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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-121649(P2015-121649A)
(43)【公開日】2015年7月2日
(54)【発明の名称】インナーフォーカス式レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20150605BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20150605BHJP
   G03B 5/00 20060101ALI20150605BHJP
【FI】
   G02B13/04 D
   G02B13/18
   G03B5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-265041(P2013-265041)
(22)【出願日】2013年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
【住所又は居所】埼玉県さいたま市見沼区蓮沼1385番地
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】坂井 隆彦
【住所又は居所】埼玉県さいたま市見沼区蓮沼1385番地 株式会社タムロン内
【テーマコード(参考)】
2H087
2K005
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA03
2H087MA07
2H087NA07
2H087PA06
2H087PA17
2H087PB06
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA46
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2K005AA05
2K005CA02
2K005CA23
(57)【要約】
【課題】小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、動画撮影に適した高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供する。
【解決手段】このインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G13と、が配置されて構成される。第1レンズ群G11に含まれる負レンズL113が、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。第2レンズ群G12は、光軸に沿って移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。そして、所定の条件を満足することにより、動画撮影に対応可能な高い結像性能を備えた小型、広角のインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行うインナーフォーカス式レンズであって、
前記第1レンズ群の最も物体側には負のメニスカスレンズが配置され、
前記第2レンズ群は単レンズ成分で構成され、
前記第1レンズ群または前記第3レンズ群は、光軸に対して垂直方向へ移動させることで防振補正を行う単レンズ成分からなる防振補正レンズを備え、
以下に示す条件式を満足することを特徴とするインナーフォーカス式レンズ。
(1) 0.34≦f1/f≦1.48
ただし、f1は無限遠物体合焦状態における前記第1レンズ群の焦点距離、fは無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離を示す。
【請求項2】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のインナーフォーカス式レンズ。
(2) 0.82≦f3/f≦3.81
ただし、f3は無限遠物体合焦状態における前記第3レンズ群の焦点距離を示す。
【請求項3】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のインナーフォーカス式レンズ。
(3) 0.10≦|βr×(1−βv)|≦1.36
ただし、βrは前記防振補正レンズよりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率、βvは前記防振補正レンズの横倍率を示す。
【請求項4】
前記第3レンズ群の最も像面側には、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズが配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のインナーフォーカス式レンズ。
【請求項5】
前記防振補正レンズは、前記第2レンズ群に隣接配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のインナーフォーカス式レンズ。
【請求項6】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のインナーフォーカス式レンズ。
(4) 0.16≦L1s/L≦0.60
ただし、L1sは前記第1レンズ群の最物体側面から開口絞りまでの軸上距離、Lは光学系全長を示す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型、軽量のインナーフォーカス式レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特に一眼レフレックスカメラ用レンズ等は、焦点距離に対して長いフランジバックを確保すべく、光学系後方に正レンズ群を配置してバックフォーカスの確保が容易になるような構成を採用しているものが多かった。しかし、近年、カメラボディーの小型化が進んだことや、デジタルカメラの普及により、長いフランジバックを確保する必要がない場合も増えてきている。そこで、小型カメラに搭載可能なように、バックフォーカスが比較的短いインナーフォーカス式レンズが提案されている(たとえば、特許文献1、2を参照。)。
【0003】
特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群が配置され、第2レンズ群を移動させることによってフォーカシングを行うものであて、35mmフィルムカメラ換算で広角の焦点距離を有している。
【0004】
特許文献2に開示されたインナーフォーカス式レンズは、物体側より、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群が配置され、第2レンズ群を移動させることによりフォーカシングを行うものであって、35mmフィルムカメラ換算で標準の焦点距離を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3579627号公報
【特許文献2】特開2012−189637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルカメラでは、動画撮影も可能なことから、動画撮影に対応した高速なオートフォーカス処理が望まれる。オートフォーカスは、まず、一部のレンズ群(フォーカス群)を光軸方向に高速で振動させて(ウォブリング)、非合焦状態→合焦状態→非合焦状態を作り出す。そして、撮像素子の出力信号から一部画像領域の特定の周波数帯の信号成分を検出して、合焦状態となるフォーカス群の最適位置を求め、その最適位置にフォーカス群を移動させる。特に、動画撮影では、これら一連の動作を高速で連続して繰り返すことが要求される。
【0007】
特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群が正レンズで構成されているため重く、駆動が遅くなるため、迅速なオートフォーカスを行うことができず、動画撮影には適さないという問題がある。
【0008】
また、動画撮影時には、被写体の動作に合わせてカメラの向きを変えたり、撮影者の移動が必要になったりする場合が多いため、像ぶれが発生しやすくなる。このため、撮影レンズには、防振補正機能が備えられていることが好ましい。しかしながら、特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズには、防振補正機能がない。この点からも、特許文献1に開示されたインナーフォーカス式レンズは、動画撮影には適さない撮影レンズと云える。
【0009】
特許文献2に開示されたに開示されたインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群に負レンズを採用することでフォーカス群の軽量化が図られており、また防振補正機能も備えられていることから、動画撮影にも対応可能な撮影レンズである。しかしながら、広角化を目的としたものではないため、広角化を図るうえで必要とされる、像面湾曲、歪曲収差の補正や周辺光量の確保といった点が考慮されていない。
【0010】
また、従来、光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像センサにおいては、オンチップマイクロレンズ等で入射光の効率的な取り込みをするための制限があり、レンズ側で射出瞳をある一定以上大きくして撮像センサへの入射光束のテレセントリック性を確保することが望まれていた。
【0011】
しかしながら、近年の撮像センサでは開口率の向上やオンチップマイクロレンズの設計自由度の進歩があり、撮影レンズ側に求められる射出瞳の制限も少なくなってきた。昨今のソフトウェアやカメラシステムの進歩、向上もあり歪曲収差がある程度大きく、従来では目立つものであっても画像処理により補正することも可能になってきている。
【0012】
このため、従来の撮影レンズでは、光学系後方に正レンズを配置して、テレセントリック性が確保されていたが、近年ではその必要がなくなってきており、光学系後方に負レンズを配置して撮像センサに対する光束の斜入射があってもオンチップマイクロレンズとの瞳のミスマッチ等での周辺減光(シェーディング)が目立ちにくくなってきた。また、光学系後方に負レンズを配置することが可能になったことで、光学系口径の小型化が期待できる。
【0013】
これに対して、特許文献1,2に開示されたインナーフォーカス式レンズは、いずれも光学系後方に正レンズが配置されていることから、光学系口径の十分な小型化が図られていない。
【0014】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することを目的とする。また、動画撮影にも好適なインナーフォーカス式レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行うインナーフォーカス式レンズであって、前記第1レンズ群の最も物体側には負のメニスカスレンズが配置され、前記第2レンズ群は単レンズ成分で構成され、前記第1レンズ群または前記第3レンズ群は、光軸に対して垂直方向へ移動させることで防振補正を行う単レンズ成分からなる防振補正レンズを備え、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(1) 0.34≦f1/f≦1.48
ただし、f1は無限遠物体合焦状態における前記第1レンズ群の焦点距離、fは無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離を示す。
【0016】
本発明によれば、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することができる。
【0017】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(2) 0.82≦f3/f≦3.81
ただし、f3は無限遠物体合焦状態における前記第3レンズ群の焦点距離を示す。
【0018】
本発明によれば、光学系全系の小型化を実現するとともに、結像性能をより向上させることができる。
【0019】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(3) 0.10≦|βr×(1−βv)|≦1.36
ただし、βrは前記防振補正レンズよりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率、βvは前記防振補正レンズの横倍率を示す。
【0020】
本発明によれば、防振補正機能を備えた、より小型のインナーフォーカス式レンズを提供することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、前記第3レンズ群の最も像面側には、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズが配置されていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、光学系後方(像面側)の口径の小型化を促進するとともに、結像性能を向上させることができる。
【0023】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、前記防振補正レンズが、前記第2レンズ群に隣接配置されていることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、防振補正レンズの小型、軽量化を図ることができる。
【0025】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、前記発明において、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(4) 0.16≦L1s/L≦0.60
ただし、L1sは前記第1レンズ群の最物体側面から開口絞りまでの軸上距離、Lは光学系全長を示す。
【0026】
本発明によれば、高い結像性能を維持しながら、光学系口径の小型化を実現することができる。また、ウォブリングによる撮影倍率の変化を抑制し、動画撮影にも好適なインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することができるという効果を奏する。また、動画撮影にも好適なインナーフォーカス式レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図2】実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。
図3】実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図4】実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。
図5】実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図6】実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。
図7】実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図8】実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0030】
本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、からなっている。
【0031】
本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。このように、第2レンズ群を移動させてフォーカシングを行うことで、光学系全長の変化がなく、防塵、防音性能が高められる。
【0032】
特に、フォーカス群である第2レンズ群は、単レンズ成分で構成されることが好ましい。第2レンズ群を単レンズ成分とすることでフォーカス群の小型、軽量化が達成され、高速のフォーカシングが可能となって、動画撮影に有効である。また、フォーカス群の小型、軽量化を図ることにより、フォーカス群の駆動をつかさどる駆動手段の負荷も減少し、省電力化に資することになる。
【0033】
なお、単レンズ成分とは、単一の研磨レンズや、非球面レンズ、複合非球面レンズ、接合レンズを含み、空気層をもち互いに接着されていない、たとえば正負の2枚レンズなどは含まない。
【0034】
また、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の最も物体側には負のメニスカスレンズが配置される。このようにすることで、第1レンズ群の口径の小型化を達成することができるとともに、広角化で課題となる軸外の収差、特に歪曲収差の補正にも有効である。
【0035】
また、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群または第3レンズ群中に、光軸に対して垂直方向へ移動させることで防振補正を行う単レンズ成分からなる防振補正レンズを備えている。防振補正レンズが単レンズ成分であることにより、防振補正レンズの軽量化を図り、防振補正時の防振補正レンズの停止位置精度を高め、良好な防振補正を実現することができる。
【0036】
さらに、本発明では、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを実現するため、上記特徴に加え、以下に示すような各種条件を設定している。
【0037】
まず、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、無限遠物体合焦状態における第1レンズ群の焦点距離をf1、無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) 0.34≦f1/f≦1.48
【0038】
条件式(1)は、光学系の小型化を図り、結像性能を向上させるための条件を示すものである。条件式(1)においてその下限を下回ると、第1レンズ群の焦点距離が短くなって、球面収差がアンダー側に過大となるばかりか、後続するレンズ群の近軸結像倍率が大きくなって、後玉径が拡大し光学系の大型化につながり、好ましくない。一方、条件式(1)においてその上限を超えると、第1レンズ群の焦点距離が長くなって、光学系全長が増大し、光学系の小型化を図ることが困難になる。
【0039】
なお、上記条件式(1)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(1a) 0.46≦f1/f≦1.27
この条件式(1a)で規定する範囲を満足することにより、小型で、より優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0040】
さらに、上記条件式(1a)は、次に示す範囲を満足すると、より小型、高性能なインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
(1b) 0.57≦f1/f≦1.06
【0041】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、無限遠物体合焦状態における第3レンズ群の焦点距離をf3、無限遠物体合焦状態における光学系全系の焦点距離をfとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) 0.82≦f3/f≦3.81
【0042】
条件式(2)は、無限遠物体合焦状態における、第3レンズ群の焦点距離と光学系全系の焦点距離との比を規定する式である。条件式(2)を満足することにより、第3レンズ群の屈折力が適正なものとなり、光学系全長の短縮を図るとともに、良好な結像性能を有する明るい光学系を実現することができる。
【0043】
条件式(2)においてその下限を下回ると、第3レンズ群の屈折力が強くなるため、コマ収差、歪曲収差を補正することが困難になり、良好な結像性能を維持することができない。一方、条件式(2)においてその上限を超えると、第3レンズ群の屈折力が弱くなる。この場合、当該光学系全体におけるFナンバーが大きくなる傾向にあり、明るい光学系を得ることができない。この状態で明るい光学系を実現するためには、開口絞りを大きく開く必要がある。しかし、開口絞りを大きく開くと発生する諸収差の発生が顕著になることから、結像性能の良好な光学系を実現するためには、収差補正のために要するレンズ枚数が増加する。特に、第1レンズ群を構成するレンズの枚数を増加させる必要がある。光学系を構成するレンズ枚数が多くなると、光学系の小型、軽量化を図ることが困難になるため、好ましくない。
【0044】
なお、上記条件式(2)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(2a) 1.10≦f3/f≦3.26
この条件式(2a)で規定する範囲を満足することにより、小型で、より優れた結像性能を備えたインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0045】
さらに、上記条件式(2a)は、次に示す範囲を満足すると、より小型、高性能なインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
(2b) 1.37≦f3/f≦2.72
【0046】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、防振補正レンズよりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率をβr、防振補正レンズの横倍率をβvとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.10≦|βr×(1−βv)|≦1.36
【0047】
条件式(3)は、小型の防振補正機能付きインナーフォーカス式レンズを実現するための条件を示すものである。条件式(3)においてその下限を下回ると、防振補正レンズを含むレンズ群より像面側に配置されているレンズ全体の合成結像倍率が大きくなるため、光学系のバックフォーカスが長くなり、光学系全長が増大する。一方、条件式(3)においてその上限を超えると、防振補正時の防振補正レンズの移動量が増加し、光学系口径が大きくなる。いずれにしても、光学系の小型化が阻害されるため、好ましくない。
【0048】
なお、上記条件式(3)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(3a) 0.13≦|βr×(1−βv)|≦1.17
この条件式(3a)で規定する範囲を満足することにより、より小型の防振補正機能付きインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0049】
さらに、上記条件式(3a)は、次に示す範囲を満足すると、より一層小型の防振補正機能付きインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
(3b) 0.16≦|βr×(1−βv)|≦0.97
【0050】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第3レンズ群の最も像面側に、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを配置するとよい。
【0051】
このようにすることで、ミラーレス一眼カメラ等に用いるショートフランジバックの光学系の小型化で課題となる像面側のレンズ口径の拡大を抑制できることに加え、像面湾曲および歪曲収差を良好に補正することができる。
【0052】
また、像面側に凸面を向けることにより、像面側に凹面を向ける場合と異なり、撮像素子面における反射光が負のメニスカスレンズの像面側面で反射して、これらの面間で多重反射を繰り返し、多重反射光が撮像素子面において再結像することを防ぐことができる。このため、ゴースト等を抑制するうえでも有利になり、良好な結像性能を有するインナーフォーカス式レンズを実現することができる。
【0053】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、防振補正レンズが、第2レンズ群に隣接配置されていることが好ましい。
【0054】
防振補正能力を向上させるためには、防振補正時の防振補正レンズの停止位置精度を高める必要がある。このためには、防振補正レンズの軽量化が求められる。防振補正レンズの軽量化にためには、当該防振補正レンズの口径の小型化を図ることが有効である。
【0055】
そこで、正負正の3群構成である本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、防振補正レンズを光学系中の光線径が最も小さくなる負レンズ群である第2レンズ群に隣接配置することで、防振補正レンズの口径の小型化を図ることができる。このようにすることで、防振補正レンズを単レンズ成分で構成することに加え、口径の小型化を図ることで、防振補正レンズの小型、軽量化を実現することができる。また、防振補正レンズの小型、軽量化を図ることにより、防振補正レンズの駆動をつかさどる駆動手段の負荷も減少し、省電力化に資することになる。
【0056】
さらに、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズでは、第1レンズ群の最物体側面から開口絞りまでの軸上距離をL1s、光学系全長をLとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) 0.16≦L1s/L≦0.60
【0057】
条件式(4)は、高い結像性能を維持しながら、光学系口径の小型化を実現するための条件を示すものである。条件式(4)を満足することで、光学系全長に対する開口絞りの適切な位置を規定して、光学系の小型化を実現することができる。また、条件式(4)を満足することで、開口絞りに対して後方(像面側)にフォーカス群である第2レンズ群を配置することができ、ウォブリングによる撮影倍率の変化を抑制することができる。
【0058】
条件式(4)においてその下限を下回ると、開口絞りが物体側に近づきすぎて像面側のレンズ口径が拡大するばかりか、後群における軸外収差、主に歪曲収差の発生が顕著になるため、好ましくない。一方、条件式(4)においてその上限を超えると、開口絞りが像面側に近づきすぎて、前玉の有効径の拡大につながり、光学系の小型化には好ましくない。
【0059】
なお、上記条件式(4)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(4a) 0.21≦L1s/L≦0.52
この条件式(4a)で規定する範囲を満足することにより、高い結像性能を維持しながら、より光学系口径の小型化を実現することができる。
【0060】
さらに、上記条件式(4a)は、次に示す範囲を満足すると、さらなる光学系口径の小型化を実現することができる。
(4b) 0.26≦L1s/L≦0.43
【0061】
以上説明したように、本発明によれば、小型、軽量のフォーカス群および防振群を備えた、高い結像性能を有する小型、広角のインナーフォーカス式レンズを提供することができる。特に、上記各条件式を満足することで、動画撮影に好適な、より小型で高い結像性能を有するインナーフォーカス方式レンズを実現することができる。
【0062】
以下、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0063】
図1は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。図1は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G11と、負の屈折力を有する第2レンズ群G12と、正の屈折力を有する第3レンズ群G13と、が配置されて構成される。
【0064】
第1レンズ群G11は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL111と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL112と、負レンズL113と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL111は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL112の両面には、非球面が形成されている。負レンズL113は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。
【0065】
第2レンズ群G12は、負レンズL121により構成されている。負レンズL121の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G12は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0066】
第3レンズ群G13は、物体側から順に、正レンズL131と、負のメニスカスレンズL132と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL132は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL132の両面には、非球面が形成されている。
【0067】
以下、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0068】
(レンズデータ)
1=113.2282
1=1.2000 nd1=1.48749 νd1=70.44
2=17.4489
2=30.8462
3=∞(開口絞り)
3=1.5000
4=21.5581(非球面)
4=6.0374 nd2=1.82080 νd2=42.71
5=-37.5027(非球面)
5=0.5000
6=-124.0286
6=0.7000 nd3=1.84666 νd3=23.78
7=51.8966
7=D(7)(可変)
8=660.0942(非球面)
8=1.0000 nd4=1.68893 νd4=31.16
9=27.1042(非球面)
9=D(9)(可変)
10=35.4279
10=5.3771 nd5=1.49700 νd5=81.61
11=-23.5064
11=11.0398
12=-24.2416(非球面)
12=1.2000 nd6=1.68893 νd6=31.16
13=-71.3343(非球面)
13=Bf
【0069】
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第4面)
k=0,
4=-6.22999×10-6,A6=-8.29140×10-9
8=6.14663×10-11,A10=1.45011×10-13
(第5面)
k=0,
4=2.38586×10-5,A6=-1.56222×10-8
8=1.10314×10-10,A10=-2.66652×10-13
(第8面)
k=0,
4=3.39396×10-5,A6=-2.16547×10-7
8=9.74072×10-10,A10=-3.49597×10-12
(第9面)
k=0,
4=4.92320×10-5,A6=-1.80536×10-7
8=1.03819×10-9,A10=-3.16605×10-12
(第12面)
k=0,
4=-5.34457×10-5,A6=2.71957×10-7
8=-1.21898×10-9,A10=2.80044×10-13
(第13面)
k=0,
4=-2.95059×10-5,A6=2.76801×10-7
8=-1.14673×10-9,A10=1.58937×10-12
【0070】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離165mm)
D(7) 1.5024 4.6450
D(9) 6.5972 3.4546
f(光学系全系の焦点距離) 24.2505 23.6710
Fno.(Fナンバー) 2.0600 2.1925
ω(半画角) 42.9614 40.9431
Bf(バックフォーカス) 17.5000 17.5000
【0071】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G11の焦点距離)=23.2809
f1/f=0.96
【0072】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G13の焦点距離)=42.9234
f3/f=1.77
【0073】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(負レンズL113)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=1.0412
βv(防振補正レンズ(負レンズL113)の横倍率)=1.8479
|βr×(1−βv)|=0.88
【0074】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G11の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=32.0462
L(光学系全長)=85.0001
L1s/L=0.38
【0075】
図2は、実施例1にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例2】
【0076】
図3は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。図3は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G21と、負の屈折力を有する第2レンズ群G22と、正の屈折力を有する第3レンズ群G23と、が配置されて構成される。
【0077】
第1レンズ群G21は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL211と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL212と、正レンズL213と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL211は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL212の両面には、非球面が形成されている。正レンズL213は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。
【0078】
第2レンズ群G22は、負レンズL221により構成されている。負レンズL221の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G22は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0079】
第3レンズ群G23は、物体側から順に、正レンズL231と、負のメニスカスレンズL232と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL232は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL232の両面には、非球面が形成されている。
【0080】
以下、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0081】
(レンズデータ)
1=50.7966
1=1.2000 nd1=1.65844 νd1=50.85
2=16.4740
2=28.9459
3=∞(開口絞り)
3=1.5000
4=25.9067(非球面)
4=6.3217 nd2=1.82080 νd2=42.71
5=-53.0773(非球面)
5=1.6170
6=60.7371
6=1.7262 nd3=1.83481 νd3=42.72
7=87.3487
7=D(7)(可変)
8=108.5200(非球面)
8=1.0000 nd4=1.82115 νd4=24.06
9=16.1465(非球面)
9=D(9)(可変)
10=35.3691
10=5.9722 nd5=1.49700 νd5=81.61
11=-21.3423
11=11.3254
12=-14.6475(非球面)
12=1.2000 nd6=1.68893 νd6=31.16
13=-22.5821(非球面)
13=Bf
【0082】
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第4面)
k=0,
4=-1.19735×10-5,A6=1.30026×10-8
8=-1.46375×10-12,A10=1.12146×10-12
(第5面)
k=0,
4=8.80828×10-6,A6=-2.81490×10-8
8=3.74731×10-10,A10=7.37631×10-14
(第8面)
k=0,
4=-2.84488×10-5,A6=-1.38681×10-7
8=2.17840×10-9,A10=-9.94443×10-12
(第9面)
k=0,
4=-2.96055×10-5,A6=-1.89514×10-7
8=1.95330×10-9,A10=-1.16569×10-11
(第12面)
k=0,
4=3.05501×10-4,A6=-1.98913×10-6
8=8.91545×10-9,A10=-1.40504×10-11
(第13面)
k=0,
4=2.76920×10-4,A6=-1.85115×10-6
8=7.58787×10-9,A10=-1.34483×10-11
【0083】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離165mm)
D(7) 1.2067 2.5556
D(9) 5.4849 4.1360
f(光学系全系の焦点距離) 24.2496 23.3660
Fno.(Fナンバー) 2.0600 2.1468
ω(半画角) 42.7201 41.2990
Bf(バックフォーカス) 17.5000 17.5000
【0084】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G21の焦点距離)=15.5197
f1/f=0.64
【0085】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G23の焦点距離)=37.1019
f3/f=1.53
【0086】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(正レンズL213)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=1.5677
βv(防振補正レンズ(正レンズL213)の横倍率)=0.8843
|βr×(1−βv)|=0.18
【0087】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G21の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=30.1459
L(光学系全長)=85.0
L1s/L=0.35
【0088】
図4は、実施例2にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例3】
【0089】
図5は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。図5は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G31と、負の屈折力を有する第2レンズ群G32と、正の屈折力を有する第3レンズ群G33と、が配置されて構成される。
【0090】
第1レンズ群G31は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL311と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL312と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL311は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL312の両面には、非球面が形成されている。
【0091】
第2レンズ群G32は、負レンズL321により構成されている。負レンズL321の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G32は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0092】
第3レンズ群G33は、物体側から順に、負レンズL331と、正レンズL332と、負のメニスカスレンズL333と、が配置されて構成される。負レンズL331の両面には、非球面が形成されている。負レンズL331は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。負のメニスカスレンズL333は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL333の両面には、非球面が形成されている。
【0093】
以下、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0094】
(レンズデータ)
1=59.9809
1=1.2000 nd1=1.62041 νd1=60.34
2=16.7464
2=23.3740
3=∞(開口絞り)
3=7.2000
4=23.4500(非球面)
4=5.7158 nd2=1.82080 νd2=42.71
5=-53.3571(非球面)
5=D(5)(可変)
6=69.2565(非球面)
6=0.7000 nd3=1.82115 νd3=24.06
7=18.5013(非球面)
7=D(7)(可変)
8=33.2931(非球面)
8=1.0000 nd4=1.68893 νd4=31.16
9=26.3278(非球面)
9=1.5000
10=36.1037
10=6.0682 nd5=1.49700 νd5=81.61
11=-20.6114
11=11.1149
12=-21.5561(非球面)
12=1.2000 nd6=1.68893 νd6=31.16
13=-68.3787(非球面)
13=Bf
【0095】
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第4面)
k=0,
4=-1.66004×10-5,A6=-5.43170×10-8
8=2.00939×10-10,A10=-4.95458×10-13
(第5面)
k=0,
4=-1.91576×10-6,A6=5.81292×10-8
8=-3.75639×10-10,A10=6.81515×10-13
(第6面)
k=0,
4=3.38272×10-6,A6=-2.76388×10-8
8=-1.13900×10-9,A10=9.00318×10-13
(第7面)
k=0,
4=2.39738×10-5,A6=-1.08643×10-7
8=-7.56657×10-10,A10=-4.37423×10-12
(第8面)
k=0,
4=-8.15146×10-6,A6=-1.81322×10-7
8=2.19877×10-9,A10=-7.48481×10-12
(第9面)
k=0,
4=-1.20490×10-5,A6=-2.01960×10-7
8=2.14883×10-9,A10=-6.88228×10-12
(第12面)
k=0,
4=-5.35091×10-5,A6=2.40846×10-7
8=-1.22462×10-9,A10=2.2011×10-12
(第13面)
k=0,
4=-3.96839×10-5,A6=2.38572×10-7
8=-9.426×10-10,A10=1.69354×10-12
【0096】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離215mm)
D(5) 1.5064 2.5986
D(7) 6.9207 5.8284
f(光学系全系の焦点距離) 24.2465 23.4634
Fno.(Fナンバー) 2.0733 2.1222
ω(半画角) 43.3199 42.9121
Bf(バックフォーカス) 17.5000 17.5000
【0097】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G31の焦点距離)=15.7602
f1/f=0.65
【0098】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G33の焦点距離)=54.5546
f3/f=2.25
【0099】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(負レンズL331)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=0.1132
βv(防振補正レンズ(負レンズL331)の横倍率)=2.6018
|βr×(1−βv)|=0.18
【0100】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G31の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=24.5740
L(光学系全長)=85.0
L1s/L=0.29
【0101】
図6は、実施例3にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【実施例4】
【0102】
図7は、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。図7は、無限遠物体合焦状態を示している。このインナーフォーカス式レンズは、図示しない物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G41と、負の屈折力を有する第2レンズ群G42と、正の屈折力を有する第3レンズ群G43と、が配置されて構成される。
【0103】
第1レンズ群G41は、物体側から順に、負のメニスカスレンズL411と、正レンズL412と、負レンズL413と、負レンズL414と、正レンズL415と、所定の口径を規定する開口絞りSと、正レンズL416と、が配置されて構成される。負のメニスカスレンズL411は、凸面を物体側に向けて配置されている。正レンズL412と負レンズL413とは、接合されている。負レンズL414と正レンズL415とは、接合されている。正レンズL416の両面には、非球面が形成されている。
【0104】
第2レンズ群G42は、負レンズL421により構成されている。負レンズL421の両面には、非球面が形成されている。第2レンズ群G42は、光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動することにより、無限遠物体合焦状態から最至近距離物体合焦状態までのフォーカシングを行う。
【0105】
第3レンズ群G43は、物体側から順に、正レンズL431と、正レンズL432と、負のメニスカスレンズL433と、が配置されて構成される。正レンズL431は、防振補正レンズとしての機能を備えており、光軸に対して垂直方向へ移動することで防振補正を行う。正レンズL432の両面には、非球面が形成されている。負のメニスカスレンズL433は、凸面を像面IMG側に向けて配置されている。負のメニスカスレンズL433の両面には、非球面が形成されている。
【0106】
以下、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズに関する各種数値データを示す。
【0107】
(レンズデータ)
1=31.5654
1=1.4000 nd1=1.59349 νd1=67.00
2=16.6857
2=6.7441
3=30.6835
3=4.9298 nd2=1.92286 νd2=20.88
4=196.4467
4=1.5000 nd3=1.49700 νd3=81.61
5=12.0646
5=8.5002
6=-39.4077
6=0.9500 nd4=1.84666 νd4=23.78
7=18.3311
7=5.2475 nd5=1.83481 νd5=42.72
8=-37.1613
8=5.3995
9=∞(開口絞り)
9=1.3000
10=33.7647(非球面)
10=7.2414 nd6=1.61881 νd6=63.86
11=-20.5786(非球面)
11=D(11)(可変)
12=101.3252(非球面)
12=0.7000 nd7=1.58313 νd7=59.46
13=19.7653(非球面)
13=D(13)(可変)
14=60.8684
14=2.0222 nd8=1.49700 νd8=81.61
15=1468.5933
15=1.5500
16=185.2329(非球面)
16=3.8000 nd9=1.49710 νd9=81.56
17=-42.9547(非球面)
17=10.3904
18=-17.3765(非球面)
18=1.2000 nd10=1.62263 νd10=58.16
19=-21.4062(非球面)
19=Bf
【0108】
円錐係数(k)および非球面係数(A4,A6,A8,A10
(第10面)
k=0,
4=-2.12096×10-5,A6=-2.32683×10-8
8=7.54664×10-11,A10=0
(第11面)
k=0,
4=1.66117×10-5,A6=-3.99193×10-8
8=1.28760×10-10,A10=0
(第12面)
k=0,
4=-2.20256×10-6,A6=-1.17681×10-7
8=3.58823×10-10,A10=-3.78077×10-13
(第13面)
k=0,
4=4.82922×10-6,A6=-1.20093×10-7
8=1.06466×10-10,A10=-5.93216×10-13
(第16面)
k=0,
4=5.93514×10-5,A6=-1.01507×10-8
8=-5.11953×10-11,A10=5.32827×10-13
(第17面)
k=0,
4=3.95560×10-5,A6=-7.04346×10-8
8=-1.18331×10-10,A10=3.11147×10-13
(第18面)
k=0,
4=0.000197062,A6=-1.48374×10-6
8=4.30243×10-9,A10=-9.11363×10-12
(第19面)
k=0,
4=0.000202908,A6=-1.23492×10-6
8=3.23871×10-9,A10=-2.16836×10-12
【0109】
(各合焦状態の数値データ)
無限遠 最至近距離(物体距離110.5mm)
D(11) 1.4993 4.6395
D(13) 8.1256 4.9855
f(光学系全系の焦点距離) 24.2502 23.1966
Fno.(Fナンバー) 2.0600 2.0600
ω(半画角) 41.9023 39.5710
Bf(バックフォーカス) 17.0000 17.0000
【0110】
(条件式(1)に関する数値)
f1(無限遠物体合焦状態における第1レンズ群G41の焦点距離)=18.4302
f1/f=0.76
【0111】
(条件式(2)に関する数値)
f3(無限遠物体合焦状態における第3レンズ群G43の焦点距離)=59.8980
f3/f=2.47
【0112】
(条件式(3)に関する数値)
βr(防振補正レンズ(正レンズL431)よりも物体側に位置するレンズ全体の合成横倍率)=0.7147
βv(防振補正レンズ(正レンズL431)の横倍率)=0.6447
|βr×(1−βv)|=0.25
【0113】
(条件式(4)に関する数値)
L1s(第1レンズ群G41の最物体側面から開口絞りSまでの軸上距離)=34.6711
L(光学系全長)=89.5
L1s/L=0.39
【0114】
図8は、実施例4にかかるインナーフォーカス式レンズの諸収差図である。図中、曲線はe線(λ=546.074nm)に相当する波長の収差を表す。また、非点収差図におけるS,Mは、それぞれサジタル像面、メリディオナル像面に対する収差を表す。
【0115】
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r1,r2,・・・・は各レンズ、絞り面などの曲率半径、d1,d2,・・・・は各レンズ、絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd1,nd2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νd1,νd2,・・・・は各レンズのd線(λ=587.56nm)に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
【0116】
また、上記各非球面形状は、非球面の深さをZ、曲率をc(1/r)、光軸からの高さをh、円錐係数をk、4次,6次,8次,10次の非球面係数をそれぞれA4,A6,A8,A10とし、光の進行方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0117】
【数1】
【0118】
上記各実施例には、35mmフィルムカメラ換算で25mmの焦点距離をもつインナーフォーカス式レンズの一例を示した。上記各実施例のインナーフォーカス式レンズは、フォーカス群および防振群の小型、軽量化を図ることで、動画撮影に欠かせない高速なオートフォーカス処理や防振補正を良好に行うことが可能になる。特に、上記各条件式を満足することで、動画撮影に好適な、小型、広角で高い結像性能を有するインナーフォーカス方式レンズを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明にかかるインナーフォーカス式レンズは、写真用カメラ、ビデオカメラなどの小型の撮像装置に有用であり、特に、動画撮影用の撮像装置に最適である。
【符号の説明】
【0120】
11,G21,G31,G41 第1レンズ群
12,G22,G32,G42 第2レンズ群
13,G23,G33,G43 第3レンズ群
111,L132,L211,L232,L311,L333,L411,L433 負のメニスカスレンズ
112,L131,L212,L213,L231,L312,L332,L412,L415,L416,L431,L432 正レンズ
113,L121,L221,L321,L331,L413,L414,L421 負レンズ
S 開口絞り
IMG 像面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8