【解決手段】トンネル側壁101近傍の設置面102に敷設される平面状に拡がる底部11と、底部11の走行路R側で起立するように設けられる支持部12とから構成され、底部11と支持部12が一体的に設けられている組立部10と、トンネル側壁101と対向配置されて走行路R側に内装材223が面するように設けられると共に、支持部12に固定されている立壁体20と、トンネル側壁101と立壁体20との間で底部11の上に堆積される充填材30を備えるトンネル内監視員通路構造。
トンネル側壁近傍の設置面に敷設される平面状に拡がる底部と、前記底部の走行路側で起立するように設けられる支持部とから構成され、前記底部と前記支持部が一体的に設けられている組立部と、
トンネル側壁と対向配置されて走行路側に内装材が面するように設けられると共に、前記支持部に固定されている立壁体と、
トンネル側壁と前記立壁体との間で前記底部の上に堆積される充填材と
を備えることを特徴とするトンネル内監視員通路構造。
【背景技術】
【0002】
従来、監視員がトンネルの状態やトンネル内の設備の状態を定期的に点検するための通路として、トンネル側壁に沿って自動車道路の路面よりも一段高い位置に監視員通路を設けることが行われている。この監視員通路は、例えば離間して対向配置した型枠をトンネル側壁から所定距離開けて設置し、型枠間にコンクリートスラリーを充填、硬化して立壁を形成し、立壁の両側の型枠を取り外した後、トンネル側壁と立壁との間に充填材を充填し、立壁の路面側に内装材を貼設することにより、形成される。
【0003】
しかし、監視員通路を、既に完成済みで対面通行で使用中のトンネルに後から設ける場合には、車線規制ではなく車両を通行止めにして工事を行う必要があることから、監視員通路の構造や監視員通路を構築する工法には、通行止め時間をより短縮できるように、施工効率を高めることが強く求められている。このような高効率での施工を実現すべく、特許文献1、2では監視員通路の構造や構築方法が提案されている。
【0004】
特許文献1の監視員通路構造は、路面側に内装材が貼設されているPC(プレキャストコンクリート)版をトンネル側壁から所定距離開けて配置し、PC版の内側面下部をL字金具で設置面に固定すると共に、PC版の内側面上部をターンバックルボルトでトンネル側壁に固定し、トンネル側壁と立壁であるPC版との間の砂の充填材を充填し、その上にコンクリートパネルを打設するものであり、型枠の組立・撤去、型枠間への立壁用のコンクリートスラリーの充填・硬化の作業を無くし、施工効率を高めている。
【0005】
また、特許文献2の監視員通路構造は、表面に内装材を設けたPC版と背面型枠を離間して対向配置し、背面型枠をトンネル側壁側にしてトンネル側壁から所定距離開けてPC版及び背面型枠を設置すると共に、この背面型枠をトンネル側壁と背面型枠との間に設ける支保工で支持し、この状態で型枠間にコンクリートスラリーを充填、硬化して立壁を形成し、背面型枠を取り外した後、トンネル側壁と立壁との間に砂の充填材を充填し、その上にコンクリートパネルを打設するものであり、路面側の型枠の組立・撤去の作業を無くし、施工効率を高めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の構造では、PC版を立壁として施工効率の向上を図っているが、L字金具をPC版と設置面に固定してPC版を設置面に固定する作業やPC版をターンバックルでトンネル側壁に固定する作業に手間と時間を要するため、実際には作業が思うように捗らず、施工効率を向上することは困難である。また、特許文献2の構造では、背面型枠を支持する支保工の設置、充填材の充填とは別に型枠間への立壁用のコンクリートスラリーの充填・硬化の作業を行う必要があるため、同様に実際上は施工効率の向上が難しい。そのため、確実に施工効率を高めることができる監視員通路構造や工法が求められている。
【0008】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、型枠の組立・撤去作業を不要にし、立壁の設置作業を極めて効率的に行うことが可能であり、施工効率を確実に高めることができるトンネル内監視員通路構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトンネル内監視員通路構造は、トンネル側壁近傍の設置面に敷設される平面状に拡がる底部と、前記底部の走行路側で起立するように設けられる支持部とから構成され、前記底部と前記支持部が一体的に設けられている組立部と、トンネル側壁と対向配置されて走行路側に内装材が面するように設けられると共に、前記支持部に固定されている立壁体と、トンネル側壁と前記立壁体との間で前記底部の上に堆積される充填材とを備えることを特徴とする。
これによれば、底部上に充填材を堆積することにより、充填材の重量で底部、支持部及びこれに固定される立壁体を支えて設置することができる。即ち、型枠の組立・撤去作業が不要、従来のL字金具をPC版と設置面に固定する作業等も不要であり、底部上への充填材の堆積により、立壁の設置作業を極めて効率的に行うことが可能である。従って、トンネル内監視員通路の施工効率を確実に高めることができる。
【0010】
本発明のトンネル内監視員通路構造は、走行路の延びる方向に沿って前記立壁体が並設され、隣り合う前記立壁体の側部周辺で、前記隣り合う立壁体に重なって接触するようにして敷目板が固設されることを特徴とする。
これによれば、立壁体の側部相互の間を確実に閉塞し、充填材の漏出を防止することができ、トンネル側壁と立壁体の間に充填材をより確実に充填して堆積することができる。
【0011】
本発明のトンネル内監視員通路構造は、前記立壁体が、面板と、前記面板の走行路側に設けられる仕上パネルとから構成されることを特徴とする。
これによれば、自動車の衝突等によって仕上パネルが破損した場合も仕上パネルだけ交換して容易に対処することが可能となり、補修作業の効率化を図ることができる。
【0012】
本発明のトンネル内監視員通路構造は、前記底部に間隔を開けて隙間部が形成され、前記充填材が前記隙間部に入り込んで前記設置面上にも堆積されることを特徴とする。
これによれば、隙間部に充填材が入り込んで設置面上にも堆積することにより、底部の設置面への密着性を高めることが可能となる。従って、組立部、及びその支持部に固定されている立壁体の設置状態の安定性、強度をより高めることができる。
【0013】
本発明のトンネル内監視員通路構造は、トンネル側壁と前記立壁体との間の空間を区画するように、走行路の延びる方向に間隔を開けて仕切板が設けられ、前記仕切板で区画された空間に前記充填材が堆積されていることを特徴とする。
これによれば、万一、面板等の立壁体が破損した場合にも、砂等の充填材の漏れの発生を仕切板で区画された部分だけに限定し、通路構造の破損被害を抑制することができると共に、補修に要する労力も低減することができる。
【0014】
本発明のトンネル内監視員通路構造の構築方法は、本発明のトンネル内監視員通路構造を構築する方法であって、前記組立部と前記立壁体の少なくともトンネル側壁との対向面が一体化されている構造体を、前記底部をトンネル側壁近傍の設置面に敷設して、前記支持部が走行路側で起立するようにして配置する工程と、トンネル側壁と前記立壁体の対向面との間の空間に充填材を充填して、前記充填材を前記底部の上に堆積する工程とを備えることを特徴とする。
これによれば、組立部と立壁体の少なくともトンネル側壁との対向面が一体化されている構造体を配置するだけで充填材の充填、堆積の基本的な準備を整えることができ、施工効率を一層向上することができる。また、立壁体が面板と仕上パネルから構成され、面板だけが組立部と一体化されている構造体を配置し、充填材を充填する場合には、構造体を迅速性を優先して配置できる一方で、走行路側に面する仕上パネルを別途に傷つかないように丁寧に取り扱って施工することができ、仕上がり状態の良好なトンネル内監視員通路構造を全体として効率的に施工することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のトンネル内監視員通路構造或いはトンネル内監視員通路構造の構築方法によれば、型枠の組立・撤去作業を不要にし、立壁の設置作業を極めて効率的に行うことが可能であり、施工効率を確実に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態のトンネル内監視員通路構造及びその構築方法〕
本発明による第1実施形態のトンネル内監視員通路構造は、
図1及び
図2に示すように、高速道路トンネル等のトンネル側壁101の近傍における土間コンクリートの設置面102に敷設される底部11と、底部11の走行路R側で起立するように設けられる支持部12とから構成される組立部10を有し、底部11と支持部12が溶接等で固定して一体的に設けられている。支持部12には立壁体20が固定されており、立壁体20は、トンネル側壁101と対向配置されて走行路R側に内装材223が面するように設けられている。そして、トンネル側壁101と立壁体20との間で底部11の上に充填材30が堆積され、その上にコンクリートパネル90が設けられて監視員通路構造が形成されている。
【0018】
尚、
図1中、103は充填材30に埋設されるケーブル用管路、104は排水管路である。また、
図1の例は、既設トンネルのトンネル側壁101と排水管路104との間が非常通路として使用されていたものを、所定高さに嵩上げして監視員通路構造を構築したものである。
【0019】
組立部10の底部11には、平面状に拡がる適宜のものを用いることが可能であるが、図示例のエキスパンドメタル或いはパンチングメタル等のように、基部111に間隔を開けて複数の隙間部112が形成されているものを用いると好適である(
図4(b)、
図5(b)参照)。
【0020】
支持部12は、底板11の走行路R側で起立するように設けられるものであれば適宜であるが、
図1〜
図10の例では各々が断面視L字形で棒状の基台121、柱材122、梁材123を組み合わせて構成されており、基台121、柱材122、梁材123にはアングル鋼材等が用いられている。
【0021】
より詳細には、本例の支持部12では、基台121と柱材122とが一体的に形成されたL字金具等のL字材になっており、基台121の側板121a、柱材122の側板122aが外側、基台121の底板121b、柱材122の前板122bが内側になるようにして、一対のL字材が間隔を開けて配設されている。一対の基台121・121の底板121b・121bは、その下面を底部11に溶接等で固定されている。一対のL字材の柱材122・122間には上下2つの梁材123が架設されており、各梁材123の両端部は、一方の面を柱材122・122の前板122bの後側に沿うようにして設けられ、それぞれは溶接等で柱材122・122に固定されている。
【0022】
立壁体20は、トンネル側壁101と対向配置して走行路R側に内装材が面するように配置可能で、支持部12に固定可能なものであれば適宜であるが、
図1〜
図10の例では、面板21と、面板21の走行路R側に設けられる仕上パネル22とから構成されている。
【0023】
面板21は、鋼板等からなる矩形平板状であり、面板21の所定箇所、図示例では略中央箇所にボルトを挿通するための挿通穴211が形成されている。面板21は、支持部12の一対の柱材122の前板122bの前面に固定されており、図示例の面板21は、前板122bの前面に溶接等で固定されて一体化され、組立部10と面板21で、組立部10と立壁体20のトンネル側壁101との対向面が一体化された構造体40を構成している(
図8、
図9参照)。
【0024】
仕上パネル22は、面板21とほぼ対応する形状及び大きさの矩形平板状の基板221を有し、基板221の所定箇所、図示例では略中央箇所にボルトを挿通するための挿通穴222が形成されている。この基板221は、例えば繊維強化セメント板で形成し、背面側に飛散防止用のガラスクロスが貼ってあるもの等とすると、破損時の飛散を防止することができて好ましい。
【0025】
基板221には、内装のために前面側に化粧タイル等の内装材223が貼設されているが、内装材223は、挿通穴222の箇所でのボルト締めを確保できるように、挿通穴222の箇所には設けられていない。図示例の仕上パネル22では、内装材223が縦横に複数並べられ、基板221の前面に接着されている。
【0026】
面板21の挿通穴211、仕上パネル22の基板221の挿通穴222には、全ネジボルト231が挿入され、面板21の背面側と前面側に設けられる座金を介在するナット232の締め付けで、全ネジボルト23が面板21に固定されていると共に、仕上パネル22の背面側に設けられる板ナット233及び仕上パネル22の前面側に設けられる座金を介在するナット234の締め付けで、全ネジボルト23が仕上パネル22に固定される。即ち、全ネジボルト231等のボルト締めにより、仕上パネル22が面板21に固定され、面板21と一体化している組立部10に固定されている(
図5、
図6、
図9参照)。
【0027】
そして、組立部10、或いは構造体40は、
図4、
図5、
図10に示すように、トンネル側壁101の近傍の設置面102に、走行路Rに沿って延びるように僅かに間隔を開けて並設されている。隣り合う組立部10・10の底部11・11の側縁近傍には上方から押さえるようにして押さえ板51が設けられ、押さえ板51の略中央等の所定箇所でコンクリートアンカー52を設置面102に打ち込み、押さえ板51で底部11・11の側縁近傍を押圧することにより、並置した組立部10が所定位置に定置されている。
【0028】
この並置される構造体10に対応して面板21に仕上パネル22を固定することにより、走行路Rの延びる方向に沿って立壁体20が並設されている(
図3〜
図5参照)。隣り合う立壁体20・20の側部周辺には、隣り合う立壁体20・20に重なって接触するようにして敷目板60が固設され、本例では隣り合う面板21・21の側部周辺に背面側から重なって接触するようにして敷目板60が配置されて固設されており、これらの面板21・21と対応する隣り合う仕上パネル22・22の側部周辺に前面側から重なって接触するようにして目地板70が配置されて固設されている(
図2、
図5〜
図7、
図9、
図10参照)。
【0029】
敷目板60、目地板70には、
図9に示すように、対応する位置の所定箇所に挿通穴61、71が形成されており、図示例では上部、中間部、下部の3箇所に間隔を開けて挿通穴61、71が形成されている。敷目板60の挿通穴61、目地板70の挿通穴71には、全ネジボルト81が挿入されており、この全ネジボルト81において、敷目板60の背面側に設けられる座金82を介在するナット83と敷目板61の前面側に設けられる大座金84を介在するナット85が締め付けられ、隣り合う面板21・21の側部周辺の前面側を押圧する大座金84と背面側で敷目板60を押圧する座金82で挟み込むようにして、隣り合う面板21・21と敷目板60が押圧固定され、隣り合う面板21・21間の空隙が背面側から塞がれている。
【0030】
更に、全ネジボルト81において、隣り合う仕上パネル22・22の基板221・221の背面側に設けられる板ナット86、及び目地板70の前面側に設けられる座金87を介在するナット88が締め付けられ、板ナット86と座金87で挟み込むようにして、隣り合う仕上パネル22・22の基板221・221と目地板70が押圧固定されている。即ち、隣り合う仕上パネル22・22の側部周辺を前面側から押さえるように設けられる目地板70により、隣り合う仕上パネル22・22間の空隙が前面側から塞がれている。
【0031】
尚、本例では、上部の挿通穴61、71に挿通される全ネジボルト81が、中間部、下部で挿通される全ネジボルト81よりも長いものになっており、内側に突出する長さが長くなっている。そして、この長い全ネジボルト81の内側端部近傍に別のナット89を螺合しておくことにより、後述するコンクリートパネル90内に上部の全ネジボルト81の一部及びナット89が凹凸を持って埋設され、アンカー効果を発揮できるようになっている(
図2参照)。
【0032】
このように走行路Rの延びる方向に設けられた面板21及び敷目板60と、トンネル側壁101との間には、
図1〜
図3及び
図10に示すように、砂等の充填材30が充填され、この充填材30が、組立部10或いは構造体40の基部111の上に重量で基部111を押さえるように堆積されていると共に、隙間部112に入り込み、設置面102の上にも堆積されている。更に、面板21及び敷目板60と、トンネル側壁101との間において、充填材30の上にコンクリートパネル90が設けられ、上部の全ネジボルト81の一部及びナット89と柱材122の一部がコンクリートパネル90内に埋設されている。
【0033】
第1実施形態のトンネル内監視員通路構造を構築する際には、
図3〜
図7に示すように、組立部10と立壁体20のトンネル側壁101との対向面となる面板21が一体化されている構造体40を、底部11をトンネル側壁101の近傍の設置面102に敷設して、支持部12の柱材122が走行路R側で起立するようにして配置することにより、構造体40を走行路Rの延びる方向に並設すると共に、隣り合う底部11・11の側縁近傍に上方から押さえ板51が設けられ、押さえ板51を貫通するようにコンクリートアンカー52を設置面102に打ち込み、並設した構造体40を所定位置に位置決めして定置する。
【0034】
そして、構造体40の面板21に仕上パネル22をボルト締めで取り付け、面板21と仕上パネル22で構成される立壁体20を形成する。更に、隣り合う面板21・21の側部周辺に背面側から重なって接触するようにして敷目板60が配置して、ボルト締めで挟み込んで固定することにより、面板21・21間を背面側から閉塞すると共に、隣り合う仕上パネル22・22の側部周辺に前面側から重なって接触するようにして目地板70を配置して、ボルト締めで挟み込んで固定することにより、仕上パネル22・22の側部間を前面側から閉塞する。
【0035】
その後、
図10に示すように、面板21及び敷目板60と、トンネル側壁101との間に砂等の充填材30を充填し、充填材30を基部111の上に重量で基部111を押さえるように堆積すると共に、隙間部112に入り込ませ、設置面102の上にも堆積する。更に、上部の全ネジボルト81の一部及びナット89と柱材122の一部を埋設するようにして、充填材30の上にコンクリートパネル90を現場で打設することにより、トンネル内監視員通路構造が完成する。
【0036】
第1実施形態のトンネル内監視員通路構造によれば、底部11上に充填材30を堆積することにより、充填材30の重量で底部11、支持部12及びこれに固定される立壁体20を支えて設置することができる。即ち、型枠の組立・撤去作業が不要、従来のL字金具をPC版と設置面に固定する作業等も不要であり、底部11上への充填材30の堆積により、立壁の設置作業を極めて効率的に行うことが可能である。従って、トンネル内監視員通路の施工効率を確実に高めることができる。
【0037】
また、敷目板60により、立壁体20の側部相互の間を確実に閉塞し、充填材30の漏出を防止することができ、トンネル側壁101と立壁体20の間に充填材30をより確実に充填して堆積することができる。また、立壁体20を、面板21と、面板21の走行路R側に設けられる仕上パネル22とから構成することにより、自動車の衝突等によって仕上パネル22が破損した場合も仕上パネル22だけ交換して容易に対処することが可能となり、補修作業の効率化を図ることができる。
【0038】
また、底部11を間隔を開けて複数の隙間部112が形成されているものとすることにより、隙間部112に充填材30を入り込ませて設置面102上にも堆積させ、底部11の設置面102への密着性を高めることが可能となる。従って、組立部10、及びその支持部12に固定されている立壁体20の設置状態の安定性、強度をより高めることができる。
【0039】
また、組立部10と立壁体20の一部である面板21とが一体化されている構造体40を敷設することにより、構造体40を配置するだけで充填材30の充填、堆積の基本的な準備を整えることができ、施工効率を一層向上することができる。また、面板21と仕上パネル22とから構成される立壁体20の面板21だけを組立部10と一体化した構造体40とすることにより、構造体40を迅速性を優先して配置できる一方で、軽量で人力で扱うのが容易な仕上パネル22を別途に傷つかないように丁寧に取り扱って施工することができ、仕上がり状態の良好なトンネル内監視員通路構造を全体として効率的に施工することができる。
【0040】
〔第2実施形態のトンネル内監視員通路構造及びその構築方法〕
本発明による第2実施形態のトンネル内監視員通路構造では、
図11に示すように、トンネル側壁101と立壁体20との間の空間を区画するように、走行路Rの延びる方向に間隔を開けて仕切板13が設けられ、仕切板13・13で区画された空間に充填材30が堆積される。
【0041】
仕切板13は、組立部10の所定箇所に固定する等の適宜の構成で設けることが可能であるが、図示例では、支持部12の柱材122の側板122aの外面にボルト締め或いは溶接等で固定されて設けられると共に、一対の柱材122・122の側板122a・122aにそれぞれ設けられ、面板21の背面側に配置される。尚、仕切板13は、組立部10の一方の柱材122の側板122aのみに設けることも可能である。
【0042】
仕切板13を設ける監視員通路構造では、現場での施工前に工場等で予め固定しておき、仕切板13が固定して一体化された組立部10或いは構造体40を設置面102に敷設した後に、或いは、現場で組立部10或いは構造体40を設置面102に敷設すると共に、所要箇所の組立部10にボルト締め等で仕切板13を固定した後に、仕切板13・13で区画された空間に充填材30を充填して、底部11の上に充填材30を堆積する。その他の監視員通路構造或いはその構築方法の構成は第1実施形態と同一である。
【0043】
第2実施形態によれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果が得られると共に、万一、面板21等の立壁体20が破損した場合にも、砂等の充填材30の漏れの発生を仕切板13・13で区画された部分だけに限定し、通路構造の破損被害を抑制することができると共に、補修に要する労力も低減することができる。
【0044】
〔第3実施形態のトンネル内監視員通路構造及びその構築方法〕
本発明による第3実施形態のトンネル内監視員通路構造では、
図12に示すように、組立部10の平面状に拡がる底部11mが鋼板等の平板になっている。図示例の底部11mには、隙間部が形成されていないが、単数或いは複数の隙間部を形成し、底部11mの設置面102への密着性を高めることも可能である。底部11mを有する組立部10を備える監視員通路構造も、第1実施形態と同様の構築方法で構築される。その他の構成は第1実施形態と同一である。
【0045】
第3実施形態によれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果を得ることができる。
【0046】
〔第1〜第3実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものであり、下記変形例も包含する。
【0047】
例えば上記実施形態では、立壁体20の面板21が組立部10の柱材122に溶接等で予め一体的に固定された構造体40を現場で敷設する例としたが、現場において、組立部10を敷設すると共に、敷設した組立部10に立壁体20の全体を固定して取り付けていくようにすることも可能であり、例えば現場で組立部10を敷設し、その組立体10の支持部12の柱材122や梁材123等の所定箇所に形成されたボルト穴と面板21に形成されたボルト穴にボルトを通してボルト締めで固定することにより、組立部10に面板21を固定し、更に、上記実施形態と同様の構成に、面板21と仕上パネル22を固定する構成等とすることが可能である。
【0048】
また、面板21と仕上パネル22から構成される立壁体20について、面板21と仕上パネル22の双方を組立部10と予め一体化した構造体を用い、この構造体を現場で敷設して監視員通路構造を形成することにより、構造体の配置によって仕上げ処理も同時に行うようにすることも可能である。また、立壁体20は、面板21と仕上パネル22から構成されるものに限定されず、例えば走行路R側に内装材223を有する壁板とし、この壁板を支持部12の柱材122等に固定する構成等とすることも可能である。
【0049】
また、上記実施形態では、隣り合う立壁体20・20の側部周辺に敷目板60を設け、敷目板60で立壁体20・20間或いは面板21・21間の空隙を閉塞する構成としたが、例えば立壁体20或いは面板21の一方の側端面に沿って上下に延びる凹溝を形成し、他方の側端面に沿って凸条を形成し、隣り合う立壁体20・20或いは面板21・21で凹溝と凸条を係合する等により、隣り合う立壁体20・20或いは面板21・21間に空隙が生じないようにして、充填材30を充填、堆積する構成とすることも可能である。
【0050】
また、本発明のトンネル内監視員通路構造は、監視員通路が設置されていない既存のトンネルに監視員通路構造を構築する場合に適用すると好適であるが、新設のトンネルに監視員通路構造を構築する場合にも適用可能である。また、適用するトンネルの種類は適宜であり、高速道路トンネルの他、一般道トンネル、鉄道トンネル等にも適用することが可能である。