【解決手段】天然ポリマー及び合成ポリマーの重合後改質を含むポリマー及び/又はコロイドの合成中における刺激応答性の進展をモニタリングする方法であって、ポリマー及び/又はコロイドが合成されるリアクター1を配備し、合成中における刺激応答性をモニタリングする手段を配備することや、合成中の特性の進展をモニタリングすることを含む。応答刺激性の進展は、ポリマー及び/又はコロイド自体の特性の進展と相関関係がある。また、合成が起こるリアクター中の流体の状態が特定される。特定は、例えば、検出、材料の選択及び温度条件、並びにそれらの組合せによって行われる。開示された方法は、プロセス、合成、改質を最適化及び制御することであり、所望の刺激応答性を有するポリマー及びコロイドを得ることである。
反応性媒体の特性の特定は、サーモスタットで制御されたヒーター又はクーラーで温度設定を行なうこと、試薬及び他のコンポーネントの所望濃度を使用すること、及び撹拌を行なうことのうちの少なくとも1つによって行われる請求項3の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展のモニタリングは、所望の刺激特性を有するポリマー及び/又はコロイドの最終生成物の生成を制御するために用いられる請求項1の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの性質の進展とポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の相互関係は、所望のポリマー及び/又はコロイドの最終生成物の組成及び特性を画定するために用られる請求項7の方法。
ポリマー及び又はコロイドの性質の進展に対するポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の相互関係は、所望のポリマー及び/又はコロイドの最終生成物の生成を制御するために用いられる請求項7の方法。
所望のポリマー及び/又はコロイドの生成は、セミバッチ運転により行われ、1又は複数の試薬をリアクターの中に添加され、温度等の反応媒体特性を変化させる請求項9の方法。
コロイド及び/又はポリマーを特徴づけるシグナルの特性は、1又は複数の試薬のリアクター内への添加流入を自動的に制御するため、又は温度等の反応媒体特性を変化させるために用いられる請求項9の方法。
モニターされた刺激応答性は、ミセル化、凝集、超分子集合、自己組織化集合、分子内相転移、分子内立体配座構造変化、光増感、熱応答性、他の化学種とポリマー及び/又はコロイドの非共有結合、ポリマー及び/又はコロイドのそれら自体又は他の化学種との化学反応、色又は他の視覚的態様における変化からなる群からの現象のクラスの1又は複数の要素を含んでいる請求項13の方法。
刺激応答性は、Mie散乱によるものを含むあらゆる形態で分析される静的光散乱、動的光散乱、偏光静的光散乱及び/又は偏光動的光散乱、濁度、190nm〜1mmにおける任意範囲の電磁放射線の吸収、濁度、蛍光、伝導度、核磁気共鳴、電子スピン共鳴、光学活性、複屈折、線二色性及び楕円二色性、粘度、光学写真撮影及び感熱写真のうちの1又は複数の手段によってモニターされる請求項13の方法。
刺激応答性を生じさせるのに用いられる条件は、温度、圧力、流体力学的せん断、乱流、超音波、溶媒内の変化、溶媒混合物、pH、イオン強度、塩等の他の化学的試薬の存在、界面活性剤、有機分子、薬剤、生体細胞及び微生物を含む他の生物活性剤、オリゴマー、他のポリマー及びコロイド、190nm〜1mmの範囲の電磁放射による照射からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいる請求項25の方法。
刺激応答性を生じさせるために用いられる処理は、リアクター液体を試薬が添加された純溶媒又は混合溶媒と混合することを含んでおり、試薬は、金属イオン、一価イオン、多価イオン、キレート剤、界面活性剤、蛍光分子、190nm〜1mmの範囲の放射を吸収する分子、ミセル、エマルション、小嚢、リポソーム、バイオポリマー及び合成ポリマーからなる群のうちの少なくとも1種である請求項25の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数の液体流れを連続的に引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項13の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを略連続的に引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項13の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを1000秒毎に少なくとも1回引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項36の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを100秒毎に少なくとも1回引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項36の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを10秒毎に少なくとも1回引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項36の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを1秒毎に少なくとも1回引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項36の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを0.1秒毎に少なくとも1回引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項36の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから液体流れを0.01秒毎に少なくとも1回引き出し、該液体流れを、1又は複数の検出手段の試料セルを通って流すことによってモニターされる請求項36の方法。
刺激応答性は、温度、圧力、流体力学的せん断、乱流、超音波、溶媒内の変化、溶媒混合物、pH、イオン強度、塩等の他の化学的試薬の存在、界面活性剤、有機分子、薬剤、生体細胞及び微生物を含む他の生物活性剤、オリゴマー、他のポリマー及びコロイド、190nm〜1mmの範囲の電磁放射による照射からなる群のうちの少なくとも1の条件によって生じる請求項35の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数の液体流れを連続的に引き出し、該液体流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と混合することによってモニターされ、刺激応答性を生じさせるために用いられる処理又は条件は、リアクター液体を1又は複数の試薬が添加された純溶媒又は混合溶媒と混合することを含んでおり、試薬は、金属イオン、一価イオン、多価イオン、キレート剤、界面活性剤、蛍光分子、190nm〜1mmの範囲の放射を吸収する分子、ミセル、エマルション、小嚢、リポソーム、バイオポリマー及び合成ポリマーからなる群の中の試薬である請求項13の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数の液体流れを略連続的に引き出し、該液体流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と混合することによってモニターされ、刺激応答性を生じさせるために用いられる処理又は条件は、リアクター液体を1又は複数の試薬が添加された純溶媒又は混合溶媒と混合することを含んでおり、試薬は、金属イオン、一価イオン、多価イオン、キレート剤、界面活性剤、蛍光分子、190nm〜1mmの範囲の放射を吸収する分子、ミセル、エマルション、小嚢、リポソーム、バイオポリマー及び合成ポリマーからなる群の中の試薬である請求項13の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数種の液体流れを引き出し、引き出された流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と1000秒毎に少なくとも1回混合することによってモニターされる請求項45の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数種の液体流れを引き出し、引き出された流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と100秒毎に少なくとも1回混合することによってモニターされる請求項45の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数種の液体流れを引き出し、引き出された流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と10秒毎に少なくとも1回混合することによってモニターされる請求項45の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数種の液体流れを引き出し、引き出された流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と1秒毎に少なくとも1回混合することによってモニターされる請求項45の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数種の液体流れを引き出し、引き出された流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と0.1秒毎に少なくとも1回混合することによってモニターされる請求項45の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数種の液体流れを引き出し、引き出された流れを、応答刺激性を生じさせるのに用いられた溶媒又は溶媒混合物と0.01秒毎に少なくとも1回混合することによってモニターされる請求項45の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの進展のモニタリングは、ポリマー及び/又はコロイドの最終生成物の生成を、所望の刺激応答性で制御するために用いられる請求項53の方法。
前記特徴づけは、ポリマー分子重量平均又は分配、モノマー又はコモノマーの転換、ポリマーの固有粘度、ポリマーの流体力学半径及び化学組成物のドリフト及び分配等の特性を特定するのに必要なあらゆる器具(例えば、静的及び動的光散乱、紫外線及び可視吸収、屈折率、粘度測定)又は器具の組合せを含んでいる請求項70の方法。
少なくとも1つの特徴モニタリング器及び少なくとも1つの刺激応答性モニタリング器から得られた情報に基づいてリアクターを制御するリアクターコントローラをさらに具えている請求項80の装置。
少なくとも1つの特徴モニタリング器は、Mie散乱によるものを含むあらゆる形態で分析される静的光散乱、動的光散乱、190nm〜1mmにおける任意範囲の電磁放射線の吸収、伝導度、核磁気共鳴、電子スピン共鳴及び粘度からなる群の中に含まれており、
少なくとも1つの刺激応答性モニタリング器は、Mie散乱によるものを含むあらゆる形態で分析される静的光散乱、動的光散乱、偏光静的光散乱及び/又は偏光動的光散乱、濁度、190nm〜1mmにおける任意範囲の電磁放射線の吸収、濁度、蛍光、伝導度、核磁気共鳴、電子スピン共鳴、光学活性、複屈折、線二色性及び楕円二色性、粘度、光学写真撮影及び感熱写真からなる群の中に含まれている、請求項77又は80の装置。
少なくとも1つのリアクターモニターは、温度プローブ、圧力プローブ、伝導度プローブ、pHプローブ、近赤外線又は中赤外線プローブ、動画カメラ、Raman散乱プローブ、撹拌トルクセンサー及び回収ストリームにおける毛細管粘度計からなる群の中に含まれている請求項78又は81の装置。
少なくとも1つのリアクターコントローラは、温度自動調節器、試薬又は他の反応性液体成分の手動制御されたストリーム、試薬又は他の反応性液体成分のフィードバック制御されたストリームからなる群の中に含まれている請求項79又は82の装置。
反応は、フリーラジカル反応、制御されたラジカル反応、リビング反応(例えば、開環メタセシス重合、アニオン重合およびカチオン重合等)、重縮合及び他の逐次成長反応、後重合改質反応、グラフティング反応、架橋反応、ポリマー及び/又はコロイドの天然植物又は動物源からの抽出及び改質を含む反応、エマルジョン中の反応、懸濁液中の反応、バルク反応、溶媒中の反応、バッチ反応、セミバッチ反応及び連続式リアクターにおける反応からなる群の中の少なくとも1つである請求項1乃至85の何れかの装置。
【発明を実施するための形態】
【0041】
この明細書において、“刺激応答性の進展
(evolution of stimuli responsiveness)”とは、ポリマー及び/又はコロイドが合成中にその特性が変化するとき、ポリマー及び/又はコロイドについて、相移転及び配座転移する能力(ability)、前述したような他の分子(合成高分子、生体高分子、超分子群(supramolecular assemblage)及び自己組織化(self-organizing)群等)と関連づける能力、他の種等との反応性の能力がどのように変化する(changes)かを言うものとする。すなわち、分子量、組成、コモノマーのシーケンシャリティ(sequentiality)(例えば、ブロック、勾配、ランダム)、グラフティング、架橋、マイクロゲル化、生物結合体化等の特性が、共有結合又は非共有結合の如何に拘わらず、ナノ粒子との関連で変化すること、並びに、ポストポリマーが化学的に変化及び物理的に変化(限定するものでないが、四級化、PGE化、スルホン化、カルボキシル化、アミノ化、官能基又はオリゴマー又はポリマーのうちの何れか1種又は組合せの“クリッキング(clicking)”オン等)することが、これら種類の刺激応答性
にどのように影響を及ぼすかを言うものとし、また、ポリマー媒体(その温度、pH、イオン強度、溶剤の種類(イオン液体の使用及び溶剤混合物を含む)、界面活性剤量、小分子(試薬及び他の生物活性剤を含む)、光による照射又は他の電磁波放射、超音波等)が刺激応答性にどのように影響を及ぼすかを言うものとする。
【0042】
刺激応答性を有するポリマー及びコロイドを生成できる反応の種類として、フリーラジカル重合、重縮合及び他の逐次成長反応、“リビング”型重合、開環メタセシス重合(ROMP)、窒素酸化物を媒体重合(NMP)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)、アニオン重合およびカチオン重合、特定の化学基又は部分を、付加し、削除し若しくは改質する後重合反応等を挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、溶媒、バルク、異種相(エマルジョン、懸濁液、ミニエマルジョン、ミセル、逆エマルジョン等)における多くの異なる重合シナリオに用いられることができる。
【0043】
また、本発明は、重合プロセスを実施する異なる方式に用いられることもできる。バッチ反応では、全ての試薬が、一度に、リアクターに加えられるか、又は反応の進行につれて個々に加えられる。“セミバッチ反応”では、所定間隔で連続的にリアクターに加えられるか、又は反応全体を通じて、1又は複数の試薬に対して、一定流量で、又は流量を変えて反応器に加えられる。また、連続式リアクターでは、反応物質は連続的に供給され、一緒に反応し、リアクターから連続的に回収される。後者のリアクターとして、管状リアクター、栓流リアクター、連続撹拌式タンク型リアクターを挙げられるが、これらに限定されるものではない
【0044】
セミバッチ式及び連続式リアクターの場合、反応の予測制御を行うことができる。つまり、反応の動力学(組成及び分子量のドリフト)を理解することにより、また、これらの特性が、生成ポリマーの所望刺激応答性をどのように生成するかを理解することにより、所望ポリマーを得ることができる反応条件を予め設定することができるので所望ポリマーを“オンコマンド”で生成することが可能となる。反応条件の設定には、例えば、温度及び試薬の濃度の設定、反応経路を制御する試薬をセミバッチのフローに添加することなどが挙げられる。発明者は、この予測法を用いて、フリーラジカルホモ重合及び共重合中の動力学、分子量及び組成のドリフトをどのように制御できるかを明らかにした。
【0045】
最終的には、反応条件(例えば、所定の刺激応答を有するポリマーを生成するために、試薬をリアクターの中に投入すること)の完全なフィードバック制御に使用することも可能であろう。このシナリオでは、ポリマー特性(転換、分子量など)の検知及び/又は刺激応答性の検知を用いることで、反応条件(例えば温度)や試薬投入条件を自動的に調節して、所望生成物を得るための反応を制御することができる。
【0046】
刺激応答性をアッセイするための現在の最良の方法は、最終生成物(多数ウェル、チャンネルプレート又は連続勾配装置等)のハイスループットスクリーニングを行なうものであり[例えば、 Bergbreiter et al., Macromolecules, 37, 2004, 1031- 1036)]、転移の検出は適当な分光学的又はその他のあらゆる方法で行なわれる。しかしながら、これらは最終生成物だけの試験であるので、ポリマー合成中における特定の相転移特性が現れたか又は現れ始めた時を判別するいかなる手段も有しない。有限の組成や分子量などを調べるだけでも、さらに多くの重合反応を要するのに対し、提案された合成中の方法では、一つの実験だけで、閾値挙動が鋭い場合でも緩やかな場合でも、要求されるポリマー特性の正確な特定を連続的に行うことが可能である。
【0047】
本発明の合成中モニタリングの概念は、ポリマーは合成中に進展することから、連続的に変化する分子量、組成及びその他の分子特性(例えば、多価電解質線形電荷密度、ポリマー分岐、架橋、他の分子及びポリマーに対する“クリッキング”等)に対する刺激応答性の進展をモニターすることである。これは、これまでのあらゆる伝統的方法とは異なるし、また、平行して行われる複数反応の最終生成物だけを分析し、ポリマーパラメータの個別変化を測定するにすぎない最新のハイスループット方法とも異なるものである。換言すれば、個々に合成された最終生成物の単なる試料採取ではなく、最終生成物の完全な連続体の等価物に基づいて刺激応答性を評価することができる。本発明は、その最も単純な形態においてもハイスループットスクリーニングプラットフォームである。実際、この方法が実施されれば、現在、ロボット制御により複数の反応が同時に行われるが最終生成物の分析が行われている分野[Wiesbrock, F.; Schubert, U. S. "New challenges in combinatorial polymer research: 3rd DPI workshop on automated synthesis and high-throughput experimentation in polymer and materials research at the Eindhoven University of Technology." Macromolecular Rapid Communications (2004), 25(17), 1579-1582); e.g. Symyx Corporation, Chemspeed AG.]に対する挑戦となるであろう。例えば、これらは非常に高価な技術(システム毎に、百万ドル以上の費用がかかる)であるが、刺激応答性の分子量に対する依存性を評価するために、組成は同じで分子量が異なる一連のポリマー最終生成物を生成するのにしばしば用いられている。また、組成、質量及び他の特性が異なる様々な最終生成物の生成にも用いられるが、それらは最終生産物の分析に限られている。
【0048】
本発明は、反応数を大きく低減しつつ、最終生成物の連続体の等価物を提供するものである。この概念が特に適しているのは、多くの“リビング”型反応であり、例えば、制御されたラジカル重合反応(窒素酸化物を媒体とした重合(NMP等))、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)、原子移動ラジカル重合(ATRP)、その他に、成長鎖が、通常、同様な質量及び組成平均を共有する“リビング”型反応(例えば、開環メタセシス重合(ROMP)などがある。本発明はまた、重合改質(加水分解、PEG化、“クリック”カップリング等)、逐次成長(step-growth)、フリーラジカル鎖成長、グラフティング、分岐、バイオコンジュゲーション等にも適用可能である。本発明は、多くの種類の反応シナリオに適しており、例えば、重合に影響を及ぼす1又は複数種の試薬を反応中のリアクターの中へ投入することを制御するバッチ式リアクター及びセミバッチ式リアクターであり、また連続式リアクターである。
【0049】
提案された方法の大きな利点は、刺激応答性がどのように進展するかを正確に定量することにより、所望の機能(検知、カプセル化、コーティング等)を実施するのに必要な最適化に対する迅速な追跡を行なえることである。合成中のポリマーが所望の刺激応答性を獲得し、その時の反応条件の内容がわかると、合成中のその時点における正確な特性のポリマーを、その後の実験、スケールアップ操業又は製造において、最終生成物ターゲットとすることができる。
【0050】
高分子相転移、及び/又は刺激応答性(例えば、濁度、蛍光、導電性、表面張力、光散乱、円二色性及び複屈折)を観察する方法として、反応の最終生成物等のハイスループット測定を含む多くの方法が存在するが、合成中にポリマー特性(質量、組成、相転移など)を同時に測定する方法はほとんど存在していないものと発明者は考える。
【0051】
この方法のいくつかの利点の一つは、ポリマー及びコポリマーが、合成中のどの時点で刺激応答性を獲得したかを、それが鋭いものであっても緩やかなものであっても正確に知ることができることである。例えば、進展中のポリマー(これは、コポリマー、テトラポリマー等、勾配、ブロック、グラフト、分岐、スター、樹状、化学的改質、酵素的改質、その他の改質品を問わず、あらゆる種類のポリマーを意味する)は、所定溶媒種類(混合溶媒又は純溶媒を問わない)に対するLCST、ポリマー組成及び分子量、又は分子量分布を有することができる。ACOMPシステム内に適当な検出器を用いると、LCSTでの相移転を自動的に検出することができ、次にポリマーの相転移が起こるための閾値質量及び組成特性が何かを知ることができる。
【0052】
<スクエアでのハイスループット(high throughput squared):ACOMPのSMSLSへの結合及びそのサクセサー(succrssors)>
実際、余分の検出器をシステムに結合して多重決定を行なうことができるので、この手法を、一種の“スクエアでのハイスループット”プラットフォームに転換することができる。この例として、SMSLS(Simultaneous Multiple Static Light Scattering, W.F. Reedによる特許)の使用があり[W.F. Reed US Patent No. 6,618,144, "Device and method of simultaneously measuring the light scattering from multiple liquid samples containing polymers and/or colloids"; M. F. Drenski, W.F. Reed, "Simultaneous Multiple Sample Light Scattering for Characterization of Polymer Solutions", J. App. Polym. ScL, vol. 92, 2724-2732, 2004]、フロー試料セルは、検出器トレインの中で異なる温度に保持される。この具体例において、異なる温度のLSCTフローセルと同じ多くのポリマー分子量及び組成に対して、LSCTを特定する(determine)ことができる。これらの後者は、製作が加比較的容易で安価であるので、現在のデータ収集システムは、多くの数を取り扱うことが可能である。もし、検出ファイバーが0°の検出用角度で取り付けられる場合、SMSLSフローセルを修正して、吸光度と濁度(散乱又はと蛍光とは対照的)を測定することができる。
【0053】
フローセルが装備された動的光散乱(DLS)[例えば the NanoDLS by Brookhaven Instruments Corporation (Holtsville, NY)]、単一モードの検出ファイバー及び安価な自動相関器の出現によりDLSに対するSMSLS型セルの部品(トレイン)を作成し、流体力学直径の測定を行うことができる。
【0054】
検出された特性は、流れ(フロー)(例えば、剪断フローにおける異方性粒子の光学的測定)に対して感受性がある場合、各検出セルにはストップフロー手段を配備することができ、それによって、ソレノイドバルブ又は他の自動切替え可能な要素は、連続的なフローストリームを、周期的に、セル内の中を通すことができる。測定を行なう間、静止状態が維持される場合、その間、連続的なフローはバイパスを通り、フローが再びセルの中を通るとき、セルの内容物は一掃される。流れはセルから再び外れて、新たな測定サイクルがストップされたフローセルの内容物に対して行われる。
【0055】
<SMSLSプラットフォームの蛍光検出への適用(新規な器具類)>
SMSLSセルは、複数の蛍光を検出するフローセル(例えば、直角SMSLSセルに対して)に適用可能であり、光検知器(例えば、CCD)で光学ノッチフィルターを追加し、散乱光を排除し、蛍光だけを検出することは可能である。例えば、Newport Corporation(Irvine,CA)は、広範囲に亘る狭帯域通過光学フィルター(例えば、10BPF10−330)を販売している。2種類の直角ファイバー(例えば、セルの各側に1種類ずつ、又は同じ側に両方)を使用し、各ファイバーは異なる波長での蛍光強度の比を検出するノッチ又はカットオフ光学フィルターを具えており、これは例えばピレン等の蛍光プローブで行われている[Narrainen, Amilcar Pillay; Pascual, Sagrario; Haddleton, David M. "Amphiphilic diblock, triblock, and star block copolymers by living radical polymerization: synthesis and aggregation behavior." Journal of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry (2002), 40(4), 439-450.]。入射光は、通常、SMSLSフローセルバンク内のレーザから供給されるが、単色レーザによるよりも広い範囲のUV/可視励起が必要とされる場合、広帯域紫外線及び可視光源(例えば、キセノン及び重水素ランプ)を用いることができる。そのような場合、励起波長選択のために、フィルター又は単色光分光器を用いることができる。
【0056】
<偏光感受性検出の全SMSLS機器群への追加>
SMSLS検出プラットフォームのさらなる光学変化に関し、機能的進展のための追加のパワーは、偏光特性を用いることによって得られることができる。偏光保存ファイバー及びインラインファイバー光学ポラライザーは入手が容易であり、散乱光又は放出光について様々な状態の線形又は楕円偏光を検知することができる。例えば、Newport Corporation製のものは、インラインファイバー光学ポラライザーの全シリーズ(例えばF-ILP-1-N-SP-FP)がある。偏光感受性モニタリングが有用な分野では、限定するものではないが、脱偏光散乱に到る異方性構造の生成(例えば、ロッド状ミセルの自己集合)、及び、蛍光発光異方性に到る対称性又は非対称性プローブを含む構造の回転の抑制がある[Tusa, S.I; Sakakibara, a.; Yamammoto, T.; Morishima, Y. "Fluorescence Studies of pH-responsive unimolecular micelles formed from amphiphilic polysulfonates possessing long chain alkyl carboxyl pendants", Macromolecules (2002), 35, 10182- 10288) etc.]
【0057】
<ハイスループット能力の他の態様>
この単一例でも同様に、合成中の同時測定を行なう他の多くの方法を想起できるであろう。例えば、一つのリアクターストリームは、関連ポリマーが進展する全ての特性(組成、質量、転換、線形電荷密度等)を特定する典型的なACOMP検出器トレインを供給することができる。一方では、別個のストリームが、引き出され、次に、例えば多重チャンネルの蠕動ポンプを用いて、一連の異なる希釈剤で独立して希釈されることができ、その各々に対するストリームは、1又は複数のSMSLSセルを通じて流れる。そのような多重チャンネルポンプは、広く入手可能であり、例えば Rainin 7103-058 RP-Iの8チャンネル蠕動ポンプがある。また、SMSLSセルは、安価で、単一コンピュータの制御下で大量に獲得されることができるので、各混合溶媒ストリームは、異なる温度で、一連のSMSLSセルを有することができる。従って、ポリマー特性がLCST閾値の場合、さらに、溶媒混合物の関数として決定することができる。閾値現象が溶液中のポリマー濃度に依存するとき、これと同じ二重又は多重の抽出ストリームを用いて、多重サブストリーム中のポリマー濃度を変化させて、LCT及び他の種類の刺激応答に対する濃度依存性の効果を求めることができる。
【0058】
同時にアッセイすることができる複数の希釈剤の種類に制限はない。それらは、例えば、異なる溶媒、溶媒の混合物、異なるpHの溶液、イオン強度、金属イオン濃度、単一又は多価イオン、芳香族分子を含む溶液、薬剤またはそれらの類似物、他の合成ポリマー又は天然ポリマー、ミセル、小嚢、エマルジョン、又は進展するポリマーと相互作用するリポソームがある。
【0059】
光散乱、吸収度、及び蛍光検出の他に、旋光散乱及び円偏光二色性(例えば、ヘリックス−コイル転移、変性等の検出に有用)、伝導性等を使用することが可能であり、要するに、ポリマーの転移及び関連性等を観察する通常の手段の何れかを使用することが可能である。
【0060】
LCSTの他にも多くの例がある。例えば、コポリマーは、それらの組成、分子量等に応じて、ミセル化したり、又は他の種類の単一又は複数鎖の凝集体を形成することができる。例えば、ACOMP希釈ストリームの中に蛍光染料を使用すると、ミセル化が起こる時の正確な情報を与えることができるので、これは、ポリマーの最適化に対する第1の方法を提供するものである。
【0061】
他の例は、カプセル化である。望ましい薬剤、または望ましい薬剤の類似物がACOMP希釈ストリーム及び/又はリアクターのどちらかの中に入れられ、そのカプセル化が蛍光又は他の方法でモニターされる。このようにして、どのポリマー特性の下でカプセル化が起こるかを正確に知ることができる。同じ実験において、多重ストリーム法を用いることができるので、溶媒極性(混合を通して)、pH、イオン強度、カプセル化される異なる種類の試薬(例えば、一連の試薬)等をテストすることができる。さらなる他の例は、ポリマー間に超分子(非共有)を作るため試薬(例えば、多価又は金属イオン)である。
【0062】
<ACOMP及びSMSLSに対する関係の他の態様>
この方法の興味深い特徴は、Reedによって特許され、Tulaneが保有する機器及び方法プラットフォームを作り直すことである。本発明を利用する上で、少なくとも、特許されたACOMPプラットフォームを使用することが好ましい。単一ストリームで複数の温度を使用するために、又は多重ストリーム法においては、特許されたSMSLS装置を使用することが好ましい。
【0063】
上述のように、同時複数試料蛍光検出、同時複数サにンプル吸光度検出となるように、SMSLS装置は変更が加えられる。これらのセルには、検出の他に、例えば、光分解、光活性化、光会合、光酸性化等の機能を形成するために、光源を取り付けることができる。つまり、セルを、例えば散乱又は蛍光のためにプローブとして単に用いられる電磁放射で放射する代わりに、入射放射線は、陽子が光刺激されるとその親分子を放出する光酸化等のポリマーの機能特性を実際に励起することができる。一般的に、本発明は、放射が電磁性(例えば、可視光、紫外線、X線等)であるか、又は荷電粒子(例えば、電子)であるかに拘わらず、ポリマーの放射線感受性をモニターすることができる。各試料は、例えばフローチャンネルと接触するウィンドウを通り、入射する放射線の強度又は種類(例えば異なる波長又は光の色)が異なるように構成されることができる。
【0064】
実際、本発明は、第1世代の”ACOMPから提供された情報(分子量、転換、組成等)から利益を獲得し、相の転移及び関連の検出を前記情報と関連づける位相結合の検出と関連づけるこの情報を使用する点において、“次世代の”ACOMPと考えることができる。また、本発明は、21世紀の主要な材料化学のイノベーションの中心として爆発的に増加している“インテリジェント”ポリマーの機能的挙動をマッピングするという重要な領域に進出するという意味において次世代であるといえる。
【0065】
<天然産物への拡大>
概説した原理は、天然産物の改良と使用という広大な領域に容易に適用されることができる。天然産物の改質は、化学的、酵素的又は光変性によって行われ、溶解度、生体適合性、ミセル化、ナノ構造などの特性が獲得される。また、天然産物が抽出され、改質され、処理されるとき、天然産物のこれら特性がどのように進展するかをモニタリングするためのハイスルプットプラットフォームとして用いられることができる。
【0066】
<重合反応の制御への拡大>
ACOMPは、反応の結果を予測してフィードバックする(即ち、最適な反応プロセスを予測するのに、ACOMPにより提供される正確な反応動力学及び特性を用いる)ことにより、反応を制御できるところまで成熟してきている。これらのシナリオでは、所望の分子量及び組成分布、グラフティング度等の作成を案内するのにモニタリングが用いられる。
【0067】
図1は、相転移及び関連現象について複数の温度をモニタリングするスキームを示している。多重検出器は、光散乱型、蛍光型、吸光度型などがあり、とりわけ、トレインで用いられることができるあらゆる組合せを含んでいる。なお、抽出/希釈/調整の各段階は、実戦矢印で示されている。簡易なバージョンでは、ACOMPストリームを直接用いており(点線)、複数の転移/関連モニタリング検出器は、残りのACOMP検出器とは単なる直列である。
【0068】
図2は、相転移及び関連現象について、複数種類の組成をモニタリングするスキームを示している。分離と同時希釈を“選択された希釈剤”を用いて行なうために、複数の小さな試料ストリームを回収するために、マルチヘッド蠕動ポンプ又は他の装置を用いることができる。これらは、所望されるあらゆるファクターの組合せであり、例えば、混合溶媒、異なる溶剤、異なるpH、イオン強度、金属イオン、単イオンまたは多価イオン、ポリマーを結合又は“認識(recognition)”する特別な分子を含む希釈剤、ポリマー、酵素、ポリペプチドなどである。多重検出器は、光散乱型、蛍光型、吸光度型などがあり、とりわけ、毛細管粘度計が用いられることができ、トレインで用いられることができるあらゆる組合せを含んでいる。
【0069】
図3には、重合リアクター(1)が示されている。該重合リアクターは、好ましくはサーモスタットにより温度制御可能で、機械撹拌が行われ、入口アクセスポート、出口アクセスポート、所望によりコンデンサ(例えば、Ace Glass)を具えている。所望により、リアクタープローブ(2)があり、例えば、pH及び/又は伝導度(conductivity)センサ、及び/又は、近赤外線及び/又は中赤外線プローブ、及び/又はRamanプローブ等である。ACOMPのフロントエンド(3)は、以下に示す1又は複数のコンポーネント[Polymer International、57、390-396、2008を参照]を含んでいる。なお、以下のリストは全てを網羅しているものではない。
−リアクターからの抽出ポンプ。例えば、Zenith Corp.製ギヤポンプ;
−リアクターから抽出ポンプを通りリアクターに戻る再循環ループ;
−リアクター内容物の粘度を測定する循環ループ内の圧力トランスデューサー;
−循環ループから低圧力混合チャンバ(LPMC)へ制御可能な所定のピックオフを提供する質量流量コントローラ。例えば、Bronkhorst;
−LPMC。例えば、撹拌及び温度調節可能で、流体入口及び流体出口の入口接続部及び出口接続部を有するバイアル。リアクター流体は、LPMCの中で所望レベルまで希釈され、リアクターの中で発生した全ての気泡は大気中に放出されることが望ましい;
−LPMCレベルコントローラ。例えば、LPMC内の所定高さに抽出管を有する補助ポンプ;
−所望により、高レベルの希釈を達成するための高圧撹拌ステージ及びポンプ又はLPMC及びポンプ
−検出器トレインに導く毛細管チューブ
【0070】
溶媒貯蔵器(4)は、例えば、希釈溶媒又は選択された溶媒混合物が入れられた容器(例えば、4リットルの容量)であり、容器内には、種々ポンプによって抽出するためのチューブが入れられ、試料フローの希釈及び混合、並びに検出器トレインへの供給が行われる。ACOMP検出器トレイン(5)は、好ましくは、以下に示す1又は複数の機器を具えている。
−他角度静的光散乱検出器。例えばBrookhaven Instruments Corp.製BI-MwA;
−動的光散乱検出器。例えばBrookhaven Instruments Corp.製nano−DLS;
−Mie光散乱検出器。例えば、Malvern Mastersizer;
−単一又は複数の毛細管粘度計。例えば、Validyneの圧力トランスデューサ;
−紫外線/可視分光光度計。例えば、Shimadzu Diode Arrasy SPD-M20A;
−示差屈折計。例えば、Shimadzu RID-10A:
−近赤外線又は中赤外線検出器。例えば、Shimadzu Diode Array SPD-M20A。
【0071】
データの収集及び分析を行なうマイクロコンピュータコントローラ(6)は、以下のものを含むことができる。
−検出器トレイン信号用に統合され機器制御デバイス及び信号プロセッサー。例えば、 the National Instruments NI Compact Field Point Model CFP-2020 Part#:188539G-03
−機器の制御を行ない、入力して分析されたデータのグラフィック表示の制御を行なうソフトウエアプログラム。例えば、Labviewソフトウェアモジュール;
−信号の数値データ分析を行なうソフトウェア。例えば、C++又は他のプログラミング言語(Power Basic, Visual Basic,Fortan)で書き込まれ、制御プログラム内に組み込まれ、又は制御プログラムと同時に動作する;
−コントローラ,データの収集及び分析ソフトウェアを動作させるコンピュータ。標準デスクトップ又はラップトップコンピュータで、例えば、Gateway、 Hewlett Packard、Apple又はDell。
【0072】
自動−SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)(7)が選択的に設けられ、該自動−SECは、ACOMP検出器トレイン(5)から廃棄物流れに接続される。連続検出器トレイン(5)が使用されない場合、ACOMPのフロントエンド(3)の出口ストリームに直接接続される。自動−SEC(7)には、以下のものを配備することができる。
−前述したストリームに接続され、SECカラムの中へ所定間隔(例えば、10分毎)で少量(例えば、100マイクロリットル)ずつ自動的に注入を行なうことができる自動インジェクターバルブ;
−高圧液体クロマトグラフィポンプ。例えば、Shimadzu LC10−AD;
−溶媒リザーバ。適当であれば、所望により溶媒リザーバ(4)と同じものでよい。
−1又は複数のSECカラム;
−周期的に注入される試料からデータを収集し、分析するためのソフトウェアプログラム;
−以下の検出器の任意の組合せ:多角度静的光散乱検出器(例えば、Brookhaven Instruments Corp.製のBI-MwA)、動的光散乱検出器(例えば、Brookhaven Instruments Corp.製のnano-DLS)、Mie光散乱検出器(例えば、Malvern Mastersizer)、単一又は複数の毛細管粘度計(例えば、Validyne圧力トランスデューサ)、紫外線/可視分光計(例えば、Shimadzu Diode Array)、示差屈折計(例えば、Shimadzu)、近赤外又は中赤外線検出器(例えば、Shimadzu)。
【0073】
廃棄物容器(8)は、好ましくは、システムにより生成された溶媒及び試料の廃棄物ストリームを蓄積するために配備され、例えば、安全に密封される金属ドラムである。所望の希釈/調整部(9)は、ACOMPフロントエンド(3)と同じ機能を有することができる。いくつかの用途では、ACOMPフロントエンド(3)自体であり、他の用途では、ポリマーの刺激応答を測定するのに必要な希釈/調整を行なうのに必要なACOMPフロントエンド(3)のそれら構成要素を含むことができる。複数の検出モジュール(10)は、好ましくは、温度、照明などを、独立して制御され、モニターされ、複数の独立した毛細管粘度計、静的散乱光セル(例えばSMSLS−米国特許第第6,618,144号参照)、動的光散乱、蛍光、及び濁度セルを含むことができる。モジュール(10)と並列に複数の検出モジュール(11)を設けることができ、モジュール(10)とモジュール(11)との間の流れを分離するバルブ又は‘T’を含むことができる。これらは、独立して制御されモニターされた検出器のより大きなバンクを組み込むために用いることができる。
【0074】
<リビングジブロック(living diblock)>
図4は、本発明を使用する具体的実施例であって、ブロック型、ランダム型又は勾配型のコポリマー多価電解質の合成中におけるミセル化、ポリマー寸法、相互作用の塩感受性を特徴づける実施例であるが、これら実施例は本発明の数多くの用途の中の一例にすぎない。
【0075】
図3の(1)〜(8)及び(10)は、
図4でも同じである。
図3の(9)はポンプ(12)と置き換えられる。
図3の(11)は含まれておらず、検出器(14)と置き換えられる。(12)(13)(14)については、以下に記載する。
図3の(1)〜(10)に対応するこれらの要素は、
図3のものよりもより正確に示されているが、これらに限定するものと解すべきではない。ジャケット重合リアクター(101)は、自動温度調節されたバッチから循環するオイルを用いて、好ましくは、2℃〜220℃の温度にて自動温度調節されることが好ましい。リアクター(101)は、好ましくは、10〜1000RPMに制御可能な機械撹拌式パドル、窒素又は他のガスでパージする入口ポート、試薬を導入するシリンジ又はポンプ、反応内容物を抽出するチューブ、センサ(102)のアクセスポート、上面部に取り付けられたコンデンサ、を有している。リアクター(101)は、通常、密封され、大気圧よりもわずかに高い窒素雰囲気下で保持される。この例では、共重合多価電解質合成反応が選択され、反応中、荷電ポリマー長鎖が生成される。リアクター伝導度センサとして、例えば、Jenway伝導度プローブ及びpHプローブを挙げることができる。この態様でのACOMPフロントエンド(103)は、次の構成を含むことができる。なお、以下のリストは全てを網羅している訳ではない。
−リアクターからの抽出用Shimadzu HPLC ポンプ。
−HPLCポンプの出口フロー内に設けられ、毛細管を有し、リアクター内の希釈されていない内容物の粘度を測定する圧力トランスデューサ。
−自動温度調節可能で、入口チューブと出口チューブを有するバイアルからなるLPMC。入口チューブは、粘性液の分散を促進する出口オリフィスを有し、HPLCポンプによりリアクターの回収を行なうもので、出口チューブは、LPMC内の希釈された内容物を連続的に抽出するものであり、リアクター流体は、LPMCの中で所望レベルまで希釈され、LPMCは、リアクター内で発生した全ての気泡を大気中へ放出できることが望ましい。
−LPMC内で所定高さに固定された抽出管を具えるHPLC又は蠕動補助ポンプからなるLPMCレベル制御部。これは、反応全体と通じて、LPMC内を同じレベル及び容積に維持することを保証する。このレベル制御ポンプの出口は、廃棄物容器(108に連繋される。
−高圧混合ステージ、Upchurch Corp製で10マイクロリットルの高圧混合“T”。“T”の一端は、別個のHPLCポンプを用いて、LPMCを出て行く希釈された流体によって供給される。また、さらに別の他のHPLCポンプが、“T”の他端へ供給して、最終希釈レベルが得られるようにな、高圧混合“T”チャンバを出て行く毛細管を介して、検出器トレインへ供給する。
【0076】
溶媒リザーバ(104)は、例えば、希釈溶媒が入れられた容器であり(例えば、4リットルのガラス容器)、容器内には、種々ポンプによって抽出するためのチューブが入れられ、試料フローの希釈及び混合、並びに検出器トレインへの供給が行われる。ACOMP検出器トレイン(105)は、好ましくは、以下に示す1又は複数の機器を具えている。
−他角度静的光散乱検出器。例えばBrookhaven Instruments Corp.製BI-MwA。これに対する拡張ボードは、好ましくは、他の全ての検出器からの信号を受ける;
−動的光散乱検出器。例えばBrookhaven Instruments Corp.製nano−DLS;
−Mie光散乱検出器。例えば、Malvern Mastersizer;
−単一の毛細管粘度計。例えば、Norwood及びReedの設計に基づくValidyne圧力トランスデューサを使用[Int. J. Polym. Ana. and Char., 4, 99-132,1997参照];
−2波長紫外線/可視分光光度計。例えば、Shimadzu Diode Arrasy;
−示差屈折計。例えば、Shimadzu。
【0077】
データの収集及び分析を行なうマイクロコンピュータコントローラ(106)は、以下のものを含むことができる。
−BI-MwA検出器のA/D拡張ボードを介して、入ってくるデータを分析し、分析されたデータを集め、グラフィック表示するBrookhaven Instruments Corp.製のソフトウェアプログラム。
−例えば、パワーベーシックで記載された信号の数値データ分析のためのソフトウェア。
−インテルコア2duoプロセッサ及びUSB接続を有するDELLマイクロコンピュータ。
【0078】
自動−SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)(107)が、ACOMP検出器トレイン(105)から廃棄物流れに接続される。自動−SEC(107)には、好ましくは、以下のものを配備することができる。
−100μl試料ループが取り付けられた自動インジェクターバルブ。Rheodyne MXP 7900;
−周期的注入用バルブを制御するために用いられる調節可能なリサイクリングタイマー。AmperiteソリッドステートDFAシリーズ;
−SECカラム。Shodex 804;
−Shimadzu 高圧液体クロマトグラフィポンプ;
−溶媒リザーバ。例えば、容器(104)と同じ;
−周期的に注入された試料からデータを収集し、分析を行なうBI-MwAベースのプログラム
−以下の検出器:多角度静的光散乱検出器(例えば、Brookhaven Instruments Corp.製のBI-MwA)、動的光散乱検出器(例えば、Brookhaven Instruments Corp.製のnano-DLS)、光散乱検出器(例えば、Malvern Mastersizer)、単一毛細管粘度計、2波長紫外線/可視分光計(例えば、Shimadzu)、示差屈折計(例えば、Shimadzu)。
【0079】
廃棄物容器(108)は、例えば4リットルのガラス容器であり、溶媒とストリームによって生成された試料の廃棄物流れを蓄積するために用いられる。好ましくは、10個の個々に特別仕様製作された静的光散乱セル(110)が直列にあり、同時複数試料光散乱特許(米国特許第6618144(Reed))と同様である。各セルは、好ましくは、散乱光について90度光ファイバー検出部と、Pelletier温度制御要素を有する。好ましくは、セルを照明するために、635nmでのダイオードレーザ(レーザ最大)が、ビームスプリッターと共に用いられる。各光ファイバによって検出された散乱光は、好ましくは、個々の光ダイオードへ供給される。これらのセルは、混合“Ts”(13)からの希釈物により供給される。“Ts”(13)は、各々が、マルチヘッドポンプ(12)及びマルチヘッドポンプ(15)から1つの毛細管によって供給される。希釈/調整を行なうマルチヘッド蠕動ポンプ(12)は、例えば、Masterflex (Cole-Parmer) Model 7523-30を含むことができる。ヘッドからの各毛細管チューブは、好ましくは、リアクターの中に浸漬され、好ましくは、毎分約50μlで、分離したマイクロストリームを引き出す。混合“Ts”(13)は、ポンプ(12)からのリアクター流体と第2マルチヘッド蠕動ポンプ(15)からの希釈流体を受ける。10の検出器からなる2列(14)は、第1列の10の検出器は好ましくは10の単一毛細管粘度計を具え、各々が、10の光散乱セル(110)の1つから出口ストリームにより連続して供給される。第2列は、好ましくは特別仕様で製作された10の蛍光検出セルを具え、各々が自動温度調節可能であり、SMSLS型セル(110)と同じように、セルに対して、2つの90度光ファイバーが一体に取り付けられる。セルは、好ましくは、レーザで照射され、Newport Corp.製の光学ノッチフィルタで、蛍光を検出する。しかしながら、第2蠕動ポンプ(例えば、ポンプ(12))は、好ましくは、各々が、異なる希釈リザーバ(16)から溶媒を抽出する毛細管を有している。希釈リザーバ(16)は、好ましくは、異なるイオン強度の水性溶媒が入れられており、好ましくは、適当なピリジンダイ又は誘導体により、多価電解質がミセル化するときに蛍光特性を変化させる。
【0080】
次に、システム全体がどのように動くかについて説明する。具体性のために、ランダム型コポリマーを、荷電モノマー(例えば、スチレンスルホネート、四級化アクリルアミド等)と中性モノマー(例えば、アクリルアミド、ビニルピロリドン等)で合成する。これらは、全容量750mLで0.005MのNaClが入れられた水性リアクター溶液の中での合計重量%は2.1%である。適当なフリーラジカル開始剤(例えば、過硫酸カリウム)を使用し、60℃のN
2雰囲気の容器(101)内で、反応を開始させる。伝導度及びpHプローブは、反応全体を通じて、リアクター内のこれらの特性をモニターする(第2の実験では、制御されたラジカル重合を用いてジブロックコポリマーを合成する)。
【0081】
フロントエンド(103)は、リアクター液体を、0.05mL/分の割合で抽出し、LPMCに送られ、LPMCに1.0mL/分の割合で入ってくるリザーバ(104)からの0.1M塩化ナトリウム水溶性溶媒と混合され、21倍希釈を生じる。LPMC液体は、高圧混合“T”内に0.5mL/分の割合で入ってくるリザーバ(104)からの0.1M塩化ナトリウム水溶性溶媒と混合され、合計希釈は42倍となり、0.0005g/mLのモノマーとポリマーが、検出器トレイン(105)を通り、1ml/1分の割合で、連続的に流れる。LPMCに入るとき、0.05mL/分をわずかに超える部分は、LPMCのレベル制御ポンプにより連続的に抽出されて、廃棄物となる。0.1MNaCl溶液は、インターポリマーの静電効果を大いに抑制する。
【0082】
検出器(105)での信号は、Reedらにより公開されたる多くの方法に従って組み合わされ、生じるクォンティティは、累積的及び瞬間的重量平均分子ポリマー質量、累積的及び瞬間的重量平均ポリマー還元粘度、累積的及び瞬間的z−平均ポリマーの旋回半径、各モノマーの累積的及び瞬間的転換、及び平均組成ドリフト及び分配である。システムのこの部分については、何か通常でないプロセスが起これば、実験者に警告を行う。例えば、光散乱は、ミクロゲル化の開始を即座に検出する。リアクター中の伝導度プローブは、多価電解質鎖の対イオン凝縮の程度をモニターする。
【0083】
一方、ポンプ(12)は、リアクター(101)から10の別個の0.01ml/minのストリームを抽出し、Ts”(13)の中で、第2マルチヘッドポンプ(15)により0.5mL/minの割合で“Ts”(13)に供給された別の水性溶媒(16)と混合し、51倍の希釈物を生じる。10の水性溶媒は全て、ミリモル以下濃度のピリミジンを含んでおり、各々は、NaClを加えることにより異なるイオン濃度を有している。各イオン濃度は、0.0001M, 0.0005M, 0.001M, 0.005M, 0.010M, 0.050M, 0.1M, 0.25M, 0.5M, 1.0Mである。最終イオン強度(51倍希釈の前の0.005Mイオン強度を考慮する)が異なる希釈溶液は、各々が、夫々各々の検出器トレイン(110)(14)、90度光散乱、毛細管粘度計、蛍光セルを通って流れる。
【0084】
これらの検出検体から得られる情報から、還元粘度(reduced viscosity)及び光散乱強度(イオン強度に非常に感受性の第2ビリアル計数A
2の関数)が、合成の各瞬間に異なるイオン強度に対してどのように反応するかがわかり、ミセル化が起こる場合に限り、蛍光検出器は情報を生じる。光散乱及び粘度検出器はまた、異なる反応状態及び異なるイオン強度下で起こるあらゆる凝集、ミセル化及び有意の立体配座変化にも感受性である。
【0085】
それ故、反応の状態(組成、分子量、及びACOMPフロントエンド(103)及びACOMP検出器トレイン(105)を介して生成される鎖の他の特徴)、及び、外部刺激(イオン強度)並びにミセル又は他の種類の凝集への自己組織化傾向に対するポリマーの挙動に基づいて統一された相関データを獲得することができる。この大量の統一されたデータにより、具体的ポリマーの刺激応答性及び自己組織化挙動を得るのに必要な特性は何か、また標的ポリマー特性を生成する反応を最適化するのに必要な特性は何かをより良く理解することができる。
【0086】
<<新規方法を用いて、多価電解質の合成及び関連する最終生成物の特性をモニタリングすることにより、多価電解質を理解するために統合されたアプローチ>>
<ACOMPのバックグランド及び結果の要約>
重合反応の自動連続オンラインモニタリング(ACOMP)により、連続的モデル非依存性モノマー転換、重量平均質量Mw及び固有粘度 [η]w、モノマー転換、平均二乗旋回半径 のz平均<S
2>
Z、他分散性の測定、平均組成ドリフト及び分配、共重合反応の反応性比(RR)が得られる。それらは、特定の用途には含まれているが、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)又は他の分離技術を必要としない。ACOMPの原理は、リアクターから極く僅かなストリームを連続的又は略連続的に取り出し、それを、検出された信号が個々のポリマー分子の特性(それらの相互反応ではない)を表すところまで希釈することである。検出前に行なう試料ストリームの調整は、除泡、ろ過、位相反転、モノマー揮発などを含む。検出は、典型的には、多角度光散乱(MALS)、粘度、屈折率(RI)、紫外線/可視吸収(UV/Vis)を含むが、例えばMie及び動的光散乱(DLS)、伝導度σ等の他の検出器を使用することもできる。大量のデータ組が、獲得され、分析される。ACOMPは、近代のコンピュータ及びインターネットプラットフォームで利用可能な膨大な記憶、演算及びデータ転送能力を利用するものである。
【0087】
ACOMPは、主に次の3つの分野で有用である:1)新規材料、反応物質、合成ルート、プロセスを発展させるための動力学的及び機械的モデルの作製及び試験。2)ベンチ及びパイロットプラントレベルでのスケールアップ及びプロセスの最適化。3)今まではモニタリングのために用いられていたACOMPを、ポリマーの反応制御のために利用できるようにすることである。これは新しいポリマーの発見及び開発を加速することが可能となり、さらには、産業レベルにおいて、再生不可能な資源、エネルギー、プラント及び個人的時間のより効率的な使用における経済効果、製品品質の改良、汚染の減少を約束するものである。理想的には、ACOMPは、21世紀のポリマー製造業における新しい世界標準にまでなるであろう。
【0088】
ACOMPの開発は、1998年に始まった。“Absolute, Real-time Monitoring of Polymerization Reactions”(文献1)は、ACOMPの拡大をもたらし、自動連続混合(ACM)及び同時複数試料光拡散(SMSLS)の方法を開発した。ACOMPは、フリーラジカル共重合(文献2,3,4)、逐次成長、分岐反応(文献5)、制御されたラジカル共重合(CRP)、窒素酸化物媒介重合(NMP)(文献6,7)、原子移動ラジカル重合(ATRP)(文献8)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)(文献9)、エマルジョン(文献10)、及び逆エマルジョン重合(文献11)、共重合体電解質合成(文献12,13)、セミバッチ式リアクター(文献14,15)、連続式リアクター(文献16)に適用されてきた。これらのプロセスの基本的態様の新しい理解が、結果的に、得られている。マルチ検出器SCE及び他の伝統的平衡測定により、反応アリコート及び最終生成物の各ステージにおいて、検証が行われた。
【0089】
ACMは、ポリマーの勾配及び他の溶液成分(文献17)を使用し、複合的な多成分系の平衡状態のポリマーについて、立体配座、相互作用及び粘度挙動を特徴付けるものである。例えば、ACMは、イオン強度、IS、原子価(valence)、追加電解質の対称種及び化学種に対する共重合体電解質の依存性を調べることができる(文献18,19)。
【0090】
2005年9月のハリケーンカトリーナが起こった中で、発明者らグループは、the Polymer Sci. & Eng. Dept. at U. Mass., Amherst.に招待された。完全なACOMP研究室が建設されており、非常に補完的な協力が得られた。本発明の方法は、幾つかの最先端の反応種とモノマーへ急速に拡大された。
【0091】
発明者グループは、Tulaneに復帰した後、コポリマーの多価電解質、即ち“共重合体電解質(copolyelectrolytes)”の特徴を、それらの合成をモニタリングすることによって理解するために、ACOMPの使用に集中して研究を再開した。この研究再開の成果の概要を以下に記載する。
【0092】
<基礎結果と応用結果(ローマ数字は関連する刊行物であり、そのリストは後掲する)>
プロジェクトは、コポリマーの合成化学について以前とは異なる分野及び多価電解質の物理化学的特性(v, vi, xii, xvii, xviii)に関連するもので、成功しつづけている(7/31/09終了)。フルスペクトルUVを用いてコモノマー転換をモニターするためにACOMPの新しい手段が開発され(i)、コポリマーの分子量を溶媒内での光散乱により求める従来法の問題は、ACOMPの連続的コモノマー濃度データを使用し、対応する数学式を展開することにより解決した(vii)。溶液伝導度σの進展は、共重合電解質線形電荷密度ξと関係づけられた(vi, xii, xvii)。例えば、
図10は、カチオンのコモノマー(ビニルベンゼンスルホン酸Na
+フォーム,VB)F
inst,VBの瞬間的部分組成量を示している。上側の図は、幾つかの初期コモノマーの組成について、コモノマーがアクリルアミドと共にコポリマーに一体化されている。下の図は、ξデータを転換と組み合わせて得られたもので、ξとF
inst,VBの関係を示しており、F
inst,VBの増加と共に、対イオン凝縮が緩やかに増加することを表している。ACOMを用いて、ポリアクリルアミドが塩基加水分解(vi)を介して共重合電解質に転換される重合後反応(文献20)がモニターされる。
【0093】
この共重合電解質効果の一体的部分として、重合の非理想的態様をモニタリングすることは、最先端分野を新たに開いたことになる。ACOMPを適用して、窒素酸化物媒介重合(NMR)(iii)及び可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)(ix)における“リビング性”からのずれが定量化される。
図11は、他の反応条件を全て等しくした状態で、RAFT剤の量が増加するにつれて、制御されていないフリーラジカルからリビング挙動への進展を示している。CRPワークは、さらに正確に構成される共重合電解質を生成するためのCRPを利用するためのステージを設定する(xviii)。
【0094】
新しい方法は、活性エステルを有する“非標準型(exotic)”モノマーに適用され、後重合改質(ii)に適しており、反応度の比(RR)を決定することを含んでいる。非常に早い開環メタセシス重合(ROMP)(文献21)反応のモニタリングは初めて行なわれ、シクロオクタジエンとノルボルネン誘導体の間の“リビング”反応において驚くべき対照を示した(iv)。コポリマーの新しいモニタリング方法の高分解能により、単一反応の中で、また複数の反応間で、制御された分解から拡散制御されたラジカル開始へのクロスオーバを初めてモニタリングし定量化することを可能にした(xiii)。
【0095】
エマルジョン重合モニタリングにおける主な進歩は、ACOMPにおける同時複ストリーム抽出の新たな概念であり、1つのストリームは、水性相で希釈されて、オンラインMie散乱/DLS分析のためのラテックス粒子構造が保存される。一方、別のストリームは、水適合性有機溶媒(THF)で希釈され、ポリマー、モノマー及び界面活性剤の一様な溶液が生成され、それに対して、転換Mw等の測定が行われる(xi)。
図12は、メタクリル酸メチル(MMA)エマルジョン重合について、ポリマーとの粒子サイズ分析の豊富なデータ結果の例である。最大35%固体の産業レベル濃度を使用した。これにより、ラテックス粒子と構成ポリマー特性との直接の相関関係が可能となる。
【0096】
ACOMPの他の進歩は、マルチ検出器SECを、非クロマトグラフィックで連続的な検出器ストリームに結合したことである(xiv)。ACOMPユニットの“フロントエンド”は、調整及び希釈されたストリームを、検出器に供給するので、マルチ検出SECシステムに供給する自動インジェクターは、検出器ストリームの出口に連結される。
図13は、ブチルアクリレートのRAFT重合について個々に自動収集されたクロマトグラフィデータと結合された連続的なACOMPデータの例を示している。これは、反応の“リビングネス”と分子量分布(MWD)の進展の両方を同時にモニターすることを可能にした。
【0097】
ACOMPを用いた重合反応の制御に関する予備的な研究は実施また実施中であり(xv,xvi)、以下でさらに説明する。
【0098】
ACOMPの利点は、高分子科学&工学社会でも良く知られるようになってきており、この分野に関する2件の招請論文がこの期間中に作成されている(viii,x)。
【0099】
<刊行物>
i. Macromolecules, 39, 5705-5713, 2006.
ii. Macromolecules, 39, 8283-8292, 2006.
iii. Macromolecules, 39, 8213-8215, 2006.
iv. Macromolecules, 40, 444-451, 2007.
v. J. Phys. Chem. B, 111, 8560-8566, 2007.
vi. Macromolecules, 40, 4409-4413, 2007.
vii. Macromolecules, 40, 8040-8049, 2007.
viii. Polymer International (invited), 57, 390-396, 2008.
ix. Macromolecules, 41, 332-338, 2008.
x. Macromolecular Symposia, (Modelling, Monitoring and Control of Polymer Properties),271, 15-25, 2008.
xi. Macromolecules, 41, 2406-2414, 2008.
xii. /. Phys. Chem. B, 112, 14597-14608, 2008.
xiii. Macromol Chem. Phys., 209, 24, 2463-2474, 2008.
xiv. /. Appl. Polym. ScL, 13, 190-198, 2009.
xv. T. Kreft, W. F. Reed, "Predictive control and verification of conversion kinetics and polymer molar mass distributions in semi-batch reactions", European Polymer J., in press
xvi. T. Kreft, W. F. Reed, "Predictive control of average composition and molecular weight distribution (MWD) in semi-batch free radical copolymerization reactions", Macromolecules, in press
xvii. T. Kreft, W.F. Reed, "Cross-over from non-condensed to counterion condensed regimes during free rad. polyelectrolyte copolym. under high composition drift conditions", J. Phys. Chem. B, web edition, May 22, 2009.
xviii. L. Zheng, A. M. Alb, W. F. Reed, 'Online monitoring of reaction kinetics in the case of copolymeric polyelectrolytes produced by RAFT polymerization - novel approaches', in preparation.
【0100】
<完成した研究と提案された研究との関係>
完成した研究と進行中の研究により、ACOMPの適用は、重合の主要クラスの多くにまで拡大されており、最近では、共重合電解質に重点が置かれ、リビング反応及び不均質相反応にまで拡大されている。新しい用途は各々が、基本重合体科学問題を解決するのに有用である。提案された研究は、例えば、モニタリングを超えて反応制御にまで進んで‘オンコマンド(on-command)”のポリマーを作ったり、ACOMPプラットフォームをポリマーの刺激応答性にまで拡げてモニタリング及び制御を行なう等のように全く新しい挑戦を行なうので、“第2世代ACOMP”を開発することになるだろう。この研究の基本的次元は、重合反応の中でも特に不均一及びエマルジョン相反応における動力学及び機構、ポリマーの溶液中での自己組織化の熱力学、並びに適用された態様を取り扱うことであり、新規な装置及び方法のさらなる発展を必要とする。ACMは、コポリマー最終生成物の相転移及び自己組織化を特徴づける上で重要である。
【0101】
<<プロジェクトの説明>>
{ポリマー反応のオンラインモニタリング及び制御の刺激応答性ポリマへの適用}
【0102】
<序文>
高分子材料の高度化は、新しい合成ルート及びプロセスが発展するにつれて、急速に増大している。改良ポリマー、さらには転移ポリマーが、高性能航空機及び船舶のコーティング、燃料電池のメンブレン、センサー、ナノ構造部材、薬剤、生体材料、水処理、製紙、油回収、生体模倣剤、自己回復材料の中で用いられている。そのようなポリマーの多くは刺激応答性である。
【0103】
これと同時に、基本的問題及び応用問題の解決、プロセスの最適化、反応制御手段の提供を行なうのに、新しい分析法が必要とされる。さらには、コポリマーの特性、例えば、組成及び分子質量分布(文献22.23,24)、RR(文献25,26,27)、及びポリマーに関連する複合現象(例えば、ミセル化、凝集その他の超分子集合、相挙動及び表面挙動(文献28,29,30,21,32,33,34,35)など)を含む特性をモニターする手段が必要とされる。現在、合成後の分析は、時間のかかる交差分別及びその他の結合技術に依存している。これらは、熱量測定、密度測定(文献36)、液体クロマトグラフィ(文献37)、昇温溶離分別(文献38,39,40,41)、結晶化分別(文献42)、SEC単独(文献43,44)、SEC/NMR(文献45)、SEC/MALDI(文献46)、及びSEC/薄層クロマトグラフィー(文献47,48,49)、及び温度勾配相互作用クロマトグラフィー(文献50)を含んでいる。しかしながら、これらの方法では、ポリマー特性の進展に関する情報を殆ど得られることはできず、制御する機会もない。ACOMPは、反応動力学、組成ドリフト、平均組成分布の進展、モル質量、[η]分布を追跡する。それゆえ、ポリマーは、“生来的に”特徴づけられている。重要なことは、ACOMPの結果は情報が豊富であり、モデリング及び反応工学に関連する広範な社会の高分子科学者に対して、より完全なデータベースを提供するものである。
【0104】
広範囲に亘るモニタリング適用性を確保することにより、“第2世代ACOMP”は、予測と能動的フィードバックアプローチの両方で反応を制御することができ、合成中に、特定の刺激応答性を有するか又は獲得するポリマーのモニタリング及び制御に拡大することができる。そのようなポリマーとして、環境特性(温度、光、pH、溶媒品質、特定分子の存在など)が変化すると特性が変化するポリマーを挙げることができる。これらの材料の潜在的用途は、化学工学及び生物分子工学、化学及び物理学との間の有力な橋渡し役とするものである。刺激応答(立体配座転移、標的分子の相互作用能力、コポリマーのミセル化等)の開始又は変化は、ポリマー質量、アーキテクチャ、コポリマー分布、“ブロッキネス”、配列長さ分布等に対して複合的な関係を有する。この研究は、合成中に開始又は変化する刺激応答をモニタリングし、その基礎であるポリマーの物理的作用を理解するための有力な新しいツールを提供し、ポリマーの構造と機能の関係の制御及び操作する新規な提案である。
【0105】
本発明は、合成中の刺激応答性ポリマーの進展をモニタリングし、理解し、制御する新しい反応制御戦略を展開しプラットフォームを拡大することにより、次なるステップを採用してACOMPを進歩させるものであるから、“第2世代ACOMP”という語を用いる。基本的な科学的質問に応えることのできるACOMPの能力が拡大すると同時に、大量のデータを保存、分析及び転送することが、より精巧なものとなっている。本発明者は、特殊性が本発明の基礎科学範囲を補完する産業セクタープロジェクトに関わってきた。プロジェクトは、合成ポリペプチド、エラストマー、グラフトコポリマー、水処理用共重合電解質、エマルジョン中のアクリレートコポリマー等の反応動力学及び特性を特定することを含んでいる。
【0106】
本発明者は、CRP方法(NMR(文献6,7)、ATRP(文献8)及びRAFT(文献9))を含む多くの種類のポリマー合成の実施において、広い経験を有している。本発明者は、FTIR、DSC、NMR、及び一組の低温画像装置のような従来の方法を利用してきた。新たなACOMPの結果は、マルチ検出器SEC及び他の方法でもいつも有効である。
【0107】
<重合反応制御へのアプローチの背景>
より高性能のポリマーの開発は、重合反応自体の制御、特に、ポリマー分子量、コポリマー組成、アーキテクチャ及び反応刺激の制御に関して、対応する進歩を必要とする。
【0108】
ポリマー特性をオンライン測定できないことは、通常、重合反応の閉ループ制御における主要な問題である。それ故、開ループ法が高い頻度で使用されている。閉ループ制御法で用いられるコントローラは、いくつかのオンライン測定を使用するが、共転換(co-conversion)、分子量及び利用可能な他の関連データについて連続的又は略連続的なストリーム、正確には、ACOMPによってもたらされる大量のデータストリームは全くなかった。
【0109】
よりロバストな重合リアクターの測定、制御及び工学については広範囲な研究が行われている(文献51)。研究の多くは、リアクター内の圧力、温度、レベル及び流れを維持することに向けられている(文献52,53,54)。オンライン組成測定技術として、FTIR(文献55)、NIR、Raman(文献56)、熱量測定(文献57)、ガスクロマトグラフィを挙げることができる。データ解釈で用いられる経験的及び推論モデルにはドリフトと偏差という重大な問題があり、またin-situプローブでは汚れの問題がある。共重合中の組成の制御は、非線形プロセスの線形近似(文献58)に基づくKalmanフィルター方法を含んでいるが、安定性及び収束(convergence)に問題がある(文献59,60)。それゆえ、非線形法が、線形及び非線形モデル予測制御アルゴリズム(文献66,67,68,69,70,71,72,73,74)と同様に、開発されてきた(文献61,62,63,64,65)。
【0110】
リアクターへ試薬を選択的に供給する方法として、特に、CRP(文献81,82)を含むエマルジョン重合及びコポリマー組成(文献76,77,78,79,80)に対して、セミバッチ法が広く検討されている(文献75)。組成及びMWDの制御は、開ループ法においてエマルジョン共重合において達成され、コモノマーの比が維持される(文献83,84)。
【0111】
M
W制御に対する取組が報告されている(文献59,78,85,86)。通常、M
w制御における主な困難性は、オンラインセンサーを欠くことである。一般的に、分子量は、モノマーの濃度、イニシエータ、連鎖移動剤、CTAを操作することによって制御される(文献87,88,89,90,91,92)。
【0112】
<刺激反応性ポリマーの背景>
精密に作られた複合体(complex)及び構造的に高性能なポリマーは、従来のポリマーよりも、”インテリジェント”な機能を実行することができ、21世紀の進歩したポリマー材料の最先端を占めるであろう。それらは、ミセル化し、凝集することができ、刺激(温度、光、溶媒極性、異なる溶媒及び溶媒混合物、特定試薬の存在、多価イオン、蛋白質、抗原、レセプタ等)(文献93,94,95,96,97)に対して応答することができる。用途には、試薬(例えば、薬剤)の検知、カプセル化及び放出、マイクロパターニング、医薬用のバイオコンジュゲートされたポリマー等が含まれる(文献98,99,100)。相転移と相互作用特性の挙動を良好にするために、ポリマーの“微調整(fine tuning)”に大きな関心が寄せられている(文献101,102,103)。そのような転移は、基本的で実用的な関心事である。それらの転移は複合系の熱力学から生じ、しばしば共同作用を伴う。これらの転移は、多くの要因に依存するもので、例えば、pH、IS、溶媒の種類及び極性、溶媒のカオトロピック性又はコスモトロピック性、温度、光による放射、相互作用剤(例えば、小分子、染料など)の添加による他、分子量分布(MWD)、共重合体組成及びポリマー自体のマイクロストラクチャーに依存する。他の例として、ポリマーと、他のポリマー、ミセル、エマルジョン、小嚢、リポソーム、タンパク質、ポリペプチド等との間で関連して起こり得る多くのものがある。これらは、静電気力、疎水性力、枯渇力、その他の力によって促進される超分子構造の生成をしばしば伴う(文献104,105,106,017,108,109,110,111,112,113)。
【0113】
ポリマーの特性をポリマーの刺激応答性に関係づける現在の方法は、煩雑で、非効率的である。通常行われているのは、一連の最終生成物を合成し、刺激応答性の検査をすることである。ポリマーの試験用最終生成物の調製だけでも、著しく時間を要し、析出、精製、凍結乾燥、再分解、透析などのステップを必要とする。これに対し、ACOMP法では、通常のACOM法は、“流体−流体”試料処理を置き換えることにより、広範囲の態様においてこれらのステップをうまく回避できることがわかった。リアクター流体は、連続的に抽出され、希釈され、調整されて、連続的測定が可能な試料ストリームが作られる。中間の固体相は用いられないし、高レベルの希釈(最大10
4倍)が効果的に溶媒を変化させることができる。このような抽出/希釈/調整は、典型的には、数十秒乃至数百秒の時間で起こる。
【0114】
応答刺激性試験は、最終生成物(多数ウェル、チャンネルプレート又は連続勾配装置等)のハイスループットスクリーニングを行なうものである。転移の分光その他の検出が行なわれる(文献114,115)。しかしながら、これらの方法は、ポリマー合成中における特定の相転移特性が現れ始めた時を判別するいかなる手段も有しない。有限の組成や分子量などを調べるだけでも、さらに多くの重合反応を要するのに対し、提案された合成中の方法では、一つの実験だけで、閾値挙動が鋭い場合でも緩やかな場合でも、要求されるポリマー特性の正確な特定(determination)を連続的に行うことが可能である
【0115】
<主なプロジェクト次元の概要>
本発明の一実施例の概略は次のとおりである。セクションに番号を付しているが、これは単なる便宜上のものである。プロジェクトは高度に統合され、問題は全体に織り込まれている。例示として、n−イソプロピルアクリルアミト゛(NIPAM)及びコモノマーを参照試薬(reference reagents)として用いる。これは、制御原理から、重合の異なる機構及び相、刺激応答性に対する相互関連性を示すものである。しかしながら、プロジェクトは、NIPAM及びそのコモノマーに限定されない。プロジェクトの重要な次元の1つは、参照試薬を用いて、新しい分析、方法及び機器の実行可能性を確立することである。
【0116】
A.制御
<<セミバッチ式によるホモ重合反応及び共重合反応の予測制御>>
<i.均質相フリーラジカルホモ重合におけるM
Wの制御、並びに対応するエマルジョン相反応におけるM
W及び粒子サイズの制御>
このステージは、リアクターにセミバッチ式で試薬が供給される条件下で、フリーラジカルホモ重合中、標的転換動力学とM
Wの定量的予測とオンライン検査に焦点を当てるものである。ACOMPによってもたらされる詳細な動力学パラメータは、予測制御のために定量的基礎を提供する。従って、ACOMPは、予測される反応軌跡のオンライン検証手段として直ちに供される。試薬の供給は、一定である必要はなく、“オンコマンド”のポリマーが得られるように計算された方法で、徐々に少なくしたり、調節することができる。重要なことは、均質相(homogeneous phase)と対応するエマルジョン相との反応の基本的動力学及び機構の対照である。エマルジョン重合におけるM
Wの制御については、粒子サイズ分布よりも発表されている文献ははるかに少ない。
【0117】
本発明者らは、反応動力学を時間依存性試薬のリアクターへの流れと組み合わせたものを構築した。
図14は、アクリルアミドの溶液ポリマー化のための予測制御の例を示しており、ここでは、モノマー添加速度を計算し、所望のM
w傾向が達成できるように設定した[Kreft,Reed,European Polymer Jornal, in press]。実験と予測M
wの傾向は、セミバッチ式反応により調べたもので、1つはM
Wの増加を示し、他のものは、一定に維持されている。これに対し、バッチ反応では、M
Wは減少する。この予測方法は、反応軌跡推定のためのアンサツ(Ansatz)として用いられる。この点に関して、NIPAMは、最初の候補の1つである。
【0118】
ナノテクノロジ−、生物医学その他の領域におけるポリマーラテックスの広域な適用性を考慮し、研究は、次に、所望サイズとM
W特性を有するラテックスの合成の予測制御に焦点を当てる(文献116,117,118,119,120,121,122,123)。均質相を生成する制御戦略の部分は、エマルジョンのセミバッチ式反応に適用して、これらの特性を獲得しようとするものである。
【0119】
エマルジョンセミバッチは、モノマーが“不足(starved)”するレジーム及びモノマーが“過剰の(flodded)”レジームの操作に基づいて予測される。これらレジームは、本来的な転換動力学、試薬のフロー速度及びリアクターの容積の組合せによって決定される(文献124,125,126)。多重検出ACOMPプラットフォームは、豊富なデータ結果を提供し、これに基づいてより精細なモデルが構築されることができる。
【0120】
このセクションでは、粒子径分布、M
W、及び転換を同時測定するためにA1b及びReedの方法(文献10)を適用して、これら特性の予測制御を行なう。動的光散乱(DLS)検出(BIC nano-DLC)をオンラインモニタリングに追加すると、サイズ解像が1-1000nm範囲で良好となる。現在用いられているMie散乱では>100nmであるため、この追加は、Mie散乱を補完することになる。
【0121】
MMA不足セミバッチ重合に対するM
W及びモノマー/ポリマ濃度についての予備的結果(Alb/Reed)が得られた。モノマー不足レジームとモノマー過剰レジームとの間の転移については、試薬を異なるフロースキームの下でリアクターに供給しながら、直接モニターした。
【0122】
このパートでは、供給速度が、準定常状態、ラテックス粒子特性、並びに、ポリマーM
W及び[η]
W それらのモノマー転換動力学との相関関係に及ぼす効果は、既存モデル(文献118,120,121,124,125)により定量化し、比較した。これは、このグループ自体のモデル化活動の基礎として提供される。動力学、粒子径分布及びポリマーMWDの詳細な相互関係への、この種のアプローチは、標的であるラテックス及びポリマー特性への予測ルートを設計する基礎を形成する。このパートはまた、水溶性が大きく異なるモノマー(BA、アクリル酸メチル(MA)等)の研究に適用し、粒径、ポリマーM
W 及び転換動力学に対するモノマーパーティショニング(partitioning)の効果を定量化することができる。
【0123】
<ii.共重合における組成とM
W制御>
パートiを基に、セミバッチ操作を、共重合における組成分布とM
Wを制御に拡大適用する。ACOMPでのコモノマーの転換速度及びRRを利用して、所望の組成ドリフト、ひいては組成分布を生成するのに必要な試薬の供給を算出することが可能である。その候補は、NIPAMとVBである。通常、反応条件に加えて、組成に関連するM
W依存性があるので、M
W範囲と組成分布の両方を標的とすることは可能であろう。最初の研究は、均質相で行われる。
【0124】
セミバッチをエマルジョン共重合反応の制御に適用することは、基本的及び現実的な理由の両方から、挑戦的である。例えば、コモノマーの水溶解度が異なると、動的に展開する水性相、ミセル相、小滴、ラテックス相の間では異なる分離が起こり、一方、高温固体の発熱により、重合動力学は非等温で行われることになる。
図15は、下図が、34/66 BA/MMAエマルジョン共重合でのコモノマーACOMP転換データであり、上図が、40/60 BA/MMA溶液相共重合のデータである(Alb,Reedの予備的結果)。溶液中での第1番目の共転換は、エマルジョン中での湾曲した複数相の共転換と著しい対照をなす。このような複雑な系では、反応中の各構成成分の進展が重要な役割を果たし、多成分系の動的均衡を変化させることになる。
【0125】
所望のコモノマー組成を得るために、異なる供給条件の下で、共重合反応を行なう。これらの反応では、RR及び疎水性の程度が異なるコモノマー、例えばNIPAMとスチレンを用いる。得られたラテックス粒子は、温度応答性を示している(文献127)。本発明者の研究グループは、NIPAM/スチレンとソープなしエマルジョン共重合により、有望な予備的結果を得た。最終生成物の完全な有効性を評価するために、ACM及びDLSを用いて、コロイド特性、安定性と、pH、イオン強度、温度の関係を調べた。
【0126】
M
Wと粒径分布の同時制御を扱った研究はほとんどない(文献128,129)。ここでは、反応動力学、粒子核生成、ラジカルパーティショニング、ひいては、M
W分布と重合速度に対するCTAの影響を調べる。所望の組成及びMWDを有するコポリマーを得るために、セミバッチ反応中のコモノマー及びCTA(例えば、タートドデシルメルカプタン及びドデカンチオール)に対する最適な供給スキームを計算するのに、バッチ実験での反応パラメータのデータベースを用いる。
【0127】
<iii.リビング共重合(RAFT)の組成及びM
W制御>
パートiiの中で実施した予測セミバッチ制御の結果は、CRPにより生成されるポリマーの組成勾配の制御の指針として有用である。転換速度とRRは、通常は、対応するリビング共重合及びフリーラジカル共重合における所定のコモノマー対とペアと同様のものであるという事実は、CRPの研究の基礎となり得るものである。
【0128】
CRPは、勾配コポリマーの生成を可能にするが、組成プロファイルが鎖に沿って変化し、特有の材料特に到る伝統的なラジカル重合では不可能である(文献130,131,132,133,134,135,136)。ACOMPは、異なる条件下でRAFT動力学の“リビングネス”からの偏差を研究し定量化する他の方法(文献137,138,139,140,141)を組み合わせるものである。例えば、
図16の挿入図(Alb,Reed,予備試験結果)は、RAFTによるBA/MMAの共重合中のM
W挙動におけるコモノマーの取込み(incorporation)及び偏差を示している。主要な物理量、M
W、組成分布等は1つの実験で求められる。
【0129】
RR(例えば、N-(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド及びN-メタクリロイルオキシスクシンイミド)が広く分離したコモノマー対を用いて、広く予測される組成を有するコポリマーを合成する。セミバッチ法に反応性がより高いコモノマーを計算レートに追加することにより、コポリマーの組成を一定に維持することができるし、所望組成プロフィールを生成することができる。ACOMPは、定量的予測の動力学的基礎を提供することと、反応中にオンラインで直ちに反応の予測を行えることの2つの能力を有することは、このアプローチでは決定的に重要である。
【0130】
<RAFTエマルジョン重合>
CRPをエマルジョンへ適用すること自体は、程度は異なるがある程度の成功を収めている(文献142,143,144)。RAFTの反応条件は、典型的なフリーラジカル重合と同じ様にロバストである(文献145,146,147,148,149,150,151,152)から、特に、不均一な水系に適している。このグループでも、ACOMPの予備的な研究を、CSIRO(文献146)で構築された方法に基づいて行ない、エマルジョン中におけるBAのRAFT重合をモニタリングした。ここでの研究は、反応で起こり得る最もリビングな特性を得て、MWD制御を改良することに焦点が当てられる。このアプローチでは異なるモノマー(例えば、MA,BA,スチレン)を使用し、ファクターが異なると反応及び粒子サイズのリビング特性にどのような影響を及ぼすかを調べるものであり、前記ファクターは、鎖寸法、モノマーの水溶解度、モノマーの供給速度、RAFT試薬の重合部位の輸送、ラジカルのラテックス粒子への進入、ラジカルのラテックス粒子からの退出、コロイド安定性等である。
【0131】
<ホモ重合反応及び共重合反応における能動的制御>
能動的制御は、この提案の主たる目的ではないが、幾つかの態様については、オンコマンドでのポリマー合成及び以下に記載するポリマー刺激応答性の両方に対して重要な結果をもたらすであろう。
【0132】
<転換終点/トリガ制御>
反応転換の正確なモニタリングと制御は、特に最終段階においてしばしば必要とされる。環境及び安全性の規定により、ポリマーロット中の残留モノマーの量は制限される(典型的には、<10ppm)。多元ブロックコポリマーにおいてブロックを順次生成する前に、非常に高い転換がしばしば必要とされる。リアクターの効率的に使用するには、正確な反応時間を把握する必要がある。セミバッチ式又は連続式リアクターでは、生産率を求めて試薬リサイクルを行なうには、定常状態の転換レベルを知らなければならない。連続リアクターの中で、一の生成物の組成をへ他の組成に転換するには、いつ新しい組成に達するかを知らなければならない。
【0133】
フリーラジカルホモ重合の自動制御の最初のステップは、バッチ及びセミバッチの両方において、転換をモニターし、終点に達した時、反応を自動的に終了させることである。残留モノマーについては厳しい規定があり、それに対しては、次の方策が提案される。タンデムフルスペクトルUV検出器を使用し、1つは径路長が0.01cmで最大99%の転換を定量し、次に径路長が1cmのもので転換の大部分中に飽和させるが、スケール上で>99%転換であり、残留モノマ−が数十のppmに減少するまでモニタする。フルスペクトルは、残留吸収と散乱の小混合との区別を可能にする。自動制御は、反応を急冷すること、温度を低下させること、あらゆる試薬の供給を停止すること、検出器フローを純溶媒に戻すことを含んでいる。本発明者の研究室は、この目的のために、機器制御、コンピュータプログラミング、グラフィック利用者インターフェース開発のための複数の手段を有している。
【0134】
この戦略は、リビングマルチブロック共重合に拡大適用される。コポリマーの第2ブロックは、転換設定点に達すると自動的に開始し、開始信号で第2モノマーのフローを開始し、必要な他のあらゆる条件、例えば、追加の開始剤、RAFT試薬、溶媒などを変更させる。このプロセスは、マルチブロックに拡大適用されることができる。
【0135】
ACOMPデータは、いつ第2ブロックが適切に重合されるているか、又は単なるホモ重合であるかを区別することができる。例えば、
図17(Alb,Reed,予備実験結果)には、実験と理論(グレー曲線)の光散乱結果を比較して示されている。MMA第1ブロックはリビング予測に従い、サイド反応は転移も終了もなく、第2BAブロックは成功して真のジブロックに対する予測に従う。グレー線は、pMMAブロックへの付加が失敗した場合に、BAホモ重合によって得られるものを示している。
【0136】
<B.ポリマー合成中における刺激応答性の進展のモニタリング及び制御>
刺激応答性の進展は、連続的に変化するMW組成と、ポリマーが合成中に進展するときの他の特性(例えば、多価電解質ξ、ポリマー分岐、架橋、“クリック”反応等)と対比してモニターされることができる。この方法では、刺激応答性は最終生成物の連続体の等価物に対して評価されることができる。提案した新しい第2世代のACOMP形態は、好ましくは、MW、コポリマー転換等を特定する基本検出器トレインを含むが、刺激応答性効果を調べるためにハイスループットマルチ検出器を加えることもできる。
【0137】
この研究は、提案された方法を、単一種類の刺激応答性、下限臨界溶液温度(LCST)に焦点を当てたものである。次に、基礎物理学及びポリマーのLSCTを制御する多くのファクターを調べるためにも活発に用いられるであろう。
【0138】
この方法が成功すれば、確実に大きなインパクトを与え、刺激応答性ポリマーの発見と開発は加速されるであろう。また、適用範囲が広く、多くの反応、例えば、リビング、後重合改質、逐次成長、フリーラジカル鎖成長、グラフティング、分岐、バイオコンジュゲーションなどに適しているであろう。また、バッチ式、セミバッチ式及び連続式のリアクターにも有用である。刺激応答性がどのように進展するかを定量化することにより、所望の応答刺激タスクを実行できるようにポリマー特性を迅速に最適化する手段が提供されるべきである。合成中にポリマーが所望の刺激応答性を達成する時を知ることができれば、次の実験又は製造において、ポリマーが合成中にそれらの特性に達する正確な時を最終生成物の標的とすることができる。
【0139】
上記したように、刺激応答は、多くの方法で示されることができる。例えば、コイル−小球(例えば、LCST)、ヘリックス−コイル等の立体配座変化、ミセル化、凝集(単一又は複数分子を問わない)、特定試薬との結合能力(可逆、不可逆を問わない)等である。ポリマーの刺激応答性(例えば、濁度、蛍光、伝導性、表面張力、光散乱、円偏光二色性、複屈折等)を観察する方法は存在するが(文献101,153,154,155)、本発明者の知る限りにおいて、合成中に、刺激応答性及びポリマー特性(例えば、MWD、組成)を同時に測定する方法はこれまで存在しない。
【0140】
この研究の中心とするところは、複数の同時測定を行なうために、ハイスループット光散乱検出器をシステムを結合することである。本発明者が開発した比較的安価で融通性のあるな散乱器であるSMSLS(文献156,157)は、この目的に非常に適しており、発展していくであろう。SMSLSセルは、建物内で製作されることができる。各フローセルを異なる温度にて直列で保持することにより、SMSLSフローセルと同じようにポリマーの多くのM
Wと組成に対しするLCSTの特定が可能になる。光散乱は、僅かな量の凝集に対しても感受性が非常に高いため、LCSTは、高度に希釈された試料ストリームの中で即座に検出可能である。
【0141】
他の方法は、異なる溶媒が、合成中に進展するポリマーのLCSTに及ぼす効果を試験することである。リアクターからは、マルチヘッド蠕動ポンプを用いて複数の僅かなフローを抽出し、複数の溶媒リザーバからは別のマルチヘッド蠕動ポンプを用いて溶媒を取り出し、別個のチャンバーの中で希釈する。この時点で、SMSLSフローセルは、同じ温度に保持されており、異なる各溶媒がLCSTに及ぼす効果を検出する。例えば、ISのNIPAMLCSTに及ぼす効果は広く知られている(文献101)。NIPAMベースの共重合体と共重合電解質のような複合体の場合、溶媒効果はさらに強くなる。
【0142】
<方法の発展と基礎的なポリマー物理学のための具体的実験>
まず最初、LCSTを有するポリマーを、方法を発展させるために使用する。NIPAMのLCSTは、約32℃である。異なる技術を用いて、LCST(文献158,159)と他の刺激応答(例えば、pH、IS、UVなど)(文献160,161)を有するポリマーを生成する。
【0143】
NIPAMを用いる方法がフリーラジカルホモ重合では実行可能であることが明らかになった後、RAFT重合下で低分子質量ポリマーに対するLCST依存性を定量化する。LCSTは、かなり低い値(DP約10
2)まで、ポリマーの重合化程度(DP)にのみ依存する。RAFTは、DPの制御された線形上昇を可能にするので(
図11参照)、この方法を、低く連続的に変化するDPに対するLCSTの依存性を詳しく試験することができる。
【0144】
次に、共重合電解質LCSTの研究は、新しい特徴と物理学を興味深いものとしている。発明者が現在関わっているプロジェクトは、合成中の共重合電解質の完全な特徴付け(ξ分配を含む)を行なうためのツールを開発した。制御に関する上記提案は、組成ドリフトを予測的に利用し、合成中における広く異なる組成と特性径路を生成するものである。上記部分におけるVB(荷電)及びNIPAM(中性)に対する制御パラダイムを特定し、大きな組成ドリフトとξ分配の両方がLCSTに及ぼす効果を調べることができる。VBの部分が上昇すると、共重合電解質の溶解性が高くなるため、LCSTが上昇する。また、溶媒イオンISが減少すると、鎖間の静電的排除体積が増加するため、同じ様にLCSTが上昇する。LCSTの挙動と分配及びISの関係は、小さな分野ではあるが、基礎となるLCST物理学の理解を向上させ、LCST物理学が標的合成を通じてどのように操作され得るかを理解するのに有用であろう。
【0145】
RAFTの利点について、予測的及び自動化された終点制御法と共に説明したが、RAFTを利用して、ブロックコポリマー及び勾配コポリマーを、LCST(例えばNIPAM)、他のアクリルアミド誘導体(例えば、N,N'-ジメチルアクリルアミド,DMA)(文献162)を合成する。目標は、ポリマー構造及び関連するブロック及び勾配組成における変化がどのようにLCSTに影響を及ぼすかについて、理解を向上させることである。コポリマーにおける2つの種(species)の挙動を区別するために、選択的溶媒を用いることができる。
【0147】
部品番号/説明
(1) 重合リアクター
(2) 選択的リアクタープローブ
(3) ACOMPフロントエンド
(4) 溶剤リザーバ
(5) ACOMP検出器トレイン
(6) マイクロコンピュータ制御部
(7) 選択的な自動-SEC
(8) 廃棄物容器
(9) 所望の希釈/調整
(10) 多重検出モジュール
(11) 多重検出モジュール
(12) マルチヘッド蠕動ポンプ
(13) 混合‘Ts’
(14) 多重検出モジュール
(15) 第2蠕動ポンプ
(16) 希釈リザーバ
(101) ジャケット付重合リアクター
(102) リアクター伝導度センサ
(103) ACOMPフロントエンド
(104) 溶剤リザーバ
(105) ACOMP検出器トレイン
(106) マイクロコンピュータ制御部
(107) 自動-SEC
(108) 廃棄物容器
(110) 静電光散乱セル
【0148】
この明細書で用いられる略記のリストは次の通りである。
A/D: アナログ・デジタル変換
ACM: 自動連続混合
ACOMP: 重合反応の自動連続オンラインモニタリング
ATRP: 原子移動ラジカル重合
BA: アクリル酸ブチル
BIC: Brookhacen Instruments Corp.
CCD: 電荷結合デバイス
CRP: 制御されたラジカル共重合
CSIRO: オーストラリアリサーチセンター
CTA: 連鎖移動剤
DLS: 動的光散乱
DMA: N,N'-ジメチルアクリルアミド
DP: 重合度
DSC: 示差走査熱量測定法
FTIR: フーリエ変換赤外分光
GPC: ゲル透過クロマトグラフィー
GUI: グラフィックユーザインターフェイス
HPLC: 高圧液体クロマトグラフィー
IS: イオン強度である。
LCST: 下限臨界溶液温度
LPMC: 低圧混合チャンバー
MA: アクリル酸メチル
MALDI: マトリックス支援レーザ脱離イオン化
MALS: 多角度光散乱
MMA: メタクリル酸メチル
MWD: 分子量分布
NIPAM: n−イソプロピルアクリルアミド
NMP: 窒素酸化物媒体重合
NMR: 核磁気共鳴
PolyRMC: ポリマー反応のモニタリングと特性化が行われるTulane Center
RAFT: 可逆的付加開裂連鎖移動
RI: 屈折率
ROMP: 開環メタセシス重合
RR: 反応性比
SEC: サイズ排除クロマトグラフィ
SG-ACOMP: 第2世代ACOMP
SMSLS: 同時多重静的光散乱
THF: テトラヒドロフラン
UV/Vis: 紫外線/可視吸収
VB: ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム
+フォーム
【0149】
本明細書に記載した全ての測定は、特別な指定がない限り、海面での標準温度及び標準圧力で行われている。全ての物質は、特別な指摘がない限り、生体適合性で人間に使用されることを目的としている。
前述の実施形態は、例示目的でのみ提供されるものである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【0150】
文献1:Macromolecules 1998,31,7226-7338
文献2:Macromolecules 2001, J4, 1180- 1191
文献3:Macromolecules 2002, 35, 6557-6571 ,
文献4:Macromolecules 2007, 40, 8040-8049.
文献5:Macromolecules 2005, JS, 1148- 1158.
文献6:Macromol. Chem. Phys. 2002, 2OJ, 2029-2040.
文献7:Macromolecules 2004, J7, 966-975.
文献8:Macromolecules 2005, JS, 9556-9563.
文献9:Macromolecules 2008, 4i, 332-338
文献10:Macromolecules 2008, 47, 2406-2414.
文献11:Langmuir 2006, 22, 831-840.
文献12:J. Phys. Chem. B.2007, 111, 8560-8566.
文献13:J. Phys. Chem. B 2008, 112, 14597-14608.
文献14:Eur. Polyrn. J., in press.
文献15:Kreft, T.; Reed, W. R, ''Predictive control of average composition and molecular weight distribution (MWD) in semi-batch free radical copolymerization reactions", in preparation.
文献16:Macromol. Chem. Phys. 2002, 203, 586-597.
文献17:Int. J. Polym. Char. & Analysis 2002, 7, 1-19.
文献18:Macromolecules 2002, JJ, 5218-5227.
文献19: Macromolecules 2004, 37, 554-565.
文献20:Macromolecules 2006, 39, 8895 - 8897,
文献21:Prog. Polym. ScL 2007, 32, 1-29.
文献22:X Chem. Phvs. 1945, 13, 199-207.
文献23:Polymer 1998, 39, 2367-2372.
文献24:Polym. React. Eng. 1998, 6, 113-142.
文献25:J. Am. Chem. Soc. 1944, 66, 1594-1601.
文献26:J. Polym. ScL Part λ. Polym. Chem. 2004, 42, 4084-4100.
文献27:J. Polym. ScL Part A: Polym. Chem. 1991, 29, 703-708.
文献28:Oxford Sci. Pub., Oxford, 1996.
文献29:Macromolecules 2000, 33, 5918-5931.
文献30:Macromolecules 2000, 33, 5460-5469.
文献31:Polymer 2000, 41, 3638-3692.
文献32:Macromolecules 2000, 33, 7448-7452.
文献33:Langmuir 2003, 19, 3313-3322.
文献34:Langmuir 2003, 19, 4460-4464.
文献35:J. Chem. Phys. 2002, 116, 5299-5307.
文献36:Chem. Eng. Res. & Design 1996, 74, 340-348.
文献37:Int. J. Polym. Anal. & Charact. 2001, 6, 295-314.
文献38:Adv. Polym. ScL 1991, 98, 1-47.
文献39:X Polym. ScL B: Polym. Phys. 200X 41, 1762-1778.
文献40:Polymer 1998, 39, 6723-6731.
文献41:Polymer ScL Eng. 2000, 40, 1921-1930.
文献42:Macromol. Chem. Phys. 2004, 205, 771-777.
文献43:Adv. in Chem. Ser, 1995, 247, 243-251.
文献44:Macromolecules 1996, 29, 6023-6030.
文献45:Mucromol. Chem. Phys. 1999, 200, 1734-1744.
文献46:NMR Spectroscopy of Polymers in Solution and in the Solid State, 2003.
文献47:Polymer 1989, 30, 918-927
文献48:Analyt. Chem. 1988, 60, 1125-1128.
文献49:J.Chromatography 2004, 1037, 329-350.
文献50:J. Polym. ScL Pan B. Polymer Physics 2005, 43, 1591-1607.
文献51:Comp. Chem. Eng. 2006, 30, 1447-1463.
文献52:Handbook of polymer reaction engineering 2005, 595-678, Weinheim, Germany: Wiley-VCH
文献53:Instrument engineer's handbook, 4th ed.: Process measurement and analysis 2003, NewYork. CRC Press.
文献54:J. Macromol. ScL - Reviews in Macromol. Chem. and Physics 1990, CiO, 1-42.
文献55:Makromol. Chem., Macromol. Symp. 2006, 240, 18-22.
文献56:Principles of polymer systems (5th ed.) 2003, New York. Taylor and Francis.
文献57:J.Macromol.Sci.-Reviews in Macromol.Chem.1999,39,57-134.
文献58:Ind.Eng. Chem Res.1999,38,4815-4824.
文献59:AIChE J.1994,40.445-462.
文献60:Chem.Eng.Sci.1992,47,1047-1062.
文献61:AIChE J.1997,43,3042-3058.
文献62:Ind.Eng.Chem.Res.1997,36,1036-1047.
文献63:Chem.Eng.Sci.1998,53,773-786.
文献64:Polym.Reaci.Eng.1999,7,1-7.
文献65:Comp.Chem.Eng.1989,13,73-82.
文献66:Chem.Eng.Sci.2005,60,6596-6606.
文献67:Automatica 1978,14,413-428.
文献68:Ind.Eng.Chem.Process Design and Develop. 1982,21,308-323.
文献69:Automatica 1989,25,335-348.
文献70:Ind,Eng,Chem.Res.2004,43,2736-2746.
文献71:Ind,Eng.Chem.Res.1992,31,1096-1104.
文献72:Ind,Eng.Chem.Res.1994,33,1530-1541.
文献73:Comp.Chem.Eng.1998,23,187-202.
文献74:Cotrol Eng.Practice 2003, 11,733-764.
文献75:Polymer Reaction Engineering, editor: Asua J.M. Oxford:Blackwell Publishing Ltd.,2007,1-28.
文献76:Polym.React.Eng.2003,11,829-853.
文献77:J. Polym. Eng. 2001, 21, 401-420
文献78:Polymer 1994, 35, 1648- 1653.:
文献79:J.Appl. Polym. Sci 2006, 100, 2838-2846.
文献80:lnd. Eng. Chem. Res. 2003, 42, 847-859.
文献81:Macromolecules 2007, 40, 849-859.
文献82:Macromol. Theory Simul. 2006, 15, 356-368.
文献83:AlChE J. 2001, 47, 1594-1606.
文献84:Chem. Eng. J. 2002, 85, 339-349.
文献85:Comp. Chem. Eng. 1996, 20, S1113-S1118.
文献86:J. Macromol. ScL, Pan A: Pure and Applied Chem. 2008, 45, 115-132.
文献87:Comp. Chem. Eng. 1989, 13, 21-33.
文献88:AZCAE /. 1989, 35, 891-907.
文献89:Macromolecules 1995, 28, 552-569.
文献90:Macromolecules 1998, J7, 7172-7186.
文献91:AIChE J. 2004, 50, 654-664.
文献92:Ind.Eng.Chem.Res.1989, 28, 1846-1861.
文献93:Langmuir 2007, 23, 1-2.
文献94:Polymer 2004, 45, 367-378.
文献95:Nana letters 2007, 7, 167-71
文献96:Macromolecules 2003, 36, 8312-8319.
文献97:Macromol. Chem. Phys. 2003, 204 265-273.
文献98:J.Mat. Chem. 2007, 77, 4015-4017.
文献99:ACS Symposium Series 2008, 977, 78-94.
文献100:Bioconjugate Chem. 2002, 13, 1259-1265.
文献101:J. Phys. Chem. C 2007, 111, 8916-8924.
文献102:Macromol. Chem. II, 235
th ACS, 2008.
文献103:J. Polym. Sci Part A; Polym. Chem. 2008, 46, 3459-3470.
文献104:Polymer 2003, 44, 6815-6823.
文献105:Polymer Preprints (ACS, Polym. Chem.) 2003, 44, 646-647.
文献106:235
th ACS, 2008.
文献107:PMSE Preprints 2002, 87, 237-238.
文献108:Polymer Preprints (ACS, Polym. Chem.) 2002, 43, 969-970.
文献109:Macromolecules 1999, 32, 6917-6924.
文献110:231
st ACS, 2006.
文献111:Macromolecules 2007, 40, 4772-4779.
文献112:Soft Miller 2007, J, 725-731.
文献113:Langmuir 2003, J9, 2103-2109.
文献114:Macromolecules 2004, 37, 1031-1036.
文献115:Macrom. Rapid Commun. 2004, 25, 1579-1582.
文献116:Adv.Org.Coai Sci.Technol Ser. 1988, iθ, 54-57.
文献117:J.Appl.Polym.Sci.1996, 61, 989-1001.
文献118:Macromolecules 2000, 33, 5048-5052.
文献119:J. Appl. Polym. Sci 2001, 79, 582-597.
文献120:J.Polym. Sci, Polym. Chem. Ed. 2001, 39, 3940-3952.
文献121:lnd Eng. Chem. Res. 2001, 40, 3883-3894.
文献122:Langmuir 2007, 23, 1018-1024.
文献123:Current Opinion in Colloid & Interface Sci 2004, 9, 213-221
文献124:J,Appl. Polym. Sci 1968, 12, 309-319.
文献125:J. Polym. Sci Part C 1969, 27, 77-93.
文献126:J. Polym. Sci Part C 1969, 27, 207-235.
文献127:Colloid Polym. Sci 1998, 276, 19-26.
文献128:J. Polym, Sci Part A: Polym. Chem. 2000, 38, 367-375.
文献129:lnd. Eng. Chem. Res. 2002, 41, 1805-1814.
文献130:K. Matyjaszewski, Editor, Controlled/living radical polymerization. Progress in ATRP, NMP, and RAFT ACS symposium series, vol. 768, ACS, 2000, 2-26.
文献131:Prog. Polym. Sci 2007, 32, 93-146.
文献132:Macromolecules 1999, 32, 2221-2231.
文献133:Aust. J. Chem. 2006, 59, 669-692.
文献134:Aust. J. Chem. 2006, 59, 742-748.
文献135:Macromolecules 2006, 39, 8674-8683.
文献136:J Polym. Sci, Chem. 2005, 43, 5394-5413.
文献137:Polymer 2005, 46, 8448-8457.
文献138:Macromolecules 2001, 34, 402-408.
文献139:Polymer 2006, 47, 999-1010.
文献140:J. Polym. ScL Part A: Polym. Chem. 2006, 44, 5809-5831.
文献141:Macromolecules 2008, 41, 3775.
文献142:Macromolecules 1999, 32, 2872-2875.
文献143:Macromol. Rapid Commun. 2005, 26, 592-596.
文献144:Australian J Chem. 2006, 59, 693-711
文献145:PCTInt Appl W0 2003055919 Al 20030710.
文献146:Macromolecules 2002, 35, 9243-9245.
文献147:Macromolecules 2003, 36, 8907-8909.
文献148:Macromolecules 2005, JS, 2191-2204.
文献149:Soft Mailer 2006, 2, 45-53.
文献150:Macromol. Symp. 2007, 24S, 168-181.
文献151:J. Polym. ScL Pan A: Polym. Chem. 2007, 45, 588-604.
文献152:Macromol. Rapid Commun. 2007, 28, 1325-1331.
文献153:Polym. ScL Part A: Polym. Chem. 2002, 40, 439-450.
文献154:Langmuir 1990, 6, 514-516.
文献155:Macromolecules 2002, 35, 10182-10288.
文献156:J. Appl. Polym. ScL 2004, 92, 2724-2732.
文献157:J Combinatorial Chemistry 2004, 6, 710-716.
文献158:Biomacromolecules 2006, 7, 1665-1670
文献159:Adv.Mater. 2006, 18, 2461-2465.
文献160:J. Dispers. ScL Technol. 2003, 24, 423-437.
文献161:Macromolecules, 2006, JP, 3848-3854.
文献162:Langmuir 2006, 22, 6352-6360.
刺激応答性を有する刺激応答性ポリマー及び/又は刺激応答性を有する刺激応答性コロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展をモニタリングする方法であって、
(a) 刺激応答性を有する刺激応答性ポリマー及び/又は刺激応答性を有する刺激応答性コロイドが合成されるリアクターを配備するステップ、
(b) ポリマー及び/又はコロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性をモニタリングするための刺激応答性モニタリングデバイスを配備するステップ、及び
(c) 刺激応答性モニタリングデバイスを用いて、加えられた刺激及び該刺激に対するポリマー及び/又はコロイドの応答を特定することにより、ポリマー及び/又はコロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展をモニタリングするステップを含み、
刺激応答性は、Mie散乱によるものを含む静的光散乱、動的光散乱、偏光静的光散乱及び/又は偏光動的光散乱、濁度、190nm〜1mmの範囲の電磁放射線の吸収、蛍光、伝導度、核磁気共鳴、電子スピン共鳴、光学活性、複屈折、線二色性、楕円二色性、屈折率測定、粘度、光学写真撮影及び感熱写真のうちの1又は複数の手段によってモニターされる、方法。
刺激応答性を生じさせるのに用いられる条件は、温度、圧力、流体力学的せん断、乱流、超音波;溶媒組成物、溶媒混合物、pH、イオン強度の変化;塩等の他の化学的試薬、界面活性剤、有機分子、薬剤、生物学的細胞及び微生物を含む他の生物活性剤、オリゴマー、他のポリマー及びコロイドの存在;190nm〜1mmの範囲の電磁放射線による照射からなる群のうちの少なくとも1つの条件を含んでいる、請求項2の方法。
刺激応答性を生じさせるために用いられる処理は、リアクター液体を試薬が添加された純溶媒又は混合溶媒と混合することを含んでおり、前記試薬は、金属イオン、一価イオン、多価イオン、キレート剤、界面活性剤、蛍光分子、190nm〜1mmの範囲の放射線を吸収する分子、ミセル、エマルジョン、小嚢、リポソーム、バイオポリマー及び合成ポリマーからなる群のうちの少なくとも一種を含んでいる、請求項2の方法。
ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展は、リアクターから1又は複数の液体流れを連続的に取り出し、取り出された流れを、刺激応答性を生じさせるのに用いられる溶媒又は溶媒混合物と混合することによってモニターされ、刺激応答性を生じさせるのに用いられる処理又は条件は、リアクター液体を試薬が添加された純溶媒又は混合溶媒と混合することを含んでおり、前記試薬は、金属イオン、一価イオン、多価イオン、キレート剤、界面活性剤、蛍光分子、190nm〜1mmの範囲の放射線を吸収する分子、ミセル、エマルジョン、小嚢、リポソーム、バイオポリマー及び合成ポリマーからなる群のうちの少なくとも一種を含んでいる、請求項2の方法。
刺激応答性を有する刺激応答性ポリマー及び/又は刺激応答性を有する刺激応答性コロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展をモニタリングする方法であって、
(a) 刺激応答性を有する刺激応答性ポリマー及び/又は刺激応答性を有する刺激応答性コロイドが合成されるリアクターを配備するステップ、
(b) リアクターから流体を取り出すステップ、
(c) ポリマー及び/又はコロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性をモニタリングするための刺激応答性モニタリングデバイスを配備するステップであって、前記刺激応答性は、
薬剤及び他の生物学的活性剤をカプセル化する能力、
他のポリマー又はコロイド又は小分子と相互作用する能力、
他の物質と相互作用する能力、
特定物質と相互作用しない能力
他の種と化学反応する能力
薬剤及び他の生物学的活性剤を放出する能力、
凝集、
複屈折の変化、
円偏光二色性の変化、
伝導度の変化、
蛍光の変化、
色の変化、
視覚的側面の変化、
ポリマー及び/又はコロイドの他の化学種との化学反応、
ポリマー及び/又はコロイドのポリマー及び/又はコロイド自体との化学反応、
立体配座変化、
分子間ミセル化、
分子間凝集、
分子内立体配座変化、
分子内ミセル化、
下限臨界溶液温度(LCST)、
ミセル化、
マイクロゲル化、
ポリマー及び/又はコロイドの他の化学種との非共有結合、
相分離、
相転移、
感光性、
自己組織化アッセンブリ、
分子内相転移、
溶解性、
超分子、及び
熱応答性、からなる群のうちの少なくとも1つを含んでおり、
リアクターから取り出された流体に対して1又は複数の刺激を加えるステップであって、前記刺激は、熱、温度、電磁放射、リアクター内の溶媒とは異なる溶媒を含む異なる特徴の溶媒への曝露、刺激応答性ポリマー及び/又は刺激応答性コロイドと相互作用して結合することができる物質への曝露、刺激応答性ポリマー及び/又は刺激応答性コロイドから放出されることができる物質への曝露及び異なる種類の可溶成分を含む溶媒からなる群のうちの少なくとも1つであり、
ポリマー及び/又はコロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの特徴の進展をモニタリングするための特徴モニタリングデバイスを配備するステップ、
特徴モニタリングデバイスを用いて、ポリマー及び/又はコロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの特徴の進展をモニタリングするステップ、
特徴モニタリングデバイスを用いて、ポリマー及び/又はコロイドの合成中におけるポリマー及び/又はコロイドの特徴の進展を、刺激応答が起こる時を検出することによってモニタリングするステップであって、ポリマー及び/又はコロイドの刺激応答性の進展のモニタリングは、所望の刺激応答性を有するポリマー及び/又はコロイドの最終製品を制御するために用いられる、方法。