【解決手段】本発明を適用したロック装置の一例である引出しロック1は、外カバー体2と、ラッチ3と、スイッチ4を備えている。また、外カバー体2は引出しロック1が設置される時に引出し前板5に取り付けられる部分である。外カバー体2は、引出し前板5に設けられた外カバー体2が嵌合可能な凹部6にぴったりと嵌合して固定されている。
前記第2の部材は前記嵌合部を中心軸に前記突出部の突出方向とは反対側の方向に回転可能であると共に、前記突出部から所定の間隙を有して位置し、同突出部が前記嵌合部と嵌合する向きを保持する保持部が形成され、かつ、少なくとも一部が前記引出し前板及び前記家具本体の間に形成される間隙に配置可能な
請求項1または請求子2に記載のロック装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の耐震ラッチは、転動体が転がることで引出しが係止されるが、ロック動作の確実性が担保されるものではない。例えば、何等かの原因で転動体が動かない場合には、ロック状態とならず、引出しが飛び出してしまうおそれがある。
【0010】
また、特許文献1に記載の耐震ラッチを有する家具等は、ロック装置を水平に取付け、更に、その水平な状態を維持する必要がある。この条件を満たさなければ、日常の使用において誤作動や、わずかな揺れに対する過剰な反応を招くものとなってしまう。
【0011】
また、構造が複雑で、取付け加工や設置後の保守に手間がかかるという不都合も存在する。特に、取付け時には、引出し側とキャビネット側の両方に複数の工程で部材の取付けを行う必要があり、加工に手間がかかるものとなっている。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、ロック状態及び解除状態の切り替えを容易かつ確実に行うことが可能であり、簡易な取付け構造を有するロック装置及び収納家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明のロック装置は、引出し前板に配置されると共に、貫通孔が形成された第1の部材と、前記貫通孔に挿通して配置され、同貫通孔側とは反対側の端部に突出部が形成された第2の部材と、前記第1の部材の内部に配置される本体と、該本体に設けられ前記第2の部材の前記突出部が形成された側と反対側の端部と嵌合する嵌合部とを有する第3の部材と、前記本体との間に前記第1の部材の一部を挟持して同本体の端部に連設され、前記第3の部材を同第1の部材の挟持された領域に沿って移動可能にせしめるスイッチ部と、前記第1の部材及び前記スイッチ部に設けられ、前記第3の部材の移動を所定の位置で係止可能にせしめる係止部と、前記引出し前板と対応する家具本体に配置され、前記突出部と嵌合して前記第2の部材の同突出部が形成された側と反対側の方向への移動を規制する第4の部材とを備える。
【0014】
ここで、引出し前板に配置されると共に、貫通孔が形成された第1の部材によって、引出し前板に本ロック装置を取り付けることが可能となる。なお、引出し前板とは、引出し構造において、使用者が触れて引出しの開閉を行う部分である。
【0015】
また、貫通孔が形成された第1の部材と、貫通孔に挿通して配置され、貫通孔側とは反対側の端部に突出部が形成された第2の部材によって、端部に突出部を有する第2の部材を第1の部材に挿通させて、第1の部材の外側に出させることができる。
【0016】
また、貫通孔側とは反対側の端部に突出部が形成された第2の部材と、引出し前板と対応する家具本体に配置され、突出部と嵌合して第2の部材の突出部が形成された側と反対側の方向への移動を規制する第4の部材によって、第2の部材の突出部が形成された側とは反対側の方向への移動を規制することができる。即ち、引出し前板が引き出される方向への移動をロック状態にすることができる。
【0017】
また、本体に設けられ第2の部材の突出部が形成された側と反対側の端部と嵌合する嵌合部とを有する第3の部材によって、第2の部材と第3の部材を連結させることができる。即ち、第3の部材の動きに第2の部材の動きを連動させることができる。
【0018】
また、第1の部材の内部に配置される本体を有する第3の部材と、本体との間に第1の部材の一部を挟持して本体の端部に連設され、第3の部材を第1の部材の挟持された領域に沿って移動可能にせしめるスイッチ部によって、スイッチ部を動かして第3の部材を第1の部材の挟持された領域に沿って移動させることが可能となる。即ち、スイッチ部の操作により、第2の部材を動かしてロック状態と解除状態を変更することができる。
【0019】
また、第3の部材を第1の部材の挟持された領域に沿って移動可能にせしめるスイッチ部と、第1の部材及びスイッチ部に設けられ、第3の部材の移動を所定の位置で係止可能にせしめる係止部によって、スイッチ部の位置を係止させることができる。即ち、第2の部材の位置も係止可能となり、解除状態やロック状態の位置を維持することができる。
【0020】
また、係止部が、第3の部材が移動する位置を突出部が第4の部材に嵌合しない位置で係止可能である場合には、第2の部材の突出部と第4の部材が嵌合しない位置を維持することが可能となる。即ち、解除の状態を維持可能となる。例えば、日常の使用による振動により自然にロック状態となる誤作動が起こりにくいものとすることができる。
【0021】
また、第2の部材が嵌合部を中心軸に突出部の突出方向とは反対側の方向に回転可能であると共に、突出部から所定の間隙を有して位置し、突出部が嵌合部と嵌合する向きを保持する保持部が形成された場合には、回転する第2の部材の向きを、通常時には、突出部と嵌合部が嵌合する際の向きに保つことができる。
【0022】
また、第2の部材に、突出部から所定の間隙を有して位置し、突出部が嵌合部と嵌合する向きを保持する保持部が形成された場合には、突出部と第4の部材が嵌合した状態でも、間隙の範囲内で引出しを家具本体から引き出すことが可能となる。
【0023】
また、第2の部材に、突出部から所定の間隙を有して位置し、突出部が嵌合部と嵌合する向きを保持する保持部が形成され、かつ、少なくとも一部が引出し前板及び家具本体の間に形成される間隙に配置可能な場合には、突出部と第4の部材が嵌合した状態でも、間隙の範囲内で引出しを家具本体から引き出して、第2の部材の一部を家具本体の外側から操作することが可能となる。
【0024】
また、第2の部材が嵌合部を中心軸に突出部の突出方向とは反対側の方向に回転可能であると共に、突出部から所定の間隙を有して位置し、突出部が嵌合部と嵌合する向きを保持する保持部が形成され、かつ、少なくとも一部が引出し前板及び家具本体の間に形成される間隙に配置可能な場合には、第2の部材の一部を家具本体の外側から操作して、第2の部材を突出部の突出方向と反対側に動かすことができる。即ち、スイッチ部を操作せずとも、ロック状態を解除状態にすることが可能となる。
【0025】
また、第1の部材が引出し前板に形成された第1の部材の外形と略同一な凹状の領域に配置された場合には、第1の部材をそのまま引出し前板に設置することが可能となる。即ち、ネジ構造等の固定のための別途の部材を使用せずにロック装置を容易に取り付けることができる。
【0026】
また、第1の部材が引出しの外周面上に設けられた場合には、ロック装置を引出し前板の外側に取り付けることが可能となる。また、この際、第4の部材は家具本体の外側に設けられることになる。
【0027】
また、突出部及び第4の部材が磁性を有する素材で形成され磁力により嵌合可能な場合には、磁力によって自動でロック状態とすることが可能となる。
【0028】
また、第1の部材の貫通孔が略垂直に形成され、第2の部材の突出部が略垂直下方に突出して形成された場合には、ロック状態と解除状態の操作を、スイッチ部を上下に動かすことで可能となる。具体的には、スイッチ部を上方に上げた時が解除の状態、スイッチ部を下方に下げた時がロックの状態となる。
【0029】
また、第2の部材が嵌合部を中心軸に突出部の突出方向とは反対側の方向に回転可能であり、第2の部材の突出部が形成された側の端部が突出部の最も突出した領域から先端に向けて傾斜して形成された場合には、ロック状態の誤使用時にも装置が破損しにくい構造となる。即ち、スイッチをロックした状態で引出しを押し込んだ際にも、第2の部材は第4の部材の位置に応じて回転可能な方向に動き、かつ、第2の部材の傾斜に沿って第4の部材が位置することとなる。また、第2の部材が引出しと共に押し込まれ、突出部が第4の部材を乗り越えて嵌合状態となる。この結果、装置に負荷がかからず、ロック状態とすることが可能となる。
【0030】
また、上記の目的を達成するために、本発明の収納家具は、引出し前板を有する引出しと、該引出しと対応する家具本体と、前記引出し前板に配置されると共に、貫通孔が形成された第1の部材と、前記貫通孔に挿通して配置され、同貫通孔側とは反対側の端部に突出部が形成された第2の部材と、前記第1の部材の内部に配置される本体と、該本体に設けられ前記第2の部材の前記突出部が形成された側と反対側の端部と嵌合する嵌合部とを有する第3の部材と、前記本体との間に前記第1の部材の一部を挟持して同本体の端部に連設され、前記第3の部材を同第1の部材の挟持された領域に沿って移動可能にせしめるスイッチ部と、前記第1の部材及び前記スイッチ部に設けられ、前記第3の部材の移動を所定の位置で係止可能にせしめる係止部と、前記家具本体に配置され、前記突出部と嵌合して前記第2の部材の同突出部が形成された側と反対側の方向への移動を規制する第4の部材とを有するロック装置とを備える。
【0031】
ここで、引出し前板に配置される第1の部材によって、引出しの前板に本ロック装置を取り付けることが可能となる。
【0032】
また、貫通孔が形成された第1の部材と、貫通孔に挿通して配置され、貫通孔側とは反対側の端部に突出部が形成された第2の部材によって、端部に突出部を有する第2の部材を第1の部材に挿通させて、第1の部材の外側に出させることができる。
【0033】
また、貫通孔側とは反対側の端部に突出部が形成された第2の部材と、引出し前板と対応する家具本体に配置され、突出部と嵌合して第2の部材の突出部が形成された側と反対側の方向への移動を規制する第4の部材によって、第2の部材の突出部が形成された側とは反対側の方向への移動を規制することができる。即ち、引出しが引き出される方向への移動をロックすることができる。
【0034】
また、本体に設けられ第2の部材の突出部が形成された側と反対側の端部と嵌合する嵌合部とを有する第3の部材によって、第2の部材と第3の部材を連結させることができる。即ち、第3の部材の動きに第2の部材の動きを連動させることができる。
【0035】
また、第1の部材の内部に配置される本体を有する第3の部材と、本体との間に第1の部材の一部を挟持して本体の端部に連設され、第3の部材を第1の部材の挟持された領域に沿って移動可能にせしめるスイッチ部によって、スイッチ部を動かして第3の部材を第1の部材の挟持された領域に沿って移動させることが可能となる。即ち、スイッチ部の操作により、第2の部材を動かしてロック状態と解除状態を変更することができる。
【0036】
また、第3の部材を第1の部材の挟持された領域に沿って移動可能にせしめるスイッチ部と、第1の部材及びスイッチ部に設けられ、第3の部材の移動を所定の位置で係止可能にせしめる係止部によって、スイッチ部の位置を係止させることができる。即ち、第2の部材の位置も係止可能となり、解除状態やロック状態の位置を維持することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係るロック装置は、ロック状態及び解除状態の切り替えを容易かつ確実に行うことが可能であり、簡易な取付け構造を有するものとなっている。
また、本発明に係る収納家具は、ロック状態及び解除状態の切り替えを容易かつ確実に行うことが可能であり、簡易な取付け構造を有するものとなっている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用したロック装置の引出し前板への取付状態を示す概略図である。
図2は、ロック装置の全体の外観を示す概略図である。
図3は、ラッチ、内側本体及びスイッチの構造を示す概略斜視図(a)及びその平面概略図(b)である。
図4は、外カバー体の構造を示す概略図である。
図5は、ラッチの構造を示す概略図である。
【0040】
図1に示すように、本発明を適用したロック装置の一例である引出しロック1は、外カバー体2と、ラッチ3と、スイッチ4を備えている。
【0041】
また、外カバー体2は引出しロック1が設置される時に引出し前板5に取り付けられる部分である。外カバー体2は、引出し前板5に設けられた外カバー体2が嵌合可能な凹部6にぴったりと嵌合して固定されている。
【0042】
また、ラッチ3は、後述するロックピン10と嵌合する部材であり、スイッチ4を動かすことでその嵌合状態を切り替えることが可能となる。この嵌合状態の切り替えにより、引出し7の引き出す方向への移動のロック状態と解除状態を切り替えることができる。
【0043】
また、ラッチ3は、外カバー体2に形成されたスライド孔21に挿通されている。ラッチ3は、スイッチ4の移動に合わせて上下に移動させることができる。
【0044】
また、スイッチ4は、ロック状態と解除状態を切り替える際の操作部分であり、上下に動かすことが可能である。また、スイッチ4は、後述する内側本体13を介してラッチ3と繋がっている。スイッチ4は、内側本体13との間に挟持した外カバー体2の領域に沿って移動可能なものとなっている。また、スイッチ4は、引出し前板5の側面に沿って配置されている。
【0045】
ここで、必ずしも、外カバー体2が、引出し前板5に設けられた凹部6に嵌合して固定される必要はなく、引出しに取り付けが可能であれば充分である。但し、固定の際に、ネジ部材等の別途の部材を用いず、差し込むだけで取付け可能となる点から、外カバー体2が引出し前板5に設けられた凹部6に嵌合して固定されることが好ましい。
【0046】
また、ラッチ3及びスライド孔21の形状は、
図1に示す縦長の形状に限定されるものではなく、スライド孔を介してラッチが移動可能かつラッチとロックピンが嵌合可能に構成されていれば充分である。例えば、スライド孔を横長にして、その形状に合わせたラッチとする構造も採用しうる。但し、引出しと引出しを収納するキャビネットとの間の空間の大きさ及び確保できるラッチの移動幅を考慮すると、ラッチ3及びスライド孔21の形状が縦長の形状にされることが好ましい。
【0047】
前述したように、
図2はロック装置の全体の外観を示す概略図であり、引出しロック1の全体像を示している。
【0048】
図2に示すように、引出しロック1は、蓋部8を有する。蓋部8は、外カバー体2のスイッチ4側に取り付けられる薄い板状体であり、外カバー体2を閉塞し、外カバー体2の内部に異物が混入しないようにしている。
【0049】
また、ラッチ3は、外カバー体2と反対側の領域に突出部9を有する。突出部9は、引出し7が収納されるキャビネットの側板内側(図示せず)に設けられたロックピン10と嵌合する部分である。
【0050】
また、ロックピン10は、引出し7がキャビネット内に収納された状態で、突出部9と対応する位置にくるように設けられている。また、ロックピン10は、ラッチ3の突出部9に引っ掛かる大きさの略円柱状体である。
【0051】
また、スイッチ4の端部には凸状かつ略半円径の操作部11が設けられている。また、操作部11の表面上には、複数の溝12が形成されている。この操作部11に触れてスイッチ4を動かすことができる。
【0052】
ここで、蓋部8の形状と大きさ及び外カバー体2への取付け構造は特に限定されるものではない。外カバー体2を閉塞可能なものとなっていれば充分である。
【0053】
また、ラッチ3の突出部9及びロックピン10の形状と大きさは特に限定されるものではない。突出部9とロックピン10が嵌合可能であり、引出し7の移動をロック状態とできるものであれば充分である。
【0054】
また、必ずしも、ロックピン10が略円柱状体である必要はない。但し、後述するように、ロック状態としたままの誤使用時にロック装置が壊れにくくなる点から、ロックピン10が略円柱状体であることが好ましい。
【0055】
また、ロックピン10の長さは、引出しロック1を設ける引出しとキャビネットの間の距離に応じて適宜変更することが可能である。ロックピン10の長さを調節することで、引出しロック1の汎用性を高めることができる構造となっている。
【0056】
また、必ずしも、スイッチ4の端部に凸状かつ略半円径の操作部11が設けられる必要はなく、操作部11の表面上に複数の溝12が形成される必要もない。使用者がスイッチ4を操作して、ラッチ3を動かせるものであれば充分である。但し、使用者がスイッチ4を扱いやすくなる点から、スイッチ4の端部に凸状かつ略半円径の操作部11が設けられ、操作部11の表面上に複数の溝12が形成されることが好ましい。
【0057】
また、引出しロック1は、
図3(a)に示すような内側本体13を有している。通常は、内側本体13が外カバー体2の内部に配置され、外カバー体2を蓋部8が閉塞するため、内側本体13は外観視できない構造となっている。
【0058】
また、
図3(a)に示すように、内側本体13には、ラッチ3と嵌合する嵌合凸部14が設けられている。また、ラッチ3の嵌合凸部14と対応する領域には、嵌合孔部15が形成され、この部分に嵌合凸部14が挿通されている。
【0059】
また、内側本体13には、嵌合凸部14の近傍に一部が略水平に切り欠かれたラッチ受け部16が設けられている。ラッチ受け部16は、ラッチ3の嵌合孔部15の近傍に略水平に形成された保持部17と嵌合する形状となっている。ラッチ受け部16及び保持部17が嵌合することで、ラッチ3の水平状態を維持するものとなっている。
【0060】
また、内側本体13のラッチ3の端部18と接する領域には、略半円径に形成されたラッチ3の端部18の形状に合わせて略半円形の切り欠き19が設けられている。ラッチ3は、端部18と切り欠き19の形状に沿って、嵌合凸部14を中心軸として、突出部9の突出方向とは反対の方向、即ち、
図3(a)でいう時計回りの方向に回転可能に構成されている。
【0061】
ここで、必ずしも、ラッチ3の嵌合凸部14と対応する領域に嵌合孔部15が形成され、この部分に嵌合凸部14が挿通される必要はない。内側本体13及びラッチ3を連動して動かせる構造となっていれば充分である。但し、後述するように、スイッチを操作せずともロック状態を解除可能にできる点から、ラッチ3の嵌合凸部14と対応する領域に嵌合孔部15が形成され、この部分に嵌合凸部14が挿通されることが好ましい。
【0062】
また、必ずしも、内側本体13にラッチ受け部16が設けられ、ラッチ3に保持部17が形成される必要はない。但し、ラッチ3が嵌合凸部14を中心軸に回転可能な構成とした場合に、ラッチ3の向きを突出部9及びロックピン10が嵌合する向きに維持し、引出しロック1が使用しやすくなる点から、内側本体13にラッチ受け部16が設けられ、ラッチ3に保持部17が形成されることが好ましい。
【0063】
また、必ずしも、ラッチ3の端部18が略半円形に形成され、内側本体13に切り欠き19が設けられる必要はない。但し、ラッチ3が嵌合凸部14を中心軸に回転可能な構造となり、後述するように、スイッチを操作せずともロック状態を解除可能にできる点から、ラッチ3の端部18が略半円形に形成され、内側本体13に切り欠き19が設けられることが好ましい。
【0064】
また、
図3(a)に示すように、内側本体13は、嵌合凸部14が設けられた面と反対側の面でスイッチ4と連設されている。また、内側本体13とスイッチ4の間にはガイド溝20が形成されている。内側本体13とスイッチ4が連設した部分の上方にガイド溝20が形成された構造となっている。また、ガイド溝20は、外カバー体2の一部と対向し、かつ嵌合する構造となっている。
【0065】
また、内側本体13には、ガイド溝20側に隣接して凸状のスライド補助部33が形成されている。スライド補助部33は、内側本体13及びスイッチ4の移動を補助する部分となる。
【0066】
また、スイッチ4にはスイッチ側凸部26が形成されている。スイッチ側凸部26の外カバー体2と接する領域には、凹状の解除係止部22及び施錠係止部23が形成されている。解除係止部22及び施錠係止部23は、後述する外カバー体2の凸状の係止部25と嵌合する部分である。なお、
図3(b)には、ラッチ3、内側本体13及びスイッチ4の平面図を示している。
【0067】
ここで、内側本体13が外カバー体2の一部に沿って移動可能に構成されていれば充分であり、その構造は、内側本体13とスイッチ4の間に形成されるガイド溝20に限定されるものではない。但し、ガイド溝20及び外カバー体2の一部が嵌合することで、内側本体13が外カバー体2との間で位置ずれや分離が生じにくくなる点から、内側本体13とスイッチ4の間にガイド溝20が形成されることが好ましい。
【0068】
前述したように、
図4には、外カバー体2の構造を示している。なお、
図4は、ラッチ3、内側本体13及び蓋部8を取り付ける前の外カバー体2のみの構造である。
【0069】
図4に示すように、外カバー体2には、ラッチ3が挿通されるスライド孔21が形成されている。
【0070】
また、外カバー体2には外カバー体側凸部27が形成されている。外カバー体側凸部27は、スイッチ4のスイッチ側凸部26と対応する部分である。外カバー体側凸部27のスイッチ4と接する領域には係止部25が形成されている。
【0071】
係止部25は、スイッチ4の解除係止部22及び施錠係止部23と嵌合する。即ち、内側本体13及びスイッチ4を、外壁片28及びガイド溝20に沿って移動させた際に、解除係止部22及び施錠係止部23の位置で内側本体13及びスイッチ4を係止させることができる。
【0072】
この場合、解除係止部22で係止部25を係止すると、スイッチ4を解除状態の位置で維持することができる。また、施錠係止部23で係止部25を係止すると、スイッチ4をロック状態の位置で維持することができる。
【0073】
また、スイッチ4は、解除係止部22及び施錠係止部23の位置に至った部分でクリック振動により、操作感触が得られるものとなっている。これにより、使用者はスイッチ4による解除状態またはロック状態を認識可能となり、装置をより確実に作動させることができる。
【0074】
また、外カバー体2は、ガイド溝20に嵌合する外壁片28を有する。外壁片28は、スイッチ4及び内側本体13が下方に下がった状態、即ち、ロック状態となった際に、外カバー体2の内部が見えないようにする目隠しの役割を有している。
【0075】
また、外壁片28は、蓋部8と同様に、外カバー体2を閉塞し、内部に異物が混入しないようにしている。なお、外壁片28が、前述したガイド溝20に配置される外カバー体2の一部に該当する。
【0076】
また、外カバー体2と内側本体13及びスイッチ4を嵌合させた際に、外壁片28の下方に、内側本体13とスイッチ4の連設した領域が配置されることになる。
【0077】
また、外カバー体2には、内側本体13のスライド補助部33が嵌合するスライド補助溝29が形成されている。スライド補助部33及びスライド補助溝29が嵌合することで、外カバー体2と内側本体13及びスイッチ4の動きをスムーズにすることができる。
【0078】
また、外カバー体2の、スライド孔21が形成された側とは反対側の面には、蓋部8と嵌合する段差30が形成されている。
【0079】
ここで、必ずしも、スイッチ側凸部26及び外カバー側凸部27が形成される必要はない。外カバー体2及びスイッチ4が接する領域に、内側本体13及びスイッチ4の外壁片28及びガイド溝20に沿った移動を係止可能な構造が設けられれば充分である。例えば、外カバー体2の外壁片28と、スイッチ4の外壁片28と接する領域に係止部を設ける構造も採用しうる。
【0080】
また、必ずしも、解除係止部22、施錠係止部23及び係止部25が凹凸の形状により係止する構造である必要はなく、所定の位置で係止が可能なものであれば充分である。
【0081】
また、必ずしも、スイッチ4に施錠係止部23が形成される必要はない。但し、スイッチ4に触れて誤ってロック状態が解除されるケースを減らすことが可能な点から、スイッチ4に施錠係止部23が形成されることが好ましい。
【0082】
また、必ずしも、スライド補助部33及びスライド補助溝29が形成される必要はない。但し、外カバー体2と内側本体13及びスイッチ4の動きをスムーズにすることができる点から、スライド補助部33及びスライド補助溝29が形成されることが好ましい。
【0083】
また、必ずしも、外カバー体2に段差30が形成される必要はなく、蓋部8が取り付け可能な構造であれば充分である。
【0084】
また、
図5に示すように、ラッチ3は、突出部9の部分から先端方向に向けて傾斜面31を有している。傾斜面31は、引出し7をキャビネットに押し入れる前に、スイッチ4をロック状態にしてしまった場合の誤使用に対応する構造であり、この点は、本発明の仕様方法の一例において後述する。
【0085】
また、ラッチ3は、突出部9と保持部17の間にクリアランス32を有している。突出部9とロックピン10が嵌合した状態、即ち、ロック状態においても、クリアランス32の範囲で引出し7をキャビネットから引き出すことが可能となる。また、クリアランス32の範囲で引出し7をキャビネットから引き出した状態で、ラッチ3の一部が引出し前板5とキャビネットの間に生じる間隙から視認可能であり、キャビネットの外側から、定規等の薄い板状体やペン等の細長い棒状体でラッチ3に触れることが可能となっている。
【0086】
ここで、必ずしも、ラッチ3が傾斜面31を有する必要はなく、ロックピン10に嵌合可能であれば充分である。但し、誤使用時の破損が生じにくくなる点から、ラッチ3が傾斜面31を有することが好ましい。
【0087】
以下、本発明を適用したロック装置の使用方法について説明し、本発明の理解に供する。
【0088】
引出しロック1では、前述したように、ラッチ3、内側本体13及びスイッチ4が一体的に動く構造となっている。ラッチ3は、外カバー体2のスライド孔21に挿通され、スライド孔21の形状に沿って、上下方向に移動可能である。
【0089】
引出し7をロック状態とするには、まず、操作部11を介してスイッチ4を上方に上げて、ラッチ3の突出部9がロックピン10と嵌合しない高さ位置にもってくる。この際、外カバー体2の係止部25と、スイッチ4の解除係止部22が嵌合し、スイッチ4の解除状態が保たれる。
【0090】
次に、引出し7をキャビネット側に押し入れ、引出し7が完全に収納された状態にする。この際、ラッチ3の突出部9が、キャビネットの側板内側に設けられたロックピン10の上方に位置することになる。
【0091】
操作部11を介してスイッチ4を下げると、これに連動してラッチ3が下がり、突出部9とロックピン10が嵌合する。これにより、引出し7が引き出される方向への移動が規制されロック状態となる。
【0092】
また、この際、外カバー体2の係止部25と、スイッチ4の施錠係止部23が嵌合し、スイッチ4のロック状態が保たれる。また、解除状態とするには、操作部11を介してスイッチ4を上げれば、突出部9とロックピン10が離れ、嵌合しない位置関係となる。
【0093】
続いて、引出しロック1のスイッチを使用しないキャビネットの外側からの解除について説明する。
【0094】
図5に示すように、ラッチ3はクリアランス32を有している。また、嵌合凸部14を中心軸として、回転可能に構成されている。なお、ラッチ3は、矢印Aの方向に回転可能となっている。
【0095】
まず、引出しロック1で引出し7がロックされた状態とする。また、引出し7はキャビネットに完全に収納された状態であるが、クリアランス32の範囲で引出し7はキャビネットから引き出すことが可能であり、ラッチ3は、引出し前板5とキャビネットの間に生じる隙間から視認可能なものとなっている。
【0096】
ここで、スイッチ4を用いずに解除状態とするには、キャビネットの外側から定規等の薄い板状体やペン等の細長い棒状体を引出し前板5とキャビネットの間に生じる間隙に差し込み、ラッチ3の一部分に触れる。そして、上部方向へラッチ3を持ち上げることで、ラッチ3の先端が矢印Aの方向へ持ち上がる。
【0097】
ラッチ3の先端が持ち上がることで、突出部9とロックピン10の嵌合状態が解け、これにより、引出し7を引き出すことが可能になる。このように、スイッチ4を介さずに解除状態にできる構造とすることで、スイッチの破損時等にもロック状態を解除することが可能となる。
【0098】
更に、引出しロック1は、引出しをキャビネットに押し入れる前にスイッチをロック状態にして、引出しを押入れた際の破損防止の構造も有している。
図6は、ロック状態で引出しを閉めた際にラッチ先端にロックピンが接触した状態を示す概略図(a)、ラッチの傾斜面とロックピンまたは突出部が接触した状態を示す概略図(b)、及び、ラッチとロックピンが嵌合した状態を示す概略図(c)である。
【0099】
前述したように、ラッチ3は嵌合凸部14を中心軸として回転可能に構成されている。また、ラッチ3は突出部9から先端にかけて傾斜面31を有している。また、ロックピン10は略円柱状体である。また、
図6の矢印Bは、引出し7がキャビネットに収納される際に移動する方向を示している。
【0100】
まず、引出し7をキャビネットに収納する前に、スイッチ4は下がった状態になっているとする。
図6(a)に示すように、引出し7を矢印Bで示すキャビネットに収納される方向に押し入れると、ラッチ3の先端がロックピン10と接触する。
【0101】
また、
図6(b)に示すように、そのまま引出し7を矢印Bの方向に押していくと、それに伴いラッチ3もキャビネット側に進む。その際、ロックピン10はラッチ3の傾斜面31に沿って位置することになる。ロックピン10の位置に応じて、ラッチ3の先端が矢印Cの方向に持ち上がり、ラッチ3がロックピン10を乗り越えようとして動くことで、引出し7を更に奥に押し入れることが可能となる。
【0102】
ラッチ3の突出部9とロックピン10が接触する位置で、ラッチ3の先端は最も持ち上がった状態となる。また、ロックピン10の高さ位置はそのままであり、ラッチ3の先端が上下動する。
【0103】
図6(c)に示すように、最終的には、ラッチ3の突出部9もロックピン10を乗り越え、ラッチ3とロックピン10が嵌合した状態となる。即ち、スイッチ4を下げた状態で引出し7をキャビネットに収納しても、ロック状態にすることができる。これにより、例えば、誤ってスイッチ4をロック状態に下げて引出しを収納しようとした際にも、ロック状態にすることが可能であり、誤使用時に引出しロック1やロックピン10が破損しにくいものとなっている。
【0104】
以上、本発明を適用したロック装置の一例である引出しロック1について説明したが、本発明の実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、
図7に示すロック装置34のような構造も実施の形態となる。
図7は、本発明の実施の形態の一例であるキャップ式のロック装置を示す概略図である。
【0105】
図7に示すように、ロック装置34は、引出し前板35に加工された専用孔36に嵌めこまれるキャップ式の構造となっている。また、ロック装置34では、ラッチの突出部と嵌合するロックピン37が、キャビネットの側板38の内側に配置されている。なお、外カバー体、内側本体、スイッチ、係止部等を有する点は引出しロック1と同様である。
【0106】
このように、引出し前板に引出しロック1に埋め込まれた構造も本発明の構造として採用しうる。
【0107】
また、
図8に示すロック装置39も本発明の実施の形態の一例である。
図8は、本発明の実施の形態の一例であるネジ固定式のロック装置を示す概略図である。
【0108】
図8に示すように、ロック装置39は、引出し前板40に外カバー体41がネジ構造で固定され、外カバー体41が引出し前板40の前面の外側に配置された構造となっている。また、ラッチの突出部と嵌合するロックピン42が、キャビネットの側板43の外側に配置されている。なお、外カバー体、内側本体、スイッチ、係止部等を有する点は引出しロック1と同様である。
【0109】
このように、引出し前板よりも外側に外カバー体を配置し、キャビネットの側板の外側にロックピンを設ける構造も本発明の構造として採用しうる。この構造は、引出しとキャビネットの間の間隙が小さく、ロックピンの設置が難しいキャビネットに有効な構造である。
【0110】
以上のように、本発明を適用したロック装置は、使用者が手動でロック状態と解除状態を切り替えるものであり、確実にロック状態にできるものとなっている。
【0111】
また、より確実にロック状態とする構造として、ラッチの突出部及びロックピンが磁性を有する構造で形成されるものとすることもできる。この場合、磁力と位置関係を調節し、ラッチが完全な解除状態に位置する場合を除き、ラッチの突出部とロックピンが互いの磁力でくっつく構造とする。これにより、解錠位置以外にラッチがある際は、磁力により自動でロック状態となるものとすることができる。
【0112】
また、本発明を適用したロック装置は構造が簡易であり、キャビネットへの取付け加工が容易なものとなっている。特に、引出し前板に嵌め込む構造を採用した場合には、ネジ等の別途の部材を用いずに簡単に取り付けることが可能となる。
【0113】
また、本発明を適用したロック装置は、ロックピンの長さを変更するだけで、多様なキャビネットに使用することができる。引出しと、その引出しが収納されるキャビネットの側板との間の距離は、種類によって異なるものとなっている。本発明のロック装置では、ロックピンの長さを変えるだけで、その距離の違いに対応可能であり、その他の部材のサイズ変更を特に要しない。この結果、汎用性が高く、製造コストを抑えることができるものとなっている。
【0114】
このように、本発明を適用したロック装置は、ロック状態及び解除状態の切り替えを容易かつ確実に行うことが可能であり、簡易な取付け構造を有するものとなっている。
また、本発明を適用した収納家具は、ロック状態及び解除状態の切り替えを容易かつ確実に行うことが可能であり、簡易な取付け構造を有するものとなっている。