【解決手段】映像出力装置は、光源デバイス101、光学部品102、及び光学窓103を備える筐体150と、映像の出力を制御する制御部110と、筐体150の内部における、光源デバイス101を含む第1領域に設置される第1冷却素子121と、光学部品102及び光学窓103を含む結露防止対象の第2領域に対して離れた位置に設置される第2冷却素子122とを有し、第1冷却素子121により第1領域を冷却し、第2冷却素子122により第3領域を冷却することにより、筐体150の内部において第2領域を相対的な高温部とし、第3領域を相対的な低温部とし、第2領域に結露を発生しにくくする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付しその繰り返しの説明は省略する。説明上、3次元の方向として(X,Y,Z)を用いる。X,Yは水平面を構成する直交する方向とし、Zは、水平面に対する垂直方向とする。
【0019】
<概要等>
図1に示す実施の形態1の映像出力装置は、第1冷却素子121による冷却構造と、第2冷却素子122による結露防止構造とを有する。第1冷却素子121の冷却により発熱部161を冷却すると共に、第2冷却素子122の冷却により筐体150内に温度差を構成する。これにより、第2冷却素子122の付近に相対的低温部である結露集中部163を構成し、光学部品102等を含む結露防止対象部162への結露を発生しにくくする。
【0020】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1の映像出力装置の機能ブロック構成を示す。実施の形態1の映像出力装置は、光モジュール100と、光モジュール100に接続される制御部110とを有する。光モジュール100は、映像を出力する機能を有する。制御部110は、光モジュール100内の各部を制御することにより、光モジュール100の映像出力機能、及び冷却機能などを制御する機能を有する。制御部110は、電子回路基板などで構成できる。なお光モジュール100の筐体150の内部に制御部110を搭載してもよい。
【0021】
光モジュール100は、筐体150の内部に、光源デバイス101、光学部品102、光学窓103、第1冷却素子121、第2冷却素子122、及び温度センサ131等を搭載する。光モジュール100は、映像出力機能を構成する要素として、光源デバイス101、光学部品102、及び光学窓103を有する。光モジュール100は、冷却機能及び結露防止機能を構成する要素として、第1冷却素子121、第2冷却素子122、及び温度センサ131を有する。
【0022】
筐体150は、ほぼ密閉構造、言い換えると簡易密閉構造である。筐体150内には、光源デバイス101を含む発熱部161と、光学部品102及び光学窓103を含む結露防止対象部162と、結露を集中させるための結露集中部163とを有する。発熱部161は、第1冷却素子121による冷却対象部でもある。結露防止対象部162は、結露の発生を防止する対象となる部位である。結露集中部163は、結露が発生してしまう温度及び湿度などの状況の場合に意図的に結露を集中させる部位である。
【0023】
制御部110は、制御信号C1により光源デバイス101の発光を制御する。制御部110は、制御信号C2により光学部品102及び光学窓103の光変調などを制御する。制御部110は、制御信号C3により第1冷却素子121を制御し、制御信号C4により第2冷却素子122を制御する。
【0024】
光源デバイス101は、制御部110からの制御に従い発光し、その光a1を光学部品102の方向へ出射する。光学部品102及び光学窓103は、光学系を構成する。光学部品102は、光a1を入射し、制御部110からの制御に従い、光の方向や焦点の変換、及び映像信号を乗せる光変調などを行い、その光a2を光学窓103の方向へ出射する。光学窓103は、制御部110からの制御に従い、光a2を入射して筐体150の外部のスクリーン105の方向へ光a3を出射する。これにより外部のスクリーン105に映像が投影される。
【0025】
第1冷却素子121は、発熱部161である光源デバイス101の付近に配置される。第1冷却素子121は、制御信号C3に従い冷却機能を発揮することで、発熱部161である光源デバイス101を含む部位を冷却する。これにより光源デバイス101の付近の温度を低下させ、光源デバイス101や光学部品102等の劣化や不具合を抑制する。
【0026】
光学部品102及び光学窓103は、結露防止対象部162に含まれる。第2冷却素子122は、光モジュール100の筐体150の内部において、結露防止対象部162である光学部品102等に対して離れた位置に設けられる。第2冷却素子122は、例えば筐体150の内側の一側面に配置される。第2冷却素子122は、制御信号C4に従い冷却機能を発揮することにより、当該第2冷却素子122の付近を冷却する。
【0027】
これにより、第2冷却素子122の付近は、モジュール100の筐体150内で相対的な低温部となる。特に、結露防止対象部162と結露集中部163との間に温度差が構成され、結露防止対象部162が相対的な高温部、結露集中部163が相対的な低温部となる。これにより、第2冷却素子122の付近は、結露が発生しやすい結露集中部163が構成される。
【0028】
光モジュール100において、筐体150内の気体中に含まれる水分は、所定の温度や湿度などの条件を満たす時、結露する。その際、結露は、結露防止対象部162よりも相対的な低温部である結露集中部163に発生しやすく、結露防止対象部162には発生しにくい。これにより、結露防止対象部162の光学部品102や光学窓103への結露の発生が防止または低減される。また結露防止対象部162と結露集中部163とが離れた構成により、結露防止対象部162では結露が発生しにくい。
【0029】
温度センサ131は、筐体150内の温度を測定する。温度センサ131は、例えば結露防止対象部162の近くの位置に配置され、当該位置の付近の温度を測定する。温度センサ131は、検出温度の信号C5を制御部110へ出力する。制御部110は、温度センサ131の検出温度の信号C5を用いて、第1冷却素子121及び第2冷却素子122の冷却機能における冷却のオン及びオフの状態や、冷却の温度などを制御する。
【0030】
制御部110は、例えば、制御信号C4により、第2冷却素子122の付近の温度が、第1冷却素子121の付近の温度、及び温度センサ131による検出温度よりも、常に低温となるように制御する。即ち、制御部110は、第2冷却素子122の付近に対応する結露集中部163が、筐体150内で常に最も低温部となるように制御する。これにより、結露集中部163のみに結露が集中して発生しやすいようにし、結露防止対象部162への結露の発生が防止及び低減される。
【0031】
実施の形態1の映像出力装置は、光モジュール100の筐体150内において、第1冷却素子121による冷却構造と、第2冷却素子122による結露防止構造とを含む。冷却構造及び結露防止構造の詳細について以下である。
【0032】
実施の形態1の映像出力装置は、光学部品102等を保護する必要から、光モジュール100の筐体150をほぼ密閉構造とする。密閉構造である筐体150内では、光源デバイス101の発熱により、光学部品102や光学窓103等の部位へ伝熱し、各部が高温化しやすい。これによる各部位の劣化や不具合を抑止する必要がある。
【0033】
これに対し、第1冷却素子121による冷却構造は、発熱部161である光源デバイス101を含む部位を冷却対象として冷却して低温化する。制御部110は、例えば、光源デバイス101の使用時には、常に第1冷却素子121をオン状態に制御することにより、発熱部161を冷却して低温化する。当該発熱及び伝熱の冷却により、光源デバイス101、光学部品102及び光学窓103等の部位の劣化や不具合を防止でき、映像出力装置の性能及び信頼性を確保できる。
【0034】
上記第1冷却素子121による冷却により、ほぼ密閉構造である光モジュール100の筐体150の内部と外部とで温度差が生じ、筐体150内でも位置に応じて温度差が生じる。ほぼ密閉構造である筐体150内では、当該温度差及び湿度などの状況に応じて、結露が発生する可能性がある。特に、光学部品102や光学窓103の付近は、結露の水滴による影響から保護するために、結露の発生を防止する必要がある。そこで、実施の形態1の映像出力装置は、第2冷却素子122を用いた結露防止構造を備える。
【0035】
第2冷却素子122による結露防止構造は、光学部品102や光学窓103を含む結露防止対象部162への結露の発生を防止または低減するための構造である。光学部品102等の結露防止対象部162とは別の離れた位置に第2冷却素子122が設置される。第2冷却素子122の冷却により、筐体150内に相対的な低温部を構成し、筐体150内で相対的に最も結露が発生しやすい結露集中部163を構成する。即ち、第2冷却素子122は、望ましくない結露を意図的に集中させるための結露集中部163となる。これにより光学部品102等の結露防止対象部162への結露の発生を防止または低減できる。
【0036】
なお結露の防止のためには、まず光モジュール100の筐体150をほぼ密閉構造にし、筐体150内の気体中に含まれる水分を極力小さくすることが必要及び有効である。映像出力装置の設計及び製造の段階では、光学部品102等の保護の必要からも、筐体150は、ほぼ密閉構造として設計及び製造される。ただし、筐体150は、外部へ光を出射する光学窓103や、部品取り付け用のねじ穴などの隙間が存在するので、一般的に完全な密閉構造は難しい。これにより、映像出力装置は、経時使用に伴い、ほぼ密閉構造である筐体150内に、水分を含む空気が混入して湿度が上がる。温度及び湿度の状況に応じて、筐体150内は、結露が発生しやすい状態となる。
【0037】
これに対し、実施の形態1の映像出力装置は、上記第2冷却素子122による結露防止構造を備える。結露防止構造として、筐体150内に、第1冷却素子121と第2冷却素子122を配置し、筐体150内に温度差ないし温度勾配を構成する。これにより相対的な低温部である結露集中部163を構成し、当該結露集中部163へ意図的に結露を集中させる。筐体150内において、望ましくない結露が発生するとしても、結露集中部163に集中させるので、光学部品102等への結露が防止できる。
【0038】
上述のように、実施の形態1の映像出力装置によれば、冷却構造により、光源デバイス101、光学部品102及び光学窓103を含む部位の劣化や不具合を防止できると共に、結露防止構造により、光学部品102及び光学窓103を含む部位への結露の発生を防止または低減できる。
【0039】
実施の形態1の変形例として、光モジュール100の筐体150の外部または制御部110に温度センサを搭載し、光モジュール100の外部の温度を周囲環境温度として計測し、結露防止のための冷却素子の制御に利用してもよい。例えば制御部110は、周囲環境温度が、所定の高温から低温に変化するタイミングや、所定の低温から高温に変化するタイミングで、第2冷却素子122の冷却機能をオン状態にしてもよい。
【0040】
<実施の形態2>
次に、
図2〜
図10を用いて、実施の形態2の映像出力装置について説明する。実施の形態2の映像出力装置は、
図2及び
図3に示すように、レーザダイオード3を含む発熱部の冷却用の第1ペルチェ素子21と、それとは別に、結露防止用の第2ペルチェ素子22とを設ける。これにより、MEMSミラー5等を含む結露防止対象部への結露の発生を防止する。実施の形態2の第1ペルチェ素子21は、実施の形態1の第1冷却素子121に相当し、第2ペルチェ素子22は第2冷却素子122に相当する。実施の形態2の映像出力装置は、車載用途などを想定した構成であり、氷点下の低温、55〜85℃といった高温、及び高湿の環境に耐える性能及び信頼性を実現する。
【0041】
[映像出力装置]
図2は、実施の形態2の映像出力装置であるRGBモジュールの構成を、上側から見たXY平面で模式的に示す。なお
図2は、各部品の配置関係がわかりやすいように筐体の上板を外して内部が見えるようなイメージで示している。
図3は、
図2の実施の形態2の映像出力装置の構成を、横側から見たYZ平面で模式的に示す。なお
図3は1つの平面の断面図ではなく、各部品の配置関係がわかりやすいように重ねたイメージで示している。
【0042】
図2において、実施の形態2の映像出力装置は、制御基板10、FPC基板11(FPC:フレキシブルプリント回路)、第1筐体1、第2筐体2、レーザダイオード3、合成ミラー4、MEMSミラー5、出射窓8、第1ペルチェ素子21、第2ペルチェ素子22、及び温度センサ31、等を有する。主な光学部品として、合成ミラー4及びMEMSミラー5を含む。
【0043】
制御基板10は、映像出力装置の制御部を構成する。制御基板10は、FPC基板11を通じて、第1筐体1のレーザダイオード3やMEMSミラー5等の部品と接続される。制御基板10は、FPC基板11を通じて、レーザダイオード3やMEMSミラー5等の部品に対し制御信号を与えることにより制御する。
【0044】
実施の形態2の映像出力装置は、筐体の構造として、内外の二重の筐体部である第1筐体1と第2筐体2とにより構成される、ほぼ密閉構造である。第1筐体1及び第2筐体2は、概略的に長方体の箱型の形状である。第1筐体1及び第2筐体2による筐体は、開口部7及び出射窓8等を有するので、完全な密閉構造ではないが、設計及び製造上は、ほぼ密閉構造である。
【0045】
内側の第1筐体1は、RGBモジュールを構成する主な部品が搭載されるモジュール筐体である。第1筐体1は、3個のレーザダイオード3、2個の合成ミラー4、及びMEMSミラー5等の部品を搭載する。各部品は、第1筐体1に対し、接着剤やねじ等を用いて固定される。また第1筐体1は、MEMSミラー5からの光の出射のための開口部7が一側面に設けられている。開口部7は、ガラス等の部品あるいはスリット等で構成される。また第1筐体1は、3個のレーザダイオード3を含む領域R1に第1ペルチェ素子21が配置される。
【0046】
外側の第2筐体2は、第1筐体1の外側を全体的に覆い、RGBモジュールの外観を構成するモジュールカバーである。第2筐体2は、第1筐体1を固定し、映像9となる出射光を外部のスクリーンの方向へ出射する光学窓である出射窓8が一側面に設けられている。出射窓8は、ガラス等を含む構成である。また第2筐体2は、内側の一側面に第2ペルチェ素子22が配置され、第2ペルチェ素子22の付近の領域R3は結露集中部として構成される。
【0047】
レーザダイオード3は、光源デバイスであり、R(赤),G(緑),B(青)の3色に対応した3個のレーザダイオード3を有する。各レーザダイオード3は、第1筐体1の内側に発光部が露出して合成ミラー4の方向に出射光の光路が向く配置で、第1筐体1の外側の面にねじ止めや接着剤などにより取り付けられる。レーザダイオード3の電線は省略する。a1はレーザダイオード3からの光及び光路の例を示す。
【0048】
合成ミラー4は、レーザダイオード3からのR,G,Bの光を合成して出射するミラーである。例えば第1の合成ミラー4は、Y方向のR用のレーザダイオード3からの光とX方向のG用のレーザダイオード3からの光とを合成し、X方向の第2の合成ミラー4へ出射する。第2の合成ミラー4は、X方向の第1の合成ミラー4で合成されたRとGの光と、Y方向のB用のレーザダイオード3からの光とを合成し、X方向のMEMSミラー5へ出射する。
【0049】
MEMSミラー5は、X方向の合成ミラー4からのR,G,Bの合成光を入射し、当該入射光を、制御基板10からの制御に従って映像信号を乗せるように光変調し、出射点6からY方向へ出射する。MEMミラー5の出射点6からの出射光である光a2は、第1筐体1の開口部7を経由して、第2筐体2の出射窓8に入射される。
【0050】
出射窓8は、映像9となる出射光である光a3を出射する光学窓であり、ガラス等を含んで構成される。第2筐体2の出射窓8から出射された、映像9となる出射光の光a3は、外部のスクリーンに投影される。
【0051】
各部の概略的な位置関係として、X方向において、一方側にレーザダイオード3及び第1ペルチェ素子21が配置され、他方側に第2ペルチェ素子22が配置されている。それらの間の位置には、MEMSミラー5等が配置されている。またY方向において、一方側にはレーザダイオード3、第1ペルチェ素子21、及び第2ペルチェ素子22等が配置され、他方側には出射窓8が配置されている。それらの間の位置には、MEMSミラー5等が配置されている。
【0052】
領域R1は、レーザダイオード3を含む発熱部、及び第1ペルチェ素子21による冷却対象部を示す。領域R1は、レーザダイオード3、合成ミラー4、及び第1ペルチェ素子21が配置されている。領域R1では、レーザダイオード3の発熱や、合成ミラー4への伝熱は、第1ペルチェ素子21により冷却されて低温化される。
【0053】
領域R2は、MEMSミラー5及び出射窓8を含む結露防止対象部を示す。領域R3は、第2ペルチェ素子22による相対的な低温部が構成される結露集中部を示す。領域R3の付近は、第2ペルチェ素子22により冷却される。第2筐体2の内側に露出する第2ペルチェ素子22の面の付近は、結露集中部となる。41は、第2ペルチェ素子22の結露集中部の領域R3の面に発生する結露のイメージを示す。第2筐体2内の空気中の水分は、所定の温度及び湿度などの条件を満たす状況では、結露41となる。
【0054】
温度センサ31は、第1筐体1の外側で第2筐体2の内側の空間内に設置される。温度センサ31は、MEMSミラー5の近くの位置で、第1筐体1の上面におけるFPC基板11の一部に搭載されている。実施の形態2の温度センサ31は、第1筐体1の内側の空間における、結露防止対象の領域R2であるMEMSミラー5の付近に対応した温度を検出する。温度センサ31の配線は、FPC基板11に接続される。制御基板10は、温度センサ31の検出温度の信号を用いて、第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22の冷却を制御する。温度センサ31は、図示する位置に限らず、温度を測定したい箇所に配置すればよく、2つ以上の温度センサ31を配置してもよい。
【0055】
FPC基板11の一方の端部は、第1筐体1の図示しない開口部を通じて、MEMSミラー5等に接続される。FPC基板11の他方の端部は、第2筐体2の図示しない開口部を通じて、制御基板10に接続される。
【0056】
図3において、映像出力装置の第2筐体2は、台300などに設置されている。領域R4は、映像出力装置の第2筐体2の外部の領域の例である。3個のレーザダイオード3を含む領域R1を冷却するため、第1筐体1の底面に、第1ペルチェ素子21が取り付けられる。第1筐体1の底面と、第2筐体2の底面との間に、XY平面で平板形状の第1ペルチェ素子21が接触して挟み込まれるように固定される。第1ペルチェ素子21とレーザダイオード3とは第1筐体1を介して熱伝導するように配置されている。なお第1ペルチェ素子21とレーザダイオード3とが接触して配置される構成としてもよい。
【0057】
レーザダイオード3の発熱の影響は、第1筐体1及び光路を通じて、合成ミラー4、MEMSミラー5、及び出射窓8等に伝わる。当該発熱及び周囲環境温度による部品の劣化や不具合を防止するため、レーザダイオード3を含む領域R1を第1ペルチェ素子21により冷却する構造を有する。制御基板10からの制御に基づき、第1ペルチェ素子21の冷却機能をオン状態にすることで、レーザダイオード3が冷却され、またそれに近い位置に存在する合成ミラー4やMEMSミラー5等も冷却効果を受ける。
【0058】
第2ペルチェ素子22は、第2筐体2の内側の一側面の一箇所に、XZ平面で平板形状のものが接触して固定される。なお第2ペルチェ素子22を設ける位置は、第2筐体2の内側であれば、第2筐体2の側面、底面、及び上面などの任意の位置が可能である。結露の水滴の影響を考慮すると、第2筐体2の側面または底面に第2ペルチェ素子22を設けると好適である。
【0059】
第2ペルチェ素子22の面に結露41が発生した場合、その水滴は、第2ペルチェ素子22の面、第2筐体2の側面または底面の付近に存在する。第2ペルチェ素子22を設ける第2筐体2の側面または底面の付近には、水滴の影響を受ける部品などを配置しない。当該水滴は、第2ペルチェ素子22から離れている第1筐体1内のMEMSミラー5や第2筐体2の出射窓8等へは殆ど影響しない。当該水滴は、温度が上がれば蒸発する。
【0060】
第2ペルチェ素子22の冷却機能のオン状態により、領域R1及び領域R2と、領域R3との間には、温度差が生じる。即ち、実施の形態1と同様に、第2ペルチェ素子22の付近の領域R3は、第2筐体2内で相対的な低温部となり、結露集中部となる。
【0061】
[ペルチェ素子]
図4は、実施の形態2の第1ペルチェ素子21の付近の構成を示す。第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22は、公知のペルチェ素子として、複数の素子を直列接続した平板形状のものを用いた例を示す。
【0062】
図4(A)は、XY平面において、3個のレーザダイオード3、及び2個の合成ミラー4を含む、矩形の領域に、矩形の平板形状の第1ペルチェ素子21が配置される構成例を示す。なお第1ペルチェ素子21は、少なくともレーザダイオード3を冷却するものであり、第1ペルチェ素子21の配置のサイズや形状は、
図4(A)に限らず、拡大や縮小されてもよい。
【0063】
図4(B)は、YZ平面において、第1筐体1と第2筐体2との間に設けられる第1ペルチェ素子21の付近を拡大で示す。第1ペルチェ素子21は、Z方向上側にある吸熱側である第1平板211と、Z方向下側にある放熱側である第2平板212と、それらの間に接合される接合部213とを含む。第1平板211及び第2平板212は、絶縁性及び熱伝導性を持つ、例えばセラミックによる基板である。第1平板211と第1筐体1は、例えば接着剤で接着され、第2平板212と第2筐体2は、例えば接着剤で接着される。
【0064】
第2筐体2の底面の内側面に、第1ペルチェ素子21の一方の平面である第2平板212が接触し、第1筐体1の底面の外側面に、第1ペルチェ素子21の他方の平面である第1平板211が接触している。第1ペルチェ素子21の端部は、リード線214を通じてFPC基板11に接続される。
【0065】
接合部213は、第1平板211及び第2平板212の矩形の平面内で複数の素子が直列で接続される。接合部213の素子は、平板に接する銅などによる金属電極と、金属電極間のp型及びn型の熱電半導体とを有し、それらが交互に接続される。即ち、第1平板211側の金属電極、p型の熱電半導体、第2平板212側の金属電極、n型の熱電半導体、第1平板211側の金属電極、といった順序で繰り返して接続される。直列接続された素子の両端の金属電極は、リード線214に接続される。
【0066】
第1ペルチェ素子21の第1平板211は、第1筐体1を通じて、レーザダイオード3の発熱及び伝熱を吸熱し、第2平板212側へ放熱する。第2平板212側への放熱及び発熱は、第2筐体2を通じて、装置外部へ放射される。
【0067】
第2ペルチェ素子22は、第1ペルチェ素子21と同様の構造である。第2ペルチェ素子22は、Y方向左側にある吸熱側である第1平板221と、Y方向右側にある放熱側である第2平板222と、それらの間に接合される接合部223とを含む。第2ペルチェ素子22の端部は、リード線224を通じてFPC基板11に接続される。第2ペルチェ素子22の放熱側の第2平板222は、第2筐体2の内側の一側面に、接着剤などで接着される。第2ペルチェ素子22の吸熱側の第1平板221は、第2筐体2の内側の空間に露出し、その表面は、結露41が発生しやすい結露集中部となる。
【0068】
第2ペルチェ素子22の第1平板221は、第2筐体2内部の空間から吸熱し、第2平板222側へ放熱する。第2平板222側への放熱及び発熱は、第2筐体2を通じて、装置外部へ放射される。
【0069】
[冷却構造及び結露防止構造]
実施の形態2の映像出力装置における冷却構造及び結露防止構造の設計の詳細について以下である。映像出力装置は、例えば発熱量が大きい3個のレーザダイオード3が搭載される。そのままでは、ほぼ密閉構造である第2筐体2及び第1筐体1の内部に、非常に熱が溜まり易い。そこで、第1筐体1のレーザダイオード3を含む領域R1に第1ペルチェ素子21を搭載して冷却する構造を採る。
【0070】
例えば車載用途で自動車のダッシュボードに映像出力装置が設置された場合、レーザダイオード3自身の発熱と合わせ、周囲環境温度が55〜85℃といった高温になりやすい。そのような状況でも、実施の形態2の映像出力装置は、第1ペルチェ素子21の冷却機能をオン状態に制御して、レーザダイオード3を含む領域を強制的に冷却して低温化する。これにより、レーザダイオード3やその近くの部位における劣化やレーザダイオード3の不点灯などの不具合を起き難くすることができる。
【0071】
また上記第1ペルチェ素子21による冷却構造により、ほぼ密閉構造である第2筐体2の内部の領域R1を含む空間が冷却される。第2筐体2内の冷却の温度の状況、第2筐体2内の湿度の状況、及び映像出力装置の周囲環境温度の状況などに応じて、第2筐体2内に結露が発生する可能性がある。例えば映像出力装置の外気の温度が高温で、第2筐体2内の冷却による温度との温度差が大きい状況、及び、第2筐体2内の気体中に所定の飽和水蒸気量以上の水分が混入した湿度の状況の場合、第2筐体2内に結露が発生しやすい。
【0072】
上記状況で、特にMEMSミラー5や出射窓8は、結露が発生してしまうと、映像出力装置の性能低下や不具合などにつながる。例えばMEMSミラー5への水滴の付着による動作不良や、出射窓8の曇りにより、投影される映像9のボケ等の不具合が起こり得る。そこで、MEMSミラー5や出射窓8は、結露防止対象の領域R2とし、上記状況でも領域R2への結露を防止するための、第2ペルチェ素子22による結露防止構造を設ける。
【0073】
第2ペルチェ素子22の冷却により、第2筐体2内に意図的に温度差ないし温度勾配を設け、第2のペルチェ素子22の付近を相対的低温部である結露集中部とする。上記のような状況で、第2筐体2内の水分の結露は、結露集中部の領域R3に発生しやすい。よって、結露防止対象の領域R2への結露の発生を防止または低減できる。
【0074】
[制御]
図5は、制御基板10による制御の構成例を示す。制御基板10は、回路やプログラム処理により実現される、映像出力制御部501と、温度制御部502とを含む。なおヒータ61等は、後述の実施の形態6で備える部分を示している。
【0075】
映像出力制御部501は、FPC基板11を通じて、レーザダイオード3に対する制御信号C1による発光の制御、MEMSミラー5及び出射窓8に対する制御信号C2による光変調の制御などを行う。
【0076】
温度制御部502は、温度センサ31からの検出温度Txの信号C5を用いて、第1ペルチェ素子21に対する制御信号C3による冷却の制御、及び、第2ペルチェ素子22に対する制御信号C4による冷却の制御を行う。温度制御部502は、検出温度Txを用いて、RGBモジュール内に結露集中部を構成するための所定の温度差を構成するように、RGBモジュール内の温度状態を好適に制御する処理を行う。
【0077】
第1ペルチェ素子21に対する制御信号C3は、例えば電源のONまたはOFFの信号である。同様に、第2ペルチェ素子22に対する制御信号C4は、電源のONまたはOFFの信号である。ONの信号は、ペルチェ素子の冷却機能をオフ状態からオン状態にし、OFFの信号は、オン状態からオフ状態にする。
【0078】
温度制御部502は、第1ペルチェ素子21の冷却機能を発揮するオン状態にする際には、制御信号C3の内容をONにする。制御信号C3のONにより、第1ペルチェ素子21の端部から前述の接合部213に直流電流を流すことにより、第1平板211の金属電極から第2平板212の金属電極へ熱が移動するペルチェ効果を生じさせる。即ち、第1筐体1側の第1平板211から吸熱して第2筐体2側の第2平板212へ放熱させる。これにより第1ペルチェ素子21の付近の温度制御が可能である。
【0079】
温度制御部502は、第2ペルチェ素子22の冷却機能を発揮するオン状態にする際には、同様に、制御信号C4の内容をONにする。制御信号C4のONにより、第2ペルチェ素子22の端部へ電流を流し、第1平板221から吸熱して第2平板222へ放熱させる。これにより第2ペルチェ素子22の付近の温度制御が可能である。なおペルチェ素子の接合部へ与える電流の極性を逆にすれば、吸熱と放熱の方向を逆にできる。
【0080】
制御基板10の温度制御部502は、例えば、レーザダイオード3の発光時には常に第1ペルチェ素子21をオン状態にして冷却するように制御する。なおこれに限らず、制御基板10は、状況に応じて第1ペルチェ素子21をオン状態に制御してもよい。また制御基板10の温度制御部502は、例えば、第1ペルチェ素子21のオン及びオフ状態の制御に対応させたタイミングで、第2ペルチェ素子22のオン及びオフ状態を制御する。この制御例については後述する。
【0081】
温度制御部502は、温度制御として、少なくとも、第2筐体2内における2つの温度の相対的な高低の関係を制御する。例えば、温度制御部502は、第1ペルチェ素子21の付近の温度よりも、第2ペルチェ素子22の付近の温度が低温となるように、第2ペルチェ素子22の冷却機能のオン及びオフ状態を制御する。あるいは、温度制御部502は、温度センサ31の検出温度Txよりも、第2ペルチェ素子22の付近の温度が低温となるように、第2ペルチェ素子22の冷却機能のオン及びオフ状態を制御する。
【0082】
なお上記相対的な温度関係の制御だけでなく、制御基板10の温度制御部502は、制御信号により、各ペルチェ素子の絶対的な動作温度を詳細に制御してもよい。
【0083】
[比較例]
実施の形態2の映像出力装置の構成に対する比較例として、第1ペルチェ素子21に相当する1つのペルチェ素子のみを備えるモジュールの構成について考える。比較例の構成と実施の形態2の構成とで、結露の発生のしやすさ等の特性や効果について比較する。
【0084】
図6は、上記比較例の構成における各状況に応じた結露の発生のしやすさの特性を概略的にまとめた表を示す。この表で、(A),(B)の行で示す第1ペルチェ素子21の動作状態であるオンまたはオフ状態と、(a)〜(c)で示す装置の周囲環境温度の状態と、それらの組合せの状況に応じた結露のしやすさとの関係を示す。(A)は第1ペルチェ素子21のオン状態、(B)はオフ状態を示す。温度状況に関し、左側の(a)の列は、高温から低温への変化の場合を示す。高温は例えば55〜85℃といった高温の場合を含む。真ん中の(b)の列は、氷点下(0℃未満)の低温から高温への変化の場合を示す。右の(c)の列は、0℃以上の低温から高温への変化の場合を示す。
【0085】
図6のように、比較例では、第1ペルチェ素子21のオン及びオフ状態に依らず、(a)の高温から低温になる場合に最も結露しやすい。(b)や(c)のように低温から高温に変化する場合には、筐体の近傍が結露しやすく、筐体の外側も結露しやすい状態になる。
図6のように、比較例は、概ねどの温度状況であっても結露が発生しやすいと言える。
【0086】
図7は、実施の形態2の映像出力装置の構成における、各状況に応じた結露の発生のしやすさの特性を
図6と同様に概略的にまとめた表を示す。なお第2ペルチェ素子22の冷却のオン及びオフ状態の制御については図示していないが、前述のように、実施の形態2では、第2筐体2内で第2ペルチェ素子22の付近が低温部となるように制御される。
【0087】
実施の形態2では、第1ペルチェ素子21のオン及びオフ状態において、(a)や(b)の温度状況の場合、第2筐体2内部に、結露防止対象の領域R2を含め、結露が発生しにくい。結露が発生するとしても、結露集中部の領域R3に集中させることができる。また(c)の温度状況の場合、同様に、第2筐体2内部に、結露が発生しにくく、結露が発生するとしても、カバーである第2筐体2の外側の面に発生する。
図7のように、実施の形態2は、概ねどの温度状況であっても結露が発生しにくいと言える。
【0088】
[温度制御例]
次に、
図8〜
図10を用いて、実施の形態2における詳細な温度制御例として、第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22のON及びOFFのタイミングを制御する例を説明する。
図8〜
図10の各表は、映像出力装置の外気の温度ないし周囲環境温度の変化の状態と、制御における各ペルチェ素子の動作のタイミングとの関係を示す。
【0089】
図8は、(a)として外気の温度が高温から低温に変化する所定の条件を満たす場合における、第1ペルチェ素子21の状態に応じた、第2ペルチェ素子22のオン及びオフ状態の制御のタイミングを示す。(A)の行は、第1ペルチェ素子21を制御信号C1によりONしてオフ状態からオン状態に切り替える場合である。(B)の行は、第1ペルチェ素子21がオン状態のままの場合である。
【0090】
図8の(A)の制御のタイミング図において、横軸は時間tとし、縦軸は温度Tとする。P1は第1ペルチェ素子21、P2は第2ペルチェ素子22を表すとする。801の破線は、第1ペルチェ素子21の温度変化及び動作温度を示す。802の実線は、第2ペルチェ素子22の温度変化及び動作温度を示す。803の一点鎖線は、温度センサ31の検出温度Txに対応したモジュール内温度を示す。
【0091】
最初、第1ペルチェ素子21はオフ状態であり、第1ペルチェ素子21の動作温度は、高温(Taとする)の状態である。温度制御部502は、タイミングt2で、制御信号C1のONにより、第1ペルチェ素子21をオフ状態からオン状態へ切り替える。801のうち、t2以降、第1ペルチェ素子21の動作温度は、T1のような低温となる。
【0092】
第1ペルチェ素子21のオフ状態において、外気の低温化により、モジュール内温度803が一緒に低下する。温度センサ31により当該モジュール内温度803の低下を検出する。この時、温度制御部502は、タイミングt2で第1ペルチェ素子21をONするよりも前に、タイミングt1で第2ペルチェ素子22を先にONしてオフ状態からオン状態へ切り替える。802のうち、t1以降、第2ペルチェ素子22の動作温度は、T2のような低温となる。
【0093】
上記制御の際、動作温度の設定としては、温度制御部502は、第2ペルチェ素子22の方が第1ペルチェ素子21よりも低温となるように、動作温度を制御する。即ち、温度制御部502は、第1ペルチェ素子21のON及びタイミングt2以降における各ペルチェ素子の動作温度の条件として、T1>T2とする。なお前述のように、T1とT2の値は、相対的な高低の関係で制御すればよい。より詳細な制御を行う場合は、T1とT2の絶対的な値が規定されてもよい。
【0094】
上記制御により、MEMSミラー5等の結露防止対象の領域R2よりも、先に第2ペルチェ素子22の付近の結露集中部の領域R3の方が低温部となる。これにより、結露が発生するとしても、結露集中部の領域R3に発生し、MEMSミラー5等には発生しない。
【0095】
図8の(B)の制御のタイミング図において、811は、第1ペルチェ素子21の動作温度として低温(T1)のままの状態を示す。812は、第2ペルチェ素子22の動作温度として、タイミングt3でのONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、高温(Ta)から低温(T2)へ変化する場合を示す。この制御例では、温度制御部502は、モジュール内温度813である温度センサ31の検出温度Txが下がり始めた時のタイミングt3で、第2ペルチェ素子22をONする。動作温度の条件は、タイミングt3以降においてT1>T2である。
【0096】
第1ペルチェ素子21のオン状態のままで、外気温度変化に伴いモジュール内温度813の変化があった場合でも、その温度変化を検出した時点のタイミングt3で、第2ペルチェ素子22を第1ペルチェ素子21よりも低温になるように動作させる。これにより結露防止対象の領域R2への結露を防止できる。
【0097】
図9は、(b)として外気温度が氷点下の低温から高温に変化する所定の条件を満たす場合における、(A),(B)の第1ペルチェ素子21の状態に応じた、第2ペルチェ素子22の状態の制御のタイミング図を同様に示す。
【0098】
図9の(A)の制御のタイミング図において、901は、第1ペルチェ素子21の動作温度として氷点下の低温の状態からタイミングtbでONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、高温(Tbとする)に変化し、タイミングtcで高温(T1)に変化する状態を示す。902は、第2ペルチェ素子22の動作温度として、タイミングtaでのONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、低温(T2)へ変化する場合を示す。モジュール内温度903は、外気の変化に伴い、氷点下の低温から上昇して0℃以上の高温(Tb)になる場合を示す。
【0099】
この制御例では、温度制御部502は、第2ペルチェ素子22を第1ペルチェ素子21よりも先にONし、これにより第2ペルチェ素子22を第1ペルチェ素子21よりも低温になるように動作させる。温度制御部502は、タイミングtbで第1ペルチェ素子21をONするよりも前に、タイミングtaで第2ペルチェ素子22をONする。タイミングtc以降の動作温度の条件として、T1>T2とする。
【0100】
図9の(B)の制御のタイミング図において、911は、第1ペルチェ素子21の動作温度として高温(T1)のままの状態を示す。912は、第2ペルチェ素子22の動作温度として、タイミングtdでのONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、低温(T2)へ変化する場合を示す。
【0101】
この制御例では、温度制御部502は、モジュール内温度913である温度センサ31の検出温度Txが上がり始めた時のタイミングtdで、第2ペルチェ素子22をONする。そして動作温度の条件としてT1>T2とする。
【0102】
図10は、(c)として外気温度が0℃以上の低温から高温に変化する所定の条件を満たす場合における、(A),(B)の第1ペルチェ素子21の状態に応じた、第2ペルチェ素子22の状態の制御のタイミング図を同様に示す。
【0103】
図10の(A)の制御のタイミング図において、1001は、第1ペルチェ素子21の動作温度として0℃付近の低温の状態からタイミングtyでONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、0℃よりは少し高温(T1)に変化する状態を示す。1002は、第2ペルチェ素子22の動作温度として、タイミングtxでのONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、0℃未満の低温(T2)へ変化する場合を示す。モジュール内温度1003は、外気の変化に伴い、0℃付近の低温から上昇して高温になる場合を示す。
【0104】
この制御例では、温度制御部502は、第2ペルチェ素子22を第1ペルチェ素子21よりも先にONし、これにより第2ペルチェ素子22を第1ペルチェ素子21よりも低温になるように動作させる。温度制御部502は、タイミングtyで第1ペルチェ素子21をONするよりも前に、タイミングtxで第2ペルチェ素子22をONする。タイミングty以降の動作温度の条件として、T1>T2とする。
【0105】
図10の(B)の制御のタイミング図において、1011は、第1ペルチェ素子21の動作温度として0℃付近の低温(T1)のままの状態を示す。1012は、第2ペルチェ素子22の動作温度として、タイミングtzでのONによりオフ状態からオン状態へ切り替えられ、0℃未満の低温(T2)へ変化する場合を示す。
【0106】
この制御例では、温度制御部502は、モジュール内温度1013である温度センサ31の検出温度Txが上がり始めた時のタイミングtzで、第2ペルチェ素子22をONする。そして動作温度の条件としてT1>T2とする。
【0107】
[効果等]
以上のように、実施の形態2の映像出力装置によれば、第2筐体2内部に、第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22を配置し、第2筐体2内部に温度差を構成し、結露防止対象の領域R2及び結露集中部の領域R3を構成する。そして、実施の形態2の映像出力装置は、温度センサ31による検出温度Txを用いて、第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22のON及びOFFのタイミング及び動作温度などを制御し、RGBモジュール内の温度状態を好適に制御する。
【0108】
これにより、実施の形態2の映像出力装置は、RGBモジュール内において結露が発生する状況であっても、結露集中部となる第2ペルチェ素子22の付近のみに集中して発生させることができ、MEMSミラー5や出射窓8等の部位に対する結露の発生を防止または低減できる。これにより、映像出力装置における部位の劣化や不具合を防止して性能確保及び高信頼性を実現できる。
【0109】
実施の形態2における変形例として、温度センサ31は、1つに限らず、複数の箇所に複数の温度センサ31として設けてもよい。例えば第2筐体2内部の複数の箇所に温度センサを搭載してもよい。そして制御基板10は、各温度センサの検出温度を用いて前述の温度差を構成するように各ペルチェ素子を制御してもよい。また、制御基板10あるいは第2筐体2の外側に、映像出力装置の周囲環境温度を検出するための温度センサ31を搭載してもよい。そして制御基板10は、検出した周囲環境温度を用いて、各ペルチェ素子を制御してもよい。また第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22にそれぞれ温度センサを搭載し、各ペルチェ素子の動作温度を詳細に制御する形態としてもよい。
【0110】
実施の形態2における変形例として、第1筐体1と第2筐体2との間に第1ペルチェ素子21を設置する構成に関し、第1筐体1の底面と第1ペルチェ素子21の第1平板211との間に熱伝導性が高い別の部材を介在させてもよい。また第2筐体2の底面と第1ペルチェ素子21の第2平板212との間に熱伝導性が高い別の部材を介在させてもよい。
【0111】
<実施の形態3>
次に、
図11を用いて、実施の形態3の映像出力装置について説明する。前述の実施の形態2は、結露防止構造のために、筐体内に温度差を構成するための2つの冷却素子として、第1ペルチェ素子21及び第2ペルチェ素子22を設けている。当該構成に関し、筐体内に温度差を構成するための3つ以上の冷却素子を設けてもよい。実施の形態3の映像出力装置は、筐体内に温度差を構成するために、複数の第2ペルチェ素子22を備える。
【0112】
図11は、実施の形態3の映像出力装置であるRGBモジュールの構成をXY平面で示す。
図11の構成例では、第2筐体2の内側に、3個の第2ペルチェ素子22として、ペルチェ素子22A、ペルチェ素子22B、及びペルチェ素子22Cが設けられる。1番目のペルチェ素子22Aは、実施の形態2と同様の第2筐体2の側面の一箇所に設けられる。2番目のペルチェ素子22Bは、第2筐体2における別の側面として、レーザダイオード3の反対側の側面のMEMSミラー5の近くの位置に設けられる。3番目のペルチェ素子22Cは、第2筐体2における別の側面として、ペルチェ素子22Aとは反対側の出射窓8がある側面における一箇所に設けられる。
【0113】
実施の形態3における3個の第2ペルチェ素子22は、制御基板10からの冷却の制御により、いずれも相対的な低温部となり、結露集中部となる領域を構成する。これにより、実施の形態3では、結露は、いずれかの第2ペルチェ素子22の付近に発生しやすく、実施の形態2と同様に、結露防止対象の領域R2のMEMSミラー5等への結露の発生を防止または低減できる。
【0114】
<実施の形態4>
次に、
図12及び
図13を用いて、実施の形態4の映像出力装置について説明する。実施の形態4の映像出力装置は、結露防止構造として、第2ペルチェ素子22ではなく、第1ペルチェ素子21に冷却板24を追加接続することにより構成する。冷却板24の面において結露集中部を構成し、MEMSミラー5等の結露防止対象の領域R2への結露の発生を防止する。
【0115】
図12は、実施の形態4の映像出力装置であるRGBモジュールの構成をXY平面で示す。第1ペルチェ素子21は、実施の形態2の
図4と同様に、XY平面での矩形の平板形状のものを用いる。この第1ペルチェ素子21に、XY平面での面積を拡張するように、冷却板24が追加的に接続される。XY平面で、第1ペルチェ素子21と冷却板24とを合わせた矩形の領域の面積は、第1筐体1の底面の矩形の面積よりも大きい。冷却板24の矩形の外周部は、第1筐体1の矩形の底面よりも外側に出た領域となる。
【0116】
第1ペルチェ素子21と冷却板24とを合わせた領域は、冷却対象部としてMEMSミラー5を含む。制御基板10から第1ペルチェ素子21の冷却機能をオン状態に制御することにより、第1ペルチェ素子21に接続されている冷却板24にも冷却機能が生じる。冷却板24の近くに配置されているMEMSミラー5等も冷却効果を受ける。冷却板24を追加して大面積とした構成により、冷却構造による冷却性能が向上する。MEMSミラー5や出射窓8も冷却されやすくなるので、当該部位の劣化や不具合が低減できる。
【0117】
図13は、
図12の実施の形態4の映像出力装置であるRGBモジュールの構成をYZ平面で示す。X方向及びY方向において、第1ペルチェ素子21の端部と冷却板24の端部とが物理的に接続される。特に、第1ペルチェ素子21の第1平板211の端部に、冷却板24の端部が物理的に接続され、当該接続は熱伝導性が高く維持されることが望ましい。冷却板24のZ方向上側の面は、多くの部分が第1筐体1の底面に接触するように設置される。第1ペルチェ素子21のZ方向上側の吸熱側の第1平板211は、第1筐体1の底面に接するままとし、これにより吸熱の性能を維持する。
【0118】
冷却板24は、熱容量の大きい材質、例えばアルミニウム、鉄、マグネシウムなどの金属や、非金属であるプラスチックを用いることが望ましい。熱容量の大きい冷却板24及び第1ペルチェ素子21を合わせた大面積の領域の冷却により、第2筐体2内に相対的な低温部が構成される。即ち、冷却板24における露出する表面における少なくとも一部に、結露が発生しやすい部分が構成される。
図13では、冷却板24のZ方向下側の面において、結露41が発生する対象となる領域1301を有する。
【0119】
第1ペルチェ素子21がオン状態に制御される間は、当然ながら、冷却板24も常に冷却される。第1ペルチェ素子21及び冷却板24による冷却機能により、MEMSミラー5や出射窓8の温度も低温化されるが、冷却板24の表面の領域1301の方が相対的な低温部になる。また第1ペルチェ素子21がオン状態からオフ状態にされた場合、冷却板24は徐々に温まるが、周囲環境温度と比較すると、冷却効果がある程度維持されたままとなる。レーザダイオード3等が配置されている領域よりも、その外側の冷却板24の領域の方が冷却効果が維持される。そのため、冷却板24の面に結露が発生しやすい状態が維持される。
【0120】
上記のように実施の形態4の映像出力装置は、冷却板24の領域1301に結露が発生しやすい。第2筐体2内で、結露は、発生するとしても、冷却板24の領域1301に発生する。これにより、MEMSミラー5等への結露の発生を防止または低減できる。
【0121】
実施の形態4における変形例として、冷却板24が第1ペルチェ素子21ではなく第1筐体1の底面に接続される構成としてもよい。第1筐体1の底面は、熱伝導性が高い材質を使用する。
【0122】
実施の形態4における変形例として、第1ペルチェ素子21のZ方向上側の第1平板211と第1筐体1の底面との間に冷却板24の一部が挟み込まれる部分を設けてもよい。
【0123】
実施の形態4における変形例として、第1ペルチェ素子21の第1平板211が第2平板212よりもXY方向で面積が拡張されるものを使用し、冷却板24の取り付けを省略した構成としてもよい。
【0124】
[変形例]
図14は、実施の形態4の映像出力装置の変形例を示す。この変形例は、
図12の構成に、実施の形態2と同様の第2ペルチェ素子22を追加的に備えた構成である。即ち、この変形例は、冷却板24による結露集中部と、第2ペルチェ素子22による結露集中部との両方を構成する。これにより、結露が発生しやすい箇所が2箇所以上になるので、MEMSミラー5等への結露の発生を更に防止または低減できる。
【0125】
<実施の形態5>
次に、
図15を用いて、実施の形態5の映像出力装置について説明する。実施の形態5の映像出力装置は、実施の形態4の冷却板24の代わりに、凹凸付き冷却板25を取り付けた構成である。凹凸付き冷却板25は、XY平面では、実施の形態4の
図14と同様の矩形の平板形状である。凹凸付き冷却板25は、冷却板24と同様に、熱容量の大きい材質を用いる。
【0126】
図15は、実施の形態5の映像出力装置であるRGBモジュールの構成をYZ平面で示す。凹凸付き冷却板25は、Z方向上側の面が実施の形態4と同様に平面であり第1筐体1の底面に接触される。凹凸付き冷却板25は、Z方向下側の面が、凹凸付きの面である。この凹凸は例えばYZ断面において鋸歯状である。凹凸付き冷却板25の凹凸付きの面は、実施の形態4の冷却板24と同様に、結露が発生する領域が構成される。
【0127】
凹凸付き冷却板25により、実施の形態4の平面の冷却板24よりも表面積が大きく、冷却効率が向上する。また、凹凸付き冷却板25のZ方向下側の凹凸付きの面は、結露が発生した場合、その結露の水滴が、凹部に保持されやすい。
【0128】
なお凹凸の形状は、鋸歯状に限らず、矩形歯状、格子状などとしてもよく、同様の効果が期待できる。
【0129】
凹凸付き冷却板25の凹凸付きの面は、平らな冷却板24の表面の加工により設ける構成としてもよいし、冷却板24に、凹凸部を持つ別の部材を接続する構成としてもよい。凹凸部を持つ別の部材として放熱フィンやヒートシンクを接続する構成としてもよい。
【0130】
凹凸付き冷却板25の凹凸付きの面は、XY平面の全体に設けてもよいし、一部の特定の領域に設けてもよい。凹凸付き冷却板25の凹凸付きの面は、Z方向下側の面に限らず、Z方向上側に露出する面に設けてもよい。
【0131】
実施の形態5の構成によれば、実施の形態4と同様に、凹凸付き冷却板25による結露集中部を構成することにより、MEMSミラー5等への結露の発生を防止または低減できる。なお実施の形態5の変形例として、凹凸付き冷却板25に加え、実施の形態2と同様の第2ペルチェ素子22を備える構成としてもよい。
【0132】
<実施の形態6>
次に、
図16、
図17、及び
図5を用いて、実施の形態6の映像出力装置について説明する。
図16は、実施の形態6の映像出力装置であるRGBモジュールの構成をXY平面で示す。
図17は、
図16の実施の形態6の映像出力装置の構成をYZ平面で示す。
【0133】
図16において、実施の形態6の映像出力装置は、結露防止対象として、MEMSミラー5及び出射窓8を有する。MEMSミラー5は、その表面に接触させて、ヒータ61が取り付けられる。出射窓8は、その表面に接触させて、ヒータ62が取り付けられる。例えば、MEMSミラー5は、X方向で左右に2個のヒータ61が設置される。例えば、出射窓8は、X方向で左右に2個のヒータ62が設置される。各ヒータは、ヒータ用配線63を通じて、FPC基板11に接続される。
【0134】
領域1601は、MEMSミラー5及びヒータ61を含む、結露防止対象及び高温部となる領域である。領域1602は、出射窓8及びヒータ62を含む、結露防止対象及び高温部となる領域である。領域1603は、結露が発生しやすい相対的低温部及び結露集中部となる第2筐体2の一側面の領域である。領域1603は一例であり他の位置であってもよい。
【0135】
制御基板10は、FPC基板11及びヒータ用配線63を通じて、ヒータ61及びヒータ62に対し制御信号を与えることにより、各ヒータの加熱機能のON及びOFF、並びに加熱の温度を制御する。制御基板10は、温度センサ31の検出温度Txと連動させて、ヒータ61及びヒータ62の加熱による温度を制御する。制御基板10の温度制御部502は、例えば常に、各ヒータの温度が温度センサ31の検出温度Txよりも高温になるように制御する。温度センサ31の検出温度Txは、映像出力装置の周囲環境温度と概ね近い温度である。当該ヒータの加熱の制御により、各ヒータの付近の領域1601,1602は、常に、周囲環境温度ないし検出温度Txよりも高温の状態にされる。
【0136】
これにより、実施の形態6の映像出力装置は、第2筐体2内に、結露防止構造のための温度差ないし温度勾配を構成する。即ち、結露防止対象の領域1601,1602は、相対的な高温部として構成され、それとは別の位置にある、第1筐体1の外側の一側面や、第2筐体2の内側の一側面の領域1603などは、相対的な低温部として構成される。これにより、第2筐体2内で、結露の発生の条件を満たす温度や湿度の状況である場合、結露は、低温部である第2筐体2の側面の領域1603などに発生しやすい。即ち、高温部の領域1601,1602には発生しにくく、結露防止対象であるMEMSミラー5等への結露の発生を防止または低減できる。
【0137】
前述の
図5は、実施の形態6における制御基板10によるヒータ61及びヒータ62の温度制御の構成例を示している。温度制御部502は、温度センサ31からの検出温度Txの信号C5を用いて、MEMSミラー5のヒータ61に対する制御信号C6による加熱の制御、及び出射窓8のヒータ62に対する制御信号C7による加熱の制御を行う。実施の形態2と同様に、温度センサ31による検出温度Txとして、映像出力装置の周囲環境温度に近い温度である、第1筐体1と第2筐体2との間の空間の温度が測定される。
【0138】
制御信号C6は、例えばONまたはOFFを含む信号であり、ヒータ61の温度を制御する信号である。これによるヒータ61の制御温度は、例えば、検出温度Txよりも所定温度高い温度である(Tx+α)℃とする。制御信号C7によるヒータ62の制御についても同様である。
【0139】
温度制御部502は、ヒータ61及びヒータ62に対してそれぞれ制御信号の電流を流すことにより加熱し、常に、それぞれが所定の制御温度(Tx+α)の状態となるように制御する。即ち、MEMSミラー5の付近の領域1601、及び出射窓8の付近の領域1602の温度が、常に、周囲環境温度ないし検出温度Txよりもα℃高温となるように制御される。
【0140】
以上のように、実施の形態6の映像出力装置によれば、第2筐体2内部にヒータ61,62を配置して温度差を構成し、結露防止対象の領域及び結露集中部の領域を構成する。そして、実施の形態6の映像出力装置は、温度センサ31による検出温度Txを用いて、ヒータ61,62のON及びOFFのタイミング及び制御温度などを制御し、RGBモジュール内の温度状態を好適に制御する。
【0141】
これにより、実施の形態6の映像出力装置は、RGBモジュール内において結露が発生する状況であっても、結露集中部となる第1筐体1の一側面や第2筐体2の一側面の領域1603などに集中して発生させることができ、結露防止対象であるMEMSミラー5や出射窓8等の部位に対する結露の発生を防止または低減できる。これにより、映像出力装置における部品の劣化や不具合を防止して性能確保及び高信頼性を実現できる。
【0142】
なお実施の形態6では、結露防止対象及びヒータ取り付け対象を、MEMSミラー5及び出射窓8としたが、他のレンズやミラー等の部位への適用も同様に可能である。またヒータを取り付ける部位は、MEMSミラー5及び出射窓8の両方に限らず、光学部品または光学窓の少なくとも一方でもよい。またMEMSミラー5等の部位へ取り付けるヒータの数は、少なくとも1つであり、3つ以上としてもよい。
【0143】
実施の形態6における変形例として、第2ペルチェ素子22を追加してもよい。例えば
図16で、第2筐体2の一側面の領域1603に、実施の形態2と同様の第2ペルチェ素子22を設置してもよい。これにより、第2筐体2内に、ヒータによる高温部と、第2ペルチェ素子22による低温部とによる温度差が構成される。第2ペルチェ素子22の付近の領域1603が結露集中部となる。当該温度差が大きいので、結露防止対象のMEMSミラー5等への結露を更に防止できる。
【0144】
<他の実施の形態>
図18は、他の実施の形態として、前述の各実施の形態の構成要素を組合せた形態を示す。この形態は、実施の形態2の映像出力装置を基本として、構成要素として、第1ペルチェ素子21、第2ペルチェ素子22、温度センサ31、凹凸付き冷却板25、及びヒータ61,62を備える。
【0145】
ヒータと凹凸付き冷却板25との組合せの構成により、結露防止対象に設置されるヒータの付近の領域は、相対的な高温部となり、周囲環境温度ないし検出温度Txよりも高温になるため、結露が発生しにくい。かつ、第1ペルチェ素子21に接続される凹凸付き冷却板25の付近の領域は、相対的な低温部となり、第1筐体1や第2筐体2よりも低温になるため、結露が発生しやすい。第2筐体2内のその他の部位では、同様に相対的な低温部であるため、結露が発生しにくい。
【0146】
更に、第2ペルチェ素子22と凹凸付き冷却板25との組合せの構成により、第2ペルチェ素子22の付近の領域は、相対的な低温部となるため、結露が発生しやすい。第2ペルチェ素子22及び凹凸付き冷却板25の付近の領域に結露が集中するので、MEMSミラー5等への結露を防止できる。
【0147】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。