(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-118082(P2015-118082A)
(43)【公開日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】独立ハンマーを有するゼロリセット装置
(51)【国際特許分類】
G04F 7/08 20060101AFI20150529BHJP
G04B 27/00 20060101ALI20150529BHJP
【FI】
G04F7/08 A
G04B27/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-228695(P2014-228695)
(22)【出願日】2014年11月11日
(31)【優先権主張番号】02080/13
(32)【優先日】2013年12月16日
(33)【優先権主張国】CH
(71)【出願人】
【識別番号】510283546
【氏名又は名称】ソシエテ・アノニム・ドゥ・ラ・マニュファクチュア・ドーロジュリー・オードゥマール・ピゲ・エ・シ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ティボー・フィリピーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ガバテュレ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン・モンテ
【テーマコード(参考)】
2F085
【Fターム(参考)】
2F085BB01
2F085CC04
2F085EE06
2F085FF03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高められた動作信頼性と、ハンマーの同時作動の観点における高い精度と、ハート形カムに加えられる明確に定義された力とが備わった、独立したハンマーを搭載したゼロリセット装置を製造する。
【解決手段】ロック手段7がゼロリセットハンマーをその静止位置で保持する第一の静止位置から、ロック手段7が、対応するハンマーばねの作用下のいずれの場合でも、対応するゼロリセットカムと協働する位置になるゼロリセットハンマーを解放する第二の解放位置へと、ロック手段7が移るように、この屈曲および解放手段6は、第一の制御手段1の作動の第一段階中にハンマーばねを屈曲可能であり、また第一の制御手段1の作動の第二段階中にロック手段7と協働可能とする。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計用、特にクロノグラフウォッチ用のゼロリセット装置であって、第一の制御手段(1)と、前記第一の制御手段(1)と運動学的に接続する第二の制御手段(2)と、少なくとも2つのゼロリセットカム(3.1、3.2、3.3)と、互いに独立して軸支され、対応するゼロリセットカム(3.1、3.2、3.3)と協働するために作動されるように構成された、少なくとも2つの対応するゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)と、を備えているゼロリセット装置において、
前記装置が、それぞれがプリテンションをもたらすように構成され、前記対応するゼロリセットカム(3.1、3.2、3.3)の方向にゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)を回動させる、少なくとも2つのハンマーばね(5.1、5.2、5.3)を備えていること、および
前記装置が、屈曲および解放手段(6)と、ロック手段(7)とを備え、前記ロック手段(7)が前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)をその静止位置で保持する第一の静止位置から、前記ロック手段(7)が、前記対応するハンマーばね(5.1、5.2、5.3)の作用下のいずれの場合でも、前記対応するゼロリセットカム(3.1、3.2、3.3)と協働する位置になる前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)を解放する第二の解放位置へと、前記ロック手段(7)が移るように、前記屈曲および解放手段(6)は、前記第一の制御手段(1)の作動の第一段階中に前記ハンマーばね(5.1、5.2、5.3)を屈曲させ、また前記第一の制御手段(1)の作動の第二段階中に前記ロック手段(7)と協働するように構成されていること、を特徴とするゼロリセット装置。
【請求項2】
前記第一の制御手段(1)の作動の前記第一段階中に前記ハンマーばね(5.1、5.2、5.3)を屈曲させることができるように、前記屈曲および解放手段(6)は、前記第二の制御手段(2)に運動学的に接続され、対応するハンマーばね(5.1、5.2、5.3)に対してそれぞれが重みをかけるように構成された、少なくとも2つの屈曲要素(6.1、6.2、6.3)を備えるバーによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記屈曲要素は、ピン(6.1、6.2、6.3)によって形成されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の制御手段(1)の作動の前記第二段階中に、前記ロック手段(7)がその前記静止位置において前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)を保持するその前記第一の静止位置から、前記ロック手段(7)が前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)を解放するその前記第二の解放位置へと、前記ロック手段が移るように、前記屈曲および解放手段(6)は、前記ロック手段(7)と協働するように構成された解放部(6.4)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記解放部(6.4)は、前記ロック手段(7)と接触することができる斜面または丸み付き縁部によって形成されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記屈曲および解放手段(6)は、前記第一の制御手段(1)の作動の後に、前記屈曲および解放手段(6)において長手方向グルーブ(6.5)に嵌合するガイドシャフト(6.6)を中心にして、大きな半径で回転変位可能であり、前記屈曲および解放手段(6)と前記第二の制御手段(2)との間の前記運動学的な接続は、ピボットピン(6.7)によって形成されていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ロック手段(7)は、回動可能に取り付けられ、前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)の一つに対してプリテンションが与えられたロックレバーによって形成され、前記ゼロリセットハンマーは、前記ロックレバー(7)のロック部(7.2)が係合可能または離脱可能なノッチ(4.1.4)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ロック部(7.2)は、ピンによって、または、前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)の一つにおける前記ノッチ(4.1.4)と係合するように構成された形状の部品によって、形成されることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、その作動の後に、前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)をその前記静止位置に戻すように構成された、前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)のリターン手段(8)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記ゼロリセットハンマーの前記リターン手段(8)は、前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)の少なくとも一つに配置された補助アーム(4.1.2、4.2.2、4.3.2)によって形成されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ゼロリセットハンマーの前記リターン手段(8)は、前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)のそれぞれと運動学的に接続されたリターンバーによって形成され、前記接続は、前記ロック手段(7)と協働する前記ゼロリセットハンマー(4.1)との遊びがなく、かつ他のゼロリセットハンマー(4.2、4.3)との遊びはある状態で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ゼロリセットハンマー(4.1、4.2、4.3)は、全てが同じ形状をしていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の制御手段(1)は並進移動可能であり、前記第二の制御手段(2)は回転移動可能であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第一の制御手段(1)がプッシュボタンであることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
時計、好ましくは機械式腕時計であって、請求項1から14のいずれか一項に記載のゼロリセット装置を搭載するクロノグラフ機構またはフライバック針機構を備えることを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用、特にクロノグラフウォッチ用のゼロリセット装置に関するものであり、この装置は、第一の制御手段と、この第一の制御手段と運動学的に接続する第二の制御手段と、少なくとも2つのゼロリセットカムと、互いに独立して軸支され、対応するゼロリセットカムと協働するために作動され得る、少なくとも2つの対応するゼロリセットハンマーと、を備えている。
【0002】
本発明は、更に具体的には、機械式ムーブメントを有し、クロノグラフ機構またはフライバック針を搭載した時計、特に腕時計、に関する。このような状況において、場合によってはフライバック針として配置される秒針、分針、および時針のそれぞれが、ゼロリセットの場合には、針をその静止位置に戻すために、または、フライバック針機構の場合には、針を基準針によって規定される位置に戻すために、対応するハンマーと協働し得るハート形カムを搭載したシャフトに取り付けられるのは、一般的なことである。従来の機構では、ハンマーは大抵、一体型部品の上に配置される。これは、そのような部品によってもたらされる力の増加、個別のハートを打つ瞬間に必要な同期、結果として生じる製造精度、そのような部品の体積、および更なる欠点が原因で、問題を引き起こすことがある。
【背景技術】
【0003】
したがって、このような状況において、独立したハンマーの配置を使用することが既に提案されている。例えば、特許文献1は、互いに独立して軸支され、接続要素によって接続された秒ハンマーおよび分ハンマーを有するクロノグラフ機構を提案している。しかしながら、もし提案された配置が、ハンマーで独立して働くばねを有する場合には、とりわけこの接続要素が原因で、分カウンターホイールと同心円状に角度をなして軸支された分カウンタージャンパーだけでなく、ハンマーを同軸上で回動させることが必要となり、この装置の用途を大幅に制限する。別のデザインが特許文献2により提案されている。対応する装置は、対応するハートと協働するために制御要素によって作動され得る複数のハンマーを備える。制御要素の並進移動が、ハンマーに対するその運動学的接続により、ハンマーと対応するハートとの間の協働を直接もたらすように、ハンマーはそれぞれの独立したピボットを中心に回動し、制御要素に連接される。しかしながら、そのような直接的な運動学的接続は、最適なものではない。更に、これは、この機構が、ハートに対してハンマーを当てる傾向のあるばねを有さないこと暗示しており、精密度の潜在的な欠如は、ハンマーのアームに弾性を持たせることによって、補正されなければならない。したがって、現在知られている先行技術の解決策が、全面的に満足できるものであるというわけではなく、および/または、クロノグラフ機構の全ての種類で使用可能なわけでもないことに留意すべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2241945号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1890205号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の一つの目的は、既知の装置の欠点を少なくとも部分的に克服し、高められた動作信頼性と、ハンマーの同時作動の観点における高い精度と、ハート形カムに加えられる明確に定義された力とが備わった、独立したハンマーを搭載したゼロリセット装置を製造することである。本発明の更なる目的は、できるだけコンパクトであり、また単純で使用中に信頼できる強固な構造を用いて、この装置を製造することである。この装置は、フライバック針機構などの、その他の類似のあらゆる用途の場合と同様に、クロノグラフ機構自体においても実施のために適合されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、請求項1において特定される特徴によって区別される、上述した種類のゼロリセット装置を提案する。特に、本発明による装置は、それぞれがプリテンションをもたらすことができ、対応するゼロリセットカムの方向にゼロリセットハンマーを回動させる、少なくとも2つのハンマーばねと、屈曲および解放手段と、ロック手段とを備える。ロック手段がゼロリセットハンマーをその静止位置で保持する第一の静止位置から、ロック手段が、対応するハンマーばねの作用下のいずれの場合でも、対応するゼロリセットカムと協働する位置になるゼロリセットハンマーを解放する第二の解放位置へと、ロック手段が移るように、この屈曲および解放手段は、第一の制御手段の作動の第一段階中にハンマーばねを屈曲可能であり、また第一の制御手段の作動の第二段階中にロック手段と協働可能である。
【0007】
これらの方策の結果、時計の使用者によって第一の制御手段に手動で加えられた力が所定の閾値を超えた場合にのみ、ゼロリセットが行われる。更に、ハンマーによってカムに加えられる力は、常に同一であり、所定の値と等しい。これは、それらの間に直接的な運動学的接続のないハンマーの最大限の独立性を確実にしている間であって、少なくともそれらをカムに対して当てている間以外に、達成される。
【0008】
これらの利点は、従属する請求項から明らかなように、屈曲および解放手段と、ロック手段とを有利に配置することによっても、向上され得る。同様に、装置は、その作動の後にゼロリセットハンマーをそのリセット位置に戻すことができる、ゼロリセットハンマーのリターン手段を備え、このリターン手段は、最適な形でハンマー間の独立性を維持するように配置され得る。更に、本発明による装置のゼロリセットハンマーは、有利には、全てが同じ形状をしていてもよい。これらの要因の全てが、そのような装置の特に単純で信頼性のある実施形態に寄与している。
【0009】
更なる特徴および対応する利点が、従属する請求項および本発明を提示する説明から、以下で詳細に明らかになるであろう。
【0010】
添付の図面は、本発明の多数の実施形態を、例として、概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1a】本発明によるゼロリセット装置の第一の実施形態の概略的な斜視図である。
【
図1c】
図1bに示された線I−Iに沿ったこの装置の縦断面図である。
【
図2a】第一の制御手段の作動の第一段階の開始直後のその位置における、
図1aから1cに係るゼロリセット装置の平面図である。
【
図2b】該作動の第一段階中に、屈曲および解放手段がロック手段と接触した瞬間の、その位置における装置の平面図である。
【
図2c】該作動の第一段階の終わりに、屈曲および解放手段がゼロリセットハンマーを解放させる瞬間の直前の、その位置における装置の平面図である。
【
図2d】該作動の第二段階中に、ゼロリセットハンマーが対応するゼロリセットカムを打った時の、その位置における装置の平面図である。
【
図2e】ゼロリセットハンマーおよびロック手段がその静止位置に戻るように、第一の制御手段が使用者によって解放された時の、その位置における装置の平面図である。
【
図3a】本発明によるゼロリセット装置の第二の実施形態の概略的な斜視図である。
【
図3c】
図3bに示された線II−IIに沿ったこの装置の縦断面図である。
【
図4a】第一の制御手段の作動の第一段階の開始直後の、その位置における、
図3aから3cに係るゼロリセット装置の平面図である。
【
図4b】該作動の第一段階中に、屈曲および解放手段がロック手段と接触した瞬間の、その位置における装置の平面図である。
【
図4c】該作動の第一段階の終わりに、屈曲および解放手段がゼロリセットハンマーを解放させる瞬間の直前の、その位置における装置の平面図である。
【
図4d】該作動の第二段階中に、ゼロリセットハンマーが対応するゼロリセットカムを打った時の、その位置における装置の平面図である。
【
図4e】ゼロリセットハンマーおよびロック手段がその静止位置に戻るように、第一の制御手段が使用者によって解放された時の、その位置における装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、例として本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明は、時計、好ましくは機械式ムーブメントを有する腕時計、に組み込まれることを意図したゼロリセット装置に関する。使用される言語の簡素化のために、以下では、対応する説明の範囲を制限することなく、「時計」と「ウォッチ」は同意語として言及され、いずれの場合においても、機械的または電気的エネルギー源のいずれかを有するどのような種類の時計にも適用される。更に、そのような時計は通常、本発明によるゼロリセット装置を搭載することが意図されたクロノグラフ機構またはフライバック針機構を備える。クロノグラフやフライバック針機構、および本発明による装置との組み合わせに適しているさらに他の類似の機構が当業者に知られていることを踏まえると、下記の説明は、この装置の構造や機能に限定される。
【0014】
まず、本発明によるゼロリセット装置の構造および部品について解説するために、概略的な斜視図と、平面図と、
図1bに示される線I−Iに沿ったこの装置の縦断面図とをそれぞれ用いて、例として、そのような装置の第一の実施形態を概略的に示す、
図1aから1cを参照する。装置が、先行技術の装置と同様に、第一の制御手段1と、第一の制御手段1と運動学的に接続する第二の制御手段2と、少なくとも2つのゼロリセットカム3.1、3.2、3.3と、少なくとも2つの対応するゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3と、を備えていることがわかる。ハンマー4.1、4.2、4.3は、通常は互いに対して非同心円状に位置するピボット軸4.1.1、4.2.1、4.3.1を中心に互いに独立して軸支され、対応するゼロリセットカム3.1、3.2、3.3と協働するために作動され得る。そのためには、その自由端が、ハンマー自体を形成し、対応するゼロリセットカム3.1、3.2、3.3に対して押し付けられることが可能である表面、好ましくは平面、を備えるアーム4.1.3、4.2.3、4.3.3を、ハンマーのそれぞれが有する。ハンマー−ハートアセンブリーの改良された性能を得るために、これらのカム3.1、3.2、3.3は、たいていハート型、好ましくは非対称のハートの形をしており、多くの場合に針またはディスクである対応する表示要素の回転軸に取り付けられるか、または、この要素の回転軸に直接的もしくは間接的に運動学的に接続された車軸に取り付けられる。例えば、表示要素は、図面に示される3つのハンマー4.1、4.2、4.3または3つのハート3.1,3.2、3.3が、ハンマーまたは時間、分、および秒のハートに対応するように、クロノグラフ機構または対応するフライバック針機構の秒針、分針および時針であってもよい。第一の制御手段1は並進移動可能であり、第二の制御手段2はピボット2.1を中心にして回転移動可能であり、
図1aおよび1bに示されるように、制御リターンばね(図示せず)は、第二の制御手段2の端部2.2をハンマーの一つ、好ましくは第一のハンマー4.1、に当てるのに使用される。通常、第一の制御手段1は、第一の制御手段1と第二の制御手段2との間の運動学的接続によって、この第二の制御手段2を回動させるために、時計の使用者が手動で力を加えることができるプッシュボタンにより、実現される。例えば
図1bや3bで見ることができる屈曲止め6.8は、使用者によって第一の制御手段1に手動で力が加えられた後に、第二の制御手段2の進路を、ハンマー4.1、4.2、4.3から遠ざかる方向に制限する。したがって、第一の制御手段1は、第二の制御手段2を用いて、例えばクロノグラフ機構またはフライバック針機構の針のゼロリセットといった、対応する機能を制御することを可能にする。
【0015】
先行技術の装置とは異なり、この装置は、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の一つを、対応するゼロリセットカム3.1、3.2、3.3の方向に回動させるプリテンションをそれぞれがもたらすことができる、少なくとも2つのハンマーばね5.1、5.2、5.3と、屈曲および解放手段6と、ロック手段7と、を備える。下記の説明によってより明らかになるように、
図1aから1cに示された装置の第一の実施形態においては、屈曲および解放手段6によって屈曲力を受けることができるように、ハンマーばねは、その一端が対応するハンマーに堅く取り付けられ、その他端が固定されていない板ばねによって、形成されている。明らかに分かるように、ばねは、屈曲および解放手段6に取り付けられることができ、ばねの自由端はハンマー4.1、4.2、4.3と協働することができるが、このデザインは図示されていない。
【0016】
実際に、この屈曲および解放手段6は、第一の制御手段1の作動の第一段階中に、ハンマーばね5.1、5.2、5.3を屈曲させることができ、また、ロック手段7がその静止位置においてゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3を保持する第一の静止位置から第二の解放位置へとロック手段7が移るように、第一の制御手段1の作動の第二段階中に、ロック手段7と協働することもできる。これより先の記載でより詳細に述べられるように、この第二の位置において、ロック手段7はゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3を自由にし、これらのハンマーはその後、いずれの場合も、対応するハンマーばね5.1、5.2、5.3の作用下で、対応するゼロリセットカム3.1、3.2、3.3と協働する位置になる。
【0017】
図1aおよび1bは、本発明による装置の第一の実施形態において、第一の制御手段1の作動の第一段階中にハンマーばね5.1、5.2、5.3を屈曲させることができるように、屈曲および解放手段6が第二の制御手段2に運動学的に接続され、少なくとも2つ、図面に示された例では3つの、対応するハンマーばね5.1、5.2、5.3の自由端に対してそれぞれが重みをかけることができる屈曲要素6.1、6.2、6.3を備える、バーによって形成されていることを、明確に示す。屈曲要素は、好ましくは、バー6に沿って適当な距離を置いて取り付けられた屈曲ピン6.1、6.2、6.3によって、形成され得る。
【0018】
第一の制御手段1の作動の第二段階中に、ロック手段7がその静止位置においてゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3を保持するその第一の静止位置から、ロック手段7がゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3を解放するその第二の解放位置へとロック手段が移るように、屈曲および解放手段6は、ロック手段7と協働することができる解放部6.4も備える。この解放部は、好ましくは、ロック手段7に向けられたその端部の近くに配置され、ロック手段7と接触することができる、斜面または丸み付き縁部6.4によって、形成される。
【0019】
通常、第一の制御手段1とその端部の一つおいて連接される第二の制御手段2と同様に、屈曲および解放手段6と第二の制御手段2との間の運動学的接続は、例えば、第二の制御手段2の他端2.2と連接されるピボットピン6.7によって、作り出すことができる。また、第二の制御手段2とは反対の端部に長手方向グルーブ6.5があり、このグルーブには、対応する時計のブリッジに取り付けられ、
図3bにおいて例として見ることができるガイドシャフト6.6が嵌合しているので、屈曲および解放手段6は、第一の制御手段1の作動の後に、ガイドシャフト6.6を中心にして回転変位可能である。回転運動は、好ましくは、大きな半径を有する。
【0020】
ロック手段7に関し、これは好ましくは、ピボット7.1を中心に回動可能に取り付けられ、リターンロックばねによって、ロック手段の静止位置を規定するロックストップ7.3に対して、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の一つの方向にプレストレスが与えられた、ロックレバーによって、形成される。ロック手段には、好ましくは、第二の制御手段2の最も近くに配置された第一のゼロリセットハンマー4.1の方向に、プレストレスが与えられる。しかし、ロック手段には、他のハンマー4.2、4.3の一つの方向にプレストレスが与えられることもあり得る。ロックレバー7がプレストレスを与えられているハンマーは、よって、図面にも示される通り、大抵、第一のゼロリセットハンマー4.1であり、ロックレバー7のロック部7.2が係合可能または離脱可能なノッチ4.1.4を備える。更に、少なくともこのハンマーは、好ましくは、わずかに丸みがあってもよいガイド部4.1.5も備え、離脱に続くその動作中、そしてその後のノッチ4.1.4に向かうそのリターン動作中に、ロック部7.2の案内を可能にする。ロック部は、レバー7に取り付けられたロックピン7.2によって、または、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の一つにおけるノッチ4.1.4と係合するのに適した形状の一体型部品によって、実現できる。
【0021】
図1aから1cからもわかるように、本発明によるゼロリセット装置は、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3のリターン手段8を備え、このリターン手段は、その作動の後に、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3をその静止位置に戻すことができる。
図1aから1cにおいて概略的に示された第一の実施形態において、リターン手段8は、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3のそれぞれと運動学的に接続されたリターンバーによって、形成される。各ハンマー4.1、4.2、4.3が、対応するハート3.1、3.2、3.3を確実に独立して打てるようにするため、ロック手段7と協働するゼロリセットハンマー4.1の一つ、したがって図面に示した実施形態においては第一のハンマー4.1、との遊びが事実上なく、かつ他のゼロリセットハンマー4.2、4.3との遊びはある状態で、リターンバー8とハンマーとの間の接続が作り出される。これは、第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3にそれぞれ取り付けられた第二のピボット8.2および第三のピボット8.3が、リターンバーの対応する開口部に遊びを持って嵌合する一方で、第一のピボット8.1を、第一のハンマー4.1とリターンバー8との間の遊びが事実上ない状態で設置することにより実施可能であり、
図1bにおいて見られるように、これらの開口部のそれぞれの大きさは、ピボット8.2、8.3の直径よりも大きい。この遊びは、好ましくは、約0.10mmから0.35mmであり、開口部はまた、ハンマーが各ハートを押圧する時に、その縁部が第二のピボット8.2および第三のピボット8.3に接触しないように、配置されている。リターンストップ8.4は、使用者が第一の制御手段にもはや手動で力を加えなくなると、ハンマーの一つ、図示された例においては第三のハンマー4.3、がリターンストップ8.4を押圧するように設置されることによって、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の、それぞれのリターンバー8の静止位置を規定する。実際には、この場合、第二の制御手段2の制御リターンばねが、第二の制御手段およびゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3を、リターン手段8によって、それぞれの静止位置に戻す。
【0022】
本発明によるゼロリセット装置の構造および構成要素に関する上記の説明は、特に
図2aから2eを介して、この装置の機能を容易に理解することも可能にする。実際には、
図1bに示された静止位置においては、ハンマーばね5.1、5.2、5.3は屈曲されておらず、ロック手段7はその静止位置にあって、ロックストップ7.3を押圧している。同様に、図示された例において、制御リターンばねは、第二の制御手段2の端部2.2を第一のハンマー4.1に対して押圧させる。第一のハンマー4.1は、リターンバー8がハンマー4.1、4.2、4.3をハートから遠ざかった位置で保持するように、第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3の方向にリターンバー8を押し、リターンストップ8.4が、対応するハート3.1、3.2、3.3からハンマー4.1、4.2、4.3が遠ざかるのを制限する。この静止位置において、第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3に取り付けられた第二のピボット8.2および第三のピボット8.3が、リターンバー8上のそれぞれの嵌合において固定されていない一方で、第一のハンマー4.1には遊びが無いので、第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3が有する回転時の小さな遊びもまた留意されるであろう。言い換えれば、静止位置において、全てのハンマー4.1、4.2、4.3がハート3.1、3.2、3.3から遠ざけられ、制御リターンばねによって、リターンバー8を用いて、この位置で保持されている。
【0023】
図2aは、対応する時計の使用者によって手動の力が加えられた後に続く、第一の制御手段1の作動の第一段階の開始直後の、その位置における、
図1aから1cによるゼロリセット装置の平面図を示し、よって、装置が静止位置を離れた直後のステップを示す。プッシュボタン1を押すことによって、使用者は、第二の制御手段2と、屈曲および解放手段6とを回動させる。この作動の段階において、この屈曲および解放手段6は、この屈曲および解放手段によって支えられている屈曲ピン6.1、6.2、6.3によって、ハンマーばね5.1、5.2、5.3を屈曲させるために使用される。
図1bと2aとを比較することにより、ばねの屈曲が開始する前、つまり各屈曲ピン6.1、6.2、6.3が対応するハンマーばね5.1、5.2、5.3の自由端に触れる前に、好ましくは約0.10mmから0.40mmの、少量の補われるべき遊びが最初にあることが注目される。この位置において、第二の制御手段2の自由端2.2と第一のハンマー4.1との間には、もはやいかなる接触もない。同様に、
図2aに図示された位置においては、ロックピン7.2が、第一のゼロリセットハンマー4.1とそのノッチ4.1.4においてのみ接触するようになっているのに対して、
図1bに図示された静止位置ではこの接触はまだ確立していないことが、注目される。
【0024】
図2bは、作動の第一段階中に、使用者によるプッシュボタン1に対する圧力が継続した場合に、屈曲および解放手段6がロック手段7と接触するようになる瞬間、したがって、屈曲および解放手段6がもはやハンマーばね5.1、5.2、5.3を屈曲させるだけのために使用されず、解放機能も行う瞬間の、その位置における装置の平面図である。実際に、この段階においては、ロック手段7に取り付けられたロックピン7.2によって回動が限定され続けている間に、第一のハンマー4.1は、そのばね5.1によって、次第にストレスを加えられ、今度はそのばね5.1が屈曲ピン6.1によって次第に屈曲される。第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3は、第一のハンマー4.1によってブロックされたリターンバー8がそれらを少し離れたところで保持するので、それぞれのハート3.2、3.3のいずれをも打つことができないことから、第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3のばね5.2、5.3は、同時に自身を屈曲させる。他方では、屈曲および解放手段6の解放部6.4、つまり斜面または丸み付き縁部6.4と、ロック手段7との間の接触が起こり、これが徐々にロック手段7の回動を生じさせる。よって、ロック手段に取り付けられたロックピン7.2は、ハンマー4.1のノッチ4.1.4に沿って、そこから離脱する前に、スライドする。
【0025】
図2cは、作動の第一段階の終わりに、屈曲および解放手段6が、ロック手段7によって、屈曲および解放手段6が協働するゼロリセットハンマーを解放させる瞬間の直前の、その位置における装置の平面図である。特に、
図2cは、ハンマーばね5.1、5.2、5.3の最大の屈曲に対応し、ハンマー4.1、4.2、4.3の解放の直前、つまりロック手段7に取り付けられたロックピン7.2が第一のハンマー4.1のノッチ4.1.4から離脱する瞬間の前、の位置を示す。解放の瞬間は、ロックピン7.2がもはや第一のハンマー4.1をとどめておくことができず、第一のハンマー4.1のガイド部4.1.5に沿ってスライドする瞬間に対応するので、第一のハンマー4.1のガイド部4.1.5にロックピン7.2を当てるロック手段7のリターンばねの作用によって引き起こされる、取るに足らない摩擦を除けば、もはやハンマー4.1の移動を阻止することはない。
【0026】
図2dは、作動の第二段階中に、使用者によるプッシュボタン1に対する圧力が継続した場合に、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3が対応するゼロリセットカム3.1、3.2、3.3を打った時の、その位置における装置の平面図である。実際には、第一のハンマー4.1は、
図2cに示される作動の段階の終わりに自由になるので、リターンバー8も、第一のハンマー4.1と接続していることから、移動することができる。リターンバーは、第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3をとどめていた唯一の部品であったため、これらの二つのハンマーもまた自由になる。したがって、解放の瞬間、ハンマー4.1、4.2、4.3は、
図2cに示される位置で達成されるハンマーばね5.1、5.2、5.3の最大の屈曲力に対応する、明確に定義されたゼロリセット力で、ハート3.1、3.2、3.3を打つ。ハンマーばね5.1、5.2、5.3は、使用者の力によって屈曲されている。この段階で蓄積されたエネルギーは、ゼロリセットを行うのに十分である。それにもかかわらず、ばね5.1、5.2、5.3は、残留屈曲(residual winding)を維持する。つまり、ハンマー4.1、4.2、4.3がハート3.1、3.2、3.3を押圧した時、ばね5.1、5.2、5.3は部分的にまだ屈曲されている。実際に、
図2dに示される位置において、ハートに当てられると、ハンマー4.1、4.2、4.3は、これらのハート3.1、3.2、3.3に、ハンマーばね5.1、5.2、5.3の残留屈曲力に対応する維持力を加える。そして、ハートに対する圧力を維持するために、ハンマー4.1、4.2、4.3が既にそのハート3.1、3.2、3.3を押圧しているにもかかわらず、ボタンを押し続けることにより、使用者は、ばね5.1、5.2、5.3を屈曲させ続ける。しかしながら、いかなる損傷をも避けるために、プッシュボタン1の進路と、第二の制御手段2の進路と、屈曲および解放手段6の進路と、そしてその結果としてハート3.1、3.2、3.3に対する圧力とは、使用者がプッシュボタン1を押し終えた時に自由端2.2が押圧する屈曲止め6.8よって、限定されている。
図2dに示される位置に関して、リターンバー8のその対応する開口部における第二のピボット8.2および第三のピボット8.3の遊びを踏まえれば、ゼロリセットカム3.1、3.2、3.3に向かうゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の動作および対応するハートに対するその押圧が独立して行われており、それらが、特に第二のハンマー4.2および第三のハンマー4.3のレベルで、コントロールバー8によって妨げられていないこと、が注目されるべきである。
【0027】
図2eは、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3およびロック手段7がその静止位置に戻るように、第一の制御手段が使用者によって解放された時の、その位置における装置の平面図である。実際には、使用者がプッシュボタン1を解放すると、制御リターンばねが第二の制御手段2と、屈曲および解放手段6とを押して、
図1bに示す静止位置にする。このリターン段階において、第二の制御手段2の自由端2.2は、第一のハンマー4.1に対して静止する。この瞬間を発端にして、3つのハンマー4.1、4.2、4.3は、第二の制御手段2によって、ハート3.1、3.2、3.3からそれぞれ遠ざけられる。屈曲および解放手段6とハンマー4.1、4.2、4.3がその静止位置に戻る間に、ハンマーばね5.1、5.2、5.3は解除される。同時に、ロックピン7.2は、ロックストップ7.3に対してロック手段7を押し付けるロックリターンばねの作用により、第一のハンマー4.1のノッチ4.1.4と係合するまで、第一のハンマー4.1のガイド部4.1.5を摺動する。その結果として、装置は再びその静止位置になり、再び利用できる状態になる。
【0028】
本発明によるゼロリセット装置の第二の実施形態が、
図3aから3cにおいて、概略的にかつ例として、示される。もしこの装置の他の要素が、実質的な相違点をもたらすことなく異なる形状または位置であることを除いて、第一の実施形態による装置と同一であった場合、装置の第二の実施形態において、リターン手段8は、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の少なくとも一つに配置された補助アーム4.1.2、4.2.2、4.3.2によって形成される。装置の運転段階中に、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3がカム3.1、3.2、3.3に向かって動くまたはそれらに対して当てられている間、ハンマー4.1、4.2、4.3間には、この場合、第一の実施形態で見られるような取るに足らない摩擦のレベルでさえ、直接的な運動学的接続はもはやないことから、これらの補助アーム4.1.2、4.2.2、4.3.2は、第一の実施形態で提供されたリターンバー8に取って代わり、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3間の独立性の更なる向上を確実にもたらす。
【0029】
更に、
図3aから3cは、この第二の実施形態による装置には、有利には、同一の重量と慣性モーメントを有するように、全てが同じ形状のゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3が搭載されていてもよいことも強調する。製造公差を除いては、この図のハンマーが全て同じ動きをするはずであることから、これによって、ハンマーがそれぞれのハートを打つ動作の精度を更に向上させることができる。
【0030】
図3aから3cにおいて、装置の第二の実施形態のハンマーばね5.1、5.2,5.3が、好ましくは、二つの弾性アームを有する板ばねによって形成されており、その第一のアームが、装置の第一の実施形態の板バネの自由端と同様に、屈曲および解放手段6によって屈曲力を受ける働きをし、第二のアームが、バネが屈曲されると、対応するゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3に屈曲力を伝える働きをすることにも注意する。二つの弾性アームの間に配置されたこれらのハンマーばね5.1、5.2、5.3の基部は、好ましくは、対応するピボットピン4.1.1、4.2.1、4.3.1に対して同心円状に、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3に取り付けられる。
【0031】
対応するハート3.1、3.2、3.3を打つ段階中に、3つのハンマー4.1、4.2、4.3間の距離を維持し、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3間の独立性の更なる向上を確実にもたらすのが、第一の実施形態で提供されたリターンバー8ではなく、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3の補助アーム4.1.2、4.2.2、4.3.2であることを除いては、第二の実施形態によるゼロリセット装置の機能は、第一の実施形態によるゼロリセット装置の機能を示す
図2aから2eを参照して説明されたものと、完全に同様である。
図4aから4eは、
図2aから2eに対応する。
図4aは、第一の制御手段1の作動の第一段階の開始直後の、その位置における装置の第二の実施形態の平面図を示す。
図4bは、作動の第一段階中に、屈曲および解放手段6がロック手段7と接触するようになる瞬間の、その位置における装置の平面図を示す。
図4cは、作動の第一段階の終わりに、ロック手段が自身が協働するゼロリセットハンマー4.1を自由にするように、屈曲および解放手段6が、ロック手段7を押すことによって、ゼロリセットハンマーを解放させる瞬間の直前の、その位置における装置の平面図を示す。
図4dは、作動の第二段階中に、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3が、対応するゼロリセットカム3.1、3.2、3.3を打った時の、その位置における装置の平面図を示す。
図4eは、再び装置が使用できる状態になるため、ゼロリセットハンマー4.1、4.2、4.3およびロック手段7がその静止位置に戻るように、第一の制御手段1が使用者によって解放された時の、その位置における装置の平面図を示す。
【0032】
上述の装置の配置や機能を踏まえると、時計の使用者によって第一の制御手段1に加えられた手動の力が、通常はハンマーばね5.1、5.2、5.3および制御リターンばねの屈曲力の合計に対応する、所定の閾値を超える場合にのみ、ゼロリセットが行われることが理解される。更に、ハンマーによってカムに加えられるゼロリセット力は、常に同一であり、所定の値、つまり、ハンマーばね5.1、5.2、5.3の上述の最大屈曲力、と対応するので、これらの要因は、装置の機能の信頼性を確実に向上させることができる。これらの利点は、それらの間に直接的な運動学的接続のないハンマーの最大限の独立性を確実にしている間であって、少なくともそれらをカムに対して当てている間以外に得られ、これがハンマーの同時作動の精度を向上させる。この点において、第二の実施形態は、ハンマーを打つ段階中にハンマー間に生じ得るいかなる直接的な運動学的接続をももたらすことがないことから、特に有利である。更に、装置の第二の実施形態でも規定された、全てのハンマーが同一の形状をしている点は、これらの利点を改めて強化する。更に、構造は強固であり、またできるだけコンパクトかつ単純で使用中に信頼できるものである。本発明によるゼロリセット装置は、どのような種類の時計にも、好ましくは機械式腕時計、特にクロノグラフウォッチまたはフライバック針を有するウォッチ、にも組み込むことができる。しかしながら、装置を電子時計において使用することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 第一の制御手段
2 第二の制御手段
2.1 ピボット
2.2 端部
3.1、3.2、3.3 ゼロリセットカム
4.1、4.2、4.3 ゼロリセットハンマー
4.1.1、4.2.1、4.3.1 ピボット軸
4.1.2、4.2.2、4.3.2 補助アーム
4.1.3、4.2.3、4.3.3 アーム
4.1.4 ノッチ
4.1.5 ガイド部
5.1、5.2、5.3 ハンマーばね
6 屈曲および解放手段
6.1、6.2、6.3 屈曲ピン
6.4 解放部
6.5 長手方向グルーブ
6.6 ガイドシャフト
6.7 ピボットピン
6.8 屈曲止め
7 ロック手段
7.1 ピボット
7.2 ロックピン
7.3 ロックストップ
8 リターン手段
8.1 第一のピボット
8.2 第二のピボット
8.3 第三のピボット
8.4 リターンストップ
【外国語明細書】