送し、ベルトコンベアの先端の所定位置に1枚ずつ位置決めし、位置決めした袋を垂直に持ち上げ、水平面内で旋回させてグリッパー8に供給する。グリッパー8に供給された袋2は、その挟持部8a,8aにより開口部(袋口)付近の両側縁部を挟持され、開口部を上向きにして吊り下げられる。
【0021】
第2工程は、袋2の袋口から袋内に通気部材(ノズル11)を挿入する工程(通気部材挿入工程)であり、グリッパー8の停止位置II(2番目の停止位置)近傍に、袋2の袋口を開口する開口装置12が配置されている。この開口装置12は、互いに接近し又は離れる一対の吸盤12a,12a(
図2参照)を有する公知のものである。また、6個のノズル11を含むノズル挿入装置13がテーブル7上に設置され、テーブル7と共に間欠回転し、その間、各ノズル11は常に各グリッパー8の一対の把持部8a,8aの平面視中央部に位置する。
図2に示すように、ノズル11は、扁平で筒形状をなす本体部11aと、その上端に連結した円形のパイプ11bからなり、各パイプ11bがそれぞれ昇降部材14に固定されている。昇降部材14(及びノズル11)は、テーブル7と共に間欠回転し、かつテーブル7の中央部に設置された図示しない駆動源により所定のタイミングで昇降する。
【0022】
グリッパー8(及び袋2)が停止位置IIに停止すると、吸盤12a,12aが互いに接近して袋2の両袋面を吸着した後、互いに離れて袋2の袋口を開口し(
図2(a))、このとき同時にグリッパー8の一対の挟持部8a,8aの相互の間隔が狭められる。次いで袋2の上方の退避位置にあったノズル11が下降(袋2に向けて前進)して、ノズル11の本体部11aが袋2の袋口から袋内に挿入される。これにより、袋2の内部がノズル11を介して袋外の大気と連通する。袋内に挿入されたノズル11の位置(前進位置)は、下端が後述する凹部16(
図6参照)が形成される位置(
図2(b)に2点鎖線で示す部位16a)に達するように設定される。
【0023】
第3工程は、袋2の一方の袋面2aを外側から加熱して軟化させる工程(加熱工程)であり、グリッパー8の停止位置III(3番目の停止位置)近傍に、袋2の一方の袋面2aに加熱空気を吹き付ける袋面加熱装置15が設置されている。グリッパー8(及び袋2)が停止位置IIIに停止すると、袋面加熱装置15が作動し、袋2の一方の袋面2aに加熱空気を吹き付け、一方の袋面2aを軟化させる。袋面加熱装置15が作動する前に、グリッパー8の一対の挟持部8a,8aの相互の間隔が広げられ、袋2の袋口が緊張状態となっていることが望ましい。なお、袋2はプラスチック製の袋で、一方の袋面2aと他方の袋面2bは同材質でもよく、異なる材質でもよい。後者の場合、一方の袋面2aを、他方の袋面2bに比べて、加熱により軟化しやすく塑性変形しやすい材質とすることが好ましい。
【0024】
第4工程は、袋2の一方の袋面2aに固形の被包装物(図示せず)を収容する凹部16(
図6参照)を形成する工程(凹部形成工程)であり、グリッパー8の停止位置IV(4番目の停止位置)近傍に、袋2の一方の袋面2aに凹部16を形成する凹部形成装置17が設置されている。凹部形成装置17は、前面側(袋2に面する側)に凹型のキャビティ18を有する成型部材19と、袋2を挟んで成型部材19の反対側に配置された受け部材21を含む。
図7(a)の分解図に最も明瞭に記載されているが、成型部材19は、貫通する略楕円形の孔22が形成された本体部23と、前面に本体部23が着脱可能に固定される支持部材24からなり、支持部材24に本体部23が固定されると、孔22の背面側が支持部材24により蓋をされ、これにより前記キャビティ18が構成される。受け部材21は、前面側(袋2に面する側)に上端に達する切り欠き部25を有する。
【0025】
成型部材19は袋2の一方の袋面2aに向けて進退し、受け部材21は袋2の他方の袋面2bに向けて進退する。
図4に後退して退避位置にきた成型部材19及び受け部材21が描かれ、
図5に前進位置にきた成型部材19及び受け部材21が描かれている。前進位置において、成型部材19は前面側を袋2の一方の袋面2aに密接させ、受け部材21は、成型部材19に対向する位置で、前面側を袋2の他方の袋面2bに密接させ、袋2を背面で支持する。成型部材19が前進位置にきたとき、成型部材19のキャビティ18の内面と袋2の一方の袋面2aの間に、前記凹部16を形成するための成型空間(キャビティ18そのものということもできる)が構成される。
【0026】
支持部材24に、キャビティ18に連通する小さい孔26が形成されている。孔26は配管27及び切替弁28を介して真空吸引源29に接続され、配管27に前記成型空間内の圧力を検出する圧力計31が設置されている。また、切替弁28の開閉は制御装置10により制御される。圧力計31の検出信号(圧力値)はこの制御装置10に送信され、制御装置10は、その検出信号に基づき、袋2の一方の袋面2aに前記凹部16が適正に形成されたか否かを判定する。配管27、切替弁28、真空吸引源29及び圧力計31は、凹部形成装置17の一部である。
【0027】
次に、第4工程(凹部形成工程)について、
図4〜6を参照して説明する。
グリッパー8及び袋2が停止位置IVに停止したとき、
図4に示すように、成型部材19及び受け部材21はいずれも退避位置に後退している。このとき切替弁28は閉であり、成型部材19のキャビティ18は真空吸引源29から遮断され、大気開放状態となっている。
グリッパー8及び袋2が停止後、成型部材19及び受け部材21が前進し、
図5に示すように前進位置に達して、成型部材19が袋2の一方の袋面2aに密接し、一方、受け部材21が他方の袋面2bに密接する。このとき、受け部材21の切り欠き部25にノズル11が嵌り込む。
【0028】
続いて、制御装置10が切替弁28を開とし、成型部材19のキャビティ18を真空吸引源29と連通させる。これにより、前記成型空間(キャビティ18)内が減圧され、袋2の一方の袋面2aがキャビティ18内に引き込まれる(一方の袋面2aが外側に膨出する)。一方の袋面2aがキャビティ18内に引き込まれるとき、袋2内の容積が増大しようとし、それに伴い、大気がパイプ11bの上端からノズル11内に導入され(
図5に記載された矢印30参照)、さらにノズル11から袋2内に導入される。その結果、一方の袋面2aはスムーズにキャビティ18内に引き込まれ、キャビティ18の内面に沿う形状に成型され、該一方の袋面2aに被包装物を収容する前記凹部16が形成される。他方の袋面2bは、袋2内に挿入されているノズル11に阻まれ、また、袋2内に大気が導入されることもあり、一方の袋面2aに追随してキャビティ18内に引き込まれることはない。
【0029】
前記成型空間(キャビティ18)内の減圧を開始してから所定時間経過後、制御装置10が、圧力計31の検出信号(圧力値)に基づき、凹部16が適正に形成されたか否かを判定する。具体的に例えば、検出された圧力値が設定値以下の場合、凹部16が適正に形成されたと判定し、設定値を超える場合(袋2が破れたときなどは設定値を超える)、凹部16が適正に形成されなかったと判定する。凹部16が適正に形成されなかったと判定された袋2は、例えば、この停止位置IV以降でグリッパー8の挟持部8a,8aを開き落下させて排除し、あるいは、充填及び真空処理工程を行わないまま移送し、最終的に不良品として排除する。
【0030】
続いて、制御装置10が切替弁28を閉とし、成型部材19のキャビティ18を真空吸引源29から遮断して大気開放状態とし、次いで、
図6に示すように、成型部材19と受け部材21が後退し、そのあとに袋2の一方の袋面2aに形成された凹部16が現れる。以後、後述する袋引き渡し工程までの適当なタイミングで、ノズル挿入装置13の駆動源が作動して、昇降部材14及びノズル11が上昇(袋2から後退)し、ノズル11が袋2内から抜け出し、前記退避位置に復帰する。
【0031】
第5工程は、一方の袋面2aの凹部16の周囲の下半部分を他方の袋面2bとシールする工程(袋面シール工程)であり、グリッパー8の停止位置V(5番目の停止位置)近傍に、同工程を実施する袋面シール装置(
図1には、一対の熱板32,32のみ示されている)が設置されている。
図8に示すように、熱板32,32はいずれもヒータ33を内蔵し、袋面2a,2bに向けて進退する。また、袋2の凹部16を避けるため、上部中央に袋2の凹部16の下半分と同等又はやや大きい凹部34,34を有する。
図8に後退して退避位置にきた熱板32,32が描かれ、
図9に前進位置にきた熱板32,32が描かれている。
【0032】
次に、第5工程(袋面シール工程)について、
図8〜10を参照して説明する。
グリッパー8及び袋2が停止位置Vに停止したとき、
図8に示すように、熱板32,32は退避位置に後退している。グリッパー8及び袋2が停止後、熱板32,32が前進し、
図9に示すように前進位置に達して、袋2の両面から凹部16の周囲の下半分を挟持し加熱して、同下半分において一方の袋面2aと他方の袋面2bをシールする。シール後の袋2が
図10に描かれ、斜線部(凹部16の周囲の下半分)が新たにシールされた箇所(シール部35)である。なお、この例では、シール部35の上端位置が、ちょうど凹部16の高さ方向中央位置に設定され、凹部16の周囲のちょうど下半分がシールされているが、被包装物を凹部16に充填し、かつ凹部16に保持するのに支障がない限り、高さ方向中央位置より上又は下の適当な位置までシールすることができる。本発明では、このように下半分よりやや広い概念を指す用語として、下半部分という用語を用いている。
【0033】
第6工程は、凹部16を形成された袋2を製造装置1から袋詰め装置3に引き渡す工程(袋引き渡し工程)であり、グリッパー8の停止位置VI(6番目の停止位置)近傍に設置された第1袋受け渡し装置5により実施される。第1袋受け渡し装置5は、例えば実用新案登録第2562940号公報に記載された袋受け渡し装置と同様に、袋2の上縁部を挟持して、水平面内を移送するものである。
【0034】
袋詰め装置3は、等角度で間欠回転するテーブル37の周囲に等間隔で配置された複数組(8組)の第2グリッパー38を備える。第2グリッパー38は、製造装置1のグリッパー8と同様に、袋2の両側縁部を挟持する左右一対の挟持部38a,38aを有し、テーブル37の間欠回転に伴い、水平面内で円形の移動経路(第2移動経路)に沿って間欠的に移動し、その間、適宜のタイミングで一対の挟持部38a,38aの間隔が広げられ又は狭められる。袋詰め装置3において、テーブル37(第2グリッパー38)が一回転する間に、第2グリッパー38への袋2(凹部形成後の袋2)の供給、及び袋2に被包装物を充填するための種々の工程が、順次実施される。なお、第2グリッパー38の第2移動経路は袋2の移送経路でもあり、袋2は前記移送経路に沿って1個ずつ等角度間隔で間欠的に移送される。
【0035】
袋詰め装置3において、テーブル37の一回転は8回の停止と移動からなり、計8工程にわたり各種工程(空き工程を含む)が実施される。
図1を参照して詳細に説明すると、第1工程は給袋工程であり、製造装置1の第1グリッパー8の停止位置VIの近傍に第2グリッパー38の停止位置Iが設定され、この停止位置Iに停止した第2グリッパー38に対し、第1袋受け渡し装置5により袋2(凹部形成後の袋2)の供給が行われる。より具体的には、第1袋受け渡し装置5が第1グリッパー8から袋2を受け取り、水平面内を移送して、第2グリッパー38に引き渡す。
第2工程は印字工程であり、第2グリッパー38の停止位置II近傍に、同位置に停止した袋2の袋面に日付等を印字する印字装置39が配置されている。
【0036】
第3工程は開口工程であり、第2グリッパー38の停止位置III近傍に、同位置に停止した袋2の袋口を開口する開口装置41が配置されている。開口装置41は、特開2008−044660号公報に記載されたものと同じく、互いに接離可能な一対の吸盤を有する吸着式開口装置42(吸盤は図示せず)と、一対の開口ガイドを有する追従式開口装置(追従アーム43のみ図示し、開口ガイドは図示せず)からなる。グリッパー38(及び袋2)が停止位置IIIに停止すると、吸着式開口装置42の前記吸盤が袋2の両面を吸着して袋口を広げ(このときグリッパー38の一対の挟持部38,38の相互の間隔が狭められる)、続いて追従式開口装置の追従アーム43の先端部に設置された前記開口ガイドが下降して袋2内に挿入される。その後、前記一対の開口ガイドは、袋面に対して垂直方向にかつ互いに反対方向に移動して先端同士の間隔が広がり、これにより、前記吸盤が袋面から離れた後も、袋2の開口状態が維持される。追従アーム43(及び前記一対の開口ガイド)は、グリッパー38が停止位置IIIから次の停止位置(下記停止位置IV)に向けて移動するとき一緒に移動し、停止位置IVで上昇して袋2内から抜け出し、停止位置IIIに向けて復帰移動する。
【0037】
第4工程は固形物充填工程であり、グリッパー38の停止位置IVの近傍に、袋2に被包装物(固形物)を充填する充填装置44が配置されている。グリッパー38(袋2)が停止位置IVに停止すると、充填装置44のホッパー45が下降して袋2の袋口内に挿入され、次いで追従アーム43が上昇して前記開口ガイドが袋2内から抜け出し、停止位置IIIに向けて復帰移動を開始し、ホッパー45内に被包装物(固形物)が投入され、袋2内の凹部16に充填される。続いて、ホッパー45が上昇して、袋2内から抜け出す。
【0038】
第5工程は液状物充填工程であり、グリッパー38の停止位置Vの近傍に、袋2に被包装物(液状物)を充填する充填装置(充填ノズル46のみ図示)が配置されている。グリッパー38(袋2)が停止位置Vに停止すると、充填ノズル46が下降して袋2の袋口内に挿入され、袋内に被包装物(液状物)が充填される。続いて、充填ノズル46が上昇して袋2内から抜け出す。
第6工程は空き工程であり、グリッパー38の停止位置VIでは、袋詰めのための操作は行われない。
【0039】
第7工程は、充填済みの袋2を袋詰め装置3から真空処理装置4に引き渡す工程(袋引き渡し工程)であり、グリッパー38の停止位置VII近傍に設置された第2袋受け渡し装置6により実施される。第2袋受け渡し装置6は、第1袋受け渡し装置5と同様に、袋2の上縁部を挟持して、水平面内を移送するものである。なお、液状物の充填工程以降、袋引き渡し工程が実施されるまでの適宜のタイミングで、グリッパー38の一対の挟持部38a,38aの相互の間隔が広げられ、袋2の袋口が緊張状態となっていることが好ましい。
第8工程は空き工程であり、グリッパー38の停止位置VIIIでは、袋詰めのための操作は行われない。
【0040】
真空処理装置4は、等角度で間欠回転するテーブル47の周囲に等間隔で配置された複数個(12個)の真空チャンバー48を備える。真空チャンバー48は本体49と蓋51からなり、テーブル47の間欠回転に伴い、水平面内で円形の移動経路(第3移動経路)に沿って間欠的に移動し、その移動の過程で、蓋51が所定のタイミングで開閉する。
図11に示すように、真空チャンバー48の内部に、袋2を袋口を上に向けた垂直姿勢で保持する第3グリッパー52と、真空処理済みの袋2の袋口をシールするシール装置53が設置されている。第3グリッパー52は、本体49内に固定された受け部材52aと、本体49内に水平面内で揺動自在に軸支され、図示しない駆動源により所定角度揺動する押圧部材52bからなる。シール装置53は、蓋51に固定されたシール台53aと、本体49に設置され図示しない駆動源により進退するヒータ装置53bからなる。なお、
図11において、54は蓋51を開閉するレバー、55は真空吸引口である。レバー54は図示しない駆動源に連結され、真空吸引口55は図示しない配管及び切替弁等を介して真空吸引源に連結されている。
【0041】
真空処理装置4において、テーブル47の一回転は12回の停止と移動からなり、計12工程にわたり各種工程(空き工程を含む)が実施される。
図1を参照して各工程を説明すると、第1工程は給袋工程であり、袋詰め装置3の第2グリッパー38の停止位置VIIの近傍に真空チャンバー48の停止位置I(1番目の停止位置)が設定されている。この停止位置Iに停止した真空チャンバー48(このとき蓋51は開いている)の第3グリッパー52に対し、第2袋受け渡し装置6により袋2(充填済みの袋2)の供給が行われる。
【0042】
より具体的には、第2袋受け渡し装置6が充填装置3の第2グリッパー38から充填済みの袋2を受け取り、水平面内を真空チャンバー48の本体49内に移送し、第3グリッパー52に供給する。次いで、第3グリッパー52の押圧部材52bが水平に揺動して閉じ、受け部材52aとの間で袋2の上縁よりやや下方位置を挟み、袋2を保持する。なお、グリッパー52が袋2を保持したとき(押圧部材52bが閉じたとき)でも、受け部材52aと押圧部材52bの間には、長手方向(袋幅方向)の一部に隙間が形成されており(例えば特開平08−318910号公報参照)、真空負荷時に袋2内の空気を排出できるようになっている。
【0043】
第2工程は空き工程であり(停止位置II)、続いて第3工程として真空チャンバー48の蓋51が閉じられた後(停止位置III)、第4工程として予備真空(停止位置IV)、第5工程として一次真空(停止位置V)、第6工程として二次真空(停止位置VI)と順次所定圧まで真空引きする工程が続く。次いで、第7工程としてシール装置53により袋2の袋口の熱シールが行われ(停止位置VII)、第8,9工程としてシール部の冷却(冷却シール)が行われた後(停止位置VIII,IX)、第10工程として真空チャンバー48内が大気圧に戻され(停止位置X)、かつ蓋51が開けられる。第11工程として袋口をシールされた袋2(袋詰め包装製品)が第3グリッパー52から開放され(停止位置XI)、搬出装置56及びコンベア57により排出される。第12工程は空き工程である(停止位置XII)。
【0044】
以上説明した一方の袋面に被包装物を収容する凹部を有する袋の製造方法及び同装置、並びに袋詰め包装方法及び同装置は、次のような実施の形態をとり得る。
(1)前記製造装置1では、通気部材としてノズル11を用いたが、ノズル11の代わりに、例えば
図12に示す溝状の通気部材58を用いることができる。
図12に示すように、通気部材58を袋2内に挿入すると、袋2の内部が通気部材58の内側の溝を介して袋外の大気と連通する。
あるいは、例えば単なる板状又は棒状若しくは他の形状の部材を通気部材として使用することができる。袋2内に挿入されたこの種の部材(通気部材)と、袋口を緊張させた袋2の間に隙間が形成され、袋2の内部がその隙間を介して袋外の大気と連通する。
【0045】
(2)前記製造装置1では、通気部材挿入工程を独立した工程として加熱工程とは別の停止位置で実施したが、通気部材挿入工程を加熱工程と同じ停止位置で続けて実施することもできる。また、前記製造装置1では、通気部材挿入工程を加熱工程の前に実施したが、、加熱工程の後に実施してもよい(凹部形成工程の前に実施すればよい)。
(3)前記製造装置1では、ノズル11の上端(パイプ11bの上端)が大気に開放されていたが、ノズル11の上端を配管及び切替弁等を介して加圧気体供給源(コンプレッサー等)に接続し、凹部形成工程において成型空間(キャビティ18)内を減圧するのに合わせて、ノズル11から袋2内に圧縮気体を吹き込むようにしてもよい。この場合、ノズル11を通して袋2内に短時間で気体が導入されるため、成型時間を短縮することができる。
【0046】
(4)前記製造装置1では、成型部材19を本体部23と支持部材24により構成した。このため、本体部23を交換するのみで、異なる形状のキャビティを有する成型部材を構成することができる。
図7(b)は、円形の孔57を有する本体部58を支持部材24と組み合わせた成型部材59を示す。
(5)前記製造装置1では、前記成型空間(キャビティ18)の圧力を検出するため、配管27に圧力計31を接続したが、圧力計31は成型部材19に直接接続することもできる。
【0047】
(6)前記製造装置1において、圧力計31の代わりに、前記成型空間から排出される空気の流量を検出する流量計を、配管27又は成型部材19に接続することもできる。この場合、制御装置10は前記流量計の検出値に基づいて前記凹部が適正に形成されたか否かを判定することになる。具体的に例えば、前記成型空間(キャビティ18)内の減圧を開始してから所定時間経過後に検出される単位時間当たりの流量値が設定値を超える場合(袋2が破れたときなどは設定値を超え、破れなかったときはほぼゼロとなる)、凹部16が適正に形成されなかったと判定する。また、ノズル11から袋2内に流入する空気の流量は、前記成型空間から排出される空気の流量とみなすことができるから、流量計をノズル11に取り付け、ノズル11を通して袋2内に流入する空気の流量を検出してもよい。
(7)前記製造装置1では、第1グリッパー8の停止位置Vの近傍に袋面シール装置(熱板32,32)を設置し、凹部形成工程の後で袋面シール工程を実施していたが、袋面シール工程は凹部形成工程を行う前に実施してもよい。あるいは、製造装置1で袋面シール工程を実施せず、袋詰め装置3において被包装物の充填前に実施することもできる。
【0048】
(8)製造装置1及び袋詰め装置3では、第1グリッパー8及び第2グリッパー38を間欠的に移動させ、真空処理装置4では真空チャンバー48を間欠的に移動させていたが、上記各装置において第1グリッパー8、第2グリッパー38及び真空チャンバー48のいずれか1又は2以上を、一定速度で連続的に移動させることもできる。例えば第1グリッパー8及び第2グリッパー38を連続的に移動させる場合、製造装置1及び袋詰め装置3において定位置で作動していた各装置、例えば製造装置1であれば、給袋装置9、開口装置12、袋面加熱装置15、凹部形成装置17、袋面シール装置等を、袋2の移送に追従するタイプとする必要がある。同時に、第1,第2袋受け渡し装置5,6についても、袋2の連続移送に対応させる必要がある。また、例えば真空チャンバー48を連続的に移動させる場合、第2袋受け渡し装置6を袋2の連続移送に対応させる必要がある。
【0049】
(9)前記製造装置1、袋詰め装置3及び真空処理装置4では、各グリッパーが袋2を垂直姿勢で保持し移送していたが、各グリッパーを水平姿勢で移送するタイプとすることもできる。
(10)前記袋詰め包装装置では、袋詰め装置3により袋詰めされた袋2を、さらに真空処理装置4で真空処理した後、袋口をシールしていたが、真空処理装置4で真空処理を行わず、袋口のシールのみを行うこともできる。