(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-121025(P2015-121025A)
(43)【公開日】2015年7月2日
(54)【発明の名称】道路
(51)【国際特許分類】
E01C 3/06 20060101AFI20150605BHJP
【FI】
E01C3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-264483(P2013-264483)
(22)【出願日】2013年12月20日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA01
2D051CA03
2D051CA10
(57)【要約】
【課題】 本発明は道路構築部分に洪水等が発生した際にこれの被害が及ばない様に構成した道路の提供を図る。
【解決手段】 地盤1と道路構築物3との間に、地盤1上の水の流通を妨げないための空間構築物2を介在させるように構成した道路。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤(1)と道路構築物(3)との間に、地盤(1)上の水の流通を妨げないための空間構築物(2)を介在させるように構成した道路。
【請求項2】
側方に水が流出しないように脚体部(4a)を両側部に形成した道路構築体(4)を地盤上に構築すると共に、当該脚体部間に、土(1立方メートル当たり1.7トン)より軽いプラスチック製(1立方メートル当たり50Kg)ブロック5を介在させることにより、軟弱地盤でも道路構築物(4)が沈下しないように構成した道路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、東南アジアのように雨季のある地域、或いは、湿地帯、洪水が生じやすい地域、すなわち、雨水がすぐに地表に流れ出してしまうような地域に於いて、当該雨水の流れ出しの影響を受けない様に構成した道路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水による被害、例えば地盤の液状化現象を阻止する手段としては、地盤自体を予め液状化しない様にするための土地改良工事を行うことを通例とした(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−108299号公報
【特許文献2】特開2013−159987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような予め土地の改良工事を行うものであると、その対象範囲が著しく広いものとされ、改良工事に要する費用は莫大なものとされる。 そして、水による被害の範囲も、実際にその事態が生じなければ正確には掌握できないものである。
【0005】
本発明は道路構築部分に洪水等が発生した際に、構築されている道路に対して被害が及ばない様に構成したことを特徴とする道路の提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は請求項1に記載のように、地盤1と道路構築物3との間に、地盤上の水の流通を妨げないための空間構築物2を介在させるように構成した道路に係る。
【0007】
本発明は請求項2に記載のように、側方に水が流出しないように脚体部4aを両側部に形成した道路構築体4を地盤上に構築すると共に、当該脚体部間に、土(1立方メートル当たり1.7トン)より軽いプラスチック製(1立方メートル当たり50Kg)ブロック5を介在させることにより、軟弱地盤でも道路構築物4が沈下しないように構成した道路に係る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、地盤1と道路構築物3との間に、地盤上の水の流通を妨げないための空間構築物2を介在させるように構成したから、降雨に基づく増水(地震発生時に地盤から浮き出す水も含む)、或いは、傾斜地等からの流水(洪水等)が、空間構築物2の間を通り抜けるとによって、道路構築物3に対して被害を及ぼすことがない。
【0009】
更に、当該空間構築物2の形成空間の大きさによっては、昆虫及び小動物の行き来が可能化され、道路構築物3の存在が障害物化することがないから、道路の建設が自然環境を阻害すると言うような問題発生を未然に防止する。
【0010】
本発明は請求項2に記載のような構成を採用したから、軟弱地盤であっても道路構築物が沈下しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の全体を表した説明用縦断正面図である。
【
図2】本発明に用いる構築用枠体の一例を表した平面図である。
【
図4】本発明の他の示指令を表した説明用縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、1は地盤、2は当該地盤1の上面に設けた空間構築物であって、その上面には道路構築物3が形成してある。 すなわち、道路構築物3は地盤1の上に空間構築物2を介して形成するように構成してある。
【0013】
上記した空間構築物2であるが、これは、道路構築物2の下面部分に対して、洪水時の水の流通、各種の昆虫類の通り抜け、或いは小動物の通路、としての役割を果たすための空間を提供するためのものである。 従って、当該空間構築物2は上記の役割に適した大きさの空間を具えたものを構築する。
【0014】
上記した空間構築物2を形成するための手段としては、特開2001−355259号公報、特開2001−355259号公報に掲載されているようなブロック状の構造物の用いることが望ましい。 このようなブロックを用いることにより、構築の容易性、迅速性、強度性が得られることとなるが、これ以外の手段に依ることも可とする。
【0015】
図2及び
図3は上記したブロックの一例を表したものである。 同図に於いて、aは矩形状基盤であって、その一面には柱状部bが形成してある。 そして、このような形態のブロック二つを一対とし、互いの柱状部bの先端を連結したものを多数用意し、これを前後左右に連結することにより、空間構築物2が形成される。
【0016】
本発明は、地盤1と道路構築物3との間に所要の空間を形成することにより、降雨に基づく増水(地震発生時に地盤から浮き出す水も含む)、或いは、傾斜地等からの流水(洪水等)が、空間構築物2の間を通り抜けるとによって、道路構築物3に対して被害が及ばない様にしたことを特徴とするものである。
【0017】
従って、下記するような構成は本発明の実施態様とするものである。
【0018】
1.空間構築物2として、ブロック状の構造物の組立に基づき構築したものとする。
2.空間構築物2として、水の流通を妨げない程度の空間を具えたものとする。
3.空間構築物2として、昆虫類の通過を妨げない程度の空間を具えたものとする。
4.空間構築物2として、小動物の通過を妨げない程度の空間を具えたものとする。
【0019】
図4は本発明の他の実施例を表したものであって、側方に水が流出しないように脚体部4aを両側部に形成した道路構築物4を用い、その下部には、土(1立方メートル当たり1.7トン)より軽いプラスチック製(1立方メートル当たり50Kg)ブロック5を介在させることにより、軟弱地盤でも道路構築物4が沈下しないように構成したものである。
本発明はこのような形態で実施する場合もある。
【符号の説明】
【0020】
1 地盤
2 空間構築物
3 道路構築物
a 基盤
b 柱状部
【手続補正書】
【提出日】2015年4月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤(1)と道路構築物(3)との間に、地盤(1)上の水の流通を妨げないための空間構築物(2)を介在させるように構成した道路。
【請求項2】
側方に水が流出しないように脚体部(4a)を両側部に形成した道路構築体(4)を地盤上に構築すると共に、当該脚体部間に、土より軽いプラスチック製ブロック(5)を介在させることにより、軟弱地盤でも道路構築物(4)が沈下しないように構成した道路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、東南アジアのように雨季のある地域、或いは、湿地帯、洪水が生じやすい地域、すなわち、雨水がすぐに地表に流れ出してしまうような地域に於いて、当該雨水の流れ出しの影響を受けない様に構成した道路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水による被害、例えば地盤の液状化現象を阻止する手段としては、地盤自体を予め液状化しない様にするための土地改良工事を行うことを通例とした(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−108299号公報
【特許文献2】特開2013−159987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような予め土地の改良工事を行うものであると、その対象範囲が著しく広いものとされ、改良工事に要する費用は莫大なものとされる。 そして、水による被害の範囲も、実際にその事態が生じなければ正確には掌握できないものである。
【0005】
本発明は道路構築部分に洪水等が発生した際に、構築されている道路に対して被害が及ばない様に構成したことを特徴とする道路の提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は請求項1に記載のように、地盤1と道路構築物3との間に、地盤上の水の流通を妨げないための空間構築物2を介在させるように構成した道路に係る。
【0007】
本発明は請求項2に記載のように、側方に水が流出しないように脚体部4aを両側部に形成した道路構築体4を地盤上に構築すると共に、当該脚体部間に、
土より軽いプラスチック製ブロック5を介在させることにより、軟弱地盤でも道路構築物4が沈下しないように構成した道路に係る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は請求項1に記載のような構成、すなわち、地盤1と道路構築物3との間に、地盤上の水の流通を妨げないための空間構築物2を介在させるように構成したから、降雨に基づく増水(地震発生時に地盤から浮き出す水も含む)、或いは、傾斜地等からの流水(洪水等)が、空間構築物2の間を通り抜けるとによって、道路構築物3に対して被害を及ぼすことがない。
【0009】
更に、当該空間構築物2の形成空間の大きさによっては、昆虫及び小動物の行き来が可能化され、道路構築物3の存在が障害物化することがないから、道路の建設が自然環境を阻害すると言うような問題発生を未然に防止する。
【0010】
本発明は請求項2に記載のような構成を採用したから、軟弱地盤であっても道路構築物が沈下しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の全体を表した説明用縦断正面図である。
【
図2】本発明に用いる構築用枠体の一例を表した平面図である。
【
図4】本発明の他の
実施例を表した説明用縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、1は地盤、2は当該地盤1の上面に設けた空間構築物であって、その上面には道路構築物3が形成してある。 すなわち、道路構築物3は地盤1の上に空間構築物2を介して形成するように構成してある。
【0013】
上記した空間構築物2であるが、これは、道路構築物2の下面部分に対して、洪水時の水の流通、各種の昆虫類の通り抜け、或いは小動物の通路、としての役割を果たすための空間を提供するためのものである。 従って、当該空間構築物2は上記の役割に適した大きさの空間を具えたものを構築する。
【0014】
上記した空間構築物2を形成するための手段としては、
特開2001−355259号公報に掲載されているようなブロック状の構造物の用いることが望ましい。 このようなブロックを用いることにより、構築の容易性、迅速性、強度性が得られることとなるが、これ以外の手段に依ることも可とする。
【0015】
図2及び
図3は上記したブロックの一例を表したものである。 同図に於いて、aは矩形状基盤であって、その一面には柱状部bが形成してある。 そして、このような形態のブロック二つを一対とし、互いの柱状部bの先端を連結したものを多数用意し、これを前後左右に連結することにより、空間構築物2が形成される。
【0016】
本発明は、地盤1と道路構築物3との間に所要の空間を形成することにより、降雨に基づく増水(地震発生時に地盤から浮き出す水も含む)、或いは、傾斜地等からの流水(洪水等)が、空間構築物2の間を通り抜ける
ことによって、道路構築物3に対して被害が及ばない様にしたことを特徴とするものである。
【0017】
従って、下記するような構成は本発明の実施態様とするものである。
【0018】
1.空間構築物2として、ブロック状の構造物の組立に基づき構築したものとする。
2.空間構築物2として、水の流通を妨げない程度の空間を具えたものとする。
3.空間構築物2として、昆虫類の通過を妨げない程度の空間を具えたものとする。
4.空間構築物2として、小動物の通過を妨げない程度の空間を具えたものとする。
【0019】
図4は本発明の他の実施例を表したものであって、側方に水が流出しないように脚体部4aを両側部に形成した道路構築物4を用い、その下部には、土(1立方メートル当たり1.7トン)より軽いプラスチック製(1立方メートル当たり50Kg)ブロック5を介在させることにより、軟弱地盤でも道路構築物4が沈下しないように構成したものである。
本発明はこのような形態で実施する場合もある。
【符号の説明】
【0020】
1 地盤
2 空間構築物
3 道路構築物
a 基盤
b 柱状部