【解決手段】位置特定パッド38は、平坦な表面を有するハウジングと複数の磁場発生器39とを含む。複数の磁場発生器は、ハウジングに固定され、平坦な表面に垂直なそれぞれの軸線を有するそれぞれの磁場を発生させるように構成される。
前記磁場発生器を前記ハウジングに固定することが、前記磁場発生器内の共鳴を緩衝するように、弾性材料を使用して前記磁場発生器を前記ハウジング内で保持することを含む、請求項7に記載の方法。
前記プローブの位置を推定することが、前記電気信号の平均の大きさを計算することと、前記平均の大きさに応じて、前記平坦な表面からの前記プローブの距離を推定することと、を含む、請求項13に記載の方法。
前記プローブの位置を推定することが、前記複数の磁場発生器によって発生した前記磁場によってそれぞれ誘起される前記電気信号の複数成分の大きさを計算することと、前記平均の大きさに応じて、前記磁場発生器に対する前記プローブの横方向位置を推定することと、を含む、請求項13に記載の方法。
前記磁場発生器を駆動することが、異なるそれぞれの周波数を有する前記複数の駆動信号を発生させることを含み、前記大きさを計算することが、前記異なる周波数同士を弁別することによって前記電気信号の成分同士を区別することを含む、請求項16に記載の方法。
前記プローブの位置を推定することが、少なくとも前記横方向位置を初期条件として使用する繰返し位置推定プロセスを行うことによって、前記プローブの位置を更に精密にすることを含む、請求項16に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
概論
カテーテルなどの体内プローブは、様々な治療的及び診断的医療処置で使用される。プローブは、患者の生体に挿入され、体腔内の標的領域へと進められて医療処置を行う。磁場に基づく位置追跡システムでは、外部磁場が患者の身体に印加される。カテーテルの遠位端付近に設置されたセンサは、電気信号を生成することによって磁場に応答する。信号は、追跡システムによって、患者の身体内におけるカテーテルの位置及び配向を位置決めするのに使用される。磁場は、一般的に、複数の磁場発生器、例えば磁場発生コイルによって生成される。
【0013】
本明細書に記載する本発明の実施形態は、小型で平らな位置特定パッド構成を提供する。開示する位置特定パッドは、表面上に取り付けられた複数の磁場発生器(例えば、平面コイル)を備える。磁場発生器の軸線は全て表面に対して垂直である。表面が全体的に平らであるとき、磁場発生器の軸線は互いに平行である。
【0014】
結果として得られる位置特定パッドは薄型であり、患者の身体の下に簡単に敷くことができる。いくつかの実施形態では、例えばMRIスキャナの形に適合させるために、位置特定パッドの表面は僅かに成形されており、即ち、平面から僅かに偏向している。
【0015】
いくつかの実施形態では、位置特定パッド内の磁場発生器は、異なる周波数を有する交流(AC)駆動信号を用いて駆動されるので、カテーテルの遠位端にあるセンサ内で誘起される信号を互いに区別することができる。平行な軸線を有する磁場発生器を使用することで、結果として得られる磁場を数学的にモデリングすることが容易になり、それによって、カテーテルのセンサ出力に基づくカテーテルの遠位端の位置及び配向の計算が簡略化される。
【0016】
一実施例では、プローブ位置は二段階プロセスで推定される。第一段階で、プローブ内のポジションセンサによって感知されたコンポジット信号の絶対量から、位置特定パッドの面からのプローブの高さが推定される。次に、コンポジット信号における異なる周波数の相対振幅を分析することによって、位置特定パッドに対するプローブの横断方向位置を決定することができる。この初期推定値は、それ自体を出力することができ、又はより正確な繰返し位置推定プロセスに対する開始点として使用することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、磁場発生器は、MRIスキャナによって発生することがある可聴周波数共鳴(audio frequency resonance)を緩衝するように、ハウジング内のシリコーンに埋め込まれたコイルを備える。他の実施形態では、高インピーダンスの磁気コイル内へと信号を駆動するのに使用される低インピーダンス増幅器間におけるインピーダンス整合のため、変圧器が使用される。
【0018】
要約すると、本明細書に記載する改善された位置特定パッドの構成により、患者がMRIスキャナの二次磁場環境(second magnetic environment)内に置かれた状態で、磁気プローブ追跡システムを動作させることが可能になる。開示する位置特定パッドは、プローブ内の単軸ポジションセンサと共に使用するのに適しているので、より単純でより薄いプローブが医療処置に使用されてもよい。
【0019】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、磁気共鳴映像(MRI)と並置された磁気カテーテル追跡システム20の概略描画図である。システム20は、MRIスキャナ22と、カテーテルなどの体内プローブ24と、制御コンソール26とを備える。プローブ24は、カテーテル24の遠位端34に(
図2Aにおいて後で示されるように)、患者32の身体内におけるカテーテル24の位置を追跡するのに使用されるセンサを備える。
【0020】
カテーテル24は、例えば、複数の地点で心臓腔の組織に接触する、カテーテル24の遠位端34付近に配設された複数の電極を用いて、患者32の心臓28の心腔内における電位をマッピングするのに使用されてもよい。代替実施形態では、カテーテル24は、変更すべきところは変更して、心臓又は他の身体器官において、他の治療及び/又は診断目的のために使用されてもよい。
【0021】
心臓専門医などの操作者30は、本明細書では心腔であると仮定される体腔にプローブの遠位端34が入るように、患者32の血管系を通してプローブ24を経皮的に挿入する。遠位端34については、
図2Aを参照してより詳細に例示し説明する。
【0022】
コンソール26は、磁気位置感知を使用して、心臓28内部におけるカテーテル24の遠位端34の配向及び位置座標を決定する。感知に関して、コンソール26は、挿入図に示され、且つその下ではテーブル37上にいる患者の胴体の下に断面で示されるような、位置特定パッド38内の1つ又は2つ以上の磁場発生器39を駆動する、駆動回路36を動作させる。遠位端34に設置されたポジションセンサは、位置特定パッド38によって発生した磁場に応答して電気信号を発生させ、それによってコンソール26が、位置特定パッド38に対する遠位端34の位置及び配向を、したがって患者32の心臓内における位置及び配向を決定することができる。
【0023】
MRIスキャナ22は、併せて空間的に異なる磁場を発生させる、傾斜磁場コイルを含む磁場コイル29を備える。空間的に異なる磁場は、スキャナによって発生する高周波(RF)信号の空間位置確認を提供する。更に、スキャナは、送信/受信コイル31を備える。送信モードでは、コイル31は、患者32に対してRFエネルギーを放射し、このRFエネルギーは患者の組織の核スピンと相互作用し、それによって原子核の磁気モーメントをそれらの平衡位置から離れて再整列させる。受信モードでは、コイル31は、組織の原子核がそれらの平衡状態へと緩和するときに患者の組織から受信するRF信号を検出する。
【0024】
プロセッサ40は、
図1に示される実施形態においては二重の機能性を有する。第一に、プロセッサ40は、位置特定パッド38によって発生する磁場に応答して、カテーテルの遠位端34においてセンサ内で誘起される電気信号を受信する、インターフェース回路構成(図示なし)を有し、受信した電気信号を使用して、患者の身体内におけるカテーテルの位置を特定する。
【0025】
第二に、プロセッサ40は、必要な傾斜磁場を形成することを含めて、回路構成を使用してMRIコイル29を制御し、並びに他の回路構成を使用して、患者32の周囲で送信/受信コイル31を動作させることによって、MRIスキャナ22を動作させる。プロセッサ40は、コイル31が受信する信号を使用して、患者32の心臓28の、又は少なくとも撮像すべき心腔のMRIデータを取得する。このデータを使用して、プロセッサ40は、心臓28の画像44をディスプレイ42上で操作者30に表示する。別の方法としては、プロセッサ40の機能は、磁気位置追跡システムを管理するものと、MRIスキャナを管理するものとの2つのプロセッサ間で分割されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、磁気追跡システムによって取得したカテーテルの位置を、MRIスキャナ22によって取得した、ディスプレイ42上の心臓28の画像44に重ね合わせることができる。更に他の実施形態では、操作者30は、1つ又は2つ以上の入力デバイス46を使用して画像44を操作することができる。
【0027】
プロセッサ40はまた、例えばシステム性能を低下させることがある、それぞれのMRIシステム及び磁気カテーテル追跡システムのあらゆる磁気妨害を、又はそれらが共存することによる影響を低減するように構成されてもよい。言い換えると、プロセッサ40は、例えば、MRIスキャナ22で使用されるMRIコイル29及び31によって発生する磁場と、磁気カテーテル追跡システム用の位置特定パッド38内にある磁場発生器39との間のあらゆる結合作用を補償するように構成される。
【0028】
典型的には、プロセッサ40は一般用途コンピュータで構成され、コンピュータには、本明細書に記載する機能を実行するソフトウェアがプログラムされている。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形式でプロセッサ40にダウンロードされてもよく、或いは、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体などの有形の持続的な媒体上で提供されてもよい。別の方法としては、プロセッサ40のいくつかの又は全ての機能は、専用の若しくはプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって、又はハードウェア要素とソフトウェア要素との組み合わせを使用することによって、実施されてもよい。
【0029】
磁気カテーテル追跡システムは、本明細書に記載の処置を実行するように好適に変更された、Biosense Webster,Inc.(Diamond Bar,California)から入手可能な、CARTO XP EP Navigation and Ablation Systemとして実現することができる。
【0030】
図1に示される実施形態は、単に概念を明確にするためのものであり、本発明の実施形態を限定しようとするものではない。MRIスキャナ22及び磁気カテーテル追跡システムは、各システムに対して別個のプロセッサを有し、システム20で示される実施形態のように共有していなくてもよい。MRIスキャナ及びカテーテル追跡システムに対して、単一の又は別個のディスプレイが使用されてもよい。
【0031】
MRIと互換性のある位置特定パッド
図2Aは、本発明の一実施形態による、位置特定パッド38の概略描画図である。位置特定パッド38は、
図2Aの横断方向のXY面で示される、アレイ状に配置された複数の磁場発生器39を備える。均等なサイズの12個の発生器39が、
図2Aの実施形態に示されている。アレイは、様々なプラスチックなど、任意の好適な材料から作られてもよい、ハウジング内で保持される。XYZ座標軸は、厚さtを有する位置特定パッド39のハウジングの左下に示されている。
【0032】
各発生器39は、巻き線がXY面に平行である平面コイル100を備える。いくつかの実施形態では、コイル100はトレンチ105に取り囲まれている。コイルは、銅などの任意の好適な材料から形成されてもよい。一般的には電流である信号がコイル100に印加されると、コイル100は、印加信号に応答してZ軸に沿って、且つコイルの面(XY面)に垂直に配向される、磁場Bを発生させる。この例では、全ての磁場の軸線は互いに平行であり、位置特定パッドの表面に垂直である。位置特定パッドの上方の領域における合成磁場は、複数の磁場発生器による磁場Bを重ね合わせたものを含む。
【0033】
患者32が、
図1の挿入図に示されるように位置特定パッド38上に横たわっており、カテーテル24が位置特定パッドの上にいる患者の身体内の標的領域内へと進められると、カテーテルの遠位端34付近にある磁気センサコイル120が、合成磁場に応答して、一般的には電圧である電気信号を発生させる。センサコイル120は、ここでは、カテーテル24の遠位端34にある単軸センサであるものと仮定する。(別の方法としては、カテーテル24は、多軸ポジションセンサ、例えば3つの相互に直交するコイルを備えるセンサを備えてもよい。)
【0034】
本明細書に提示する実施形態では、位置特定パッドは、例えば患者が位置特定パッドの上に横たわった状態で、患者とテーブル37の上面との間に配置されるように構成される。位置特定パッドの横断方向寸法は、一般的に、MRIスキャナ内へと移動する、患者テーブル37の横断方向寸法に限定される。位置特定パッドの厚さtは、通常、5mm以下であるように構成される。このようにして、MRIスキャナが磁気追跡システムの位置特定パッド38に衝突若しくは干渉することがなく、又はその逆もない。
【0035】
システム20のプロセッサ40は、センサ120が感知した電気信号を使用して、XYZ軸の原点に対するセンサ120の位置
【数1】
ベクトル及び配向ベクトル
【数2】
を計算するように構成される。位置ベクトル
【数3】
はセンサ120の原点からのベクトルである。配向ベクトル
【数4】
はカテーテル24を通る軸性ベクトルである。
図2Aに示されるXYZ座標系の原点の位置は、単に概念を明確にするためのものであり、本発明の実施形態を限定しようとするものではない。原点は、位置特定パッドに対する任意の好適な位置に規定されてもよい。
【0036】
図2Bは、本発明の一実施形態による、位置特定パッドの代替実施形態の概略描画図である。この実施形態では、コイル100の各列140は平面であるが、列同士は僅かに湾曲した表面上にある。この構成でも、コイル100によって発生する磁場の軸線は位置特定パッドの表面に垂直である。
図2Bの湾曲した構成は、例えば、MRIスキャナ22のチャンバ内に適合させるのに有用である。
【0037】
図2Bに示される右端の列において、磁場発生器39は、アレイ全体を覆う、プラスチックなどの任意の好適な材料から形成されてもよい、コイル100を覆う蓋150を有している。
【0038】
図2Bの構成では、後述するように、コイル100によって発生する磁場Bは互いに対してほぼ平行である。
図2Bに示される湾曲によって、磁場Bが平行から僅かに偏向している場合、カテーテル位置追跡システムの精度に対する影響は無視できる程度であることが見出されている。
【0039】
位置特定パッド38をMRI環境で使用すると、大型の磁気MRIコイルは、0.5〜3テスラの範囲などの非常に大きな磁場を発生させる。CARTOシステムなどの磁気カテーテル追跡システムは、可聴周波数範囲内のAC周波数を有する磁石を使用する。したがって、大型のMRI磁石の存在下で可聴周波数を用いて磁気コイル100を駆動させると、小型の磁気コイル100は、例えば19〜22kHzからの可聴周波数で共鳴する場合がある。そのため、いくつかの実施形態では、この共鳴を緩衝するか又は別の形で防ぐために、シリコーン若しくは他の任意の好適な材料などの弾性材料にコイルが埋め込まれる。例えば、コイル100の周囲のトレンチ105及び他の任意の領域を、MRI環境内で位置特定パッド38内のコイル100の可聴周波数共鳴を緩衝する、シリコーン又は他の任意の好適な材料で充填することができる。
【0040】
小型の磁気コイル100はまた、例えば、これらの周波数における皮膚の作用並びにコイル100の小型サイズにより、600Ω程度の大きいインピーダンスを呈する可能性がある。これらのコイルは、一般的に6Ω程度の出力特性インピーダンスを有する、ドライバ増幅器36を用いて駆動される。いくつかの実施形態では、これらの高インピーダンスコイルを駆動するため、6Ω〜600Ωのインピーダンス不整合を克服するインピーダンス変換比を有する変圧器を、ドライバ増幅器36に使用することができる。
【0041】
図2A及び2Bのアレイ構成は、単に視覚的に明瞭にするために示されるものであり、本発明の実施形態を限定しようとするものではない。任意の好適な数の磁気コイル100が、任意の好適な構成で使用されてもよい。コイル100は平らな円形に限定されず、任意の好適な形状のものであってもよい。
【0042】
MRIに適合性をもつ位置特定パッドを用いたカテーテルの位置及び配向の計算
上述したように、開示する実施形態では、位置特定パッド38のコイル100によって発生する磁場は、互いに平行であって、位置特定パッドの表面に垂直である。結果として、合成磁場の大きさは、Z座標に伴って変動するが、X及びYの関数としては実質的に一定である。したがって、単軸センサ(例えば、
図2Aのセンサ120)を使用すると、センサによって感知されるコンポジット信号の大きさは、位置特定パッド38からの遠位端34の高さを強く示唆するが、位置特定パッドに対する遠位先端の横方向位置に対しては非感受性である。この非感受性により、プロセッサ40によって行われる位置及び配向推定プロセスにおいて、変換が不正確になるか、又は更には変換がなされないことがある。
【0043】
この問題に対する1つの可能な解決策は、三軸センサなどのより複雑なポジションセンサを、カテーテル内で使用することである。かかる構成は、上記に挙げた米国特許出願第2007/0265526号に記載されている。しかしながら、この解決策は複雑であり、カテーテルの直径が増大する。
【0044】
いくつかの実施形態では、プロセッサ40は、二段階プロセスでカテーテル24の位置及び配向を推定する。後述するこのプロセスにより、単軸センサを薄型位置特定パッドと併用することができる。開示するプロセスは、コンピュータ的に単純であり、迅速且つ効率的に収束する。一般的に、正確な位置を提供するには合計5個のコイル100で十分であるが、より高い精度及び堅牢性のためには、より多数のコイル(例えば、
図2A及び2Bに示されるような12個のコイル)が好ましい。
【0045】
いくつかの実施形態では、コイル100は、異なるそれぞれの周波数を有するAC信号を用いて駆動されるので、単軸センサコイル内で誘起される信号を互いに区別することができる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態による、位置特定パッド38に対するカテーテル24の遠位端34の位置を推定する方法を概略的に示すフローチャートである。位置決めステップ200で、位置特定パッド38を患者32の下に位置決めする。挿入ステップ210で、カテーテル24を患者32に挿入する。発生ステップ220で、異なる周波数を有するそれぞれのAC駆動信号を用いてコイル100を駆動する。
【0047】
測定ステップ230で、磁場に応答してカテーテルセンサ120内で誘起される電圧信号をプロセッサ40によって測定する。第1の推定ステップ240で、電圧信号の平均(例えば、RMS)強度(コイル100によって生成される合成磁場の平均の大きさに比例する)を計算することによって、位置特定パッドからのセンサの初期Z方向距離をプロセッサ40によって推定する。
【0048】
第2の推定ステップ250で、誘起電圧信号における個別の異なる周波数成分の相対振幅を分析することによって、位置特定パッド38に対するセンサの初期XY位置をプロセッサ40によって推定する。各信号成分は異なる周波数を有するので、プロセッサ40は、異なるコイル100によって誘起される信号成分同士を弁別することができる。プロセッサ40は、この目的に適したデジタルフィルタ処理を用いて、センサ120が感知した信号をフィルタ処理してもよい。
【0049】
繰返し推定ステップ260で、センサのステップ250による初期XY位置推定値とステップ240によるZ位置推定値とを、プロセッサ40によって更に精密にする。一般的に、プロセッサ40は、初期XYZ座標(ステップ240及び250の出力)を初期条件として使用する、繰返し位置推定プロセスを実施する。初期条件が比較的正確であることにより、繰返しプロセスは、カテーテル遠位端の正確なXYZ座標へと迅速に信頼性高く収束する。
【0050】
したがって、上述の実施形態は一例として引用したものであり、また本発明は上記に具体的に図示及び記載したものに限定されないことは認識されるであろう。むしろ、本発明の範囲には、上述された種々の特徴の組み合わせ及び下位の組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者には想到されるであろう、先行技術に開示されていないそれらの変形及び修正が含まれる。参照により本特許出願に組み込まれた文書は、これらの組み込まれた文書内のどんな用語でも、本明細書で明示的又は暗黙的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが検討されるべきである。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) 平坦な表面を有するハウジングと、
前記ハウジングに固定され、前記平坦な表面に垂直なそれぞれの軸線を有するそれぞれの磁場を発生させるように構成された、複数の磁場発生器と、を含む、位置特定パッド(location pad)。
(2) 前記平坦な表面が面内にある、実施態様1に記載の位置特定パッド。
(3) 前記平坦な表面が湾曲している、実施態様1に記載の位置特定パッド。
(4) 前記ハウジングが5ミリメートル以下の厚さを有する、実施態様1に記載の位置特定パッド。
(5) 前記磁場発生器が前記表面に平行な巻き線を有するコイルを備える、実施態様1に記載の位置特定パッド。
【0052】
(6) 前記ハウジングが、前記磁場発生器を保持するとともに、前記磁場発生器内の共鳴を緩衝するように構成された弾性材料を含む、実施態様1に記載の位置特定パッド。
(7) 位置特定パッドを作成する方法であって、
平坦な表面を有するハウジングを提供することと、
複数の磁場発生器を前記ハウジングに固定することであって、前記磁場発生器が前記平坦な表面に垂直なそれぞれの軸線を有するそれぞれの磁場を発生させるようにする、ことと、を含む、方法。
(8) 前記平坦な表面が面内にある、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記平坦な表面が湾曲している、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記ハウジングが5ミリメートル以下の厚さを有する、実施態様7に記載の方法。
【0053】
(11) 前記磁場発生器が前記表面に平行な巻き線を有するコイルを備える、実施態様7に記載の方法。
(12) 前記磁場発生器を前記ハウジングに固定することが、前記磁場発生器内の共鳴を緩衝するように、弾性材料を使用して前記磁場発生器を前記ハウジング内で保持することを含む、実施態様7に記載の方法。
(13) 位置追跡方法であって、
患者の身体の近傍で平坦な表面に連結された複数の磁場発生器を、複数のそれぞれの駆動信号を用いて駆動して、前記複数の磁場発生器によって前記平坦な表面に垂直なそれぞれの軸線を有するそれぞれの磁場を発生させることと、
前記患者の身体内に挿入された体内プローブに連結されたポジションセンサ内で前記磁場によって誘起される、少なくとも1つの電気信号を測定することと、
前記電気信号に基づいて、前記身体内における前記プローブの位置を推定することと、を含む、方法。
(14) 前記ポジションセンサが単軸センサを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記プローブの位置を推定することが、前記電気信号の平均の大きさを計算することと、前記平均の大きさに応じて、前記平坦な表面からの前記プローブの距離を推定することと、を含む、実施態様13に記載の方法。
【0054】
(16) 前記プローブの位置を推定することが、前記複数の磁場発生器によって発生した前記磁場によってそれぞれ誘起される前記電気信号の複数成分の大きさを計算することと、前記平均の大きさに応じて、前記磁場発生器に対する前記プローブの横方向位置を推定することと、を含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記磁場発生器を駆動することが、異なるそれぞれの周波数を有する前記複数の駆動信号を発生させることを含み、前記大きさを計算することが、前記異なる周波数同士を弁別することによって前記電気信号の成分同士を区別することを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記プローブの位置を推定することが、少なくとも前記横方向位置を初期条件として使用する繰返し位置推定プロセスを行うことによって、前記プローブの位置を更に精密にすることを含む、実施態様16に記載の方法。