(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-119159(P2015-119159A)
(43)【公開日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】コンデンサ内蔵基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20150529BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20150529BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H01L23/12 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-104093(P2014-104093)
(22)【出願日】2014年5月20日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0157437
(32)【優先日】2013年12月17日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ソク チェ
(72)【発明者】
【氏名】ドー−ユン チュン
(72)【発明者】
【氏名】クワン−ジェ オー
(72)【発明者】
【氏名】ダエ−ヒョン リー
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316CC10
5E316CC17
5E316CC32
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5E316CC54
5E316DD02
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5E316FF15
5E316FF23
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5E316GG03
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5E316GG17
5E316GG22
5E316GG23
5E316GG28
5E316HH06
5E316JJ13
5E316JJ25
5E316JJ27
5E316JJ28
(57)【要約】
【課題】コンデンサ内蔵基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンデンサ内蔵基板は、第1回路を含むセラミック層と、上記セラミック層の一面に形成される収容溝と、上記収容溝に挿入されるコンデンサ(capacitor)と、上記コンデンサが上記収容溝に内蔵されるように、上記セラミック層上に積層され、上記第1回路と電気的に接続する第2回路を含むポリマ層と、上記ポリマ層を貫通して上記コンデンサと接続するビア電極を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回路を含むセラミック層と、
前記セラミック層の一面に形成される収容溝と、
前記収容溝に挿入されるコンデンサ(capacitor)と、
前記コンデンサが前記収容溝に内蔵されるように、前記セラミック層上に積層され、前記第1回路と電気的に接続される第2回路を含むポリマ層と、
前記ポリマ層を貫通して前記コンデンサと接続するビア電極と、
を含むコンデンサ内蔵基板。
【請求項2】
前記コンデンサが固定されるように、前記収容溝の内部に充填される樹脂材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項3】
前記樹脂材が前記コンデンサをカバーし、前記ビア電極が、前記樹脂材を貫通することを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項4】
前記収容溝の深さが、前記コンデンサの厚みよりも小さく形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項5】
前記ポリマ層が、複数のレイヤを含み、
前記ビア電極が、前記複数のレイヤを前記ポリマ層に対して垂直に貫通することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項6】
前記ビア電極と接続するように、前記ポリマ層に形成されるパッド電極をさらに含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項7】
前記ポリマ層の厚みが、前記セラミック層の厚みよりも小さく形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項8】
前記収容溝が、前記セラミック層の内側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項9】
前記ポリマ層が、ポリイミドを含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板。
【請求項10】
第1回路を含むセラミック層の一面に収容溝を形成するステップと、
前記収容溝内にコンデンサを挿入するステップと、
前記コンデンサを前記収容溝に内蔵するために、前記第1回路と電気的に接続される第2回路を含むポリマ層を前記セラミック層上に積層するステップと、
前記ポリマ層を貫通して前記コンデンサと電気的に接続するビア電極を形成するステップと、
を含むコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項11】
前記セラミック層に収容溝を形成するステップの前に、
セラミックシートを積層してセラミック層を形成するステップと、
前記セラミック層を焼成するステップと、をさらに含む請求項10に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項12】
前記収容溝内にコンデンサを挿入するステップの前または後に、前記収容溝の内部に樹脂材を充填するステップをさらに含む請求項10または請求項11に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項13】
前記収容溝を形成するステップにおいて、
前記収容溝の深さが、前記コンデンサの厚みよりも大きく形成され、
前記ビア電極を形成するステップにおいて、
前記ビア電極が、前記コンデンサをカバーする前記樹脂材を貫通することを特徴とする請求項12に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項14】
前記ポリマ層を前記セラミック層上に積層するステップにおいて、
前記ポリマ層の厚みが前記セラミック層の厚みよりも小さく形成されることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項15】
前記ポリマ層が、複数のレイヤを含み、
前記ビア電極を形成するステップでは、
前記ビア電極が前記複数のレイヤを前記ポリマ層に対して垂直に貫通することを特徴とする請求項10から請求項14のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項16】
前記ビア電極を形成するステップが、
前記コンデンサの外部電極が露出するように、前記ポリマ層にビアホールを形成するステップと、
前記ビアホール内に導電体を形成するステップと、を含むことを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項17】
前記導電体を形成するステップが、
前記ビアホールの内部をカバーするように、前記ポリマ層上にシード層を形成するステップと、
前記シード層上にレジストを形成するステップと、
前記シード層が露出するように、前記レジストに開口部を形成するステップと、
前記開口部内にメッキ層を形成するステップと、
前記シード層及び前記レジストを除去するステップと、を含むことを特徴とする請求項16に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【請求項18】
前記ビア電極を形成するステップの後に、
前記ビア電極と接続するように、前記ポリマ層にパッド電極を形成するステップをさらに含む請求項10から請求項17のいずれか1項に記載のコンデンサ内蔵基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ内蔵基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック基板は、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)またはHTCC(High Temperature Co-fired Ceramics)により製造可能である。LTCCは、セラミック積層体が1000℃以下の温度で焼成され、HTCCは、セラミック積層体が1200℃以上の温度で焼成される。
【0003】
セラミック基板は、プローブカード(probe card)のSTF(Space Transformer) 基板として使用されることができる。プローブカードは、半導体ウェハ(wafer)の検査工程で使用されるものである。検査工程は、ウェハの不良を検査し、不良が発生したウェハの一部分を除去する工程である。プローブカードは、上記検査工程の際に、検査装備とウェハとの間のインターフェース機能を果たす。
【0004】
本発明の背景技術は、大韓民国公開特許公報第10-2012-0095657号(2012.08.29、プローブカード用STF基板)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、セラミック層の収容溝とポリマ層によりコンデンサ(capacitor)が内蔵されるコンデンサ内蔵基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、第1回路を含むセラミック層と、上記セラミック層の一面に形成される収容溝と、上記収容溝に挿入されるコンデンサと、上記コンデンサが上記収容溝に内蔵されるように、上記セラミック層上に積層され、上記第1回路と電気的に接続する第2回路を含むポリマ層と、上記ポリマ層を貫通して上記コンデンサと接続するビア電極と、を含むコンデンサ内蔵基板が提供される。
【0007】
上記コンデンサが固定されるように、上記収容溝の内部に充填される樹脂材をさらに含むことができる。
【0008】
上記樹脂材は、上記コンデンサの上面をカバーし、上記ビア電極は、上記樹脂材を貫通することができる。
【0009】
上記収容溝の深さは、上記コンデンサの厚みよりも小さく形成されることができる。
【0010】
上記ポリマ層は、複数のレイヤを含み、上記ビア電極は、複数の上記レイヤを上記ポリマ層に対して垂直に貫通することができる。
【0011】
上記ビア電極と接続するように、上記ポリマ層の上面に形成されるパッド電極をさらに含むことができる。
【0012】
上記ポリマ層の厚みが、上記セラミック層の厚みよりも小さく形成されることを特徴とするコンデンサ内蔵基板である。
【0013】
上記収容溝は、上記セラミック層の内側に配置されることができる。
【0014】
上記ポリマ層は、ポリイミドを含むことができる。
【0015】
本発明の他の側面によれば、第1回路を含むセラミック層の一面に収容溝を形成するステップと、上記収容溝内にコンデンサを挿入するステップと、上記コンデンサを上記収容溝に内蔵するために、上記第1回路と電気的に接続する第2回路を含むポリマ層を上記セラミック層上に積層するステップと、上記ポリマ層を貫通して上記コンデンサと電気的に接続するビア電極を形成するステップと、を含むコンデンサ内蔵基板の製造方法が提供される。
【0016】
上記セラミック層に収容溝を形成するステップの前に、セラミックシートを積層してセラミック層を形成するステップと、上記セラミック層を焼成するステップとをさらに含むことができる。
【0017】
上記収容溝内にコンデンサを挿入するステップの後に、上記コンデンサが固定されるように、上記収容溝の内部に樹脂材を充填するステップをさらに含むことができる。
【0018】
上記収容溝を形成するステップにおいて、上記収容溝の深さは、上記コンデンサの厚みよりも大きく形成され、上記ビア電極を形成するステップにおいて、上記ビア電極は、上記コンデンサの上面をカバーする上記樹脂材を貫通することができる。
【0019】
上記ポリマ層を上記セラミック層上に積層するステップにおいて、上記ポリマ層の厚みは、上記セラミック層の厚みよりも小さく形成されることができる。
【0020】
上記ポリマ層は、複数のレイヤを含み、上記ビア電極を形成するステップでの上記ビア電極は、複数の上記レイヤを上記ポリマ層に対して垂直に貫通することができる。
【0021】
上記ビア電極を形成するステップは、上記コンデンサの外部電極が露出するように、上記ポリマ層にビアホール(hole)を形成するステップと、上記ビアホール内に導電体を形成するステップと、を含むことができる。
【0022】
上記導電体を形成するステップは、上記ビアホールの内部をカバーするように、上記ポリマ層上にシード層を形成するステップと、上記シード層上にレジストを形成するステップと、上記シード層が露出するように上記レジストに開口部を形成するステップと、上記開口部内にメッキ層を形成するステップと、上記シード層及び上記レジストを除去するステップと、を含むことができる。
【0023】
上記ビア電極を形成するステップの後に、上記ビア電極と接続するように、上記ポリマ層の上面にパッド電極を形成するステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例によれば、コンデンサを基板に容易に内蔵することができ、内蔵されたコンデンサにより、電源供給時に発生するノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板を示す図面である。
【
図2】本発明の他の実施例に係るコンデンサ内蔵基板を示す図面である。
【
図3】本発明のまた他の実施例に係るコンデンサ内蔵基板を示す図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法を示す順序図である。
【
図5】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図10】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図11】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図12】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図13】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図14】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【
図15】本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法の一工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係るコンデンサ内蔵基板及びその製造方法の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明し、添付図面に基づいて説明するに当たって、同一または対応する構成要素には、同一の図面符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0027】
また、以下に使用される「第1」、「第2」などのような用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が、「第1」、「第2」の用語により限定されるものではない。
【0028】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触される場合のみを意味することではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触されている場合まで包括する概念として使用される。
【0029】
図1は、本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板を示す図面であり、
図2及び
図3は、本発明の多様な実施例に係るコンデンサ内蔵基板を示す図面である。
【0030】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板100は、セラミック層110と、収容溝120と、コンデンサ130と、ポリマ層140と、ビア電極150と、を含み、パッド電極160をさらに含むことができる。
【0031】
セラミック層110は、セラミックシート111で構成されることができ、複数のセラミックシート111の積層体であってもよい。セラミック層110は、第1回路112を含むことができる。セラミック層110の厚みは、5〜6mmであることができる。また、第1回路112は、銀(Ag)またはタングステン(W)で形成されることができる。
【0032】
収容溝120は、セラミック層110の一面に形成されることができる。収容溝120は、レーザまたはドリルを用いて形成することができる。収容溝120は、セラミック層110の内側に形成可能であり、複数であってもよい。
【0033】
コンデンサ130は、収容溝120に挿入可能である。コンデンサ130は、誘電体131層、内部電極及び外部電極132を含むことができる。コンデンサ130は、収容溝120の内側壁と離隔して、収容溝120内に挿入されることができる。
【0034】
この場合、コンデンサ130が固定されるように、収容溝120に樹脂材121を充填することができる。樹脂材121は、ポリイミドを含むことができる。ポリイミドは、化学的に安定して、耐久性に優れるため、コンデンサ130を固定するには、好ましい材料である。
【0035】
収容溝120の深さは、コンデンサ130の厚みよりも大きく形成されることができる。この場合、
図1に示すように、樹脂材121は、コンデンサ130の上面をカバーすることができる。
【0036】
ポリマ層140は、高分子からなる絶縁レイヤであることができ、複数の絶縁レイヤを含むことができる。ポリマ層140は、第2回路141を含むことができる。第2回路141は、セラミック層110の第1回路112と電気的に接続することができる。ポリマ層140には、微細パターンを形成することができるため、同数のセラミック層110に比べてより多い回路を具現することができる。
【0037】
セラミック層110には、第1回路112と電気的に接続する第1ビア113を形成でき、ポリマ層140には、第2回路141と電気的に接続する第2ビア142を形成できる。第1ビア113と第2ビア142は、互いに電気的に接続可能である。
【0038】
ポリマ層140の厚みは、セラミック層110の厚みより薄くて、約12μmであることができる。ポリマ層140は、ポリイミドを含むことができる。ポリイミドは、化学的に安定して、強固であって基板の耐久性を高めることができる。
【0039】
ビア電極150は、ポリマ層140を貫通して形成され、コンデンサ130と接続できる。ビア電極150の一面は外部へ露出され、他面はコンデンサ130の外部電極132と接触されることができる。コンデンサ130は、充電により電荷を保有することができ、放電により電荷を流出させることができる。ビア電極150は、電荷を流出させる通路となる。ビア電極150は、銅(Cu)で形成されることができる。
【0040】
ポリマ層140が複数のレイヤを含む場合、ビア電極150は、複数のレイヤの全てを貫通することができ、ビア電極150は、ポリマ層140に対して垂直に形成されることができる。これにより、コンデンサ130は、比較的短い長さのビア電極150を介して電荷を供給できるので、ノイズの発生を低減することができる。
【0041】
収容溝120の深さがコンデンサ130の厚みよりも大きく形成される場合、収容溝120の内部に充填される樹脂材121がコンデンサ130の上面をカバーできるようになる。ここで、ビア電極150は、ポリマ層140と樹脂材121とを全て貫通して形成されることができる。
【0042】
パッド電極160は、ビア電極150と接続するように、ポリマ層140の上面に形成できる。パッド電極160は、外部回路と電気的に接続するための端子機能を果たすことができる。
【0043】
パッド電極160は、コンデンサ130の個数に応じて変わることがあり、
図1に示すように、コンデンサ130一つ当たりに二つのパッド電極160を形成することができる。パッド電極160は、銅で形成されることができる。
【0044】
一方、セラミック層110の収容溝120が形成された面の反対面には、第1パッド114を形成でき、第1パッド114は、第1回路112及び第1ビア113と電気的に接続することができる。また、ポリマ層140の上面には、第2パッド143を形成でき、第2パッド143は、第2回路141及び第2ビア142と電気的に接続することができる。
【0045】
本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板100は、プローブカードに使用できる。この場合、第1パッド114は、プローブカードのPCBと電気的に接続され、第2パッド143は、半導体ウェハと電気的に接続されることができる。半導体ウェハの接触パッドは、微細であるため、第2パッド143のピッチは、第1パッド114のピッチより小さく形成されることができる。
【0046】
図2を参照すると、本発明の他の実施例に係るコンデンサ内蔵基板100では、収容溝120の深さがコンデンサ130の厚みと同じに形成されることができる。この場合、樹脂材121は、コンデンサ130の側面と収容溝120の内側壁との間に介在されることができる。
【0047】
図3を参照すると、本発明のまた他の実施例に係るコンデンサ内蔵基板100では、収容溝120の深さがコンデンサ130の厚みより小さく形成されることができる。この場合、コンデンサ130の下部は収容溝120に収容され、上部はポリマ層140に収容されて、ポリマ層140に収容されるコンデンサ130の上部の厚みだけビア電極150の長さが短くなるので、ノイズの低減効果が発揮できるようになる。
【0048】
上述したように、本発明の実施例に係るコンデンサ内蔵基板によると、コンデンサが容易に基板に内蔵できる。内蔵されたコンデンサの場合、コンデンサから電荷が供給される場合は、ノイズが低減されることができる。また、コンデンサはセラミック層とポリマ層との境界部分に内蔵されるので、コンデンサの入れ替えが容易になる。
【0049】
以上では、本発明の実施例に係るコンデンサ内蔵基板について説明したが、以下では、コンデンサ内蔵基板の製造方法について説明する。
【0050】
図4は、本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法を示す順序図であり、
図5から
図15は、本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法を示す工程図である。
【0051】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法は、セラミックシート111を積層してセラミック層110を形成するステップS110と、セラミック層110を焼成するステップS120と、セラミック層110の一面に収容溝120を形成するステップS130と、収容溝120にコンデンサ130を挿入するステップS140と、収容溝120に樹脂材121を充填するステップS150と、セラミック層110上にポリマ層140を積層するステップS160と、ビア電極150を形成するステップS170と、パッド電極160を形成するステップS180と、を含むことができる。
【0052】
図5を参照すると、セラミックシート111を積層してセラミック層110を形成するステップS110は、複数のセラミックシート111を積層してセラミック層110を形成するステップである。セラミック層110は、60〜80個のセラミックシート111で形成されることができる。この場合、それぞれのセラミックシート111には、第1回路112と第1ビア113とを形成できる。
【0053】
セラミック層110を焼成するステップS120は、セラミック層110を高温の環境下で焼結するステップである。LTCCの場合は、セラミック層110を850℃〜1000℃で焼成でき、HTCCの場合は、セラミック層110を1700℃で焼成できる。セラミック層110を焼成すると、強固になると共に収縮することになる。
【0054】
図6を参照すると、セラミック層110の一面に収容溝120を形成するステップS130は、レーザまたはドリルを用いてセラミック層110の一面に収容溝120を形成するステップである。収容溝120は、セラミック層110の内側に形成され、複数形成することができる。
【0055】
図7を参照すると、収容溝120にコンデンサ130を挿入するステップS140は、セラミック層110に形成された収容溝120内にコンデンサ130を挿入するステップである。
図7には、収容溝120の深さがコンデンサ130の厚みよりも大きく示されているが、必要によって、収容溝120の深さとコンデンサ130の厚みを同じに形成してもよく、収容溝120の深さをコンデンサ130の厚みよりも小さく形成してもよい。
【0056】
図8を参照すると、収容溝120に樹脂材121を充填するステップS150は、コンデンサ130を固定するために収容溝120に樹脂材121を充填するステップである。 収容溝120に樹脂材121を充填するステップS150は、収容溝120にコンデンサ130を挿入するステップS140の前に行われてもよく、後に行われてもよい。
【0057】
樹脂材121は、コンデンサ130を固定する機能をすることになる。コンデンサ130は、収容溝120の内側壁と離隔して収容溝120に挿入可能であり、コンデンサ130と収容溝120との間の離隔した空間内に樹脂材121を充填することができる。
【0058】
樹脂材121は、コンデンサ130の上面をカバーすることができる。樹脂材121はポリイミドを含むことができる。一方、樹脂材121が充填された後には、表面を平坦化するために研磨処理を施すことができる。
【0059】
図9を参照すると、セラミック層110上にポリマ層140を積層するステップS160は、コンデンサ130を収容溝120に内蔵するために、セラミック層110上にポリマ層140を形成するステップである。ポリマ層140は、第2回路141及び第2ビア142を含むことができ、第2回路141及び第2ビア142は、第1回路112及び第1ビア113と電気的に接続可能である。
【0060】
ビア電極150を形成するステップS170は、ポリマ層140を貫通してコンデンサ130と電気的に接続するビア電極150を形成するステップである。ビア電極150は銅で形成されることができる。
【0061】
収容溝120の深さが、コンデンサ130の厚みよりも大きく形成される場合は、樹脂材121がコンデンサ130の上面をカバーすることになり、ビア電極150は、樹脂材121を貫通することができる。
【0062】
ビア電極150を形成するステップS170は、ビアホール151を形成するステップS171と、ビアホール151にシード層152を形成するステップS172と、レジスト153を形成するステップS173と、レジスト153に開口部154を形成するステップS174と、開口部154にメッキ層155を形成するステップS175と、シード層152及びレジスト153を除去するステップS176と、を含むことができる。
【0063】
図10を参照すると、ビアホール151を形成するステップS171は、レーザまたはドリルを用いてコンデンサ130の外部電極132が露出するように、ポリマ層140にホールを形成するステップである。樹脂材121がコンデンサ130の上面をカバーすると、ビアホール151は樹脂材121を貫通することができる。ビア電極150は、ビアホール151に導電体を形成することにより、形成可能である。
【0064】
図11を参照すると、ビアホール151にシード層152を形成するステップS172は、メッキのためのシード層152をビアホール151に形成するステップである。シード層152は、セラミック層110上にも形成されることができる。シード層152は、ビア電極150の材料と同じ材料、例えば、銅で形成されることができる。
【0065】
レジスト153を形成するステップS173は、シード層152上にレジスト153を形成するステップである。レジスト153は、フォトレジスト153であることができる。
【0066】
図12を参照すると、レジスト153に開口部154を形成するステップS174は、露光及び現像工程によりレジスト153の一部を除去するステップである。開口部154は、ビア電極150の位置に対応して形成されることができる。
【0067】
図13を参照すると、開口部154にメッキ層155を形成するステップS175は、開口部154の内部をメッキするステップである。メッキ層155は、シード層152と同じ材料で形成することができる。
【0068】
図14を参照すると、シード層152及びレジスト153を除去するステップS176は、残ったシード層152及びレジスト153を除去してメッキ層155のみ残すステップである。上記メッキ層155は、ビア電極150となる。
【0069】
図15に示すように、ポリマ層140は、複数の絶縁レイヤをビルドアップする工程により形成可能である。
【0070】
図15を参照すると、パッド電極160を形成するステップS180は、ビア電極150と接続するように、ポリマ層140の上面にパッド電極160を形成するステップである。パッド電極160は、ビア電極150と同じく銅で形成することができる。パッド電極160の断面積は、ビア電極150の断面積よりも大きく形成されて、パッド電極160が外部回路と接続する端子機能を果たすことができる。
【0071】
上述したように、本発明の一実施例に係るコンデンサ内蔵基板の製造方法によれば、コンデンサを容易に基板に内蔵することができる。また、コンデンサは、セラミック層とポリマ層との境界部分に内蔵されるので、コンデンサの入れ替えが容易になる。
【0072】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0073】
100 コンデンサ内蔵基板
110 セラミック層
111 セラミックシート
112 第1回路
113 第1ビア
114 第1パッド
120 収容溝
121 樹脂材
130 コンデンサ
131 誘電体
132 外部電極
140 ポリマ層
141 第2回路
142 第2ビア
143 第2パッド
150 ビア電極
151 ビアホール
152 シード層
153 レジスト
154 開口部
155 メッキ層
160 パッド電極