特開2015-122503(P2015-122503A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-122503(P2015-122503A)
(43)【公開日】2015年7月2日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20150605BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20150605BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20150605BHJP
【FI】
   H01L21/205
   C23C16/455
   C23C16/46
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-259152(P2014-259152)
(22)【出願日】2014年12月22日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0160434
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ビョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンキ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヤンシク
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャンドル
(72)【発明者】
【氏名】シン,チャンフン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウンドク
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA06
4K030EA11
4K030FA04
4K030KA02
4K030KA23
4K030KA25
4K030KA46
4K030LA15
5F045AA08
5F045DP04
5F045EH02
5F045EK08
5F045EK22
5F045EM02
(57)【要約】
【課題】本発明は、基板処理装置に関する。
【解決手段】本発明の一実施例によれば、通路を介して基板が移送されて上記基板に対する工程が行われる内部空間を提供し、上記基板に向かってガスを供給する供給ポートが形成されたチャンバと、上記内部空間に設置され、上記基板を加熱する加熱領域38’及び上記供給ポートから供給された上記ガスを予熱する予熱領域39’を備えるサセプタ30と、を含む基板処理装置が提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路を介して基板が移送されて該基板に対する処理が行われる内部空間を提供し、前記基板に向かってガスを供給する供給ポートが形成されたチャンバと、
前記内部空間に設置され、前記基板を加熱する加熱領域及び前記供給ポートから供給された前記ガスを予熱する予熱領域を備えるサセプタと、
を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記予熱領域の温度は前記加熱領域の温度以上である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記加熱領域の形状は、前記基板の形状に対応しており、
前記予熱領域の、前記ガスの移動方向と垂直な方向の長さは、前記基板の直径より大きい、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記加熱領域の中心は、前記サセプタの中心を基準に偏心して、前記供給ポートよりも前記通路に近接して配置される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記サセプタは、
前記サセプタの中心から偏心配置された開口を有し、前記予熱領域を提供する直方体状の補助サセプタと、
前記開口に挿設されて前記加熱領域を提供するメインサセプタと、
を備える、請求項1又は4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記補助サセプタの熱膨張係数は、前記メインサセプタの熱膨張係数以下である、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記基板処理装置は、前記チャンバの前記供給ポートが配置された部位と反対側の部位に形成され、前記基板を通過した前記ガスを排気する排気ポートをさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記チャンバは直方体状の内部空間を提供し、
一側に前記通路が形成され、他側に前記供給ポートが形成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記加熱領域は前記基板の下部に配置され、
前記予熱領域は前記加熱領域と前記供給ポートとの間に配置される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記予熱領域は、前記ガスが前記加熱領域の前に通過するように、前記加熱領域と前記供給ポートとの間に配置される、請求項9に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年12月20日に韓国特許庁へ出願された韓国特許出願第10−2013−0160434号の利益を主張するものであり、その開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に半導体素子の製造において、半導体基板上に高品質の薄膜を形成する装置や工程を改善しようとする努力が行われており、半導体基板の表面反応を用いて薄膜を形成するためのいくつかの方法が用いられてきた。
【0004】
このような方法としては、真空蒸発蒸着(Vacuum Evaporation Deposition)、分子線結晶成長(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、低圧化学気相蒸着(Low‐pressure Chemical Vapor Deposition)、有機金属化学気相蒸着(Organometallic Chemical Vapor Deposition)、及び、プラズマ助長化学気相蒸着(Plasma‐enhanced Chemical Vapor Deposition)を含む、多様な化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)や、原子層結晶成長(Atomic Layer Epitaxy:ALE)等の方法がある。
【0005】
最近では、上記方法を用いて薄膜を形成するときに、ガスと基板との反応性をより増大させて生産性を向上させると共に、基板の均一度を向上させることができる、技術の開発が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10‐2010‐0110822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、基板の均一度及び生産性を向上させる基板処理装置を提供することである。
本発明の他の目的は、チャンバの内部空間に供給されたガスを予熱することによって、ガスと基板との反応性を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例による基板処理装置は、通路を介して基板が移送されて上記基板に対する工程が行われる内部空間を提供し、上記基板に向かってガスを供給する供給ポートが形成されたチャンバと、上記内部空間に設置され、上記基板を加熱する加熱領域及び上記供給ポートから供給された上記ガスを予熱する予熱領域を備えるサセプタと、を含む。
【0009】
上記予熱領域の温度は上記加熱領域の温度以上であればよい。
【0010】
上記加熱領域は上記基板に対応する形状であり、上記予熱領域は上記ガスの移動方向と垂直な方向に上記基板の直径以上の長さを有することができる。
【0011】
上記加熱領域の中心は、上記サセプタの中心を基準に偏心して、上記供給ポートよりも上記通路に近接して配置されることができる。
【0012】
上記サセプタは、上記サセプタの中心から偏心配置された開口を有し、上記予熱領域を提供する直方体状の補助サセプタと、上記開口に挿設されて上記加熱領域を提供するメインサセプタと、を備えることができる。
【0013】
補助サセプタの熱膨張係数は、上記メインサセプタの熱膨張係数以下であればよい。
【0014】
上記基板処理装置は、上記チャンバの上記供給ポートと反対側の部位に形成され、上記基板を通過した上記ガスを排気する排気ポートをさらに含むことができる。
上記チャンバは直方体状の内部空間を提供し、一側に上記通路が形成され、他側に上記供給ポートが形成されることができる。
【0015】
上記加熱領域は上記基板の下部に配置され、上記予熱領域は上記加熱領域と上記供給ポートとの間に配置されることができる。
上記予熱領域は、上記加熱領域の前にガスが通過するように、上記加熱領域と上記供給ポートとの間に配置されることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施例によれば、チャンバの内部空間内に加熱領域と予熱領域を備えることによりガスを予熱して基板上に供給して基板の均一度及び生産性を向上させることができる。また、予熱領域が加熱領域に比べて相対的に高い温度を有することにより短時間内にガスを予熱してガスと基板の反応性を極大化することができる。
【0017】
本発明の、上述した及びその他の形態、特徴、長所は、以下の詳細な説明を添付の図面と組み合わせることによって、より明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例による半導体製造設備を概略的に示す図である。
図2図1の基板処理装置を概略的に示す図である。
図3図2の基板処理装置の分解斜視図である。
図4図2の排気部材の待機位置を示す図である。
図5図2の排気部材の処理位置を示す図である。
図6図2のサセプタの加熱領域と予熱領域とを示す図である。
図7図6の加熱領域と予熱領域との変形例である。
図8図6のサセプタのガス流動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、本発明を十分かつ完全に理解するために、また、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明の範囲の理解を十分に促すために提供されるものである。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがあり、また、全体を通して同様のまたは相当する要素を示すために同様の参照符号を用いている。
【0020】
本発明の理解を高めるための、添付の図面の参照符号に関して、同様または類似の番号は、各実施形態で同じ機能に関連した要素を示している。一方、本発明の一実施例による処理装置は、一例として基板Wの処理に用いられるものとして説明するが、本発明は多様な被処理体に応用されることができる。
【0021】
図1は、本発明の一実施例による半導体製造設備を概略的に示す図である。図1に示したように、一般に、半導体製造設備100は、工程設備120と、設備前端モジュール110(Equipment Front End Module:EFEM)と、を含む。設備前端モジュール110は、工程設備120の前方に設置され、基板Wが収容された容器と工程設備の間で基板Wを移送する。
【0022】
基板Wには、工程設備120内で所定の工程が行われる。工程設備120は、移送チャンバ130、ロードロックチャンバ140、及び複数の基板処理装置10で構成されることができる。移送チャンバ130は上部から見てほぼ多角形の形状を有し、ロードロックチャンバ140及び複数の基板処理装置10は、移送チャンバ130の側方にそれぞれ設置される。移送チャンバ130は四角形であればよく、移送チャンバ130の、ロードロックチャンバ140が設置された側方以外の各側方に、それぞれ二つの基板処理装置10が配置されることができる。
【0023】
ロードロックチャンバ140は、移送チャンバ130の側部のうち設備前端モジュール110に隣接した側部に位置する。基板Wは、ロードロックチャンバ140内に一時的にとどまった後に、工程設備120に移載されて工程が行われる。工程が終わった後に、基板Wは、工程設備120から取り出されて、ロードロックチャンバ140内に一時的にとどまる。移送チャンバ130及び複数の基板処理装置10の各々は、真空状態に維持され、ロードロックチャンバ140は、真空及び大気圧に転換可能である。ロードロックチャンバ140は、外部の汚染物質が移送チャンバ130及び複数の基板処理装置10に流入されることを防止し、基板Wが移送される間に基板Wが大気に露出することを遮断して、基板W上で酸化膜が成長することを防止することができる。
【0024】
ロードロックチャンバ140と移送チャンバ130との間、及び、ロードロックチャンバ140と設備前端モジュール110との間には、ゲート弁(図示せず)が設置され、移送チャンバ130は基板ハンドラ135(移送ロボット)を備える。基板ハンドラ135は、ロードロックチャンバ140と、複数の基板処理装置10の各々との間で、基板Wを移送する。例えば、移送チャンバ130内に備えられた基板ハンドラ135は、第1及び第2のブレードを用いて、移送チャンバ130の側方に配置された各基板処理装置10に基板Wを同時に移載することができる。
【0025】
図2図1の基板処理装置を概略的に示す図であり、図3図2の基板処理装置の分解斜視図である。図2及び図3に示したように、基板Wは、チャンバ20の一側方に形成された通路22を介して、基板Wに対する工程が行われるチャンバ20へ移送される。チャンバ20は開放された上部を有し、チャンバカバー12はチャンバ20の開放された上部に設置される。チャンバカバー12は、第1の設置溝13が形成され、インシュレーター15が第1の設置溝13に挿入される。インシュレーター15は第2の設置溝16が形成され、第2の設置溝16にはトップ電極18が設置されて、チャンバ20の内部空間3にプラズマを発生させることができる。
【0026】
トップ電極18の底面はサセプタ30の上面と平行であり、トップ電極18の内部に設置されたアンテナ17を介して、外部から高周波電流が供給される。チャンバカバー12、インシュレーター15及びトップ電極18によって、チャンバ20の開放された上部が閉鎖されて、内部空間3が形成される。チャンバカバー12はチャンバ20とヒンジで締結されて、チャンバ20の補修時にチャンバ20の上部を開放することができる。
【0027】
チャンバ20は、基板Wに対する工程が行われる内部空間3を有し、内部空間3は直方体状であればよい。サセプタ30は、内部空間3に設置され、基板の下部に配置されて基板Wを加熱する。サセプタ30は、内部空間3に対応する直方体状を有し、内面に開口(図示せず)が形成された補助サセプタ32と、その開口に挿設可能なメインサセプタ34とを備えることができる。
【0028】
チャンバ20内部の通路22の反対側には、一つ以上の供給ポート25が形成され、ガスがチャンバ20の内部に供給される。サセプタ30とチャンバ20の内壁との間に、拡散部材40が設置される。拡散部材40は、供給ポート25の前方に配置され、供給ポート25を介して供給されたガスを拡散する、複数の拡散孔45を有する。
【0029】
拡散部材40は、拡散本体42と拡散板44とを備えている。拡散本体42は、サセプタ30とチャンバ20の内壁との間の空間を満たし、サセプタ30の側面及びチャンバ20の内壁と接する。拡散板44は、拡散本体42の上面から突出して拡散本体42の外側に配置され、インシュレーター15の底面と接する。拡散孔45は、拡散板44に形成される。
【0030】
また、チャンバ20内部の供給ポート25の反対側に、一つ以上の排気ポート28が形成され、基板Wを通過した未反応ガス及び反応副産物等が排気される。排気部材50は、サセプタ30と、通路22が形成されたチャンバ20の内壁との間に、昇降可能に設置される。排気部材50は、ガスの流れを維持しながら、基板Wを通過したガスを排気する、複数の排気孔55を有している。拡散部材40と排気部材50とは、互いに対称形状をなし、拡散孔45と排気孔55とは、互いに平行に形成される。
【0031】
排気部材50は、排気本体52と排気板54を備えている。排気本体52は、サセプタ30とチャンバ20の内壁との間の空間内に設置され、サセプタ30の側面と接している状態でチャンバ20の内壁から離隔している。排気ポート28の入口側(又は上端)は、排気本体52とチャンバ20との間に形成された空間の底面に位置する。
【0032】
例えば、シリンダーロッド57は、排気部材50の底面に連結され、シリンダー58によって、排気部材50と共に昇降することができる。排気部材50と拡散部材40とは、互いに対称構造をなしている。排気孔55及び拡散孔45は、排気板54及び拡散板44の上部に、それぞれ複数形成される。複数の排気孔55は、互いに既定の間隔を有しており、複数の拡散孔45は、互いに既定の間隔を有している。排気孔55及び拡散孔45は、円形又は長孔形の形状を有することができる。
【0033】
拡散部材40及び排気部材50は、それぞれ、サセプタ30とチャンバ20の内壁との間の空間に満たしている。上部に設置されたチャンバカバー12、インシュレーター15及びトップ電極18によって、チャンバ20の上部が閉鎖されることにより、チャンバ20の内部空間3が塞がれて、ガスと基板Wとが反応する反応空間5が形成される。
【0034】
この際、拡散部材40及び排気部材50は、それらに隣接したチャンバ20の内壁と垂直に配置され、チャンバ20の長手方向の別の2つの内壁は、ガスの流れと平行に配置されるため、反応空間5は直方体状を有する。さらに、排気部材50は通路22が配置されたチャンバの一部に配置されるため、通路22による反応空間5の非対称性が除去され、通路22の存在によって発生する不均一性を防止することができる。
【0035】
即ち、通路22がチャンバ20の一側方に形成されることで、基板Wが通路22を介して、チャンバ20に対して搬入出されることができる。しかしながら、通路22の存在によって、チャンバ20の内部空間が必然的に非対称となる。一方、排気板54を用いて通路22を反応空間5から区画することにより、反応空間5は対称性を有することができる。
【0036】
即ち、ガスは、供給ポート25を介してチャンバ20の反応空間5内に供給され、拡散板44に形成された拡散孔45を通過することにより拡散される。拡散されたガスは、反応空間5内の基板Wを通過し、未反応ガス及びガス副産物は、排気板54に形成された排気孔55及び排気ポート28を介して排気される。したがって、排気板54と拡散板44とにそれぞれ形成された、排気孔55及び拡散孔45を介して、ガスの層流(laminar flow)が維持され、基板Wの上面全体に均一にガスを供給することができる。
【0037】
この際、拡散本体42の上面は、サセプタ30の上部面より低く配置されるため、拡散本体42の上部に配置される反応空間5の高さは、サセプタ30の上部に配置される反応空間5の高さより大きい。これにより、拡散孔45を通過したガスは、拡散本体42の上部に配置される反応空間5内で拡散される。これと同様に、排気本体52の上面は、サセプタ30の上面より低く配置されるため、排気本体52の上部に配置される反応空間5の高さは、サセプタ30の上部に配置される反応空間5の高さより大きい。これにより、サセプタ30の上部を通過したガスは、排気本体52の上部に配置される反応空間を均一に流れることができる。したがって、拡散部材40を介して供給されて排気部材50を介して排気される工程ガスは、拡散部材40又は排気部材50の長手方向に沿って、反応空間5全体のガスの位置に関係することなく、均一な流れを示すことができる。
【0038】
また、供給ポート25には、補助拡散板60を設置することができる。補助拡散板60及び拡散板44は、互いに既定の間隔で離隔して配置され、補助拡散板60には、拡散板44と同様に複数の補助拡散孔65が形成される。補助拡散孔65と拡散孔45とは互い違いに形成されるため、補助拡散孔65を通過したガスは、拡散孔45を介して再度拡散され、これにより、基板W上に一定の層流が形成されるため、均一にガスを供給することができる。
【0039】
図4及び図5は、図2の排気部材の待機位置及び処理位置を示す図である。シリンダーロッド57は、排気部材50の底面に連結され、シリンダー58によって昇降することができる。図4に示したように、排気部材50は、チャンバ20内で通路22よりも奥に配置される。基板Wがチャンバ20内に設置される場合、シリンダーロッド57を排気部材50と共に下降させて「待機位置」にすることにより、基板Wの移動経路を提供することができる。
【0040】
また、図5に示したように、基板Wが移載された後、基板Wに対する処理を行う場合は、通路22の外側に備えられたゲート弁を閉鎖し、シリンダー58を排気部材50と共に上昇させて「処理位置」にすることができる。したがって、基板Wへの処理中、補助拡散板60、拡散板44及び排気板54は、ほぼ同じ高さに配置され、補助拡散板60と拡散板44とを介して分散されたガスは、基板Wを通過して排気板54上への層流を維持することができる。
【0041】
図6図2のサセプタの加熱領域と予熱領域を示す図であり、図7図6の加熱領域と予熱領域との変形例である。図6に示したように、サセプタ30は、基板Wを加熱する加熱領域38と、供給ポート25を介して流入されたガスを予熱する予熱領域39とを有する。加熱領域38は、基板Wが載置される溝31に対応する。加熱領域38にはヒーター(熱線)37が備えられ、加熱領域38は、供給ポート25よりも通路22に近接して配置される。
【0042】
即ち、加熱領域38の中心Cと通路22との間の距離dは、加熱領域38の中心Cと供給ポート25との間の距離dより大きい。加熱領域38が供給ポート25よりも通路22に近接して配置されることにより、供給ポート25を介して供給されたガスが、補助拡散孔65及び拡散孔45を順次通過することにより、基板Wに向かって層流を形成するための、最適な距離と時間とを提供することができる。
【0043】
これに対し、図7に示したように、予熱領域39’は、加熱領域38’を除いたサセプタ30の面全体にわたって形成することができる。即ち、補助サセプタ32は予熱領域39’を有し、メインサセプタ34は加熱領域38’を有する。補助サセプタ32及びメインサセプタ34には、それぞれヒーター(熱線)37’が備えられ、補助サセプタ32はメインサセプタ34より高い温度を有することができる。
【0044】
また、図8は、図6のサセプタ内のガス流動状態を示す図である。図8に示したように、補助拡散孔65と拡散孔45とは互い違いに形成され、供給ポート25を介して供給されたガスは、補助拡散孔65を介して拡散された後に、拡散孔45を介してさらに拡散される。即ち、ガスが基板Wの表面上に層流を形成することにより、均一にガスを供給することができる。また、層流を維持した状態で、ガスは、排気板54に形成された排気孔55を介して排気される。これにより、基板Wの中央部と端部とにわたって均一的にガスを流すことができる。
【0045】
反応空間5は直方体状を有するため、拡散板44から排気板54に至るまで同一の距離を維持することができ、これによって、工程ガスは、反応空間5内で拡散板44から排気板54に至るまで、均一な流れを維持することができる。これに対し、反応空間5が円形を有する場合は、拡散板44から排気板54に至る距離が、反応空間5内のガスの位置によって変わるため、ガスが反応空間5内で層流を維持するのが困難である。
【0046】
また、予熱領域39は加熱領域38と供給ポート25との間に配置され、加熱領域38と同様に、予熱領域39にはヒーター37が備えられる。加熱領域38と予熱領域39とは、別々に制御可能であり、例えば、予熱領域39は加熱領域38以上の温度を有することができる。加熱領域38の中心Cは、サセプタ30の中心を基準に偏心しているため、供給ポート25よりも通路22に近接して配置される、予熱領域39で予熱されたガスは、基板Wに向かって流動する。
【0047】
前述したように、サセプタ30は、補助サセプタ32とメインサセプタ34とを備える。メインサセプタ34は加熱領域38を提供し、補助サセプタ32は予熱領域39を提供する。補助サセプタ32は、サセプタ30の中心から偏心配置された開口を有し、内部空間3の直方体状に対応する直方体状を有することができる。メインサセプタ34は、補助サセプタ32に形成された開口に挿設されることができ、基板Wに対応する形状を有する。ガスの移動方向と垂直な方向の、予熱領域39の長さは、基板Wの直径以上の長さを有するため、供給ポート25を介して反応空間5に流入されたガスは、予熱領域39を通過して、温度が上昇した状態で基板Wに向かって流動する。
【0048】
一方、補助サセプタ32は、メインサセプタ34の熱膨張係数より小さい熱膨張係数を有する素材で形成されていればよい。例えば、補助サセプタ32は、窒化アルミニウム(AlN:熱膨張係数=4.5−6/℃)で形成されていればよく、メインサセプタ34は、アルミニウム(Al:熱膨張係数=23.8−6/℃)で形成されていればよい。したがって、補助サセプタ32の予熱領域39は、メインサセプタ34に形成された加熱領域38の温度よりも高い温度で、基板Wが加熱されるときに、基板Wに対する熱膨張によるダメージを防止することができる。
【0049】
したがって、既存の基板処理装置においてガスの偏重現象をなくすために、排気部材を基板から離隔させることによりチャンバの内部空間の体積が増加されたことに起因する、基板処理に必要とされるガスの量及びコストが増加する問題、及び、基板Wの蒸着を行うのに必要な工程時間が長くなる問題を、本発明の実施形態による基板処理装置によって補完することができる。また、拡散部材40、補助拡散板60及び排気部材50を用いて、チャンバ20の内部空間3にガスの層流を形成し、ガスの流動空間を最小化することにより、基板処理の効率性及び品質を向上させることができる。
【0050】
また、供給ポート25から流入されたガスを、加熱領域38の温度以上の温度を提供する予熱領域39によって予熱し、予熱したガスを基板Wに向かって流動させて加熱領域38内に迅速に処理温度を形成することで、ガスと基板Wとの反応性を向上させることができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0052】
3:内部空間、5:反応空間、10:基板処理装置、20:チャンバ、22:通路、25:供給ポート、28:排気ポート、30:サセプタ、34:メインサセプタ、32:補助サセプタ、38:加熱領域、39:予熱領域、40:拡散部材、45:拡散孔、50:排気部材、55:排気孔、60:補助拡散板、65:補助拡散孔、100:半導体製造設備、110:EFEM、120:工程設備、130:移送チャンバ、140:ロードロックチャンバ
図1
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図8