【課題】作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる空気浄化装置およびその試験システムを提供する。
【解決手段】空気浄化装置100は、ケーシング1内の空気浄化部2におけるリーク試験時に空気浄化部2よりも上流側のケーシング下部1Aの外側で空気を捕捉する上流側検出部111と、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内を移動自在であり、リーク試験時に空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内の空気を捕捉するサンプリングプローブ8と、下流側のケーシング上部1Bに配置されてサンプリングプローブ8を移動操作させる操作部14と、下流側のケーシング上部1Bにおいて操作部14の上の位置に配置されて作業者がサンプリングプローブを視認するための観察窓115を有する。
前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記空気浄化部を通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記空気浄化部の少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記空気浄化部が前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の空気浄化装置。
浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部とを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、
前記ケーシング内の前記空気浄化部におけるリーク試験時に前記空気浄化部よりも上流側のケーシング下部の外側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記空気浄化部よりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記リーク試験時に前記空気浄化部よりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記下流側のケーシング上部において前記操作部の上の位置に配置されて前記作業者が前記サンプリングプローブを視認するための観察窓と、
前記空気浄化部よりも前記上流側のケーシング下部内に試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、
前記上流側検出部から案内される上流側空気に含まれる前記試験用粒子と、前記サンプリングプローブから案内される下流側空気に含まれる前記試験用粒子を検出する試験用粒子検出部と
を有することを特徴とする試験システム。
前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の試験システム。
前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の試験システム。
前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の試験システム。
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記空気浄化部を通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記空気浄化部の少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記空気浄化部が前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の試験システム。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1と特許文献2に開示されている空気浄化装置では、HEPAフィルタは排気系に用いられるために、HEPAフィルタの下流側では空気浄化装置外の圧力に比べて負圧となっている。このためリーク試験においては、空気浄化装置外の粒子がHEPAフィルタの下流側に吸引されて、リークしてきた粒子の検出の障害とならないように、HEPAフィルタの下流側は空気浄化装置の外部からは気密性よく遮断されていなければならない。このため、空気浄化装置のリーク試験では、HEPAフィルタの下流側を空気浄化装置外の雰囲気に開放できないことから、作業者がHEPAフィルタ下流側に清浄空間が形成される通常のクリーンルームのように、吹き出し口にプローブを手で持ってリーク試験を行うことができない。
【0008】
通常は、空気浄化装置のケーシングの利用や固定配管の設置等により、空気浄化装置の外部に対して気密な通気路をフィルタ下流側に形成し、リークした粒子を検出する手法が用いられる。しかし、このリークした粒子を検出する手法を用いる場合には、次のような問題点がある。
(1)HEPAフィルタの下流側の試験用粒子サンプリング位置がHEPAフィルタに近いと、サンプリング位置から離れた場所にリークがあった場合に、そのリークから漏れてくる試験用粒子をサンプリングできず、リークを見落としてしまうことがある。
(2)リークから漏れてきた試験用粒子を確実に検出するため、HEPAフィルタの下流側のサンプリング位置をHEPAフィルタから十分に離れた位置とすると、漏れてきた試験用粒子がHEPAフィルタの正常部を通過した清浄空気により希釈されてしまうため、比較的小さなリークを見落としてしまうことがある。
【0009】
また、特許文献3に記載の高性能フィルタ検査装置は、HEPAフィルタのリークを検出するための装置であることから、例えばHEPAフィルタが空気浄化装置に取り付けられた際に、取り付けの不具合やパッキンの劣化等、取り付けによって生じるリークについては検出することができない。従って、特許文献3に記載の高性能フィルタ検査装置は、実際にHEPAフィルタが空気浄化ユニットに設置された状況でのリークの有無を検査するには必ずしも適当でない場合がある。
【0010】
そこで、特許文献1に開示された空気浄化装置は、空気を浄化する状態においてリーク試験を実施することができるようにするために、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、このケーシング内に設けられてケーシングを通る空気を浄化するHEPAフィルタとを有し、さらにリーク試験時にHEPAフィルタよりも上流側のケーシング内の空気を捕捉して案内する上流側検出口と、HEPAフィルタよりも下流側のケーシング内を移動自在であり、リーク試験時にHEPAフィルタよりも下流側のケーシング内の空気を捕捉して案内するサンプリングプローブを有している。
ところが、特許文献1の空気浄化装置では、作業者がケーシングの内部を観察するために観察窓が設けられているが、この観察窓は、ケーシングの前面の中央部の位置に形成されている。従って、作業者がプローブ走査によりHEPAフィルタ上の試験用粒子をサンプリングする際に、作業者はプローブをほぼ水平方向に沿って、しかもグローブを通して目視で観察することになり、作業者の観察視野が狭くなりプローブ走査状況が観察しづらいので、試験用粒子のサンプリング作業が容易に行えない。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる空気浄化装置およびその試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の空気浄化装置は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部とを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記空気浄化部におけるリーク試験時に前記空気浄化部よりも上流側のケーシング下部の外側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記空気浄化部よりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記リーク試験時に前記空気浄化部よりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記下流側のケーシング上部において前記操作部の上の位置に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを視認するための観察窓と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
【0012】
好ましくは、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする。
上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することで空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
好ましくは、前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、空気浄化部は、交換の際に上流側のケーシング下部から取り外すことができるので、下流側のケーシング上部を気密状態に維持することができ、従来必要であったビニールバッグの交換作業を行う必要が無い。
【0013】
好ましくは、前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子がチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、上流側検出部が、チャンバーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。
【0014】
好ましくは、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記空気浄化部を通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記空気浄化部の少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記空気浄化部が前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、空気浄化部の少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、空気浄化部の上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、空気浄化部の水洗作業や空気浄化部の交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。
【0015】
本発明の試験システムは、試験装置のことであり、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部とを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、前記ケーシング内の前記空気浄化部におけるリーク試験時に前記空気浄化部よりも上流側のケーシング下部の外側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記空気浄化部よりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記リーク試験時に前記空気浄化部よりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記下流側のケーシング上部において前記操作部の上の位置に配置されて前記作業者が前記サンプリングプローブを視認するための観察窓と、前記空気浄化部よりも前記上流側のケーシング下部内に試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、前記上流側検出部から案内される上流側空気に含まれる前記試験用粒子と、前記サンプリングプローブから案内される下流側空気に含まれる前記試験用粒子を検出する試験用粒子検出部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
【0016】
好ましくは、試験システムは、前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、試験用粒子は、試験用粒子供給部からの試験用粒子を均一に分散した状態にして、上流側のケーシング下部内に導入することができるので、リーク試験の精度を保つことができる。
好ましくは、試験システムは、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする。
上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することで空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
【0017】
好ましくは、試験システムは、前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、空気浄化部は、交換の際に上流側のケーシング下部から取り外すことができるので、下流側のケーシング上部を気密状態に維持することができ、従来必要であったビニールバッグの交換作業を行う必要が無い。
好ましくは、試験システムは、前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子がチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、上流側検出部が、チャンバーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。
【0018】
好ましくは、試験システムは、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記空気浄化部を通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記空気浄化部の少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記空気浄化部が前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、空気浄化部の少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、空気浄化部の上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、空気浄化部の水洗作業や空気浄化部の交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる空気浄化装置およびその試験システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の空気浄化装置とこの空気浄化装置の試験システムの各実施形態を示す図であり、
図2は
図1の空気浄化装置だけを示す正面図であり、
図3は、
図1に示す空気浄化装置の試験システム(試験装置)の使用状態を示す正面図、
図4は
図3の使用状態を示す概略平面図である。
図1では、空気浄化装置に試験システム(試験装置)を設けた状態を示している。
【0022】
図1と
図2に示す空気浄化装置100は、ケミカルハザード物質を使用している事業所、例えば抗生物質の製造室等における排気系に使用される。この空気浄化装置100は、部屋Rの床面Fに設定され、部屋Rの側壁Wに対して面一になるように設けられており、部屋Rの壁面Wの一部を形成している。空気浄化装置100に粒子発生器20やチャンバー109等を配置して試験システム(試験装置)を形成している。
図1と
図2に示す空気浄化装置100は、ケーシング1を有しており、ケーシング1は上流側のケーシング下部1Aと下流側のケーシング上部1Bを有している。上流側のケーシング下部1Aから部屋R内の空気を取り入れて、部屋R内の空気を、空気浄化部である例えばHEPAフィルタ2を通して浄化した後に、浄化した空気を下流側のケーシング上部1Bの上部の排気口15から、矢印Cで示すように部屋Rの外部に排気するようになっている。
【0023】
図1に示すケーシング1の上流側のケーシング下部1Aと下流側のケーシング上部1Bは、上述したように空気の通気路を形成しており、HEPAフィルタ2がこのケーシング1内の途中の位置において、着脱部300を用いて着脱可能に設けられている。ケーシング1の上流側のケーシング下部1Aは、HEPAフィルタ2の下側に位置し、下流側のケーシング上部1Bは、は、HEPAフィルタ2の上側に位置している。すなわち、上流側のケーシング下部1Aは、HEPAフィルタ2に対して空気の上流側に位置しており、下流側のケーシング上部1Bは、HEPAフィルタ2に対して空気の下流側に位置している。
上流側のケーシング下部1Aには、空気の吸気口3が設けられている。
図5は、
図2に示すプレフィルタ4におけるD−D線の断面構造例を示している。
図5に示すように、この吸気口3の開口110には、プレフィルタ4が着脱可能に設けられている。このプレフィルタ4は、HEPAフィルタ2に対して上流側に配置されており、HEPAフィルタ2に比べて、比較的大きな塵埃を捕集することができる。
図1に示すように、上流側のケーシング下部1A内には、傾斜床CFが形成されている。この傾斜床CFは、上流側のケーシング下部1Aの背面側から吸気口3に向けて下がるように湾曲して形成されている。これにより、HEPAフィルタ2の下面側を洗浄水で洗浄して清掃した場合に、上流側のケーシング下部1A内からの洗浄水の排出を容易にしている。
【0024】
図1に示すHEPAフィルタ2は、例えば処理風量が19.6m3/min、圧力損失が250Pa、そして0.3μmの粒子に対するろ過効率が99.99%以上のフィルタである。
図6は、HEPAフィルタ2をケーシング1内に着脱可能に取り付けるための着脱部300の構造例を示している。
図6に示すように、着脱部300は、フィルタ取付枠103を有しており、フィルタ取付枠103は、
図1のケーシング1の中間位置において水平に固定されている。
図6に示す4本の長尺ボルト104が、フィルタ取付枠103に対して下向きに固定されている。各長尺ボルト104は、HEPAフィルタ2の各辺の中間位置に位置されている。HEPAフィルタ2は、スポンジパッキン等のシール部材(ガスケット)102を介して、フィルタ取付枠103に対して押し付けて、長尺ボルト104に対してフィルタ押さえ板105を用いてナット106を締め付けることで、HEPAフィルタ2は、気密状態でフィルタ取付枠103に取り付けられている。
【0025】
これにより、
図6に示すように、作業者は、HEPAフィルタ2を交換する際に、HEPAフィルタ2を上流側のケーシング下部1A側からフィルタ取付枠103に対してT方向に沿って上向きに取り付けることができ、T方向とは反対方向に取り外すことができる。すなわち、作業者は、HEPAフィルタ2を空気の上流側(下側)から交換することができる。なお、
図6に示すように、ラス網107が、HEPAフィルタ2を保護するために、フィルタ取付枠103のケーシング下部1A側に設けられている。
【0026】
図1に示すように、上流側のケーシング下部1Aの空気の吸気口3には、上流側検出チューブ端子111が設けられている。
上流側検出チューブ端子111は、ケーシング1の外側であって、チャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間において、上流側空気を捕捉して上流側検出チューブ17を通じて、パーティカルカウンタ19内に案内することができる空気浄化部よりも上流側のケーシング下部の外側で空気を捕捉する上流側検出部の一例である。
【0027】
図1に示すように、HEPAフィルタ2よりも上側に位置される下流側のケーシング上部1Bには、空気浄化時に密閉自在な下流側検出口6が設けられている。
図7は、この下流側検出口6の付近を示しており、下流側検出口6には、複数の樹脂チューブ接続治具112が配置されている。樹脂チューブ接続治具112は、下流側検出チューブ18とサンプリングプローブ8の樹脂チューブ7を、下流側検出口プラグ113と下流側検出口ソケット114を介してそれぞれ接続する。
各樹脂チューブ接続治具112は、溶接によりケーシング1の下流側検出口6の受け部6aに取り付けられている。リーク試験時にケーシング1の下流側検出口6のカバー6bを外して変形自在な樹脂チューブ18が接続される。樹脂チューブ7の先端には常時サンプリングプローブ8が接続されている。
【0028】
樹脂チューブ7は、自由に変形可能なチューブであり、サンプリングプローブ8をHEPAフィルタ2の下流側端面上およびその周辺で、2次元的(平面的)に移動させるのに十分な長さを有している。
【0029】
図1に示すサンプリングプローブ8の基端はソケットを有し、この基端から先端に向けて断面積が徐々に拡大し、先端が矩形に開口する形状に形成されている。サンプリングプローブ8は、樹脂チューブ7の先端に接続された継手を介して樹脂チューブ7に接続されている。
図1に示すように、下流側のケーシング上部1Bの上部には、後述する作業者Mが下流側のケーシング上部1Bの内部を、目視で直接観察することができるようにするための観察窓115が設けられている。すなわち、
図1と
図2に示す観察窓115は、グローブ14とサンプリンググローブ8を作業者が目で直接目視するための覗き窓であるが、観察窓115は、下流側のケーシング上部1Bにおいてグローブ14の上の位置に配置されており、作業者Mがサンプリングプローブ8を直接的に視認することができる。この観察窓115は、例えば透明なガラス板をはめ込むことで構成されている。
【0030】
下流側検出口6と同じ水平高さの位置には、グローブ14が設けられている。
図8は、グローブ14の取り付け構造例を示している。
図8に示すグローブ14は、例えば透明の合成樹脂製の手袋であり、グローブポート116に対して、Oリング117を用いて気密状態になるように固定されている。グローブ14は、HEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング上部1B内の任意の位置で、サンプリングプローブ8を2次元的に走査する作業を行うために十分な大きさを有している。グローブ14は、作業者Mが手を入れるようになっており、グローブ14は、下流側のケーシング上部1Bの前面側において、観察窓115と別体的(別々の位置)に設けられて、作業者Mの手を入れるために変形自在で気密な構造を有する。このグローブ14は、下流側のケーシング上部1Bに配置されてサンプリングプローブ8を手動で移動操作させることができる操作部の一例である。
【0031】
図1に示すように、下流側のケーシング上部1Bの最下流には、排気口15が設けられている。また、排気口15は断面形状が矩形に形成されている。排気口15内には、ケーシング1から排出される浄化空気の風量(ケーシング1に吸い込まれる空気の吸い込み量)を調整自在なダンパを設けることもできる。
この排気口15は、不図示の排気ダクトに接続されており、浄化空気は排気ダクトを通って室外に排出される。なお、排気ダクトの通気路中には送風機が設けられており、この送風機によって室内の空気を空気浄化装置内に吸引する構成となっている。空気浄化装置100では、
図1に示すHEPAフィルタ2、プレフィルタ4、樹脂チューブ7と
図8に示すグローブ14、O−リング117等を除いて、そのほとんどの部分がSUSで構成されている。
【0032】
次に、
図1を参照して、空気浄化装置100による空気の浄化動作について説明する。
図1に示す部屋Rの空気を浄化する時には、上流側検出部である上流側検出チューブ端子111は、プレフィルタ4により封止され、下流側検出口6は樹脂チューブ接続治具112によって封止されている。また、グローブ14は、下流側のケーシング上部1Bの中において使用できる状態となっている。
ケーシング1の図示しない送風機が駆動すると、部屋Rの空気は、吸気口3から上流側のケーシング下部1A内に吸い込まれて、プレフィルタ4を通過する。この時には比較的大きな粒子や塵埃等がプレフィルタ4で捕集される。プレフィルタ4を通過した空気は、HEPAフィルタ2を通過する。この時には、ケミカルハザード物質等の室内空気に含まれる粒子状の汚染物質は、このHEPAフィルタ2によって捕集され、室内から吸い込まれた空気は浄化される。浄化された空気は、下流側のケーシング上部1B、排気口15、そして排気ダクトを通って室外に排出される。
なお、この空気浄化装置100ではプレフィルタ4により封止される部分の開口は従来よりも大きくされ、多くの空気を取り込むことができるようになっており、このため、プレフィルタ4の通気開口側断面積も従来より大きくすることで、チャンバー109で分散均一化された試験用粒子を不均一化することなくケーシング下部1Aへ導入することができる。
【0033】
次に、
図1を参照して、空気浄化装置の試験システムすなわち、試験装置101を説明する。
図1に示すように、空気浄化装置の試験システム101は、空気浄化装置100と、粒子発生器20と、チャンバー109と、パーティクルカウンタ19等を有している。
このチャンバー109は、粒子発生器20が発生する多数の粒子を均一に分散させて、上流側のケーシング下部1A側に供給する機能を有する。粒子発生器20は、空気浄化装置100のリーク試験時に、空気浄化装置100のケーシング1の上流側に試験用粒子を供給するための試験用粒子供給部の一例である。パーティクルカウンタ19は、試験用粒子を検出する試験用粒子検出部の一例である。
リーク試験時には、試験用粒子供給部であるPAO(ポリアルファオレフィン)粒子発生器20は、導入管108によりチャンバー109に接続される。チャンバー109は、プレフィルタ4を介して取り込んだ空気に混入されるPAO粒子(後述)の均一化部または均一化装置の一例である。
上述した浄化装置100では、プレフィルタ4を大きくし、多くの空気を導入できるようにしたことに伴い、開口110を大きくしたため、診断システム101を使用する際に、試験、診断時に混入されるPAO粒子の拡散均一度を向上させる必要があり、そのため、粒子を分散して均一化する粒子分散部(粒子分散手段)を設けている。
チャンバー109は、粒子発生器20から導入される試験用粒子を拡散均一化するのに十分な空間を内部に備える装置である。
図1,
図2,
図3に示されているように、作業者Mと空気浄化装置100との間に位置するように、架台5の上に配置されて、ケーシング下部1Aの開口110に位置合わせされている。
このチャンバー109には、粒子発生器20から延びる導入管108が接続されている。すなわち、試験用粒子供給部としての粒子発生器20は、空気浄化装置100のリーク試験時だけに多数の試験用粒子を上流側のケーシング下部1A内に供給することができる。粒子発生器20が発生する多数の試験用粒子は、導入管108を通じてチャンバー109に導き、チャンバー109はこの多数の試験用粒子を均一に分散する。このチャンバー109は、粒子発生器20から供給された多数の試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部であり、リーク試験の際に試験システム(試験装置)を構成する際にだけ取付けられる。
このチャンバー109は
図1及び
図3を参照して理解されるように、試験作業の作業者Mと、ケーシング1との間において、架台5の上に配置される。
チャンバー109は例えば、内部に空間を有するようにしたほぼ矩形の箱状の形態であり、外部からの空気を取り入れることができるように、空気の吸込口が形成されている。吸込口は、例えば、
図3に示されているように、チャンバー109の正面の略中央付近に四角形に設けた開口である正面の吸込口25と、
図1に示すように、側面に長方形の開口として設けた側面吸込口23を有しており、この実施形態は側面吸込口23は、
図1に現れていない反対の側面にも設けられている。チャンバー109とケーシング1との間の隙間には、
図1に平行斜線で示すように、リーク防止のため例えばガスケットなどの目止め21が施され、この目止め21は、チャンバー109とケーシング1との間の隙間を全て埋めるように、チャンバー109の全周にわたって設けられることにより、気密状態を維持するようにされている。
ここで、導入管108は、好ましくは、チャンバー109の略中央まで引き回されて、該チャンバー109の中央部の吸込口25に試験用粒子をチャンバー109内に導くようになっている。これにより、吸込口23と吸込口25,25の三方から吸い込まれた空気でチャンバー109内で該試験用微粒子がミキシングされて均一に拡散し易いようにされている。
これに対応して、上流側検出チューブ端子111は、ケーシング1の外側であって、チャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間で、しかもチャンバー出口109aの中央部に配置されており、当該箇所において、適切に拡散されてチャンバー109から出される粒子を代表して検出するようにされている。これにより精密な計測が可能となるようになっている。
【0034】
チャンバー109のチャンバー出口109aと上流側のケーシング下部1Aの開口110とは対峙させ、開口110に設けたプレフィルタ4を取り外す。これにより、チャンバー109のチャンバー出口109aと上流側のケーシング下部1Aの開口110とは接続する。また、リーク試験時には、
図7に示す下流側検出口6のカバー6bとプラグ113が外される。
図1に示すように、上流側検出部である上流側検出チューブ端子111は、チャンバー109と上流側のケーシング下部1Aの開口110との間に設置される。この上流側検出チューブ17が、上流側検出部である上流側検出チューブ端子111とパーティクルカウンタ19の間に設けられている。
図7に示すように、下流側検出口6の樹脂チューブ接続治具112には、下流側検出チューブ18が接続される。このように、上流側検出チューブ17と下流側検出チューブ18は、試験用粒子検出部であるパーティクルカウンタ(LASAIR、PMS社製)19に接続される。
【0035】
次に、
図1を参照して、空気浄化装置の試験システム101による空気浄化装置100のリーク試験について説明する。
リーク試験では、まず
図1に示すPAO粒子発生器20から試験用粒子としてPAO粒子が供給される。このときPAO粒子は、粒子濃度がHEPAフィルタ2の上流側で106〜107個/ft3(3.5×107〜3.5×108個/m3)となるように供給される。PAO粒子の粒子濃度は、ダンパの開度やコンプレッサからの圧縮空気の供給によって調整される。HEPAフィルタ2の上流側のチャンバー109と上流側のケーシング下部1Aの開口110との間の空気の一部は、上流側検出チューブ端子111により捕捉されて上流側検出チューブ17に案内され、上流側検出チューブ17を通ってパーティクルカウンタ19に送られる。これにより、パーティクルカウンタ19は、上流側空気に含まれるPAO粒子を検出して、HEPAフィルタ2の上流側のPAO粒子濃度を測定することができる。
【0036】
図1に示すHEPAフィルタ2の上流側でのPAO粒子濃度が予め定めた範囲内であることが確認されたら、作業者はグローブ14に手を入れてサンプリングプローブ8を持ち、観察窓113を通じて、HEPAフィルタ2の下流側端面およびその周辺を直接見ながら、サンプリングプローブ8をHEPAフィルタ2のフィルタ面およびシール部に沿ってスキャン(走査)する。
HEPAフィルタ2の下流側のケーシング上部1B内の空気の一部は、スキャン中のサンプリングプローブ8により捕捉されて、樹脂チューブ7に案内され、下流側検出口6および下流側検出チューブ18を通ってパーティクルカウンタ19に送られる。これにより、パーティクルカウンタ19は、下流側空気に含まれるPAO粒子を検出し、HEPAフィルタ2の下流側のPAO粒子濃度を測定することができる。
FDAの無菌操作ガイドラインにあるHEPAフィルタの局所的な許容基準リーク率は、0.01%(102〜103個/ft3又は約3.5×103〜3.5×104個/m3)以下である。試験システム101では、装置の運転状態、HEPAフィルタ2の大きさ、およびサンプリングプローブ8の開口面積等の条件によって異なるが、サンプリングプローブ8を5cm/s程度の速度にて移動して走査させることにより、上記基準によるリーク試験を実施することができる。
【0037】
次に、
図1と
図2に示す空気浄化装置100のメンテナンスについて説明する。
図9は、HEPAフィルタ2の交換作業の例を示しており、
図9を参照してHEPAフィルタ2の交換作業について説明する。
リーク試験で試験用粒子の数を検出したことにより上記基準値を上回る結果が検出された場合や、HEPAフィルタ2の浄化能力が低下(例えば差圧計によって目詰まりを検出)した場合、またはHEPAフィルタ2の耐久期限を迎えた場合等には、使用したHEPAフィルタ2を新たなHEPAフィルタ2に交換することがある。
【0038】
HEPAフィルタ2の交換作業は、
図9(a)〜
図9(e)に示すとおりである。
図9(a)に示すように、外部ホース114がプレフィルタ4へ散水することで、プレフィルタ4に付着した粉塵が飛散するのを防止し、
図9(b)に示すように、プレフィルタ4は粉塵の飛散を防止してから取り外す。
図9(c)に示すように、外部ホース114が上流側のケーシング下部1Aの内部へ散水して、HEPAフィルタ2の空気流の上流側の面2Fに付着した粉塵を洗い流すと共に、HEPAフィルタ2の少なくも上流側の面2Fが水洗される。
【0039】
次に、
図9(d)に示すように、使用済のHEPAフィルタ2(区別のために2Aと示す)と新規のHEPAフィルタ2(区別のために2Bと示す)を、
図1と
図6に示す着脱部300において交換するために、
図6に示す使用済HEPAフィルタ2Aのナット106を緩めて押さえ板105をずらして、フィルタ取付枠103に固定された使用済HEPAフィルタ2Aを取り外す。そして、新規HEPAフィルタ2Bをスタッドボルト104に挿通した押さえ板105で留めてナット106で締め付けてフィルタ取付枠103に固定する。最後に、
図9(e)に示すように、洗浄したプレフィルタ4を取り付ける。
なお、
図9に示す水洗によるフィルタ交換は一例であり、粉塵が飛散しない場合、粉塵の有害性がない場合には、水洗することなくHEPAフィルタ2の交換をする場合もある。
【0040】
新たにHEPAフィルタ2が取り付けられた際のリーク試験は、前述したリーク試験と同様に行われる。このようなHEPAフィルタ2の交換作業により、HEPAフィルタ2に捕集されたケミカルハザード物質等の汚染物質が、フィルタ交換作業に伴い空気浄化装置から飛散することを防止することが可能となる。
HEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内には、浄化される前の空気が通ることから、HEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内は比較的汚れやすい。また、リーク試験を行った場合では、上流側のケーシング下部1A内にはPAO粒子が付着する。このような場合には通常水洗いが行われる。
図1に示す空気浄化装置100では、上流側のケーシング下部1A側からHEPAフィルタ2を取り付けるようになっていることから、水洗時には
図9(c)に示すようにHEPAフィルタ2の上流側の面2F側を濡らすことができ、上流側の面2Fに付着した粉塵が飛散することを防止できる。上流側のケーシング下部1Aの床面が、吸気口3に向けて傾斜した傾斜床CFをしていることから、上流側のケーシング下部1Aにおける水洗時における水はけが良い。
【0041】
なお、
図1の空気浄化装置100では、通常の空気浄化時には、樹脂チューブ7の基端がサンプリングプローブ8の開口部に挿入された状態(すなわち樹脂チューブ7およびサンプリングプローブ8の内部空間が外部から閉塞された状態)で、両者を上流側のケーシング下部1A内に空気の流れの抵抗とならぬようにケーシング内壁に固定するなどして収納することができる。
【0042】
図1に示す空気浄化装置100は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシング1と、このケーシング1内に設けられて空気の上流側のケーシング下部1A側から(下側から)交換可能であり、ケーシング1を通る空気を浄化するHEPAフィルタ2と、リーク試験時にHEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内の空気を捕捉して案内するチャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間に設けた上流側検出チューブ端子111(上流側検出部)と、HEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング上部1B内を移動自在であり、リーク試験時にHEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング1B内の空気を捕捉して案内するサンプリングプローブ8と、を有する。
このことから、空気浄化装置100は、空気を浄化することができ、かつ空気を浄化する状態について精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
【0043】
そして、空気浄化装置100の下流側のケーシング上部1Bには、HEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング上部1B内を外部から観察するための覗きガラス窓である観察窓115が設けられていることから、作業者は、リーク試験時にサンプリングプローブ8の位置を目視で直接視認することができ、サンプリング作業をより容易に行うことができる。
図1の作業者Mが、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内を、外部から観察するための観察窓115を有することが、リーク試験時におけるより正確なスキャンニングやリーク箇所の特定をする上で好ましい。このような観察窓115としては、例えば、下流側のケーシング上部1Bに設けられた開口部位を透明樹脂フィルムやガラス等の光透過性物質で気密に塞いだ構成等を例示することができる。
【0044】
空気浄化装置100は、サンプリングプローブ8を自在に走査するためのグローブ14を有することから、作業者はリーク試験時において手動でサンプリングプローブ8を任意にスキャンニングすることができ、リーク箇所の特定がより容易である。グローブ14は、例えば透明ビニール等の合成樹脂等で成形されていることから、グローブ14内に挿入した作業者の手を観察窓115から直接視認することができ、リーク試験時のスキャンニングやメンテナンス作業をより容易に行うことができる。
図1の空気浄化装置100では、上流側のケーシング下部1Aの床面が、吸気3に向けて傾斜した傾斜床CFになっていることから、リーク試験後等にHEPAフィルタ2の上流側の面を洗浄した場合に、上流側のケーシング下部1A内の水洗における水はけが良く、水洗後の上流側のケーシング下部1A内をより清潔な状態に容易にすることができ、ケーシング1のメンテナンス性により優れている。
【0045】
試験システム101は、HEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内にPAO粒子を供給するPAO粒子発生器20と、チャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間に設けた上流側検出チューブ端子111により案内される上流側空気に含まれるPAO粒子(試験用粒子)と、サンプリングプローブ8から案内される下流側空気に含まれるPAO粒子を検出するパーティクルカウンタ19とを有する。このことから、微少なリークの検出およびリーク箇所の特定が容易にでき、空気を浄化する状態の空気浄化装置について、精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
試験システム101は、断面形状が矩形のケーシング1に対して、矩形の開口端を有するサンプリングプローブ8が用いられることから、下流側のケーシング上部1Bの角部やHEPAフィルタ2の取り付け部(シール部)周辺においても、HEPAフィルタ2の下流側のケーシング上部1B内をもれなくスキャンして、角部周辺の空気も捕捉、案内できることから、より精密なリーク試験を実施することができる。
【0046】
図1に示すケーシング1は、浄化されるべき空気の通気路を形成するものであれば特に限定されないが、SUS製または鋼製であることが、装置の耐圧性や気密性を維持する上で好ましい。
図1と
図6に示すに示す空気浄化部としてのHEPAフィルタ2は、粒子状の汚染物質を捕集するものであれば特に限定されない。この空気浄化部としては、例えば、準HEPAフィルタ、HEPAフィルタやULPAフィルタ、超ULPAフィルタ等の高性能フィルタを例示することができ、排気系の空気浄化装置としては、HEPAフィルタが好ましくは用いられる。空気浄化部のケーシング1への取り付けは気密に行われるが、空気浄化部の取り付けには、
図6に例示したように長尺ボルトとナットまたはカム等の締め付け部材を用いることが、取り付けの気密性を確保する上で好ましい。
【0047】
図1に示す上流側検出部としての上流側検出チューブ端子111は、リーク試験時に空気浄化部よりも上流側でかつケーシング1の外側で空気を捕捉して案内でき、試験用粒子検出部であるパーティクルカウンタ19と接続できるものであれば、特に限定されない。上流側検出部は、リーク試験時に開放でき、空気浄化時には密閉自在なものであることが好ましい。このような上流側検出部は、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部としての粒子発生器20から試験用粒子を導入管108によりチャンバー109に導き、チャンバー出口109aとケーシング1の開口(プレフィルタがあれば吸気口でなければ開口)との間で、ケーシング1の上流側空気を捕捉して案内することができる。
【0048】
図1のサンプリングプローブ8は、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内、特に空気浄化部2の下流側端面およびその近傍を移動自在であり、リーク試験時に空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内の空気を捕捉して案内するものであれば良い。
図1のサンプリングプローブ8を自在に操作するための操作部としてのグローブ14を有することが、リーク試験時におけるより正確なスキャンニングやリーク箇所の特定をする上で好ましい。操作部は、空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内(特に空気浄化部下流側端面およびその近傍)でサンプリングプローブ8を自在に操作できるものであれば特に限定されないが、空気浄化部の交換等のメンテナンス作業にも活用できるものであることがより好ましい。このような操作部としては、樹脂製のグローブ等の変形自在かつ気密なグローブを例示することができる。さらに操作部は透明グローブであると操作時における手の形状を視認することができより一層好ましい。
【0049】
サンプリングプローブ8を移動自在にする構成としては、作業者Mが手動でサンプリングプローブ8を移動させる構成であっても良いし、サンプリングプローブ8が自動的に空気浄化部2の下流側端面近傍を移動する構成であっても良い。サンプリングプローブ8を手動により移動自在な構成とすると、簡易な構成で移動自在とすることができ、空気浄化時の汚染源となるおそれも少なく、かつ微少なリーク箇所の特定にも有利であり好ましい。
サンプリングプローブ8を手動で移動自在とする構成としては、例えば変形自在かつ気密な管状体の先端にサンプリングプローブを接続する構成を例示できる。
【0050】
図1のサンプリングプローブ8としては、基端に比して先端が広く開口しているものを好ましくは例示することができ、先端の開口面積が適度なものを用いると、精度の良いリーク試験を実施する上で好ましい。サンプリングプローブ8の先端の開口面積は、空気浄化部2の浄化能力や断面積、空気浄化装置の運転条件等に応じて適切に決定することができる。
サンプリングプローブ8の先端の開口形状は、ケーシング1の断面形状、空気浄化部2の下流側端面の形状、空気浄化部2とケーシング1との取り付け部の形状等によって決めることが好ましい。例えばケーシング1の断面形状が矩形である場合では、サンプリングプローブ8の開口形状も矩形とすると、リーク試験時においてケーシングの角部でも隙間無く空気の捕捉ができ、より正確にスキャンニングすることができる。また、断面形状が円形、楕円形等も使用できる。
【0051】
図1のサンプリングプローブ8は、リーク試験時に開放でき、空気浄化時には密閉自在な下流側検出口を浄化部下流側のケーシング1に設け、ケーシング1内において下流側検出口6に接続する構成とすると、個々の空気浄化装置のリーク試験を行うのにより便利であり好ましい。このような下流側検出口6としては、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内に開口し、かつ密閉自在な管状体、例えばバルブを備える通気管やプラグ封入が可能なソケット等を例示できる。
図1に示す試験用粒子供給部としての粒子発生器20は、空気浄化部2よりも上流側のケーシング下部1A内に試験用粒子を供給するが特に限定されず、当該技術分野において従来知られている粒子発生装置等を用いることができる。試験用粒子供給部は、リーク試験に用いられる試験用粒子の種類によって適当なものが用いられる。試験用粒子供給部は、リーク試験時に空気浄化部2よりも上流側のケーシング下部1Aに直接接続されていなくても良く、例えば適当なダクト等を介して上流側のケーシング下部1Aと接続されて試験用粒子を供給するものであっても良い。
【0052】
リーク試験の規格は、空気浄化部の種類や浄化すべき空気の性状等によって異なることから、試験用粒子供給部は、試験用粒子の粒径や供給量を自在に調整できることが好ましい。例えば空気浄化部としてHEPAフィルタ2が用いられる場合では、HEPAフィルタ2の上流側のケーシング下部1A内に、粒径0.3μmの試験用粒子の粒子濃度が106〜107個/ft3(3.5×107〜3.5×108個/m3)となるように試験用粒子を供給することが好ましい。試験用粒子の粒径および供給量は、例えば試験用粒子を発生させるノズルの種類や試験用粒子の発生条件(例えば圧力や風量等)などによって調整することができる。
試験用粒子としては、従来DOPが使用されてきたがフィルタ汚染問題、発がん性、内分泌かく乱物質の人体有害問題の疑いからJISZ8901の試験用粒子2の1種として規定されるポリアルファオレフィン(PAO)粒子が代替粒子として用いられる。このPAO粒子を試験用粒子とする場合の試験用粒子供給部には、例えばJISB9927に示されるように、ラスキンノズルと呼ばれるノズルをPAO液中に浸漬し、ノズルの穴より噴出する圧縮空気流により粒径1μm以下のPAO粒子を発生させるものを用いることができる。
【0053】
PAO等の液体ミストの揮発が汚染源となりうる環境では、試験用粒子として個体粒子を用いることが好ましい。このような試験用粒子としては、例えば特開平8−136437号公報に記載されているシリカ粒子を例示することができる。このシリカ粒子を試験用粒子とする場合では、試験用粒子供給部には、例えば、コロイダルシリカ懸濁液が投入され、またコリソン型アトマイザが収容されている粒子発生器と、この発生器に圧縮空気を送り込むための送気管と、この送気管に接続されるフィルタ、レギュレータ、流量計、および圧力計と、粒子発生器で発生した含シリカ液滴粒子を乾燥する乾燥筒とを有する装置を用いることができる。
【0054】
図1の上流側検出チューブ端子(上流側検出部)111およびサンプリングプローブ8は、それぞれ空気を取り入れて、例えばケーシング1外に設けられた計測器等の試験用粒子検出部としてのパーティカルカウンタ19に案内する。試験用粒子検出部は、上流側検出チューブ端子111およびサンプリングプローブ8から案内される上流側空気および下流側空気のそれぞれに含まれる試験用粒子を検出する部であれば特に限定されず、当該技術分野で知られている装置を用いることができる。
試験用粒子検出部は、用いられる試験用粒子の種類によって適当なものが用いられる。試験用粒子検出部としては、例えば、PMS社製パーティクルカウンタ(LASAIR)や、JISZ4812にある光散乱式相対濃度計(例えばATI社製、TDA−2E)等を例示することができる。
【0055】
図1のグローブ14は交換することなく常にケーシング1内にあるので空気浄化中は気流の抵抗になるため、例えばケーシング1に面ファスナーの凹部を設け、グローブ14に面ファスナーの凸部を設けて、浄化中は気流の抵抗にならないようにグローブ14をケーシング1の内壁に固定しておくことができる。
空気浄化装置100は、SUSや鋼等の金属で形成された部材等を必要に応じて用い、着脱自在部位を除き全溶接構造とすることが、耐圧性や気密性等を維持する上で好ましい。空気浄化装置100は、好ましくは排気系に用いられるが、例えばチャンバー等により閉鎖された空間に浄化された空気を供給するなど、清浄空間を形成するために用いられても良いし、清浄空間や製造室等の壁面や通気路等の一部を構成するユニットとして利用することもできる。試験システム101は、空気浄化装置100のリーク試験を行うためのシステムであるが、空気浄化部2のリーク試験に用いても良い。
【0056】
空気浄化装置100は、HEPAフィルタ2を、上流側のケーシング下部1Aの着脱部300のフィルタ取付枠103に対して,上流側(下側)から着脱自在に取り付けているために、作業者Mは、従来のビニールバッグを使用する必要がなくフィルタを安全に交換することができ、作業者Mは、フィルタ交換が簡単で、短時間に、特段の熟練技術を要することなくできる。
従来では上流側検出口を装置前面に設ける必要があり、前面のプレフィルタの設置面積が制約を受けたが、上流側濃度は空気浄化装置の外で行なうので、プレフィルタの設置に制約されることなく前面に寸法いっぱいに設置できる。
【0057】
従来は観察窓とビニールバッグとグローブを一体化していたために、観察窓とビニールバッグとグローブがケーシングの前面の中央部に集中して配置されていることから、作業者Mがケーシング内のサンプリングプローブを目視で観察するための視野が狭く、プローブ走査が直接確認できずに確認動作がしづらいという問題があった。
しかし、本発明の実施形態では、下流側のケーシング上部1Bにおいて、グローブ14の上部の位置に別体として離して観察窓115を設けたため、ケーシング1の下流側のケーシング上部1Bの内部全体およびサンプリングプローブを目視で直接見渡すことができる。このため、作業者Mは、精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
従来は観察窓とビニールバッグとグローブを一体化した構造とする必要があるために、HEPAフィルタの交換のたびにグローブを新しく交換して取り付ける必要があり、廃棄物が生じていた。これに対して、本発明の実施形態では、グローブは交換の必要が無いために廃棄物の発生を防ぐことができる。
【0058】
空気浄化装置100は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシング1と、このケーシング1内に設けられてケーシング1を通る空気を浄化する空気浄化部2とを有し、リーク試験時に空気浄化部2よりも上流側の空気を捕捉して案内するチャンバー出口とケーシング下部の開口の間に設けた上流側検出チューブ端子111と空気浄化部2よりも下流側のケーシング1内を移動自在であり、リーク試験時に空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内の空気を捕捉して案内するサンプリングプローブ8とを有することから、空気を浄化することができ、かつ空気を浄化する状態について精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
【0059】
図1に示す本発明の実施形態の試験システム101は、空気浄化部2が実際に設けられた状態での空気浄化装置100について、空気浄化部2のみならず空気浄化部2とケーシング1との取り付け部分のリークの有無についても検出することができ、空気浄化装置100について精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
空気浄化装置およびその試験システムでは、空気浄化部がHEPAフィルタであると、ケミカルハザード物質の捕集、除去など高度な浄化を要する空気の浄化にも使用することができ、また高度な浄化を要する空気浄化装置100のリーク試験を実施することができる。
【0060】
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100およびその試験システム101は、空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内を外部から観察するための観察窓115を有すると、作業者Mはリーク試験時において空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内の様子を視認することができ、リーク試験においてより精密な作業を容易に行うことができる。
空気浄化装置100およびその試験システム101は、サンプリングプローブ8を自在に操作するための操作部(グローブ14)を有するので、作業者はリーク試験時におけるスキャンニングを任意に行うことができ、より容易かつ正確にリーク箇所を特定することができる。
空気浄化装置100およびその試験システム101では、操作部(グローブ14)が変形自在かつ気密なグローブであると、イニシャルコストをより低くすることができ、空気浄化時には操作部を容易に収納することができ、空気の浄化に影響を及ぼしにくく、かつ作業性の向上により一層効果的である。
【0061】
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、HEPAフィルタ2(空気浄化部)を、上流側のケーシング下部1Aのフィルタ取付枠に対して,上流側(下側)から着脱自在に取り付けることができるので、HEPAフィルタ2は上流側のケーシング下部1A側に突出している。
このため、HEPAフィルタ2が上流側のケーシング下部1A内で空気を捕捉すると、上流側の濃度を代表できないおそれがある。しかし、上流側検出チューブ端子(上流側検出部)111は、HEPAフィルタ2からのリーク試験時にHEPAフィルタ2よりも上流側であってケーシング1の外側で空気を捕捉して案内することができる。すなわち、上流側検出チューブ端子(上流側検出部)111は、ケーシング外で試験粒子を充満したチャンバー出口109a(ケーシング1の開口110)において試験粒子を検出できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できるというメリットがある。
【0062】
従来例では、HEPAフィルタが下流側のケーシング上部側から着脱自在に交換するようになっているので、必ず下流側のケーシング上部を気密状態に維持しながらビニールバッグの交換作業を行う必要がある。
これに対して、
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、HEPAフィルタ(空気浄化部2)を、上流側のケーシング下部1Aのフィルタ取付枠103に対して,上流側(下側)から着脱自在に交換することができる。このため、
図9に例示したように、上流側のケーシング下部1Bを水洗するだけで、HEPAフィルタをビニールバッグの交換をすることなく簡単に交換することができる。特に、HEPAフィルタの少なくとも上流側の面2Fを洗浄水により濡らすことができるので、HEPAフィルタの上流側の面2Fにおいて捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、HEPAフィルタの水洗作業やHEPAフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがないというメリットがある。
【0063】
従来例では、HEPAフィルタが下流側のケーシング上部1B側から着脱自在に交換するようになっているので、下流側のケーシング上部1Bは気密構造でなければならない。このためHEPAフィルタを交換するために透明なビニールバッグを予め下流側のケーシング上部カバー内に設定準備する必要がある。そして、従来例では、作業者は、この透明なビニールバッグを観察窓として利用しており、ビニールバッグとグローブが同じ高さ位置になっている。このため、従来例では、作業者は、ケーシング内全体を目視で見渡し難いという問題がある。
これに対して、
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、観察窓115の配置位置が、グローブ14の取り付け位置よりも上になっている。従って、三角形の破線で示すように、作業者Mの目の位置P1と、気密構造になっているグローブ14の取付け位置P2と、下流側のケーシング上部1B内におけるサンプリングプローブ8の走査面の先端(最奥)位置P3とが、例えばほぼ二等辺三角形を形成することができる。このため、
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、作業者Mの目の位置P1は、サンプリングプローブ8とグローブ14の位置よりも高い位置にあるので、作業者Mはケーシング1内の全体の様子を容易に見渡すことができ、サンプリングプローブ8の走査状況を確実に視認できる
また、HEPAフィルタ(空気浄化部2)を、上流側のケーシング下部1Aのフィルタ取付枠に対して,上流側(下側)から着脱自在に交換することができるので、下流側のケーシング上部1Bを気密化した構造を採用する必要がなく、しかも従来必要であったビニールバッグを使用する必要も無い。上流側のケーシング下部1Aを上流側のケーシング下部1A側から水洗することが容易にできるメリットがある。
【0064】
従来例では、下流側のケーシング上部においてフィルタ取付枠の上部にHEPAフィルタを載置しているために、サンプリングプローブは、フィルタ取付枠の取付け用のボルト等の突出物を避けながら水平方向だけではなく垂直方向にも動く必要、すなわち3次元的に複雑に動く必要がある。
これに対して、
図1の本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、
図6に示すように、HEPAフィルタ2は、T方向に沿って上流側から、すなわち下側からフィルタ取付枠103に取り付ける構造を採用している。このため、フィルタ取付枠103の上部には突出物がなくフラットな形状であるために、
図1に示すサンプリングプローブ8は平面的な2次元な走査をするだけでよい。このように、平面上をサンプリングプローブ8が走査するので、サンプリングプルーブ8は、HEPAフィルタ2の吹出面側に沿うようにして試験粒子のサンプリングが確実に行えるので、リーク試験の信頼性が高まるメリットがある。
【0065】
図1の本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明は様々な修正と変更が可能であり、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形が可能である。
前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の空気浄化装置。
前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の試験システム。
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の試験システム。