【解決手段】 容器の周方向に巻き付け且つ一方側端部21と他方側端部22を重ね合わせることにより筒状に形成される熱収縮性フィルム2を有し、熱収縮性フィルム2の上縁23を含む上方領域に抜き部4が形成されており、熱収縮性フィルム2の上方領域が、抜き部4を挟んで、一方上方領域8Lと他方上方領域8Rとに分割されており、一方上方領域8Lの抜き部4に臨む臨側縁81Lが、一方摘み部5Lの外形の一部又は全部を成し、且つ、他方上方領域8Rの抜き部4に臨む臨側縁とは反対側の非臨側縁82Rが、他方摘み部5Rの外形の一部又は全部を成しており、熱収縮性フィルム2を筒状に形成した際に、一方摘み部5Lと他方摘み部5Rとを接着する接着部が設けられている。
前記熱収縮性フィルムの面内に、前記一方上方領域の臨側縁の下方から前記横切取り補助線に向かって、一方引裂き補助線が形成されている、請求項2に記載の熱収縮性巻付けラベル。
前記熱収縮性フィルムの面内に、前記他方上方領域の非臨側縁の下方から前記横切取り補助線に向かって、他方引裂き補助線が形成されている、請求項2または3に記載の熱収縮性巻付けラベル。
前記熱収縮性フィルムの面内に、前記一方上方領域の臨側縁の下方から前記横切取り補助線に向かって、一方引裂き補助線が形成され、且つ、前記他方上方領域の非臨側縁の下方から前記横切取り補助線に向かって、他方引裂き補助線が形成されており、
前記一方引裂き補助線と他方引裂き補助線が、平行である、請求項2に記載の熱収縮性巻付けラベル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、本明細書において、「上」及び「下」は、熱収縮性巻付けラベルを容器に装着し、その容器を自立させた状態を基準にしている。また、熱収縮性巻付けラベルの「左右方向」は、熱収縮性巻付けラベルを容器に巻き付けた際に容器の周方向となる方向であり、熱収縮性巻付けラベルの「上下方向」は、前記左右方向と直交する方向である(容器の軸方向である)。熱収縮性巻付けラベルの説明において、「一方」は、熱収縮性巻付けラベルの左右方向の何れかの側であり、「他方」は、その左右方向反対側である。
また、本明細書において、「PPP〜QQQ」という表記は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。さらに、本明細書において、角度及びその関係(例えば、直交、平行など)は、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含むものとする。例えば、平行などは、厳密な角度±10度の範囲内であることを意味し、好ましくは、±5度の範囲内である。
各図に示される部分及び部材の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0012】
[第1実施形態]
図1乃至
図3において、本発明の熱収縮性巻付けラベル1は、容器の周方向に巻き付け且つ一方側端部21と他方側端部22を重ね合わせることにより筒状に形成される熱収縮性フィルム2と、前記熱収縮性フィルム2の裏面側に設けられた接着部3と、を有する。
前記熱収縮性フィルム2の上方領域は、抜き部4を挟んで、一方上方領域8Lと他方上方領域8Rとに分割されている。前記一方上方領域8Lの一部が、一方摘み部5Lとなり、且つ、前記他方上方領域8Rの一部が、他方摘み部5Rとなる。熱収縮性フィルム2を筒状に形成した際、前記一方摘み部5Lと他方摘み部5Rを重ねて接着することにより、摘み部が形成される。前記接着部の一部は、一方摘み部5Lと他方摘み部5Rを接着するために用いられる。
以下、具体的に説明する。
【0013】
熱収縮性フィルム2は、加熱した際に少なくとも左右方向(容器の周方向)に熱収縮しうる性質を有するフィルムである。つまり、熱収縮性フィルム2は、所要温度(例えば70℃〜100℃)で少なくとも左右方向に熱収縮可能である。かかる熱収縮性フィルム2を用いた熱収縮性巻付けラベル1は、前記所要温度で少なくとも周方向に熱収縮可能であり、容器に密着する程の熱収縮率を有する。
【0014】
前記熱収縮性フィルム2としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物を含むフィルムを用いることができる。また、熱収縮性フィルム2として、熱収縮性を有する2種以上のフィルムが積層された積層フィルムや、金属蒸着層などの非熱収縮層が熱収縮性を有するフィルムに積層された積層フィルムを用いることもできる。フィルムは公知の製法で製膜し、延伸処理することにより熱収縮性を付与できる。熱収縮性フィルム2は、前記フィルムの主たる延伸方向が左右方向となるようにして用いられる。
前記熱収縮性フィルム2の厚みは、特に限定されないが、例えば20μm〜80μm、更に、20μm〜60μm程度のものを用いることができる。
なお、熱収縮性フィルム2には、必要に応じて、所望のデザイン印刷が施される。ただし、デザイン印刷は、図示しない。
【0015】
熱収縮性フィルム2の平面視形状は、通常、略矩形状である。熱収縮性フィルム2の左右方向の長さは、熱収縮性フィルム2の一方側端部21と他方側端部22とを重ね合わせるために、容器の周長よりも大きい。熱収縮性フィルム2の上下方向の長さは、特に限定されず、容器の上下方向長さよりも大きくてもよいし、或いは、小さくてもよいし、或いは、同じでもよい。
【0016】
前記熱収縮性フィルム2の面内の上下方向中途部には、左右方向と平行に延びる横切取り補助線6が形成されている。前記横切取り補助線6は、熱収縮性フィルム2の一方縁21Lから他方縁22Rにかけて形成されている。横切取り補助線6は、その線に沿って熱収縮性フィルム2を容易に分断できるものであれば特に限定されず、例えば、ミシン目線、ハーフカット線などを用いることができる。これらは単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。
前記ミシン目線は、ミシン針の縫い目跡の如く、熱収縮性フィルム2の厚み方向に貫通する貫通孔(円形状の貫通孔または線状の貫通孔)が断続的に刻設された線である。つまり、ミシン目線は、貫通孔と非貫通部が交互に連なって形成された線である。前記ハーフカット線は、(熱収縮性フィルム2を貫通せず)熱収縮性フィルム2の厚み方向に略V字状に切り込んだ刻み部が連続する線である。好ましくは、横切取り補助線6としては、図示のように、ミシン目線が用いられる。
横切取り補助線6としてミシン目線を用いる場合には、その形成部分を極めて容易に分断できることから、その貫通孔の長さ(貫通孔が円形状の場合には直径。以下同じ)が、例えば、0.5mm〜2mm程度に形成され、且つその非貫通部の長さが、例えば、0.5mm〜2.5mm程度に形成されていることが好ましい。また、横切取り補助線6として、マイクロミシン目線を用いることもできる。なお、マイクロミシン目線は、ミシン目線であって、貫通孔の長さと非貫通部の長さがそれぞれ0.3mm〜0.8mm程度のものをいう。
【0017】
前記熱収縮性フィルム2の上縁23を含む上方領域には、抜き部4が形成されている。前記抜き部4は、平面視略矩形状の熱収縮性フィルム2の上縁23を含む一部分を切欠くことにより生じる空間である。なお、前記抜き部4は、熱収縮性フィルム2の一方縁21L及び他方縁22Rを含まず且つ熱収縮性フィルム2の上縁23を含む上方領域の左右方向中途部に形成されている。図示例では、抜き部4は、熱収縮性フィルム2の上方領域の中間部よりも一方寄りに形成されている。
抜き部4の大きさは、特に限定されず、適宜設定できる。抜き部4は、少なくとも指の爪を抜き部4に入れることができる程度の大きさに形成される。例えば、抜き部4の左右方向長さは、5mm以上が好ましく、抜き部4の上下方向長さは、5mm〜20mmが好ましい。
【0018】
前記抜き部4が形成されることによって、熱収縮性フィルム2の上方領域は、2つに分割されている。つまり、熱収縮性フィルム2の上方領域は、抜き部4を挟んで、一方上方領域8Lと他方上方領域8Rとに分割されている。一方上方領域8Lの一部分が、一方摘み部5Lとなり、他方上方領域8Rの一部分が、他方摘み部5Rとなる。
一方上方領域8Lは、抜き部4に臨む臨側縁81Lと、熱収縮性フィルム2の上縁23と、前記臨側縁81Lとは反対側の非臨側縁82Lと、によって囲われた領域である。他方上方領域8Rは、抜き部4に臨む臨側縁81Rと、熱収縮性フィルム2の上縁23と、前記臨側縁81Rとは反対側の非臨側縁82Rと、によって囲われた領域である。抜き部4に臨む臨側縁81Rは、上下方向に延びている。以下、前記一方上方領域8Lの「臨側縁」及び「非臨側縁」を「一方臨側縁」及び「一方非臨側縁」といい、前記他方上方領域8Rの「臨側縁」及び「非臨側縁」を「他方臨側縁」及び「他方非臨側縁」という。
前記一方臨側縁81Lは、一方摘み部5Lの外形の一部を成しており、他方非臨側縁82Rは、他方摘み部5Rの外形の一部を成している。また、前記一方非臨側縁82Lは、熱収縮性フィルム2の一方縁21Lの一部(一方縁21Lの上方部分)であり、前記他方非臨側縁82Rは、熱収縮性フィルム2の他方縁22Rの一部(他方縁22Rの上方部分)である。
【0019】
本実施形態においては、前記一方臨側縁81Lは、熱収縮性フィルム2の上縁23に連続した弧状縁と、弧状縁に連続し且つ上下方向と平行に延びる直状縁と、からなる。前記他方非臨側縁82Rは、熱収縮性フィルム2の上縁23に連続した弧状縁と、弧状縁に連続し且つ上下方向と平行に延びる直状縁と、からなる。
前記一方臨側縁81Lと他方非臨側縁82Rは、図示のように、同じ形状(重ね合わせると一致する形状)であることが好ましい。
一方摘み部5Lの外形は、前記一方臨側縁81Lと、一方臨側縁81Lの弧状縁に連続する熱収縮性フィルム2の上縁23の一部と、から構成されている。他方摘み部5Rの外形は、前記他方非臨側縁82Rと、他方非臨側縁82Rの弧状縁に連続する熱収縮性フィルム2の上縁23の一部と、から構成されている。
【0020】
また、熱収縮性フィルム2の面内には、一方臨側縁81Lの下方から前記横切取り補助線6に向かって、一方引裂き補助線7Lが形成され、さらに、他方非臨側縁82Rの下方から前記横切取り補助線6に向かって、他方引裂き補助線7Rが形成されている。
一方引裂き補助線7Lは、一方臨側縁81Lと抜き部4に臨む上向縁41とで形成される角縁から、横切取り補助線6にまで形成されている。従って、一方引裂き補助線7Lの一端は、角縁に位置し、その他端は、横切取り補助線6の一部分に位置している。もっとも、一方引裂き補助線7Lの他端は、横切取り補助線6にまで形成されていなくてもよく、前記角縁と横切取り補助線6の中途部に位置していてもよい。
他方引裂き補助線7Rは、他方非臨側縁82Rの下方から横切取り補助線6にまで形成されている。従って、他方引裂き補助線7Rの一端は、他方非臨側縁82Rの下方に位置し、その他端は、横切取り補助線6の一部分に位置している。もっとも、他方引裂き補助線7Rの他端は、横切取り補助線6にまで形成されていなくてもよく、前記他方非臨側縁82Rの下方と横切取り補助線6の中途部に位置していてもよい。
前記一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rは、それぞれ横切取り補助線6に対して直交する方向に延びて形成されていてもよいが、好ましくは、横切取り補助線6に対して傾斜する方向に延びて形成される。特に、一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rは、それぞれ、
図1に示すように、その一端から一方下斜めに延びて形成されていることがより好ましい。
また、一方引裂き補助線7Lと他方引裂き補助線7Rは、非平行でもよいが、好ましくは互いに平行に形成され、より好ましくは、平行且つ一方下斜めに延びて形成される。
【0021】
前記一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rは、その線に沿って熱収縮性フィルム2を容易に分断できるものであれば特に限定されず、例えば、ミシン目線、ハーフカット線などを用いることができる。これらは単独でまたは適宜組み合わせて用いることができる。好ましくは、一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rとしては、図示のように、ミシン目線が用いられる。一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rのミシン目線としては、上記横切取り補助線6で例示したようなミシン目線(又はマイクロミシン目線)が挙げられる。
【0022】
接着部は、粘着剤層3a(又は接着剤層)が露出した部分である。接着部が設けられた範囲を判りやすく示した
図4も参照して、前記接着部は、熱収縮性フィルム2の裏面に部分的に設けられている。具体的には、接着部は、(1)横切取り補助線6の下方近傍領域を除く、横切取り補助線6よりも下方の領域全体に設けられた第1接着部31、(2)一方側端部21のうち横切取り補助線6と上縁23との間にスポット的に設けられた第2接着部32、(3)他方上方領域8Rのうち、他方臨側縁81Rを含む他方臨側部に設けられた第3接着部33、(4)他方側端部22のうち横切取り補助線6と他方引裂き補助線7Rとの間の領域に設けられた第4接着部34、(5)他方側端部22のうち他方引裂き補助線7Rと上縁23との間の領域に設けられた第5接着部35、とからなる。このうち、第5接着部35が、一方摘み部5Lと他方摘み部5Rを接着して摘み部を形成するための接着部である。また、本実施形態では、後述するように、熱収縮性巻付けラベル1を容器に装着する際には、その他方側端部22を一方側端部21の表面に重ね合わせる。前記第1接着部31の他方部、第4接着部34及び第5接着部35は、前記のように外側に配置される他方側端部22が捲れないように接着させるための接着部でもある。
なお、横切取り補助線6の両側近傍領域には、接着部が設けられていない。前記両側近傍領域は、横切取り補助線6を基準に±1mm〜5mm程度の範囲である。一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rの各両側近傍領域にも、横切取り補助線6と同様に、接着部が設けられていない。
【0023】
前記接着部を構成する粘着剤又は接着剤は、特に限定されず、感圧型粘着剤、感熱型粘着剤、感熱型接着剤などを用いることができる。図示例では、接着部31,32,33,34,35は、感圧型粘着剤から構成されている。
接着部の形成方法は、特に限定されず、例えば、熱収縮性フィルム2の裏面のうち、上記第1乃至第5接着部35の形成予定範囲のみに粘着剤又は接着剤を塗布してもよいし、熱収縮性フィルム2の裏面全体に粘着剤又は接着剤を塗布して粘着剤層(又は接着剤層)を形成し、上記第1乃至第5接着部31,32,33,34,35の形成予定範囲以外をマスキングしてもよい。感熱型粘着剤又は感熱型接着剤を用いる場合には、前者の形成方法が好ましく、感圧型粘着剤を用いる場合には、後者の形成方法が好ましい。
図示例では、熱収縮性フィルム2の裏面全体に感圧型粘着剤を塗布して粘着剤層3aを形成し、その粘着剤層3aの裏面のうち第1乃至第5接着部31,32,33,34,35の形成予定範囲以外にマスキング剤を塗布してマスキング層3bを形成することにより、第1乃至第5接着部31,32,33,34,35が形成されている。
マスキング剤は、粘着剤の粘着力を実質的に隠蔽できるものであれば特に限定されず、例えば、紫外線硬化型インキなどを用いることができる。
【0024】
上記熱収縮性巻付けラベル1は、容器に装着して使用される。
本発明のラベル付き容器10は、
図5に示すように、容器9と、容器9の周方向に巻き付けられ且つ一方側端部21と他方側端部22を重ね合わせて接着することにより筒状に形成された熱収縮性フィルム2を有する上記熱収縮性巻付けラベル1と、を有し、前記熱収縮性フィルム2の上方領域が、抜き部4を挟んで、一方上方領域8Lと他方上方領域8Rとに分割されており、一方臨側縁81Lが一方摘み部5Lの外形の一部又は全部を成し、且つ、他方非臨側縁82Rが他方摘み部5Rの外形の一部又は全部を成しており、前記一方摘み部5Lと他方摘み部5Rとを接着することにより摘み部5が構成されている。
好ましくは、前記一方摘み部5Lの外形と他方摘み部5Rの外形が一致するように、一方摘み部5Lと他方摘み部5Rが接着されている。好ましくは、一方引裂き補助線7Lと他方引裂き補助線7Rが一致するように、一方摘み部5Lと他方摘み部5Rが接着されている。本明細書において、前記「一方摘み部の外形と他方摘み部の外形が一致する」及び「一方引裂き補助線と他方引裂き補助線が一致する」とは、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含むものとする。前記「一致」は、厳密に重なっている(正面から見て、1本の線に見える)場合だけでなく、例えば、2つの外形(又は2つの引裂き補助線)が左右方向に±5mmの範囲でずれている場合を含む。
【0025】
本発明の熱収縮性巻付けラベル1が装着される容器9は、特に限定されず、従来公知の容器、例えば、ネジキャップ付き容器、跳ね上げ嵌合式キャップ付き容器、キャップ無し容器などが挙げられる。
図6は、キャップ付き容器9に熱収縮性巻付けラベル1を装着する手順を示す図である。
キャップ付き容器9は、収納物を入れる胴部を有する容器本体91と、容器本体91の注出口を塞ぎ且つ容器本体91の上方にネジ作用で着脱可能に取り付けられたキャップ部92と、を備える。
図6(a)に示すように、熱収縮性巻付けラベル1の一方側端部21の裏面を、第1接着部31及び第2接着部32を介して、キャップ付き容器9の容器本体91とキャップ部92に跨がって貼り付ける。この際、横切取り補助線6がキャップ部92と容器本体91の境界部93に位置する又は境界部93よりも下側に位置するように、熱収縮性巻付けラベル1を位置合わせすることが好ましい。
次に、
図6(b)に示すように、熱収縮性巻付けラベル1をキャップ付き容器9の周方向に巻き付ける(上から見て、時計回りに熱収縮性巻付けラベル1を巻き付ける)。巻き付けた際には、第3接着部33を介して他方上方領域8Rの他方臨側部がキャップ部92に接着すると共に、第1接着部31を介して熱収縮性巻付けラベル1の下方の領域が容器本体91に接着する。第3接着部33によって他方臨側部が容器9に接着されるので、抜き部4に臨む他方臨側部が捲れることを防止できる。
【0026】
さらに、
図6(c)に示すように、熱収縮性巻付けラベル1の他方側端部22の裏面を、一方側端部21の表面に重ね合わせ、第1、第4及び第5接着部31,34,35を介して一方側端部21に接着する。第5接着部35により、一方摘み部5Lの表面に他方摘み部5Rの裏面が接着される。この際、他方摘み部5Rの外形が一方摘み部5Lの外形に一致するように、他方摘み部5Rを一方摘み部5Lに重ねることが好ましく、さらに、他方引裂き補助線7Rが一方引裂き補助線7Lに一致するように、他方摘み部5Rを一方摘み部5Lに重ねることが好ましい。なお、通常、装着予定の容器9の形状を考慮して、一方摘み部5L及び他方摘み部5Rの大きさ及び位置並びに一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rの配置を設計することにより、熱収縮性巻付けラベル1を容器9に巻き付ければ、前記のように他方摘み部5R及び他方摘み部5Rの外形並びに一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rが一致するようになる。
【0027】
図6(c)のように、容器9の周囲に巻き付けて筒状に形成された熱収縮性巻付けラベル1を、所要温度に加熱することにより、熱収縮性フィルム2が熱収縮し、熱収縮性巻付けラベル1が容器9の外形に沿って密着する。
このようにして
図5に示すようなラベル付き容器10が得られる。
本発明の熱収縮性巻付けラベル1は、容器9に巻き付け後、一方摘み部5Lと他方摘み部5Rとを接着した2重構造の摘み部5を形成できる。かかる2重構造の摘み部5は、加熱によって収縮し難く、従って、上記熱収縮性巻付けラベル1を用いれば、比較的大きな摘み部5を有するラベル付き容器10を提供できる。
このラベル付き容器10を開封する際には、抜き部4に指先を入れ、摘み部5を摘んで周方向に引き出すことにより、熱収縮性巻付けラベル1が一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rに沿って横切取り補助線6まで切れていき、さらに、横切取り補助線6に沿って周方向に切れていく。このようにして、摘み部5を摘んで引き出すことにより、横切取り補助線6よりも上方の部分を容器9から容易に除去できる。
【0028】
本発明の熱収縮性巻付けラベル1は、熱収縮性フィルム2の上縁23を含む上方領域に抜き部4が形成され、その抜き部4に臨んで一方摘み部5Lが配置されている。一方摘み部5Lは熱収縮性巻付けラベル1を容器9に巻き付け後に他方摘み部5Rと一体となって摘み部5を構成するので、その摘み部5は、抜き部4に臨んでいる。このため、抜き部4に指先を入れ、摘み部5を容易に摘むことができる。なお、摘み部5の裏面側(図示例では、一方摘み部5Lの裏面)は、(接着部が設けられておらず)容器9に非接着である。
さらに、一方臨側縁81Lの下方から一方引裂き補助線7Lが形成され、且つ、他方非臨側縁82Rの下方から他方引裂き補助線7Rが形成されているので、摘み部5を摘んで引き出すと、一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rに引き裂き力が作用して、それら引裂き補助線に沿って横切取り補助線6まで容易に切り取ることができる。特に、他方引裂き補助線7Rを挟んで第4及び第5接着部34,35が設けられているので、他方引裂き補助線7Rに引き裂き力が集中し、それに沿って確実に切り取ることができる。
また、一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rは、一方下斜めに延設されており、これは容器9に装着された状態のラベル1の摘み部5の端とは反対の方向であるので、摘み部5を摘んで反時計回り且つ下方に引き出すと、一方引裂き補助線7L及び他方引裂き補助線7Rに沿って、摘み部5から反時計回り且つ下方に(
図5で見て、右下斜めに)スムースに切れていくようになる。
【0029】
本発明の熱収縮性巻付けラベル及びラベル付き容器は、上記第1実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で適宜設計変更できる。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、その説明に於いて、主として上記第1実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記第1実施形態と同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
【0030】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、他方臨側縁81Rが上下方向に延びているが、これに限定されず、例えば、
図7に示すように、他方臨側縁81Rが、上方に向かうに従い他方側へ延びる傾斜状に形成されていてもよい。抜き部4に臨む他方臨側縁81Rを、前記のように傾斜状に形成することにより、熱収縮性巻付けラベル1を容器に装着後、その側縁81Rが捲れ難くなる。特に、同図に示すように、傾斜状の他方臨側縁81Rを含む他方臨側部(傾斜帯状部分)に接着部36を設けておくことにより、他方臨側縁81Rが捲れることを確実に防止できる。
【0031】
また、上記第1実施形態では、一方側端部21のうち横切取り補助線6と上縁23との間にスポット的に第2接着部32が設けられているが、
図7に示すように、この部分に接着部が設けられていなくてもよい。
さらに、上記第1実施形態では、抜き部4に臨む上向縁41を含む上向縁部に接着部が設けられていないが、
図7に示すように、上向縁41を含む上向縁部(左右方向に延びる帯状部分)に接着部37が設けられていてもよい。この部分に接着部37を設けることにより、ラベル付き容器を開封する際に摘み部5を摘んで引き出すと、一方引裂き補助線7Lに引き裂き力が作用し易くなるので好ましい。
また、上記第1実施形態では、他方側端部22において、他方引裂き補助線7Rの両側近傍領域に接着部が設けられていないが、他方引裂き補助線7Rの両側近傍領域の全部又は一部に接着部が設けられていてもよい。例えば、
図7に示すように、他方引裂き補助線7R及びその両側近傍領域の上方部を含む、横切取り補助線6よりも上方部分に、接着部38が設けられていてもよい。
【0032】
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、一方臨側縁81L及び他方非臨側縁82Rは、弧状縁と直状縁とからなるが、これに限定されず、例えば、
図8に示すように、一方臨側縁81L及び他方非臨側縁82Rの全体が直線状に形成されていてもよい。なお、図示例では、一方臨側縁81L及び他方非臨側縁82Rは、上下方向と平行な直線状であるが、上下方向に対して傾斜した直線状であってもよい。
さらに、上記第1実施形態では、他方上方領域8Rは、一方上方領域8Lに比して十分に大きいが、例えば、
図8に示すように、他方上方領域8Rと一方上方領域8Lが比較的同じような大きさに形成されていてもよい。つまり、抜き部4の大きさや形成位置を適宜変更することにより、他方上方領域8R及び一方上方領域8Lの大きさも適宜変更できる。なお、
図8の例では、一方上方領域8Lの略全体が一方摘み部5Lとなり、他方上方領域8Rの略全体が他方摘み部5Rとなっている。
【0033】
また、上記第1実施形態では、他方摘み部5Rに対応して他方引裂き補助線7Rが形成されているが、例えば、
図8に示すように、他方引裂き補助線7Rが形成されていなくてもよい。この場合、一方引裂き補助線7Lに沿って熱収縮性巻付けラベル1を容易に切り取ることができるようにするために、熱収縮性フィルム2の他方側端部22の一部を切り欠くことにより、一方引裂き補助線7Lの平面視形状と同形状の当て縁25を形成しておくことが好ましい。熱収縮性巻付けラベル1を容器9に巻き付ける際、前記当て縁25が一方引裂き補助線7Lに一致するように、他方摘み部5Rを一方摘み部5Lに重ねて接着することにより、一方引裂き補助線7Lに沿って容易に切れるようになる。
【0034】
[第4実施形態]
また、
図9に示すように、一方臨側縁81Lの全体が抜き部4側に膨らんだ半円弧状に形成され、且つ、他方非臨側縁82Rの全体が外側に膨らんだ半円弧状に形成されていてもよい。この場合、一方摘み部5Lの外形は、前記一方臨側縁81Lの全部から構成され、他方摘み部5Rの外形は、他方非臨側縁82Rの全部から構成される。
このように一方臨側縁81L及び他方非臨側縁82Rが半円弧状に形成されていることにより、熱収縮性巻付けラベル1を容器9に装着した際に、抜き部4側に突出した摘み部5を形成できる。
【0035】
また、上記第1実施形態では、一方引裂き補助線7Lは一方下斜めに延設されているが、これに限定されず、例えば、
図9に示すように、一方引裂き補助線7Lが上下方向と平行に延設されていてもよい。この場合、一方引裂き補助線7Lに沿って熱収縮性巻付けラベル1を容易に切り取ることができるようにするために、熱収縮性巻付けラベル1を容器9に巻き付ける際、熱収縮性フィルム2の他方縁22Rが一方引裂き補助線7Lに一致するように、他方摘み部5Rを一方摘み部5Lに重ねて接着することが好ましい。
【0036】
[第5実施形態]
また、上記各実施形態では、他方側端部22を一方側端部21の表面に重ね合わせて装着する熱収縮性巻付けラベルを例示したが、一方側端部21を他方側端部22の表面に重ね合わせて装着する熱収縮性巻付けラベルに変更することもできる。
この場合、巻き付け時に外側に配置される一方側端部21が捲れないようにするために、例えば、
図10に示すように、一方上方領域8Lに接着部39を設けておく。好ましくは、図示のように、少なくとも一方臨側縁81L及び一方非臨側縁82Lを含む一方上方領域8Lに接着部39を設けておく。なお、他方上方領域8Rには、接着部を設けなくてもよいし(
図10参照)、或いは、必要に応じてスポット的に接着部を設けてもよい。ラベルの形状などのその他の構成は、上記各実施形態と同様である。なお、
図10の熱収縮性巻付けラベルの形状は、便宜上、第2実施形態のものを使用している。
【0037】
[他の実施形態]
上記各実施形態の図示例では、一方臨側縁81Lと他方非臨側縁82Rとは、同じ形状であるが、異なる形状であってもよい。一方引裂き補助線7Lと他方引裂き補助線7Rも同様に、異なる形状であってもよい。
また、上記各実施形態では、第1接着部31は、横切取り補助線6よりも下方の領域全体に設けられているが、これに限定されず、横切取り補助線6よりも下方の領域のうち一方側端部21及び他方側端部22に少なくとも設けられていればよい。
さらに、上記各実施形態では、2つの引裂き補助線7L,7Rが形成されているが、そのうちの何れか一方のみが形成されていてもよく、或いは、何れも形成されていなくてもよい。
熱収縮性巻付けラベルを容器に巻き付けた際、内側に配置される領域に少なくとも引裂き補助線が形成されていることが好ましい。内側に配置される領域に少なくとも引裂き補助線が形成されていることにより、摘み部5を摘んで引き出した際にその引裂き補助線に沿って横切取り補助線6まで比較的容易に切り取ることができるようになる。なお、前記内側に配置される領域に形成される引裂き補助線は、第1乃至第4実施形態では、一方引裂き補助線7Lに相当し、第5実施形態では、他方引裂き補助線7Rに相当する。
【0038】
また、上記各実施形態では、熱収縮性巻付けラベル1の裏面側を基準に説明したが、これに限定されず、各実施形態について表面側を基準としてもよい。例えば、
図1を表面側から見たラベルの平面図とした場合、このラベル1の一方側端部21を容器9に貼り付け、上から見て反時計回りにラベル1を容器9に巻き付けることになる。この場合、得られるラベル付き容器は、摘み部5(5L,5R)から横切取り補助線6に向けて引裂き補助線7L,7Rが時計回り且つ下方に(ラベル付き容器の正面から見た場合に左下斜めに)延びることになり、摘み部5から時計回り且つ下方に(左下斜め方向に)スムースに切れていくことになる。