(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-119512(P2015-119512A)
(43)【公開日】2015年6月25日
(54)【発明の名称】天井貫通部の配線具及びその取付構造
(51)【国際特許分類】
H02G 3/38 20060101AFI20150529BHJP
【FI】
H02G3/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-259451(P2013-259451)
(22)【出願日】2013年12月16日
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】392034746
【氏名又は名称】吉川化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】瀬口 諭
(72)【発明者】
【氏名】溝田 豊彦
【テーマコード(参考)】
5G363
【Fターム(参考)】
5G363AA16
5G363BA01
5G363DA13
5G363DB03
(57)【要約】
【課題】大工職方と電気職方との作業区分を明確化できるとともに、配線を鋼板製の間仕切ランナーに形成された挿通孔に挿通する際に、配線が挿通孔の周縁に接触し、傷付くことを防止できるようにしながら、配線作業を容易に行うことができ、しかも複数本の配線でも纏めて容易に保持させることができる天井貫通部の配線具を提供すること。
【解決手段】天井懐2から下方の間仕切壁4内へ引き込む複数本の配線5を保持するための天井貫通部3a,25aの配線具1であって、天井懐2から間仕切壁4内への複数本の配線5の引き込み経路に配されるホルダ10を備え、このホルダ10を、天井懐2に下地材として配設された野縁9Aに固定される固定ホルダ部10aと、この固定ホルダ部10aに対して開閉可能な可動ホルダ部10bとで構成し、これらホルダ部10a,10bの間に複数本の配線5を挟むようにして固定ホルダ部10aに対し可動ホルダ部10bを閉じることでそれら配線5を保持するものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井懐から下方の間仕切壁内へ引き込む配線を保持するための天井貫通部の配線具であって、天井懐から間仕切壁内への配線の引き込み経路に配されるホルダを備え、このホルダを、天井懐に配設された下地材に固定される固定ホルダ部と、この固定ホルダ部に対して開閉可能な可動ホルダ部とで構成し、これらホルダ部の間に配線を挟むようにして固定ホルダ部に対し可動ホルダ部を閉じることで配線を保持するようにしたことを特徴とする天井貫通部の配線具。
【請求項2】
固定ホルダ部を、この固定ホルダ部から上方に延設した支持部材を介して下地材に固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の天井貫通部の配線具。
【請求項3】
天井懐から下方の間仕切壁内へ引き込む配線を保持するための天井貫通部の配線具の取付構造であって、前記配線具は、天井懐から間仕切壁内への配線の引き込み経路に配されるホルダを備え、このホルダは、天井懐に配設された下地材に固定される固定ホルダ部と、この固定ホルダ部に対して開閉可能な可動ホルダ部とで構成され、これらホルダ部の間に配線を挟むようにして固定ホルダ部に対し可動ホルダ部を閉じることで配線を保持するようにされており、該配線具の固定ホルダ部を前記下地材に固定するようにしたことを特徴とする天井貫通部の配線具の取付構造。
【請求項4】
前記可動ホルダ部は、前記下地材の下面より低い高さに位置できるように設けられていることを特徴とする請求項3記載の天井貫通部の配線具の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井懐から下方の間仕切壁内へ引き込む配線を所定の位置で保持するための配線具及びその取付構造に関し、特に、複数本の配線を纏めて保持するのに用いられて好適な配線具及びその取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、間仕切壁に電気コンセント等の接続部を設けるために、その間仕切壁の内部に電気配線、電話線、LANケーブル等の配線(以下、本明細書において、単に、「配線」という。)が通されている。そして、これらの配線は、天井懐から天井を貫通して間仕切壁内に引き込まれている。
【0003】
そして、天井懐から間仕切壁内へ引き込む配線を所定の位置で保持するために、例えば、特許文献1にて提案されている配線具がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−153326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に係る配線具は、天井懐で互いに隣り合うように平行に配設された2本の野縁等の下地材の間に架け渡される配線板を備え、この配線板に予め設けられた挿入孔にスリーブ管を嵌め込み装着し、このスリーブ管に配線を通すことでその配線を保持するようにされている。
【0006】
ところで、この配線具を用いた配線作業においては、配線の引き込み側の一端を、スリーブ管の上部開口の上方に持っていき、その上部開口を通して下部開口から下方へと引き出すようにしている。
【0007】
このため、上記の配線具では、配線の一端を高い位置に持っていき、スリーブ管の上部開口を通さなければ、スリーブ管で配線を保持させることができず、配線作業を容易に行うことができないという問題点がある。
また、上記の配線具では、複数本の配線を纏めて保持させるのが難しいという問題点もある。
すなわち、例えば、複数本の配線を同時にスリーブ管に通す場合には、持ち上げる配線の重量が嵩む上に、スリーブ管の開口に複数本の配線を纏めて同時に通すのが本数によってはスリーブ管の開口面積との関係で困難なものとなる。
また、複数本の配線を1本ずつスリーブ管に通す場合には、先に挿通された配線によってスリーブ管内の通路が配線の本数が増えるに従って狭くなり、先に挿通された配線と擦れるなどして配線を通す作業が次第に難しくなる。
【0008】
また、天井懐から間仕切壁内に配線を引き込む作業においては、大工職方と電気職方の作業が混在しており、双方が入替わり立代わり作業を行うため作業効率が低下したり、施工不良が生じた際には責任の所在が不明確となるともに、作業効率が低下するという問題があった。
【0009】
さらに、配線を間仕切壁内に引き込む際に、配線を鋼板製の間仕切ランナーに形成された挿通孔に挿通する必要があるが、配線が挿通孔の周縁(切断面)に接触し、傷付くという問題があった。
【0010】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、大工職方と電気職方との作業区分を明確化できるとともに、配線を鋼板製の間仕切ランナーに形成された挿通孔に挿通する際に、配線が挿通孔の周縁に接触し、傷付くことを防止できるようにしながら、配線作業を容易に行うことができ、しかも複数本の配線でも纏めて容易に保持させることができる天井貫通部の配線具及びその取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の天井貫通部の配線具は、天井懐から下方の間仕切壁内へ引き込む配線を保持するための天井貫通部の配線具であって、天井懐から間仕切壁内への配線の引き込み経路に配されるホルダを備え、このホルダを、天井懐に配設された下地材に固定される固定ホルダ部と、この固定ホルダ部に対して開閉可能な可動ホルダ部とで構成し、これらホルダ部の間に配線を挟むようにして固定ホルダ部に対し可動ホルダ部を閉じることで配線を保持するようにしたことを特徴とする。
【0012】
この場合において、固定ホルダ部を、この固定ホルダ部から上方に延設した支持部材を介して下地材に固定するようにすることができる。
【0013】
また、本発明の天井貫通部の配線具の取付構造は、天井懐から下方の間仕切壁内へ引き込む配線を保持するための天井貫通部の配線具の取付構造であって、前記配線具は、天井懐から間仕切壁内への配線の引き込み経路に配されるホルダを備え、このホルダは、天井懐に配設された下地材に固定される固定ホルダ部と、この固定ホルダ部に対して開閉可能な可動ホルダ部とで構成され、これらホルダ部の間に配線を挟むようにして固定ホルダ部に対し可動ホルダ部を閉じることで配線を保持するようにされており、該配線具の固定ホルダ部を前記下地材に固定するようにしたことを特徴とする。
【0014】
この場合において、前記可動ホルダ部は、前記下地材の下面より低い高さに位置できるように設けるようにすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の天井貫通部の配線具及びその取付構造によれば、可動ホルダ部が開かれた状態の固定ホルダ部の内側位置に、天井懐からの配線を垂れ下がり状態で配し、それらホルダ部の間に配線を挟むようにして固定ホルダ部に対し可動ホルダ部を閉じることで配線がホルダによって保持される。
このため、大工職方と電気職方との作業区分を明確化できるとともに、配線を鋼板製の間仕切ランナーに形成された挿通孔に挿通する際に、配線が挿通孔の周縁に接触し、傷付くことを防止できるようにしながら、同配線具のように、配線の一端を高い位置に持っていきスリーブ管の上方からその内部を通して下方へと引き抜くといった困難な作業が不要で、天井懐からの1本あるいは複数本の配線を垂れ下がり状態で固定ホルダ部の内側位置へとスライド移動させ、その後、固定ホルダ部に対し可動ホルダ部を閉じるといった簡単な動作で配線をホルダで保持させることができる。
したがって、配線作業を容易に行うことができ、しかも複数本の配線でも纏めて容易に保持させることができる。
【0016】
また、固定ホルダ部を、この固定ホルダ部から上方に延設した支持部材を介して下地材に固定するようにし、これにより、可動ホルダ部を下地材の下面より低い高さに位置できるように設けるようにすることによって、可動ホルダ部の開閉動作時にその可動ホルダ部が該下地材に干渉して開閉に支障をきたすことを確実に防ぐことができ、たとえ該下地材がホルダに接近した位置に配されていたとしても、可動ホルダ部を開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る天井貫通部の配線具を用いた配線施工状態図である。
【
図1A】本発明の変形実施形態に係る天井貫通部の配線具を用いた配線施工状態図である。
【
図3】同配線具を用いた配線施工法の工程説明図である。
【
図5】可動ホルダ部とその開き側に位置する野縁との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の天井貫通部の配線具及びその取付構造の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
<配線具の概略説明>
図1に示される配線具1は、天井懐2から所要枚数(本例では1枚。なお、必要に応じて、
図1Aに示す変形実施形態にように、同材質又は異なる材質の複数枚(同例では3枚。))の天井板3の挿通孔(天井貫通部)3aを通して、その天井板3の下面側に垂設される間仕切壁4内へ引き込む所要本数(本例では3本)の配線5を保持するためのものであって、天井懐2において、下地材として所定の間隔を有して平行に並設される2本の野縁9A,9Bの間の配線経路途中に配設されている。
なお、野縁9A,9Bは、上下左右に配される上側板部9a、下側板部9b、左側板部9c及び右側板部9dを有し、
図1の紙面に対し垂直に貫く方向に延びる四角筒状部材で構成されている。
【0020】
<ホルダの説明>
この配線具1は、天井懐2から間仕切壁4内への配線5の引き込み経路途中で天井板3の挿通孔3a内に配されるホルダ10を備えている。
ホルダ10は、上下に開口された円筒形状とされ、一方の野縁9Aと他方の野縁9Bとの間でそれら野縁9A,9Bに平行な鉛直面の位置で開放可能に構成された固定ホルダ部10aと可動ホルダ部10bとにより構成されている。
固定ホルダ部10aは、一方の野縁9A側に配されて支持部材11を介してその野縁9Aに固定されている。
このように、固定ホルダ部10aを、固定ホルダ部10aから上方に延設した支持部材11を介して野縁9Aに固定するようにすることにより、可動ホルダ部10bを野縁9Bの下面より低い高さに位置できるように設けるようにすることによって、可動ホルダ部10bの開閉動作時にその可動ホルダ部10bが他方の野縁9Bに干渉して開閉に支障をきたすことを確実に防ぐことができ、たとえ該野縁9Bがホルダ10に接近した位置に配されていたとしても、可動ホルダ部10bを固定ホルダ部10aに対して開閉することができる。
なお、本実施形態の配線具1においては、可動ホルダ部10bの上端位置が、野縁9Bの下側板部9bよりも低く高さ位置に配されるように、固定ホルダ部10aに対する取付位置や、長さ寸法等が定めるようにしている。
【0021】
<ホルダの支持部材の説明>
支持部材11は、主に、張出板部11a、縦板部11b及び横板部11cにより構成されている。
ここで、張出板部11aは、固定ホルダ部10aの上端外周部位に、外向きに張り出すように一体的に設けられている。
また、縦板部11bは、鉛直方向に延びて野縁9Aの右側板部9dに押し当て可能で、張出板部11aにおける野縁9Aの右側板部9dに向かう先端部位に一体的に連設されている。
また、横板部11cは、野縁9Aの上側板部9aに押し当て可能で、縦板部11bの上端部位に一体的に連設されている。
この支持部材11においては、横板部11cの下面に予め貼り付けられた両面粘着テープ12によって野縁9Aの上側板部9aに貼着するとともに、縦板部11bがビス13によって野縁9Aの右側板部9dに締結・固定されている。こうして、固定ホルダ部10aは、支持部材11を介して野縁9Aに固定される。
なお、上記固着手段は、野縁の材質等に応じて適宜選択して使用することができ、両面粘着テープ12及びビス13の一方のみを用いるようにしたり、他の公知の固着手段を用いるようにすることもできる。
【0022】
<ホルダの開閉構造の説明>
図2(b)に示されるように、固定ホルダ部10a及び可動ホルダ部10bにおける互いの一側縁部同士は、ヒンジ15によって接合されている。
そして、
図2(a)(b)に示されるように、可動ホルダ部10bは、固定ホルダ部10aに対し、閉位置(同図(a)参照)と開位置(同図(b)参照)との間でヒンジ15を中心に横方向に回動可能とされている。
【0023】
<ホルダの開閉ロック構造の説明>
図2(b)に示されるように、固定ホルダ部10aの他側部には、後述する可撓舌状部片22が嵌り込むことが可能な凹部20が形成され、この凹部20の縁部に縦長の係止突起21が設けられている。
可動ホルダ部10bの他側部には、人の手指等の操作で外側に撓ませることが可能な可撓舌状部片22が設けられている。
可撓舌状部片22には、固定ホルダ部10aに対して可動ホルダ部10bが
図2(a)に示されるような閉位置となったときに係止突起21と係合する縦長の係止孔23が設けられている。
可撓舌状部片22の先端部には、可動ホルダ部10bの閉じ動作にて該先端部が係止突起21に接触したときに、閉じ操作力の一部が可撓舌状部片22を外側に撓ませるような力に変換されるようにテーパ面22aが設けられている。
そして、この閉じ動作時に、該テーパ面22aと当接するテーパ面21aが係止突起21に設けられ、後述するロック動作がスムーズに行われるようにしている。
なお、本実施形態の配線具1の固定ホルダ部10aと可動ホルダ部10bとを接合するヒンジ15に代えて、上記開閉ロック構造を採用することによって、固定ホルダ部10aと可動ホルダ部10bとを分離、接合するように構成することもできる。
【0024】
<ホルダの閉操作の説明>
固定ホルダ部10aに対して可動ホルダ部10bを閉じてロックするには、可動ホルダ部10bを
図2(a)に示されるような閉位置に向けてヒンジ15の回りに回動操作し、可撓舌状部片22が係止突起21に突き当ったら、さらにその回動方向に沿って可動ホルダ部10bを押し込んでいく。すると、可撓舌状部片22が、その先端部に設けられたテーパ面22aと係止突起21のテーパ面21aとの作用により外側に撓み、該テーパ面22aが係止突起21を乗り越えてさらに可撓舌状部片22が押し込み方向に進めば、係止孔23に係止突起21が嵌り込み、これによって固定ホルダ部10aに対し可動ホルダ部10bが閉位置でロックされることになる。
【0025】
<ホルダの開操作の説明>
固定ホルダ部10aに対して可動ホルダ部10bをロック解除して開くには、
図2(a)に示されるような状態において、可撓舌状部片22を人の手指等の操作で外側に撓ませることにより、係止孔23に係止突起21が嵌り込んでいる状態から係止突起21がその係止孔23から抜け出した状態とし、その状態をしばらく維持しながら可動ホルダ部10bを
図2(b)に示されるような開位置に向けてヒンジ15の回りに回動操作する。
なお、固定ホルダ部10aには、凹部20が設けられているので、可撓舌状部片22に人の手指等が掛け易くなり、ホルダ10の開操作をより容易に行うことができる。
【0026】
<配線施工法の説明>
次に、以上に述べたように構成される配線具1を用いた天井貫通部(挿通孔3a)の配線施工法について、主に
図3及び
図4を用いて以下に説明する。
【0027】
まず、
図3(a)に示されるように、配線5の引き込み予定経路にホルダ10が位置するように、一方の野縁9Aと他方の野縁9Bとの間の配線予定経路途中に配線具1を持っていき、この配線具1を一方の野縁9Aに対し、両面粘着テープ12、ビス13等の固着手段を用いて固定する。
【0028】
次いで、
図4(a)に示されるように、固定ホルダ部10aに対し可動ホルダ部10bを開位置とした状態において、天井懐2から垂れ下がった状態の複数本の配線5を固定ホルダ部10aの内側位置へとスライド移動させて配し、その後、同図(b)〜(d)に示されるように、固定ホルダ部10aと可動ホルダ部10bとの間にそれら配線5を挟むようにして固定ホルダ部10aに対し可動ホルダ部10bを閉じていき、係止突起21と係止孔23とを係合させることによりロックする。
【0029】
次いで、
図3(b)に示されるように、例えば、石膏ボード等よりなる所要の天井板3を、その挿通孔3aにホルダ10が挿入状態となるようにして、野縁9A,9Bの下面側に取り付ける。
その後、
図3(c)に示されるように、ホルダ10が挿通可能で天井板3の挿通孔3aに対応する挿通孔25aを有する間仕切ランナー25を、その挿通孔25aにホルダ10が挿通状態となるようにして、天井板3の下面側に取り付ける。
そして、
図1に示されるように、間仕切ランナー25に間仕切壁4を取り付ける。
こうして、天井懐2から下方の間仕切壁4内へ引き込む複数本の配線5を配線具1で所定の位置に保持させることができる。
【0030】
<作用効果の説明>
本実施形態の配線具1によれば、
図4(a)〜(d)に示されるように、天井懐2からの複数本の配線5を垂れ下がり状態で固定ホルダ部10aの内側位置へとスライド移動させ、その後、固定ホルダ部10aに対し可動ホルダ部10bを閉じるといった簡単な動作でそれら配線5をホルダ10で保持させることができる。
したがって、従来のように、配線の一端を高い位置に持っていきスリーブ管の上方からその内部を通して下方へと引き抜くといった困難な作業が不要であり、複数本の配線5でもワンタッチで纏めて保持して、配線作業を容易に行うことができる。
【0031】
また、
図5に示されるように、可動ホルダ部10bは、その開き側に位置する他方の野縁9Bの下面(下側板部9b)よりも低い高さに位置できるように設けられているので、可動ホルダ部10bの開閉動作時に野縁9Bと干渉するのを確実に防ぐことができ、たとえ野縁9Bがホルダ10に接近した位置に配されていたとしても、可動ホルダ部10bを開閉することができる。
【0032】
以上、本発明の天井貫通部の配線具及びその取付構造について、その一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、配線具の固定ホルダ部を、野縁以外の下地材に固定することによって配線具を設置するようにする等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の天井貫通部の配線具及びその取付構造は、複数本の配線でも纏めて容易に保持させることができるという特性を有していることから、間仕切壁内への配線作業の合理化の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 配線具
2 天井懐
3 天井板
3a 挿通孔(天井貫通部)
4 間仕切壁
5 配線
9A 野縁(下地材)
9B 野縁(下地材)
10 ホルダ
10a 固定ホルダ部
10b 可動ホルダ部
11 支持部材
25 間仕切ランナー
25a 挿通孔(天井貫通部)